JP2007248894A - モジュール、表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】振動によることなく高い解像度の高画質画像を表示可能とする表示装置等を提供する。
【解決手段】照明光を照射する照明部31と、照明部31を冷却する冷却部36や照明部31からの照明光を各色の面順次光に変換するカラーホイール32などの振動源と、複数の画素を配列して構成される透過型LCD4と、透過型LCD4からの光線を時系列的に巡回させて画素シフトを行う液晶セル5a,5bおよび複屈折板6a,6bを含む画素シフト素子と、透過型LCD4から画素シフト素子を経て投射される画像を投影する投影レンズ7と、振動源からの振動に対して透過型LCD4と画素シフト素子と投影レンズ7とを一体的となるように保持するモジュール筐体11Bと、を有するモジュールと、を備えた表示装置。
【選択図】図20
【解決手段】照明光を照射する照明部31と、照明部31を冷却する冷却部36や照明部31からの照明光を各色の面順次光に変換するカラーホイール32などの振動源と、複数の画素を配列して構成される透過型LCD4と、透過型LCD4からの光線を時系列的に巡回させて画素シフトを行う液晶セル5a,5bおよび複屈折板6a,6bを含む画素シフト素子と、透過型LCD4から画素シフト素子を経て投射される画像を投影する投影レンズ7と、振動源からの振動に対して透過型LCD4と画素シフト素子と投影レンズ7とを一体的となるように保持するモジュール筐体11Bと、を有するモジュールと、を備えた表示装置。
【選択図】図20
Description
本発明は、表示デバイスと画素シフト素子とを備えるモジュール、表示装置に関する。
画像表示装置の解像度をより高める要求が高まっている中で、画像表示装置内に配設された表示デバイスの解像度よりも高い解像度を得る技術として、いわゆるウォブリング技術が研究されている。
このウォブリング技術は、表示デバイスの各画素の表示面上における像位置を、時系列的に巡回的に順次異ならせることにより、人間が感知する視覚上の解像度を高める技術(画素ずらしによる高解像度化を図る技術)である。
このウォブリング技術を用いた画像表示装置としては、例えば、特開2002−268014号公報に記載のものが挙げられる。該公報に記載の技術は、表示デバイスとして反射型表示デバイスを用い、この反射型表示デバイスにより表示される画像を画素ずらしユニットによってウォブリングすることにより、高精細表示を可能とするものとなっている。さらに、該公報には、画素ずらしユニットと、偏光板と、表示デバイスと、を接着剤によって一体化させることにより、ゴーストの低減を図る技術が記載されている。
また、特開平7−28042号公報には、ポリイミド膜または酸化シリコン斜方蒸着膜により配向膜を形成するとともに、強誘電性液晶・反強誘電性電界効果を示すスメクチック液晶を用いたウォブリング素子(ウォブリングに使用する液晶素子)が記載されている。このウォブリング素子は、加速度10G以上を与えた後のコントラストが50%以上を確保することができるような、耐振動性、耐衝撃性を備えたものとなっている。
なお、特開2003−279924号公報には、画像表示装置に用いられる偏光手段の一例が記載されている。
特開2002−268014号公報
特開平7−28042号公報
特開2003−279924号公報
上述した特開2002−268014号公報に記載のものは、ゴーストの低減を図ることを目的としたものであり、振動発生時における画素ずらしユニットと表示デバイスとの関係については説明されていない。しかしながら、振動が発生したときに、画素ずらしユニットと表示デバイスとの相対的な位置が変化すると、正常なウォブリングがなされず、高い解像度を得ることができなくなるばかりでなく、表示される画像の画質が劣化してしまう可能性がある。
また、上記特開平7−28042号公報に記載のウォブリング素子は、該ウォブリング素子単体での耐振動性や耐衝撃性は備えているが、表示デバイスとの相対的な位置関係については記載されておらず、上述と同様に、振動発生時には正常なウォブリングがなされず、高い解像度を得ることができなくなるなるばかりでなく、表示される画像の画質が劣化してしまう可能性がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、振動によることなく高い解像度の高画質画像を表示可能とするモジュール、表示装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、第1の発明によるモジュールは、複数の画素を配列して構成される表示デバイスと、振動に対して上記表示デバイスと一体的となるように構成され該表示デバイスからの光線を時系列的に巡回させて画素シフトを行うための画素シフト素子と、を具備したものである。
また、第2の発明によるモジュールは、上記第1の発明によるモジュールにおいて、振動に対して上記表示デバイスおよび上記画素シフト素子と一体的となるように構成され、該表示デバイスから該画素シフト素子を経て投射される画像を投影するための投影レンズをさらに具備したものである。
さらに、第3の発明によるモジュールは、上記第1の発明によるモジュールにおいて、上記表示デバイスと上記画素シフト素子とが、接着剤を介して接着されることにより、振動に対して一体的となるように構成されたものである。
第4の発明によるモジュールは、上記第2の発明によるモジュールにおいて、上記表示デバイスと上記画素シフト素子と上記投影レンズとが、接着剤を介して接着されることにより、振動に対して一体的となるように構成されたものである。
第5の発明によるモジュールは、上記第1の発明によるモジュールにおいて、振動に対して上記表示デバイスと上記画素シフト素子とを一体的となるように保持するためのモジュール筐体をさらに具備したものである。
第6の発明によるモジュールは、上記第2の発明によるモジュールにおいて、振動に対して上記表示デバイスと上記画素シフト素子と上記投影レンズとを一体的となるように保持するためのモジュール筐体をさらに具備したものである。
第7の発明による表示装置は、複数の画素を配列して構成される表示デバイスと、振動に対して上記表示デバイスと一体的となるように構成され該表示デバイスからの光線を時系列的に巡回させて画素シフトを行うための画素シフト素子と、を有するモジュールと、上記表示デバイスから上記画素シフト素子を経て投射される画像を投影するための投影レンズと、を具備したものである。
第8の発明による表示装置は、上記第7の発明による表示装置において、上記投影レンズが、振動に対して上記表示デバイスおよび上記画素シフト素子と一体的となるように構成され、上記モジュールに含まれるものである。
第9の発明による表示装置は、上記第7の発明による表示装置において、上記モジュールが、上記表示デバイスと上記画素シフト素子とを接着剤を介して接着することにより振動に対して一体的となるように構成されたものである。
第10の発明による表示装置は、上記第8の発明による表示装置において、上記モジュールが、上記表示デバイスと上記画素シフト素子と上記投影レンズとを接着剤を介して接着することにより振動に対して一体的となるように構成されたものである。
第11の発明による表示装置は、上記第7の発明による表示装置において、上記モジュールが、振動に対して上記表示デバイスと上記画素シフト素子とを一体的となるように保持するためのモジュール筐体をさらに有して構成されたものである。
第12の発明による表示装置は、上記第8の発明による表示装置において、上記モジュールが、振動に対して上記表示デバイスと上記画素シフト素子と上記投影レンズとを一体的となるように保持するためのモジュール筐体をさらに有して構成されたものである。
第13の発明による表示装置は、上記第11または第12の発明による表示装置において、振動源をさらに具備し、上記モジュール筐体は、上記振動源から受けた振動に起因して、上記画素シフト素子により1回の画素シフトを行う期間である画素シフト期間内に上記表示デバイスに発生する変位の経路長が、該表示デバイスの画素ピッチ以下となるように構成されたものである。
第14の発明による表示装置は、上記第13の発明による表示装置において、上記モジュール筐体が、上記振動源から受けた振動に起因して上記モジュールに発生する振動の周波数が、上記画素シフト素子により時系列的に光線を巡回させて画素シフトを行う周波数である画素シフト周波数よりも小さくなるように、さらに構成されたものである。
第15の発明による表示装置は、上記第13の発明による表示装置において、上記振動源と上記モジュールとを独立した位置で保持する装置筐体をさらに具備したものである。
第16の発明による表示装置は、上記第15の発明による表示装置において、上記振動源と上記モジュールとの少なくとも一方が、防振部材を介して上記装置筐体に保持されたものである。
第17の発明による表示装置は、上記第15の発明による表示装置において、上記表示デバイスへ照明光を照射するための照明部と、上記照明部を冷却するための冷却部と、をさらに具備し、上記振動源は上記冷却部を含むものである。
第18の発明による表示装置は、上記第15の発明による表示装置において、上記表示デバイスへ照明光を照射するための照明部と、上記照明部からの照明光の内の特定色の光のみを時系列的に透過させるためのカラーホイールと、をさらに具備し、上記振動源は上記カラーホイールを含むものである。
第19の発明による表示装置は、上記第7の発明による表示装置において、上記モジュールの振動を検知するための振動検知手段と、上記振動検知手段により検知された振動による上記画素シフト素子により1回の画素シフトを行う期間である画素シフト期間内における上記モジュールの変位の経路長が所定値以上であるときには該画素シフト素子による画素シフトを停止させるように制御する制御手段と、をさらに具備したものである。
本発明のモジュール、表示装置によれば、振動によることなく、高い解像度の高画質画像を表示可能とすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施形態1]
図1から図24は本発明の実施形態1を示したものであり、図1は接着剤を用いたモジュールの基本構成例を示す図、図2は接着剤を用いたモジュールの第1の構成例を示す図、図3は接着剤を用いたモジュールの第1の構成例の変形例を示す図、図4は接着剤を用いたモジュールの第2の構成例を示す図、図5は接着剤を用いたモジュールの第2の構成例の変形例を示す図である。
図1から図24は本発明の実施形態1を示したものであり、図1は接着剤を用いたモジュールの基本構成例を示す図、図2は接着剤を用いたモジュールの第1の構成例を示す図、図3は接着剤を用いたモジュールの第1の構成例の変形例を示す図、図4は接着剤を用いたモジュールの第2の構成例を示す図、図5は接着剤を用いたモジュールの第2の構成例の変形例を示す図である。
図1に示す基本構成例のモジュールは、表示デバイス1と、この表示デバイス1からの光線を時系列的に巡回させてシフトするための画素シフト素子2とを、接着剤3を介して接着することにより、振動に対して一体的となるように構成したものとなっている。これにより、このモジュールの外側から振動が該モジュールに加わった際にも、表示デバイス1の変位ベクトルと画素シフト素子2の変位ベクトルとがほぼ同じとなり、略同一の振動周波数で変位する。こうして、表示デバイス1と画素シフト素子2との相対的な位置はほぼ一定に保たれるために、画素シフトによる高精細な画像表示を、画質の劣化を伴うことなく行うことができる。
次に、図2に示す第1の構成例のモジュールは、表示デバイス1として透過型LCD4を使用するとともに、画素シフト素子2として液晶セル5と複屈折板6とを組み合わせたものを使用し、これらを接着剤3によって互いに接着することにより、振動に対して一体的となるように構成したものとなっている。
さらに、図3に示す第1の構成例の変形例のモジュールは、図2に示した構成に、投影レンズ7を加えたものとなっている。すなわち、このモジュールは、透過型LCD4と、液晶セル5と、複屈折板6と、投影レンズ7と、をこの順序で互いに接着剤3を介して接着することにより、振動に対して一体的となるように構成したものとなっている。このような構成により、外部からの振動に対する表示デバイス1(透過型LCD4)の変位ベクトルと画素シフト素子2(液晶セル5および複屈折板6)の変位ベクトルと投影レンズ7の変位ベクトルとがほぼ同じとなり、略同一の振動周波数で変位することになる。従って、より確実に、画素シフトによる高精細な画像表示を画質の劣化を伴うことなく行うことができる。
続いて、図4に示す第2の構成例のモジュールは、表示デバイス1として反射型LCOS(Liquid Crystal On Silicon)(反射型表示デバイスの一つ)8を使用するとともに、画素シフト素子2として液晶セル5と複屈折板6とを使用し、これらを接着剤3を介して接着することにより、振動に対して一体的となるように構成したものとなっている。より詳しくは、偏光ビームスプリッタ(PBS)9の一面側に反射型LCOS8を接着剤3により接着し、偏光ビームスプリッタ(PBS)9の他面側に液晶セル5を接着剤3により接着し、さらにこの液晶セル5に対して複屈折板6を接着剤3により接着することによって、表示デバイス1と画素シフト素子2とを一体型として構成している。
このような構成によっても、外部からの振動に対する表示デバイス1の変位ベクトルと画素シフト素子2の変位ベクトルとがほぼ同じとなり、略同一の振動周波数で変位することになって、画素シフトによる高精細な画像表示を、画質の劣化を伴うことなく行うことができる。
そして、図5に示す第2の構成例の変形例のモジュールは、図4に示した構成に、投影レンズ7を加えたものとなっている。すなわち、このモジュールは、図4に示した構成における複屈折板6に対して、さらに、投影レンズ7を接着剤3を介して接着することにより、表示デバイス1、画素シフト素子2、投影レンズ7が振動に対して一体的となるように構成したものである。こうして、投影レンズ7の一体化を図ることにより、より高い精度で、画素シフトによる高精細な画像表示を画質の劣化を伴うことなく行うことができる。
なお、ここでは、表示デバイス1の例として、透過型LCDと反射型LCOSとを例に挙げたが、これらに限るものではなく、その他の種々の表示デバイスを適用することができる。例えば、DMD(Digital Micromirror Device)などの表示デバイスであっても、上述したような構成を容易に適用することができる。
また、液晶セル5としては、TN液晶、強誘電性液晶などの液晶を用いることができる。一方、複屈折板6としては、水晶、ニオブ酸リチウム、ルチル、方解石、チリ硝石、などの異方性結晶を用いることができる。あるいは、上述した特開2003−279924号公報に記載されたような偏向手段を用いて構成するようにしても構わない。
次に、図6はモジュール筐体を用いたモジュールの基本構成例を示す図、図7はモジュール筐体を用いたモジュールの第1の構成例を示す図、図8はモジュール筐体を用いたモジュールの第2の構成例を示す図である。
基本構成例は、図6に示すように、表示デバイス1と画素シフト素子2とを、振動に対して一体的となるようにモジュール筐体11に保持して、モジュール化するようにしたものである。
このような構成によっても、外部からの振動に対する表示デバイス1の変位ベクトルと画素シフト素子2の変位ベクトルとがほぼ同じとなり、略同一の振動周波数で変位する。こうして、表示デバイス1と画素シフト素子2との相対的な位置はほぼ一定に保たれるために、画素シフトによる高精細な画像表示を、画質の劣化を伴うことなく行うことができる。
図7は、モジュール筐体を用いたモジュールの第1の構成例を示している。
図7に示すモジュール筐体11Aは、例えば略直方体の箱状をなし、内部に表示デバイス1と画素シフト素子2とを振動に対して一体的となるように保持している。また、モジュール筐体11Aの表示デバイス1へ向かう光路上には矩形状の開口11Aaが、モジュール筐体11Aの画素シフト素子2から出射される光の光路上には矩形状の開口11Abが、それぞれ形成されている。
次に、図8は、モジュール筐体を用いたモジュールの第2の構成例を示している。
図8に示すモジュールは、図7に示したモジュールに、さらに投影レンズ7も一体的に組み込むようにしたものとなっている。
すなわち、モジュール筐体11Bは、表示デバイス1と、画素シフト素子2と、投影レンズ7と、を振動に対して一体的となるように保持している。
なお、投影レンズ7は、フォーカスなどの調整を予め行った上で、モジュール筐体11Bに組み付けられるようになっている。また、図7に示した開口11Aaは、この図8においては開口11Baとなっている。
続いて、図9は、図7に示したようなモジュール筐体のより具体的な第1の構成例を示す図である。
この第1の構成例のモジュール筐体11A1は、矩形状の底板12の4つの角部から、2組合計4本の柱部13a,13bおよび柱部14a,14bを立設している。一方の組の柱部13a,13bは、上端からスリット状の切欠部17a,17bを有する腕部15a,15bを互いに対向するように突設している。同様に、他方の組の柱部14a,14bは、上端からスリット状の切欠部18a,18bを有する腕部16a,16bを互いに対向するように突設している。
そして、例えば矩形の板状をなす表示デバイス1が、スリット状の切欠部17a,17bを介してモジュール筐体11A1に装着され保持されるようになっている。また、この図9に示す例では、画素シフト素子2は、液晶セル5と複屈折板6とを接着剤3を介して接着して、例えば矩形の板状をなすように構成されている。この画素シフト素子2が、スリット状の切欠部18a,18bを介してモジュール筐体11A1に装着され保持されるようになっている。
また、腕部15aと腕部15bとの間隙は、指や治具等で表示デバイス1をモジュール筐体11A1に装着する際に、該指や治具の移動を妨げることのないように設けられたものである。同様に、腕部16aと腕部16bとの間隙は、指や治具等で画素シフト素子2をモジュール筐体11A1に装着する際に、該指や治具の移動を妨げることのないように設けられたものである。
ところで、モジュール筐体は、外的(ここに、「外的」とは、モジュール筐体に対する外側からの、という意味であり、表示装置の内部であっても構わない。)な振動を受けたときに、画素シフト素子2により1回の画素シフトを行う期間である画素シフト期間内に表示デバイス1に発生する変位の経路長が、表示デバイス1の画素ピッチ以下となることが望ましい。これは例えば、以下の(1)に示すような特性を備えることにより達成される。また、これに加えて、以下の(2)に示すような特性を備えることがより望ましい。
(1) 外的な振動を受けたときにモジュール筐体に発生する変位の経路長が、画素ピッチ以下となるように定められた所定値以下になること。
(2) 外的な振動を受けたときのモジュール筐体の振動周波数が、画素シフト周波数よりも小さくなること。
(1) 外的な振動を受けたときにモジュール筐体に発生する変位の経路長が、画素ピッチ以下となるように定められた所定値以下になること。
(2) 外的な振動を受けたときのモジュール筐体の振動周波数が、画素シフト周波数よりも小さくなること。
このような要件を満たすように、図9に示すモジュール筐体11A1を改良して得られたものが図10に示すモジュール筐体11A2である。すなわち、図10は、図7に示したようなモジュール筐体のより具体的な第2の構成例を示す図である。
この第2の構成例のモジュール筐体11A2は、矩形状の底板12の4つの角部から、2組合計4本の柱部13a,13bおよび柱部14a,14bを立設している。そして、これら4本の柱部13a,13b,14a,14bの上端側を連結するように、天板21が一体に設けられている。また、天板21における柱部13a,13bの間の部分にはスリット22aおよび切欠23aが設けられている。同様に、天板21における柱部14a,14bの間の部分には、スリット22bおよび切欠23bが設けられている。
そして、スリット22aには表示デバイス1が、スリット22bには画素シフト素子2(この図10に示す例においても、画素シフト素子2は、液晶セル5と複屈折板6とを接着剤3を介して接着して構成されている。)が、それぞれ装着され保持されるようになっている。
また、切欠23aは、指や治具等で表示デバイス1をスリット22aに装着する際に、該指や治具の移動を妨げることのないように設けられたものである。同様に、切欠23bは、指や治具等で画素シフト素子2をスリット22bに装着する際に、該指や治具の移動を妨げることのないように設けられたものである。
なお、モジュール筐体を実際に設計する際には、コンピュータ等を用いてシュミレーションを行い、上述した特性(1)および特性(2)を備えるように設計することになる。このときには、図10に示したように、図9に示した構成に比して構造上の剛性を高める設計変更を行ったり、モジュール筐体を構成する素材の組成を変更したり、各種の手法を組み合わせることになる。
次に、図11は、図7に示したようなタイプのモジュールを用いた表示装置の構成例を示す図である。
この表示装置は、照明部31と、カラーホイール32と、P/Sコンバータ33と、モジュールと、投影レンズ7と、スクリーン35と、を光路上に順に配置して構成されていて、透過型単板面順次の表示装置となっている。ここに、モジュールは、透過型LCD4と、第1液晶セル5aと、第1複屈折板6aと、第2液晶セル5bと、第2複屈折板6bと、をモジュール筐体11A内に保持して構成されている。また、透過型LCD4および第1液晶セル5a,第2液晶セル5bは、映像信号を受ける画像処理部34により同期して制御されるようになっている。さらに、照明部31は、冷却部36により冷却されるようになっている。
これらの内の照明部31およびカラーホイール32は、面順次射出光源手段を構成している。照明部31は、UHPランプやキセノンランプなどの白色光源と、この白色光源からの光を集光するための反射傘と、図示は省略しているが、フライアイレンズなどを使用したインテグレータ照明光学系および効率良くカラーホイール32へ光を射出するためのレンズなどの光学系と、を有して構成されている。
また、カラーホイール32は、白色光をRGBの面順次3原色光に変換するためのものであり、円板上にRGBカラーフィルタを回転方向に沿って1組または複数組配設したものである。このカラーホイール32は、例えばモータ等の駆動源により所定の周期で回動されるようになっている。
次に、P/Sコンバータ33は、カラーホイール32から射出される光の偏光方向を揃えて透過型LCD4へ向けて出射する偏光変換手段である。
透過型LCD4は、画像処理部34から出力される面順次データを書き込むことにより面順次の表示を行う表示手段である。なお、ここでは、透過型LCD4として、一括書き込み型のものを用いているものとする。また、この透過型LCD4は、その表面に、図示はしないが、偏光板が貼設されて構成されている。
画素シフト素子2は、この図11に示す構成例においては、第1液晶セル5aおよび第1複屈折板6aでなる第1の組と、第2液晶セル5bおよび第2複屈折板6bでなる第2の組と、の2組を有して構成されており、いわゆる4点画素ずらしを行うことができるものとなっている(なお、2点画素ずらしを行う構成例のときには、これらの内の1組があれば足りる。)。そして、透過型LCD4からの光は、この画素シフト素子2により、サブフィールド毎に4点の画素ずらしが行われて、投影レンズ7へ向けて射出される。
投影レンズ7は、画素シフト素子2から出射される光を、スクリーン35へ投影するための投影光学系である。
スクリーン35は、投影レンズ7から投影された画像を、観察可能に表示するものである。
画像処理部34は、映像信号を受けて、透過型LCD4と第1液晶セル5aおよび第2液晶セル5bとを制御するものであり、その詳細については後で図13を参照して説明する。この画像処理部34は、さらに、画素シフト素子2による画素シフトを実行するか停止するかを制御するための制御手段を兼ねたものとなっている。
冷却部36は、熱源となる照明部31を冷却するためのものであり、例えば空冷方式を採用している場合には、冷却用のファン等を備えて構成されている。
また、図12は、図8に示したようなタイプのモジュールを用いた表示装置の構成例を示す図である。
この図12に示す表示装置の基本的な構成要素は、図11に示したものと同様であるが、モジュールが、透過型LCD4と、第1液晶セル5aと、第1複屈折板6aと、第2液晶セル5bと、第2複屈折板6bと、投影レンズ7と、をモジュール筐体11Bに保持して構成されている点が異なっている。
次に、図13は、画像処理部の構成を示すブロック図である。
この画像処理部34は、入力インタフェース(入力I/F)41と、記憶部42と、サブフィールド分割部45と、面順次変換部46と、液晶セル制御部47と、を有して構成されている。また、記憶部42は、メモリ43と、メモリコントローラ44と、を有して構成されている。
入力インタフェース41は、映像信号を受信して、クロックや同期信号およびデータなどを抽出するものである。
記憶部42のメモリ43は、入力インタフェース41から出力される各信号を記憶するものである。
記憶部42のメモリコントローラ44は、メモリ43への書込みおよび読み出しを制御するものである。
サブフィールド分割部45は、メモリ43から読み出された入力フレームデータを、サブフィールドに分割するものである。なお、ここではサブフィールド分割部45によりサブフィールドに分割するようにしているが、サブフィールド分割部45を設けることなく、メモリコントローラ44によりメモリ43の読み出し(リード)をコントロールして、サブフィールドを生成するようにしても構わない。
面順次変換部46は、サブフィールドをさらに各色のデータに分割するものである。この面順次変換部46により分割された各色のデータは、図示しない透過型LCDコントローラ(この透過型LCDコントローラでは、駆動に必要なパルスおよび書き込みタイミングに合わせて画像データ転送などを行っている。)を経由して、表示デバイス1である透過型LCD4へ送信される。
なお、この画像処理部34内には、図示は省略しているが、カラーホイール32を駆動し同期させる処理部が設けられている。そして、この処理部は、面順次変換部46によって、各色とカラーホイール32との同期をとるように駆動されている。
液晶セル制御部47は、第1液晶セル5aと第2液晶セル5bとを駆動するパルスを生成するのに必要な信号を面順次変換部46から取得して、駆動パルスを生成し出力するものである。なお、液晶セル制御部47は、ここでは面順次変換部46から必要な信号を取得しているが、これに限るものではない。
次に、図14は、サブフィールド分割部45によりフレームをサブフィールドに分割する例を示す図である。
画像処理部34に入力される映像信号は、図14(A)に示すような、1フレームが3840×2160画素(総画素数は、約800万画素となる。)で構成される映像信号であるものとする。また、透過型LCD4は、有効表示領域が1920×1080画素(総画素数は、約200万画素となる。)(図14(C)〜図14(F)参照)であり、フィールドシーケンシャルレートが720Hz(図15参照)であるものとする。このようなケースの動作について、以下に説明する。
なお、ここでは、画像処理部34に入力される映像信号が、3840×2160画素の映像信号である場合を例に挙げたが、これ以外の画素構成の映像信号であっても、以下の説明をほぼ同様に適用することが可能であり、以下の説明は映像信号の画素構成に限定されるものではない。
入力インタフェース41に上述したような3840×2160画素の映像信号が入力されると、この映像信号はメモリ43に書き込まれる(図14(A)参照)。
メモリ43の映像信号は、サブフィールド分割部45により読み出されて、図14(C)に示すようなサブフィールドAと、図14(D)に示すようなサブフィールドBと、図14(E)に示すようなサブフィールドCと、図14(F)に示すようなサブフィールドDと、の4つに分割される。
ここに、図14(B)に示すように、サブフィールドAは1フレームの映像信号における例えば奇数ラインの奇数番目の画素群により構成され、サブフィールドBは1フレームの映像信号における例えば奇数ラインの偶数番目の画素群により構成され、サブフィールドCは1フレームの映像信号における例えば偶数ラインの奇数番目の画素群により構成され、サブフィールドDは1フレームの映像信号における例えば偶数ラインの偶数番目の画素群により構成される。
このようにしてサブフィールド分割部45により生成されたサブフィールドは、面順次変換部46へ送信されて、この面順次変換部46により各色毎のデータに分割され、透過型LCDへ送信される。
次に、図15〜図19を参照して、4点画素ずらしにおける画素シフトの処理について説明する。図15は4点画素ずらしにおける画素シフトを示すタイミングチャート、図16はサブフィールドAを表示するときの画素シフト素子2の様子を示す図、図17はサブフィールドBを表示するときの画素シフト素子2の様子を示す図、図18はサブフィールドCを表示するときの画素シフト素子2の様子を示す図、図19はサブフィールドDを表示するときの画素シフト素子2の様子を示す図である。
図15に示すように、入力映像信号における1フレームの周波数は60Hz、この1フレームを4つに分割したサブフィールドの周波数は240Hz、このサブフィールドを3つに分割したRGB各色毎の周波数は720Hzである。そして、サブフィールドA、サブフィールドB、サブフィールドC、サブフィールドDの順に表示を行う場合には、第1液晶セル5aと第2液晶セル5bとを、次に示すように順次駆動するようになっている。
まず、サブフィールドAの表示を行うときには、第1液晶セル5aをオフ、第2液晶セル5bをオフとする。ここに、オンは液晶セルに電圧を印加することを意味し、オフは液晶セルに電圧を印加しないことを意味している。これらの液晶セル5a,5bは、オフのときに偏光方向を90°旋回させ、オンのときには偏光方向を変化させないように構成されている。従って、このときには、図16(A)に示すように、透過型LCD4からの偏光光は、第1液晶セル5aにより90°旋回され、第1複屈折板6aをそのまま通過する。その後、この偏光光は、第2液晶セル5bによりさらに90°旋回され、第2複屈折板6bもそのまま通過する。従って、図16(B)に示すような画素ずらし前の各画素は、図16(C)に示すように画素ずらしされることなくそのまま射出される。なお、透過型LCD4上に配列されている画素の、水平方向のピッチをPx、垂直方向のピッチをPyとする。
また、図16〜図19に示す構成において、第1液晶セル5aと第1複屈折板6aとでなる第1の組は、水平方向の画素シフトを行う水平画素シフト素子2hを構成し、第2液晶セル5bと第2複屈折板6bとでなる第2の組は、垂直方向の画素シフトを行う垂直画素シフト素子2vを構成している。
次に、サブフィールドBの表示を行うときには、第1液晶セル5aをオン、第2液晶セル5bをオンとする。このときには、図17(A)に示すように、透過型LCD4からの偏光光は、第1液晶セル5aにより偏光方向を変化させられることなく通過し、第1複屈折板6aにより水平方向へシフトされる。その後、この偏光光は、第2液晶セル5bにより偏光方向を変化させられることなく通過し、第2複屈折板6bをそのまま通過する。従って、図17(B)に示すような画素ずらし前の各画素は、図17(C)に示すように水平方向にPx/2だけ画素ずらしされてから射出される。なお、水平方向への画素ずらし量は、複屈折板6aの光軸方向の厚さにより調整することができるようになっている。
続いて、サブフィールドCの表示を行うときには、第1液晶セル5aをオフ、第2液晶セル5bをオンとする。このときには、図18(A)に示すように、透過型LCD4からの偏光光は、第1液晶セル5aにより90°旋回され、第1複屈折板6aをそのまま通過する。その後、この偏光光は、第2液晶セル5bにより偏光方向を変化させられることなく通過し、第2複屈折板6bにより垂直方向へシフトされる。従って、図18(B)に示すような画素ずらし前の各画素は、図18(C)に示すように垂直方向にPy/2だけ画素ずらしされてから射出される。なお、垂直方向への画素ずらし量は、複屈折板6bの光軸方向の厚さにより調整することができるようになっている。
そして、サブフィールドDの表示を行うときには、第1液晶セル5aをオン、第2液晶セル5bをオフとする。このときには、図19(A)に示すように、透過型LCD4からの偏光光は、第1液晶セル5aにより偏光方向を変化させられることなく通過し、第1複屈折板6aにより水平方向へシフトされる。その後、この偏光光は、第2液晶セル5bにより90°旋回され、第2複屈折板6bにより垂直方向へシフトされる。従って、図19(B)に示すような画素ずらし前の各画素は、図19(C)に示すように水平方向にPx/2および垂直方向にPy/2だけ画素ずらしされてから射出される。
なお、ここでは画素シフトピッチを画素ピッチの1/2としているが、必ずしもこれに限定されるものではない。
また、ここでは、液晶セルと複屈折板とを用いて画素シフトを行う例について説明したが、上述したように、例えば特開2003−279924号公報に記載された偏光手段などを用いても構わない。
次に、図20は、装置筐体を備えた表示装置の構成例を示す図である。この図20を参照して、装置筐体に対するモジュール筐体や振動源の取り付け状態について説明する。
この表示装置は、図12に示したような構成要素を備えると共に、さらに、スクリーン35以外の各構成要素を保持するための装置筐体37を備えている。
そして、モジュール筐体11Bは、ワッシャやゴムパッキン等でなる防振部材38を介して、装置筐体37に取り付けられている。
また、カラーホイール32は、モジュール筐体11Bとは別体であって、上述したようにモータ等により回動される構成であるために、振動源となり得る。そこで、このカラーホイール32は、モジュール筐体11Bが装置筐体37に取り付けられた位置とは独立した位置において、装置筐体37に対してワッシャやゴムパッキン等でなる防振部材38を介して取り付けられている。
同様に、冷却部36は、モジュール筐体11Bとは別体であって、上述したように例えば冷却用ファンを回動するためのモータ等を備えた構成であるために、振動源となり得る。そこで、この冷却部36も、モジュール筐体11Bが装置筐体37に取り付けられた位置、およびカラーホイール32が装置筐体37に取り付けられた位置とは独立した位置において、装置筐体37に対してワッシャやゴムパッキン等でなる防振部材38を介して取り付けられている。
ここで、図21は、防振部材38により達成し得る防振効果を説明するための線図である。
防振設計理論の詳細な説明は省略するが、防振するための設計手順は、おおよそ以下のようになっている。
振動伝達率Tは、防振部材38を使用しないときにモジュール筐体11Bに伝達される力F0 と、防振部材38を使用したときにモジュール筐体11Bに伝達される力Ft と、の比により表される。この振動伝達率Tは、機械運動方程式を解くことにより導かれ、導かれた振動伝達率Tは、減衰項を含んでいる。
ここに、fは防振すべき振動数(周波数)、fn は防振部材38により支持されているモジュール筐体11Bの固有振動数(固有周波数)である。
この数式1をグラフ化した図21に示すように、f/fn が√2(2の平方根を「√2」として表す。)よりも大きくなった場合に、防振効果を得ることができる(つまり、振動伝達率Tが1未満となる)防振効果領域となる。
なお、防振部材38により支持されるモジュール筐体11Bには、剛体が有する6つの自由度に対する6つの固有振動数が存在するが、これらの内のZ軸方向(図20における、防振部材38を介して装置筐体37とモジュール筐体11Bとを結ぶ方向)の固有振動数のみを考慮して設計しても、防振効果を得る上で十分に効果的である場合が多いことが知られている。ここで、Z軸方向の固有振動数をfnzとすると、この固有振動数fnzは、以下の数式2に示すように与えられる。
ここに、mは防振部材により支持するモジュールの質量(kgを単位とする)、Kdは防振部材38のZ軸方向のばね定数である。
ここに、fw は、画素シフト周波数である。
この数式3から、具体的な設計においては、例えばモジュールの質量mを大きくする、あるいは、防振部材38のZ軸方向のばね定数Kdを小さくする、もしくはこれら両方を同時に行うなどの設計を行えば良いことが分かる。
図15にも示したように、本実施形態においては、画素シフト期間1/240秒に対応するサブフィールド周波数が240Hz、4回の画素シフトを行うことにより透過型LCD4からの光線を時系列的に巡回させる画素シフト周波数(図15に示す例ではフレーム周波数と同じ)が60Hzである。従って、モジュール筐体11Bは、カラーホイール32や冷却部36などの外的な振動源からの振動を受けたときの振動周波数が60Hzよりも小さくなるように(つまり、60Hz以上の振動をカットするように)(上述した特性(2)を満たすように)、重量や剛性、素材等を考慮して設計された筐体となっている。このように、モジュール筐体11Bの振動周波数を画素シフト周波数(60Hz)よりも小さくすることにより、画素シフト期間(1/240秒)における表示デバイス1の移動量を、振動の振幅よりも小さくすることが可能となる。
次に、図22は、反射型LCOSを使用するモジュールを用いた反射型単板面順次の表示装置の構成例を示す図、図23は画素シフト前後の画素位置の様子を示す図である。
モジュール筐体11Bは、偏光ビームスプリッタ(PBS)9と、反射型LCOS8と、第1液晶セル5aと、第1複屈折板6aと、第2液晶セル5bと、第2複屈折板6bと、投影レンズ7と、を振動に対して一体的となるように保持している。これらの各光学要素の配置は、図5に示したものとほぼ同様である。
偏光ビームスプリッタ(PBS)9には、照明部31からの照明光が、カラーホイール32およびP/Sコンバータ33を介して、一偏光方向の光として入射されるようになっている。また、偏光ビームスプリッタ(PBS)9は、反射型LCOS8からの他偏光方向の光を第1液晶セル5a側へ向けて反射する。その後に光が画素ずらしされてスクリーン35に到達されるのは、図12や図20などに示した構成と同様である。
そして、この図22に示した構成においては、画像処理部34は、反射型LCOS8と、第1液晶セル5aと、第2液晶セル5bとを、上述した透過型LCD4の場合と同様の所定のタイミングで制御するようになっている。
反射型LCOS8は、例えば、1920×1080画素で構成される表示デバイス1であって、上下方向および左右方向の画素ピッチが図23(A)に示すように10μmとなっているものとする。
このような反射型LCOS8からの光を、上述したような画素シフト素子2により1/2の画素ピッチで画素シフトしたとすると、画素シフトピッチは図23(B)に示すように5μmとなる。なお、図23(B)における斜線部分の画素は、画素シフトにより生成された画素である。また、図23(B)に示す画素シフト後の図においては、説明の都合上、図23(A)に示したようなブラックマトリクスの図示を省略している。
このような表示デバイス1の構成では、反射型LCOS8上において、振動に起因して画素シフト期間内に例えば画素ピッチ分(10μm)の画素ずれが発生すると、画素シフトにより表示しようとしている画像の高精細さが劣化してしまうことが分かる。
このために、この図22に示すような構成例においても、表示デバイス1(反射型LCOS8)と画素シフト素子2(液晶セル5a,5bおよび複屈折板6a,6b)と投影レンズ7とをモジュール筐体11Bによりモジュール化する際に、振動源からの振動を受けたときの画素シフト期間内の振幅が10μm(画素ピッチ)よりも小さくなるように、モジュール筐体を設計している。これにより、画素シフトによる高精細な画像表示を、画質の劣化を実質的に伴わずに行うことが可能となる。
次に、図24は、反射型LCOSを使用するモジュールを用いた反射型単板面順次の表示装置の他の構成例を示す図である。
この図24に示す表示装置は、図22に示した表示装置に、さらに、モジュール筐体11Bを含むモジュールの振動を検出するための振動検知手段たる振動センサ39を追加したものとなっている。この振動センサ39による検出結果は、画像処理部34へ出力されるようになっている。
そして、振動センサ39によって、画素シフト期間内における変位の経路長が所定値(設計時に設定された所定値)以上であるような振動を受けたことが検出されたものとする。ここに、所定値は、この所定値以上の振動を受けると、画素シフトを行った場合に映像がかえって劣化してしまうような閾値として設定された値である。
この場合には、画像処理部34は、画素シフト素子2(液晶セル5a,5b)の駆動を停止させるように制御するようになっている。これにより、画素シフトを行うとかえって映像が劣化してしまうような場合に、画素シフトを行わないようにして、映像の劣化を低減させることが可能となる。表示装置は、例えば自動車内や飛行機内で使用されるなど、様々な環境で使用されることが考えられ、想定外の外的振動が加わる可能性がある。これに対して、このように構成することで、様々な環境で表示装置を安定して使用することが可能となる利点がある。
なお、上述では、単板の表示装置を例に挙げて説明したが、もちろんこれに限るものではなく、2板の表示装置や3板の表示装置にも適用することが可能である。
また、上述では、投影レンズ7を用いてスクリーン35に映像を投影するタイプの表示装置について説明したが、表示装置としてはこのようなタイプのものに限るものではない。表示装置としては、例えば、プロジェクタ、FMD(フェイスマウントディスプレイ)、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)、電子ビューアなどの、各種の表示装置に広く適用することができる。
さらに、上述では、表示デバイス1と画素シフト素子2、あるいはさらに投影レンズ7を、接着剤または筐体を用いることにより、振動に対して一体的となるように構成しているが、これらを組み合わせることにより(例えば、表示デバイス1と画素シフト素子2とは接着するが、この接着されたものと投影レンズ7とは筐体を用いて一体化するなど)、あるいは、これら以外の手段を用いることにより、振動に対して一体的となるように構成しても構わない。
このような実施形態1によれば、表示デバイス1と画素シフト素子2とを、振動に対して一体的となるように構成したために、表示デバイス1により表示された映像を、位置ずれを生じさせることなく、画素シフト素子2によりシフトすることが可能となる。
これら表示デバイス1と画素シフト素子2とに加えて、投影レンズ7もさらに振動に対して一体的となるようにした場合には、画素シフトされた映像を、より正確に投影することが可能となる。
そして、接着剤を用いて振動に対して一体的となるように構成した場合には、製造を容易かつ低コストに行うことができると共に、モジュールのサイズを小さくすることができる。
一方、モジュール筐体を用いて振動に対して一体的となるように構成した場合には、モジュール筐体の形状や大きさ、重さ、素材などを設計する自由度が生じるために、外的な振動源からの振動を効果的に抑制するように構成することが可能となる。すなわち、画素シフト周波数よりも振動周波数が小さくなるように構成したり、画素シフト期間における変位の経路長が画素ピッチよりも小さくなるように構成したりすることが可能となり、より高精度に振動による画質の劣化を防止することが可能となる。
そして、モジュール筐体と振動源とを別体とし、それぞれが独立した位置で装置筐体に保持されるようにしたために、振動源からの振動がモジュール筐体に及ぼす影響を低減することが可能となる。このとき、モジュール筐体と装置筐体とを防振部材を介して接続すると共に、振動源の装置筐体とを防振部材を介して接続するようにしたために、振動源からの振動がモジュール筐体に及ぼす影響を、より一層低減することが可能となる。
加えて、振動センサを設けて、所定値以上の振動がモジュールに加わった場合には、画素シフト素子2の駆動を停止するようにしたために、想定外の振動による画質の劣化を防止することが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
本発明は、表示デバイスと画素シフト素子とを備えるモジュール、表示装置に好適に利用することができる。
1…表示デバイス
2…画素シフト素子
2h…水平画素シフト素子
2v…垂直画素シフト素子
3…接着剤
4…透過型LCD
5,5a,5b…液晶セル
6,6a,6b…複屈折板
7…投影レンズ
8…反射型LCOS
9…偏光ビームスプリッタ(PBS)
11,11A,11A1,11A2,11B…モジュール筐体
11Aa,11Ab,11Ba…開口
12…底板
13a,13b,14a,14b…柱部
15a,15b,16a,16b…腕部
17a,17b,18a,18b…切欠部
21…天板
22a,22b…スリット
23a,23b…切欠
31…照明部
32…カラーホイール(振動源)
33…P/Sコンバータ
34…画像処理部(制御手段)
35…スクリーン
36…冷却部(振動源)
37…装置筐体
38…防振部材
39…振動センサ(振動検知手段)
41…入力インタフェース(入力I/F)
42…記憶部
43…メモリ
44…メモリコントローラ
45…サブフィールド分割部
46…面順次変換部
47…液晶セル制御部
2…画素シフト素子
2h…水平画素シフト素子
2v…垂直画素シフト素子
3…接着剤
4…透過型LCD
5,5a,5b…液晶セル
6,6a,6b…複屈折板
7…投影レンズ
8…反射型LCOS
9…偏光ビームスプリッタ(PBS)
11,11A,11A1,11A2,11B…モジュール筐体
11Aa,11Ab,11Ba…開口
12…底板
13a,13b,14a,14b…柱部
15a,15b,16a,16b…腕部
17a,17b,18a,18b…切欠部
21…天板
22a,22b…スリット
23a,23b…切欠
31…照明部
32…カラーホイール(振動源)
33…P/Sコンバータ
34…画像処理部(制御手段)
35…スクリーン
36…冷却部(振動源)
37…装置筐体
38…防振部材
39…振動センサ(振動検知手段)
41…入力インタフェース(入力I/F)
42…記憶部
43…メモリ
44…メモリコントローラ
45…サブフィールド分割部
46…面順次変換部
47…液晶セル制御部
Claims (19)
- 複数の画素を配列して構成される表示デバイスと、
振動に対して上記表示デバイスと一体的となるように構成され、該表示デバイスからの光線を時系列的に巡回させて画素シフトを行うための画素シフト素子と、
を具備したことを特徴とするモジュール。 - 振動に対して上記表示デバイスおよび上記画素シフト素子と一体的となるように構成され、該表示デバイスから該画素シフト素子を経て投射される画像を投影するための投影レンズをさらに具備したことを特徴とする請求項1に記載のモジュール。
- 上記表示デバイスと上記画素シフト素子とは、接着剤を介して接着されることにより、振動に対して一体的となるように構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のモジュール。
- 上記表示デバイスと上記画素シフト素子と上記投影レンズとは、接着剤を介して接着されることにより、振動に対して一体的となるように構成されたものであることを特徴とする請求項2に記載のモジュール。
- 振動に対して上記表示デバイスと上記画素シフト素子とを一体的となるように保持するためのモジュール筐体をさらに具備したことを特徴とする請求項1に記載のモジュール。
- 振動に対して上記表示デバイスと上記画素シフト素子と上記投影レンズとを一体的となるように保持するためのモジュール筐体をさらに具備したことを特徴とする請求項2に記載のモジュール。
- 複数の画素を配列して構成される表示デバイスと、振動に対して上記表示デバイスと一体的となるように構成され該表示デバイスからの光線を時系列的に巡回させて画素シフトを行うための画素シフト素子と、を有するモジュールと、
上記表示デバイスから上記画素シフト素子を経て投射される画像を投影するための投影レンズと、
を具備したことを特徴とする表示装置。 - 上記投影レンズは、振動に対して上記表示デバイスおよび上記画素シフト素子と一体的となるように構成され、上記モジュールに含まれるものであることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
- 上記モジュールは、上記表示デバイスと上記画素シフト素子とを接着剤を介して接着することにより振動に対して一体的となるように構成されたものであることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
- 上記モジュールは、上記表示デバイスと上記画素シフト素子と上記投影レンズとを接着剤を介して接着することにより振動に対して一体的となるように構成されたものであることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
- 上記モジュールは、振動に対して上記表示デバイスと上記画素シフト素子とを一体的となるように保持するためのモジュール筐体をさらに有して構成されたものであることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
- 上記モジュールは、振動に対して上記表示デバイスと上記画素シフト素子と上記投影レンズとを一体的となるように保持するためのモジュール筐体をさらに有して構成されたものであることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
- 振動源をさらに具備し、
上記モジュール筐体は、上記振動源から受けた振動に起因して、上記画素シフト素子により1回の画素シフトを行う期間である画素シフト期間内に上記表示デバイスに発生する変位の経路長が、該表示デバイスの画素ピッチ以下となるように構成されたものであることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の表示装置。 - 上記モジュール筐体は、上記振動源から受けた振動に起因して上記モジュールに発生する振動の周波数が、上記画素シフト素子により時系列的に光線を巡回させて画素シフトを行う周波数である画素シフト周波数よりも小さくなるように、さらに構成されたものであることを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
- 上記振動源と上記モジュールとを独立した位置で保持する装置筐体をさらに具備したことを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
- 上記振動源と上記モジュールとの少なくとも一方は、防振部材を介して上記装置筐体に保持されたものであることを特徴とする請求項15に記載の表示装置。
- 上記表示デバイスへ照明光を照射するための照明部と、
上記照明部を冷却するための冷却部と、
をさらに具備し、
上記振動源は上記冷却部を含むものであることを特徴とする請求項15に記載の表示装置。 - 上記表示デバイスへ照明光を照射するための照明部と、
上記照明部からの照明光の内の特定色の光のみを時系列的に透過させるためのカラーホイールと、
をさらに具備し、
上記振動源は上記カラーホイールを含むものであることを特徴とする請求項15に記載の表示装置。 - 上記モジュールの振動を検知するための振動検知手段と、
上記振動検知手段により検知された振動による、上記画素シフト素子により1回の画素シフトを行う期間である画素シフト期間内における、上記モジュールの変位の経路長が所定値以上であるときには、該画素シフト素子による画素シフトを停止させるように制御する制御手段と、
をさらに具備したことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
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