JP2007246443A - アディポネクチン分泌促進剤、インスリン抵抗性改善剤及び抗動脈硬化剤 - Google Patents

アディポネクチン分泌促進剤、インスリン抵抗性改善剤及び抗動脈硬化剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 天然物由来の成分であって、日常生活における摂取により効果が期待できる、安全かつ効果的なアディポネクチン分泌促進剤を提供する。
【解決手段】 L−アラビノースを有効成分として含有したアディポネクチン分泌促進剤であって、該L−アラビノースは、例えば、ビートパルプ2Kgにアラバナーゼ水溶液を2L添加し、混和、55℃で24時間反応した後、反応物を圧搾し、その搾汁1.8Lを限外濾過膜(分画分子量6000)に通し得られた膜透過液を陽イオン交換カラム(ダイアイオンSKシリーズ)、陰イオン交換カラム(ダイアイオンWAシリーズ)、ならびに混床カラム(ダイアイオンSKシリーズ+PAシリーズ)に順次通し、難消化性デキストリンを添加し乾燥して得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アディポネクチン分泌促進剤、並びに該アディポネクチン分泌促進剤を含有するインスリン抵抗性改善剤及び抗動脈硬化剤に関するものである。
近年、食生活の欧米化や医療技術の発展による高齢化等、生活環境の変化に伴ない、虚血性心疾患、脳血管障害、慢性閉塞性動脈硬化症等の動脈硬化性疾患が急激に増加している。動脈硬化性疾患は、遺伝的背景に糖尿病、高脂血症、高血圧症、喫煙、感染等の動脈硬化危険因子が集積することにより惹起されるといわれている。
動脈硬化とは、動脈が弾力を失ってもろくなった状態をいい、その原因として高脂血症、血液中の細菌、ウイルス、過酸化脂質、活性酸素等が知られている。なかでも、血中コレステロール濃度の上昇は、動脈の内膜・内皮細胞が障害を受けた際に肥厚が進みやすくなるといわれており、動脈硬化の原因として特に知られている。血中コレステロール濃度を抑制・改善する薬剤としては、メバロチンに代表されるHMG−CoA阻害剤が知られており、また、β−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール等、植物中に含まれるステロール類も古来より血中コレステロール低下作用を示すことが知られており、近年再び注目を浴びている。例えば、米ヌカに含まれるγ−オリザノールは、血中脂質を低下させることにより、抗動脈硬化作用を呈することが知られており(特許文献1)、また、フィンランドの研究者らは、植物ステロール誘導体添加マーガリンの血中コレステロール改善に関する臨床データを発表している(非特許文献1)。
一方、アディポネクチンは、1995年に米国MITのLodishらにより、マウス3T3−L1細胞の分化過程に誘導される、補体C1q類似の分子:adipocyte complement−related protein of 30kD(Acrp30)として報告され(非特許文献2)、1996年、前田らによりヒト脂肪組織から新たに分離された(非特許文献3)、白色脂肪組織でのみ発現、分泌されるタンパク質である。アディポネクチンは、脂肪組織のみならず血中にも多量に存在しており、正常ヒト血中には5〜10μg/mLという高濃度で存在している(非特許文献4)。最近の研究により、アディポネクチンの発現低下または欠乏は、肥満インスリン抵抗性の原因であり、ひいては肥満および2型糖尿病の原因であることが判明している(非特許文献5)。
また、アディポネクチンは、血管平滑筋細胞の増殖抑制作用、血管内皮細胞と単球の接着阻害作用、マクロファージの貪食能の低下作用等により動脈硬化を抑制することが知られている(非特許文献6〜8)。また、冠動脈疾患患者において、血中アディポネクチン濃度が低下していることが明らかになっており、これらの知見によれば、肥満者や内臓脂肪蓄積者でアディポネクチンの分泌が低下することが、動脈硬化性疾患の発症基盤となっている可能性が示唆されている。このようなアディポネクチンの利用に関しては、例えば、アディポネクチンを含有する肝繊維化抑制剤(特許文献2)が知られている。
従来から、アディポネクチンの産生を増強する物質として、チアゾリジンジオン化合物(非特許文献9)やスタチン系化合物(特許文献3)等がある。しかしながら、このような物質は医薬品として使用されているため、安全性や副作用の点、症状によっては使用できない点等で問題がある。また、天然物由来のものとして、ウーロン茶抽出物(特許文献4)やショウガ科ウコン属根茎抽出物(特許文献5)等が挙げられるが、その効果は十分なものではなく、継続的な摂取もヒトの嗜好に大きく左右され、効果の発現が困難なものであった。
他方、L−アラビノースは、砂糖に近い味質を持ち、難吸収性を示すノンカロリーの糖質である。自然界では、高等植物のヘミセルロース中にアラビナン、アラビノキシラン又はアラビノガラクタン等多糖体の構成糖等として存在している。単糖の状態では、微量ではあるが味噌や酒等の発酵食品、インスタントコーヒー等に含まれている、食経験の豊かな糖質である。また、砂糖等、二糖の加水分解酵素を阻害することから、砂糖等摂取時の血糖値の上昇を抑制するという効果も知られている。このようなL−アラビノースの特性を利用してL−アラビノースを配合した体脂肪蓄積抑制剤(特許文献6、7)、肥満予防剤(特許文献8)、糖尿病用食品(特許文献9)等が知られている。しかしながら、L−アラビノースのアディポネクチンに対する作用はこれまでに全く知られていない。
特開昭60−248611号公報 特開2002−363094号公報 特開2005−232150号公報 特開2004−315379号公報 特開2005−60308号公報 Miettinen TA et al.,N.Engl.J.Med.,333(20),1308−12(1995) Scherer PE et al.,J.Biol.Chem.,270(45),26746−9(1995) Maeda K et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,221(2),286−9(1996) Arita Y et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,257(1),79−83(1999) Yamauchi T et al.,Nat.Med.,7(8),941−6(2001) Ouchi N et al.,Circulation.,102(11),1296−301(2000) Ouchi N et al.,Circulation.,103(8),1057−63(2001) Yokota T et al.,Blood.,96(5),1723−32(2000) Maeda N et al.,Diabetes.,50(9),2094−9(2001) 特開平7−309765号公報 特開平7−242551号公報 特再平6‐812057号公報 特開2002−136272号公報
本発明は、天然物由来の成分であって、日常生活における摂取により効果が期待できる、安全かつ効果的なアディポネクチン分泌促進剤を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた結果、L−アラビノースが、良好なアディポネクチン分泌促進活性を有することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の第一は、L−アラビノースを有効成分とすることを特徴とするアディポネクチン分泌促進剤を要旨とするものであり、また、本発明の第二は、アラビナン、アラビノキシラン又はアラビノガラクタンを含有する天然物由来の食物繊維素材に、アラビナン、アラビノキシラン又はアラビノガラクタンに作用してL−アラビノースを遊離する活性を有する酵素を作用させて得られた酵素処理物を有効成分とすることを特徴とするアディポネクチン分泌促進剤を要旨とするものである。本発明の第三は、前記したアディポネクチン分泌促進剤を含有することを特徴とするインスリン抵抗性改善剤を要旨とするものであり、本発明の第四は、前記したアディポネクチン分泌促進剤を含有することを特徴とする抗動脈硬化剤を要旨とするものである。
本発明により、天然物由来の成分であって、日常生活における摂取による効果が期待できる安全かつ効果的なアディポネクチン分泌促進剤を提供することができ、その摂取により、近年問題となっている糖尿病、動脈硬化症等に代表される生活習慣病の改善に有効であるとされるアディポネクチンの分泌が促進され、インスリン抵抗性の発現や動脈硬化の進行を穏やかに、安全かつ効果的に抑えることができるインスリン抵抗性改善剤、抗動脈硬化剤の開発に極めて有用なものとなる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第一において有効成分として用いられるL−アラビノースとしては、特に限定されず、市販のものや、あるいはコーンファイバーやアラビアガム、ビートパルプ等に含まれるアラビナン、アラビノキシラン又はアラビノガラクタン等のヘミセルロースをアルカリ抽出し、これを酵素分解又は酸分解することにより製造されるものを用いることができる。このうち、本発明者らが先に開発したL−アラビノースの製造方法並びにL−アラビノース含有酵素処理物およびその製造方法(特開2001−286294号公報参照)を用いることが好ましい。すなわち、アラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物由来の食物繊維素材を、アラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタン分解酵素により直接酵素処理することにより、L−アラビノースを遊離させる方法である。
この方法をさらに説明する。
アラビナン、アラビノキシランまたはアラビノガラクタンを含有する天然物には、オレンジファイバー、みかんジュース粕、アップルファイバー、りんごジュース粕、ビートファイバー、ビートパルプ、落花生粕、米ぬか、コーンファイバー、コーンコブ、とうもろこし粕または大豆粕等が挙げられ、なかでもビートパルプ、オレンジファイバー、アップルファイバーが酵素処理により遊離するL−アラビノース量が多い等の理由により好ましい。
作用させる酵素としては、アラビナーゼ(アラバナーゼ)、アラビノフラノシダーゼ等のアラビナン分解酵素が挙げられる。アラビナン分解酵素の起源としては、細菌(Bacillus Subtilis、Streptmyces sp.)、酵母(Rhodotorula sp.)、糸状菌(Aspergillus niger、A.oryzae、A.pulverulentus、A.terreus、A.japonicus、A.flavus、Trichoderma reesei、T.viride、Trichosporon penicillatum、Rhizopus sp.)等が挙げられるが、上記天然物との反応性の理由からAspergillus由来の酵素が好適である。特にAspergillus niger由来の酵素がより好ましい。
また、上記のほか、市販のセルラーゼやキシラナーゼ、ペクチナーゼ、ガラクタナーゼ等のヘミセルラーゼ酵素剤もまた、上記天然物からL−アラビノースを遊離する活性を有していれば使用することができる。さらに、これら異なる活性を有する二種類以上の酵素を組み合わせて、L−アラビノースの遊離量を向上させることも可能である。
L−アラビノースを遊離させる条件としては、原料である天然物100gに対して、酵素を0.4〜4000ユニット含有する水を原料に対して0.5〜50倍量投入し、20〜90℃、pH2〜9の条件で3〜48時間、静置あるいは攪拌しながら処理を行なえばよい。この場合、酵素1ユニットは、直鎖アラビナンから1分間に1マイクロモルのL−アラビノースを遊離する活性を有する酵素量とする。
このようにして得られた酵素処理物から、通常用いられる方法によりL−アラビノースの高純度品を精製することができる。具体的には、酵素処理物からの抽出、限外濾過等による多糖成分の除去、活性炭による脱色、イオン交換カラムクロマトによる脱塩、温度差による溶解度差を利用した結晶化等であるが、本発明で用いられるL−アラビノースの精製は、これらの方法に限定されるものではない。なお、結晶化に関しては、本発明者らが先に開発したL−アラビノース含有結晶性粉末糖組成物およびその製造方法(特開2004−261039号公報参照)を用いるのか好ましい。
本発明で用いられるL−アラビノースの純度としては特に限定されず、アラビナン、アラビノキシラン又はアラビノガラクタンを含有する天然物由来の食物繊維素材に、アラビナン、アラビノキシラン又はアラビノガラクタン分解酵素を直接作用させて得られた酵素処理物そのままであっても、またこの酵素処理物から、抽出、脱色、脱塩、結晶化等の精製工程を経た高純度のL−アラビノースであっても、その精製過程に得られる中間体(例えば、抽出液、脱色液、脱塩液や結晶化濾液)であっても構わない。さらに、このような酵素処理物、中間体又は高純度品の混合物であっても構わない。
なお、アラビナン、アラビノキシラン又はアラビノガラクタンを含有する天然物由来の食物繊維素材に、アラビナン、アラビノキシラン又はアラビノガラクタン分解酵素を直接作用させて得られた酵素処理物そのままを有効成分として含むものを本発明の第二としている。
本発明のアディポネクチン分泌促進剤は、上記したL−アラビノースが有効量含有していればよく、その含有量は、後述した摂取量を考慮して適宜設定することができる。
本発明のアディポネクチン分泌促進剤の形態としては、液状、あるいは液状品をソフトカプセルに封入したもの、前記した種々の賦形剤などを添加して調製した粉末、顆粒、錠剤としたもの、粉末、顆粒をさらにカプセルに封入したものなどどのような形態であってもよい。
液状品を作製する場合には、必要に応じて種々の濃度の溶液に濃縮され、そのまま、あるいは、界面活性剤、油剤、アルコール、乳化剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、増粘剤、色素、香料等の1種または2種以上を必要に応じて適宜混合することができる。また、そのようにして調製した液状品をソフトカプセルに封入してもよい。
また、粉末、顆粒、錠剤とするためには、有効成分であるL−アラビノースの他に、ラクトース、デキストロース、サッカロース、セルロース、とうもろこし澱粉および馬鈴薯澱粉等の増量剤、シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムおよびポリエチレングリコール等の滑沢剤、デンプン、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびポリビニルピロリジン等の結合剤、デンプン、アルギン酸、アルギン酸塩およびグリコール酸デンプンナトリウム等の崩壊剤、発泡剤、色素、甘味料、レシチン、ポリソルベート、ラウリル硫酸塩等の湿潤剤等を用いて、粉末、顆粒、錠剤の形状をとることができる。
さらに、本発明のアディポネクチン分泌促進剤は、種々の食物繊維を配合した形態をとってもよい。食物繊維は水溶性のものでも、不溶性のものでもよく、例えば、デキストリン、難消化性デキストリン、マンナン、ガラクトマンナン等、水溶性のもの、結晶セルロース、澱粉等、不溶性のものを配合して、粉末、顆粒、錠剤や清涼飲料、炭酸飲料等の形状をとることも可能である。例えば、水溶性食物繊維としては、松谷化学工業製の「ファイバーソル2」や「パインファイバー」等の難消化性デキストリンや、太陽化学製の「サンファイバー」等のガラクトマンナンは水溶性が高く、本発明のアディポネクチン分泌促進剤に配合する食物繊維として、特に好ましい。
本発明のアディポネクチン分泌促進剤の摂取量としては、特に限定されないが、L−アラビノース量に換算して1日あたり30mg〜5gであることが好ましく、60mg〜1gであることがさらに好ましい。摂取量が30mgよりも少ない場合、アディポネクチン分泌促進の効果を得るには十分でなく、5gより多く摂取してももはや効果が増大することはないからである。なお、L−アラビノースとしての最大無作用量は限度試験において5g/Kg以上であり、成人(平均体重50Kgとした)の場合で5g程度の摂取はなんら問題がない。
本発明のアディポネクチン分泌促進剤が有する作用は、L−アラビノースのα−グルコシダーゼ阻害活性に起因すると推察される。L−アラビノースのα−グルコシダーゼ阻害の作用機序について詳述すると、檜作進氏の報文(J.Appl.Glucosci.,46(1999))によれば、L−アラビノースは十二指腸、小腸粘膜の微絨毛膜表面(粘膜刷毛縁)に局在するマルターゼやスクラーゼ等の二糖類分解酵素を不拮抗型で阻害する。その結果、摂取した炭水化物のグルコースやフルクトースへの分解が緩やかに起こるようになるため、十二指腸や空腸上部での吸収が少なくなり、小腸中部、下部で消化吸収するようになる。この作用により、炭水化物由来のカロリー摂取が抑えられると、蓄積脂肪の燃焼が促進され、脂肪細胞の肥大化が抑えられると考えられる。肥大化を抑えられた成熟脂肪細胞は活発にアディポネクチンの産生を行なうため、結果として、L−アラビノースはアディポネクチン分泌促進活性を有するというものである。
さらに、L−アラビノースの摂取によってアディポネクチンの分泌が促進されると、インスリン感受性亢進作用を示し、筋肉中でグルコースの取込みと脂肪の酸化が起こり、また、肝臓では脂肪酸の取込みとグルコース生成の減少がみられ、結果、インスリン抵抗性改善作用を示すと考えられる。また、アディポネクチンの分泌が促進されると、単球の血管内皮細胞への接着の抑制、マクロファージの脂肪蓄積ならびに泡沫化の抑制、平滑筋細胞の増殖、遊走の抑制等の作用を示し、結果、抗動脈硬化作用を発揮すると考えられる。よって、本発明のアディポネクチン分泌促進剤は、インスリン抵抗性改善剤、ならびに、抗動脈硬化剤として有効利用することができる。
本発明の第三のインスリン抵抗性改善剤は、本発明の第一のアディポネクチン分泌促進剤を含有するものであり、その形態は特に限定されない。上記アディポネクチン分泌促進剤をそのままでも、また、本発明のインスリン抵抗性改善の作用を妨げない限り、種々の添加剤、具体的には、界面活性剤、油剤、アルコール、乳化剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、増粘剤、色素、香料等の1種又は2種以上を必要に応じて適宜配合したものであってもよい。また、アディポネクチン分泌促進剤の含有量は前述したアディポネクチン分泌促進剤の摂取量を考慮して適宜設定すればよい。
さらに、他のアディポネクチン分泌促進作用、脂肪蓄積抑制作用、脂肪細胞分化誘導作用を持つ成分を含む天然物等との混合も可能である。そのようなものには、カプサイシンを含むトウガラシ、コショウ、サンショウ、カラシ等、含硫化合物を含むニラ、タマネギ、ニンニク、ネギ、ラッキョウ等の、カフェインを含むコーヒー、紅茶、緑茶等、シナモン、カテキン、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、分岐鎖アミノ酸、L−カルニチン、アンセリン、カルノシン、植物ステロール等を含む種々の天然物、および、それらの粉末、加工品等が挙げられる。
本発明の第四の抗動脈硬化剤は、本発明の第一のアディポネクチン分泌促進剤を含有するものであり、その形態は特に限定されない。上記アディポネクチン分泌促進剤をそのままでも、また、本発明の抗動脈硬化の作用を妨げない限り、種々の添加剤、具体的には、界面活性剤、油剤、アルコール、乳化剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、増粘剤、色素、香料等の1種又は2種以上を必要に応じて適宜配合してもよい。また、アディポネクチン分泌促進剤の含有量は前述したアディポネクチン分泌促進剤の摂取量を考慮して適宜設定すればよい。
さらに、他のアディポネクチン分泌促進作用、脂肪蓄積抑制作用、脂肪細胞分化誘導作用を持つ成分を含む天然物等との混合も可能である。そのようなものには、カプサイシンを含むトウガラシ、コショウ、サンショウ、カラシ等、含硫化合物を含むニラ、タマネギ、ニンニク、ネギ、ラッキョウ等の、カフェインを含むコーヒー、紅茶、緑茶等、シナモン、カテキン、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、分岐鎖アミノ酸、L−カルニチン、アンセリン、カルノシン、植物ステロール等を含む種々の天然物、および、それらの粉末、加工品等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、L−アラビノースの定量は高速液体クロマトグラフ法(カラム;アミネックスHPX−87H(バイオラッド社製)、カラム温度;60℃、移動相;0.005N硫酸、流速0.6mL/分、検出;示差屈折率)により行なった。
実施例1〔アディポネクチン分泌促進剤の製造1〕
りんごパルプ(ニチロ製)200gに、スミチームARS(新日本化学製、アラバナーゼ力価400ユニット/mL)2%の水溶液を200mL添加し、混和、55℃で24時間反応した。反応物を真空乾燥(40℃、48時間)し、酵素処理物195gを得た。この酵素処理物には、L−アラビノースが14.1g(固形分中の純度;7.4%)含まれていた。この酵素処理物をボールミルにて粉砕し、水分を添加した後、押出造粒装置にて粒径0.8mmの顆粒状のアディポネクチン分泌促進剤とした。
実施例2〔アディポネクチン分泌促進剤の製造2〕
みかんパルプ(愛媛県農協製)200gに、スミチームPX(新日本化学製、アラバナーゼ力価100ユニット/mL)2%の水溶液を400mL添加し、混和、55℃で24時間反応した。反応物を圧搾し、液状タイプのアディポネクチン分泌促進剤360mL(L−アラビノース;17.8g、固形分中の純度;18.2%)を得た。
実施例3〔アディポネクチン分泌促進剤の製造3〕
ビートパルプ(北海道糖業製)2KgにスミチームPX(新日本化学製、アラバナーゼ力価100ユニット/mL)2%の水溶液を2L添加し、混和、55℃で24時間反応した。反応物を圧搾し、その搾汁1.8Lを限外濾過膜(分画分子量6000)に通し、膜透過液4Lを得た。これを陽イオン交換カラム(ダイアイオンSKシリーズ)、陰イオン交換カラム(ダイアイオンWAシリーズ)、ならびに混床カラム(ダイアイオンSKシリーズ+PAシリーズ)に順次通し、脱塩処理液をロータリーエバポレータにて濃縮し、濃縮液1Lを得た。ここへ、難消化性デキストリン(松谷化学工業製、パインファイバー)1.4Kgを添加し、水で40Lまで希釈した。希釈液をスプレイドライ装置にかけ、水分を蒸発させ、白色〜淡黄色の粉末タイプのアディポネクチン分泌促進剤1.8Kg(L−アラビノース;12.5重量%)を得た。
実施例4〔アディポネクチン分泌促進剤の製造4〕
ビートパルプ(北海道糖業製)2KgにスミチームPX(新日本化学製、アラバナーゼ力価100ユニット/mL)2%の水溶液を2L添加し、混和、55℃で24時間反応した。反応物を圧搾し、その搾汁1.8Lを限外濾過膜(分画分子量6000)に通し、膜透過液4Lを得た。これを陽イオン交換カラム(三菱化学製、ダイアイオンSKシリーズ)、陰イオン交換カラム(同、ダイアイオンWAシリーズ)、ならびに混床カラム(同、ダイアイオンSKシリーズ+PAシリーズ)に順次通し、脱塩処理液をロータリーエバポレータにて濃縮し、固形分濃度70%の濃縮液とした。この濃縮液を徐々に10℃まで冷却し、結晶化を行なった。析出した結晶を遠心濾過装置により分離し、真空乾燥、粉砕の工程を経て、白色の粉末タイプのアディポネクチン分泌促進剤146g(L−アラビノース;96.2重量%)を得た。
実施例5〔インスリン抵抗性改善剤、抗動脈硬化剤の製造1〕
ロータリー式自動ソフトカプセル充填機を用いて、実施例2と同様にして得られた液状タイプのアディポネクチン分泌促進剤を、ゼラチンを主成分とする10mm×7mmのソフトカプセルに700μLずつ封入し、ソフトカプセルタイプのインスリン抵抗性改善剤あるいは抗動脈硬化剤(1粒あたりL−アラビノースとして35mg含有する)とした。
実施例6〔インスリン抵抗性改善剤、抗動脈硬化剤の製造2〕
実施例4と同様にして得られた粉末タイプのアディポネクチン分泌促進剤3重量部と乳糖60重量部、コーンスターチ40重量部を均一に混合し、打錠装置にて、径6mm0.5g/錠の錠剤タイプのインスリン抵抗性改善剤あるいは抗動脈硬化剤(1錠あたりL−アラビノースとして15mg含有する)とした。
試験例1〔アディポネクチン分泌促進活性〕
2型糖尿病モデル動物であるKK/TaJcl系雄性マウス(日本クレア製、4週齢)を、ショ糖を25%含む高ショ糖食を給餌した群(C群)、実施例3にて得られたアディポネクチン分泌促進剤を高ショ糖食に10%追加して給餌した群(N群、L−アラビノース平均摂取量;2.0g/Kg/日)、実施例4にて得られたアディポネクチン分泌促進剤を高ショ糖食に0.75%追加して給餌した群(A群、L−アラビノース平均摂取量;1.2g/Kg/日)に分け、20週間飼育した。飼育期間中6〜7週おきに、一晩絶食状態としたマウスの尾静脈血を採取した。0.2M EDTA/生理食塩水1容量に血液1容量を加え、よく混和した後、遠心分離(3000r.p.m.×10分)により血球成分を除いた2倍希釈血漿を得た。これをサンプルとして、アディポネクチン定量ELISAキット(R&Dシステムズ社製、酵素免疫法)によりアディポネクチン量の定量を行なった。結果を図1に示した。図1より明らかなように、本発明のアディポネクチン分泌促進剤は、強いアディポネクチン分泌促進作用を有する。
試験例2〔インスリン抵抗性改善作用〕
2型糖尿病モデル動物であるKK/TaJcl系雄性マウス(日本クレア製、4週齢)を、ショ糖を25%含む高ショ糖食を給餌した群(C群)、実施例3にて得られたアディポネクチン分泌促進剤を高ショ糖食に10%追加して給餌した群(N群、L−アラビノース平均摂取量;2.0g/Kg/日)、実施例4にて得られたアディポネクチン分泌促進剤を高ショ糖食に0.75%追加して給餌した群(A群、L−アラビノース平均摂取量;1.2g/Kg/日)に分け、20週間飼育した。飼育期間中6〜7週おきに、一晩絶食状態としたマウスの尾静脈血を採取した。0.2M EDTA/生理食塩水1容量に血液1容量を加え、よく混和した後、遠心分離(3000r.p.m.×10分)により血球成分を除いた2倍希釈血漿を得た。これをサンプルとして、インスリンC−ペプチド定量ELISAキット(矢内原研究所製、酵素免疫法)によりインスリンC−ペプチド量の定量を行なった。空腹時血糖値及び空腹時血中インスリンC−ペプチド量の変化をモニタし、結果をそれぞれ表1及び表2に示した。空腹時血糖値に空腹時血中インスリンC−ペプチド量を乗じた値をインスリン抵抗性指数とし、試験期間中の推移を観察した。
結果を図2に示した。図2より明らかなように、本発明のアディポネクチン分泌促進剤は、有効なインスリン抵抗性改善作用を示した。
アディポネクチン分泌促進剤を摂取させた2型糖尿病モデルマウスにおける血中アディポネクチン量の変化を観察した結果を示すものである。 アディポネクチン分泌促進剤を摂取させた2型糖尿病モデルマウスにおけるインスリン抵抗性指数の変化を観察した結果を示すものである。

Claims (4)

  1. L−アラビノースを有効成分とすることを特徴とするアディポネクチン分泌促進剤。
  2. アラビナン、アラビノキシラン又はアラビノガラクタンを含有する天然物由来の食物繊維素材に、アラビナン、アラビノキシラン又はアラビノガラクタンに作用してL−アラビノースを遊離する活性を有する酵素を作用させて得られた酵素処理物を有効成分とすることを特徴とするアディポネクチン分泌促進剤。
  3. 請求項1又は2記載のアディポネクチン分泌促進剤を含有することを特徴とするインスリン抵抗性改善剤。
  4. 請求項1又は2記載のアディポネクチン分泌促進剤を含有することを特徴とする抗動脈硬化剤。
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