本発明は、樹脂組成物およびそれを用いたレリーフパターンの形成方法に関する。さらに詳しくは、高透明性と高屈折率が要求される光学素子用の光導波路や、レンズなどに適した樹脂組成物およびそれを用いたレリーフパターンの形成方法ならびに耐熱性樹脂のレリーフパターンに関する。
マイクロレンズアレイ形成や導波路形成等の用途に、各種の光学素子用コーティング材料が用いられている。このうちマイクロレンズアレイ形成用の材料に於いては、高い屈折率と透過率を併せ持ち、かつ耐薬品性等の一般的なプロセス耐性を有する材料が求められている。また、マイクロレンズアレイ形成プロセスに於いては、より小さいプロセス負荷で所望のパターンが得られることが好ましく、熱負荷の低減等の要求がある。
固体撮像素子等のマイクロレンズアレイ形成用材料としては、感光性材料、非感光性材料が用いられる。一般にポジ型の感光性を有する樹脂組成物としては、ポジ型のレジスト組成物、ポジ型の感光性ポリイミド前駆体組成物、ポジ型の感光性ポリベンゾオキサゾール前駆体組成物等が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。これらは、半導体用のシリコン酸化膜ドライエッチング工程におけるマスク用として、あるいは、加熱もしくは適当な触媒により耐熱性樹脂とし、半導体用の表面保護膜、層間絶縁膜、有機電界発光素子用の絶縁層等に使用されている。しかしながら、これらの組成物はマイクロレンズアレイ形成用材料としては透過率や屈折率が不十分であり、これを解決するために、透明性の高いポリイミドに高屈折率粒子を導入したものが開示されている(例えば、特許文献3参照)。この材料は、良好な光学特性が得られるものの、例えば微細なレンズを縦横に配置した「レンズアレイパターン」などのレリーフパターンや硬化膜表面を、有機溶剤を含む化学品で処理すると、ひび割れや基材からの剥がれが生じ、それによる欠陥を生じる場合があった。また、ポリイミド前駆体やポリベンゾオキサゾール前駆体を含む組成物を硬化させるためには、通常は250℃以上の高い温度で熱処理を行う必要があった。このため、アクリル等の熱に弱い材料の上層に用いることができないという課題があった。
特開2002−241611号公報
特開2002−221794号公報
特開2003−75997号公報
本発明は、250℃以下の低温で熱処理を行うことができ、かつ上述したような有機薬品処理に対する耐クラック性および耐剥離性に優れた樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、(a)ポリイミド前駆体および/またはポリベンゾオキサゾール前駆体、(b)金属化合物粒子、(c)熱酸発生剤を含有することを特徴とする樹脂組成物である。
本発明によれば、有機溶剤を含む化学品処理に対する耐クラック性および耐剥離性に優れた、欠陥の少ないレリーフパターンを得ることができる。また、本発明の樹脂組成物は低温での硬化が可能であることから、基材に対する熱負荷を軽減することができる。したがって、本発明の樹脂組成物およびそれを用いたレリーフパターンは、例えば電荷結合素子などの固体撮像素子のレンズとして有用な、高透明性、高屈折率を有する微細なレンズを縦横に配置した「レンズアレイ」のレリーフパターンに好適に用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、(a)ポリイミド前駆体および/またはポリベンゾオキサゾール前駆体、(b)金属化合物粒子、および(c)熱酸発生剤を含有する。
本発明における(a)成分は、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体から選択されるポリマである。本発明の樹脂組成物に感光性を付与する場合には、現像液として用いられるアルカリ水溶液に対する溶解性の観点から、これらポリマは、分子中にアルカリ可溶性基を有することが望ましい。アルカリ可溶性基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基等が挙げられる。
本発明においては、(a)成分として、下記一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマが好ましく用いられる。かかるポリマは加熱あるいは適当な触媒により、分子内あるいは分子間でイミド構造もしくはオキサゾール構造を形成し得るものである。イミド構造またはオキサゾール構造となることで、耐熱性、耐溶剤性が飛躍的に向上する。一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマは、その構造単位のみからなるものであっても良いし、他の構造単位との共重合体あるいは混合体であっても良い。ここで、主成分とは構造単位として50モル%以上を言い、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上である。共重合あるいは混合に用いられる構造単位の種類および量は、最終加熱処理によって得られるポリイミド系ポリマの耐熱性を損なわない範囲で選択することが好ましい。
式中、R1は炭素数2以上の2価〜8価の有機基、R2は炭素数2以上の2価〜6価の有機基、R3は各々独立に水素または炭素数1〜20の1価の有機基を示す。nは3〜10000の範囲、mは0〜2の整数、pおよびqは0〜4の整数を示す。
本発明において耐熱性樹脂とは、加熱あるいは適当な触媒によりイミド構造およびまたはオキサゾール構造を形成した後のポリマを指す。さらに本文中では特にポリマが可溶性であるか、不溶化したポリマになった状態であるかを明確に区別するために、あえて「可溶性樹脂」と「耐熱性硬化樹脂」という表現を用いる。可溶性樹脂とは、ポリマ間での架橋やポリマ間での環状構造を持たず、適切な溶剤に対して溶解しうる樹脂を指す。一方、耐熱性硬化樹脂とは、ポリマ間での架橋やポリマ間での環状構造を形成し、溶剤に対して溶解しなくなった樹脂を指す。
上記一般式(1)で表される構造単位の中で、水酸基を有したポリアミド酸および/またはポリアミド酸エステルが好ましく、すなわち、p+q>0であることが好ましい。この水酸基の存在のために、アルカリ水溶液に対する溶解性が、水酸基を有さないポリアミド酸よりも良好になる。特に、水酸基の中でもフェノール性の水酸基がアルカリ水溶液に対する溶解性の点で好ましい。また、フッ素原子を一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマ中に10重量%以上有することで、アルカリ水溶液で現像する際に、膜の界面に撥水性が適度に出るために、界面のしみこみなどが抑えられるため好ましい。一方、アルカリ水溶液に対する溶解性、熱処理後のポリマの耐有機溶媒性の観点からは、フッ素原子含有量は20重量%以下が好ましい。
上記一般式(1)のR1(OH)p(COOR3)mは酸二無水物残基を表している。この酸二無水物は芳香族環を含有し、かつ、水酸基を1〜4個有した、炭素数2以上の2価〜8価の有機基であることが好ましく、炭素数6〜30の3価または4価の有機基がさらに好ましい。具体的には、一般式(1)のR1(COOR3)m(OH)pが下記一般式(2)に示されるような構造のものが好ましい。
式中、R4およびR6は炭素数2〜20の2価〜4価の有機基を示し、R5は炭素数3〜20の3価〜6価の有機基を示し、R7およびR8は各々独立に水素または炭素数1〜20の1価の有機基を示す。oおよびsは0〜2の整数、rは1〜4の整数を示す。ただし、o+s≦2である。
この場合、R4およびR6は得られるポリマの耐熱性の点から芳香族環を含んだものが好ましい。その中でも特に好ましい構造としてトリメリット酸、トリメシン酸、ナフタレントリカルボン酸残基等を挙げることができる。またR5は炭素数3〜20の3価〜6価の有機基が好ましい。さらに、R5に結合するr個の水酸基は、アミド結合と隣り合った位置にあることが好ましい。このような例として、フッ素原子を含んだ、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、フッ素原子を含まない、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,4−ジアミノ−フェノール、2,5−ジアミノフェノール、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼンのアミノ基が結合したものなどを挙げることができる。
また、一般式(2)のR7、R8は各々独立に水素または炭素数1〜20の1価の有機基である。炭素数が20を越えるとアルカリ現像液に対する溶解性が低下する。
一般式(2)で表される構造の中で、好ましい構造を具体的に例示すると下記に示したような構造が挙げられる。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、上記の酸成分に、水酸基を有していないテトラカルボン酸、ジカルボン酸を共重合しても構わない。この例としては、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸などの芳香族テトラカルボン酸やそのカルボキシル基2個をメチル基やエチル基にしたジエステル化合物、ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族のテトラカルボン酸やそのカルボキシル基2個をメチル基やエチル基にしたジエステル化合物、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを挙げることができる。これらは、酸成分の50モル%以下の共重合が好ましいが、さらに好ましくは30モル%以下である。
上記一般式(1)のR2(OH)qは、ジアミン残基を表している。この中で、R2の好ましい例としては、耐熱性の観点から芳香族環を有するものが好ましい。ジアミンの具体的な例としては、フッ素原子を有したビス(アミノ−ヒドロキシ−フェニル)ヘキサフルオロプロパン、フッ素原子を有さないジアミノジヒドロキシピリミジン、ジアミノジヒドロキシピリジン、ヒドロキシ−ジアミノ−ピリミジン、ジアミノフェノール、ジヒドロキシベンチジンなどの化合物や一般式(3)、(4)、(5)に示す構造を有するものを挙げることができる。
式中、R9およびR11は炭素数2〜20の3価〜4価の有機基を示し、R10は炭素数2〜30の2価の有機基を示す。tおよびuは1または2を示す。R12およびR14は炭素数2〜20の2価の有機基を示し、R13は炭素数3〜20の3価〜6価の有機基を示す。vは1〜4の整数を示す。R15は炭素数2〜20の2価の有機基を示し、R16は炭素数3〜20の3価〜6価の有機基を示す。wは1〜4の整数を示す。
一般式(3)において、R9〜R11は、得られるポリマの耐熱性の点から芳香族環を有するものが好ましい。R9(OH)tおよびR11(OH)uの具体例としては、ヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基、ジヒドロキシナフチル基、ヒドロキシビフェニル基、ジヒドロキシビフェニル基、ビス(ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン基、ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン基、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン基、ヒドロキシジフェニルエーテル基、ジヒドロキシジフェニルエーテル基などが挙げられる。また、ヒドロキシシクロヘキシル基、ジヒドロキシシクロヘキシル基などの脂肪族の基も使用することができる。また、R10の例としては、フェニル基、ビフェニル基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルヘキサフルオロプロパン基、ジフェニルプロパン基、ジフェニルスルホン基などを挙げることができるが、これ以外にも脂肪族のシクロヘキシル基なども使用することができる。
一般式(4)において、R12〜R14は、得られるポリマの耐熱性の点から芳香族環を有するものが好ましい。R12およびR14の例としては、フェニル基、ビフェニル基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルヘキサフルオロプロパン基、ジフェニルプロパン基、ジフェニルスルホン基などを挙げることができるが、これ以外にも脂肪族のシクロヘキシル基なども使用することができる。R13(OH)vの具体例としては、ヒロドキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基、ジヒドロキシナフチル基、ヒドロキシビフェニル基、ジヒドロキシビフェニル基、ビス(ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン基、ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン基、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン基、ヒドロキシジフェニルエーテル基、ジヒドロキシジフェニルエーテル基などを挙げることができる。また、ヒドロキシシクロヘキシル基、ジヒドロキシシクロヘキシル基などの脂肪族の基も使用することができる。
一般式(5)において、R15およびR16は、得られるポリマの耐熱性から芳香族環を有するものが好ましい。このようなR15の例としては、フェニル基、ビフェニル基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルヘキサフルオロプロパン基、ジフェニルプロパン基、ジフェニルスルホン基などを挙げることができるが、これ以外にも脂肪族のシクロヘキシル基なども使用することができる。R16(OH)wの具体例としては、ヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基、ジヒドロキシナフチル基、ヒドロキシビフェニル基、ジヒドロキシビフェニル基、ビス(ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン基、ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン基、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン基、ヒドロキシジフェニルエーテル基、ジヒドロキシジフェニルエーテル基などが挙げられる。また、ヒドロキシシクロヘキシル基、ジヒドロキシシクロヘキシル基などの脂肪族の基も使用することができる。
一般式(3)で表される構造の中で、好ましい構造を具体的に例示すると下記に示したような構造が挙げられる。
また、一般式(4)で表される構造の中で、好ましい構造を具体的に例示すると下記に示したような構造が挙げられる。
また、一般式(5)で表される構造の中で、好ましい構造を具体的に例示すると下記に示したような構造が挙げられる。
また、ジアミン残基の1〜40モル%の範囲で、上記以外のジアミン成分を共重合してもかまわない。このような例として、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、アミノフェノキシベンゼン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ビス(トリフルオロメチル)ベンチジン、ビス(アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(アミノフェノキシフェニル)スルホンあるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物など、脂肪族のシクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。このようなジアミン成分を40モル%以上とすることで、より耐熱性の良好なポリマが得られる。
一般式(1)のR3は各々独立に水素または炭素数1〜20の1価の有機基を表している。得られるポジ型感光性可溶性樹脂組成物溶液の安定性からは、R3は有機基が好ましいが、アルカリ水溶液の溶解性より見ると水素が好ましい。本発明においては、水素原子と有機基を混在させることができる。このR3の水素と有機基の量を調整することで、アルカリ水溶液に対する溶解速度が変化するので、この調整により適度な溶解速度を有したポジ型感光性可溶性樹脂組成物を得ることができる。好ましい範囲は、R3の10%〜90%が水素原子であることである。R3の炭素数が20を越えるとアルカリ水溶液に溶解しなくなる。以上より、R3は炭素数1〜20の炭化水素基を1つ以上含有し、その他は水素原子であることが好ましい。
さらに、基板との接着性を向上させるために、耐熱性を低下させない範囲で 一般式(1)のR1、R2にシロキサン構造を有する成分を共重合して導入してもよい。具体的には、ジアミン成分として、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(p−アミノ−フェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどを1〜10モル%共重合したものなどが挙げられる。
本発明の樹脂組成物に用いられるポリマは、例えば、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後アミンと縮合剤の存在下で反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後残りのジカルボン酸を酸クロリド化し、アミンと反応させる方法などで合成することができる。
ポリアミド酸と類似の耐熱性高分子前駆体としてポリヒドロキシアミドをポリアミド酸の代わりに使用することもできる。このようなポリヒドロキシアミドの製造方法としては、ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸を縮合反応させる方法が挙げられる。具体的には、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)のような脱水縮合剤と酸を反応させ、ここにビスアミノフェノール化合物を加える方法やピリジンなどの3級アミンを加えたビスアミノフェノール化合物の溶液にジカルボン酸ジクロリドの溶液を滴下するなどがある。
本発明の樹脂組成物は、(b)金属化合物粒子を含有する。本発明に用いる(b)金属化合物粒子は、キュア後の耐熱性硬化樹脂組成物の透過率を損なうことがなく、かつ高屈折率を有するものであればどのようなものでも用いることができる。好ましくは、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、スズ化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物のいずれかを単独または2種類以上用いることができる。具体的には、アルミニウム錯体、酸化アルミニウム粒子、酸化スズ−酸化アルミニウム複合粒子、酸化ケイ素−酸化アルミニウム複合粒子、酸化ジルコニウム−酸化アルミニウム複合粒子、酸化スズ−酸化ケイ素複合粒子、酸化ジルコニウム−酸化ケイ素複合粒子、チタン酸バリウム粒子、スズ錯体、酸化スズ粒子、酸化ジルコニウム−酸化スズ複合粒子、チタン錯体、酸化チタン粒子、酸化スズ−酸化チタン複合粒子、酸化ケイ素−酸化チタン複合粒子、酸化ジルコニウム−酸化チタン複合粒子、チタン酸バリウム粒子、ジルコニウム錯体、酸化ジルコニウム粒子等が挙げられる。より好ましくは、酸化スズ−酸化チタン複合粒子、酸化ケイ素−酸化チタン複合粒子、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム−酸化スズ複合粒子、酸化ジルコニウム−酸化ケイ素複合粒子、酸化ジルコニウム粒子などが挙げられる。これらの金属化合物粒子は、単体粒子としても、複合粒子としても利用できる。さらに、これらの金属化合物粒子は、2種以上用いてもよい。
市販されている金属化合物粒子としては、酸化スズ−酸化チタン複合粒子の”オプトレイクTR−502”、”オプトレイクTR−504”、酸化ケイ素−酸化チタン複合粒子の”オプトレイクTR−503”、酸化チタン粒子の”オプトレイクTR−505”、”オプトレイクTR−512”、”オプトレイクTR−513”、”オプトレイクTR−514”、”オプトレイクTR−515”(以上、商品名、触媒化成工業(株)製)、酸化ジルコニウム粒子((株)高純度化学研究所製)、酸化スズ−酸化ジルコニウム複合粒子(触媒化成工業(株)製)、酸化スズ粒子((株)高純度化学研究所製)等が挙げられる。
金属化合物粒子の数平均粒子径は50nm以下が好ましく、特に好ましくは、1〜15nmである。ここで、金属化合物粒子の数平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定することができる。数平均粒子径が50nm以下の場合、透過率の高い良好な硬化膜組成物が得られる。特に本発明の樹脂組成物に感光性を付与する場合には有利である。
また、これら金属化合物粒子の含有量は、(a)成分のポリマ100重量部に対して、下限として5重量部以上が好ましく、より好ましくは50重量部以上である。一方、上限として500重量部以下が好ましく、300重量部以下がより好ましい。(b)金属化合物粒子の含有量が(a)成分のポリマ100重量部に対して5〜500重量部、好ましくは50〜300重量部である場合、屈折率と透過率(特に400nm)共に向上することが確認され、パターン加工性にも優れる。
本発明の樹脂組成物は、(c)熱酸発生剤を含有する。可溶性樹脂組成物膜に感光性を付与しない場合には、(c)熱酸発生剤の熱分解温度に特に制限はない。一方、感光性を付与する場合には、現像によってパターンが形成されるまでは膜の硬化を促さず、パターン形成を阻害しないものが好ましい。これを実現するためには、可溶性樹脂組成物膜に感光性を付与する場合には、プリベーク温度以下の温度では酸を発生せず、パターン形成後の熱処理により初めて酸を発生して可溶性樹脂組成物膜硬化を促すものが好ましい。具体的には、可溶性樹脂組成物膜を、120℃〜400℃の熱処理によって耐熱性硬化樹脂膜に変化させる際に、印加する熱によって分解し、酸を発生する化合物であることが好ましい。上記のような(c)熱酸発生剤を含有することにより、現像によってパターンが形成されるまでは酸を発生せず、その後のキュアまたはハードベークと呼ばれる加熱により発生した酸が、樹脂組成物中の(a)成分の分子間もしくは分子内でのイミド結合やオキサゾール結合を促進し、耐熱性の発現に有効なイミド構造やオキサゾール構造の生成を促進する作用があると考えられる。これにより、可溶性樹脂組成物膜を、架橋・硬化がより進んだ耐熱性硬化樹脂膜に変化させる働きを有する。(c)熱酸発生剤は、本発明の樹脂組成物に、低温での熱処理による耐溶剤性を発現せしめ、化学薬品処理によるひび割れや基材からの剥がれを低減するための最も重要な化合物である。
本発明に用いられるポリイミド前駆体およびまたはポリベンゾキサゾール前駆体の可溶性樹脂組成物膜のキュア温度は、ポリマ中のアミド酸がイミド化し、および/またはヒドロキシベンズアミドがベンゾキサゾール化するための温度に設定されるのが通例である。さらには、本発明の樹脂組成物の用途の一つである光学素子用レンズとして使用する場合、基材に本発明の樹脂組成物以外の有機物層をふくむ場合もあり、その部分への加熱によるダメージを与えないために、キュア温度は必要以上の熱が加わらないように設定されるのが通例である。
これらの熱酸発生剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、スルフォニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルフォニウム塩、トリアリールセレニウム塩等の各種オニウム塩系化合物、スルフォン酸エステル、ハロゲン化合物等が挙げられる。具体例として、スルフォニウム塩としては、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルフォニウム トリフレート(試作品「W」 三新化学工業(株)製)、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウム トリフレート(試作品「O」 三新化学工業(株)製)」、2−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウム トリフレート(試作品「N」 三新化学工業(株)製)、4−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウム トリフレート、4−ヒドロキシフェニルメチル−1−ナフチルメチルスルフォニウム トリフレート、4−メトキシカルボニルオキシフェニルジメチルスルフォニウム トリフレート(試作品「J」 三新化学工業(株)製)、ベンジル−4−メトキシカルボニルオキシフェニルメチルスルフォニウム トリフレート(試作品「T」 三新化学工業(株)製)、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルフォニウム トリフレート(試作品「U」 三新化学工業(株)製)、4−アセトキシフェニルメチル−4−メチルベンジルスルフォニウム トリフレート、4−アセトキシフェニルジメチルスルフォニウム トリフレート(試作品「V」 三新化学工業(株)製)、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート、2−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート、4−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート、4−ヒドロキシフェニルメチル−1−ナフチルメチルスルフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート、4−メトキシカルボニルオキシフェニルジメチルスルフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート、ベンジル−4−メトキシカルボニルオキシフェニルメチルスルフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート(試作品「A」 三新化学工業(株)製)、4−アセトキシフェニルメチル−4−メチルベンジルスルフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート、4−アセトキシフェニルジメチルスルフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート(商品名「SI−150」 三新化学工業(株)製)、「SI−180L」(三新化学工業(株)製)、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルフォニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウム ヘキサフルオロアンチモネート、2−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−ヒドロキシフェニルメチル−1−ナフチルメチルスルフォニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−メトキシカルボニルオキシフェニルジメチルスルフォニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシカルボニルオキシフェニルメチルスルフォニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルフォニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルメチル−4−メチルベンジルスルフォニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルフォニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルフォニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウム ヘキサフルオロアンチモネート、下記一般式(8)に示すモノフェニルスルフォニウム塩、またはベンジルフェニルスルフォニウム塩等が挙げられる。
芳香族ジアゾニウム塩としては、クロロベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェイト、ジメチルアミノベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネ−ト、ナフチルジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェイト、ジメチルアミノナフチルジアゾニウムテトラフルオロボレート等が挙げられる。ジアリールヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネ−ト、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェイト、ジフェニルヨードニウムトリフレート、4,4´−ジ−t−ブチル−ジフェニルヨードニウムトリフレート、4,4´−ジ−t−ブチル−ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4,4´−ジ−t−ブチル−ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェイト等が挙げられる。トリアリールスルフォニウム塩「≒WPAG系」としては、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェイト、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネ−ト、トリ(p−クロロフェニル)スルフォニウムテトラフルオロボレート、トリ(p−クロロフェニル)スルフォニウムヘキサフルオロフォスフェイト、トリ(p−クロロフェニル)スルフォニウムヘキサフルオロアンチモネ−ト、4−t−ブチルトリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェイト等が挙げられる。トリアリールセレニウム塩としては、トリフェニルセレニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロフォスフェイト、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロアンチモネ−ト、ジ(クロロフェニル)フェニルセレニウムテトラフルオロボレート、ジ(クロロフェニル)フェニルセレニウムヘキサフルオロフォスフェイト、ジ(クロロフェニル)フェニルセレニウムヘキサフルオロアンチモネ−ト等が挙げられる。スルフォン酸エステルとしては、ベンゾイントシレート、p−ニトロベンジル−9,10−エトキシアントラセンー2−スルフォネート、2−ニトロベンジルトシレート、2,6−ジニトロベンジルトシレート、2,4−ジニトロベンジルトシレート等が挙げられる。ハロゲン化合物としては、2−クロロ−2−フェニルアセトフェノン、2,2´,4´−トリクロロアセトフェノン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4´−メトキシ−1´−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ビス−2−(4−クロロフェニル)−1,1,1−トリクロロエタン、ビス−1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタノール、ビス−2−(4−メトキシフェニル)−1,1,1−トリクロロエタン等が挙げられる。その他、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミジルトリフレート(商品名「NDI−105」 みどり化学(株)製)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミジル トシレート(商品名「NDI−101」 みどり化学(株)製)、4−メチルフェニルスルフォニルオキシイミノ−α−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル(商品名「PAI−101」 みどり化学(株)製)、トリフルオロメチルスルフォニルオキシイミノ−α−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル(商品名「PAI−105」 みどり化学(株)製)、9−カンファースルフォニルオキシイミノ α−4−メトキシフェニルアセトニトリル(商品名「PAI−106」 みどり化学(株)製)、1,8−ナフタルイミジル ブタンスルフォネート(商品名「NAI−1004」 みどり化学(株)製)、1,8−ナフタルイミジル トシレート(商品名「NAI−101」 みどり化学(株)製)、1,8−ナフタルイミジル トリフレート(商品名「NAI−105」 みどり化学(株)製)、1,8−ナフタルイミジル ノナフルオロブタンスルフォネート(商品名「NAI−109」 みどり化学(株)製)等の熱酸発生剤も例として挙げることができる。
可溶性樹脂組成物膜に感光性を付与する場合、以下の化合物がより好ましく用いられる。また、これらの熱酸発生剤は貯蔵安定性にも優れる。その一例としては、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウム トリフレート(試作品「O」 三新化学工業(株)製) 分解温度130℃)、2−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウム トリフレート(試作品「N」 三新化学工業(株)製 分解温度126℃)、「SI−180L」(三新化学工業(株)製 分解温度>180℃)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミジルトリフレート(商品名「NDI−105」 みどり化学(株)製 分解温度182℃)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミジル トシレート(商品名「NDI−101」 みどり化学(株)製 分解温度231℃)、4−メチルフェニルスルフォニルオキシイミノ−α−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル(商品名「PAI−101」 みどり化学(株)製 分解温度>130℃)、トリフルオロメチルスルフォニルオキシイミノ−α−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル(商品名「PAI−105」 みどり化学(株)製 分解温度>130℃)、9−カンファースルフォニルオキシイミノ α−4−メトキシフェニルアセトニトリル(商品名「PAI−106」 みどり化学(株)製 分解温度>130℃)、1,8−ナフタルイミジル ブタンスルフォネート(商品名「NAI−1004」 みどり化学(株)製 分解温度200℃)、1,8−ナフタルイミジル トシレート(商品名「NAI−101」 みどり化学(株)製 分解温度227℃)、1,8−ナフタルイミジル トリフレート(商品名「NAI−105」 みどり化学(株)製 分解温度174℃)、1,8−ナフタルイミジル ノナフルオロブタンスルフォネート(商品名「NAI−109」 みどり化学(株)製 分解温度193℃)等が挙げられる。
本発明において(c)熱酸発生剤の含有量は、(a)成分のポリマ100重量部に対して好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上であり、30重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。0.1重量部以上とすることで、低温でのキュアプロセスに於いてもより高い耐薬品性が得られる。また、熱酸発生剤を10重量部以下とすることで透過率やパターン解像性がより良好な組成物が得られる。
本発明の樹脂組成物は、(d)ナフトキノンジアジド化合物を含有することが好ましい。(d)ナフトキノンジアジド化合物としては、フェノール性水酸基を有する化合物にナフトキノンジアジドのスルホン酸がエステルで結合した化合物が好ましい。ここで用いられるフェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、Bis−Z、BisOC−Z、BisOPP−Z、BisP−CP、Bis26X−Z、BisOTBP−Z、BisOCHP−Z、BisOCR−CP、BisP−MZ、BisP−EZ、Bis26X−CP、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisCR−IPZ、BisOCP−IPZ、BisOIPP−CP、Bis26X−IPZ、BisOTBP−CP、TekP−4HBPA(テトラキスP−DO−BPA)、TrisP−HAP、TrisP−PA、BisOFP−Z、BisRS−2P、BisPG−26X、BisRS−3P、BisOC−OCHP、BisPC−OCHP、Bis25X−OCHP、Bis26X−OCHP、BisOCHP−OC、Bis236T−OCHP、メチレントリス−FR−CR、BisRS−26X、BisRS−OCHP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、BIR−OC、BIP−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−PCHP、BIP−BIOC−F、4PC、BIR−BIPC−F、TEP−BIP−A(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)、4,4’−スルホニルジフェノール(和光純薬(株)社製)、BPFL(商品名、JFEケミカル(株)製)が挙げられる。
これらのうち、好ましいフェノール性水酸基を有する化合物としては、たとえば、Bis−Z、BisP−EZ、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、BisOCHP−Z、BisP−MZ、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisOCP−IPZ、BisP−CP、BisRS−2P、BisRS−3P、BisP−OCHP、メチレントリス−FR−CR、BisRS−26X、BIP−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−BIPC−F等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいフェノール性水酸基を有する化合物としては、たとえば、Bis−Z、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、BisRS−2P、BisRS−3P、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−BIPC−F、4,4’−スルホニルジフェノール、BPFLである。これらフェノール性水酸基を有する化合物に4−ナフトキノンジアジドスルホン酸あるいは5−ナフトキノンジアジドスルホン酸をエステル結合で導入したものが好ましいものとして例示することができるが、これ以外の化合物を使用することもできる。
(d)ナフトキノンジアジド化合物の含有量は、(a)成分のポリマ100重量部に対して1〜50重量部であることが好ましい。1重量部以上とすることで、実用的な感度でパターン形成を行うことができる。また、50重量部以下とすることで、透過率やパターン解像性に優れた樹脂組成物が得られる。
好ましいナフトキノンジアジド化合物の分子量は300以上、より好ましくは350以上であり、1000以下、より好ましくは800以下である。分子量を300以上とすることで、未露光部の溶解抑止効果が得られ、また分子量を1000以下とすることでスカム等のない良好なレリーフパターンが得られる。
また、上に示したフェノール性水酸基を有する化合物を現像時の未露光部の溶解速度を小さくする目的で含有することも可能である。
好ましいフェノール性水酸基を有する化合物としては、たとえば、Bis−Z、BisP−EZ、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、BisOCHP−Z、BisP−MZ、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisOCP−IPZ、BisP−CP、BisRS−2P、BisRS−3P、BisP−OCHP、メチレントリス−FR−CR、BisRS−26X、BIP−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−BIPC−F等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいフェノール性水酸基を有する化合物としては、たとえば、Bis−Z、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、BisRS−2P、BisRS−3P、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−BIPC−F、4,4’−スルホニルジフェノール、BPFLであるが、これ以外のフェノール性水酸基を有する化合物を使用することもできる。
このフェノール性水酸基を有する化合物の含有量は、(a)成分のポリマ100重量部に対して、好ましくは100重量部以下であり、特に好ましくは30重量部以下である。含有量が(a)成分のポリマ100重量部に対して100重量部以下である場合、フェノール性水酸基を有する化合物により感光性可溶性樹脂組成物のアルカリに対する溶解性が向上し、現像時露光部の溶解性を向上させることができる。
本発明の樹脂組成物を光学素子用途における微細なレンズを作製するために用いる場合、個々の微細なパターンが良好なテーパーを有するレンズ形状を形成するために、クマリン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等を含有しても良い。クマリン誘導体としては、クマリン、クマリン−4(以上商品名、シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製)、4−ヒドロキシクマリン、7−ヒドロキシクマリン(以上、東京化成工業(株)製)、ベンゾトリアゾール誘導体としては、スミソーブ200、スミソーブ250、スミソーブ320、スミソーブ340、スミソーブ350(以上、商品名、住友化学工業(株)製)、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体としては、スミソーブ130、スミソーブ140(以上商品名、住友化学工業(株)製)、ジスライザーM、ジスライザーO(商品名、三協化成(株)製)、シーソーブ103(シプロ化成(株)製)等を挙げることができる。
また、必要に応じて上記、樹脂組成物と基板との塗れ性を向上させる目的で界面活性剤、乳酸エチルやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、エタノールなどのアルコール類、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類を含有しても良い。また、その他の無機粒子、あるいはポリイミドの粉末などを含有することもできる。
さらにシリコンウエハなどの下地基板との接着性を高めるために、シランカップリング剤などを樹脂組成物のワニスに0.5〜10重量%添加したり、下地基板をこのような薬液で前処理したりすることもできる。
ワニスに添加する場合、メチルメタクリロキシジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、などのシランカップリング剤、アルミキレート剤をワニス中のポリマに対して0.5〜10重量%添加する。
基板を処理する場合、上記で述べたカップリング剤をイソプロパノール、エタノール、メタノール、水、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、アジピン酸ジエチルなどの溶媒に0.5〜20重量%溶解させた溶液をスピンコート、浸漬、スプレー塗布、蒸気処理などで表面処理をする。場合によっては、その後50℃〜300℃までの温度をかけることで、基板とカップリング剤との反応を進行させる。
次に、本発明の樹脂組成物を用いて樹脂パターンを形成する方法について、感光性を有する樹脂組成物の場合を例に説明する。まず、感光性可溶性樹脂組成物を基板上に塗布する。基板としてはシリコンウエハ、セラミックス類、ガリウムヒ素などが用いられるが、これらに限定されない。塗布方法としてはスピンナを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティングなどの方法がある。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが通常、乾燥後の膜厚が、0.1〜150μmになるように塗布される。
次に感光性可溶性樹脂組成物を塗布した基板を乾燥して、感光性可溶性樹脂組成物膜を得る。この工程を通常プリベークまたはソフトベークと呼ぶ。乾燥はオーブン、ホットプレート、赤外線などを使用し、80℃〜150℃の範囲で1分から数十分間行うことが好ましい。プリベークの段階では、可溶性樹脂組成物中の化合物が極力反応を生じない温度設定とするのが通例である。
次に、この感光性可溶性樹脂組成物膜の上方から所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照射し、露光する。露光に用いられる化学線としては紫外線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を利用することが好ましい。
次いで、露光後、現像液を用いて現像し、感光性可溶性樹脂のパターンを形成する。現像液としては、テトラメチルアンモニウムの水溶液、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。また場合によっては、これらのアルカリ水溶液にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクロン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを単独あるいは数種を組み合わせたものを含有してもよい。現像後は水にてリンス処理をする。ここでもエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をしても良い。現像後に、紫外線を未露光部に100mJ/cm2〜4000mJ/cm2照射し、任意の温度、通常は250℃以下の温度を加えて耐熱性硬化樹脂膜に変換して使用する。この、加熱処理前の紫外線照射によって、本発明のポジ型感光性可溶性樹脂組成物内に残留する(d)ナフトキノンジアジド化合物が光分解され、その後の熱処理で変換して得られた耐熱性硬化樹脂膜は、400nm〜700nmにおいて、光学材料として必要な、膜厚1μmあたり、80%以上の透過率を発現する。また、チタン成分を含有した金属化合物粒子を用いた場合は、光触媒反応も手伝って、少量の紫外線量で(d)ナフトキノンジアジド化合物を分解することができるので好ましい。
この耐熱性硬化樹脂膜に変換する熱処理は温度を選び、段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び連続的に昇温しながら5分〜5時間実施する。一例としては、170℃、200℃、350℃で各30分ずつ熱処理する。あるいは室温より400℃まで2時間かけて直線的に昇温するなどの方法が挙げられる。これらのうち、好ましい熱処理条件としては、光学素子用途であることを考慮した場合、窒素雰囲気下において、ホットプレートを用いて、150℃〜400℃、好ましくは170℃〜400℃の温度で、5〜15分間処理する方法が挙げられる。
一方、感光性を有しない樹脂組成物を用いる場合も、感光性を有する樹脂組成物と同様に塗布・乾燥・熱処理し硬化膜を得る。この硬化膜に、任意のフォトレジストを塗布・露光・現像してパターン加工した後、レジストパターンをエッチングマスクとしてドライエッチングを行うことで、レジストパターンを硬化膜に転写し所望のパターンを得ることができる。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、実施例中の樹脂組成物およびそれを加工して得られた耐熱性硬化樹脂膜の評価は以下の方法により行った。
可溶性樹脂組成物膜の作製
250℃で2分間の脱水ベークをした後、70℃でヘキサメチルジシラザン雰囲気暴露処理(HMDS処理)を行った6インチシリコンウエハ上及び6インチガラス基板に、可溶性樹脂組成物(以下ワニスと呼ぶ)を、塗膜現像装置「東京エレクトロン(株)社製MARK−7」を用いて、プリベーク後の膜厚が1.2〜2.2μmとなるように塗布し、120℃で3分のプリベークを行い、可溶性樹脂組成物膜を得た。
膜厚の測定
大日本スクリーン製造(株)社製ラムダエースSTM−602を使用し、屈折率1.64で可溶性樹脂組成物膜の膜厚の測定を行った。
露光
6インチシリコンウエハ上及び6インチガラス基板上に作製した可溶性樹脂組成物膜を、露光機(GCA社製i線ステッパーDSW8570i)を用い、ウェハ上で、パターンサイズ5μm角抜きパターン、ピッチ10μmで縦100個×横500個を配置した「ドットアレイパターン」を含むレチクルを介して、露光量100〜1000mJ/cm2(波長365nmにおける露光エネルギー)でi線露光を行った。
現像
6インチシリコンウエハ上及び6インチガラス基板上に作製した上記のパターン露光を行った後の可溶性樹脂組成物膜を、東京エレクトロン(株)社製MARK−7の現像装置を用い、50回転で水酸化テトラメチルアンモニウムの2.38%水溶液を10秒間噴霧した。この後、0回転で40秒間静置(50秒シングルパドル現像)し、次いで400回転で水にてリンス処理、さらに1000回転で10秒間振り切り乾燥した。
感光性評価
6インチシリコンウエハ上に作製した露光、現像後の可溶性樹脂組成物膜を、上記膜厚の測定で用いたラムダエースSTM−602を用いて目視にて観察し、5μmスクエアの開口の可否により感光性を評価した。
耐熱性硬化樹脂膜の作製
上記のように露光、現像された6インチシリコンウエハ上の可溶性樹脂組成物膜、及び、6インチガラス基板上の可溶性樹脂組成物膜を、露光機(キャノン(株)社製コンタクトアライナーPLA501F)を用いて、紫外線強度約5mW/cm2(波長365nm換算)で3分間、紫外線全波長全面一括露光(フラッドブリーチング露光 主用波長:365nm、405nm、436nm)を行い、その後、ホットプレートを用いて、空気雰囲気下、220℃で5分間熱処理(キュア)し、耐熱性硬化樹脂膜を得た。
耐熱性硬化樹脂膜の有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性評価
上記のように露光、現像、キュアを行ったパターン付き6インチシリコンウエハを、レジスト剥離液であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)とジメチルスルホキシド(DMSO)との約1重量部:1重量部の混合液に、室温(20〜25℃)で10分間浸漬した後、リンス液であるジエチレングリコールモノエチルエーテルに2分間浸漬し、次いで水に2分間浸漬した。その後、ウェハを取り出し、エアガンで風乾した。このウェハをホットプレートを用いて、100℃で1分間加熱して乾燥した。上記のレジスト剥離液処理を行った6インチウェハ上の耐熱性硬化樹脂膜のパターン群から、パターンサイズ5μm角抜きパターン、ピッチ10μmで縦100個×横500個を配置した「ドットアレイパターン」部を光学顕微鏡で観察した。
次いで、この6インチウェハをホットプレートを用いて、260℃で1分間加熱し、次いで室温(20〜25℃)の金属プレートに1分間置いて放冷した。この260℃1分間の加熱と室温への冷却を3回繰り返すヒートサイクル処理を行った。ヒートサイクル処理後ウェハ上の耐熱性硬化樹脂膜のパターン群から、パターンサイズ5μm角抜きパターン、ピッチ10μmで縦100個×横500個を配置した「ドットアレイパターン」部を光学顕微鏡で観察した。それぞれの観察結果からパターンおよびその周辺部のクラック・膜剥離の有無、有りの場合には個数の程度により耐クラック性・耐剥離性を評価した。
耐熱性硬化樹脂膜の屈折率の測定方法
6インチガラス基板上に作製した上記耐熱性硬化樹脂膜のベタ膜部分について、プリズムカプラーMODEL2010(METRICON(株)社製)を用いて、室温22℃での波長が632.8nm(He−Neレーザー光源使用)、6インチガラス基板の屈折率N=1.4696、測定屈折率範囲1.46〜1.86において、膜面に対して垂直方向の屈折率(TE)を測定した。
耐熱性硬化樹脂膜の透過率の算出
上記のように6インチガラス基板上に作製した耐熱性硬化樹脂膜のベタ膜部分について、紫外可視分光光度計MultiSpec−1500(島津製作所(株)社製)を用いて400nmの透過率を測定した。
合成例1 ヒドロキシル基含有酸無水物(a)の合成
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF)18.3g(0.05モル)とアリルグリシジルエーテル34.2g(0.3モル)をガンマブチロラクトン100gに溶解させ、−15℃に冷却した。ここにガンマブチロラクトン50gに溶解させた無水トリメリット酸クロリド22.1g(0.11モル)を反応液の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、0℃で4時間反応させた。この溶液をロータリーエバポレーターで濃縮して、トルエン1lに投入して下に示すヒドロキシル基含有酸無水物(a)を得た。
合成例2 ヒドロキシル基含有ジアミン化合物(b)の合成
BAHF18.3g(0.05モル)をアセトン100ml、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに4−ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻した。析出した白色固体をろ別し、50℃で真空乾燥した。
固体30gを300mlのステンレスオートクレーブに入れ、メチルセルソルブ250mlに分散させ、5%パラジウム−炭素を2g加えた。ここに水素を風船で導入して、還元反応を室温で行った。約2時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認して反応を終了させた。反応終了後、ろ過して触媒であるパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーターで濃縮し、下に示すヒドロキシル基含有ジアミン化合物(b)を得た。得られた固体をそのまま反応に使用した。
合成例3 ヒドロキシル基含有ジアミン(c)の合成
2−アミノ−4−ニトロフェノール15.4g(0.1モル)をアセトン50ml、プロピレンオキシド30g(0.34モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここにイソフタル酸クロリド11.2g(0.055モル)をアセトン60mlに溶解させた溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させた。その後、室温に戻して生成している沈殿をろ過で集めた。
この沈殿をガンマブチロラクトン200mlに溶解させて、5%パラジウム−炭素3gを加えて、激しく攪拌した。ここに水素ガスを入れた風船を取り付け、室温で水素ガスの風船がこれ以上縮まない状態になるまで攪拌を続け、さらに2時間水素ガスの風船を取り付けた状態で攪拌した。攪拌終了後、ろ過でパラジウム化合物を除き、溶液をロータリーエバポレーターで半量になるまで濃縮した。ここにエタノールを加えて、再結晶を行い、下に示すヒドロキシル基含有ジアミン(c)の結晶を得た。
合成例4 ヒドロキシル基含有ジアミン(d)の合成
2−アミノ−4−ニトロフェノール15.4g(0.1モル)をアセトン100ml、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに4−ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mlに溶解させた溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させた。その後、室温に戻して生成している沈殿をろ過で集めた。この後、合成例2と同様にして下に示すヒドロキシル基含有ジアミン(d)の結晶を得た。
合成例5 キノンジアジド化合物(1)の合成
乾燥窒素気流下、2−ナフトール7.21g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリド13.43g(0.05モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン5.06gを滴下した。滴下終了後、室温で2時間反応させた後、トリエチルアミン塩を濾過し、ろ液を水に投入させた。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下に示すキノンジアジド化合物(1)を得た。
合成例6 キノンジアジド化合物(2)の合成
乾燥窒素気流下、TrisP−HAP(商品名、本州化学工業(株)社製)、15.31g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリド40.28g(0.15モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン15.18gを用い、合成例5と同様にして下に示すキノンジアジド化合物(2)を得た。
合成例7 キノンジアジド化合物(3)の合成
乾燥窒素気流下、4−イソプロピルフェノール6.81g(0.05モル)と4−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリド13.43g(0.05モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン5.06gを用い、合成例5と同様にして下に示すキノンジアジド化合物(3)を得た。
合成例8 キノンジアジド化合物(4)の合成
乾燥窒素気流下、ビスフェノールA 11.41g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリド26.86g(0.1モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン10.12gを用い、合成例5と同様にして下に示すキノンジアジド化合物(4)を得た。
実施例1
窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル4.1g(0.0205モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここに上記合成例1記載のヒドロキシル基含有酸無水物(a)21.4g(0.03モル)をNMP14gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.14g(0.06モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間攪拌した。
得られた溶液40gに上記に示したナフトキノンジアジド化合物(1)2g、数平均粒子径5nmの”オプトレイクTR−502”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン分散液、固形分濃度=20%)50gを加え、「NDI−105」(商品名、みどり化学(株)社製)0.3gを加えて樹脂組成物のワニスAを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上に可溶性樹脂組成物膜を作製し、露光、現像、220℃での熱処理により耐熱性硬化樹脂膜を得た。ワニスの感光性、透過率及び有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性について評価を行った。また、耐熱性硬化樹脂膜の屈折率を測定したところ1.77であった。
実施例2
乾燥窒素気流下、上記合成例2記載のヒドロキシル基含有ジアミン(b)13.6g(0.0225モル)、末端封止剤として、4−エチニルアニリン(商品名:P−APAC、富士写真フイルム(株)社製)0.29g(0.0025モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここに合成例1に記載のヒドロキシル基含有酸無水物(a)17.5g(0.025モル)をピリジン30gとともに加えて、60℃で6時間反応させた。反応終了後、溶液を水2lに投入して、ポリマ固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマ固体を80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。
このようにして得たポリマの固体10gを秤取り、上記合成例6に記載したナフトキノンジアジド化合物(2)2g、ビニルトリメトキシシラン1gと、数平均粒子径5nmの”オプトレイクTR−502”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン分散液、固形分濃度=20%)50gとをガンマブチロラクトン30gに溶解させた。ここにベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウムトリフレート(試作品「O」、三新化学工業(株)製)0.01gを秤取り、溶解して樹脂組成物のワニスBを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上に可溶性樹脂組成物膜を作製し、露光、現像、220℃での熱処理により耐熱性硬化樹脂膜を得た。ワニスの感光性、透過率及び有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性について評価を行った。また、耐熱性硬化樹脂膜の屈折率を測定したところ、1.78であった。
実施例3
乾燥窒素気流下、上記合成例3に記載のヒドロキシル基含有ジアミン化合物(c)20.78g(0.055モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)をNMP50gに溶解させた。ここに3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物13.95g(0.045モル)をNMP21gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。50℃で2時間攪拌後、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール14.7g(0.1モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間攪拌した。
得られた溶液30gに上記合成例7に記載のナフトキノンジアジド化合物(3)1.6gと、数平均粒子径10nmの”オプトレイクTR−505”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン分散液、固形分濃度=20%)85gと「PAI−101」(みどり化学(株)社製)0.5gを溶解させて樹脂組成物のワニスCを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上に可溶性樹脂組成物膜を作製し、露光、現像、220℃での熱処理により耐熱性硬化樹脂膜を得た。ワニスの感光性、透過率及び有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性について評価を行った。また、耐熱性硬化樹脂膜の屈折率を測定したところ、1.82であった。
実施例4
乾燥窒素気流下、合成例4に記載のヒドロキシル基含有ジアミン化合物(d)6.08g(0.025モル)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル4.21g(0.021モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン0.806g(0.00325モル)をNMP70gに溶解させた。ヒドロキシル基含有酸無水物(a)24.99g(0.035モル)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物4.41g(0.015モル)を室温でNMP25gとともに加え、そのまま室温で1時間、その後50℃で2時間攪拌した。ついで、グリシジルメチルエーテル17.6g(0.2モル)をNMP10gで希釈した溶液を加え、70℃で6時間攪拌した。
このポリマ溶液40gに上記合成例8に示したナフトキノンジアジド化合物(4)2.5g、数平均粒子径8nmの”オプトレイクTR−503”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン分散液、固形分濃度=20%)150gと「NAI−101」 みどり化学(株)社製)1.5gを溶解させて樹脂組成物のワニスDを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上に可溶性樹脂組成物膜を作製し、露光、現像、220℃での熱処理により耐熱性硬化樹脂膜を得た。ワニスの感光性、透過率及び有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性について評価を行った。また、耐熱性硬化樹脂膜の屈折率を測定したところ1.85であった。
実施例5
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン16.93g(0.04625モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50g、グリシジルメチルエーテル26.4g(0.3モル)に溶解させ、溶液の温度を−15℃まで冷却した。ここにジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド7.38g(0.025モル)、イソフタル酸ジクロリド5.08g(0.025モル)をガンマブチロラクトン25gに溶解させた溶液を内部の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、6時間−15℃で攪拌を続けた。反応終了後、溶液を水3lに投入して白色の沈殿を集めた。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。
このようにして得られたポリマ粉体10gに、上記合成例6に示したナフトキノンジアジド化合物(2)2g、数平均粒子径5nmの”オプトレイクTR−504”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン分散液、固形分濃度=20%)100gをNMP30gに溶解させた。これにベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウムトリフレート(試作品「O」、三新化学工業(株)製)を0.5g加え溶解して樹脂組成物のワニスEを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上に可溶性樹脂組成物膜を作製し、露光、現像、220℃での熱処理により耐熱性硬化樹脂膜を得た。ワニスの感光性、透過率及び有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性について評価を行った。また、耐熱性硬化樹脂膜の屈折率を測定したところ1.82であった。
実施例6
乾燥窒素気流下、合成例2に記載のヒドロキシル基含有ジアミン(b)13.6g(0.0225モル)、末端封止剤として、4−(3−アミノフェニル)−2−メチル−3−ブチン−2−オール(商品名:M−APACB、富士写真フイルム(株)製)0.44g(0.0025モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここにヒドロキシ基含有酸無水物(a)17.5g(0.025モル)をピリジン30gとともに加えて、60℃で6時間反応させた。反応終了後、溶液を水2lに投入して、ポリマ固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマ固体を80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。
このようにして得たポリマの固体10gを秤取り、上記合成例6に示したナフトキノンジアジド化合物(2)6g、クマリン−4(商品名、シグマ アルドリッジ ジャパン(株)社製)2.5gと、数平均粒子径5nmの”オプトレイクTR−504”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン分散液、固形分濃度=20%)100gと「SI−180L」 三新化学工業(株)製2.0gをガンマブチロラクトン30gに溶解させて樹脂組成物のワニスFを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上に可溶性樹脂組成物膜を作製し、露光、現像、220℃での熱処理により耐熱性硬化樹脂膜を得た。ワニスの感光性、透過率及び有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性について評価を行った。また、耐熱性硬化樹脂膜の屈折率を測定したところ1.82であった。
実施例7
実施例1の”オプトレイクTR−502”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=20%)を数平均粒子径5nmの酸化ジルコニウム粒子((株)高純度化学研究所社製、固形分濃度=100%)46.7gに変更した他は実施例1と同様に行い、樹脂組成物のワニスGを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上に可溶性樹脂組成物膜を作製し、露光、現像、220℃での熱処理により耐熱性硬化樹脂膜を得た。ワニスの感光性、透過率及び有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性について評価を行った。また、耐熱性硬化樹脂膜の屈折率を測定したところ1.85であった。
実施例8
実施例3の”オプトレイクTR−505”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=20%)を数平均粒子径25nmの酸化スズ−酸化ジルコニウム複合粒子ゾル(触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン分散液、固形分濃度=8.5%)に変更し、「PAI−101」(みどり化学(株)社製)0.5gを0.4gに変更した他は実施例3と同様に行い、樹脂組成物のワニスHを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上に可溶性樹脂組成物膜を作製し、露光、現像、220℃での熱処理により耐熱性硬化樹脂膜を得た。ワニスの感光性、透過率及び有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性について評価を行った。また、耐熱性硬化樹脂膜の屈折率を測定したところ1.75であった。
実施例9
実施例2の”オプトレイクTR−502”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン分散液、固形分濃度=20%)を数平均粒子径15nm酸化アルミニウム−酸化チタン複合粒子(固形分濃度=100%)に変更し、加えて、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウムトリフレート(試作品「O」、三新化学工業(株)製)0.3gを「SI−180L」(三新化学工業(株)製)1.0gに変更した他は実施例2と同様に行い、樹脂組成物のワニスIを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上に可溶性樹脂組成物膜を作製し、露光、現像、220℃での熱処理により耐熱性硬化樹脂膜を得た。ワニスの感光性、透過率及び有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性について評価を行った。また、耐熱性硬化樹脂膜の屈折率を測定したところ1.85であった。
実施例10
実施例5の2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン16.93gを18.3g(0.05モル)に変更し、さらに”オプトレイクTR−504”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン分散液、固形分濃度=20%)を数平均粒子径60nmの酸化チタン粒子”オプトレイクTR−506”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン分散液、固形分濃度=20%)100gに変更し、加えて、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウムトリフレート(試作品「O」、三新化学工業(株)製)0.5gを4−ヒドロキシフェニルジメチルスルフォニウムトリフレート(試作品「W」、三新化学工業(株)製)1.0gに変更した他は、実施例5と同様に行い、樹脂組成物のワニスJを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上に可溶性樹脂組成物膜を作製し、露光、現像、220℃での熱処理により耐熱性硬化樹脂膜を得た。ワニスの感光性、透過率及び有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性について評価を行った。また、耐熱性硬化樹脂膜の屈折率を測定したところ1.82であった。
実施例11
窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル4.1g(0.0205モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここに4,4’−オキシジフタル酸無水物9.31g(0.03モル)をNMP8gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール5.95g(0.05モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間攪拌した。
得られた溶液40gに数平均粒子径5nmの”オプトレイクTR−502”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン分散液、固形分濃度=20%)35gを加え、2−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウム トリフレート(試作品「N」、三新化学工業(株)製)0.2gを加えて可溶性樹脂組成物のワニスKを得た。このワニスKは感光性を有していない。
得られたワニスKを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上に可溶性樹脂組成物膜を作製した。この可溶性樹脂組成物膜を220℃で5分間熱処理し、パターンのない耐熱性硬化樹脂膜を得た。この耐熱性硬化樹脂膜上に、東京応化工業(株)製i線レジスト“OFPR−800”を塗布し、露光・現像を行い、レジストのパターン加工を行った。得られたレジストパターンをエッチングマスクとし、CF4ガスを用いてドライエッチング処理を行い、下層の硬化膜をパターン加工した。その後、基板を東京応化工業(株)製レジスト剥離液“TOK−106”に浸積して上層に残ったi線レジストを除去し、各基板上に残ったワニスKによって作成された耐熱性硬化樹脂膜の透過率及び有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性について評価を行った。また、耐熱性硬化樹脂膜の屈折率を測定したところ、1.76であった。
実施例12
乾燥窒素気流下、3,5−ジアミノベンゾイックアシッド(東京化成(株)社製)3.42g(0.0225モル)、末端封止剤として、4−エチニルアニリン(商品名、P−APAC、富士写真フイルム(株)社製)0.29g(0.0025モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここに合成例1に記載のヒドロキシル基含有酸無水物(a)17.5g(0.025モル)をピリジン30gとともに加えて、60℃で6時間反応させた。反応終了後、溶液を水2lに投入して、ポリマ固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマ固体を80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。
このようにして得たポリマの固体10gを秤取り、上記合成例6に記載したナフトキノンジアジド化合物(2)2.0gと、数平均粒子径5nmの”オプトレイクTR−502”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン分散液、固形分濃度=20%)2.0gとをガンマブチロラクトン30gに溶解させ、ここに「PAI−101」(みどり化学(株)社製)0.5gを添加して樹脂組成物のワニスLを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上に可溶性樹脂組成物膜を作製し、露光、現像、220℃での熱処理により耐熱性硬化樹脂膜を得た。ワニスの感光性、透過率及び有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性について評価を行った。また、耐熱性硬化樹脂膜の屈折率を測定したところ1.67であった。
実施例13
実施例2で用いた樹脂組成物(ワニスB)を用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上に可溶性樹脂組成物膜を作製し、露光、現像、280℃での熱処理により耐熱性硬化樹脂膜を得た。ワニスの感光性、透過率及び有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性について評価を行った。また、耐熱性硬化樹脂膜の屈折率を測定したところ1.76であった。
実施例14
実施例3の「PAI−101」(みどり化学(株)社製)0.5gを3.4gに変更した他は実施例3と同様に行い、樹脂組成物のワニスMを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上に可溶性樹脂組成物膜を作製し、露光、現像、220℃での熱処理により耐熱性硬化樹脂膜を得た。ワニスの感光性、透過率及び有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性について評価を行った。また、耐熱性硬化樹脂膜の屈折率を測定したところ1.82であった。
実施例15
実施例5の”オプトレイクTR−504”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン分散液、固形分濃度=20%)の添加量100gを300gに変更した他は実施例5と同様に行い、樹脂組成物のワニスNを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上に可溶性樹脂組成物膜を作製し、露光、現像、220℃での熱処理により耐熱性硬化樹脂膜を得た。ワニスの感光性、透過率及び有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性について評価を行った。また、耐熱性硬化樹脂膜の屈折率を測定したところ1.85であった。
比較例1
実施例1のオプトレイクTR−502、およびNDI−105を用いない他は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物のワニスOを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上に可溶性樹脂組成物膜を作製し、露光、現像、220℃での熱処理により耐熱性硬化樹脂膜を得た。ワニスの感光性、透過率及び有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性について評価を行った。また、耐熱性硬化樹脂膜の屈折率を測定したところ1.65であった。
比較例2
実施例2の試作品「O」を添加しなかった他は実施例2と同様に行い、樹脂組成物のワニスPを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上に可溶性樹脂組成物膜を作製し、露光、現像、220℃での熱処理により耐熱性硬化樹脂膜を得た。ワニスの感光性、透過率及び有機薬品処理に対する耐クラック性、耐剥離性について評価を行った。また、耐熱性硬化樹脂膜の屈折率を測定したところ1.77であった。
実施例1〜15、比較例1〜2の組成を表1〜2に、評価結果を表3に示した。
本発明の樹脂組成物は、光学素子に好適な高透明性で高屈折率なレンズを作製することに適用できる。