JP2007245963A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トランスアクスルを反転させる際、従来の部品を最大限共用することができ、しかもトランスアクスルの大型化を抑制することができる車両用動力伝達装置を提供する。
【解決手段】第2車両用動力伝達装置58の第3軸心56を車両の前方側に位置するように反転させる際、第2内角θ2を一定に保持し、第1車両用動力伝達装置60と同様の軸配置にすれば、出力軸26にかかる合力は変化せず、軸等の部品を変更することなく車両用動力伝達装置を構成することができる。これにより、第2車両用動力伝達装置58を反転させる際、出力軸26などの軸部材は共有することができ、従来の部品を最大限共有できる車両用動力伝達装置を構成することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両に備えられる車両用動力伝達装置にかかり、特に、変速機と終減速機とが1つのケース内に収容されたトランスアクスルの軸の配置に関するものである。
車両に備えられる車両用動力伝達装置において、変速機と終減速機とが1つのケース内に収容されたトランスアクスルが知られている。トランスアクスルは、車両の構造上、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)式車両、或いはRR(リアエンジン・リアドライブ)式車両に採用され、FF式車両においては、エンジンの回転軸を横置きに配置し、エンジンの回転軸と同方向にトランスアクスル内に収容された各回転軸を配置した、横置き式のトランスアクスルが主に採用されている。ここで、主な横置き式のトランスアクスルは、車両の前方から後方に向かうに従って、エンジンの出力が伝達される変速機の入力軸、変速機の出力を終減速機に伝達する出力軸、および終減速機と順次配設されていた。
ところで、車両の直進安定性を向上させるための1つの方法として、車両の前後車軸の水平距離であるホイルベースを拡大させる方法がある。このホイルベース拡大の観点から、車両の前方から後方に向かうに従って、前輪車軸と同軸に位置する終減速機の駆動軸、出力軸、入力軸と順次配設された構造のトランスアクスルが提案されている。たとえば、特許文献1のトランスアクスルがそれであり、終減速機を車両前方に配置させることで、前輪車軸が車両の前方に配置され、ホイルベースが拡大されている。
特開平2−204131号公報
ところで、特許文献1のような終減速機を車両前方に配置させる構造においても、従来から使用されている部品を極力共用化することが望まれる。そこで、従来の終減速機が車両の後方側に位置するトランスアクスル200を単純に前後を反転させた場合について、図5および図6を用いて説明する。図5および図6は、トランスアクスル200内に配置される入力軸202、出力軸204、および終減速機内に設けられ前輪車軸と同軸に位置するファイナルギヤ206の配置位置を簡略的に示したトランスアクスル200の軸配置図である。ここで、図5は、車両の前方から後方に向かって入力軸202、出力軸204、ファイナルギヤ206と順次配設されたものであり、従来から主に採用されてきた軸配置である。この図5の軸配置において、図示しないエンジンによって入力軸202を駆動させると、入力軸202と出力軸204との間の歯車の噛合によって出力軸204にかけられる荷重f1と、出力軸204とファイナルギヤ206との間の歯車の噛合によって出力軸204にかけられる荷重f2とが発生する。この荷重f1と荷重f2とを合成することで、出力軸204にかけられる合力fが求められる。
図6は、図5に示される軸配置の位置を保持しつつ前後を反転させたものである。図6では、トランスアクスル200を反転させたことにより、車両の前方から後方に向かってファイナルギヤ206、出力軸204、入力軸202と順次配設されている。この図6の構成において、図示しないエンジンによって入力軸202を駆動させると、入力軸202と出力軸204との間の歯車の噛合によって出力軸204にかけられる荷重F1と、出力軸204とファイナルギヤ206との歯車の噛合よって出力軸204にかけられる荷重F2とが発生する。この荷重F1と荷重F2とを合成することで、出力軸204にかけられる合力Fが求められる。この図5の合力fと、図6の合力Fとを比較すると合力Fは合力fに比べて大きくなる。これより、軸の位置を保持したままでトランスアクスル200を反転させた場合、出力軸204にかけられる荷重が増加するため、軸径を大きくする必要がある。すなわち、軸の配置を変えることなくトランスアクスル200を反転させただけでは、部品の共用化は強度的に不可能であり、仮に前述したように反転させるには、トランスアクスル200の反転を見越して、図5の軸径を予め大きく設計するなど、トランスアクスル200を大型化しなければならなかった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、トランスアクスルを反転させる際、従来の部品を最大限共用することができ、しかもトランスアクスルの大型化を抑制することができる車両用動力伝達装置を提供することにある。
上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)車両の幅方向において互いに平行な第1軸心および第2軸心まわりに設けられた入力軸および出力軸を有する平行軸式変速機と、その出力軸に平行な第3軸心まわりに設けられ、その出力軸からの動力を一対の駆動輪に分配する終減速機とが、共通のトランスアクスルケース内に収容された第1および第2の車両用動力伝達装置であって、(b)前記第1の車両用動力伝達装置は、(c)前記車両の前部から後部に向かうに従って前記第3軸心、第2軸心、および第1軸心が順次配設され、且つ、その第3軸心、第2軸心、第1軸心に直交する断面においてその第2軸心がその第1軸心と第3軸心を結ぶ直線よりも上側に位置しているものであり、(d)前記第2の車両用動力伝達装置は、(e)前記車両の前部から後部に向かうに従って前記第1軸心、第2軸心、および第3軸心が順次配設され、且つ、その第1軸心、第2軸心、および第3軸心に直交する断面においてその第2軸心がその第1軸心とその第3軸心とを結ぶ直線よりも下側に位置しているものであり、(f)前記第1の車両用動力伝達装置の断面において、前記第3軸心、第2軸心、および第1軸心を相互に結ぶ3直線から構成される3角形のその第1軸心と第2軸心とを結ぶ直線と、その第2軸心と第3軸心とを結ぶ直線とが、成す第1内角と、(g)前記第2の車両用動力伝達装置の断面において、前記第1軸心、第2軸心、および第3軸心を相互に結ぶ3直線から構成される3角形のその第1軸心と第2軸心とを結ぶ直線と、その第2軸心と第3軸心とを結ぶ直線とが、成す第2内角とが、互いに同じ角度であることを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の第1および第2の車両用動力伝達装置において、前記断において、前記第3軸心、第2軸心、および第1軸心を相互に結ぶ3直線から構成される3角形のその第1軸心と第2軸心とを結ぶ直線と、その第2軸心と第3軸心とを結ぶ直線とが、成す第1および第2内角が、30乃至150度の範囲内であることを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項2の第1および第2の車両用動力伝達装置において、前記第1および第2内角は、40乃至60度の範囲内であることを特徴とする。
請求項1にかかる発明の車両用動力伝達装置によれば、前記第1の車両用動力伝達装置は、車両の前部から後部に向かうに従って第3軸心、第2軸心、および第1軸心が順次配設され、第3軸心、第2軸心、および第1軸心に直交する断面において、第2軸心が第1軸心と第3軸心とを結ぶ直線よりも上側に位置することで、第1の車両用動力伝達装置の駆動の際に第2軸心に対応する出力軸にかかる合力が比較的小さくなり、第1の車両用動力伝達装置をコンパクトにすることができる。また、前記第2の車両用動力伝達装置は、車両の前部から後部に向かうに従って第1軸心、第2軸心、および第3軸心が順次配設され、第1軸心、第2軸心、および第3軸心に直交する断面において、第2軸心が第1軸心と第3軸心とを結ぶ直線よりも下側に位置することで、第2の車両用動力伝達装置の駆動の際に第2軸心に対応する出力軸にかかる合力が比較的小さくなり、第2の車両用動力伝達装置をコンパクトにすることができる。ここで、第1の車両用動力伝達装置の断面において、第3軸心、第2軸心、および第1軸心を相互に結ぶ3直線から構成される3角形の第1軸心と第2軸心とを結ぶ直線と、第2軸心と第3軸心とを結ぶ直線とが、成す第1内角と、前記第2の車両用動力伝達装置の断面において、第1軸心、第2軸心、および第3軸心を相互に結ぶ3直線から構成される3角形の第1軸心と第2軸心とを結ぶ直線と、第2軸心と第3軸心とを結ぶ直線とが、成す第2内角とが互いに同じ角度であれば、第2軸心に対応する出力軸にかかる合力が等しくなる。すなわち、第2の車両用動力伝達装置の第3軸心を車両の前方側に位置するように反転させる際、第2内角を一定に保持しつつ、前記第1の車両用動力伝達装置と同様の軸配置にすれば、出力軸にかかる合力は変化せず、軸部材等の部品を変更することなく車両用動力伝達装置を構成することができる。これにより、第2の車両用動力伝達装置を反転させる際、出力軸などの軸部材は共有することができ、トランスアクスルケースおよびその周辺部材を変えるだけで済むため、従来の部品を最大限共有することができる車両用動力伝達装置を構成することができる。
また、請求項2にかかる発明の車両用動力伝達装置によれば、前記第3軸心、第2軸心、および第1軸心を相互に結ぶ3直線から構成される3角形の第1軸心と第2軸心とを結ぶ直線と、第2軸心と第3軸心とを結ぶ直線とが、成す第1および第2内角が30乃至150度の範囲においては、比較的出力軸に負荷される合力が小さくなるため、コンパクトな第1および第2の車両用動力伝達装置を設計することができる。
また、請求項3にかかる発明の車両用動力伝達装置によれば、前記第1および第2内角が40乃至60度の範囲においては、車両用動力伝達装置の駆動の際に出力軸にかけられる合力が特に小さくなるため、軸径をさらに小さくすることができ、車両用動力伝達装置をコンパクトにすることができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用動力伝達装置10の骨子図である。図1の車両用動力伝達装置10は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両用のものであり、走行用駆動源としてのエンジン12、クラッチ14、変速機16、終減速機18を備えている。
変速機16および終減速機18は、共に共通のトランスアクスルケース20内に配設されてトランスアクスル22を構成している。変速機16は、車両の車幅方向に互いに平行な一対の入力軸24、出力軸26間にギヤ比が異なる複数の変速ギヤ対28a〜28eが配設されると共に、それらの変速ギヤ対28a〜28eに対応して複数の噛合クラッチ30a〜30eが設けられた平行軸式の変速機構と、それらの噛合クラッチ30a〜30eの3つのクラッチハブスリーブ32a、32b、32cの何れかを選択的に移動させて変速段を切り換えるシフト・セレクトシャフト34とを備えており、前進5段の変速段が成立させられるようになっている。入力軸24および出力軸26にはさらに後進ギヤ対36が配設され、図示しない出力シャフトに配設された後進用アイドル歯車と噛み合わされることにより後進変速段が成立させられるようになっている。出力軸26には、出力歯車38が配設されて終減速機18のファイナルギヤ40と噛み合わされている。
前記シフト・セレクトシャフト34を操作することにより、噛合クラッチ30eが係合されると、変速比(入力軸24の回転数/出力軸26の回転数)が最も大きい第1変速段が成立させられる。また、噛合クラッチ30dが係合されることにより変速比が2番目に大きい第2変速段が成立させられ、噛合クラッチ30cが係合されることにより変速比が3番目に大きい第3変速段が成立させられ、噛合クラッチ30bが係合されることにより変速比が4番目に大きい第4変速段が成立させられ、噛合クラッチ30aが係合されることにより変速比が最も小さい第5変速段が成立させられる。
終減速機18は、傘歯車式のもので、一対のサイドギヤ42R、42Lにはそれぞれドライブシャフト44R、44Lがスプライン嵌合などによって連結され、出力軸26からの動力を左右の前輪(駆動輪)46R、46Lに分配し、回転駆動させる。
図2は、前述したトランスアクスル22内に配設された入力軸24、出力軸26、および終減速機18のファイナルギヤ40の配置位置を簡略的に示した配置図であり、図1においては、たとえば第1変速段が成立させられているものとして、破線で示される断面より矢印Aの方向から見たものである。図2において、右側に位置する最も小さい円は、入力軸24に設けられているたとえば第1変速段に対応する噛合ギヤ対28eの第1歯車48を示しており、中央に位置する円が出力軸26に設けられているたとえば第1変速段に対応する噛合ギヤ対28eの第2歯車50、或いは出力歯車38を示しており、左側に位置する最も大きい円が終減速機18のファイナルギヤ40を示している。なお、図1に示されるように、噛合ギヤ対28eの第2歯車50および出力歯車38の歯車径は、異なるものであるが、図2においては、軸の配置および後述する軸にかかる力の関係を説明するためのものであるため、第2歯車50および出力歯車38は軸径が等しいものと見なし、これらの歯車は1つの円で記載する。ここで、第1歯車48の軸心は入力軸24と同軸心であり第1軸心52と定義する。また、第2歯車50(出力歯車38)の軸心は出力軸26と同軸心であり第2軸心54と定義し、ファイナルギヤ40の軸心を第3軸心56と定義する。
図2の軸配置では、車両の前部から後部に向かうに従って第1軸心52、第2軸心54、および第3軸心56と順次配設されており、この図2に示される第1軸心52、第2軸心54、および第3軸心56に直交する断面において第2軸心54が第1軸心52と第3軸心56とを結ぶ直線よりも下側に位置している。また、この図2の配置は、図1においては上方側が車両の前方側に対応、すなわち入力軸24が、出力軸26およびファイナルギヤ40よりも車両の前方側に位置する車両用動力伝達装置(以後、第2車両用動力伝達装置58とする)である。なお、このように配置された第2車両用動力伝達装置58が、本発明の第2の車両用動力伝達装置に対応している。
この図2に示される軸配置において、エンジン12が駆動すると、第1歯車48と第2歯車50(出力歯車38)との間の歯車の噛合によって第2歯車50(出力歯車38)にかけられるラジアル方向の軸荷重t1 と接戦方向の軸荷重t1 とが発生し、これらの軸荷重を合成すると、第1合力t1が求められる。また、第2歯車50(出力歯車38)とファイナルギヤ40との間の歯車の噛合によって第2歯車50(出力歯車38)にかけられるラジアル方向の軸荷重t2 と接戦方向の軸荷重t2 が発生し、これらの軸荷重を合成すると、第2合力t2が求められる。この第1合力t1および第2合力t2を合成すると、出力軸26に負荷される合力tが求められる。
図4は、第2車両用動力伝達装置58の駆動の際に発生する合力tの大きさと内角θとの関係を計算によって算出したグラフである。ここで内角θとは、図2に示される第1軸心52、第2軸心54、および第3軸心56を相互に結ぶ3直線から構成される3角形の第1軸心52と第2軸心とを結ぶ直線と、第2軸心54と第3軸心56とを結ぶ直線とが成す内角を示している。なお、本実施例においては、第2車両用動力伝達装置58によって形成される内角を第2内角θ2と定義する。図4において、第2動力伝達装置58の合力tと第2内角θ2の関係は、破線で示されるものであり、図4の内角θが180の位置より右側に表示される破線を参照する。たとえば、図2の第2動力伝達装置58では、第2内角θ2が約150度となっており、その際に出力軸26に負荷される合力tは、図4の破線と一点鎖線との交点に対応する大きさであるB(N)となる。また、図4に示されるように、第2内角θ2が30乃至150度の範囲内で比較的合力tが低くなっており、実用に適した角度範囲となっている。さらに第2内角θ2が40乃至60度の範囲では特に合力tが小さくなっており、軸径を小さくしたい際には最も適した内角θとなっている。なお、図4において、第2内角θ2が180度の位置より左側の位置においても破線が描かれているが、この左側の破線は、車両の前方から後方に向かうに従って第1軸心52、第2軸心54、および第3軸心56と第2車両用動力伝達装置58と同様に順次配設されているが、第1軸心52、第2軸心54、および第3軸心56に直交する断面において第2軸心54が第1軸心52と第3軸心56とを結ぶ直線よりも上側に位置している状態の第2内角θ2と合力の関係を示している。この図4より、第2軸心54が第1軸心52と第3軸心56とを結ぶ直線よりも上側に位置する状態では、合力tが全体的に大きくなることが示されている。
図3に示される軸配置では、車両の前部から後部に向かうに従って第3軸心56、第2軸心54、および第1軸心52と順次配設されており、第3軸心56、第2軸心54、第1軸心52に直交する断面において第2軸心54が第1軸心52と第3軸心56とを結ぶ直線よりも上側に位置している。この図3の配置は、図1においては下方側が車両の前方に対応、すなわちファイナルギヤ40が、入力軸24および出力軸26よりも車両の前方に位置する車両用動力伝達装置(以後、第1車両用動力伝達装置60とする)である。なお、このように配置された第1車両用動力伝達装置60が、本発明の第1の動力伝達装置に対応している。
この図3に示される軸配置において、エンジン12が駆動すると、第1歯車48と第2歯車50(出力歯車38)との間の歯車の噛合によって第2歯車50(出力歯車38)にかけられるラジアル方向の軸荷重T1 と接線方向の軸荷重T1 とが発生し、これらの軸荷重を合成すると、第1合力T1が求められる。また、第2歯車50(出力歯車38)とファイナルギヤ40との間の噛合によって第2歯車50(出力歯車38)にかけられるラジアル方向の軸荷重T2 と接線方向の軸荷重T2 とが発生し、これらの軸荷重を合成すると、第2合力T2が求められる。これらの軸荷重を合成すると、出力軸26に負荷される合力Tが求められる。
図4において、実線で示されるものが上述した構成の第1車両用動力伝達装置60の合力Tと内角θとの関係を示したグラフである。なお、本実施例においては、第1車両用動力伝達装置60によって形成される内角を第1内角θ1と定義する。ここで、第1車両用動力伝達装置60では、図4において内角θが180度の位置より左側に表示される実線を参照する。たとえば図3の第1車両用動力伝達装置60では、第1内角θ1が約150度となっており、その際に出力軸26に負荷される合力Tは、図4の実線と一点鎖線との交点に対応する大きさであるB(N)となる。図4に示されるように、第1内角θ1が30乃至150度の範囲内で比較的合力Tが低くなっており、実用に適した角度範囲となっている。さらに第1内角θ1が40乃至60度の範囲では特に合力Tが小さくなっており、軸径を小さくしたい際には最も適した内角θとなっている。なお、図4において、第1内角θ1が180度の位置より右側の位置においても実線が描かれているが、この右の実線は、車両の前方から後方に向かうに従って第3軸心56、第2軸心54、および第1軸心52と第1車両用動力伝達装置60と同様に順次配設されているが、第3軸心56、第2軸心54、および第1軸心52に直交する断面において第2軸心54が第1軸心52と第3軸心56とを結ぶ直線よりも下側に位置している状態の第1内角θ1と合力の関係を示している。この図4より、第2軸心54が第1軸心52と第3軸心56とを結ぶ直線よりも下側に位置する状態では、合力Tが全体的に大きくなることが示されている。
また、図4に示されるように、図4の内角θが180度の位置を境にして、左側に示される実線と、右側に示される破線とは、その内角θが180度の位置を中心として左右対称のグラフとなっている。すなわち、第1車両用動力伝達装置60の断面において、第3軸心56、第2軸心54、および第1軸心52を相互に結ぶ3直線から構成される3角形の第1軸心52と第2軸心54とを結ぶ直線と、第2軸心54と第3軸心56とを結ぶ直線とが、成す第1内角θ1と、第2車両用動力伝達装置58の断面において、第1軸心52、第2軸心54、および第3軸心56を相互に結ぶ3直線から構成される3角形の第1軸心52と第2軸心54とを結ぶ直線と、第2軸心54と第3軸心56とを結ぶ直線とが、成す第2内角θ2において、この第1内角θ1と第2内角θ2とが等しい構成であれば、それぞれの出力軸26に負荷される合力t、Tが等しくなる。
具体的には、たとえば図2の第2車両用動力伝達装置58タイプの軸配置は、第2内角θ2が約150度となっており、図3の第1車両用動力伝達装置60タイプの軸配置は、第1内角θ1が約150度となっており、互いの内角θ1、θ2が等しくなっている。このような構成においては、出力軸26に負荷される合力がB(N)と互いに等しくなる。
これより、図2のように軸配置された第2車両用動力伝達装置58をホイルベースを拡大するため、図3のようにファイナルギヤ40を車両の前方側に位置するように反転させる際には、第2内角θ2を一定に保ち、第2軸心54を第1軸心52と第3軸心56とが結ぶ直線よりも上側に位置するように各軸を配置すると、出力軸26に負荷される合力が等しくなり、軸径を変えることなく反転させることができる。すなわち、入力軸24、出力軸26、終減速機18などの部品は共通の部品が使用でき、これらの部品を収容するトランスアクスルケース20などを変更するだけで反転が可能となる。
上述のように、前述の実施例によれば、第1車両用動力伝達装置60は、車両の前部から後部に向かうに従って第3軸心56、第2軸心54、および第1軸心52が順次配設され、第3軸心56、第2軸心54、および第1軸心52に直交する断面において、第2軸心54が第1軸心52と第3軸心56とを結ぶ直線よりも上側に位置することで、第1車両用動力伝達装置60の駆動の際に第2軸心54に対応する出力軸26にかかる合力Tが比較的小さくなり、第1車両用動力伝達装置60をコンパクトにすることができる。また、第2車両用動力伝達装置58は、車両の前部から後部に向かうに従って第1軸心52、第2軸心54、および第3軸心56が順次配設され、第1軸心52、第2軸心54、および第3軸心56に直交する断面において、第2軸心54が第1軸心52と第3軸心56とを結ぶ直線よりも下側に位置することで、第2車両用動力伝達装置58の駆動の際に第2軸心54に対応する出力軸26にかかる合力tが比較的小さくなり、第2車両用動力伝達装置58をコンパクトにすることができる。ここで、第1車両用動力伝達装置60の断面において、第3軸心56、第2軸心54、および第1軸心52を相互に結ぶ3直線から構成される3角形の第1軸心52と第2軸心54とを結ぶ直線と、第2軸心54と第3軸心56とを結ぶ直線とが、成す第1内角θ1と、第2車両用動力伝達装置58の断面において、第1軸心52、第2軸心54、および第3軸心56を相互に結ぶ3直線から構成される3角形の第1軸心52と第2軸心54とを結ぶ直線と、第2軸心54と第3軸心56とを結ぶ直線とが、成す第2内角θ2とが互いに同じ角度であれば、第2軸心54に対応する出力軸26にかかる合力が等しくなる。すなわち、第2車両用動力伝達装置58の第3軸心56を車両の前方側に位置するように反転させる際、第2内角θ2を一定に保持し、第1車両用動力伝達装置60と同様の軸配置にすれば、出力軸26にかかる合力は変化せず、軸等の部品を変更することなく車両用動力伝達装置を構成することができる。これにより、第2車両用動力伝達装置58を反転させる際、出力軸26などの軸部材は共有することができ、トランスアクスル22のトランスアクスルケース20およびその周辺部材を変えるだけで済むため、従来の部品を最大限共有できる車両用動力伝達装置を構成することができる。
また、前述の実施例によれば、第3軸心56、第2軸心54、および第1軸心52を相互に結ぶ3直線から構成される3角形の第1軸心52と第2軸心54とを結ぶ直線と、第2軸心54と第3軸心56とを結ぶ直線とが、成す第1および第2内角θ1、θ2が30乃至150度の範囲においては、比較的出力軸26に負荷される合力Tが小さくなるため、コンパクトな第1および第2車両用動力伝達装置60、58を設計することができる。
また、前述の実施例によれば、第1および第2内角θ1、θ2が40乃至60度の範囲においては、第1および第2車両用動力伝達装置60、58の駆動の際に、出力軸にかけられる合力Tが特に小さくなるため、軸径をさらに小さくすることができ、第1および第2車両用動力伝達装置60、58をコンパクトにすることができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両用のものであったが、RR(リアエンジン・リアドライブ)など他の形式の車両にも本発明は適用することができる。
また、前述の実施例では、変速機16は入力軸24および出力軸26の2軸を備えた平行軸式変速機であったが、たとえば入力軸およびカウンタ軸を備えた自動変速機など、他の形式の変速機にも適用することができる。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明が適用された車両用動力伝達装置の骨子図である。 入力軸、出力軸、およびファイナルギヤの配置位置を簡略的に示した第2車両用動力伝達装置の配置図である。 入力軸、出力軸、およびファイナルギヤの配置位置を簡略的に示した第1車両用動力伝達装置の配置図である。 車両用動力伝達装置の駆動の際に発生する合力の大きさと内角との関係を示したグラフである。 入力軸、出力軸、およびファイナルギヤの配置位置を簡略的に示した他の配置図である。 入力軸、出力軸、およびファイナルギヤの配置位置を簡略的に示した他の配置図である。
符号の説明
10:車両用動力伝達装置 18:終減速機 20:トランスアクスルケース 24:入力軸 26:出力軸 52:第1軸心 54:第2軸心 56:第3軸心 58:第2車両用動力伝達装置(第2の車両用動力伝達装置) 60:第1車両用動力伝達装置(第1の車両用動力伝達装置) θ1:第1内角 θ2:第2内角

Claims (3)

  1. 車両の幅方向において互いに平行な第1軸心および第2軸心まわりに設けられた入力軸および出力軸を有する平行軸式変速機と、該出力軸に平行な第3軸心まわりに設けられ、該出力軸からの動力を一対の駆動輪に分配する終減速機とが、共通のトランスアクスルケース内に収容された第1および第2の車両用動力伝達装置であって、
    前記第1の車両用動力伝達装置は、
    前記車両の前部から後部に向かうに従って前記第3軸心、第2軸心、および第1軸心が順次配設され、且つ、該第3軸心、第2軸心、第1軸心に直交する断面において該第2軸心が該第1軸心と第3軸心を結ぶ直線よりも上側に位置しているものであり、
    前記第2の車両用動力伝達装置は、
    前記車両の前部から後部に向かうに従って前記第1軸心、第2軸心、および第3軸心が順次配設され、且つ、該第1軸心、第2軸心、および第3軸心に直交する断面において該第2軸心が該第1軸心と該第3軸心とを結ぶ直線よりも下側に位置しているものであり、
    前記第1の車両用動力伝達装置の断面において、前記第3軸心、第2軸心、および第1軸心を相互に結ぶ3直線から構成される3角形の該第1軸心と第2軸心とを結ぶ直線と、該第2軸心と第3軸心とを結ぶ直線とが、成す第1内角と、
    前記第2の車両用動力伝達装置の断面において、前記第1軸心、第2軸心、および第3軸心を相互に結ぶ3直線から構成される3角形の該第1軸心と第2軸心とを結ぶ直線と、該第2軸心と第3軸心とを結ぶ直線とが、成す第2内角とが、互いに同じ角度であることを特徴とする第1および第2の車両用動力伝達装置。
  2. 前記断面において、前記第3軸心、第2軸心、および第1軸心を相互に結ぶ3直線から構成される3角形の該第1軸心と第2軸心とを結ぶ直線と、該第2軸心と第3軸心とを結ぶ直線とが、成す第1および第2内角が、30乃至150度の範囲内であることを特徴とする請求項1の第1および第2の車両用動力伝達装置。
  3. 前記第1および第2内角は、40乃至60度の範囲内であることを特徴とする請求項2の第1および第2の車両用動力伝達装置。
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