本発明は、筐体が電源キーを覆っている第1の状態から電源キーを操作できる第2の状態に遷移できる構造の携帯端末装置に係り、より詳細には、周囲が暗い場合のユーザの使い勝手を考慮した携帯端末装置に関する。
従来の携帯端末装置において、キーの操作性を考慮した技術が種々提案されている(例えば、特許文献1〜3等参照)。
特許文献1に記載の携帯無線端末装置は、通話状態において終話キーを発光等させる終話キー発光部を備えている。すなわち、通話が開通されている状態で、全てのキーバックライトの設定が消灯に設定されている場合であっても、終話キー発光部により終話キーのみを点灯または点滅する構成となっている。これにより、終話キーを終話キー以外の他の各種キー部分と識別できるため、使用者は終話を行おうとした場合に終話キーを容易に認識できるようになっている。
また、特許文献2に記載の携帯通信端末は、通話開始キーや数字キーなどの入力操作キーを照明する全部のLEDを、押下操作した直後からの所定時間の間、点灯する構成となっている。これにより、入力操作キーの操作直後に操作される必然性の高い数字キーなどの操作を、夜間などの暗い場所においても不都合無く行えるようになっている。そして、所定時間経過後においては、終話キーに対応して設けたLEDのみを点灯させることにより、入力操作キーが操作された後に必ず操作されることになる終話キーを確実に操作できるようになっている。
また、特許文献3に記載の携帯端末装置は、折り畳み式の筐体を閉じて電源をオフにした状態から、使用に際して筐体を開いた時に、電源スイッチ(電源キー)を操作する手間を省くことを目的としたものであって、電源オフの状態で、筐体開閉センサにより上下筐体が閉じた状態から開いた状態になったことを検出すると、電源スイッチ制御部が電源スイッチをオンする構成となっている。すなわち、折り畳み式の筐体を開くだけで、電源投入操作無しに携帯端末装置の電源をオンすることができるようになっている。
特開2003−289353号公報
特開2003−23491号公報
特開2003−319016号公報
上記特許文献1,2記載のものは、夜間などの暗い場所であっても、終話時に終話キーを確実に操作できるように工夫されているが、携帯端末装置を取り出して電源キーを操作し、携帯端末装置をオン状態として誰かに電話を掛ける場合、夜間などの暗い場所では電源キーの位置が分からず、操作しずらいといった問題については何ら解決されていない。
一方、上記特許文献3記載のものは、携帯端末装置を取り出して電源キーを操作する際に、筐体が開いた状態になったことを検知して、電源スイッチを自動的にオンさせるようになっている。そのため、夜間などの暗い場所でも携帯端末装置の電源を簡単にオンすることができる。しかし、上記特許文献3記載のものは、筐体を開くだけで自動的に電源がオンされるため、例えば病院など電源をオフしなければならない場所で何気なく携帯端末装置を開いた場合にも自動的に電源がオンされてしまうといった問題があった。また、何気なく携帯端末装置を開いただけでも電源がオンされるため、電力が無駄に消費されてしまうといった問題もあった。
本発明はかかる問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、例えば折り畳み式の携帯端末装置の場合、暗い場所で携帯端末装置を開いたとき、電源はオフ状態のままで電源キーの位置のみを明瞭に通知することで、省電力効果を考慮しつつユーザの操作性の向上を図った携帯端末装置を提供することにある。
本発明の携帯端末装置は、筐体が電源キーを覆っている第1の状態から電源キーを操作できる第2の状態に遷移できる構造の携帯端末装置において、前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を検知する検知手段と、装置の電源オフ状態において前記検知手段により状態遷移が検知されたとき、前記電源キーの位置をユーザに通知する通知手段とを備えたことを特徴とする。
すなわち、本発明の携帯端末装置は、折り畳み式(クラムシェル型)の携帯端末装置、各種キーを配置した操作筐体に対して液晶表示パネルを配置した表示筐体を水平方向に回動させるジャックナイフ型の携帯端末装置、操作筐体に対して表示筐体を水平一方向に直線的にスライドさせるスライド型の携帯端末装置に適用される。そして、例えば折り畳み式の携帯端末装置では、表示筐体を閉じている第1の状態から、開いた第2の状態に状態遷移すると、この遷移動作(開動作)を検知手段が検知して、電源キーの位置をユーザに通知する。
ここで、前記通知手段としては、電源キーのみを点灯または点滅させるLED等の照明手段とすることができる。そして、検知手段により遷移動作(開動作)を検知したとき、LEDを点灯または点滅させることで、電源キーのみを照明することができる。これにより、暗い場所で携帯端末装置を開いた場合でも、電源キーの位置がすぐに分かるので、ユーザは電源キーを容易に操作することができ、携帯端末装置の電源をオンすることが可能となる。また、明るい場所で携帯端末装置を開いた場合でも、電源キーのみ点灯または点滅するので、ユーザに対して電源キーの位置を積極的に指示する効果もある。
また、前記通知手段としては、電源キーを含む全キーを照明するキーバックライトとすることができる。キーバックライトは元々備わっているので、新たに部品等を追加する必要がなく、コスト削減に有効な手段である。そして、検知手段により遷移動作(開動作)を検知したとき、キーバックライトを点灯または点滅させることで、電源キーを含む全キーを照明することができる。これにより、暗い場所で携帯端末装置を開いた場合でも、電源キーの位置がすぐに分かるので、ユーザは電源キーを容易に操作することができ、携帯端末装置の電源をオンすることが可能となる。
また、前記通知手段としては、表示部側の筐体に設けられた表示パネルのパネルバックライトとすることができる。表示パネルのパネルバックライトも元々備わっているので、新たに部品等を追加する必要がなく、コスト削減に有効な手段である。そして、検知手段により遷移動作(開動作)を検知したとき、パネルバックライトを点灯または点滅させることで、電源キーを含む全キーを照明することができる。これにより、暗い場所で携帯端末装置を開いた場合でも、電源キーの位置がすぐに分かるので、ユーザは電源キーを容易に操作することができ、携帯端末装置の電源をオンすることが可能となる。
また、本発明によれば、通知時間帯を設定する時間設定手段を備えており、前記通知手段は、前記検知手段により状態遷移が検知された時刻が、前記時間設定手段により設定された通知時間帯内である場合には通知(点灯等)し、通知時間帯外である場合には通知しない(非点灯)ように構成してもよい。例えば、通知時間帯として冬場であれば夜5時から翌朝の7時までに設定しておけば、この時間帯に携帯端末装置を開いたときには電源キーが照明され、日中の明るいときに携帯端末装置を開いたときには電源キーが照明されることはない。これにより、省電力化を図ることができる。
また、本発明によれば、周囲の明るさを検知する照度センサを備えており、前記通知手段は、前記検知手段により状態遷移が検知されたとき、前記照度センサにより検知されている照度が予め設定されている一定照度以下である場合には通知(点灯等)し、一定照度以上である場合には通知しない(非点灯)ように構成してもよい。例えば、日中であっても、暗い部屋で携帯端末装置を使用する場合もある。このような場合には、照度センサによって周囲の照度を検知しているので、その場所が一定照度以下である場合には、電源キーを照明することができる。つまり、照度センサを備えていることで、ユーザの使用状態に応じて臨機応変に電源キーの照明、非照明を制御することができる。
さらに、本発明によれば、前記通知手段は、予め設定された一定時間通知すると、その後は通知を終了するように構成してもよい。これにより、無駄な電力消費を抑えることができる。なお、この一定時間は、ユーザによって任意の時間に設定可能としてもよい。
本発明の携帯端末装置によれば、携帯端末装置が第1の状態から第2の状態に状態遷移すると、この遷移動作(開動作)を検知手段が検知して、電源キーの位置をユーザに通知するために、電源キーのみを点灯または点滅したり、キーバックライトを点灯または点滅したり、表示部のバックライトを点灯または点滅する構成としたので、暗い場所で携帯端末装置を開いた場合でも、電源キーの位置がすぐに分かるため、ユーザは電源キーを容易に操作することができる。また、携帯端末装置の電源はオフ状態のままで電源キーの照明のみを行うので、無駄な電力消費を抑えることができる。また、時間設定手段や照度センサを設けることで、必要なときだけ電源キーを照明することができるので、無駄な電力消費をさらに抑えることができる。さらに、通知手段としてキーバックライトや表示部のバックライトを使用すれば、これらのライトは元々備わっているものなので、新たに部品等を追加する必要がなく、コストの抑制効果もある。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施形態では、携帯端末装置として折り畳み式の携帯端末装置を例に挙げて説明する。 図1は、本実施形態の携帯端末装置の「通常オープン状態」における外観図である。通常オープン状態は、携帯端末装置の使用時における最も基本的な装置状態であり、図中の(a)は、通常オープン状態における携帯端末装置をユーザ側から見た正面図、(b)は、その左側面図である。また、図2は、図1の携帯端末装置の「通常クローズ状態」における左側面図である。通常クローズ状態は、携帯端末装置の最も基本的な収納時の装置状態である。
この携帯端末装置は、操作筐体1、表示筐体2及び可動連結部3により構成されている。操作筐体1及び表示筐体2は、ともに略矩形平板の形状からなる薄型筐体であり、対向する2つの主面を有している。これら操作筐体1及び表示筐体2は、それぞれの一短辺が可動連結部3により連結されている。この可動連結部3は、第1回転軸A1を中心として、両筐体1,2を相対的に回転させることができるようになっている。
つまり、操作筐体1を固定し、第1回転軸A1を中心として表示筐体2を回転させれば、両筐体1,2の主面を対向させて折り畳むことができ、あるいは、展開させることができる。
なお、携帯端末装置の種類によっては、この第1回転軸A1に直交する方向に第2回転軸を備えているものもあるが、本実施形態では第1回転軸A1のみを備えた一般的な構造の携帯端末装置に適用した場合について説明する。
操作筐体1の主面(対向面)にはテンキー10、メインガイドキー11〜13、メイン多機能キー14、オフフックキー15、オンフックキー(電源キー)16、メインクリアキー17などの各種の操作キーが配置されており、当該主面は、ユーザが操作入力を行うための操作面として使用される。また、通話用マイクロフォン18が、上記操作面内であって、可動連結部3とは反対側の筐体端部付近に配置されている。また、操作筐体1の内部には、上記操作キー10〜17を照明する複数の例えばLEDからなるキーバックライト63(図4参照)が設けられている。
表示筐体2の主面(対向面)には、液晶表示パネルからなるメイン表示画面20が配置されており、当該主面は、ユーザに対し表示出力を行うための表示面として使用される。また、通話用レシーバ21が上記表示面内に配置されている。また、表示筐体2の内部には、メイン表示画面20を照明するためのパネルバックライト65(図4参照)が設けられている。
図3は、図1の携帯端末装置の内部構造について要部を示した図であり、可動連結部3の要部と装置状態の検出センサが示されている。可動連結部3は、操作筐体1に固着された軸受け部材30及び31と、これらの軸受け部材30,31によって回転可能に保持されている回転部材32と、表示筐体2に固着されたフレーム部材33とからなる。
つまり、可動連結部3は、第1回転軸A1を中心として、操作筐体1及び表示筐体2を相対的に回転させる1軸ヒンジ構造となっている。軸受け部材30,31及び回転部材32によって、第1回転軸A1を中心として表示筐体2を回転させれば、携帯端末装置を開閉動作させることができる。例えば、通常オープン状態から、第1回転軸A1を中心として表示筐体2を回転させ、表示面及び操作面がともに内側となるように対向させて折り畳むと、図2に示す通常クローズ状態となる。
図中のマグネット40は、可動連結部3による装置状態を検出するために設けられている。マグネット40及び磁気センサ41は、一方が操作筐体1内に、他方が表示筐体2内に設けられ、通常クローズ状態において互いに対向する位置に配置されている。このため、磁気センサ41がマグネット40の磁力線を検出すれば、通常クローズ状態(図2参照)であると判別することができる。なお、磁気センサ41には、ホール素子やMR素子などを用いることができる。
図4は、上記構成の携帯端末装置の電気的構成の一例を示す機能ブロック図であり、ここでは本実施形態に関連する主要部のみを示している。
すなわち、本実施形態の携帯端末装置は、主制御部60、装置状態検出部61、入力制御部62、表示部64、タイマー部66、及び時計部67を主な構成要素としている。
入力制御部62は、操作面内の操作キー10〜17等による操作を監視し、キー操作信号を主制御部60へ出力している。操作面内の操作キー10〜17は、操作面を内側にして折り畳まれた通常クローズ状態では、使用することができない。また、入力制御部62は、操作面内の各操作キー10〜17を照明するための複数のLEDからなるキーバックライト63の点灯または点滅制御を主制御部60からの指示に従って行っている。なお、図中のLED63aは、オンフックキー(以下「電源キー」という。)16を照明するLEDであり、これについては後述する。
表示制御部64は、メイン表示画面20の表示制御を行っている。また、表示制御部64は、メイン表示画面20である液晶パネルを照明するためのパネルバックライト65の点灯制御を主制御部60からの指示に従って行っている。
タイマー部66は、例えば本装置の電源オン状態において、何らキー操作がされなかった場合に省電力モードに移行するための所定時間の計測等を行う。時計部67は現在時刻を計時する。
主制御部60は、携帯電話装置の主要な制御を行っているプロセッサからなる。装置状態検出部61は、磁気センサ41の検出信号に基づいて装置状態を判別している。磁気センサ41の検出結果を用いれば、通常クローズ状態と、通常オープン状態とを判別することができる。主制御部60は、この判別結果に基づいて、入力制御部62、表示制御部64、及びタイマー部66の動作を制御する。以上が、本発明の携帯端末装置の基本的な機能ブロック図の構成である。
本実施形態では、磁気センサ41の検出結果に基づいて、キーバックライト63の点灯または点滅制御や、パネルバックライト65の点灯制御を行うのであるが、この場合、本実施形態では、装置自体の電源オフ状態においてこれらの制御を行う点に特徴を有している。以下、具体的に実施例を挙げて説明する。
本実施例1は、磁気センサ41の検出結果に基づいて、複数のLEDからなるキーバックライト63の中の電源キー16を照明するLED63aのみの点灯または点滅制御を、本装置の電源オフ状態において制御する実施例である。
図5は、この実施例1を実現するための一構成例を示す機能ブロック図であり、図4に示す基本的な機能ブロック図において、装置状態検出部61と入力制御部62とを信号線で接続し、装置状態検出部61から入力制御部62にも判別結果を出力する構成としたものである。すなわち、入力制御部62は、主制御部60を介することなく、装置状態検出部61から通常クローズ状態か通常オープン状態かの判別結果を直接取得し、この判別結果に基づいて、LED63aの点灯または点滅制御を行うようになっている。これにより、主制御部60がキー入力の待ち受け等の一部の機能のみを動作させているスリープ状態であっても、LED63aの点灯または点滅制御が可能となる。なお、電源キー16が押されて本装置が電源オン状態となった後は、入力制御部62は、主制御部60からの制御に従って従来通りキーバックライト63の点灯制御を行うことになる。
以下、図6に示すフローチャートを参照して、電源キー16を照明するLED63aの点灯または点滅制御動作を説明する。
装置状態検出部61は、装置自体の電源オフ状態(すなわち、主制御部60のスリープ状態)であっても、磁気センサ41の検出結果、すなわちオン、オフ状態を常に監視している(ステップS1)。そして、表示筐体2が開かれることによって磁気センサ41のオフ状態を検出すると(ステップS1でYesと判断されると)、装置状態検出部61は、入力制御部62に検出結果を出力する。入力制御部62は、このオフ状態を示す検出結果に基づき、電源キー16を照明するLED63aのみを点灯または点滅させる(ステップS2)。すなわち、装置自体の電源はオフ状態のままで、LED63aのみを点灯または点滅させる。これにより、例えば暗い場所で携帯端末装置を開いた場合でも、電源キー16の位置を容易に確認することが可能となる。
この後、入力制御部62は、電源キー16が押されたか否か、または表示筐体2が閉じられて装置状態検出部61からオン状態を示す検出結果が入力されたか否かを監視する(ステップS3,S4)。そして、電源キー16が押された場合(ステップS3でYesと判断された場合)には、従来通り電源オン信号を主制御部60へ出力する(ステップS6)。主制御部60は、この電源オン信号に基づき、本装置を電源オン状態に移行する。この後の入力制御部62によるキーバックライト63のオン、オフ制御は、主制御部60からの指示に従うことになる。
一方、電源キー16が押されることなく表示筐体2が閉じられると(ステップS3でNo、ステップS4でYesと判断されると)、装置状態検出部61から入力制御部62に電磁センサ41のオン状態を示す検出結果が入力されるので、入力制御部62は、LED63aを消灯する(ステップS5)。
上記実施例1では、LED63aを点灯後、電源キー16が押されたか、表示筐体2が再び閉じられるまで、LED63aを点灯しておく構成としているが、LED63aを点灯後、電源キー16が押されず、かつ、表示筐体2が閉じられることなく、予め設定された一定時間(例えば10秒等)が経過した場合には、LED63aの点灯を自動的に消灯するように構成してもよい。この場合には、入力制御部62とタイマー回路66とを接続し、入力制御部62においてタイマー回路66による一定時間の計測が行えるように構成すればよい。なお、この一定時間は、固定時間として予め設定されていてもよいが、ユーザによって任意の時間に設定可能としてもよい。ユーザによって設定可能とすることで、ユーザは、自分自身の使用形態に合わせて、使い勝手のよい好みの時間を自由に設定することが可能となる。
本実施例2は、磁気センサ41の検出結果に基づいて、複数のLEDからなるキーバックライト63の全体を点灯または点滅する制御を、本装置の電源オフ状態において行う実施例である。この実施例2を実現するための機能ブロック構成は、上記実施例1の機能ブロック構成(図5参照)と同じである。
すなわち、入力制御部62は、主制御部60を介することなく、装置状態検出部61から通常クローズ状態か通常オープン状態かの判別結果を直接取得し、この判別結果に基づいて、キーバックライト63全体の点灯または点滅制御を行うようになっている。これにより、主制御部60がキー入力の待ち受け等の一部の機能のみを動作させているスリープ状態であっても、キーバックライト63全体の点灯または点滅制御が可能となる。なお、電源キー16が押されて本装置が電源オン状態となった後は、入力制御部62は、主制御部60からの制御に従って従来通りキーバックライト63の点灯制御を行うことになる。
以下、図7に示すフローチャートを参照して、キーバックライト63全体の点灯または点滅制御動作を説明する。
装置状態検出部61は、装置自体の電源オフ状態(すなわち、主制御部60のスリープ状態)であっても、磁気センサ41の検出結果、すなわちオン、オフ状態を常に監視している(ステップS11)。そして、表示筐体2が開かれることによって磁気センサ41のオフ状態を検出すると(ステップS11でYesと判断されると)、装置状態検出部61は、入力制御部62に検出結果を出力する。入力制御部62は、このオフ状態を示す検出結果に基づき、キーバックライト63全体を点灯または点滅させる(ステップS12)。すなわち、装置自体の電源はオフ状態のままで、キーバックライト63を点灯または点滅させる。これにより、例えば暗い場所で携帯端末装置を開いた場合でも、操作キー全体の位置を容易に確認することが可能となり、電源キー16の位置も容易に認識することができる。
この後、入力制御部62は、電源キー16が押されたか否か、または表示筐体2が閉じられて装置状態検出部61からオン状態を示す検出結果が入力されたか否かを監視する(ステップS13,S14)。そして、電源キー16が押された場合(ステップS13でYesと判断された場合)には、従来通り電源オン信号を主制御部60へ出力する(ステップS16)。主制御部60は、この電源オン信号に基づき、本装置を電源オン状態に移行する。この後の入力制御部62によるキーバックライト63のオン、オフ制御は、主制御部60からの指示に従うことになる。
一方、電源キー16が押されることなく表示筐体2が閉じられると(ステップS13でNo、ステップS14でYesと判断されると)、装置状態検出部61から入力制御部62に電磁センサ41のオン状態を示す検出結果が入力されるので、入力制御部62は、キーバックライト63を消灯する(ステップS15)。
上記実施例2では、キーバックライト63全体を点灯後、電源キー16が押されたか、表示筐体2が再び閉じられるまで、キーバックライト63全体を点灯しておく構成としているが、キーバックライト63全体を点灯後、電源キー16が押されず、かつ、表示筐体2が閉じられることなく、予め設定された一定時間(例えば10秒等)が経過した場合には、キーバックライト63全体を自動的に消灯するように構成してもよい。この場合には、入力制御部62とタイマー回路66とを接続し、入力制御部62においてタイマー回路66による一定時間の計測が行えるように構成すればよい。
本実施例3は、磁気センサ41の検出結果に基づいて、パネルバックライト65を点灯する制御を、本装置の電源オフ状態において行う実施例である。
図8は、この実施例3を実現するための機能ブロック図であり、図4に示す基本的な機能ブロック構成において、装置状態検出部61と表示制御部64とを信号線で接続し、装置状態検出部61から表示制御部64にも判別結果を出力する構成としたものである。すなわち、表示制御部64は、主制御部60を介することなく、装置状態検出部61から通常クローズ状態か通常オープン状態かの判別結果を直接取得し、この判別結果に基づいて、パネルバックライト65の点灯制御を行うようになっている。これにより、主制御部60がキー入力の待ち受け等の一部の機能のみを動作させているスリープ状態であっても、パネルバックライト65の点灯制御が可能となる。なお、電源キー16が押されて本装置が電源オン状態となった後は、表示制御部64は、主制御部60からの制御に従って従来通りパネルバックライト65の点灯制御を行うことになる。
以下、図9に示すフローチャートを参照して、パネルバックライト65全体の点灯制御動作を説明する。
装置状態検出部61は、装置自体の電源オフ状態(すなわち、主制御部60のスリープ状態)であっても、磁気センサ41の検出結果、すなわちオン、オフ状態を常に監視している(ステップS21)。そして、表示筐体2が開かれることによって磁気センサ41のオフ状態を検出すると(ステップS21でYesと判断されると)、装置状態検出部61は、表示制御部64に検出結果を出力する。表示制御部64は、このオフ状態を示す検出結果に基づき、パネルバックライト65を点灯させる(ステップS22)。すなわち、装置自体の電源はオフ状態のままで、パネルバックライト65を点灯させる。これにより、例えば暗い場所で携帯端末装置を開いた場合でも、操作キー全体の位置を容易に確認することが可能となり、電源キー16の位置も容易に認識することができる。
この後、表示制御部64は、電源キー16が押されたか否か、または表示筐体2が閉じられて装置状態検出部61からオン状態を示す検出結果が入力されたか否かを監視する(ステップS23,S24)。そして、電源キー16が押された場合(ステップS23でYesと判断された場合)には、従来通り電源オン信号を主制御部60へ出力する(ステップS16)。主制御部60は、この電源オン信号に基づき、本装置を電源オン状態に移行する。この後の表示制御部64によるパネルバックライト65のオン、オフ制御は、主制御部60からの指示に従うことになる。
一方、電源キー16が押されることなく表示筐体2が閉じられると(ステップS23でNo、ステップS24でYesと判断されると)、装置状態検出部61から入力制御部62に電磁センサ41のオン状態を示す検出結果が入力されるので、表示制御部64は、パネルバックライト65を消灯する(ステップS25)。
上記実施例3では、パネルバックライト65全体を点灯後、電源キー16が押されたか、表示筐体2が再び閉じられるまで、パネルバックライト65を点灯しておく構成としているが、パネルバックライト65を点灯後、電源キー16が押されず、かつ、表示筐体2が閉じられることなく、予め設定された一定時間(例えば10秒等)が経過した場合には、パネルバックライト65を自動的に消灯するように構成してもよい。この場合には、表示制御部64とタイマー回路66とを接続し、表示制御部64においてタイマー回路66による一定時間の計測が行えるように構成すればよい。
上記実施例1〜3では、表示筐体2が開かれることによって磁気センサ41のオフ状態を検出すると、LED63a、キーバックライト63またはパネルバックライト65を即点灯等する構成としている。しかし、日中の明るい場所で表示筐体2が開かれた場合には、電源キー16の位置を照明等により敢えて表示(指示)しなくても、ユーザは簡単に電源キーの位置を確認して操作することができる。すなわち、照明等による指示が必要なのは暗い場所で表示筐体2を開いた場合である。以下の実施例は、この点を考慮した実施例となっている。
本実施例4は、表示筐体2が開けられたとき、LED63aまたはキーバックライト63を点灯等するか否かを、表示筐体2が開かれた時間帯によって判断し、その後に点灯等する実施例である。
図10は、この実施例4を実現するための一構成例を示す機能ブロック図であり、図5に示す機能ブロック構成においてさらに、入力制御部62と時計部67とを接続することにより、入力制御部62において現在時刻を直接取得可能な構成としたものである。
以下、図11に示すフローチャートを参照して、電源キー16を照明するLED63aの点灯または点滅制御動作を説明する。なお、キーバックライト63全体の点灯制御動作も同様であるので、ここではキーバックライト63全体の点灯制御動作の説明は省略する。
装置状態検出部61は、装置自体の電源オフ状態(すなわち、主制御部60のスリープ状態)であっても、磁気センサ41の検出結果、すなわちオン、オフ状態を常に監視している(ステップS31)。そして、表示筐体2が開かれることによって磁気センサ41のオフ状態を検出すると(ステップS31でYesと判断されると)、装置状態検出部61は、入力制御部62に検出結果を出力する。
入力制御部62は、このオフ状態を示す検出結果を取得すると、その取得時刻が内部メモリ(図示省略)に設定された通知時間帯内であるか否かを判断する(ステップS32)。ここで、通知時間帯は予めユーザによって設定しておくものとする。すなわち、この通知時間帯は、ユーザが屋外で携帯端末装置を使用する場合に、周囲が暗くなっており、操作キーが見づらい状態になっているであろうと思われる時間帯を設定する。具体的には、例えば冬場であれば、夜5時から翌朝の7時までの時間帯に設定し、夏場であれば夜7時から翌朝5時までの時間帯に設定すればよい。
そして、ステップS32での判断の結果、表示筐体2を開いた時刻が通知時間帯内である場合(Yesと判断された場合)には、図6のステップS2へと動作を進め、電源キー16を照明するLED63aのみを点灯または点滅させる。そして、その後の処理(ステップS3〜ステップS6)に進むことになる。
一方、ステップS32での判断の結果、表示筐体2を開いた時刻が通知時間帯外であった場合(Noと判断された場合)には、LED63aを点灯することなく処理を終了する(ステップS33)。
本実施例4によれば、日中の明るいときに表示筐体2を開いたときには電源キー16が照明されることはない。これにより、省電力を図ることができる。
本実施例5は、表示筐体2が開けられたとき、パネルバックライト63を点灯等するか否かを、表示筐体2が開かれた時間帯によって判断し、その後に点灯する実施例である。
図12は、この実施例5を実現するための一構成例を示す機能ブロック図であり、図8に示す機能ブロック構成においてさらに、表示制御部64と時計部67とを接続することにより、表示制御部64において現在時刻を直接取得可能な構成としたものである。
以下、図13に示すフローチャートを参照して、パネルバックライト63の点灯制御動作を説明する。
装置状態検出部61は、装置自体の電源オフ状態(すなわち、主制御部60のスリープ状態)であっても、磁気センサ41の検出結果、すなわちオン、オフ状態を常に監視している(ステップS41)。そして、表示筐体2が開かれることによって磁気センサ41のオフ状態を検出すると(ステップS41でYesと判断されると)、装置状態検出部61は、表示制御部64に検出結果を出力する。
表示制御部64は、このオフ状態を示す検出結果を取得すると、その取得時刻が内部メモリ(図示省略)に設定された通知時間帯内であるか否かを判断する(ステップS42)。この通知時間帯は、上記実施例4と同様、予めユーザによって設定しておくものとする。
そして、ステップS42での判断の結果、表示筐体2を開いた時刻が通知時間帯内である場合(Yesと判断された場合)には、図9のステップS22へと動作を進め、パネルバックライト65を点灯させる。そして、その後の処理(ステップS23〜ステップS26)に進むことになる。
一方、ステップS42での判断の結果、表示筐体2を開いた時刻が通知時間帯外であった場合(Noと判断された場合)には、パネルバックライト65を点灯することなく処理を終了する(ステップS43)。
本実施例5によれば、日中の明るいときに表示筐体2を開いた場合にはパネルバックライト65が点灯されることはない。これにより、省電力を図ることができる。
本実施例6は、表示筐体2が開けられたとき、LED63aまたはキーバックライト63を点灯等するか否かを、表示筐体2が開かれた場所の周囲の明るさによって判断し、その後に点灯等する実施例である。
図14は、この実施例6を実現するための一構成例を示す機能ブロック図であり、図5に示す機能ブロック構成においてさらに、入力制御部62に照度センサ68を接続した構成としたものである。すなわち、入力制御部62において、周囲の明るさが判断できる構成となっている。
以下、図15に示すフローチャートを参照して、電源キー16を照明するLED63aの点灯または点滅制御動作を説明する。なお、キーバックライト63全体の点灯制御動作も同様であるので、ここではキーバックライト63全体の点灯制御動作の説明は省略する。
装置状態検出部61は、装置自体の電源オフ状態(すなわち、主制御部60のスリープ状態)であっても、磁気センサ41の検出結果、すなわちオン、オフ状態を常に監視している(ステップS51)。そして、表示筐体2が開かれることによって磁気センサ41のオフ状態を検出すると(ステップS51でYesと判断されると)、装置状態検出部61は、入力制御部62に検出結果を出力する。
入力制御部62は、このオフ状態を示す検出結果を取得すると、その時の照度センサ68から周囲の照度を取得し、その取得照度が内部メモリ(図示省略)に設定された一定照度以下であるか否かを判断する(ステップS52)。ここで、一定照度は予めユーザによって設定しておくものとする。すなわち、この一定照度は、ユーザが携帯端末装置を使用する場合に、周囲が暗くなっており、操作キーが見づらい状態になっているであろうと思われる照度に設定する。
そして、ステップS52での判断の結果、表示筐体2を開いたときの周囲の明るさが一定照度以下であった場合(Yesと判断された場合)には、図6のステップS2へと動作を進め、電源キー16を照明するLED63aのみを点灯または点滅させる。そして、その後の処理(ステップS3〜ステップS6)に進むことになる。
一方、ステップS52での判断の結果、表示筐体2を開いたときの周囲の明るさが一定照度以上であった場合(Noと判断された場合)には、LED63aを点灯することなく処理を終了する(ステップS53)。
本実施例6によれば、明るい場所に居るときに表示筐体2を開いた場合には電源キー16が照明されることはない。これにより、省電力を図ることができる。
本実施例7は、表示筐体2が開けられたとき、パネルバックライト65を点灯等するか否かを、表示筐体2が開かれた場所の周囲の明るさによって判断し、その後に点灯等する実施例である。
図16は、この実施例6を実現するための一構成例を示す機能ブロック図であり、図8に示す機能ブロック構成においてさらに、表示制御部64に照度センサ68を接続した構成としたものである。すなわち、表示制御部64において、周囲の明るさが判断できる構成となっている。
以下、図17に示すフローチャートを参照して、パネルバックライト65の点灯制御動作を説明する。
装置状態検出部61は、装置自体の電源オフ状態(すなわち、主制御部60のスリープ状態)であっても、磁気センサ41の検出結果、すなわちオン、オフ状態を常に監視している(ステップS61)。そして、表示筐体2が開かれることによって磁気センサ41のオフ状態を検出すると(ステップS61でYesと判断されると)、装置状態検出部61は、表示制御部64に検出結果を出力する。
表示制御部64は、このオフ状態を示す検出結果を取得すると、その時の照度センサ68から周囲の照度を取得し、その取得照度が内部メモリ(図示省略)に設定された一定照度以下であるか否かを判断する(ステップS62)。ここで、一定照度は予めユーザによって設定しておくものとする。すなわち、この一定照度は、ユーザが携帯端末装置を使用する場合に、周囲が暗くなっており、操作キーが見づらい状態になっているであろうと思われる照度に設定する。
そして、ステップS62での判断の結果、表示筐体2を開いたときの周囲の明るさが一定照度以下であった場合(Yesと判断された場合)には、図9のステップS22へと動作を進め、パネルバックライト65を点灯させる。そして、その後の処理(ステップS23〜ステップS26)に進むことになる。
一方、ステップS62での判断の結果、表示筐体2を開いたときの周囲の明るさが一定照度以上であった場合(Noと判断された場合)には、パネルバックライト65を点灯することなく処理を終了する(ステップS63)。
本実施例7によれば、明るい場所に居るときに表示筐体2を開いた場合にはパネルバックライト65が点灯されることはない。これにより、省電力を図ることができる。
なお、上記実施形態では、検知手段として磁気センサを用いているが、メカ的な検知手段であってもよい。例えば、一方の筐体の主面(対向面)に伸縮可能な突起部を形成し、筐体同士を閉じた状態では他方の筐体の主面によって突起部が押し込まれた状態となり、筐体を開いたとき、突起部が主面から突出することで筐体の開状態を検知するようなメカスイッチであってもよい。
また、上記実施形態では、携帯端末装置として折り畳み式(クラムシェルタイプ)の携帯端末装置を例に挙げているが、筐体が電源キーを覆っている第1の状態から電源キーを操作できる第2の状態に遷移できる構造であればどのような構造であってもよい。例えば、キーを配置した操作筐体に対して液晶表示パネルを配置した表示筐体を水平方向に回動(旋回)させるジャックナイフ型の携帯端末装置や、操作筐体に対して表示筐体を水平一方向に直線的に往復移動させるスライド型の携帯端末装置にも本発明を適用することが可能である。
さらに、上記実施形態では、磁気センサによって表示筐体が開かれたことを検知したとき、常に電源キー、キーバックライト、またはパネルバックライトを点灯等する構成としているが、このような動作を行うか否かをユーザによって選択できるように構成してもよい。すなわち、操作筐体1の主面に選択キー(図示省略)を設け、この選択キーを操作することで、上記実施例1〜7のような動作を有効とするか禁止するかの選択が行えるようにしてもよい。このような選択キーを設けておけば、個々のユーザの使用状況に合わせて上記動作の有効、禁止を自由に選択することができる。
また、本発明によれば、筐体を開いたとき、装置本体の電源はオフ状態のままで、電源キーのみを点灯または点滅したり、キーバックライトを点灯したり、表示部のバックライトを点灯する構成としたので、例えば病院内や電車内など、電源をオフしなければならない場所で何気なく携帯端末装置を開いた場合でも、自動的に電源がオンされてしまうことがない。つまり、携帯端末装置を開いただけでは、自動的にメールや着呼を受信してしまうことがないので、このような特定の場所において周囲に迷惑をかけてしまうこともない。
本発明は、筐体が電源キーを覆っている第1の状態から電源キーを操作できる第2の状態に遷移できる構造の携帯端末装置、例えば折り畳み式(クラムシェル型)の携帯端末装置、ジャックナイフ型の携帯端末装置、スライド型の携帯端末装置などに好適に利用される。
本発明の一実施形態に係る携帯端末装置の「通常オープン状態」における外観図であり、(a)は、通常オープン状態における携帯端末装置をユーザ側から見た正面図、(b)は、その左側面図である。
本実施形態の携帯端末装置の「通常クローズ状態」における左側面図である。
本実施形態の携帯端末装置の回転軸部の構造を示す概略図である。
本実施形態の携帯端末装置の電気的構成の一例を示す機能ブロック図である。
実施例1の制御動作を実現するための一構成例を示す機能ブロック図である。
実施例1の制御動作を示すフローチャートである。
実施例2の制御動作を示すフローチャートである。
実施例3の制御動作を実現するための一構成例を示す機能ブロック図である。
実施例3の制御動作を示すフローチャートである。
実施例4の制御動作を実現するための一構成例を示す機能ブロック図である。
実施例4の制御動作を示すフローチャートである。
実施例5の制御動作を実現するための一構成例を示す機能ブロック図である。
実施例5の制御動作を示すフローチャートである。
実施例6の制御動作を実現するための一構成例を示す機能ブロック図である。
実施例6の制御動作を示すフローチャートである。
実施例7の制御動作を実現するための一構成例を示す機能ブロック図である。
実施例7の制御動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 操作筐体
2 表示筐体
16 オンフックキー(電源キー)
40 マグネット
41 磁気センサ
60 主制御部
61 装置状態検出部
62 入力制御部
64 表示部
66 タイマー部
67 時計部
68 照度センサ