JP2007250302A - 発光パネル式照明器具 - Google Patents

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善秀 今岡
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理 棚橋
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Abstract

【課題】発光パネルの着脱の作業性を向上させることができる発光パネル式照明器具を提供する。
【解決手段】発光パネル式照明器具10は、表面1aから光を放射する発光パネル1と、この発光パネル1を裏面1b側から覆って収容する筐体3とを備えている。筐体3内には、発光パネル1をその表面1aと略平行な方向に抜き挿しするための挿入口24を有し、その挿入口24から挿入された発光パネル1を保持する保持部材2が配設されており、この保持部材2の挿入口24と反対側の端部は、当該保持部材2が筐体3の開口する方向に揺動可能となるように筐体3に回動自在に支持されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光パネルを用いた発光パネル式照明器具に関するものである。
従来、薄型ランプを筐体に収容した照明器具が知られている。例えば、特許文献1には、磁石の吸引力を利用して薄型ランプを筐体に保持させるとともに、筐体に薄型ランプを離間させるように揺動する操作部を設け、この操作部を操作することによりワンタッチで薄型ランプを取り外しできるようにした照明器具が記載されている。
特開2001−338723号公報
しかしながら、このような照明器具を天井に配設した場合には、薄型ランプの着脱の際に、薄型ランプを支えるために、高い作業台を使用する等して天井に接近する必要があり、着脱の作業性がよくなかった。
近年では、有機EL(Electro Luminescence)や無機ELを利用した発光パネルを照明器具の光源として用いることが試みられている。このような発光パネルは、厚みが数ミリ程度と従来の薄型ランプよりもさらに薄いので、この発光パネルを用いた照明器具に前記の構造を採用した場合には、さらに天井に接近する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑み、発光パネルの着脱の作業性を向上させることができる発光パネル式照明器具を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の発光パネル式照明器具は、表面から光を放射する発光パネルと、この発光パネルを裏面側から覆って収容する筐体とを備え、前記筐体内には、前記発光パネルをその表面と略平行な方向に抜き挿しするための挿入口を有し、その挿入口から挿入された発光パネルを保持する保持部材が配設されており、この保持部材の挿入口と反対側の端部は、当該保持部材が筐体の開口する方向に揺動可能となるように筐体に回動自在に支持されていることを特徴とするものである。
安全性を向上させるために、前記保持部材の挿入口側の端部には、当該保持部材を前記筐体内で着脱可能に固定するために前記筐体に着脱可能に係合する係合部が設けられていることが好ましい。
作業性をより向上させるために、前記保持部材の挿入口側の端部には、当該挿入口から挿入された発光パネルを着脱可能に係止する係止部が設けられていることが好ましい。
コネクタ接続するような作業を省略するために、前記発光パネルは、端子部を有しており、前記保持部材には、挿入口から挿入された発光パネルの端子部に対応する位置に、発光パネルに電力を供給するための給電部が設けられていることが好ましい。
本発明によれば、発光パネルを保持する保持部材の挿入口と反対側の端部を、当該保持部材が筐体の開口する方向に揺動可能となるように筐体に回動自在に支持させたから、例えば照明器具が天井に配設される場合には、保持部材を下方に揺動させれば、挿入口を低い位置に降下させることができるため、高い作業台を使用しなくても挿入口から発光パネルを抜き差しできるようになる。従って、発光パネルの着脱の作業性を向上させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る発光パネル式照明器具10は、天井5に配設されるものであり、略水平な姿勢で表面1aから下方に光を放射する板状の発光パネル1と、この発光パネル1を裏面1b側から覆って収容する筐体3と、この筐体3内に配設されて、発光パネル1を保持する保持部材2とを備えている。なお、本発明の発光パネル式照明器具は、天井に配設されるものに限らず、例えば床面に垂直な壁面に配設されるものであってもよい。また、本実施形態では、説明の便宜のために、図1において、右側を後方、左側を前方、紙面と直交する方向のうち奥側を左方、手前側を右方という。
筐体3は、天井5に取り付けられるものであり、下方に開口する凹部31と、この凹部31の開口周縁部から外側に広がるつば部32とを有している。この筐体3は、例えば鋼板または合成樹脂等で構成されている。
凹部31は、平面視で矩形状の底壁31aと、この底壁31aの周縁部から下方に延在する矩形筒状の周壁31bとからなっている。そして、底壁31aの下面、すなわち凹部31の底面には、後側位置に、保持部材2を揺動可能に支持するための回動支持部33が設けられているとともに、前側位置に、保持部材2を凹部31内で着脱可能に固定するための被係合部34が設けられている。
発光パネル1は、有機ELを利用したものであり、平面視で矩形状をなしている。具体的には、発光パネル1は、図2および3に示すように、基板11と、この基板11の上面に積層された第1電極層12、有機発光層13および第2電極層14からなる有機EL層と、第1封止部材15および第2封止部材16とを備えている。すなわち、基板11の下面が発光パネル1の表面1aを構成し、第2封止部材16の上面が発光パネル1の裏面1bを構成している。
基板11は、前記有機EL層を支持するための平板状の部材であり、有機発光層13で発光する光の波長に対して透明な材料、例えばガラス等からなる。
第1電極層12は、有機発光層13で発光する光の波長に対して透明な材料からなる導電性の薄膜であり、陽極となる。第1電極層12は、有機発光層13が可視光を発光するので、例えばITO(Indium Tin Oxide)等で形成される。第1電極層12は、その一部が後方に向かって第1封止部材15から露出するように引き出されて陽極端子部121を形成している。
有機発光層13は、蛍光物質の有機材料又は蛍光物質を含む有機材料からなる発光層を少なくとも含んで構成され、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および電子注入層等を備える。より具体的には、第1電極層12および第2電極層14も記載すると、例えば以下の層構造である。
(1)(第1電極層12;陽極)/発光層/(第2電極層14;陰極)
(2)(第1電極層12;陽極)/正孔輸送層/発光層/(第2電極層14;陰極)
(3)(第1電極層12;陽極)/発光層/電子輸送層/(第2電極層14;陰極)
(4)(第1電極層12;陽極)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/(第2電極層14;陰極)
(5)(第1電極層12;陽極)/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/(第2電極層14;陰極)
第2電極層14は、有機発光層13で発光する波長の光を反射する材料からなる導電性の薄膜であり、陰極となる。第2電極層14は、例えばアルミニウム(Al)、アルミリチウム(Al:Li)およびマグネシウム銀(Mg:Ag)等の金属や合金等で形成される。第2電極層14は、その一部が第1電極層12と同様に後方に向かって第1封止部材15から露出するように引き出されて陰極端子部141を形成している。すなわち、陽極端子部121と陰極端子部141は、基板11の上面の後端部で左右に並ぶように形成されている。
第1封止部材15および第2封止部材16は、基板11と協同して有機発光層13を気密に封止するための絶縁性の部材である。例えば接着性を有する樹脂製の第1封止部材15が、陽極端子部121を除く第1電極層12、有機発光層13および陰極端子部141を除く第2電極層14を覆うように塗布され、例えばガラス製の板状部材からなる第2封止部材16が、第1封止部材15を介して第2電極層14上に載せられて圧力が加えられることによって、第2封止部材16が第1封止部材15によって第2電極層14に接着されると共に、第2封止部材16の周縁部が第1封止部材15によって基板11に気密に接着して接合される。これによって第1封止部材15および第2封止部材16は、基板11と協同して有機発光層13を気密に封止する。
保持部材2は、図4に示すように、平面視で略矩形状の天板21と、この天板21の左右の両端部からそれぞれ垂れ下がる一対の側板22と、これらの側板22の下端部から互いに対向するように内向きに突出する一対の底板23とを有している。この保持部材2は、例えば合成樹脂等で構成されている。
側板22の内側面同士の間の距離は、発光パネル1の幅寸法よりも僅かに大きく設定されているとともに、天板21の下面と底板23の上面との間の距離は、発光パネル1の厚みよりも僅かに大きく設定されている。このため、天板21、側板22、および底板23で囲まれる空間に発光パネル1が嵌り込み可能となっている。また、前記空間は、一定の断面形状のまま前方に開口していて、その開口から発光パネル1をその表面1aと略平行な方向に抜き挿し可能となっている。すなわち、天板21、側板22、および底板23で囲まれる空間の前方の開口が、発光パネル1を抜き差しするための挿入口24を構成している。そして、挿入口24から挿入された発光パネル1は、底板23に載置されることにより、保持部材2に保持される。
なお、底板23の上面の後端部には、上方に突出する突出部23a(図5参照)が形成されており、前記空間の後方の開口からは、発光パネル1を抜き差しできないようになっている。
また、天板21の前端部(挿入口24側の端部)には、当該挿入口24から挿入された発光パネル1を着脱可能に係止する係止部26が形成されている。この係止部26は、天板21の下面の前端部に板状の突起が設けられるとともに、その突起の両脇が切り込まれることにより形成されており、上下方向に弾性変形可能となっている。すなわち、係止部26を上方に弾性変形させれば、発光パネル1を挿入口24から挿入できるようになり、発光パネル1を挿入した後に係止部26を自由にすれば、係止部26はその復元力により元の位置に復帰して、発光パネル1に係止するようになる。
さらに、天板21には、後端部の中央部が後方に張り出されて張出部27が形成されており、この張出部27に、発光パネル1に電力を供給するための左右一対の給電部4Aが設けられている。これらの給電部4Aは、挿入口24から挿入された発光パネル1の陽極端子部121および陰極端子部141に対応する位置に設けられている。
具体的には、給電部4Aは、図5に示すように、張出部27に設けられた貫通孔27aに挿通されて、陽極端子部121または陰極端子部141に接触する接触子41と、この接触子41を上下動可能に支持するケース42と、このケース42内に配設され、接触子41を下方に付勢する圧縮コイルばね43とからなっている。なお、ケース42は導電性材料で構成されており、このケース42に図略の配線が接続されることにより、陽極端子部121および陰極端子部141が、接触子41、ケース42、および配線を介して図略の給電回路と電気的に接続されるようになっている。
また、各側板22には、後端部が天板21よりも上方に突出するように延在されて、被回動支持部22aが形成されている。この被回動支持部22aは、筐体3の回動支持部33と枢結されることにより、保持部材2が図1(a)に示す水平位置と図1(b)に示す垂直位置との間で上下方向に揺動可能となるように回動支持部33に回動自在に支持されるものである。
また、天板21の上面の前端部には、少し内側に入り込んだ位置に、保持部材2が水平位置に揺動したときに、筐体3の被係合部34に係合する係合部25が設けられている。この係合部25は、前後方向に弾性変形可能となっており、被係合部34に着脱可能に係合するようになっている。
このように構成された発光パネル式照明器具10において、発光パネル1を交換するには、次のようにすればよい。
まず、図1(a)に示す水平位置の保持部材2に対して、図略の治具を引っ掛けて下方に無理引きすることにより、係合部25と被係合部34との係合状態を解除する。このとき、保持部材2と筐体3とは、図略のエアダンパーで連結されているため、保持部材2は急激に揺動せず、自重でゆっくりと下方に揺動する。
保持部材2が図1(b)に示す垂直位置に揺動した後に、係止部26を弾性変形させて、発光パネル1を挿入口24から抜き出す。
次いで、係止部26を指で押して弾性変形させながら、新たな発光パネル1を挿入口24から差し込んだ後に、係止部26から指を離して発光パネル1に係止部26を係止させる。
最後に、治具で保持部材2を上方に揺動させて、係合部25を被係合部34に係合させればよい。
本実施形態の発光パネル式照明器具10では、発光パネル1を保持する保持部材2の挿入口24と反対側の端部を、当該保持部材2が凹部31の開口する方向である下方に揺動可能となるように筐体3に回動自在に支持させたから、保持部材2を下方に揺動させれば、挿入口24を低い位置に降下させることができるため、高い作業台を使用しなくても挿入口24から発光パネル1を抜き差しできるようになる。従って、発光パネル1の着脱の作業性を向上させることができる。
ここで、保持部材2を凹部31内で着脱可能に固定するには、例えば磁石を用いることも可能であるが、本実施形態のように、被係合部34と係合部25とで機械式に固定すれば、安全性を向上させることができる。
また、保持部材2の前端部に、挿入口24から挿入された発光パネル1を係止する係止部26を設けたから、ユーザーが保持部材2を揺動させる際に、挿入口24を塞がなくても発光パネル1が抜け出すことがないため、作業性をより向上させることができる。また、係止部26は発光パネル1に着脱可能に係止するものであるので、係止部26による係止状態を解除すれば、発光パネル1を簡単に挿入口24から抜き出すことができる。
さらに、保持部材2に、挿入口24から挿入された発光パネル1の陽極端子部121および陰極端子部141に対応する位置に、発光パネル1に電力を供給するための給電部4Aを設けたから、発光パネル1を挿入口24から挿入するだけで陽極端子部121および陰極端子部141を給電部4Aに接触させることができるため、コネクタ接続するような作業を省略することができる。
なお、前記実施形態では、係止部26を天板21に設けているが、図6に示す変形例の保持部材2’のように、各側板22に設けてもよい。
また、給電部4Aに代えて、図6および図7に示す変形例の給電部4Bを採用することも可能である。この給電部4Bは、側面視で釣り針状の板ばね44で構成されている。
具体的には、保持部材2の張出部27の肉厚を薄く設定して、発光パネル1との間に隙間が形成されるようにするとともに、張出部27に、当該張出部27を左右から切り込んでスリット27bを形成する。そして、板ばね44をスリット27bに嵌め込んで固定し、板ばね44の接点部44aが張出部27と発光パネル1の間に介在するようにすればよい。
また、被回動支持部22aは、側板22に設けられている必要はなく、天板21の後端部に設けられていてもよい。
さらには、保持部材2を凹部31内で着脱可能に固定するには、例えばインテリアラックの扉等に採用されているような一度押すとロックされ、二度押すとロックが解除される機構を採用することも可能である。
なお、発光パネル1は、有機ELを利用したものに限らず、無機ELを利用したものであってもよい。
本発明の一実施形態に係る発光パネル式照明器具の側面断面図であり、(a)は保持部材を筐体内で固定したとき、(b)は保持部材を下方に揺動したときを示す。 発光パネルの平面図である。 (a)は図2のI−I線断面図、(b)は図2のII−II線断面図である。 保持部材の斜視図である。 挿入口から発光パネルが挿入されたときの保持部材の要部拡大断面図である。 変形例の保持部材の斜視図である。 変形例の保持部材の要部拡大断面図である。
符号の説明
1 発光パネル
1a 表面
1b 裏面
121 陽極端子部
141 陰極端子部
2,2’ 保持部材
22a 被回動支持部
24 挿入口
25 係合部
26 係止部
3 筐体
31 凹部
33 回動支持部
34 被係合部
4A,4B 給電部
10 発光パネル式照明器具

Claims (4)

  1. 表面から光を放射する発光パネルと、この発光パネルを裏面側から覆って収容する筐体とを備え、
    前記筐体内には、前記発光パネルをその表面と略平行な方向に抜き挿しするための挿入口を有し、その挿入口から挿入された発光パネルを保持する保持部材が配設されており、この保持部材の挿入口と反対側の端部は、当該保持部材が筐体の開口する方向に揺動可能となるように筐体に回動自在に支持されていることを特徴とする発光パネル式照明器具。
  2. 前記保持部材の挿入口側の端部には、当該保持部材を前記筐体内で着脱可能に固定するために前記筐体に着脱可能に係合する係合部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発光パネル式照明器具。
  3. 前記保持部材の挿入口側の端部には、当該挿入口から挿入された発光パネルを着脱可能に係止する係止部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の発光パネル式照明器具。
  4. 前記発光パネルは、端子部を有しており、
    前記保持部材には、挿入口から挿入された発光パネルの端子部に対応する位置に、発光パネルに電力を供給するための給電部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光パネル式照明器具。
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