JP2007247894A - 歯車及び歯車装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一対の歯車の噛み合い時のバックラッシを低減もしくは無くして回転伝達誤差を低減する。
【解決手段】複数の歯1を備え相手歯車の歯との噛み合いによって回転運動を伝達する歯車G1であって、各々の歯1を、標準歯車の歯形5に対して、歯幅方向の一方の端面6における歯厚を厚くすると共に他方の端面7における歯厚を薄くしてその間の両側方の歯面8を滑らかな斜面で結び、各々の歯1の回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形となるように形成したものである。これにより、一対の歯車の噛み合い時のバックラッシを低減もしくは無くして回転伝達誤差を低減することができる。
【選択図】図3
【解決手段】複数の歯1を備え相手歯車の歯との噛み合いによって回転運動を伝達する歯車G1であって、各々の歯1を、標準歯車の歯形5に対して、歯幅方向の一方の端面6における歯厚を厚くすると共に他方の端面7における歯厚を薄くしてその間の両側方の歯面8を滑らかな斜面で結び、各々の歯1の回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形となるように形成したものである。これにより、一対の歯車の噛み合い時のバックラッシを低減もしくは無くして回転伝達誤差を低減することができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、一対の歯車を組み合わせて対向する相手歯車の歯との噛み合いにより2軸間に回転運動を伝達する歯車及び歯車装置に関し、詳しくは、一対の歯車の噛み合い時のバックラッシを低減もしくは無くして回転伝達誤差を低減しようとする歯車及び歯車装置に係るものである。
従来、歯車の噛み合い時のバックラッシを低減もしくは無くそうとする歯車としては、歯車軸が互いに平行に配列された平歯車において、歯面が歯幅方向に一定の傾斜面(テーパ面)に形成されたもの(特許文献1参照)や、歯車の歯形を歯の長さ方向に漸次幅広且つテーパ状に形成し、噛み合わせる際には弾性付勢手段として皿バネ27を付設したバックラッシ除去装置が提案されている(特許文献2参照)。
また、他のバックラッシを低減もしくは無くそうとする歯車としては、ローラの軸と一体化したギヤをテーパ歯車とすると共に、そのテーパ歯車14、14´と噛み合う他のテーパ歯車25aをスプリング26によってローラ側のテーパ歯車に圧接するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開昭57−190159号公報(第3図)
実開昭58−151741(第2図)
特開平6−24602号公報(図3)
しかし、特許文献1に記載の歯車においては、通常の平歯車と、歯面が歯幅方向に一定の傾斜面(テーパ面)に形成された歯車とが噛み合っており、あたかも平歯車と傘歯車とが噛み合った状態となり、回転中に段々と噛み合っている位置がずれて行き、正しく噛み合いが行われない虞がある。したがって、滑らかな回転伝達ができず、回転伝達誤差を十分に低減することはできない。
また、特許文献2に記載の歯車においては、歯車の歯形を歯の長さ方向に漸次幅広に且つテーパ状に形成した歯車同士が噛み合わされており、軸方向の位置ずれを防止するために皿バネ27を設けている。したがって、これらの歯車は、軸方向の力を受けた際、皿バネ27が撓み、変形することにより、噛み合い領域が変動し、結果、滑らかな回転伝達ができず、回転伝達誤差を十分に低減することができない。
また、特許文献3に記載の歯車においては、二つの傘歯車がその傘の向きを逆にして互いに噛み合った状態となり、一方の歯車の小径部分が他方の歯車の大径部分と噛み合うと共に、一方の歯車の大径部分が他方の歯車の小経部分と噛み合うこととなる。この場合、一つの歯車において、小径部分の歯数と大径部分の歯数とは同じであるが、小径部分の歯たけと大径部分の歯たけとは異なったものとなるので、次式で表されるモジュールMが相違することとなる。 モジュールM=(ピッチ円の径)/歯数
したがって、特許文献3に記載の歯車においては、モジュールMが相違する歯車同士が噛み合った状態となり、回転中に段々と噛み合っている位置がずれて行き、正しく噛み合いが行われない虞がある。したがって、滑らかな回転伝達ができず、回転伝達誤差を十分に低減することはできない。
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、一対の歯車の噛み合い時のバックラッシを低減もしくは無くして回転伝達誤差を低減しようとする歯車及び歯車装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による歯車は、複数の歯を備え相手歯車の歯との噛み合いによって回転運動を伝達する歯車であって、各々の歯を、標準歯車の歯形に対して、歯幅方向の一方の端面における歯厚を厚くすると共に他方の端面における歯厚を薄くしてその間の両側方の歯面を滑らかな斜面で結び、各々の歯の回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形となるように形成したものである。
このような構成により、標準歯車の歯形に対して、歯幅方向の一方の端面における歯厚を厚くすると共に他方の端面における歯厚を薄くしてその間の両側方の歯面を滑らかな斜面で結び、各々の歯の回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形となるように形成した歯を、相手歯車の歯との噛み合いにおいて互いに突き合わせることで、一対の歯車の噛み合い時のバックラッシを低減もしくは無くす。
また、本発明による歯車装置は、一対の歯車を組み合わせて対向する相手歯車の歯との噛み合いにより2軸間に回転運動を伝達する歯車装置であって、上記一対の歯車の両方の歯車について、各々の歯を、標準歯車の歯形に対して、歯幅方向の一方の端面における歯厚を厚くすると共に他方の端面における歯厚を薄くしてその間の両側方の歯面を滑らかな斜面で結び、各々の歯の回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形となるように形成し、対向する相手歯車同士を、各々の歯の横断面形状を回転軸方向にて互いに突き合わせるように噛み合わせるものである。
このような構成により、一対の歯車の両方の歯車について、標準歯車の歯形に対して、歯幅方向の一方の端面における歯厚を厚くすると共に他方の端面における歯厚を薄くしてその間の両側方の歯面を滑らかな斜面で結び、各々の歯の回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形となるように形成した歯を、対向する相手歯車同士の噛み合いにおいて、各々の歯の横断面形状を回転軸方向にて互いに突き合わせるように噛み合わせることで、一対の歯車の噛み合い時のバックラッシを低減もしくは無くす。
そして、一対の歯車の対向する相手歯車の歯との噛み合いは、少なくとも一方の歯車を他方の歯車に対して、弾性部材を用いて回転軸方向にて圧接して突き合わせるようにしてもよい。これにより、各々の歯の回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形となるように形成された歯が、相手歯車の歯との噛み合いにおいて弾性部材によって回転軸方向にて圧接して突き合わされて、一対の歯車の噛み合い時のバックラッシを低減もしくは無くす。
また、一対の歯車の対向する相手歯車の歯との噛み合いは、少なくとも一方の歯車を他方の歯車に対して、磁気による吸引力又は反発力を利用して回転軸方向にて圧接して突き合わせるようにしてもよい。これにより、各々の歯の回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形となるように形成された歯が、相手歯車の歯との噛み合いにおいて磁気による吸引力又は反発力によって回転軸方向にて圧接して突き合わされて、一対の歯車の噛み合い時のバックラッシを低減もしくは無くす。
請求項1に係る歯車によれば、標準歯車の歯形に対して、歯幅方向の一方の端面における歯厚を厚くすると共に他方の端面における歯厚を薄くしてその間の両側方の歯面を滑らかな斜面で結び、各々の歯の回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形となるように形成した歯を、相手歯車の歯との噛み合いにおいて互いに突き合わせることで、一対の歯車の噛み合い時のバックラッシを低減もしくは無くすことができる。したがって、正しく噛み合いが行われ、滑らかな回転伝達ができ、回転伝達誤差を低減することができる。
また、請求項2に係る歯車装置によれば、一対の歯車の両方の歯車について、標準歯車の歯形に対して、歯幅方向の一方の端面における歯厚を厚くすると共に他方の端面における歯厚を薄くしてその間の両側方の歯面を滑らかな斜面で結び、各々の歯の回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形となるように形成した歯を、対向する相手歯車同士の噛み合いにおいて、各々の歯の横断面形状を回転軸方向にて互いに突き合わせるように噛み合わせることで、一対の歯車の噛み合い時のバックラッシを低減もしくは無くすことができる。したがって、正しく噛み合いが行われ、滑らかな回転伝達ができ、回転伝達誤差を低減することができる。
そして、請求項3に係る発明によれば、各々の歯の回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形となるように形成された歯が、相手歯車の歯との噛み合いにおいて弾性部材によって回転軸方向にて圧接して突き合わされて、一対の歯車の噛み合い時のバックラッシを低減もしくは無くすことができる。
また、請求項4に係る発明によれば、各々の歯の回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形となるように形成された歯が、相手歯車の歯との噛み合いにおいて磁気による吸引力又は反発力によって回転軸方向にて圧接して突き合わされて、一対の歯車の噛み合い時のバックラッシを低減もしくは無くすことができる。
(第1の実施形態) 以下、本発明の第1の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。 図1は本発明による歯車装置の第1の実施形態を示す図であり、一対の歯車の噛み合い状態の要部説明図である。この歯車装置は、一対の歯車を組み合わせて対向する相手歯車の歯との噛み合いにより2軸間に回転運動を伝達するもので、一方の歯車G1と、他方の歯車G2とを組み合わせて成る。一方の歯車G1は、例えば歯数の多い方の歯車であり、大歯車と呼ばれるものである。また、他方の歯車G2は、例えば歯数の少ない方の歯車であり、小歯車と呼ばれるものである。
図1において、符号P1は一方の歯車G1のピッチ円を示し、符号P2は他方の歯車G2のピッチ円を示している。また、符号Bは、一対の歯車G1,G2を噛み合わせたときの対向する歯1と歯2との歯面間の遊びであるバックラッシを示している。
まず、一方の歯車G1の形状について説明する。この歯車
G1は、複数の歯1,1,…を備えその歯1が相手歯車(G2)の歯2と噛み合って回転運動を伝達するもので、一般的には図2に示すように、インボリュート曲線で左右対称とされた標準歯車の歯形5に形成されている。すなわち、各々の歯1がその歯先面3の歯幅W3と歯元4の歯幅W4とが同一寸法とされ、全歯たけHが歯幅方向に一定とされている。
G1は、複数の歯1,1,…を備えその歯1が相手歯車(G2)の歯2と噛み合って回転運動を伝達するもので、一般的には図2に示すように、インボリュート曲線で左右対称とされた標準歯車の歯形5に形成されている。すなわち、各々の歯1がその歯先面3の歯幅W3と歯元4の歯幅W4とが同一寸法とされ、全歯たけHが歯幅方向に一定とされている。
ここで、本発明においては、各々の歯1の形状は、図3に示すように、破線で示す標準歯車の歯形5に対して、歯幅方向の一方の端面6(図において手前側)における歯厚を厚くすると共に他方の端面7(図において背面側)における歯厚を薄くして、その間の両側方の歯面8を滑らかな斜面で結び、各々の歯1の回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形(又はテーパー状)となるように形成されている。
すなわち、図3において、標準歯車の歯形5に対して、歯幅方向の手前側の端面6の歯厚を両側方に矢印のように拡げて厚くし、歯幅方向の背面側の端面7の歯厚を両側方から矢印のように狭めて薄くしている。その結果、各々の歯1の回転軸に平行な面内の横断面形状は、歯元から歯先までの全歯たけHに渡って略台形となるように形成される。
更に詳述すると、歯車G1の複数の歯1の歯面8は次のように形成されている。すなわち、歯1の一端側の端面6における回転軸に平行な面内の横断面において、歯面8と一方の端面6との合流部分はインボリュート曲線となるように形成されている。また、このインボリュート曲線は、歯1の他方の端面7に向けて軸方向に沿って回転軸に対して回転するように形成されている。そのため、一方の歯車の歯1におけるどこの横断面を採ってもインボリュート曲線となっている。
また、歯車G1の複数の歯1の図示しないもう一方の歯面は、歯車G1の複数の歯1の歯面8とは回転軸に対して回転させる向きが逆となるように形成されている。つまり、歯面8ともう一方の歯面とは、図示しない歯厚中心線を中心にして線対称となるように形成されている。
このように構成された一方の歯車G1の全体形状は、図4に示すようになる。すなわち、外周面に形成された各々の歯1が、図3に示すように、その回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形(又はテーパー状)となるように形成されている。これにより、一方の歯車G1において隣り合う歯1,1の歯面間の間隔は、他方の端面7側(図3参照)では広く、一方の端面6側で狭くなる。
この場合、図1に示す対向する歯車G2の歯2との噛み合いにおいて、歯車G2の各々の歯2の横断面形状を上述と同様の略台形に形成し(詳細は後述する)、図4に示す歯車G1に対し歯車G2を反転させた状態で、その回転軸方向にて略台形の横断面形状を互いに突き合わせるように噛み合わせることで、噛合い位置が歯幅方向にずれた場合であっても、対向する歯1,2間の隙間が少なくなり、図1に示す一対の歯車G1,G2の噛み合い時のバックラッシBを低減もしくは無くすことができると共に、低騒音化できると共に、回転ムラも生じない。
次に、図1に示す他方の歯車G2の形状について説明する。この歯車G2は、複数の歯2,2,…を備えその歯2が相手歯車(G1)の歯1と噛み合って回転運動を伝達するもので、歯2の形状は、図3及び図4に示す一方の歯車G1の歯1の形状と全く同様に形成されている。すなわち、標準歯車の歯形5に対して、歯幅方向の一方の端面における歯厚を厚くすると共に他方の端面における歯厚を薄くしてその間の両側方の歯面を滑らかな斜面で結び、各々の歯2の回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形となるように形成されている。
次に、上述のように構成された一方の歯車G1と他方の歯車G2とを組み合わせて成る歯車装置について説明する。この歯車装置は、一対の歯車G1,G2を組み合わせて対向する相手歯車の歯1,2との噛み合いにより2軸間に回転運動を伝達するもので、図5に示すように、一方の歯車G1は、ハウジング10に回転可能に支持された回転軸11上に固着されており、他方の歯車G2は、他のハウジング12に回転可能に支持された回転軸13上に軸方向にスライド可能に保持されている。このような状態で、対向する相手歯車G1,G2同士を、各々の歯1,2の横断面形状を回転軸11,13の方向にて互いに突き合わせるように噛み合わせている。すなわち、前述の図4に示す一方の歯車G1に対し、他方の歯車G2を反転させた状態で、その回転軸11,13の方向にて略台形の横断面形状を互いに突き合わせるように噛み合わせている。
このとき、少なくとも一方の歯車を他方の歯車に対して、弾性部材を用いて回転軸11,13の方向にて圧接して突き合わせている。すなわち、例えば他方の歯車G2において、ハウジング12と歯車G2のウェブとの間の回転軸13の周りに、弾性部材としてのコイルバネ14を介装して、このコイルバネ14の弾性力によって他方の歯車G2を一方の歯車G1に対し矢印Cのように圧接している。ここで、前述のように、一対の歯車G1,G2の歯1,2は、その回転軸11,13の方向にて略台形の横断面形状を互いに突き合わせるように噛み合わせているので、それぞれ対向する歯1,2間の隙間が少なくなり、図1に示す一対の歯車G1,G2の噛み合い時のバックラッシBを低減もしくは無くすことができる。
(第2の実施形態) 図6は、歯車装置における一対の歯車G1,G2の組み合わせの第2の実施形態を示す説明図である。この実施形態は、図5に示す歯車装置において、一方の歯車G1は、ハウジング10に回転可能に支持された回転軸11上に軸方向にスライド可能に保持されており、他方の歯車G2は、他のハウジング12に回転可能に支持された回転軸13上に固着されている。そして、一方の歯車G1において、ハウジング10と歯車G1のウェブとの間に、弾性部材としての板バネ15を介装して、この板バネ15の弾性力によって一方の歯車G1を他方の歯車G2に対し矢印Dのように圧接して、歯1,2を噛み合わせている。
この場合も、前述と同様にして、それぞれ対向する歯1,2間の隙間が少なくなり、図1に示す一対の歯車G1,G2の噛み合い時のバックラッシBを低減もしくは無くすことができる。なお、板バネ15は、金属製でも、樹脂製であってもよい。また、板バネ15は、一方の歯車G1に一体的に形成してもよい。さらに、一方の歯車G1の板バネ15は、コイルバネ14に代えてもよい。また、本実施形態では、板バネ15をハウジング10に設置したが、歯車G1に設けても良い。更に、板バネ15は、ハウジング12又は、歯車G2に設けても良い。
(第3の実施形態) 図7は、歯車装置における一対の歯車G1,G2の組み合わせの第3の実施形態を示す説明図である。この実施形態は、一方の歯車G1と他方の歯車G2との間に、アイドルギヤG3を介装したものである。すなわち、一方の歯車G1は、ハウジング10に回転可能に支持された回転軸11上に固着されており、他方の歯車G2は、他のハウジング12に回転可能に支持された回転軸13上に軸方向にスライド可能に保持されており、さらにアイドルギヤG3は、他のハウジング16に回転可能に支持された回転軸17上に軸方向にスライド可能に保持されている。なお、図7において、符号19は、アイドルギヤG3の外周面に形成された歯を示している。このような状態で、それぞれ対向する一方の歯車G1とアイドルギヤG3同士を、またアイドルギヤG3と他方の歯車G2同士を、各々の歯1,19,2の横断面形状を回転軸11,17,13の方向にて互いに突き合わせるように噛み合わせている。
そして、他方の歯車G2において、ハウジング12と歯車G2のウェブとの間の回転軸13の周りにコイルバネ14を介装して、このコイルバネ14の弾性力によって他方の歯車G2をアイドルギヤG3に対し矢印Eのように圧接している。また、アイドルギヤG3において、ハウジング16とアイドルギヤG3のウェブとの間の回転軸17の周りにコイルバネ18を介装して、このコイルバネ18の弾性力によってアイドルギヤG3を一方及び他方の歯車G1,G2に対し矢印Fのように圧接している。これにより、それぞれ対向する歯1,19,2間の隙間が少なくなり、図7に示す一方の歯車G1とアイドルギヤG3と他方の歯車G2との噛み合い時のバックラッシを低減もしくは無くすことができる。
なお、図7におけるアイドルギヤG3のコイルバネ18による矢印F方向の荷重K1と、他方の歯車G2のコイルバネ14による矢印E方向の荷重K2とは、K1>K2であることが望ましい。この荷重K1とK2との大小関係により、三つの歯車G1,G2,G3の噛み合わせを正しく維持することができる。
(第4の実施形態)図8は、歯車装置における一対の歯車G1,G2の組み合わせの第4の実施形態を示す説明図である。この実施形態は、図7に示す歯車装置において、一方の歯車G1は、ハウジング10に回転可能に支持された回転軸11上に軸方向にスライド可能に保持されており、他方の歯車G2は、他のハウジング12に回転可能に支持された回転軸13上に軸方向にスライド可能に保持されており、さらにアイドルギヤG3は、他のハウジング16に回転可能に支持された回転軸17上に固着されている。このような状態で、それぞれ対向する一方の歯車G1とアイドルギヤG3同士を、またアイドルギヤG3と他方の歯車G2同士を、各々の歯1,19,2の横断面形状を回転軸11,17,13の方向にて互いに突き合わせるように噛み合わせている。
そして、一方の歯車G1において、ハウジング10と歯車G1のウェブとの間に板バネ15を介装して、この板バネ15の弾性力によって一方の歯車G1をアイドルギヤG3に対し矢印Dのように圧接している。また、他方の歯車G2において、ハウジング12と歯車G2のウェブとの間の回転軸13の周りにコイルバネ14を介装して、このコイルバネ14の弾性力によって他方の歯車G2をアイドルギヤG3に対し矢印Eのように圧接している。これにより、それぞれ対向する歯1,19,2間の隙間が少なくなり、図8に示す一方の歯車G1とアイドルギヤG3と他方の歯車G2との噛み合い時のバックラッシを低減もしくは無くすことができる。なお、一方の歯車G1側の板バネ15は、コイルバネ14に代えてもよい。或いは、他方の歯車G2側のコイルバネ14は、板バネ15に代えてもよい。
なお、図8における歯車G1の板バネ15による矢印D方向の荷重K3と、他方の歯車G2のコイルバネ14による矢印E方向の荷重K4とは、等しいか、又は、略等しいことが望ましい
。この荷重K3とK4との関係により、三つの歯車G1,G2,G3の噛み合わせを正しく維持し、噛合いのバランスを保つことができる。
。この荷重K3とK4との関係により、三つの歯車G1,G2,G3の噛み合わせを正しく維持し、噛合いのバランスを保つことができる。
(第5の実施形態)図9は、歯車装置における一対の歯車G1,G2の組み合わせの第5の実施形態を示す断面説明図である。この実施形態においては、一方の歯車G1は、ハウジング10に回転可能に支持された回転軸11上に固着されており、他方の歯車G2は、同じくハウジング10に回転可能に支持された回転軸13上に軸方向にスライド可能に保持されている。このような状態で、対向する相手歯車G1,G2同士を、各々の歯1,2の横断面形状を回転軸11,13の方向にて互いに突き合わせるように噛み合わせている。このとき、少なくとも一方の歯車を他方の歯車に対して、磁気による吸引力又は反発力を利用して回転軸11,13の方向にて圧接して突き合わせている。
すなわち、例えば他方の歯車G2において、その回転軸13の周りに磁気を発生させる手段として磁石20を組み込み、この磁石20に対向するハウジング10側にて回転軸13の根元部の周りには鉄板等の磁性体板21を取り付け、磁石20と磁性体板21との間に作用する磁気吸引力によって他方の歯車G2を一方の歯車G1に対し矢印Cのように圧接している。この場合も、図5の場合と同様にして、それぞれ対向する歯1,2間の隙間が少なくなり、図1に示す一対の歯車G1,G2の噛み合い時のバックラッシBを低減もしくは無くすことができる。
なお、図9においては、他方の歯車G2側に磁石20を組み込み、この磁石20に対向するハウジング10側に磁性体板21を取り付けたものとしたが、これとは逆に、他方の歯車G2側に磁性体板21を組み込み、これと対向するハウジング10側に磁石20を取り付けてもよい。また、他方の歯車G2が、図5に示すように他のハウジング12に回転可能に支持された回転軸13上に軸方向にスライド可能に保持されている場合は、他方の歯車G2側とこれに対向するハウジング12側とに、互いに極性の異なる磁石をそれぞれ取り付け、両磁石間に作用する磁気反発力によって他方の歯車G2を一方の歯車G1に対し矢印Cのように圧接してもよい。或いは、図9において、他方の歯車G2の全体をプラスチックマグネットとして、対向するハウジング10側に取り付けられた磁性体板21との間に作用する磁気吸引力によって他方の歯車G2を一方の歯車G1に対し矢印Cのように圧接してもよい。
また、本発明においては、歯車G1及びG2の各々の歯1,2の形を、各々の歯の回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形(又はテーパー状)としたが、これに限らず、略台形形状の内側をくり抜いた形状や略V字状として、歯の縁を薄肉状としたものでもよい。この場合、両歯車を噛み合わせて圧接させた時には、歯面が弾性変形して、バックラッシを無くすことができる。
G1…一方の歯車 G2…他方の歯車 G3…アイドルギヤ 1…一方の歯車の歯 2…他方の歯車の歯 5…標準歯車の歯形 6…一方の端面 7…他方の端面 8…歯面 10,12,16…ハウジング 11,13,17…回転軸 14,18…コイルバネ 15…板バネ 19…アイドルギヤの歯 20…磁石 21…磁性体板
Claims (4)
- 複数の歯を備え相手歯車の歯との噛み合いによって回転運動を伝達する歯車であって、各々の歯を、標準歯車の歯形に対して、歯幅方向の一方の端面における歯厚を厚くすると共に他方の端面における歯厚を薄くしてその間の両側方の歯面を滑らかな斜面で結び、各々の歯の回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形となるように形成したことを特徴とする歯車。
- 一対の歯車を組み合わせて対向する相手歯車の歯との噛み合いにより2軸間に回転運動を伝達する歯車装置であって、上記一対の歯車の両方の歯車について、各々の歯を、標準歯車の歯形に対して、歯幅方向の一方の端面における歯厚を厚くすると共に他方の端面における歯厚を薄くしてその間の両側方の歯面を滑らかな斜面で結び、各々の歯の回転軸に平行な面内の横断面形状が略台形となるように形成し、対向する相手歯車同士を、各々の歯の横断面形状を回転軸方向にて互いに突き合わせるように噛み合わせることを特徴とする歯車装置。
- 上記一対の歯車の対向する相手歯車の歯との噛み合いは、少なくとも一方の歯車を他方の歯車に対して、弾性部材を用いて回転軸方向にて圧接して突き合わせることを特徴とする請求項2記載の歯車装置。
- 上記一対の歯車の対向する相手歯車の歯との噛み合いは、少なくとも一方の歯車を他方の歯車に対して、磁気による吸引力又は反発力を利用して回転軸方向にて圧接して突き合わせることを特徴とする請求項2記載の歯車装置。
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