JP2007245623A - 化粧シート - Google Patents

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Abstract

【課題】
建築外装用として耐えうる耐候性を備えた化粧シートを提供することを課題とする。
【解決手段】
基材シート上に透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層が積層されてなる化粧シートにおいて、前記透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層が複数の層から形成されており、基材シート側に第一熱可塑性樹脂層、該第一熱可塑性樹脂層上方に第二熱可塑性樹脂層を有し、且つ、第一熱可塑性樹脂層がトリアジン系の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系の光安定剤を含み、第二熱可塑性樹脂層がベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系の光安定剤を含むことを特徴とする化粧シートとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築外装用及び建築内装用、建具の表面や枠材、家電製品の表面材、床材等々の建築用資材に用いられる化粧シートに関するもので、主に木質ボード、無機系ボード類、金属板等に貼り合わせて化粧板として用いられる化粧シート、および接着後の化粧板に関する。
従来、建築外装用及び建築内装用、建具の表面や枠材、家電製品の表面材、床材等々の建築用資材に用いられる化粧シートとしては、塩化ビニル樹脂を用いた化粧シートが広く用いられてきた。しかし、塩化ビニル樹脂は、焼却時に塩素ガスが発生し、酸性雨やダイオキシンの要因にもなると言われており、さらにはシートに添加された可塑剤のブリードアウトの問題も持ち上がっており、近年環境問題の観点から塩化ビニル樹脂を用いない化粧シートが要求されつつある。
上記理由により、近年、塩化ビニル樹脂をを用いた化粧シートに替わる化粧シートとしてオレフィン系樹脂等の非塩ビ材料を使用した化粧シートが多く提案されている(特許文献1乃至4)。
しかし、一般的なポリオレフィンシートもしくは軟質ポリオレフィンシートを使用した化粧シートは、表面の耐傷付き性や耐候性も悪く、従来の塩化ビニル樹脂を用いた化粧シートの表面傷つき性と比較すると格段に劣っていた。また、表面傷つき性向上のために、結晶化が高く、アイソタクティシティの高いものを使用すると、耐候性が悪くなる傾向にある。
そこで、ポリオレフィンシート表面に保護層として樹脂を具備させることにより、表面艶の調整や表面傷つき性を向上させようとしている。また、耐候性も必要なため、オレフィン系樹脂に耐候剤を添加するとともに保護層にも耐候剤を添加するようになった。
しかし、ポリオレフィンシートに添加された耐候剤の種類によっては、耐候剤としての機能が十分果たせないものや、ブリードアウトによる他の弊害をもたらすものも少なくない。
特にポリオレフィンシートに添加された耐候剤のブリードアウトを防止するために、紫外線吸収剤を含まないポリオレフィンの表面層を設けたり、使用する紫外線吸収剤の分子量を限定して、添加するなどの様々な技術が提案されている(特許文献5乃至7)。
例えば、特許文献5には、光安定剤であるヒンダードアミン系のラジカル補足剤及び紫外線吸収剤の両方を含有する透明なオレフィン系樹脂層(中間層)上にヒンダードアミン系のラジカル補足剤のみを含有してある透明オレフィン系樹脂層(表面層)を設けることにより、中間層に添加されている紫外線吸収剤の化粧シート表面へのブリードアウトを抑制している。
確かにこの方法であると、中間層の紫外線吸収剤のブリードアウトを抑制することはできるが、一般的にヒンダードアミン系の光安定剤と紫外線吸収剤は、機能の相乗効果が認められるので、この化粧シートを外装用途として使用した場合、紫外線吸収剤の添加されていない表面層が表面にあったのでは、中間層と比較して表面層の耐候性が低くなり、表面の物性低下、艶変化、クラッキング、チョーキングなどのポリオレフィン系樹脂シートの脆化により、外観を損ねるという問題が発生する。
この様な現象を防止するためには、ブリードアウトせず、高い紫外線吸収能力を持つ紫外線吸収剤を特に高濃度で添加する必要がある。特許文献6では紫外線吸収能力をのある紫外線吸収剤が側鎖に反応結合されてなる熱可塑性樹脂を保護層に用いた化粧シートが提案されている。
確かに、これらの紫外線吸収剤はブリードアウトすることは少ない。しかしながら、初期の紫外線吸収能力は高いが、屋外で暴露や光や雨風にさらされた場合比較的早く、紫外線吸収能力が失活し、耐候剤としての機能が十分果たせないという問題がある。
特許文献7には、ポリオレフィン系の樹脂との相溶性に乏しいものの紫外線の吸収能力が高く耐候性の良いトリアジン系紫外線吸収剤を用い、その紫外線吸収剤の分子量を特定する技術が公知となっており、単にブリードアウトが発生しない様に、分子量を特定の値以上のものに限定する技術が明らかにされている。
しかし、この様に分子量を特定の値以上のものに限定した場合には、確かに経時でのブリードアウトが抑えられるものであるが、恒久的に維持できるものではなく、外装用途に耐えうる化粧シート表面への耐ブリードアウト性と耐候性を備えた化粧シートではなかった。
以下に、特許文献を示す。
特開平2−128843号公報 特開平6−1881号公報 特開平6−198831号公報 特開平9−328562号公報 特開平11−147292号公報 特開平11−216812号公報 特開2001−40113号公報
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、建築外装用として耐えうる耐候性を備えた化粧シートを提供することにある。
本発明者らは、熱可塑性樹脂に添加する紫外線吸収剤の紫外線吸収能力とブリードアウト性の検討を行い、上記課題を解決するに至った。
そして、請求項1記載の発明は、基材シート上に透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層が積層されてなる化粧シートにおいて、
前記透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層が複数の層から形成されており、基材シート側に第一熱可塑性樹脂層、該第一熱可塑性樹脂層上方に第二熱可塑性樹脂層を有し、且つ、第一熱可塑性樹脂層がトリアジン系の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系の光安定剤を含み、第二熱可塑性樹脂層がベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系の光安定剤を含むことを特徴とする化粧シートとした。
また、請求項2記載の発明は、前記透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層上に、少なくともトリアジン系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤を含む保護層を設けてなることを特徴とする請求項1記載の化粧シートとした。
また、請求項3記載の発明は、前記基材シートに任意の絵柄が印刷された印刷層を有し、印刷層上に透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層が積層されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の化粧シートとした。
また、請求項4記載の発明は、前記透明若しくは半透明熱可塑性樹脂が、接着性樹脂を介してポリオレフィン系樹脂基材シート上に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の化粧シートとした。
また、請求項5記載の発明は、前記透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の化粧シートとした。
基材シート上に第一熱可塑性樹脂層、第二熱可塑性樹脂層をこの順に有する化粧シートにおいて、第一熱可塑樹脂層中にトリアジン系の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系の光安定剤を含有させ、第二熱可塑性樹脂中にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系の光安定剤を含有させることにより、十分な紫外線吸収能力を有し、且つ、保護層との密着強度の低下が発生しない、耐候性に優れた化粧シートを提供することが可能となった。トリアジン系の紫外線吸収剤は紫外線吸収能力に優れるものの、トリアジン系の紫外線吸収剤を含む熱可塑性樹脂層上に保護層を直接設けた場合には、熱可塑性樹脂と保護層との密着強度の低下が見られる。本発明では、トリアジン系の紫外線吸収剤を含む第一熱可塑性樹脂層上に、紫外線吸収能力はトリアジン系に劣るものの、保護層との密着強度の低下が発生しにくいベンゾトリアゾール系の紫外線吸収材を含む第二熱可塑性樹脂層を設け、該第二熱可塑性樹脂層上に保護層を設けることにより、上記課題を解決している。
また、第一熱可塑性樹脂層と第二熱可塑性樹脂層を有する透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層上にトリアジン系紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤を含む保護層を設けることにより、更に耐候性に優れた化粧シートを提供することが可能となった。
また、基材シート上に絵柄が印刷された印刷層を設けることにより、さらに意匠性の高い化粧シートを提供することが可能となった。
また、第一熱可塑性樹脂層と第二熱可塑性樹脂層を有する透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層を接着性樹脂を介して基材シート上に設けることにより、生産性が良く、様々種類の基材に積層できる化粧シートを提供することが可能となった。
また、第一熱可塑性樹脂層と第二熱可塑性樹脂層を有する透明あるいは半透明熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であることにより、塩化ビニル樹脂を用いることがなく、環境負荷の低い化粧シートを提供することが可能となった。
以下に本発明の化粧シートを図面に基づき詳細に説明する。
図1に本発明の化粧シートの一例の説明断面図を示した。なお、本発明の化粧シートの構成は図1に限定されるものではない。図1では、保護層1、第一熱可塑性樹脂21と第二熱可塑性樹脂22とからなる透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層3、接着性樹脂層4、接着層5、印刷層6、基材シート7、プライマー層8という構成である。
本発明の基材シート7は薄葉紙、チタン紙、樹脂含浸紙等の紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、アクリル等の樹脂、或いはこれら合成樹脂の発泡体、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム、ポリウレタン等のゴム等から任意に選定可能である。
また、切削性を向上させるために、樹脂、添加剤の他にフィラーを添加することもできる。このフィラーとしては、有機成分フィラーとしてウレタン架橋粒子、アクリル架橋粒子、メラミン樹脂、天然コラーゲン等がある。また無機フィラーとしては、一般的なトップコート等に用いられるアルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素、ガラスビーズ、水酸化アルミ、炭酸カルシウム等々が挙げられることができる。また、透明樹脂の場合、隠蔽性を出すために顔料等の添加も可能である。
また、基材シートには、透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層が設けられる面と反対側の面に必要に応じてプライマー層8が設けられる。プライマー層8としては、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等、従来公知の易接着性プライマー剤から任意に選択して使用すれば良い。また、プライマー層8に例えばシリカ等の無機質微粉末を添加して粗面化しておくと、化粧シートの巻取保存中のブロッキングの防止や、投錨効果による接着性の向上などに有効である。
次に、印刷層6について示す。印刷層6は基材シート7上に設けられる。印刷層としてインキを使用する場合、そのバインダーとしては硝化綿、セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系等の単独若しくは各変成物の中から適宜選択すれば良い。これらは水性、溶剤系、エマルジョン系で問題なく、一液タイプでも硬化剤を利用した二液タイプでも任意での選択が可能である。さらに紫外線や電子線等の活性エネルギー線照射によりインキを硬化させることも可能であるが、着色の場合、紫外線効果と比較して電子線硬化の方が厚み方向に硬化が有効な場合もある。硬化する方法としては、例えば、ウレタン系のインキでイソシアネート硬化させる方法を用いることができる。
インキには、これらバインダーの他に、顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、各種添加剤が添加されている。顔料には、例えば、縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等を用いることができる。また、インキの塗布とは別に、各種金属の蒸着やスパッタリングで意匠性を施すこともある。またインキ材料選定については、印刷層の下の層やインキ層の上に形成される層との接着性も要求され、適宜選択される。
印刷層としては絵柄が形成されるものと、隠蔽のために全面にベタで形成されるものがある。絵柄印刷とベタ印刷の組み合わせであっても良い。

また、隠蔽のために使用するベタ印刷に用いられるインキは、基本的に絵柄印刷に用いられるインキとその材料は同様で構わないが、目的として隠蔽性を持たせる必要があるために顔料としては不透明な顔料、酸化チタン、酸化鉄等を使用する。また隠蔽性を持たせるために金、銀、銅、アルミ等の金属を添加することも可能である。中でも、フレーク状のアルミを好適に用いることができる。隠蔽するためのベタ印刷で形成される印刷層の厚みは、2μm未満では隠蔽性を付与しにくく、また10μmを超えると層の凝集力が弱くなるため、2〜10μm程度が好ましい。
これら絵柄印刷やベタ印刷により印刷層を設ける方法は、シートに直接グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、静電印刷、インキジェット印刷等がある。また、さらにベタ印刷により印刷層を設ける場合は、コンマコーター、ナイフコーター、リツプコーター、金属蒸着或いはスパッタ法等を用いても良い。
次に、基材シート上方に設けられる、第一熱可塑性樹脂層21と第二熱可塑性樹脂層22とからなる透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層3について示す。
第一熱可塑性樹脂層21及び第二熱可塑性樹脂層22の用いられる樹脂材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール等の公知の熱可塑性樹脂が使用できるが、中でもポリオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。また、ポリオレフィン系樹脂の中でもポリプロピレンを好適に使用することができる。使用されるポリプロピレンは単独重合体すなわちホモポリマー或いはエチレンやプテン等と共重合された二元、三元のランダムポリマー共重合体でも構わない。
特に、化粧シートに表面強度を持たせる場合、高結晶化ポリプロピレンを好適に使用することができる。なお、高結晶化ポリプロピレンに他樹脂を添加することも可能である。但し、折り曲げ等の後加工を施す場合は、特に透明樹脂層を構成する高結晶化ポリプロピレン樹脂との相溶性が良いものが好ましい。
高結晶化ポリプロピレンは、初期曲げ弾性率が10000kgf/cm〜22000kgf/cm、引張破断伸びが200%以上、かつ分子量分布MWDが4以下のものを使用することができる。また、mmmm(ペンダッド分率)が96%以上、MFR(メルトフローレート)が5g/10min(230℃)〜40g/10min(230℃)、分子量分布MWDが4以下の高結晶化ポリプロピレンが90〜100%である樹脂も使用できる。この場合、表面硬度が良好でありかつ化粧シートの後加工性である折り曲げ性(Vカット)も良好である。
熱可塑性樹脂に添加される紫外線吸収剤に関しては、従来、コストや紫外線吸収範囲、種類の多さ、用途範囲の現状から、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の使用が多く、主とされてきていた。しかしながら、樹脂反応型や架橋型でない限り耐候性に関しては熱、光、降雨等で経時ブリードアウトしたり、洗い流されたりして、吸収種の減少により経時での褪色や樹脂劣化が免れなかった。トリアジン系に関しては、低添加量でも高い耐候性能があるが樹脂との相溶性の問題によりブリードアウトしやすく、保護層1の密着不良を引き起こす原因となってしまい、建築外装に耐えうる耐候性を備えることができなかった。
しかしながら、本発明では表面側の第二熱可塑性樹脂層22にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、基材シート7側の第一熱可塑性樹脂21にトリアジン系の紫外線吸収剤を添加する構成にすることによって、従来よりも紫外線吸収剤の化粧シート表面へのブリードアウトが少なく長期に渡る紫外線吸収能力を保持することが可能になった。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は熱分析(示差熱/熱重量同時測定)から昇華し熱可塑性樹脂から失われる傾向はあるが、例えば、トリアジン系の紫外線吸収剤を第二熱可塑性樹脂層22使用した場合にトリアジン系の紫外線吸収剤のブリードアウトによって発生する第二熱可塑性樹脂層22と保護層1の密着不良は起こらない。また、第一熱可塑性樹脂21と第二熱可塑性樹脂22の厚み関しては特に制限はなく、添加するトリアジン系紫外線吸収剤の使用する樹脂中の移動速度や必要とされる紫外線吸収能力などを考慮して任意に選択すれば良い。
本発明における第一熱可塑性樹脂21に使用するトリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジンなどやこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体が挙げられる。さらに、ベンゾフェノン系としては、オクタベンゾンや変性物、重合物、誘導体を例示でき、これらを単独で又は複数を混合して使用できる。
本発明において第一熱可塑性樹脂21に使用するトリアジン系紫外線吸収剤は、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.1重量部添加されることが好ましい。添加量が0.1重量部未満の場合、第一熱可塑性樹脂層中において十分な紫外線吸収能を発揮することができない場合がある。また、トリアジン系紫外線吸収剤は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、多くても2.0重量部添加すれば、化粧シートとして十分な紫外線吸収能を発揮することができる。
本発明における第二熱可塑性樹脂22に使用するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールなどやこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体を例示でき、これらを単独で又は複数を混合して使用できる。
本発明において第二熱可塑性樹脂22に使用するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.1〜1.0重量部添加されることが好ましい。添加量が0.1重量部未満の場合、第一熱可塑性樹脂層中において十分な紫外線吸収能を発揮することができない場合がある。また、1.0重量部を超えるような場合は、第二熱可塑性樹脂上に設けられる保護層1との密着強度が低下してしまう場合がある。
また、第一熱可塑性樹脂層21、第二熱可塑性樹脂層22には、それぞれ、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の他に、ヒンダードアミン系光安定剤が添加される。
第一熱可塑性樹脂層と第二熱可塑性樹脂層に用いられるヒンダードアミン形の光安定剤としては、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート等を例示でき、これらを単独で又は複数を混合して使用できる。
また、第一熱可塑性樹脂21及び第二熱可塑性樹脂22には、紫外線吸収剤、光安定剤の他にも、必要に応じて熱安定剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、触媒促進剤、透明性を維持する範囲での着色剤、半透明化のための光散乱剤、艶調整剤等を添加することができる。酸化防止剤としては、フェノール系、イオウ系、リン系の酸化防止剤が用いられる。組み合わせは任意の組み合わせが可能であるが、多量添加による表面へのブリードアウトや着色、紫外線吸収剤や光安定剤との相乗・拮抗作用には留意する必要がある。熱安定剤としては、ヒンダードフェノール系、硫黄系、肥土レジン系等、難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシシウム等、クエンチャーとして、Niキレート系を用いることができる。また、第一熱可塑性樹脂ではトリアジン系紫外線吸収剤、第二熱可塑性樹脂ではベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の他に、ベンゾトリアゾール系、ベゾエート系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、サリシレート系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤を適宜加えることも可能である。
さらに、この層中にも切削性やその他物性の向上も考慮し、樹脂、添加剤分の他にフィラー分を添加することができる。このフィラー分としては、有機成分フィラーとしてウレタン架橋粒子、アクリル架橋粒子、メラミン樹脂、天然コラーゲン等があり、また無機フィラーとしては、一般的なトップコート等にも用いられるアルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素、ガラスビーズ、水酸化アルミ、炭酸カルシウム等々が挙げられる。
第一熱可塑性樹脂層21、第二熱可塑性樹脂層22を形成する方法としては、公知の方法を用いることができるが、例えば、2層共押出し法により第一熱可塑性樹脂層21と第二熱可塑性樹脂層を形成することができる。また、後述する接着性樹脂層との多層共押出し法により形成することも可能である。
第一熱可塑性樹脂層21と第二熱可塑性樹脂層22とからなる透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層3と基材シート7は接着性樹脂層4及び接着層5を介して貼り合わされる。
接着性樹脂層4は第一熱可塑性樹脂層と接着層の接着強度が十分得られる場合は不要である。しかしながら、第一熱可塑性樹脂層21にポリプロピレンといった非極性の樹脂を用いた場合には第一熱可塑性樹脂21と接着層5と間の接着強度が十分に得られない。このような場合には、接着性樹脂層が設けられる。接着性樹脂層4は、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル系等の樹脂に酸変性を施したもので、厚みはその接着性向上の観点から2μm以上、また厚すぎても接着性樹脂層自体の柔軟性が表面硬度に影響したり、接着性樹脂の凝集力や耐熱性の点から逆に接着強度を落としかねないので、20μm程度までが好ましい。また、この接着性樹脂層の形成方法は接着強度向上の点から、第一熱可塑性樹脂層21と第二熱可塑性樹脂層22とのの共押出法によるラミネートが好ましい。
次に、接着層5であるが、これは下の印刷層6と上の層との接着強度を向上させるための層である。この接着層5としては、十分な接着強度が得られるものであれば、公知の材料を用いることができる。また、材料としてはアクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系等種々の材料が使用できるが、塗膜凝集力の高い二液硬化型のポリウレタン系接着剤を好適に使用することができる。また、その塗工方法も塗液粘度等によって適宜選択できるが、一般的にはグラビア版によるドライコート法が、低塗布量管理の意味からも好ましい方法といえる。また、塗布量は接着強度、コスト等を考慮し適宜決定すると良いが、出来るだけ低塗布量が好ましい。
接着層5は印刷の施された基材シート側に塗布され、透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層3或いは接着性樹脂4とラミネートされることになる。この時の接着方法は接着性樹脂層4にもよるが、押出ラミネート、ドライラミネート等々、その材料の特性に合わせて種々選択すると良い。
次に、化粧シート表面に設けられる保護層について説明する。保護層1は、先ず表面の保護としての役割を持っており、表面硬度維持向上や耐汚染性向上、表面の艶を調節する層である。使用される材料としては、ポリウレタン系、アクリルシリコン系、フッ素系、エポキシ系、ビニル系、ポリエステル系、メラミン系、アミノアルキッド系、尿素系等から適宜選択することができる。形態も水性、エマルジョン、溶剤系等いずれも使用可能で、かつ硬化も一液タイプでも硬化剤を用いた二液タイプでも良い。中でもイソシアネートを用いたウレタン系の保護層は、作業性、価格、樹脂自体の凝集力等の観点からも望ましい。
前述したイソシアネートには、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、メタジイソシアネート(MDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチルヘキサンジイソシアネート(HTDI)、メチルシクロヘキサノンジイソシアネート(HXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等から適宜選択できるが、耐候性を考慮すると二重結合を持つタイプよりも直鎖状の構造を持つタイプ、特にヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)が最適である。また、表面硬度をさらに向上させるために、紫外線や電子線等の活性エネルギー線で硬化する樹脂の使用も可能であり、単独使用の他に熱硬化型と光硬化型のハイブリット硬化型についても、表面硬度、硬化収縮や密着等の点からも有効的な場合もある。
本発明における保護層1には耐候性を向上させる役割があり、紫外線吸収剤および光安定剤を適宜添加する必要がある。紫外線吸収剤としてはトリアジン系紫外線吸収剤、光安定剤としてはヒンダードアミン系光安定剤を好適に用いることができる。
保護層に用いられるトリアジン系の紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−〔4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジンなどやこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体が等を例示でき、これらを単独で又は複数を混合して使用できる。
保護層に用いられるヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)〔[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル〕ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、デカン二酸ビス[2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチルオキシ)−4−ピペリジニル]エステルなどやこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体等を例示でき、これらを単独で又は複数を混合して使用できる。
また各種機能を付与するために、抗菌剤、防かび剤、難燃性等の機能性添加剤も適宜添加できる。さらに、表面の意匠性から艶調節のため、また耐摩耗性向上のために、アルミナ、シリカ、チッ化珪素、炭化珪素、ガラスビーズ等の無機フィラーを添加することもできる。次に難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クエンチャーとしてNiキレート系等、を任意で組み合わせて添加することができる。また、紫外線吸収剤としては、トリアジン系の紫外線吸収剤の他にベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、シアノアクリレート系等を併用することができる。例えば、ベンゾフェノン系としては、オクタベンゾンや変性物、重合物、誘導体が挙げられる。
特に保護層は最表面に存在するためシートの耐候性に寄与する部分が大きい。そのため耐候性を十分考慮する必要があり、添加量は樹脂や溶剤中への溶解度にもより、その要求物性や多量添加による弊害も考慮して、各々、保護層塗液の固形分100重量部に対し、0.1重量部から10重量部程度添加される。
塗液は、溶剤系、無溶剤系、水系、エマルジョン系、ホットメルト系等、乾燥性とシートの耐熱性、乾燥後のブロッキング性、またシートとの密着性等々を考慮して適宜選択すると良い。また塗工方法もその塗液の性状や粘度、塗布量に合わせて選択すると良い。特別な塗工方法は必要なくグラビアコート、マイクログラビアコート、コンマコート、リップコート等々の一般的な塗工方法より選択すると良い。また意匠性向上のために凹凸のエンボス模様を施すことも構わない。また、保護層の膜厚としては1〜20μmであることが好ましい。
本発明の化粧シートには表面にエンボス模様を形成することもできる。エンボス模様を施す場合には、一旦各種方法でラミネートした後から熱圧によりエンボスを形成する方法、冷却ロールに凹凸模様を設け押出ラミネートと同時にエンボスを施す方法がある。また、押し出し時に同時エンボスを施した透明樹脂層と基材シートを熱或いはドライラミネートで貼り合わせる方法などがある。さらにエンボス凹部にインキや樹脂を埋め込み、意匠性や耐候性を向上させることも可能である
以下に、実施例を示す。
また、第一熱可塑性樹脂層形成材料として、ホモタイプの押出成形用ポリプロピレン樹脂100重量部に対し、トリアジン系紫外線吸収剤(2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール)を0.5重量部、ヒンダートアミン系光安定剤(ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}])を0.5重量部、フェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)を0.5重量部添加した樹脂を用いた。
第二熱可塑性樹脂層形成材料として、ホモタイプの押出成形用ポリプロピレン樹脂100重量部にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール)を0.5重量部、ヒンダートアミン系光安定剤(ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}])を0.5重量部、フェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)を0.5重量部添加した樹脂を用いた。
また、厚さ約80μmの透明樹脂シートを表面に木目模様が印刷され、接着層として二液硬化型ウレタン樹脂系が2μm程度塗布されたポリエチレン製基材シート(120μm)を用意した。
接着性樹脂としてポリプロピレン酸変性樹脂を用い、第一熱可塑性樹脂、第二熱可塑性樹脂、接着性樹脂を押出機を用いて溶融押し出しを行い、基材シート上に、接着性樹脂層、第一熱可塑性樹脂層、第二熱可塑性樹脂層を多層押出しラミネーション法で形成した。このとき、形成された接着性樹脂層、第一熱可塑性樹脂層、第二熱可塑性樹脂層の厚みはそれぞれ10μm、40μm、40μmである。
得られた多層シートの第二熱可塑性樹脂側の表面にコロナ放電処理を施し、トリアジン系紫外線吸収剤(2−〔4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン)とヒンダードアミン系光安定剤(ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートとメチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートの混合物)を含有する二液硬化型ウレタン系トップコートをドライコートし、本発明の化粧シートを作製した。
(比較例1)
第一熱可塑性樹脂層形成材料として、ホモタイプの押出成形用ポリプロピレン樹脂100重量部に対し、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5重量部、ヒンダートアミン系光安定剤を0.5重量部、フェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)を0.5重量部添加した樹脂を用いた。その他については実施例1と同様の材料、製造方法を用い化粧シートを作成した。
(比較例2)
第二熱可塑性樹脂層形成材料として、ホモタイプの押出成形用ポリプロピレン樹脂100重量部に対しトリアジン系紫外線吸収剤を0.5重量部、ヒンダートアミン系光安定剤を0.5重量部、フェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)を0.5重量部添加した樹脂を用いた。その他については実施例1と同様の材料、製造方法を用い化粧シートを作成した。
<性能比較>
以上のように作製した実施例1および比較例1及び比較例2の化粧シートについて、耐候性評価をするために耐候促進試験(メタルハライドランプ方式試験機 JTM G 01 2000日本試験機工業会規格)を行った。試験機は、ダイプラ・メタルウェザー(KU−R5CI−A:ダイプラ・ウィンテス株式会社製)を用いた。
耐候促進試験条件は、
1.光源ランプ:MW−60W、フィルター:KF−1(照射範囲295nmから780nm)照度65±3mW/cm(測定域 330nmから390nm)Light(照射)(53℃,50%RH)20.00時間
2.Dew(暗黒結露)(30℃,98%RH)4.00時間
3.Rest(休止)(30℃,98%RH)0.01時間
以上の24.01時間を1サイクルとして、216時間試験した。なお、シャワーはDewの前後に30秒おこなった。
耐候促進試験を行った実施例1、比較例1及び比較例2の化粧シートについて、JISK5600−5−6に準じて、クロスカットを入れない方法で、保護層の付着性を測定した。その評価を表1に示した。
耐候促進試験を行った実施例1、比較例1及び比較例2の化粧シートについて、剥離溶剤を用いて、透明熱可塑性樹脂を強制的に剥離させ、剥離した透明熱可塑性樹脂の340nmにおける紫外線の透過率を測定した。その結果を表2に示した。
以上の結果から、本発明による材料にて作製された化粧シートは、従来の化粧シートと比較して、耐候性試験後における保護層の密着力低下の抑制や熱可塑性樹脂の紫外線遮蔽および吸収能の低下を抑制することができた。
本発明の化粧シートの一例の説明断面図である。
符号の説明
1…保護層
21…第一熱可塑性樹脂
22…第二熱可塑性樹脂
3…透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層
4…接着性樹脂層
5…接着層
6…印刷層
7…基材シート
8…プライマー層

Claims (5)

  1. 基材シート上に透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層が積層されてなる化粧シートにおいて、
    前記透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層が複数の層から形成されており、基材シート側に第一熱可塑性樹脂層、該第一熱可塑性樹脂層上方に第二熱可塑性樹脂層を有し、且つ、第一熱可塑性樹脂層がトリアジン系の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系の光安定剤を含み、第二熱可塑性樹脂層がベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系の光安定剤を含むことを特徴とする化粧シート。
  2. 前記透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層上に、少なくともトリアジン系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤を含む保護層を設けてなることを特徴とする請求項1記載の化粧シート。
  3. 前記基材シートに任意の絵柄が印刷された印刷層を有し、印刷層上に透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層が積層されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の化粧シート。
  4. 前記透明若しくは半透明熱可塑性樹脂が、接着性樹脂を介してポリオレフィン系樹脂基材シート上に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の化粧シート。
  5. 前記透明若しくは半透明熱可塑性樹脂層がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の化粧シート。
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