以下、本発明に係る湿式画像形成装置について、図1〜図4を参照して説明する。本発明に係る湿式画像形成装置としてタンデム型カラー画像形成装置を一例に挙げて、最初に、これについて、図1、図2を参照して、その構造の概略を説明しつつ、画像形成工程を説明する。図1は、タンデム型カラー画像形成装置としてのプリンタ100の概略構造を示す模型的垂直断面図である。図2は、図1中に示した画像形成手段5の模型的垂直断面側面図である。
図1のプリンタ100は、給紙部1、垂直搬送路2、レジストローラ対3、ベルト搬送部4、第1の画像形成手段5B、第2の画像形成手段5M、第3の画像形成手段5C、第4の画像形成手段5Y、2次転写部6、定着部7、排出搬送路8、排出トレイ9等から構成されている。
上記構成のプリンタ100は、次のような画像形成工程を行う。用紙Pは、給紙部1の給紙カセット1aより、ピックアップローラ1bにて、垂直搬送路2に搬送され、レジストローラ対3を介して2次転写部6へ搬送される。
画像形成部50では、中間転写ベルト43が、駆動ローラ41により、矢印の方向に送られ、画像形成手段5Y、5C、5M、5Bにおいて、像担持体としての各々の感光体ドラム51に形成されたイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナー画像が順次転写され、中間転写ベルト43上に、カラー画像が形成される。
ここで形成されたカラー画像は、2次転写部6によって、中間転写ベルト43から、給紙カセット1aより搬送されてきた用紙Pに、2次転写されて、用紙P上にカラー画像が形成される。
この後、未定着のカラー画像を転写された用紙Pは、中間転写ベルト43から分離され、定着部7に搬送される。そして、定着ローラ7aと加圧ローラ7bの圧接により形成されるニップ部にて、用紙Pに定着に必要な熱量が供給され、カラー画像の定着処理がされる。最後に、用紙Pは、定着部7で定着処理がなされた後に排出搬送路8を経て排出トレイ9に排出される。なお、定着ローラ7aには、ヒータ(不図示)が内蔵され、このヒータは定着に必要な所定の温度を発生するように制御されている。
次に、上記プリンタ100の主要な構成要素である画像形成部50の構成について、詳細に説明をする。画像形成部50は、ベルト搬送部4と、液体現像装置を含む第1〜第4の画像形成手段5B、5M、5C、5Yと、中間転写クリーニングユニット45からなる。
ベルト搬送部4は、駆動ローラ41と、従動ローラ42と、この2つのローラに亘って掛け渡された無端状の中間転写ベルト43とからなる。中間転写ベルト43は、テンションローラ44により、適度なテンションに保たれている。この状態で、駆動ローラ41は、駆動モータ(不図示)からその駆動力を伝達され、各画像形成手段における感光体ドラム51の外周速度と、ベルト搬送部4の中間転写ベルト43の外周速度が、等速になるように駆動されるようになっている。
第1〜第4の画像形成手段5B、5M、5C、5Yは、ベルト搬送部4の下方に並んで配置されている。各画像形成手段の配置は、用紙搬送方向上流より順に、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(B)用となっており、全て略同じ構成のユニット(画像形成手段5)である。よって、第1〜第4の画像形成手段5B、5M、5C、5Yにおいては、以下の説明の用いる画像形成手段5の構成と同一構成である部分については同一符号を付している。なお、以下の説明において、特に限定する必要がある場合を除き、「B」「M」「C」「Y」の識別記号は省略するものとする。
図2に示すように、画像形成手段5は、感光体ドラム51、主帯電装置52、露光装置53、液体現像装置10、1次転写手段54、感光体ドラムクリーニング装置55、除電ランプ59から構成され、樹脂等からなる筐体に組み付けることにより1つのユニットとなり、装置本体(不図示)に取り付けられている。
感光体ドラム51は、アモルファス・シリコンドラムを用いており、現像位置での暗電位が所定の電位になるよう前記主帯電装置52により帯電される。この帯電した感光体ドラム51の表面に露光装置53が画像情報に応じた光を照射することにより感光体ドラム51の表面に静電潜像が形成される。なお、露光装置53は、LPH(LED PRINT HEAD)や、LSU(レーザスキャニングユニット)を用いてもよい。
液体現像装置10は、トナーと絶縁性液体であるキャリアからなる液体現像剤としての現像液18が、所定の濃度になるように撹拌混合して用いられる。この現像液18を、現像剤担持体としての現像ローラ12から、感光体ドラム51の光が照射された部分の静電潜像に、供給することにより、感光体ドラム51にトナー像を現像する。
感光体ドラム51の暗電位が+300Vで、現像バイアスは+200V、露光後電位が+20Vとなるように設定されており、この現像バイアスと露光後電位の差がいわゆるコントラスト電位である。すなわち、暗電位は画像白部に相当し、露光後電位は画像黒部に相当する。上記のように形成された静電潜像が現像されたトナー像は、前記1次転写手段54とのニップにおいて前記ベルト搬送部4の中間転写ベルト43に転写される。前記1次転写手段54は本実施形態では転写ローラを用いており、前記感光体ドラム51の表面電位とは逆極性の電圧が−100〜−1000Vの範囲に設定され、印加されるようになっている。
感光体ドラム51上の転写されなかったトナーは、感光体ドラムクリーニング装置55のゴムブレード57により掻き落とされて、感光体ドラム51表面の残留電位を下げて均一にすべく除電ランプ59により除電されて、次の一連のプロセスに備える。なお画像形成における電位設定は、感光体ドラム51の特性、トナーの特性、環境等に応じて、最適な値が選択できるものである。プリンタ100は、上述の画像形成手段5の方法に基づいて、第1〜第4の画像形成手段5B、5M、5C、5Yで、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローに対応する画像を、感光体ドラム51上に現像し、中間転写ベルト43上に順次繰り返し、ずれなく転写することで、1つのカラー画像の形成を行う。
図1に示すように、中間転写クリーニングユニット45は、中間転写クリーニングローラ45aと、中間転写クリーニングブレード45bとを備えている。中間転写クリーニングローラ45aは、中間転写ベルト43に対して圧接されていて、中間転写ベルト43の回転方向と同方向に回転されている。中間転写クリーニングブレード45bは、中間転写ベルト43の移動方向における中間転写クリーニングローラ45aの位置から下流側にて、中間転写ベルト43に対してカウンタ当接することにより、中間転写ベルト43上の転写残トナーを掻き落とす。この掻き落とされた転写残トナーは、廃液タンク46に回収される。
次に、上記構成に係るプリンタ100に搭載された第1実施形態に係る液体現像装置10の構成を、図2を参照して詳しく説明する。
図2に示すように、第1実施形態に係る液体現像装置10は、現像液18を貯溜する現像液タンク11を備えている。液体現像装置10内部には、現像ローラ12と、アニロックスローラ13と、汲み上げローラ14と、ドクタブレード15と、クリーニングブレード33と、一対の撹拌スクリュー16、17と、クリーニング手段30とが設けられており、現像ローラ12、アニロックスローラ13、汲み上げローラ14、撹拌スクリュー16、17は、歯車列等からなる駆動手段により回転駆動される。(図2の各ローラ中の矢印は回転方向を示す。)
現像液タンク11には、現像液18が貯溜されており、撹拌スクリュー16、17は、該現像液18に浸漬するように設けられている。汲み上げローラ14は、現像液タンク11内において、該ローラの一部が現像液18に浸漬するように設けられており、この上方に、アニロックスローラ13が設けられている。そして、アニロックスローラ13の上方には、現像ローラ12が設けられている。
ドクタブレード15は、アニロックスローラ13の横側、かつ現像ローラ12に対して、アニロックスローラ13の回転方向の上流側に、アニロックスローラ13の軸線方向について、その一端が当接しており、アニロックスローラ13のローラ面に供給された現像液18を薄層化せしめている。感光体ドラム51は、液体現像装置10の外側にあって、現像ローラ12に当接している。
クリーニングブレード33を含むクリーニング手段30は、現像ローラ12の上部、かつ感光体ドラム51に対して、現像ローラ12の回転方向の下流側に配置されている。
次に、液体現像装置10の動作工程について説明する。図2において、現像液18は、キャリアとしてのシリコンオイル等からなる非極性の絶縁性液体中に、正電荷を有する微細な樹脂からなるトナー粒子(粒径:約1μm)を分散混濁させたものである。現像液タンク11に貯溜された現像液18は、撹拌スクリュー16、17により攪拌されて、トナーが液中で均一になるように分散せしめられる。
現像液18は、この現像液18に一部浸漬している汲み上げローラ14が時計回りに回転することにより、その浸漬したローラ表面に順次付着して、汲み上げられる。そして、アニロックスローラ13と汲み上げローラ14とのニップ部を通して、同期して回転するアニロックスローラ73のローラ面に順次塗布されていく。
アニロックスローラ13に塗布された現像液18は、ドクタブレード15にて均一な薄膜層にされて、アニロックスローラ13に当接して、同期回転する現像ローラ12のローラ面に薄膜層として塗布される。その後、静電潜像が形成された感光体ドラム51に供給されて、感光体ドラム51上にトナー画像が現像される。現像後、現像ローラ12上に残留した現像液18は、クリーニング手段30により現像ローラ12上から除去され、除去された残留現像液は、クリーニングブレード33を介して、トナー回収タンク31に回収されて、現像液タンク11に戻される。
次に、トナー液18a、キャリア液18bの補給を行うトナー液補給手段、キャリア液補給手段、及び現像液18の回収・廃棄の流れについて、図4を参照して説明する。図4は、トナー液補給手段、キャリア液補給手段、及び現像液の回収・廃棄の流れを示す管路の構成を表す。(図4中の矢印は、現像液等の流れ方向を示す。)
なお、第1〜第4のトナーコンテナ21B、21M、21C、21Yによるトナー液補給の流れは、いずれも同様の工程であるので、トナー液補給手段の説明において、トナーコンテナを用いて説明する場合は、便宜上、これを代表して第1のトナーコンテナ21Bを用いる。また、各トナー液補給手段、キャリア液補給手段を構成する部材は、同一構成である部分については同一符号を付している。
トナー液補給手段、キャリア液補給手段の構成の概略は以下の通りである。図3に示すように、4つのトナーコンテナ21B、21M、21C、21Y及びキャリアタンク22には、夫々トナー液18a、キャリア液18bが貯溜されており、トナー液18aは管路23、キャリア液18bは、管路28、29を通じて、第1〜第4の画像形成手段5B、5M、5C、5Yに必要に応じて補給される。
各画像形成手段5の感光体ドラムクリーニング装置55で回収された転写残現像液18は、還流管路24を通じて夫々対応する現像液タンク11に回収される。そして、中間転写クリーニングユニット45で回収された転写残トナーは、管路25を通して廃液タンク46に送られ、廃棄される。
なお、トナー液18aとは、濃縮された現像液18、キャリア液18bとは、シリコンオイル等の電気的中性の非極性の溶媒であり、トナー液18aとキャリア液18bを混合して濃度調整することにより、現像に使用する現像液18となるものである。
第1〜第4のトナーコンテナ21B、21M、21C、21Y、及びキャリアタンク22は、ベルト搬送部4の上方に配置されている。第1〜第4のトナーコンテナ21B、21M、21C、21Yは、夫々第1〜第4の画像形成手段5B、5M、5C、5Yに対応したブラック、マゼンタ、シアン、イエローの各色のトナー液18aを貯溜しており、第1〜第4の画像形成手段5B、5M、5C、5Yと同様の順序で配列されている。キャリアタンク22は、図3中で第1のトナーコンテナ21Bの左側に配置されている。
以下、第1〜第4のトナーコンテナ21B、21M、21C、21Y及びキャリアタンク22から現像液タンク11へのトナー液18a、キャリア液18bの補給を行うトナー液補給手段、キャリア液補給手段の具体的な補給の流れと、その構成について説明する。
図4に示すように、第1のトナーコンテナ21Bにおけるトナー液補給手段は、第1のトナーコンテナ21Bと、撹拌手段27と、現像液タンク11間に接続された管路23と、管路23の上流に設けられたトナーポンプ26から構成されている。
キャリア液補給手段においては、キャリアタンク22は、第1〜第4の画像形成手段5B、5M、5C、5Yの各現像液タンク11にキャリア液18bを補給するために、キャリアタンクからの管路28は、上流で4本に分岐され、分岐後の管路29は、キャリアポンプ30を介して、夫々の現像液タンク11に接続される。
現像液タンク11内のトナー濃度は、トナー濃度センサ19により検知されている。例えば、トナー濃度低下を検知したとき、トナーポンプ26が駆動され、第1のトナーコンテナ21Bから、補充用のトナー液18aが、管路23に圧送され、現像液タンク11に補給される。また、必要に応じてキャリアポンプ30を駆動してキャリアタンク22からキャリア液18bも、管路28、29を介して補給されて、現像液タンク11内現像液18と混合されて適正な濃度に調整・維持される。
トナーコンテナ21Bに貯溜されたトナー液18aは、トナー液18aに浸漬した撹拌手段27よって撹拌され、分散せしめられている。
また、現像液タンク11中の現像液18の液位は、液位センサ20により検知されており、液位の低下を検知すると、トナーポンプ26及びキャリアポンプ30が駆動され、管路23及び管路28、29を介してトナー液18aとキャリア液18bが現像液タンク11に補給され、現像液タンク11内の現像液18と混合・濃度調整されて、現像液18の補充がなされる。
各画像形成手段5の感光体ドラムクリーニング装置55は、画像形成手段5の現像液タンク11と管路24で接続されており、感光体ドラムクリーニング装置55において感光体ドラム51から掻き取られた転写残現像液18は、該管路24を通じて現像液タンク11に還流される。また、各液体現像装置10の現像ローラ12上に残留した現像液18は、クリーニング手段30により現像ローラ12上から除去され、除去された残留現像液は、クリーニングブレード33を介して、トナー回収タンク31に回収されて、現像液タンク11に戻される。
中間転写クリーニングユニット45は、廃液タンク46と管路25で接続されており、中間転写クリーニングブレード45bにより掻き取られた中間転写ベルト43上の転写残トナーは、該管路25を通じて廃液タンク46に送られる。
次に、本発明の特徴部分である第1実施形態にかかる液体現像装置10に備えられた現像ローラ12のクリーニング手段30の構成、動作及びその作用・効果について、図2に加えて、図3を参照して説明する。図3は、クリーニング手段30のスイープローラ32及びクリーニングブレード33動作(当接時、離間時)を表す模型的垂直断面側面図である。(図3中の矢印は、ローラの回転方向及び現像液の流れを示す。)はじめに、クリーニング手段30の構成について、図2を参照して説明する。
図2に示すように、現像ローラ12のクリーニング手段30は、トナー回収タンク31、スイープローラ32、クリーニングブレード33、スイープローラブレード34からなる。
クリーニング手段30は、感光体ドラム51に対して、現像ローラ12の回転方向下流側で、該現像ローラ12の上方に設けられており、クリーニング手段30においては、現像ローラ12の回転方向上流側から、スイープローラ32、クリーニングブレード33、トナー回収タンク31の順に配置されている。スイープローラブレード34は、スイープローラ32の上方かつクリーニングブレード33側に位置している。
スイープローラ32は、現像ローラ12の回転軸と平行な回転軸を有し、該回転軸線と直交する平面について楕円形状の断面を有するローラであって、モータ等(不図示)の駆動手段によって、楕円の中心点を回転中心として現像ローラ12と逆方向に回転する。また、回転時にはスイープローラ32の長軸両端面で現像ローラ12面と当接し、かつスイープローラ32の長半径及び短半径を夫々LR、SRとしたとき、(LR−SR)>トナー粒子径となるように設けられている。
そして、スイープローラ32の長軸両端面及びその近傍のローラ面以外では、現像ローラ12に接することは無く、スイープローラ32の長軸端の一方のローラ面が当接した後、対向する他方のローラ面が当接するまでの間においては、現像ローラ12面とスイープローラ32面の隙間を現像ローラ12に付着した現像液18が通過できるようになっている。
スイープローラ32と現像ローラ12の当接は、図2の側面図において、現像ローラ12の回転中心を原点とした座標系で見た場合、第1象限においてなされるようになっている。
また、スイープローラ32のローラ面には、現像液18よりも表面自由エネルギーが低い(現像液18の表面自由エネルギーは、30〜50mN/m)フッ素系のコーティング、又はPFAチューブが被覆されており、現像液18の離型性を高めている。なお、スイープローラ32の材質自体をフッ素系樹脂としてもよい。
スイープローラ32の回転においては、スイープローラ32の長軸端面と現像ローラ12面との当接部において、両ローラの速度が、略同一の線速度となるように調整されており、ローラ間にすべり等が発生せず、転がり接触するようになっている。
クリーニングブレード33は、スイープローラ32に対して現像ローラ12の回転方向下流側に設けられており、クリーニングブレード33の長手方向が現像ローラ12の軸線方向と平行で、クリーニングブレード33の長手方向の端部が現像ローラ12面にカウンタ当接している。なお、図2に示すように、クリーニングブレード33は、その上面が該当接部の対向する側にかけて、下方に傾斜して配置されており、除去された現像液18が、該斜面下側に設けられたトナー回収タンク31に、回収されるようになっている。
また、クリーニングブレード33と回転するスイープローラ32は干渉することはなく、クリーニングブレード33の現像ローラ12との当接部の近傍をスイープローラ32の長軸両端面が適切な距離を保って通過するようになっている。
スイープローラブレード34は、柔軟で屈曲性の高い、薄いフィルム或いはシート状のブレードで、図2に示すように、一端が、スイープローラ32右側(感光体ドラム51の反対側)上方で、液体現像装置10の内壁等に固定されており、他端が、スイープローラの右面(クリーニングブレード上方)に、常にカウンタ当接するようになっている。
したがって、スイープローラ32の回転に伴い、スイープローラ32面とスイープローラブレード34の当接部である端部との距離が変化しても、スイープローラブレード34は、スイープローラ32との距離や当接部の形状等に合わせて撓み、常にスイープローラ32との当接を保つ。
次に、クリーニング手段30の動作及び作用・効果について説明する。現像液タンク11に貯溜された現像液18は、汲み上げローラ14、アニロックスローラ13を介して現像ローラ12表面に均一に塗布される。そして現像ローラ12に塗布された現像液18は、静電潜像を形成された感光体ドラム51に供給されて、現像される。
このとき、現像に使用されなかった現像液18は、現像ローラ12に付着したままになる。また、通常、画像非形成時においても、装置安定化のために現像ローラ12への現像液18供給は継続して行われ、現像ローラ12に現像液18が塗布され続ける。
このような感光体ドラム51に供給されない現像ローラ12上の現像液18が、クリーニング手段30によって、現像ローラ12から除去され、トナー回収タンク31に回収されることになる。
現像ローラ12の残留現像液18の除去・回収工程は以下のようである。スイープローラ32の回転により、現像ローラ12面とスイープローラ32の長軸両端面は定期的、かつ間欠的に当接する。スイープローラ32の長軸両端面が現像ローラ12面に当接した後、該当接部より現像ローラ12の回転方向下流側の現像ローラ12面上の残留現像液18は、スイープローラ32及び現像ローラ12の回転に従い、更に下流に送られる。一方、更に現像ローラ12の回転方向下流側には、クリーニングブレード33が現像ローラ12面に当接しているので、該当接部で現像液18の移動は堰き止められる。
したがって、図3(a)に示すように、スイープローラ32によりクリーニングブレード33近傍に送られてきた現像液18は、スイープローラ32とクリーニングブレード33に現像ローラ12上の周方向の移動が規制されて、クリーニングブレード33端面から回転方向上流側に押し戻されながら、現像ローラ12の径方向に堆積していく。そして、やがてスイープローラ32の長軸端面により押されて、クリーニングブレード33上面に移動し、クリーニングブレード33の斜面を伝ってトナー回収タンク31に回収される。
このとき、スイープローラ32の長軸両端面は、現像ローラ12面との当接部において、転がり接触するので、該当接部には、ローラ間の摩擦やずれ力・変位等、ローラ間の圧接力以外の力が付加されることは無い。
したがって、該当接部の現像液18には、不要な応力や変位が付与されないので、除去工程における当該部分の現像液18の凝集や固化及びトナー粒子の劣化を最小限に抑えることができる。また、上述のようにスイープローラ32とクリーニングブレード33の作用によりクリーニングブレード33上面に移された現像液18は、スイープローラ32とクリーニングブレード33からの直接的な機械的圧力等を受けることが無いので、除去工程によって凝集や固化及びトナー粒子の劣化が殆ど無い。
スイープローラ32の回転に伴い、その長軸端面で、現像液18をクリーニングブレード33上に移した後、スイープローラ32の長軸端面は、現像ローラ12面から離間する(図3(b))。このとき、現像ローラ12面に付着した残留現像液18は、順次クリーニングブレード33と現像ローラ12の当接部に至り、ここでクリーニングブレード33によって、現像ローラ12から掻き取られて、該当接部を中心に堆積してく。
そして、再び、次に対向するスイープローラ32の長軸端面が、現像ローラ12面に当接した後、前述と同様の工程により、スイープローラ32によりクリーニングブレード33近傍に送られてきた残留現像液18は、クリーニングブレード33当接部に堆積していた現像液18と共に、クリーニングブレード33上面に移動し、クリーニングブレード33の斜面を伝ってトナー回収タンク31に回収される。
このように、スイープローラ32は間欠的に現像ローラ12に当接するので、非接触時には現像ローラ12に付着した残留現像液18は必ず回転方向下流に運ばれる。すなわち、該当接面の回転方向上流側に現像液18が溜まることは無く、現像液18が回転方向上流側に押し戻されてトナー漏れ、トナー汚染を生じることが無い。よって、形成される画像は常に高品質に保たれる。
スイープローラ32の表面は、フッ素系のコーティングをしているので、現像液18よりも表面自由エネルギーが小さくなっている。したがって、除去工程で接触した現像液18の多くは、スイープローラ32のローラ面に付着することが無い。スイープローラ32のローラ面に付着した現像液18は、スイープローラ32による除去工程において不要な圧力や変位を受けないことと、スイープローラ32面のコーティングの効果により、付着力は非常に弱く、フィルム状等のスイープローラブレード34の当接部分で僅かな力で簡単に剥離せしめられる。そして、下方のクリーニングブレード33又はトナー回収タンク31上に落下し、トナー回収タンク31に回収される。
このとき、現像液18には、僅かな圧力しかからないので、回収される現像液18は凝集、固化、トナー粒子の劣化が殆ど無い。また、スイープローラ32による現像ローラ12上の残留現像液18の回収に加えて、スイープローラ32のローラ面に付着した現像液18も回収できるので、現像液18の回収効率が更に高まる。
このような工程を繰り返し行うことで、常に現像ローラ12上の残留現像液18は、凝集・固化及びトナー粒子の劣化等を最小限に抑えて、除去され、高い回収効率でトナー回収タンク31に回収される。こうして回収された現像液18は、劣化が少ないので再利用性が高く、濃度調整などの簡単な工程で再利用でき、印字コストの低減並びに高画質維持に寄与する。
そして、トナー回収タンク31に回収された現像液18は、現像液タンク11に送られ、濃度調整されて、現像液18として再利用される。
第1実施形態の説明においては、現像ローラ12の残留現像液18のクリーニング手段としての例を挙げたが、第1実施形態に係るクリーニング手段の構成は、汲み上げローラ14、アニロックスローラ13、感光体ドラム51及び中間転写ベルト43等の現像液を担持するローラやベルト等に付着する残留現像液18の除去・回収にも用いることができ、第1実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。
また、本発明の第1実施形態に係る液体現像装置を搭載することにより、現像ローラ上の残留現像液を安定的に除去して、トナー漏れやトナー汚染を防ぎつつ、該残留現像液の凝集・固化等を抑えて高効率に回収して、印字コストの低減並びに高品質な画像を安定して形成する画像形成装置を提供することが可能となる。
次に、第2実施形態にかかる液体現像装置、並びに前述したトナー液補給手段及びキャリア液補給手段の代わりとなり、その液体現像装置に対応する現像液循環システムについて図を参照して説明を行う。なお、上記の第1実施形態で説明したものについては、同一符号を付し、特に必要が無い限りその説明を省略する。図5は、第2実施形態の液体現像装置10を模式的に示す垂直断面図である。図6は、スイープローラ32の回転の中心の位置を説明するための模式的な垂直断面図である。なお、液体現像剤を前述と同様に現像液18と呼ぶ。
第2実施形態の液体現像装置10は、図5に示すように、感光体ドラム51の回転軸と平行に伸びて成り、その内部に現像液18が貯留される筐体10aを有し、その筐体10aの内部(すなわち、液体現像装置10の内部)には、現像ローラ12と、アニロックスローラ13と、汲み上げローラ14と、ドクタブレード15と、クリーニングブレード33と、クリーニングブレード支持部材35と、スイープローラ32と、スイープローラブレード34と、現像液通路部材36と、スクリュー37と、帯電装置39と、が設けられている。また、液体現像装置10の内部には、図示していないが、現像用にトナー濃度が調整された現像液18が補給される現像液補給口と、その内部に貯留されている現像液18の所定の液位からの低下を検知する液位センサと、が設けられている。更に、液体現像装置10の筐体10aには、現像液搬送経路部37aと、現像液排出管38と、が設けられている。
また、現像ローラ12、アニロックスローラ13、汲み上げローラ14、スイープローラ32、スクリュー37は、歯車列等からなる駆動手段により回転駆動される。なお、図5中の各ローラ内の矢印は、各ローラの回転方向を示す。
現像ローラ12、アニロックスローラ13、及び汲み上げローラ14のそれぞれは、図5の紙面に垂直な方向に伸びる感光体ドラム51の回転軸と平行な回転軸を有した円柱状のローラである。汲み上げローラ14は、その一部が、液体現像装置10の内部に貯留された現像液18に浸漬しており、この上方に汲み上げローラ14のローラ面にそのローラ面が当接するようにアニロックスローラ13が設けられている。そして、アニロックスローラ13の上方には、アニロックスローラ13のローラ面にそのローラ面が当接するように現像ローラ12が設けられている。また、現像ローラ12は、液体現像装置10の外側にある感光体ドラム51に、そのローラ面が当接している。
ドクタブレード15は、図5の紙面に垂直な方向に伸びるブレードであり、現像ローラ12のローラ面とアニロックスローラ13のローラ面が当接するニップ部を起点として、アニロックスローラ13の回転方向の下流側で、その一端が、アニロックスローラ13のローラ面に当接している。そして、このようなドクタブレード15は、アニロックスローラ13のローラ面に供給された現像液18を薄層化する。
帯電装置39は、現像ローラ12の横側の筐体10a部分に備えられ、現像ローラ12のローラ面に塗布された現像液18にコンパクション(現像液18への正の電荷注入)を行い、現像液18中で正に帯電するトナー粒子の帯電をより均一化するものである。
クリーニングブレード33は、図5に示すように、現像ローラ12の回転軸と平行に伸びる直方体或いは略直方体の部材(例えば、ウレタンゴム)である。すなわち、クリーニングブレード33は、クリーニングブレード33の長手方向(図5の紙面に垂直な方向に)が現像ローラ12の回転軸方向と平行である。また、クリーニングブレード33は、感光体ドラム51と現像ローラ12のニップ部を起点として、現像ローラ12の回転方向の下流側となる位置に設けられている。また、クリーニングブレード33は、その長手方向と垂直な方向において、その中心から一端側の上面部分が、筐体10aに固定されたクリーニングブレード支持部材35に固定されている。
また、クリーニングブレード33は、図5及び図6に示すように、その他端側に現像ローラ12のローラ面に残留した現像液18を除去する面であるカット面33aを有し、そのカット面33aと現像ローラ12のローラ面に対向する下面33cとがなす長手方向の角部33bが、現像ローラ12のローラ面に圧接されている。また、クリーニングブレード33は、図5に示すように、除去された現像液18が現像液通路部材36に流下して到達するべく下方に傾斜して配設されている。なお、カット面33aの高さ(=クリーニングブレード33の厚さ)は、後述のものに限定されないが、第2実施形態では、約2mmである。
現像液通路部材36は、図5及び図6に示すように、図5の紙面に垂直な方向に伸びる薄板状の部材であり、その長手方向(図5の紙面に垂直な方向)に対して垂直な方向について、その一方端がクリーニングブレード33の上面33dに当接し、その他方端が現像液搬送経路部37aに延設されている。また、現像液通路部材36は、現像ローラ12のローラ面から除去された現像液18が、現像液搬送経路部37aに流下するべく下方に傾斜して配設されている。
現像液搬送経路部37aは、図5に示すように、後述するスイープローラ32の回転軌跡よりも下方に設けられ、現像ローラ12の回転軸に対して略平行に延設されるとともに、現像ローラ12の回転軸方向と垂直な方向の断面について、その下方側が略円弧状に形成されている。また、現像液搬送経路部37aには、現像液通路部材36を経由或いはスイープローラ32から直接的に現像液搬送経路部37a内に流下してきた現像液18をその長手方向(=図5の紙面に垂直な方向)に搬送するスクリュー37が配置されている。また、現像液搬送経路部37aの長手方向の一端側で、かつ、その長手方向と垂直な方向の一方の筐体部分には、スクリュー37によって搬送された現像液18を、現像液搬送経路部37aを介して排出するための現像液排出口37bが形成されている。更に、図5に示すように、その現像液排出口37bから、現像液搬送経路部37aの長手方向に対して垂直な方向(=図5の左右方向)に伸びる現像液排出管38が配設されている。
また、現像液排出口37bの開口部の下端は、図5に示すように、現像液搬送経路部37aの円弧状部分に対向するスクリュー37の下端37cよりも上方に設けられている。
スクリュー37は、後述するスイープローラ32の回転軌跡R(図6参照)の下端よりも下方に設けられた現像液搬送経路部37aに配置されるとともに、現像ローラ12の回転軸と平行な回転軸の表面に連続した螺旋状の羽を有し、回転することで現像液18を現像液排出口37bに向けて搬送する現像液搬送手段(すなわち、液体現像剤搬送手段)の一例に相当する。なお、少なくともスクリュー37の一部が、スイープローラ32の回転軌跡(図6参照)の下端よりも下方に配置されていればよい。
スイープローラ32は、現像ローラ12の回転軸と平行な回転軸を有し、該回転軸と直交する平面について楕円形状の断面を有する柱状のローラである。また、スイープローラ32は、モータ等(不図示)の駆動手段によって、楕円の中心点を回転中心として現像ローラ12と逆方向に回転する。また、スイープローラ32の楕円形状の断面は、図6に示すように、楕円形状の断面の長半径及び端半径を夫々LR、SRとしたとき、(LR−SR)>(トナー粒子径)とされている。
また、スイープローラ32の回転の中心M(すなわち、スイープローラ32の回転軸の中心)は、図6に示すように、スイープローラ32の楕円状の断面である楕円面の長軸の両端部が成す線分である長軸両線分(以下、長軸両端面と呼ぶ)の一方が現像ローラ12のローラ面に最も近接したとき、その長軸両端面の一方P1及びスイープローラ32の長軸の延長線L1と交わる現像ローラ12のローラ面部分P2間と、現像ローラ12のローラ面と、スイープローラ32の回転軌跡Rと、クリーニングブレード33のカット面33aの延長線L2と、が閉領域Sを形成することが可能となる位置に設けられている。すなわち、スイープローラ32の回転の中心Mは、クリーニングブレード33の上面33dに対してクリーニングブレード33のカット面33aで直交する方向を基準として現像ローラ12の回転方向上流側に設けられている。
また、スイープローラ32のローラ面には、現像液18よりも表面自由エネルギーが所定値(例えば、10mN/m)以上低い(現像液18の表面自由エネルギーは、30〜50mN/m)フッ素系のコーティング、又はPFAチューブが被覆されており、現像液18の離型性を高めている。なお、スイープローラ32の材質自体をフッ素系樹脂としてもよい。
なお、スイープローラ32、スイープローラブレード34、スクリュー37、及び現像液通路部材36、及びそれらを備え、現像液搬送経路部37a、現像液排出口37b、及び現像液排出管38が設けられた筐体10a部分は、現像ローラ12のローラ面からクリーニングブレード33により除去された現像液18を現像液排出口37bに回収及び搬送する現像液回収装置を形成している。
次に、上記構成から成る液体現像装置10の動作について図を参照して以下に説明を行う。図7は、現像ローラ12、スイープローラ32、クリーニングブレード33等を模式的に示す垂直断面図である。図7(a)及び図7(b)のそれぞれは、スイープローラ32のローラ面が現像ローラ12のローラ面に最も接近した状態、及びスイープローラ32のローラ面が現像ローラ12のローラ面から離間した状態を示す図である。
図5に示すように、まず、現像液18は、この現像液18に一部浸漬している汲み上げローラ14が時計回りに回転することにより、その浸漬したローラ面に順次付着して、汲み上げられる。そして、アニロックスローラ13のローラ面と汲み上げローラ14のローラ面とのニップ部を通して、同期して回転するアニロックスローラ73のローラ面に順次塗布されていく。
アニロックスローラ13に塗布された現像液18は、ドクタブレード15にて均一な薄膜層にされて、アニロックスローラ13に当接して、同期回転する現像ローラ12のローラ面に薄膜層として塗布される。そして、現像ローラ12に塗布された現像液18は、帯電装置39によって、コンパクションが行われる。その後、静電潜像が形成された感光体ドラム51に供給されて、感光体ドラム51上にトナー画像が現像される。
このとき、現像に使用されなかった現像液18は、現像ローラ12のローラ面に付着したままになる。また、通常、画像非形成時においても、装置安定化のために現像ローラ12のローラ面への現像液18の供給は継続して行われ、現像ローラ12のローラ面に現像液18が塗布され続ける。
このような感光体ドラム51に供給されず、現像ローラ12のローラ面に残留した現像液18が、以下のように、現像液18の除去・回収工程において、除去・回収される。
現像ローラ12のローラ面に残留した現像液18の除去・回収工程では、図7(a)に示すように、クリーニングブレード33の角部33b(すなわち、カット面33aの一端)が現像ローラ12のローラ面に当接しているので、回転している現像ローラ12のローラ面に残留した現像液18が、クリーニングブレード33のカット面33aによって現像ローラ12のローラ面から除去される。そして、その除去された現像液18は、クリーニングブレード33のカット面33aに堰き止められ、更に、その現像液18の粘度が高くなっているため、クリーニングブレード33のカット面33aから現像ローラ12の回転方向上流側に向かって押し戻されつつ盛り上がって滞留する。そして、図7(a)に示すように、回転しているスイープローラ32の長軸両端面の一方が、現像ローラ12のローラ面に最も接近する。次いで、図7(b)に示すように、スイープローラ32の長軸両端面の一方が現像ローラ12のローラ面の近傍から離間していく際に、スイープローラ32のローラ面によって、その現像液18が押されて、クリーニングブレード33の上面33dに移動する。
そして、図7(b)に示すように、スイープローラ32の長軸両端面の一方が現像ローラ12のローラ面から離れ、スイープローラ32の長軸両端面の他方が現像ローラ12のローラ面に近づくまでの間に、回転している現像ローラ12のローラ面に滞留した現像液18が、前述と同様に除去され、クリーニングブレード33のカット面33aから現像ローラ12の回転方向の上流側に向かって押し戻されつつ盛り上がって滞留する。そして、図7(a)に示すように、回転しているスイープローラ32の長軸両端面の他方が、現像ローラ12のローラ面に最も接近する。そして、図7(b)に示すように、スイープローラ32の長軸両端面の他方が現像ローラ12のローラ面から離間していく際に、スイープローラ32のローラ面によって、その現像液18が押されて、クリーニングブレード33の上面33dに移動する。
そして、このような動作が繰り返されることによって、クリーニングブレード33の上面33dに移動した現像液18が、図7(b)に示すように、クリーニングブレード33の上面33dから現像液通路部材36上に流下し、更に、現像液搬送経路部37a内に流下する。
このとき、スイープローラ32のローラ面が現像ローラ12のローラ面に全く接触しないため、現像液18には僅かな圧力しかかからない。よって、現像ローラ12から回収される現像液18は、凝集、固化、トナー粒子の劣化が殆ど無い。
また、スイープローラ32のローラ面は、フッ素系のコーティングをしているので、現像液18よりも表面自由エネルギーが小さくなっている。したがって、除去・回収工程で接触した現像液18は、スイープローラ32のローラ面に付着することが殆ど無い。スイープローラ32のローラ面に付着した現像液18は、スイープローラ32の除去・回収工程において不要な圧力や変位を受けないこと、及びスイープローラ32のローラ面のコーティング効果により、その付着力が弱いため、スイープローラブレード34によって僅かな力で簡単に掻き落とされる。そして、下方の現像液通路部材36上或いは現像液搬送経路部37a内に流下する。
このとき、現像液18には、現像液18には僅かな圧力しかかからない。よって、現像ローラ12のローラ面から回収される現像液18は、凝集、固化、トナー粒子の劣化が殆ど無い。また、スイープローラ32による現像ローラ12のローラ面に残留した現像液18の回収に加えて、スイープローラ32のローラ面に付着した現像液18も回収できるので、現像液18の回収効率が更に高まる。
続いて、現像液搬送経路部37a内に落下した現像液18は、現像液搬送経路部37aに配置されたスクリュー37の回転によって、現像液排出口37bに向けて搬送される。そして、現像液排出口37bに搬送された現像液18は、現像液排出管38に接続された後述する現像液循環システムのポンプによって、吸引され、現像液排出管38内を移動して液体現像装置10から排出される。更に、現像液循環システムによって、トナー濃度が調整された現像液18が、現像液補給口(不図示)から液体現像装置10の内部に供給される。
上記で説明したように第2実施形態の液体現像装置10は、スイープローラ32の回転の中心M(すなわち、スイープローラ32の回転軸の中心)が、クリーニングブレード33の上面33dに対してクリーニングブレード33のカット面33aで直交する方向を基準とした際に、現像ローラ12の回転方向上流側に設けられた構成である。これにより、クリーニングブレード33により現像ローラ12のローラ面から除去された現像液18が、スイープローラ32によってクリーニングブレード33の上面33dに移動される際に、その現像液18に対して、スイープローラ32によって現像ローラ12の回転方向上流側の方向への力が働かないため、その現像液18が現像ローラ12の回転方向上流側に逆流しない。そのため、その除去された現像液18を効率よく移動・回収することが可能となる。
なお、図8に示すように、スイープローラ32の回転の中心M(すなわち、スイープローラ32の回転軸の中心)が、クリーニングブレード33の上面33dに対してクリーニングブレード33のカット面33aで直交する方向を基準した場合に、現像ローラ12の回転方向下流側に設けられていると、スイープローラ32によって現像ローラ12の回転方向上流側の方向へ力Nが働くため、その除去された現像液18が現像ローラ12の回転方向上流側に逆流してしまい、その現像液18を効率よく移動・回収することができない。
また、第2実施形態の液体現像装置10は、スイープローラ32によって回収された現像液18を現像液排出口37bに搬送するスクリュー37が設けられて構成されている。スイープローラ32によって回収された現像液18は、粘度が高いために、部材等の傾斜を利用してその自重により現像液排出口に移動させることは困難であるが、このような構成とすることより、スイープローラ32によって回収された現像液18を現像液排出口37bに容易に移動させることが可能となる。
また、少なくともスクリュー37の一部分は、スイープローラ32の回転軌跡Rの下端よりも下方にあるため、スクリュー37は、スイープローラ32によって回収された現像液18を効率よく現像液排出口37bに搬送することができる。
また、現像液排出口37bが、図5に示すように、現像液搬送経路部37aの円弧状部分に対向するスクリュー37の下端37cよりも上方に設けられているため、スクリュー37及び現像液搬送経路部37aに存在する現像液18が、後述するポンプ215によって全て液体現像装置10外に排出されることがなく、スクリュー37が現像液18に常時浸っていることになる。
これより、現像液18中のキャリア液が、スクリュー37の表面とトナー粒子の間に介在するため、トナー粒子のスクリュー37への固着を抑制することが可能となる。また、オイルから成るキャリア液が、スクリュー37と現像液搬送経路部37aとの潤滑剤として機能するため、スクリュー37の回転によるスクリュー37と現像液搬送経路部37aとの摺擦音を低減することが可能となる。なお、図9に示すように、現像液排出口37bの開口部の下端がスクリュー37の下端37cよりも下方にある場合には、スクリュー37及び現像液搬送経路部37aに存在する現像液18が、ポンプ215によって全て液体現像装置10外に排出されてしまう。そのため、現像液18中のトナー粒子がスクリュー37に固着してしまう。
また、スイープローラ32は、間欠的に現像ローラ12に最も近接した状態となるので、近接していない時には現像ローラ12のローラ面に滞留した現像液18は、現像ローラ12の回転に伴って回転方向下流に搬送される。すなわち、スイープローラ32のローラ面と現像ローラ12のローラ面との最も近接した位置よりも回転方向上流側に現像液18が滞留することはなく、現像液18が回転方向上流側に過度に押し戻されてトナー漏れ、トナー汚染を生じることがない。よって、本実施形態のプリンタ100によって形成される画像は高品質に保たれる。
また、第2実施形態の液体現像装置10をプリンタ100が搭載することにより、現像ローラ12のローラ面に残留した現像液を安定的に除去して、トナー漏れやトナー汚染を防ぎつつ、該現像液の凝集・固化等を抑えて高効率に回収して、印字コストの低減並びに高品質な画像を安定して形成する画像形成装置を提供することが可能となる。
次に、第2実施形態の液体現像装置10に接続された現像液循環システムについて図を参照して説明を行う。図10は、現像液循環システムの概略構成図である。なお、図10において、液体現像装置10の構成が一部省略して記載されている。図10に示すように、現像液循環システム200は、管路201〜212と、ポンプ215〜219と、再分散装置220と、キャリアタンク230と、濃度検出装置240と、リザーバータンク250と、現像液供給装置260と、を備えている。
再分散装置220は、回転軸223及びその回転軸の一方の端部に複数の攪拌羽222を備えた攪拌器221と、再分散装置220内の現像液18の液面を検知する液面検知センサ224と、を備えている。その回転軸は、駆動手段(不図示)によって回転駆動される。また、攪拌器221は、回転軸223の回転に伴って回転する攪拌羽222によって、液体現像装置10から再分散装置220内に回収された高トナー濃度の現像液18とキャリアタンク230から再分散装置220内に供給されたキャリア液18bとが均一に混合するように攪拌するとともに、前述の帯電装置39によるコンパクション時に発生した現像液18中のトナー粒子の凝集物を再分散させる。なお、以下、液体現像装置10から回収される現像液18を回収現像液18cと呼ぶこととする。
キャリアタンク230には、未使用のキャリア液18bが貯留されている。また、濃度検出装置240は、光学式センサ(不図示)を有し、再分散装置220から送られてきた現像液18のトナー濃度を光学式センサにより検知する装置である。
リザーバータンク250は、再分散装置220から所定のトナー濃度に調整された現像液18が予備的に貯留されるタンクである。
現像液供給装置260は、液体現像装置10の現像液補給口40に接続され、リザーバータンク250からポンプ219によって送られてきた調整済みの現像液18を液体現像装置10の内部に供給する装置である。
次に、上記構成から成る現像液循環システム200の動作について図10を参照して説明を行う。液体現像装置10の現像液排出口37bに搬送された現像液18である回収現像液18cのトナー濃度は、高濃度である(例えば、未使用の現像液18のトナー濃度が約25%のとき、現像条件等で異なるがそのトナー濃度は、約30〜40%となる)ため、現像液18cが、以下のように、所望のトナー濃度に調整され、トナー濃度が調整された未使用の現像液18として液体現像装置10に再補給される。
図10に示すように、現像液循環システム200では、液体現像装置10の現像液排出口37bに搬送された現像液18である回収現像液18cは、ポンプ215によって吸引されて管路201を通ってポンプ215に到達し、更に、ポンプ215によって送り出されて再分散装置220に送られる。そして、再分散装置220に送られた回収現像液18cは、攪拌器221で攪拌されるとともに、ポンプ217によって、管路205及び管路206を介して濃度検出装置240に送られる。濃度検出装置240に送られた回収現像液18cは、濃度検出装置240によってそのトナー濃度が測定される。そして、濃度検出装置240によって測定された回収現像液18cは、ポンプ218によって管路207及び管路208を介して再分散装置220内に送られる。
このようにして、再分散装置220内の回収現像液18cが濃度検出装置240によって繰り返し測定されつつ、回収現像液18cのトナー濃度が所望のトナー濃度になるまで、ポンプ216によってキャリアタンク230からキャリア液18bが再分散装置220に送られて回収現像液18cが希釈される。また、同時に、再分散装置220内の回収現像液18cが攪拌器221によって攪拌されることで、トナー粒子の凝集物が再分散されるとともに、回収現像液18cとキャリア液18bとが均一に混合される。
このように所望のトナー濃度に調整され、トナー粒子の凝集物のない再分散装置220内の回収現像液18cは、未使用の現像液18として、ポンプ218によって管路209及び210を介してリザーバータンク250に送られる。更に、リザーバータンク250に送られた現像液18は、ポンプ219によって管路211及び212を介して現像液供給装置260に送られる。そして、液体現像装置10の内部の液位センサ(不図示)が、液体現像装置10の内部に貯留された現像液18の所定の液位からの低下を検知すると、現像液供給装置260は、液体現像装置10の内部に現像液18を供給する。
このようなにして現像ローラ12のローラ面から除去・回収された現像液18が、現像液循環システム200によって、トナー粒子の凝集物がなく、所望のトナー濃度に調整されてリサイクルされる。
なお、上記した液体現像装置10の第1及び第2実施形態では、スイープローラ32の断面形状が楕円形状とされていたが、以下に説明する断面形状を有するスイープローラでもよく、上記と同様な効果を得ることが可能である。
図11は、液体現像装置10の第1及び第2実施形態におけるスイープローラ32とは別の断面形状を有するスイープローラを説明するための図である。図11(a)に示すように、スイープローラ32の断面形状は、それぞれ対向する円弧と直線からなる小判型の形状でもよい。また、図11(b)に示すように、スイープローラ32の断面形状は、三角形の角を円弧とした「三角おむすび状」の形状でもよい。更に、図11(c)に示すように、スイープローラ32の断面形状は、三角形の辺を滑らかな曲線(例えば、円弧)とした「三角おむすび状」の形状でもよい。
図12は、液体現像装置10の第1及び第2実施形態におけるスイープローラ32と更に別の断面形状を有するスイープローラを説明するための図である。図12(a)に示すように、スイープローラ32の断面形状は、回転軸の中心から所定距離(例えば、5mm)だけ離間した位置を中心とする円形の形状でもよい。また、図12(b)に示すように、スイープローラ32の断面形状は、回転軸の中心からから所定距離(例えば、10mm)だけ離間した位置を中心とする、それぞれ対向する円弧と直線からなる小判型の形状でもよい。更に、図12(c)に示すように、スイープローラ32の断面形状は、回転軸の中心を中心とする4角形(長方形)の角を円弧とした形状でもよい。
すなわち、スイープローラ32は、第1及び第2実施形態におけるスイープローラ32に限定されるものではなく、種々の形状とすることが可能であって、そのローラ表面が、現像ローラ12の回転軸と平行な回転軸を中心とする回転に伴って、現像ローラ12の表面との距離が変化するべく構成されていればよい。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。