JP2007252181A - 電気自動車の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】直流電源電圧を昇圧コンバータで昇圧して電源ラインにシステム電圧を発生させ、このシステム電圧でインバータを介して交流モータを駆動するシステムにおいて、そのシステム電圧を平滑する平滑コンデンサの異常の有無や異常レベルを判定可能にする。
【解決手段】システム電圧の目標値Vs*と検出値Vsfとの偏差ΔVs が小さくなるようにMGユニット30(交流モータ14)の入力電力を操作してシステム電圧変動を抑制するシステム電圧安定化制御を実行する。平滑コンデンサ24の容量が低下すると、それに応じてシステム電圧の高周波域の振動が大きくなり、それを補正するためにシステム電圧安定化制御によるMGユニット30の入力電力操作量Pm が高周波振動することに着目して、入力電力操作量Pm の周波数と振幅に基づいて平滑コンデンサの異常(容量低下)の有無を判定すると共に異常有りの場合にその異常レベル(容量低下の度合)を判定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、直流電源の電圧を変換手段で変換してシステム電圧を発生させ、このシステム電圧によってインバータを介して交流モータを駆動するシステムを搭載した電気自動車の制御装置に関するものである。
車両の動力源として交流モータを搭載した電気自動車においては、例えば特許文献1(特開2004−274945号公報)に記載されているように、車両の駆動輪を駆動するための交流モータと、内燃機関で駆動されて発電するための交流モータとを備え、直流電源(二次電池)の電圧を昇圧コンバータで昇圧した直流電圧を電源ラインに発生させ、この電源ラインに、それぞれインバータを介して各交流モータを接続し、昇圧コンバータで昇圧した直流電圧をインバータで交流電圧に変換して交流モータを駆動したり、交流モータで発電した交流電圧をインバータで直流電圧に変換して、この直流電圧を昇圧コンバータで降圧してバッテリに回収させるようにしたものがある。
このようなシステムにおいては、電源ラインの電圧を安定化させるために、昇圧コンバータで電源ラインの電圧を目標電圧に制御すると共に、電源ラインに接続された平滑コンデンサで電源ラインの電圧を平滑するようにしたものがある。
特開2004−274945号公報
しかし、車両の運転状態の変化等によって一方の交流モータの駆動電力と他方の交流モータの発電電力との関係(2つの交流モータの電力収支)が大きく変化した場合、それによって生じる電源ラインの電圧変動を昇圧コンバータや平滑コンデンサで吸収しきれずに電源ラインの電圧が過大になって、電源ラインに接続された電子機器に過電圧が印加されてしまう可能性がある。この対策として、昇圧コンバータの高性能化や平滑コンデンサの大容量化によって電源ラインの電圧安定化効果を高める方法があるが、この方法では、昇圧コンバータや平滑コンデンサの大型化、高コスト化を招いてしまい、システムの小型化、低コスト化の要求を満たすことができないという問題がある。
尚、上記特許文献1では、直流電源の故障時に直流電源と昇圧コンバータとの間をリレーで遮断する際に2つの交流モータのエネルギの総和(電力収支)を「0」にするようにインバータを制御する技術が開示されているが、この技術は、直流電源の故障時の対策であって、直流電源の正常時には電源ラインの電圧安定化効果を高めることができない。また、仮に、通常時に2つの交流モータのエネルギの総和を「0」にするようにインバータを制御しようとしても、一方の交流モータが車両の駆動軸に連結され、他方の交流モータが内燃機関の出力軸に連結されている場合(つまり2つの交流モータが挙動の異なる要素に連結されている場合)や、車両の運転状態が変化する過渡時のようにインバータ制御の演算遅れの影響が大きくなる場合には、2つの交流モータのエネルギの総和を「0」にするように制御するのは極めて困難である。更に、内燃機関に連結されている交流モータは、内燃機関のトルク変動に起因する電力変動を避けられず、これが2つの交流モータのエネルギの総和を「0」にする制御を更に困難にする。
本発明は、これらの事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、システムの小型化、低コスト化の要求を満たしながら、電源ラインの電圧安定化効果を高めることができる電気自動車の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、直流電源の電圧を変換して電源ラインにシステム電圧を発生させる変換手段と、電源ラインに接続されたインバータ及び該インバータで駆動される交流モータからなる少なくとも1つのモータ駆動ユニット(以下「MGユニット」と表記する)と、電源ラインに接続されてシステム電圧を平滑する平滑手段とを備えた電気自動車の制御装置において、システム電圧制御手段によりMGユニットの入力電力を操作してシステム電圧の変動を抑制するように制御するシステム電圧安定化制御を実行し、異常診断手段によってシステム電圧安定化制御によるMGユニットの入力電力操作量に基づいて平滑手段の異常の有無を判定すると共に該平滑手段の異常有りと判定した場合にその異常レベルを判定する構成としたものである。
この構成では、システム電圧安定化制御によってMGユニットの入力電力を操作してシステム電圧の変動を抑制することが可能となるため、車両の運転状態の変化等によって交流モータの電力収支が大きく変化した場合でも、システム電圧(電源ラインの電圧)を効果的に安定化させることができる。しかも、変換手段の高性能化や平滑手段の大容量化を行うことなく、電源ラインの電圧安定化効果を高めることができ、システムの小型化、低コスト化の要求を満たすことができる。
ところで、何らかの原因(例えば平滑手段の経時劣化等)で平滑手段の容量が低下すると、その分、平滑手段のシステム電圧平滑機能が低下して、システム電圧の変動が大きくなる。この平滑手段の容量低下(いわゆる容量抜け)によるシステム電圧の変動は、前述したシステム電圧安定化制御(MGユニットの入力電力操作によるシステム電圧の制御)によってある程度までは抑制することが可能であるが、平滑手段の容量低下によるシステム電圧の変動が大きくなり過ぎると、その平滑手段の容量低下によるシステム電圧の変動を、システム電圧安定化制御では十分に抑制しきれなくなって、システム電圧(電源ラインの電圧)が過大になり、電源ラインに接続された電子機器に過電圧が印加されてしまう可能性がある。
この対策として、本発明は、システム電圧安定化制御によるMGユニットの入力電力操作量に基づいて平滑手段の異常の有無を判定すると共に該平滑手段の異常有りと判定した場合にその異常レベルを判定する。つまり、平滑手段の容量が低下すると、それに応じて平滑手段のシステム電圧平滑機能が低下してシステム電圧の変動が大きくなり、そのシステム電圧の変動を補正するようにシステム電圧安定化制御によるMGユニットの入力電力操作量が変化する。従って、システム電圧安定化制御によるMGユニットの入力電力操作量を監視すれば、平滑手段の容量低下を精度良く評価することができ、平滑手段の異常(容量低下)の有無や異常レベル(容量低下の度合)を精度良く判定することができる。これにより、平滑手段の異常が発生した場合に、その異常を早期に検出して異常レベルに応じた適切な処理を行うことが可能となるため、平滑手段の異常が原因で電源ラインに接続された電子機器に過電圧が印加される事態を未然に防止することが可能となる。
具体的には、請求項2のように、システム電圧安定化制御によるMGユニットの入力電力操作量の周波数及び/又は振幅に基づいて平滑手段の異常の有無を判定するようにしても良い。更に、請求項3のように、システム電圧安定化制御によるMGユニットの入力電力操作量の周波数及び/又は振幅に基づいて平滑手段の異常レベルを判定するようにしても良い。
図5(a)に示すように、原理的に、平滑手段は、システム電圧の高周波域の変動を平滑する特性を持っているが、図5(b)に示すように、平滑手段の容量が低下すると、それに応じてシステム電圧を平滑する周波数帯域が狭くなって、システム電圧の高周波域の変動が大きくなる。そのシステム電圧の高周波域の変動を補正するために、図5(c)に示すように、システム電圧安定化制御によってシステム電圧の変動を抑制する周波数帯域が高周波側に広がるため、システム電圧安定化制御によるMGユニットの入力電力操作量が高周波振動するようになる。従って、MGユニットの入力電力操作量の周波数や振幅を監視すれば、平滑手段の容量低下を精度良く評価することができ、平滑手段の異常(容量低下)の有無や異常レベル(容量低下の度合)を精度良く判定することができる。
また、システム電圧安定化制御の際に、MGユニットの入力電力の操作によって交流モータのトルクが大きく変動すると、車両の運転状態に悪影響を及ぼす可能性がある。この対策として、請求項4のように、交流モータのトルク発生に必要な電力とは異なる入力電力(つまり無効電力)を操作してシステム電圧を制御するようにすると良い。このようにすれば、交流モータのトルクを一定(例えばトルク指令値)に保持したまま交流モータの入力電力を操作してシステム電圧を制御することができ、車両の運転状態に悪影響を及ぼすことなくシステム電圧の変動を抑制することができる。
その際、請求項5のように、交流モータを正弦波PWM制御方式で制御する場合には、交流モータに通電する電流ベクトル又は交流モータに印加する電圧ベクトルを操作することでMGユニットの入力電力を操作するようにすると良い。交流モータを正弦波PWM制御方式で制御する場合には、交流モータのトルク発生に寄与しない無効電力のみを変化させるように電流ベクトルや電圧ベクトルを操作することで、交流モータのトルクを一定に保持したまま交流モータの入力電力を操作してシステム電圧を制御することができる。
また、請求項6のように、交流モータを矩形波制御方式で制御する場合には、交流モータに通電する際の矩形波のデューティ比及び/又は位相を操作することでMGユニットの入力電力を操作するようにすると良い。交流モータを矩形波制御方式で制御する場合には、矩形波のデューティ比や位相を操作することで、交流モータのトルクを一定に保持したまま交流モータの入力電力を操作してシステム電圧を制御することができる。
また、システム電圧安定化制御の具体的な制御方法は、請求項7のように、システム電圧の目標値を目標電圧設定手段により設定すると共に、システム電圧を電圧検出手段により検出して、システム電圧の目標値と検出したシステム電圧とに基づいてMGユニットの入力電力の操作量を操作量演算手段により演算し、この操作量に基づいてMGユニットの入力電力を操作してシステム電圧を制御するようにしても良い。このようにすれば、システム電圧の目標値とシステム電圧の検出値との偏差を小さくするようにMGユニットの入力電力を操作することができ、システム電圧の変動を確実に抑制することができる。
ところで、MGユニットの入力電力を操作してシステム電圧の変動を抑制するシステム電圧安定化制御を行うと、このMGユニットの入力電力操作によるシステム電圧の制御と変換手段によるシステム電圧の制御とが互いに干渉する可能性がある。
この対策として、請求項8のように、変換手段の入力電力又は出力電力(以下「変換電力」という)の指令値を変換電力指令値演算手段により演算すると共に、変換電力を変換電力検出手段により検出して、変換電力の指令値と検出した変換電力とに基づいて変換手段の入力電力又は出力電力を変換電力制御手段により制御するようにしても良い。このようにすれば、MGユニットの入力電力操作によるシステム電圧の制御の影響で変換電力(変換手段の入力電力又は出力電力)が変動しても、変換電力の指令値と検出した変換電力との偏差を小さくするように変換手段の入力電力又は出力電力を制御することで、MGユニットの入力電力操作によるシステム電圧の制御と変換手段によるシステム電圧の制御との干渉を防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を2つの実施例1,2を用いて説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図10に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて電気自動車の駆動システムの概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン12と第1の交流モータ13及び第2の交流モータ14が搭載され、エンジン12と第2の交流モータ14が車輪11を駆動する動力源となる。エンジン12のクランク軸15の動力は、遊星ギヤ機構16で二系統に分割される。この遊星ギヤ機構16は、中心で回転するサンギヤ17と、このサンギヤ17の外周を自転しながら公転するプラネタリギヤ18と、このプラネタリギヤ18の外周を回転するリングギヤ19とから構成され、プラネタリギヤ18には図示しないキャリアを介してエンジン12のクランク軸15が連結され、リングギヤ19には第2の交流モータ14の回転軸が連結され、サンギヤ17には、主に発電機として使用する第1の交流モータ13が連結されている。
二次電池等からなる直流電源20には昇圧コンバータ21(変換手段)が接続され、この昇圧コンバータ21は、直流電源20の直流電圧を昇圧して電源ライン22とアースライン23との間に直流のシステム電圧を発生させたり、このシステム電圧を降圧して直流電源20に電力を戻す機能を持つ。電源ライン22とアースライン23との間には、システム電圧を平滑化する平滑コンデンサ24(平滑手段)や、システム電圧を検出する電圧センサ25(電圧検出手段)が接続され、電流センサ26(電流検出手段)によって電源ライン22に流れる電流が検出される。
更に、電源ライン22とアースライン23との間には、電圧制御型の三相の第1のインバータ27と第2のインバータ28が接続され、第1のインバータ27で第1の交流モータ13が駆動される共に、第2のインバータ28で第2の交流モータ14が駆動される。第1のインバータ27と第1の交流モータ13で第1のモータ駆動ユニット(以下「第1のMGユニット」と表記する)29が構成され、第2のインバータ28と第2の交流モータ14で第2のモータ駆動ユニット(以下「第2のMGユニット」と表記する)30が構成されている。
メイン制御装置31は、車両全体を総合的に制御するコンピュータであり、アクセル操作量(アクセルペダルの操作量)を検出するアクセルセンサ32、車両の前進運転や後退運転やパーキング或はニュートラルなどのシフト操作を検出するシフトスイッチ33、ブレーキ操作を検出するブレーキスイッチ34、車速を検出する車速センサ35等の各種センサやスイッチの出力信号を読み込んで車両の運転状態を検出する。このメイン制御装置31は、エンジン12の運転を制御するエンジン制御装置36と、第1及び第2の交流モータ13,14の運転を制御するモータ制御装置37との間で制御信号やデータ信号を送受信し、各制御装置36,37によって車両の運転状態に応じてエンジン12と第1及び第2の交流モータ13,14の運転を制御する。
次に、図2に基づいて第1及び第2の交流モータ13,14の制御について説明する。第1及び第2の交流モータ13,14は、それぞれ三相永久磁石式同期モータで、永久磁石が内装されたものであり、そのロータの回転位置を検出するロータ回転位置センサ39,40が搭載されている。また、電圧制御型の三相の第1のインバータ27は、モータ制御装置37から出力される三相の電圧指令信号UU1 ,UV1 ,UW1 に基づいて、電源ライン22の直流電圧(昇圧コンバータ21によって昇圧されたシステム電圧)を三相の交流電圧U1 ,V1 ,W1 に変換して第1の交流モータ13を駆動する。第1の交流モータ13のU相電流iU1 とW相電流iW1 が、それぞれ電流センサ41,42によって検出される。
一方、電圧制御型の三相の第2のインバータ28は、モータ制御装置37から出力される三相の電圧指令信号UU2 ,UV2 ,UW2 に基づいて、電源ライン22の直流電圧を三相の交流電圧U2 ,V2 ,W2 に変換して第2の交流モータ14を駆動する。第2の交流モータ14のU相電流iU2 とW相電流iW2 が、それぞれ電流センサ43,44によって検出される。
尚、第1及び第2の交流モータ13,14は、インバータ27,28で負のトルクで駆動されるときには発電機として機能する。例えば、車両の減速時には減速エネルギにより第2の交流モータ14で発電した交流電力がインバータ28で直流電力に変換されて直流電源20に充電される。通常は、エンジン12の動力の一部がプラネタリギヤ18を介して第1の交流モータ13に伝達されて第1の交流モータ13で発電することでエンジン12の動力を引き出し、その発電電力が第2の交流モータ14に供給されて第2の交流モータ14が電動機として機能する。また、エンジン12の動力が遊星ギヤ機構16で分割されてリングギヤ19に伝達されるトルクが車両走行に要求されるトルクより大きくなる状態では、第1の交流モータ13が電動機として機能してエンジン12の動力を引き出し、この場合、第2の交流モータ14が発電機として機能して、その発電電力が第1の交流モータ13に供給される。
モータ制御装置37は、第1の交流モータ13をトルク制御する場合には、メイン制御装置31から出力されるトルク指令値T1*と、第1の交流モータ13のU相電流iU1 とW相電流iW1 (電流センサ41,42の出力信号)と、第1の交流モータ13のロータ回転位置θ1 (ロータ回転位置センサ39の出力信号)に基づいて正弦波PWM制御方式で三相電圧指令信号UU1 ,UV1 ,UW1 を次のようにして生成する。
まず、第1の交流モータ13のロータ回転位置θ1 (ロータ回転位置センサ39の出力信号)を第1の回転速度演算部45に入力して、第1の交流モータ13の回転速度N1 を演算する。この後、第1の交流モータ13のロータの回転座標として設定したd−q座標系において、d軸電流id1とq軸電流iq1をそれぞれ独立に電流フィードバック制御するために、第1のトルク制御電流演算部46で、第1の交流モータ13のトルク指令値T1*と回転速度N1 とに応じたトルク制御電流ベクトルit1* (d軸トルク制御電流idt1*,q軸トルク制御電流iqt1*)をマップ又は数式等により演算する。
この後、第1の電流ベクトル制御部47で、第1の交流モータ13のU相,W相の電流iU1 ,iW1 (電流センサ41,42の出力信号)と第1の交流モータ13のロータ回転位置θ1 (ロータ回転位置センサ39の出力信号)に基づいて実際の電流ベクトルi1 (d軸電流id1,q軸電流iq1)を演算し、d軸トルク制御電流idt1*と実際のd軸電流id1との偏差Δid1が小さくなるようにPI制御によりd軸指令電圧Vd1* を演算すると共に、q軸トルク制御電流iqt1*と実際のq軸電流iq1との偏差Δiq1が小さくなるようにPI制御によりq軸指令電圧Vq1* を演算する。そして、d軸指令電圧Vd1* とq軸指令電圧Vq1* を三相電圧指令信号UU1 ,UV1 ,UW1 に変換し、これらの三相電圧指令信号UU1 ,UV1 ,UW1 を第1のインバータ27に出力する。
一方、モータ制御装置37は、第2の交流モータ14をトルク制御する場合には、メイン制御装置31から出力されるトルク指令値T2*と、第2の交流モータ14のU相電流iU2 とW相電流iW2 (電流センサ43,44の出力信号)と、第2の交流モータ14のロータ回転位置θ2 (ロータ回転位置センサ40の出力信号)に基づいて正弦波PWM制御方式で三相電圧指令信号UU2 ,UV2 ,UW2 を生成する。
その際、第2の交流モータ14のトルク発生に必要な電力とは異なる入力電力(つまり無効電力)のみを変化させるように電流ベクトルを操作することで、第2の交流モータ14のトルクを一定(トルク指令値T2*)に保持したまま第2の交流モータ14の入力電力を操作してシステム電圧の変動を抑制するシステム電圧安定化制御を実行する。
具体的には、まず、第2の交流モータ14のロータ回転位置θ2 (ロータ回転位置センサ40の出力信号)を第2の回転速度演算部48に入力して、第2の交流モータ14の回転速度N2 を演算する。この後、第2の交流モータ14のロータの回転座標として設定したd−q座標系において、d軸電流id2とq軸電流iq2をそれぞれ独立に電流フィードバック制御するために、第2のトルク制御電流演算部49で、第2の交流モータ14のトルク指令値T2*と回転速度N2 とに応じたトルク制御電流ベクトルit2* (d軸トルク制御電流idt2*,q軸トルク制御電流iqt2*)をマップ又は数式等により演算する。
更に、システム電圧目標値演算部50(目標電圧設定手段)で、システム電圧の目標値Vs*を演算し、電圧センサ25で検出したシステム電圧の検出値Vs を第1のローパスフィルタ51(第一の低域通過手段)に入力してシステム電圧の検出値Vs のうちの低周波域の成分のみを通過させるローパスフィルタ処理を施す。この後、偏差器52でシステム電圧の目標値Vs*とローパスフィルタ処理後のシステム電圧の検出値Vsfとの偏差ΔVs を求め、この偏差ΔVs をPI制御器53(電力操作量演算手段)に入力して、システム電圧の目標値Vs*とローパスフィルタ処理後のシステム電圧の検出値Vsfとの偏差ΔVs が小さくなるようにPI制御により第2の交流モータ14の入力電力操作量Pm を演算する。
この後、入力電力操作量Pm とトルク制御電流ベクトルit2* (d軸トルク制御電流idt2*,q軸トルク制御電流iqt2*)を指令電流演算部54に入力して、図3に示すように、第2の交流モータ14のトルク発生に寄与しない無効電力を入力電力操作量Pm だけ変化させる電力制御電流ベクトルip*(d軸電力制御電流idp* ,q軸電力制御電流iqp* )を求め、トルク制御電流ベクトルit2* (d軸トルク制御電流idt2*,q軸トルク制御電流iqt2*)と電力制御電流ベクトルip*(d軸電力制御電流idp* ,q軸電力制御電流iqp* )とを合成して最終的な指令電流ベクトルi2*(d軸指令電流id2* ,q軸指令電流iq2* )を求める。
i2*(id2* ,iq2* )=it2* (idt2*,iqt2*)+ip*(idp* ,iqp* )
この指令電流ベクトルi2*の演算は、図4に示す指令電流ベクトル演算プログラムに従って実行される。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、トルク指令値T2*と第2の交流モータ14の回転速度N2 とに応じたトルク制御電流ベクトルit2* (d軸トルク制御電流idt2*,q軸トルク制御電流iqt2*)をマップ又は数式等により演算する。
この後、ステップ102に進み、入力電力操作量Pm とトルク制御電流ベクトルit2* (d軸トルク制御電流idt2*,q軸トルク制御電流iqt2*)とに応じたd軸電力制御電流idp* をマップ又は数式等により演算した後、ステップ103に進み、d軸電力制御電流idp* を用いて次式によりq軸電力制御電流iqp* を演算する。
Figure 2007252181
ここで、φは鎖交磁束、Ld はd軸インダクタンス、Lq はq軸インダクタンスであり、それぞれ交流モータ14の機器定数である。
これらのステップ102,103の処理により、第2の交流モータ14のトルクを一定(トルク指令値T2*)に保持したまま第2の交流モータ14の入力電力(無効電力)を入力電力操作量Pm だけ変化させる電力制御電流ベクトルip*(d軸電力制御電流idp* ,q軸電力制御電流iqp* )を求める。
この後、ステップ104に進み、トルク制御電流ベクトルit2* (d軸トルク制御電流idt2*,q軸トルク制御電流iqt2*)と電力制御電流ベクトルip*(d軸電力制御電流idp* ,q軸電力制御電流iqp* )とを合成して最終的な指令電流ベクトルi2*(d軸指令電流id2* ,q軸指令電流iq2* )を求める。
i2*(id2* ,iq2* )=it2* (idt2*,iqt2*)+ip*(idp* ,iqp* )
指令電流ベクトルi2*を演算した後、図2に示すように、第2の電流ベクトル制御部55で、第2の交流モータ14のU相,W相の電流iU2 ,iW2 (電流センサ43,44の出力信号)と第2の交流モータ14のロータ回転位置θ2 (ロータ回転位置センサ40の出力信号)に基づいて実際の電流ベクトルi2 (d軸電流id2,q軸電流iq2)を演算し、d軸指令電流id2* と実際のd軸電流id2との偏差Δid2が小さくなるようにPI制御によりd軸指令電圧Vd2* を演算すると共に、q軸指令電流iq2* と実際のq軸電流iq2との偏差Δiq2が小さくなるようにPI制御によりq軸指令電圧Vq2* を演算する。そして、d軸指令電圧Vd2* とq軸指令電圧Vq2* を三相電圧指令信号UU2 ,UV2 ,UW2 に変換し、これらの三相電圧指令信号UU2 ,UV2 ,UW2 を第2のインバータ28に出力する。
このようにして、メイン制御装置31から出力されるトルク指令値T2*を実現するように第2の交流モータ14のトルクを制御するトルク制御を実行すると共に、第2の交流モータ14のトルクを一定(トルク指令値T2*)に保持したままシステム電圧の目標値Vs*と検出値Vsfとの偏差ΔVs が小さくなるように第2のMGユニット30(第2の交流モータ14)の入力電力を操作してシステム電圧の変動を抑制するシステム電圧安定化制御を実行する。この場合、第2のトルク制御電流演算部49、指令電流演算部54、第2の電流ベクトル制御部55等がモータ制御手段としての役割を果たし、PI制御器53、指令電流演算部54、第2の電流ベクトル制御部55等がシステム電圧制御手段としての役割を果たす。
更に、モータ制御装置37は、前述したシステム電圧安定化制御(第2のMGユニット30の入力電力操作によるシステム電圧の制御)と、昇圧コンバータ21によるシステム電圧の制御との干渉を防止するために、昇圧コンバータ21の出力電力(以下「変換電力」という)の指令値Pif* と検出値Pi との偏差ΔPi が小さくなるように昇圧コンバータ21の図示しないスイッチング素子の通電デューティ比Dc を制御する変換電力制御を実行する。
具体的には、図2に示すように、変換電力の指令値Pif* を演算する場合には、まず、第1の交流モータ13のトルク指令値T1*と回転速度N1 を第1の軸出力演算部56に入力して第1の交流モータ13の軸出力PD1 を演算すると共に、第1の交流モータ13のトルク指令値T1*と回転速度N1 を第1の出力損失演算部57に入力して第1の交流モータ13の出力損失PL1 を演算した後、加算器58で第1の交流モータ13の軸出力PD1 に出力損失PL1 を加算して第1の交流モータ13の入力電力Pi1を求める。この際、第1の交流モータ13が発電機として機能している場合には、第1の交流モータ13の入力電力Pi1の演算結果が負の値となる。
更に、第2の交流モータ14のトルク指令値T2*と回転速度N2 を第2の軸出力演算部59に入力して第2の交流モータ14の軸出力PD2 を演算すると共に、第2の交流モータ14のトルク指令値T2*と回転速度N2 を第2の出力損失演算部60に入力して第2の交流モータ14の出力損失PL2 を演算した後、加算器61で第2の交流モータ14の軸出力PD2 に出力損失PL2 を加算して第2の交流モータ14の入力電力Pi2を求める。この際、第2の交流モータ14が発電機として機能している場合には、第2の交流モータ14の入力電力Pi2の演算結果が負の値となる。
この後、合計器62で第1の交流モータ13の入力電力Pi1と第2の交流モータの入力電力Pi2とを合計して合計電力Pi*を求め、この合計電力Pi*を第2のローパスフィルタ63(第二の低域通過手段)に入力して合計電力Pi*のうちの低周波域の成分のみを通過させるローパスフィルタ処理を施し、このローパスフィルタ処理後の合計電力Pif* を変換電力の指令値Pif* とする。これら合計器62と第2のローパスフィルタ63が変換電力指令値演算手段としての役割を果たす。
一方、変換電力の検出値Pi を演算する場合は、電流センサ26で検出した昇圧コンバータ21の出力電流の検出値ic を第3のローパスフィルタ64(第三の低域通過手段)に入力して昇圧コンバータ21の出力電流の検出値ic のうちの低周波域の成分のみを通過させるローパスフィルタ処理を施し、変換電力検出部65(変換電力検出手段)でシステム電圧の目標値Vs*とローパスフィルタ処理後の昇圧コンバータ21の出力電流の検出値icfとを乗算して変換電力の検出値Pi を求める。尚、システム電圧の検出値Vsfと出力電流の検出値icfとを乗算して変換電力の検出値Pi を求めるようにしても良い。
この後、偏差器66で変換電力の指令値Pif* と検出値Pi との偏差ΔPi を求め、この偏差ΔPi をPI制御器67(変換電力制御量演算手段)に入力し、変換電力の指令値Pif* と検出値Pi との偏差ΔPi が小さくなるようにPI制御により昇圧コンバータ21の図示しないスイッチング素子の通電デューティ比Dc を演算する。この後、昇圧駆動信号演算部68(変換電力制御手段)で、通電デューティ比Dc に基づいて昇圧駆動信号UCU,UCLを演算し、この昇圧駆動信号UCU,UCLを昇圧コンバータ21に出力する。
このようにして、変換電力の指令値Pif* と検出値Pi との偏差ΔPi が小さくなるように昇圧コンバータ21の出力電力を制御する変換電力制御を実行することで、システム電圧安定化制御(第2のMGユニット30の入力電力操作によるシステム電圧の制御)と、昇圧コンバータ21によるシステム電圧の制御との干渉を防止する。
ところで、何らかの原因(例えば平滑コンデンサ24の経時劣化等)で平滑コンデンサ24の容量が低下すると、その分、平滑コンデンサ24のシステム電圧平滑機能が低下して、システム電圧の変動が大きくなる。この平滑コンデンサ24の容量低下(いわゆる容量抜け)によるシステム電圧の変動が大きくなり過ぎると、その平滑コンデンサ24の容量低下によるシステム電圧の変動を、前述したシステム電圧安定化制御(第2のMGユニット30の入力電力操作によるシステム電圧の制御)では十分に抑制しきれなくなって、システム電圧(電源ライン22の電圧)が過大になり、電源ライン22に接続された電子機器に過電圧が印加されてしまう可能性がある。
この対策として、モータ制御装置37は、システム電圧安定化制御による第2のMGユニット30(第2の交流モータ14)の入力電力操作量Pm の周波数と振幅に基づいて平滑コンデンサ24の異常(容量低下)の有無を判定すると共に平滑コンデンサ24の異常有りと判定した場合にその異常レベル(容量低下の度合)を判定する。
図5(a)に示すように、原理的に、平滑コンデンサ24は、システム電圧の高周波域の変動を平滑する特性を持っているが、図5(b)に示すように、平滑コンデンサ24の容量が低下すると、それに応じてシステム電圧を平滑する周波数帯域が狭くなって、システム電圧の高周波域の変動が大きくなる。そのシステム電圧の高周波域の変動を補正するために、図5(c)に示すように、システム電圧安定化制御によってシステム電圧の変動を抑制する周波数帯域が高周波側に広がるため、システム電圧安定化制御による第2のMGユニット30の入力電力操作量Pm が高周波振動するようになる。従って、第2のMGユニット30の入力電力操作量Pm の周波数や振幅を監視すれば、平滑コンデンサ24の容量低下を精度良く評価することができ、平滑コンデンサ24の異常(容量低下)の有無や異常レベル(容量低下の度合)を精度良く判定することができる。
具体的には、図6に示すように、PI制御器53から出力された入力電力操作量Pm をコンデンサ異常診断部69(異常診断手段)を入力し、このコンデンサ異常診断部69の微分器70で、入力電力操作量Pm を微分して入力電力操作量微分値dPm /dtを求め、この入力電力操作量微分値dPm /dtを微分値振幅演算部71に入力して、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dを演算する。ここで、図7に示すように、入力電力操作量Pm の周波数が高くなるに従って、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dが大きくなるという特性があるため、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dは、入力電力操作量Pm の周波数を精度良く反映した情報となる。
更に、図6に示すように、PI制御器53から出力された入力電力操作量Pm を振幅演算部72に入力して、入力電力操作量Pm の振幅Aを演算する。この後、異常判定部73で、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅D(入力電力操作量Pm の周波数の情報)と入力電力操作量Pm の振幅Aを、それぞれ第1〜第3の異常判定値KD1 〜KD3 (KD1 <KD2 <KD3 ),KA1 〜KA3 (KA1 <KA2 <KA3 )と比較する。
その結果、図8に示すように、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aの少なくとも一方が第1の異常判定値以下の場合(D≦KD1 又はA≦KA1 の場合)には、平滑コンデンサ24の異常無し(正常)であると判定する。これに対して、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aが両方とも第1の異常判定値よりも大きい場合(D>KD1 且つA>KA1 の場合)には、平滑コンデンサ24の異常(容量低下)有りと判定する。
平滑コンデンサ24の異常有りと判定された場合、つまり入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aが両方とも第1の異常判定値よりも大きい場合(D>KD1 且つA>KA1 の場合)には、少なくとも一方が第2の異常判定値以下(D≦KD2 又はA≦KA2 )であれば、平滑コンデンサ24の異常レベル(容量低下の度合)が第1の異常レベルであると判定する。この第1の異常レベルは、平滑コンデンサ24の容量低下によって発生するシステム電圧の変動を抑制するのに必要な入力電力操作量Pm の周波数や振幅が第2のMGユニット30の設計規格範囲内となる異常レベルである。
また、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aが両方とも第2の異常判定値よりも大きい場合(D>KD2 且つA>KA2 の場合)には、少なくとも一方が第3の異常判定値以下(D≦KD3 又はA≦KA3 )であれば、平滑コンデンサ24の異常レベルが第2の異常レベルであると判定する。この第2の異常レベルは、平滑コンデンサ24の容量低下によって発生するシステム電圧の変動を抑制するのに必要な入力電力操作量Pm の周波数や振幅が第2のMGユニット30の設計規格範囲外となる(つまり設計規格限界値を越える)異常レベルである。
更に、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aが両方とも第3の異常判定値よりも大きい場合(D>KD3 且つA>KA3 の場合)には、平滑コンデンサ24の異常レベルが第3の異常レベルであると判定する。この第3の異常レベルは、平滑コンデンサ24の容量低下によって発生するシステム電圧の変動を抑制するのに必要な入力電力操作量Pm の周波数や振幅が第2のMGユニット30の性能限界値を越える異常レベルである。
尚、各異常判定値KD1 〜KD3 ,KA1 〜KA3 をそれぞれ予め設定した固定値として演算処理を簡略化するようにしても良いが、例えば、車両の運転状態や各交流モータ13,14の運転状態等に応じて各異常判定値を変化させるようにしても良い。
以上説明した平滑コンデンサ24の異常診断は、図9及び図10に示す異常診断用の各プログラムに従って実行される。以下、これらの各プログラムを処理内容を説明する。
図9に示すコンデンサ異常診断メインプログラムが起動されると、まず、ステップ201で、PI制御器53から出力される入力電力操作量Pm を読み込む。
この後、ステップ202に進み、入力電力操作量Pm を微分して入力電力操作量微分値dPm /dtを求めた後、ステップ203に進み、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dを演算する。この場合、例えば、入力電力操作量微分値dPm /dtの所定期間内における最大値と最小値との偏差を演算し、それを入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dとする。
この後、ステップ204に進み、入力電力操作量Pm の振幅Aを演算する。この場合、例えば、入力電力操作量Pm の所定期間内における最大値と最小値との偏差を演算し、それを入力電力操作量Pm の振幅Aとする。
この後、ステップ205に進み、図10に示す異常診断プログラムを実行する。この異常診断プログラムでは、まず、ステップ301で、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aが両方とも第1の異常判定値よりも大きい(D>KD1 且つA>KA1 )か否かを判定する。
その結果、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aの少なくとも一方が第1の異常判定値以下(D≦KD1 又はA≦KA1 )であると判定された場合には、ステップ302に進み、平滑コンデンサ24の異常無し(正常)と判定する。
これに対して、上記ステップ301で、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aが両方とも第1の異常判定値よりも大きい(D>KD1 且つA>KA1 )と判定された場合には、ステップ303に進み、平滑コンデンサ24の異常(容量低下)有りと判定する。
平滑コンデンサ24の異常有りと判定された場合、つまり入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aが両方とも第1の異常判定値よりも大きい(D>KD1 且つA>KA1 )と判定された場合には、更に、平滑コンデンサ24の異常レベル(容量低下の度合)を判定するために、ステップ304に進み、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aが両方とも第2の異常判定値よりも大きい(D>KD2 且つA>KA2 )か否かを判定する。
このステップ304で、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aの少なくとも一方が第2の異常判定値以下(D≦KD2 又はA≦KA2 )であると判定された場合には、ステップ306に進み、平滑コンデンサ24の異常レベルが第1の異常レベル(平滑コンデンサ24の容量低下によって発生するシステム電圧の変動を抑制するのに必要な入力電力操作量Pm の周波数や振幅が第2のMGユニット30の設計規格範囲内となる異常レベル)であると判定する。この場合、平滑コンデンサ24の容量低下によって発生するシステム電圧の変動を第2のMGユニット30によるシステム電圧安定化制御で抑制しても、第2のMGユニット30に過負荷が掛からないが、注意処理を実行して、運転席のインストルメントパネルに設けられたランプ(図示せず)を点灯したり、或は運転席のインストルメントパネルの表示部(図示せず)に注意表示して運転者に注意を促す。
一方、上記ステップ304で、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aが両方とも第2の異常判定値よりも大きい(D>KD2 且つA>KA2 )と判定された場合には、ステップ305に進み、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aが両方とも第3の異常判定値よりも大きい(D>KD3 且つA>KA3 )か否かを判定する。
このステップ305で、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aの少なくとも一方が第3の異常判定値以下(D≦KD3 又はA≦KA3 )であると判定された場合には、ステップ307に進み、平滑コンデンサ24の異常レベルが第2の異常レベル(平滑コンデンサ24の容量低下によって発生するシステム電圧の変動を抑制するのに必要な入力電力操作量Pm の周波数や振幅が第2のMGユニット30の設計規格範囲外となる異常レベル)であると判定する。この場合、平滑コンデンサ24の容量低下によって発生するシステム電圧の変動を第2のMGユニット30によるシステム電圧安定化制御で抑制すると、第2のMGユニット30に過負荷が掛かるため、警告処理を実行して、要求トルクに対する出力を制限することで車両の走行を制限して、第2のMGユニット30に掛かる負荷を軽減する。
一方、上記ステップ305で、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aが両方とも第3の異常判定値よりも大きい(D>KD3 且つA>KA3 )と判定された場合には、ステップ308に進み、平滑コンデンサ24の異常レベルが第3の異常レベル(平滑コンデンサ24の容量低下によって発生するシステム電圧の変動を抑制するのに必要な入力電力操作量Pm の周波数や振幅が第2のMGユニット30の性能限界値を越える異常レベル)であると判定する。この場合、平滑コンデンサ24の容量低下によって発生するシステム電圧の変動を第2のMGユニット30によるシステム電圧安定化制御では抑制しきれないため、シャットダウン処理を実行して、車両の走行を強制的に停止させる。尚、エンジン12と各MGユニット29,30とを切り離してシステム電圧変動を発生させずにエンジン12のみで走行可能なシステムでは、平滑コンデンサ24の異常レベルが第3の異常レベルであると判定された場合に、エンジン12のみで走行するモードに切り換えて退避走行できるようにしても良い。
尚、本実施例1では、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aが両方とも第1の異常判定値よりも大きい場合に、平滑コンデンサ24の異常有りと判定するようにしたが、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aの少なくとも一方が第1の異常判定値よりも大きい場合に、平滑コンデンサ24の異常有りと判定するようにしても良い。
更に、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aの少なくとも一方が第1の異常判定値よりも大きい場合に第1の異常レベルと判定し、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aの少なくとも一方が第2の異常判定値よりも大きい場合に第2の異常レベルと判定し、入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dと入力電力操作量Pm の振幅Aの少なくとも一方が第3の異常判定値よりも大きい場合に第3の異常レベルと判定するようにしても良い。
また、平滑コンデンサ24の異常レベルを3段階で判定するようにしたが、平滑コンデンサ24の異常レベルを2段階又は4段階以上で判定するようにしても良い。
また、入力電力操作量Pm の周波数の情報として入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅Dを用いるようにしたが、例えば、入力電力操作量微分値dPm /dtの挙動等に基づいて入力電力操作量Pm の周波数を演算して、その入力電力操作量Pm の周波数を異常判定値と比較するようにしても良い。
また、離散フーリエ変換(DFT)や高速フーリエ変換(FFT)など、一般的な周波数解析手法を利用して入力電力操作量Pm の周波数を演算して、その入力電力操作量Pm の周波数を異常判定値と比較するようにしても良い。
以上説明した本実施例1では、システム電圧の目標値Vs*と検出値Vsfとの偏差ΔVs が小さくなるように第2のMGユニット30(第2の交流モータ14)の入力電力を操作してシステム電圧(電源ライン22の電圧)の変動を抑制するシステム電圧安定化制御を実行するようにしたので、車両の運転状態の変化等によって2つの交流モータ13,14の電力収支が大きく変化した場合でも、システム電圧を効果的に安定化させることができる。しかも、昇圧コンバータ21の高性能化や平滑コンデンサ24の大容量化を行うことなく、電源ライン22の電圧安定化効果を高めることができ、システムの小型化、低コスト化の要求を満たすことができる。
しかし、平滑コンデンサ24の容量低下(いわゆる容量抜け)によるシステム電圧の変動が大きくなり過ぎると、その平滑コンデンサ24の容量低下によるシステム電圧の変動を、システム電圧安定化制御では十分に抑制しきれなくなって、システム電圧(電源ライン22の電圧)が過大になり、電源ライン22に接続された電子機器に過電圧が印加されてしまう可能性がある。
この対策として、本実施例1では、平滑コンデンサ24の容量が低下して平滑コンデンサ24のシステム電圧平滑機能が低下すると、システム電圧の高周波域の変動が大きくなり、そのシステム電圧の高周波域の変動を補正するために、システム電圧安定化制御による第2のMGユニット30の入力電力操作量Pm が高周波振動するようになることに着目して、システム電圧安定化制御による第2のMGユニット30の入力電力操作量Pm の周波数と振幅に基づいて平滑コンデンサ24の異常(容量低下)の有無を判定すると共に平滑コンデンサ24の異常有りと判定した場合にその異常レベル(容量低下の度合)を判定するようにしたので、平滑コンデンサ24の容量低下を精度良く評価して、平滑コンデンサ24の異常(容量低下)の有無や異常レベル(容量低下の度合)を精度良く判定することができる。これにより、平滑コンデンサ24の異常が発生した場合に、その異常を早期に検出して異常レベルに応じた適切な処理を行うことが可能となるため、平滑コンデンサ24の異常が原因で電源ライン22に接続された電子機器に過電圧が印加される事態を未然に防止することが可能となる。
ところで、第2のMGユニット30(第2の交流モータ14)の入力電力を操作してシステム電圧の変動を抑制するシステム電圧安定化制御を行うと、この第2のMGユニット30の入力電力操作によるシステム電圧の制御と昇圧コンバータ20によるシステム電圧の制御とが互いに干渉する可能性がある。
この対策として、本実施例1では、第1の交流モータ13の入力電力Pi1と第2の交流モータの入力電力Pi2とを合計した合計電力Pi*から変換電力の指令値Pif* を求めると共に、システム電圧の目標値Vs*(又は検出値Vsf)と昇圧コンバータ21の出力電流の検出値icfとを乗算して変換電力の検出値Pi を求め、これらの変換電力の指令値Pif* と検出値Pi との偏差ΔPi が小さくなるように昇圧コンバータ21の出力電力を制御する変換電力制御を実行するようにしたので、第2のMGユニット30の入力電力操作によるシステム電圧の制御と昇圧コンバータ21によるシステム電圧の制御との干渉を防止することができる。
また、本実施例1では、第2の交流モータ14を正弦波PWM制御方式で制御するシステムにおいて、システム電圧安定化制御の際に、第2の交流モータ14のトルク発生に寄与しない無効電力のみを変化させるように電流ベクトルを操作することで、第2の交流モータ14のトルクを一定(トルク指令値T2*)に保持したまま第2の交流モータ14の入力電力を操作してシステム電圧を制御するようにしたので、車両の運転状態に悪影響を及ぼすことなくシステム電圧の変動を抑制することができる。
尚、上記実施例1では、第2の交流モータ14の電流ベクトルを操作することで、第2の交流モータ14のトルクを一定に保持したまま第2の交流モータ14の入力電力を操作するようにしたが、第2の交流モータ14の電圧ベクトルを操作することで、第2の交流モータ14のトルクを一定に保持したまま第2の交流モータ14の入力電力を操作するようにしても良い。
次に、図11乃至図13を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
前記実施例1では、第2の交流モータ14を正弦波PWM制御方式で制御するようにしたが、本実施例2では、第2の交流モータ14を矩形波制御方式で制御するようにしている。
図11に示すように、モータ制御装置37は、第2の交流モータ14をトルク制御する場合には、メイン制御装置31から出力されるトルク指令値T2*と、第2の交流モータ14のU相電流iU2 とW相電流iW2 と、第2の交流モータ14のロータ回転位置θ2 に基づいて矩形波制御方式で三相電圧指令信号UU2 ,UV2 ,UW2 を生成する。この矩形波制御方式は、交流モータ14の電気角で所定角度毎に通電を転流させて交流モータ14を制御する方式である。
その際、第2の交流モータ14に通電する矩形波のデューティ比Dutyを操作してパルス幅を操作したり、矩形波の位相φを操作することで、第2の交流モータ14のトルクを一定(トルク指令値T2*)に保持したまま第2の交流モータ14の入力電力を操作してシステム電圧の変動を抑制するように制御する。
具体的には、まず、第2の交流モータ14のロータ回転位置θ2 (ロータ回転位置センサ40の出力信号)を第2の回転速度演算部48に入力して、第2の交流モータ14の回転速度N2 を演算すると共に、第2の交流モータ14のU相,W相の電流iU2 ,iW2 (電流センサ43,44の出力信号)とロータ回転位置θ2 をトルク推定部74に入力して、第2の交流モータ14に流れる電流により発生しているトルクT2 を推定する。
この後、図12に示すように、トルク制御部75(モータ制御手段)の偏差器77で、第2の交流モータ14のトルク指令値T2*と推定トルクT2 との偏差ΔT2 を求め、この偏差ΔT2 をPI制御器78に入力して、トルク指令値T2*と推定トルクT2 との偏差ΔT2 が小さくなるようにPI制御により矩形波の位相φt を演算すると共に、デューティ演算部79で、第2の交流モータ14のトルク指令値T2*と回転速度N2 とに応じた矩形波のデューティ比Dt をマップ又は数式等により演算する。
更に、PI制御器53から出力された入力電力操作量Pm と推定トルクT2 と回転速度N2 を電力制御部76(システム電圧制御手段)の矩形波操作量演算部80に入力して、デューティ比操作量Dp と位相操作量φp を次のようにして演算する。まず、入力電力操作量Pm と推定トルクT2 と回転速度N2 に応じた矩形波のデューティ比操作量Dp をマップ又は数式等により演算することで、図13に示すように、第2の交流モータ14の入力電力を入力電力操作量Pm だけ変化させるデューティ比操作量Dp を求める。更に、入力電力操作量Pm と第2の交流モータ14の推定トルクT2 と回転速度N2 に応じた矩形波の位相操作量φp をマップ又は数式等により演算してデューティ比操作量Dp に応じた位相操作量φp を求めることで、図13に示すように、デューティ比操作量Dp によるデューティ比の操作によって発生する第2の交流モータ14のトルク変動を抑制するように位相操作量φp を求める。
また、矩形波操作量演算部80は、デューティ比操作量Dp 及び位相操作量φp を所定の限界値で制限(ガード処理)するリミット手段(図示せず)を備え、このリミット手段でデューティ比操作量Dp 及び位相操作量φp が限界値を越えて過剰に大きくなることを防止するようにしている。
尚、デューティ比操作量Dp と位相操作量φp を演算する際に、推定トルクT2 に代えてトルク指令値T2*を用いるようにしても良い。また、後述する最終的なデューティ比Duty(=Dt +Dp )とトルク指令値T2*とに基づいて位相操作量φp を演算することで、デューティ比の操作によって発生する第2の交流モータ14のトルク変動を抑制するように位相操作量φp を求めるようにしても良い。
この後、電力制御部76の加算器81で矩形波の位相φt に位相操作量φp を加算して最終的な矩形波の位相φ(=φt +φp )を求めると共に、加算器82で矩形波のデューティ比Dt にデューティ比操作量Dp を加算して最終的な矩形波のデューティ比Duty(=Dt +Dp )を求めた後、トルク制御部75の矩形波演算部83で、矩形波の位相φ及びデューティ比Dutyと第2の交流モータ14のロータ回転位置θ2 と回転速度N2 とに基づいて三相電圧指令信号UU2 ,UV2 ,UW2 (矩形波指令信号)を演算し、これらの三相電圧指令信号UU2 ,UV2 ,UW2 を第2のインバータ28に出力する。
このようにして、メイン制御装置31から出力されるトルク指令値T2*を実現するように第2の交流モータ14のトルクを制御するトルク制御を実行すると共に、第2の交流モータ14のトルクを一定(トルク指令値T2*)に保持したままシステム電圧の目標値Vs*と検出値Vsfとの偏差ΔVs が小さくなるように第2のMGユニット30(第2の交流モータ14)の入力電力を操作してシステム電圧の変動を抑制するシステム電圧安定化制御を実行する。
更に、モータ制御装置37は、前記実施例1と同じようにして、コンデンサ異常診断部69で、システム電圧安定化制御による第2のMGユニット30の入力電力操作量Pm の周波数と振幅に基づいて平滑コンデンサ24の異常(容量低下)の有無を判定すると共に平滑コンデンサ24の異常有りと判定した場合にその異常レベル(容量低下の度合)判定する。
以上説明した本実施例2においても、前記実施例1と同じように、システム電圧安定化制御による第2のMGユニット30の入力電力操作量Pm の周波数と振幅に基づいて平滑コンデンサ24の異常(容量低下)の有無を判定すると共に平滑コンデンサ24の異常有りと判定した場合にその異常レベル(容量低下の度合)を判定するようにしたので、平滑コンデンサ24の容量低下を精度良く評価して、平滑コンデンサ24の異常(容量低下)の有無や異常レベル(容量低下の度合)を精度良く判定することができる。これにより、平滑コンデンサ24の異常が発生した場合に、その異常を早期に検出して異常レベルに応じた適切な処理を行うことが可能となるため、平滑コンデンサ24の異常が原因で電源ライン22に接続された電子機器に過電圧が印加される事態を未然に防止することが可能となる。
また、本実施例2では、第2の交流モータ14を矩形波制御方式で制御するシステムにおいて、システム電圧安定化制御の際に、第2の交流モータ14の入力電力を入力電力操作量Pm だけ変化させるデューティ比操作量Dp を求め、このデューティ比操作量Dp によるデューティ比の操作によって発生する第2の交流モータ14のトルク変動を抑制するように位相操作量φp を求めるようにしたので、第2の交流モータ14のトルクを一定(トルク指令値T2*)に保持したまま第2の交流モータ14の入力電力を操作してシステム電圧を制御することができ、車両の運転状態に悪影響を及ぼすことなくシステム電圧の変動を抑制することができる。
尚、上記各実施例1,2では、変換電力制御の際に、昇圧コンバータ21の出力電力の指令値Pi*と検出値Pi との偏差ΔPi が小さくなるように昇圧コンバータ21の出力電力を制御するようにしたが、昇圧コンバータ21の入力電力の指令値Pi*と検出値Pi との偏差ΔPi が小さくなるように昇圧コンバータ21の入力電力を制御するようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、システム電圧安定化制御の際に、第2のMGユニット30(第2の交流モータ14)の入力電力を操作してシステム電圧の変動を抑制するようにしたが、第1のMGユニット29(第1の交流モータ13)の入力電力を操作してシステム電圧の変動を抑制するようにしても良い。或は、図示しないが、例えば従動輪に第3のMGユニットを搭載した全輪駆動構成の車両においては、この第3のMGユニットの入力電力を操作してシステム電圧の変動を抑制するようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、エンジンの動力を遊星ギヤ機構で分割する所謂スプリットタイプのハイブリッド車に本発明を適用したが、このスプリットタイプのハイブリッド車に限定されず、他の方式であるパラレルタイプやシリーズタイプのハイブリッド車に本発明を適用しても良い。更に、上記各実施例1,2では、交流モータとエンジンを動力源とする車両に本発明を適用したが、交流モータのみを動力源とする車両に本発明を適用しても良い。また、インバータと交流モータとからなるMGユニットを1つだけ搭載した車両やMGユニットを3つ以上搭載した車両に本発明を適用しても良い。
本発明の実施例1における電気自動車の駆動システムの概略構成図である。 交流モータの制御系の構成を示すブロック図である。 指令電流ベクトルの演算方法を説明するための図である。 指令電流ベクトル演算プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 平滑コンデンサによってシステム電圧を平滑する周波数帯域とシステム電圧安定化制御によってシステム電圧の変動を抑制する周波数帯域との関係を示す図である。 コンデンサ異常診断部及びその周辺部の構成を示すブロック図である。 入力電力操作量Pm の周波数と入力電力操作量微分値dPm /dtの振幅との関係を説明するためのタイムチャートである。 平滑コンデンサの異常レベルの判定方法を説明するための図である。 コンデンサ異常診断メインプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 異常診断プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の交流モータの制御系の構成を示すブロック図である。 トルク制御部と電力制御部の構成を示すブロック図である。 デューティ比操作量と位相操作量の演算方法を説明するための図である。
符号の説明
13,14…交流モータ、20…直流電源、21…昇圧コンバータ(変換手段)、22…電源ライン、24…平滑コンデンサ(平滑手段)、25…電圧センサ(電圧検出手段)、26…電流センサ(電流検出手段)、27,28…インバータ、29,30…MGユニット、37…モータ制御装置、49…第2のトルク制御電流演算部(モータ制御手段)、50…システム電圧目標値演算部(目標電圧設定手段)、53…PI制御器(電力操作量演算手段,システム電圧制御手段)、54…指令電流演算部(モータ制御手段,システム電圧制御手段)、55…第2の電流ベクトル制御部(モータ制御手段,システム電圧制御手段)、62…合計器(変換電力指令値演算手段)、65…変換電力検出部(変換電力検出手段)、68…昇圧駆動信号演算部(変換電力制御手段)、69…コンデンサ異常診断部(異常診断手段)、70…微分器、71…微分値振幅演算部、72…振幅演算部、73…異常判定部、75…トルク制御部(モータ制御手段)、76…電力制御部(システム電圧制御手段)

Claims (8)

  1. 直流電源の電圧を変換して電源ラインにシステム電圧を発生させる変換手段と、前記電源ラインに接続されたインバータ及び該インバータで駆動される交流モータからなる少なくとも1つのモータ駆動ユニット(以下「MGユニット」と表記する)と、前記電源ラインに接続されて前記システム電圧を平滑する平滑手段とを備えた電気自動車の制御装置において、
    前記MGユニットの入力電力を操作して前記システム電圧の変動を抑制するように制御するシステム電圧安定化制御を実行するシステム電圧制御手段と、
    前記システム電圧安定化制御による前記MGユニットの入力電力操作量に基づいて前記平滑手段の異常の有無を判定すると共に該平滑手段の異常有りと判定した場合にその異常レベルを判定する異常診断手段と
    を備えていることを特徴とする電気自動車の制御装置。
  2. 前記異常診断手段は、前記システム電圧安定化制御による前記MGユニットの入力電力操作量の周波数及び/又は振幅に基づいて前記平滑手段の異常の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の制御装置。
  3. 前記異常診断手段は、前記システム電圧安定化制御による前記MGユニットの入力電力操作量の周波数及び/又は振幅に基づいて前記平滑手段の異常レベルを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気自動車の制御装置。
  4. 前記システム電圧制御手段は、前記交流モータのトルク発生に必要な電力とは異なる入力電力を操作して前記システム電圧を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気自動車の制御装置。
  5. 前記交流モータを正弦波PWM制御方式で制御するモータ制御手段を備え、
    前記システム電圧制御手段は、前記正弦波PWM制御方式で前記交流モータに通電する電流ベクトル又は前記交流モータに印加する電圧ベクトルを操作することで前記MGユニットの入力電力を操作することを特徴とする請求項4に記載の電気自動車の制御装置。
  6. 前記交流モータを矩形波制御方式で制御するモータ制御手段を備え、
    前記システム電圧制御手段は、前記矩形波制御方式で前記交流モータに通電する際の矩形波のデューティ比及び/又は位相を操作することで前記MGユニットの入力電力を操作することを特徴とする請求項4に記載の電気自動車の制御装置。
  7. 前記システム電圧の目標値を設定する目標電圧設定手段と、
    前記システム電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記目標電圧設定手段で設定したシステム電圧の目標値と前記電圧検出手段で検出したシステム電圧とに基づいて前記MGユニットの入力電力の操作量を演算する電力操作量演算手段とを備え、
    前記システム電圧制御手段は、前記電力操作量演算手段で演算した入力電力の操作量に基づいて前記MGユニットの入力電力を操作して前記システム電圧を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電気自動車の制御装置。
  8. 前記変換手段の入力電力又は出力電力(以下「変換電力」という)の指令値を演算する変換電力指令値演算手段と、
    前記変換電力を検出する変換電力検出手段と、
    前記変換電力指令値演算手段で演算した変換電力の指令値と前記変換電力検出手段で検出した変換電力とに基づいて前記変換手段の入力電力又は出力電力を制御する変換電力制御手段とを備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電気自動車の制御装置。
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