JP2007251791A - 放送受信装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 保持しておかなければならないデータ量が少なくても済む放送受信装置等を提供する。
【解決手段】 現在位置情報に基づいて現在位置に対応するネットワークを特定し(S110)、その特定したネットワーク内に存在する電波出力塔について、現在位置情報と電波出力塔の情報(位置情報,出力,標高)とを利用して評価値を求める(S120)。そして、評価結果が最良である電波出力塔に対応するチャンネルデータによって、使用するチャンネルデータ(チャンネル、テレビ局名及び受信周波数)を変更する(S130)。この結果、位置毎(あるいはそれに近いレベルの単位毎)に選択すべき電波出力塔が予め決定されたデータを保持しておく必要がない。したがって、従来のものと比較し、保持しておかなければならないデータ量を少なくすることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、電波出力塔からの放送電波を受信し、復調して出力する放送受信装置等に関する。
従来の技術として下記の特許文献1に記された技術が知られている。この技術では、処理制御部が、放送を受信できないと判別すると、ナビゲーションユニットから取得した現在位置情報を用い、設定情報記憶部に記憶されている所在位置データと照らし合わせ、車両の現在位置が含まれる放送エリアを特定する。そして、特定した放送エリアに対応する設定情報データを読み出し、設定情報データに含まれる放送周波数データと表示情報データをプリセット保持部に保持させる。これにより、選局ボタンと放送周波数との割り当てを、車両の現在位置に応じて自動的に変更することができる。なお、ナビゲーションユニットから取得した現在位置情報を照らし合わせる所在位置データは、各放送局により提供される放送を受信可能な範囲(エリア)の所在位置を示すデータであり、具体例としては、放送エリアの境界を示す複数の緯度情報データ及び経度情報データから構成される(特許文献1の段落「0022」等参照)。
特開2003−32083号公報
ところで、上記特許文献1に記載の技術は、車両の移動に伴って放送エリアが変わる場合の話しであったが、実際には電波の到達範囲の関係から、単一の放送エリア内に同一放送局の番組を放送する電波出力塔が複数設置されている場合も多い。つまり、Aエリア内にB放送局の番組を放送する電波出力塔が数カ所に設置されているような場合があるということである。このような場合は、同一の番組が電波出力塔毎に異なる周波数によって放送されているため、単一の放送エリア内であっても、車両の移動に伴って受信周波数を変更する必要がある。
そこで、上記特許文献1に記載の技術を、電波出力塔の単位で利用することを考えると次のような問題が生じる。一般的に放送エリアは、行政区画単位(例えば、県や地方単位)で分かれていることが多く、現在位置の行政区画さえわかれば容易に放送エリアを特定することもできる。それに対し、電波出力塔は放送エリア内に複数存在し、例えば同一市内であっても場所によって異なる電波出力塔から電波を受信したほうが良い場合もある。したがって、放送エリアの場合よりもずっと細かい場所毎に、どの電波出力塔から電波を受信すべきかが示された情報を、放送受信装置は保持しておく必要がある。このようなデータは、上記特許文献1の場合と比較して大変データ量が多いものとなってしまう。
本発明は、このような課題にかんがみなされたものであり、保持しておかなければならないデータ量が少なくても済む放送受信装置等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の放送受信装置は、受信手段と出力手段と記憶手段と現在位置情報取得手段と制御手段とを備える。受信手段は、所定のチャンネル周波数情報に基づいて放送電波を受信する。出力手段は、受信手段によって受信された放送電波を復調し、受信信号として出力する。現在位置情報取得手段は、現在位置を特定可能な現在位置情報を取得する。記憶手段は、同一番組を放送する放送エリアの範囲情報、当該放送エリアに存在する電波出力塔の位置情報及び各電波出力塔のチャンネル周波数情報を少なくとも記憶する。制御手段は、現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報と記憶手段が記憶する範囲情報とに基づいて現在位置に対応する放送エリアを特定し、その特定した放送エリア内に存在する電波出力塔について、現在位置情報と電波出力塔の位置情報とを利用して評価を行う。そして、受信手段が利用する所定のチャンネル周波数情報を、評価結果が最良である電波出力塔に対応するチャンネル周波数情報に変更する。なお、「電波出力塔」というのは、親局とも呼ばれる中心的な役割を担う送出マスタだけでなく、送出マスタの電波を増幅して出力する中継局をも含むものである。
このようになっていれば、電波出力塔の位置情報と現在位置情報とから最適な電波出力塔を装置自身で判断して決定するため、位置毎(あるいはそれに近いレベルの単位毎)に選択すべき電波出力塔が予め決定されたデータを保持しておく必要がない。したがって、従来のものと比較し、保持しておかなければならないデータ量を少なくすることができる。
ところで、記憶手段は、さらに、各電波出力塔の出力レベルに関する情報も記憶するようになっているとよい。そして、制御手段は、出力レベルも利用して評価を行うようになっているとよい(請求項2)。
このようになっていれば、たとえ現在位置からの距離が近い電波出力塔であっても出力レベルの弱い電波出力塔についての評価を下げ、現在位置からの距離が遠い電波出力塔であっても出力レベルの強い電波出力塔についての評価を上げることができるため、より実情に合った適切な電波出力塔を選択することができる。
また、記憶手段は、さらに、電波出力塔の高さに関する情報も記憶するようになっていており、制御手段は、高さに関する情報も利用して評価を行うようになっていてもよい(請求項3)。なお、ここで言う「電波出力塔の高さに関する情報」というのは、電波出力塔が設置された場所の標高も考慮された高さであることが好ましく、例えば、電波出力塔の頂上部分の標高を利用するとよい。
このようになっていれば、たとえ現在位置からの距離が近い電波出力塔であっても高さの低い電波出力塔については評価を下げ、現在位置からの距離が遠い電波出力塔であっても高さの高い電波出力塔については評価を上げることができるため、より実情に合った適切な電波出力塔を選択することができる。
ところで、制御手段は、上記評価を常に行うようになっていてもよいが、所定時間毎又は所定移動距離毎に行うようになっていてもよい(請求項4)。ここで言う「所定時間」というのは、評価結果が異なるものとなり、受信に障害が発生する可能性が存在する程度の時間を意味し、例えば、10分や20分程度の時間が考えられる。また、「所定距離」というのも、評価結果が異なるものとなり、受信に障害が発生する可能性が存在する程度の距離を意味し、例えば、10kmや20km程度の距離が考えられる。
このようになっていれば、無用に評価を行うことを軽減することができる。
なお、制御手段は、評価を行った結果、最良の電波出力塔と次点の電波出力塔との評価の差が第1の所定評価量以内である場合にはチャンネル周波数情報の変更を行わないようになっていてもよい(請求項5)。ここで言う「第1の所定評価量」というの、評価が定量的な結果(例えば数値)で得られることを前提にした基準量である。この基準量は、種々の観点で決められるべきものあるが、例えば、最良の電波出力塔から受信される電波を利用する場合と次点で電波出力塔から受信される電波を利用する場合とで受信品質上の差が出ない程度の量がよい。
このようになっていれば、チャンネル周波数情報の頻繁な変更が発生せず、変更に伴い発生するユーザビリティの悪化(例えば、映像途絶等)を抑えることができる。
しかしながら、最良の電波出力塔と次点の電波出力塔との差が第1の所定評価量以内であった場合でも、次点の電波出力塔の評価が第2の所定評価量以下であって、且つ、受信手段が用いているチャンネル周波数情報が次点の電波出力塔に対応したものであった場合には、最良の電波出力塔に対応するチャンネル周波数情報に、受信手段が利用する所定のチャンネル周波数情報を変更するようになっているとよい(請求項6)。
つまり、最良の電波出力塔と次点の電波出力塔の評価量の差が第1の所定評価量以下であっても、現在利用している次点の電波出力塔の評価量の差が第2の所定評価量以下である場合には、次点の電波出力塔からの電波を利用していると受信が途絶する可能性があるため、最良の電波出力塔の電波を利用するように切り替えるということである。
このようになっていれば、頻繁なチャンネル周波数情報の変更を抑えつつ、最低限の受信品質を得ることが可能になる。
なお、上述した制御手段としての機能をプログラムによって実現してもよい(請求項7)。このようなプログラムを、放送受信装置が内蔵するコンピュータに実行させれば、上述した放送受信装置と同様の作用及び効果が得られる。また、プログラムはネットワーク等を用いて流通させることも可能である上、放送受信装置におけるプログラムの入れ替えは、部品の入れ替えに比較して容易である。したがって、放送受信装置の機能向上を容易に行うことができる。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[構成の説明]
図1は、本発明の放送受信装置の機能が組み込まれたAVシステム11の概略構成を示すブロック図である。AVシステム11は、TV放送の受信・再生機能を担うTVユニット21、ラジオ放送の受信・再生機能やCDの再生機能を担うオーディオヘッドユニット31、地図表示及び経路案内機能を担うナビゲーションユニット41、及び、これらの各ユニットを統括制御するシステム制御部51を備える。なお、AVシステム11には、操作部61、表示部62、音声出力部63及び車両情報入力部64が接続されている。
(1)TVユニット21について
TVユニット21は、データ記憶部22、チューナ部23、TS復調部24、映像・音声出力部25及びTV制御部26を備える。
データ記憶部22は、図2(a)に示すようなチャンネルデータテーブルをネットワーク毎に記憶している(図2(a)に示すものはネットワークAについてのチャンネルデータテーブルである)。チャンネルデータテーブルのレコードは、電波出力塔を識別するための電波出力塔IDとチャンネル番号とそのチャンネル番号に対応するテレビ局名とそのチャンネルが放送されている周波数とから構成される。なお、ここで言うネットワークというのは、電波産業会(ARIB)によって規定されている言葉で、1つの送出マスタと複数の中継局とで構成されている。送出マスタは親局とも呼ばれ中心的な役割をなす。一方、中継局は親局の電波を増幅し、周波数を変更して再送信する。送出マスタと中継局とが送信する電波は、周波数は異なるが送信内容は同一である。なお、本実施形態の説明においては、送出マスタの電波出力塔と中継局の電波出力塔とを区別せず、何れも単に電波出力塔と称す。
また、データ記憶部22は、図2(b)に示すような電波出力塔データテーブルをネットワーク毎に記憶している(図2(b)に示すものはネットワークAについての電波出力塔データテーブルである)。電波出力塔データテーブルのレコードは、電波出力塔を識別するための電波出力塔IDと、当該電波出力塔が設置されている位置を示す位置座標と、当該電波出力塔の出力と、当該電波出力塔のアンテナの頂上部分の標高とから構成される。
また、データ記憶部22は、ネットワークデータテーブルを記憶している(図示せず)。これは、周知のテーブルであり、緯度・経度、行政区画等から該当するネットワークの特定を可能としたテーブルである。
説明を図1に戻し、チューナ部23は、電波出力塔から送信される放送電波を、図示しないアンテナを介し選局して受信する機能を有する。なお、受信した放送電波は放送信号に変換されTS復調部24に渡される。
TS復調部24は、チューナ部23より渡された放送信号を復調してMPEG2−TSを生成し、映像・音声出力部25に渡す。
映像・音声出力部25は、TS復調部24から渡されたMPEG2−TSから映像データと音声データを抽出し、それぞれシステム制御部51を介して表示部62と音声出力部63へ出力する。
TV制御部26は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行することにより、データ記憶部22、チューナ部23、TS復調部24及び映像・音声出力部25統括的に制御すると共に、システム制御部51とのデータ授受を担う。具体的には、ユーザから指定されたチャンネルの番組を、RAMに記憶するチャンネルデータ(チャンネル番号、テレビ局名、周波数の組)に基づいて受信して出力する処理等を実行する。
(2)オーディオヘッドユニット31について
オーディオヘッドユニット31は、図示しないAM・FMラジオ部やCD再生部、イコライザ部等を統括的に制御する機能を有する。
(3)ナビゲーションユニット41について
ナビゲーションユニット41は、自車位置検出部42、地図情報記憶部43及びナビゲーション制御部44を備える。
自車位置検出部42は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信すると共に、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープを備え、車両の位置及び方向を算出し、ナビゲーション制御部44へ出力するようになっている。
地図情報記憶部43は、地図データ(ノードデータ、リンクデータ、コストデータ、背景データ、道路データ、名称データ、マークデータ、交差点データ、施設のデータ等)、案内用の音声データ、音声認識データ等が記憶されている。
ナビゲーション制御部44は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、自車位置検出部42からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図情報記憶部43から読み込んだ現在位置付近の地図等を表示部62に表示させる現在地表示処理や、地図情報記憶部43に格納された地図データと操作部61が操作されて設定された目的地とに基づいて現在位置から目的地までの最適な経路を算出する経路算出処理や、その算出した経路を表示部62に表示させたり音声出力部63に音声として出力させることにより経路を案内する経路案内処理等を実行する。
(4)システム制御部51について
システム制御部51は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。具体的には、TVユニット21、オーディオヘッドユニット31及びナビゲーションユニット41から入力される信号の出力先の切り替え、操作部61や車両情報入力部64から入力された信号の出力先の切り替え等を行う。
(5)その他
上述したように、AVシステム11には、操作部61、表示部62、音声出力部63及び車両情報入力部64が接続されている。
操作部61は、メカニカルなキースイッチや、表示部62の表示面と一体に構成されたタッチパネル等から構成され、ユーザからの操作指令を受け付けることができるようになっている。
表示部62は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等から構成され、様々な情報を映像によって出力することができる。
音声出力部63は、スピーカやアンプ等から構成され、入力された音声信号を音声として出力することができる。
車両情報入力部64は、図示しない車内LANに接続され、車内LANに接続されたエンジンECUやAT−ECUやエアコンECU等の各種のECUやセンサ等から車両に関する情報を取得することができるようになっている。
[動作の説明]
次に、本発明に特に関連するTV制御部26が実行するチャンネルデータ更新処理について図3のフローチャートを用いて説明する。本処理は、AVシステム11への電力供給が開始された際に実行が開始される。
TV制御部26は、チャンネルデータ更新処理の実行を開始すると、まず位置データを取得する(S105)。これは、システム制御部51を介してナビゲーションユニット41(より正確には自車位置検出部42)から取得する。
続いて、TV制御部26は、所定間隔経過したか否かを判定する(S107)。これは、前回、本ステップにおいて「所定間隔経過した」と判定してからの経過を判定する。また、所定間隔というのは、時間に基づいた間隔であってもよいし(例えば、5分間隔)、移動距離に基づいた間隔であってもよい(例えば5km毎)。このS107において、所定間隔経過したと判定した場合は(S107:Yes)、S110へ処理を移行し、所定間隔経過していないと判定した場合は(S107:No)、上述したS105へ処理を戻す。
所定間隔経過したと判定した場合に進むS110では、現在位置のネットワークを特定する(S110)。これは、S105で取得した位置データを使い、ネットワークデータテーブルを検索して現在位置のネットワークを特定することである。
続いて、TV制御部26は、特定したネットワークの電波出力塔データテーブルを参照し、現在地に近い所定数の電波出力塔を選出する(S115)。ここで言う「所定数」というのは、3つ程度の数が適切であると考えられるが、現在位置において受信可能な電波を送出して電波出力塔がさらにある場合は、もっと増やしてもよい。
続いて、TV制御部26は、選出したタワーの中から最適なタワーを選択する(S120)。この選択は、次のようにして行う。まず、S115で選択した電波出力塔の1つを選び、この電波出力塔を以下に示す式1にあてはめて評価値を求める。そして、残りの電波出力塔についても同様にして評価値を求め、最も評価値の高い電波出力塔を最適な電波出力塔として選択する。

(式1)評価値=電波出力塔の出力×電波出力塔の標高÷電波出力塔からの距離

続いてTV制御部26は、最適な電波出力塔に対応するチャンネルデータを取得する(S125)。これは、チャンネルデータテーブルを検索することによって行う。例えば、S120で選択した電波出力塔の電波出力塔IDが「001」であれば、チャンネルデータテーブルの中から電波出力塔IDが「001」であるレコードを検索し、見つかった全てのレコードの、チャンネル番号、テレビ局名、周波数の組を抽出する(これらが「チャンネルデータ」である)。
続いて、TV制御部26は、取得したチャンネルデータによって現在使用中のチャンネルデータを更新する(S130)。この結果、ユーザが操作部61を操作して選局画面を表示部62に表示させた際に表示されるチャンネル一覧が、更新したチャンネルデータによるものに変更される。そして、その選局画面に表示されたチャンネルボタンがユーザによって選択されると、その選択されたチャンネルボタンに対応する周波数がチューナ部23に設定され、当該チャンネルのテレビ放送の受信が開始される。ただし、更新前に使用していたチャンネルデータと更新しようとしているチャンネルデータとが同一の場合は、更新を行わない。
TV制御部26は、現在使用中のチャンネルデータの更新を終えると、本処理(チャンネルデータ更新処理)を終了する。
次に、チャンネルデータ更新処理が実行されることによって、チャンネルデータの更新がなされる様子を実際のケースを用いて説明する。
図4は、ネットワークA〜Cに対応する地域が描かれた地図であるが、今、AVシステム11が搭載された車両が出発地201から目的地203へ向かって移動を開始したとする。出発地201は、電波出力塔205から送信される電波のエリア211内に存在するため、出発時には電波出力塔205についてのチャンネルデータをTV制御部26は使用している。
車両が出発地201を出発して所定間隔経過し、地点221に到達したとすると、TV制御部26が現在位置のネットワークを特定する。地点221はネットワークA内にあるため、特定結果は「ネットワークA」である。そして、ネットワークA内で現在位置(地点221)に近い所定数の電波出力塔を選出する。ここでは、電波出力塔205,207,209の3つを選出したとする。すると、これらの電波出力塔毎に上述した式1に基づいて評価値を求める。図4から明らかなように、地点221は、電波出力塔205に最も近いため、電波出力塔205と他の電波出力塔とにおいて電波の出力や電波出力塔の高度にたいした違いがなければ、電波出力塔205についての評価値が最も高いものとなる。その結果、TV制御部26は電波出力塔205についてのチャンネルデータを引き続き使用することになる。
その後、地点223へ車両が到達した時点で、上述した所定間隔が経過したとする。すると、再び、現在位置のネットワークを特定し、ネットワーク内で所定数の電波出力塔を選出し、電波出力塔毎に評価値を求める。地点223においては、電波出力塔207の評価値が一番高かったとすれば、電波出力塔207についてのチャンネルデータが読み込まれてTV制御部26において利用される。
また、その後、地点225へ車両が到達した時点で、上述した所定間隔が経過したとする。すると、再び、現在位置のネットワークを特定し、ネットワーク内で所定数の電波出力塔を選出し、電波出力塔毎に評価値を求める。地点225においては、電波出力塔209の評価値が一番高かったとすれば、電波出力塔209についてのチャンネルデータが読み込まれてTV制御部26において利用される。
[実施形態の効果]
上記AVシステム11によれば、AVシステム11の現在位置情報と電波出力塔の情報(位置情報,出力,標高)とから最適な電波出力塔を装置自身で判断して決定するため、位置毎(あるいはそれに近いレベルの単位毎)に選択すべき電波出力塔が予め決定されたデータを保持しておく必要がない。したがって、従来のものと比較し、保持しておかなければならないデータ量を少なくすることができる。
また、最適な電波出力塔を判断する際に、電波出力塔の位置情報だけでなく、電波送信出力、タワーの標高も考慮するようになっている。したがって、例えば、現在位置からの距離が近い電波出力塔であっても出力レベルの弱い電波出力塔についての評価を下げ、現在位置からの距離が遠い電波出力塔であっても出力レベルの強い電波出力塔についての評価を上げることができるため、より実情に合った適切な電波出力塔を選択することができる。
また、上記AVシステム11では、上記評価を常には行わず、所定間隔毎に行うようになっているため、無用な評価処理の実行を軽減することができる。
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、現在地に近い所定数の電波出力塔を選出するようになっていたが(図3のS115)、データ記憶部22が電波出力塔毎のサービスエリア(電波到達範囲)を情報として保持しているのであるならば、それを利用してTV制御部26は最適な電波出力塔を選択するようになっていてもよい。例えば、以下に示す式2を利用して現在位置が放送エリアである電波出力塔を特定し、式3を利用して現在位置における電波強度を算出する。そして、式2を利用して特定した電波出力塔毎に電波強度を比較して最も電波強度が強い電波出力塔を最適な電波出力塔とする。

(式2)(現在の経度−電波出力塔の経度)^2+(現在の緯度−電波出力塔の緯度)^2
<(サービスエリアの半径)^2
(※「^2」は、二乗を意味する。)

(式3)現在位置の電波強度=電波出力塔の出力×サービスエリアの半径÷電波出力塔
からの距離

このようにして最適な電波出力塔を選択するようにしても、上述した実施形態と同様の効果を奏する。
(2)上記実施形態では、評価値が最高であった電波出力塔が変更されると常にチャンネルデータもその電波出力塔に対応したものに変更されるようになっていたが(既に使用している場合を除く)、評価値を計算した結果、評価値が最高であった電波出力塔と次点であった電波出力塔との評価値の差が第1の所定値以下である場合には変更を行わないようになっていてもよい。つまり、図5(図5のフローチャートのステップのうち、図3のフローチャートと同番号のものは図3で説明したものと同じ処理を実行する)のフローチャートに示すように、上述した図3のS120の後に、評価値が最高であった電波出力塔と次点であった電波出力塔との評価値の差を求め、その差が第1の所定値以下であるか否かを判定する(S122)。そして、その差が所定値以下であると判定した場合には、チャンネルデータの変更(S125,S130等)を行わないようにしてもよい。なお、ここで言う「第1の所定値」というのは、種々の状況をかんがみて設定されるべきものであり、例えば、最良の電波出力塔から受信される電波を利用する場合と次点で電波出力塔から受信される電波を利用する場合とで受信品質上の差が出ない程度の値がよい。
このようになっていれば、チャンネル周波数情報の頻繁な変更が発生せず、変更に伴い発生するユーザビリティの悪化(例えば、映像途絶等)を抑えることができる。
また、評価値が最高であった電波出力塔と次点であった電波出力塔との差が上記第2の所定値であった場合でも、次点の電波出力塔の評価値が第2の所定評価値以下であって、且つ、現在TV制御部26が使用しているチャンネルデータが次点の電波出力塔に対応したものであった場合には、評価値が最高の電波出力塔に対応したチャンネルデータに変更するとよい。つまり、図5のフローチャートに示すように、S122の後に、次点の電波出力塔の評価値が第2の所定評価値以下であって、且つ、現在TV制御部26が使用しているチャンネルデータが次点の電波出力塔に対応したものであるか否かを判定する(S123)。そして、この条件を満たす場合にのみ、評価値が最高の電波出力塔に対応したチャンネルデータに変更するのである(S125,S130)。
このようになっていれば、評価値が最高の電波出力塔と次点の電波出力塔との評価値の差が小さくても共に評価が低く、次点の電波出力塔についてのチャンネルデータをそのまま用いていては、受信が途絶する可能性があるような場合に、評価値が最高の電波出力塔の方に切り替わるため、受信が途絶することを防止することができる。
(3)評価値を求めるにあたり、案内経路が設定されている場合には、その情報を考慮するようになっていてもよい。つまり、この先、近づいていくことになる電波出力塔については高い評価値とし、この先、離れていくことになる電波出力塔については低い評価値とするのである。なお、案内経路が設定されていない場合には、現在の車両の走行方向を考慮して評価を行うとよい。つまり、例えば車両が北の方向に進んでいるのであれば、北の方向にある電波出力塔の評価値を高くし、南の方向にある電波出力塔の評価値を低くするのである。
このようになっていれば、より無用なチャンネルデータの切り替えを防止することができる。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態で用いた用語と特許請求の範囲で用いた用語との対応を示す。
チューナ部23が受信手段に相当し、TS復調部24、映像・音声出力部25が出力手段に相当し、データ記憶部22が記憶手段に相当し、TV制御部26が制御手段に相当する。また、TV制御部26が実行するチャンネルデータ更新処理におけるS105が現在位置情報取得手段としての機能に相当する。
AVシステムの概略構成を示すブロック図である。 チャンネルデータテーブル及び電波出力塔データテーブルの概略構成を示すテーブル構成図である。 チャンネルデータ更新処理を説明するためのフローチャートである。 チャンネルデータ更新処理の実行の様子を説明するための説明図である。 チャンネルデータ更新処理の別例を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
11…AVシステム、21…TVユニット、22…データ記憶部、23…チューナ部、24…TS復調部、25…映像・音声出力部、26…TV制御部、31…オーディオヘッドユニット、41…ナビゲーションユニット、42…自車位置検出部、43…地図情報記憶部、44…ナビゲーション制御部、51…システム制御部、61…操作部、62…表示部、63…音声出力部、64…車両情報入力部。

Claims (7)

  1. 所定のチャンネル周波数情報に基づいて放送電波を受信する受信手段と、
    前記受信手段によって受信された前記放送電波を復調し、受信信号として出力する出力手段と、
    現在位置を特定可能な現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
    同一番組を放送する放送エリアの範囲情報、当該放送エリアに存在する電波出力塔の位置情報及び各電波出力塔のチャンネル周波数情報を少なくとも記憶する記憶手段と、
    前記現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報と前記記憶手段が記憶する前記範囲情報とに基づいて現在位置に対応する放送エリアを特定し、その特定した放送エリア内に存在する電波出力塔について、前記現在位置情報と前記電波出力塔の位置情報とを利用して評価を行い、前記受信手段が利用する前記所定のチャンネル周波数情報を、前記評価結果が最良である電波出力塔に対応する前記チャンネル周波数情報に変更する前記制御手段と、
    を備えることを特徴とする放送受信装置。
  2. 請求項1に記載の放送受信装置において、
    前記記憶手段は、さらに、前記各電波出力塔の出力レベルに関する情報も記憶し、
    前記制御手段は、前記出力レベルも利用して前記評価を行うこと、
    を特徴とする放送受信装置。
  3. 請求項1及び請求項2に記載の放送受信装置において、
    前記記憶手段は、さらに、前記電波出力塔の高さに関する情報も記憶し、
    前記制御手段は、前記高さに関する情報も利用して前記評価を行うこと、
    を特徴とする放送受信装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに記載の放送受信装置において、
    前記制御手段は、前記評価を、所定時間毎又は所定移動距離毎に行うこと、
    を特徴とする放送受信装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れかに記載の放送受信装置において、
    前記制御手段は、前記評価を行った結果、最良の電波出力塔と次点の電波出力塔との評価の差が第1の所定評価量以内である場合には前記変更を行わないこと、
    を特徴とする放送受信装置。
  6. 請求項5に記載の放送受信装置において、
    前記制御手段は、前記評価を行った結果、最良の電波出力塔と次点の電波出力塔との差が前記第1の所定評価量以内であった場合でも、前記次点の電波出力塔の評価が第2の所定評価量以下であって、且つ、前記受信手段が現在用いている前記チャンネル周波数情報が前記次点の電波出力塔に対応したものであった場合には、前記最良の電波出力塔に対応する前記チャンネル周波数情報に、前記受信手段が利用する前記所定のチャンネル周波数情報を変更すること、
    を特徴とする放送受信装置。
  7. コンピュータを、請求項1〜請求項6の何れかに記載の前記制御手段として機能させるためのプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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