JP2007243430A - 車両用スピーカシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】小型のスピーカであっても、安易、且つ低コストで車両内に最適な低域音場を生成可能な車両用スピーカシステムを提供する。
【解決手段】車両用スピーカシステム5は、ヘッドユニット11から出力される再生信号を再生する第1及び第2のスピーカユニット15、20と、再生信号のうち低域の再生信号のみを通過させるローパスフィルタ25と、を具備し、第2のスピーカユニット20とローパスフィルタ25とを直列に接続した直列回路27を第1スピーカユニット15と並列に接続して構成され、第1のスピーカユニット15はリスナーの前方に設置され、第2のスピーカユニット20はリスナーの後方に設置されている。
【選択図】図1
【解決手段】車両用スピーカシステム5は、ヘッドユニット11から出力される再生信号を再生する第1及び第2のスピーカユニット15、20と、再生信号のうち低域の再生信号のみを通過させるローパスフィルタ25と、を具備し、第2のスピーカユニット20とローパスフィルタ25とを直列に接続した直列回路27を第1スピーカユニット15と並列に接続して構成され、第1のスピーカユニット15はリスナーの前方に設置され、第2のスピーカユニット20はリスナーの後方に設置されている。
【選択図】図1
Description
本願は、乗用自動車等の車内に設置される車両用スピーカシステムに関する。
一般的に乗用自動車等の車両に取り付けられるスピーカは、乗降用ドアやダッシュボード、又はリアトレーに取り付けられている。特に、乗降用ドアなどにスピーカを取り付ける場合には、車両のフレームなどに直接スピーカが取り付けられている。
また、音の再生は、音響空間の形状や構造等の影響を受け易く、特に、車両等は、車内空間が狭く、スピーカの設置自由度も少なく、良好な音響空間とは言えないため、本来意図する音を正確に且つ良質に再生するには、種々の工夫が必要である。
また、通常、乗用自動車に取り付けられているスピーカは、その取付条件に制約があるため、小型のスピーカが用いられることが多く、小型のスピーカのみでは、低音域を充分な音圧で再生できない。一般に低音域を充分な音圧で再生するためには振動板の直径は大きく、振動板の質量は重いことが必要とされている。
また、従来、車両用に限られず、低音域を補正して再生するスピーカシステム等は存在する(例えば、特許文献1又は2)。
特許文献1のスピーカシステムは、2つのスピーカのうち、一方のスピーカをLC直列共振回路を通して駆動し、一方のスピーカを所定の周波数近傍でのみ駆動することによって実質上、低音を再生する限界が向上するようになっている。
また、特許文献2のスピーカ装置は、1つのエンクロージャーに同一特性のスピーカを2個取り付けた時の低音再生能力の低下を改善することを目的として、一方のスピーカに群遅延回路とLPFを備えている。
しかしながら、車両に取り付けられるスピーカはいずれも車両構造を利用して取り付けられるため、エンクロージャーに求められる機密性や強度において不十分で、スピーカ本来の性能が生かされないばかりか、スピーカからの背圧による車両構造体の共振でさらなる音質劣化が生じる。そして、特に、車両はその構造上、小型のスピーカが用いられるため、低域の再生に難点がある。
良質な音の再生、又は低域の増強手段としてサブウーファーの使用や多チャンネル再生が一般的に知られているが、いずれも専用アンプを必要とするためシステム全体のコストが高価になるなどの問題がある。
本願は上記各問題点の解決を課題の一例として為されたもので、小型のスピーカであっても、安易、且つ低コストで車両内に最適な低域音場を生成可能な車両用スピーカシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の車内用スピーカシステム(5)は、リスナーの前方に設置され、ヘッドユニット(11)から出力される再生信号を再生する第1のスピーカユニット(15)と、前記再生信号のうち予め設定された周波数以下の低域の再生信号のみを通過させるローパスフィルタ(25)と、前記リスナーの後方に設置され、前記ローパスフィルタを通過した低域の再生信号を再生する第2のスピーカユニット(20)と、を具備することを特徴とする。
以下、本願の最良の実施形態について、図1乃至図3を用いて詳細に説明する。図1は車両用スピーカシステムの概要構成図、図2は車両に車両用スピーカシステムを配置した際のリスナーに対する包囲音場を示す図、図3は車両用スピーカシステムの他の実施例を示す概要構成図である。
なお、以下に説明する実施の形態は、一実施例として、図2に示すように、車両30の内部の前部座席31(運転席及び助手席)の左右ドアパネル30a、または後部座席32の左右ドアパネル30bにそれぞれスピーカユニット15、20を配置した場合の実施形態であるが、スピーカユニット15、20の設置場所は特にこの配置例に限定されるものではない。また、車両30は車に限定されるものではなく、種々の乗り物等の移動体に適用できる。また、本実施形態は、車両30の前部座席31の運転席31a側をリスナーが視聴するリスニングポイントPとして説明を行う。
本実施形態の車両用スピーカシステム(以下、単に「スピーカシステム5」と称する。)は、CD(compact disc)やDVD(digital versatile disc)等の記録媒体を再生するヘッドユニット11から出力される再生信号を増幅するアンプ13と、当該アンプ13と電気的に接続され前記再生信号を再生する前方スピーカユニット15と、前記再生信号のうち高域の再生信号をカットし低域の再生信号のみを通過させるローパスフィルタ(以下、「LPF25」と称する。)と、LPF25を通過した低域の再生信号を再生する後方スピーカユニット20と、を備えている。
なお、当該前方スピーカユニット15は、本願の第1のスピーカユニットとして機能し、後方スピーカユニット20は、本願の第2のスピーカユニットとして機能する。
また、スピーカシステム5は、後方スピーカユニット20とローパスフィルタ25とを直列に接続した直列回路27を前記前方スピーカユニット15と並列に接続して、アンプ13を介してヘッドユニット11と接続して構成されている。
また、図2に示すように、前方スピーカユニット15はリスナーの前方に設置され、後方スピーカユニット20はリスナーの後方に設置されている。前方スピーカユニット15は、車両30の前部座席31の左右ドアパネル30aに取り付けられており、一方、後方スピーカユニット20は、車両30の後部座席32の左右ドアパネル30bに取り付けられている。このようにして、車両30の内部は、リスニングポイントP付近に音場(図中実線又は破線で示した各スピーカユニット15、20の音場領域)が生成されるようになっている。
このように構成されたスピーカシステム5において、前方スピーカユニット15には、ヘッドユニット11からの再生信号がアンプ13を介して入力され、一方、後方スピーカユニット20には、当該再生信号がアンプ13及びLPF25を介して入力されるようになっている。
また、図1に示すように、後方スピーカユニット20には、LPF25によって所定の周波数以下の再生信号が入力されるようになっている。好適には、LPF25は、200〜300Hz以下のみを通過帯域として設定されている。つまり、後方スピーカユニット20には、当該設定された周波数帯域よりも高い周波数をカットした低域の再生信号が入力されるようになっている。よって、後方スピーカユニット20は、200Hz〜300Hz以下の周波数帯域を再生するようになっている。このようにして、後方スピーカユニット20は、低域のみを再生するようになっている。
一般に小型のスピーカは、その構造上、低域の再生に難があるが、このように構成されたスピーカシステム5によれば、前方スピーカユニット15が再生信号を再生する上で足りない低域を後方スピーカユニット20によって補完することで、全体として広帯域に渡ってソースに忠実な再生が可能になっている。
また、前方及び後方のスピーカユニット15、20は、車両30に取り付けられた各スピーカユニット15、20の互いの距離S1又はS2をLPF25により補完する低域周波数の1/2波長以下に設定されて、前方スピーカユニット15から再生される低域の音波と、後方スピーカユニット20から再生される音波の位相がほぼ一致するように車両30の左右前側及び左右後側(例えば、ドアパネル)に取り付けられているため、後方スピーカユニット20により補完される低域は単純に加算されるものとして扱えるため、低域の周波数特性が乱れることはない。なお、各スピーカユニットの互いの距離差S1又はS2は、具体的には、音の速さを秒速340m、LPFにより設定された低域周波数を200Hzとすれば、0.85m以下であれば良いこととなる。
このように本実施形態によれば、低域の周波数特性が乱れないので、リスナーに対して心地よい低域の臨場感を与えることができる。
次に、前方及び後方スピーカユニットの構造について説明する。
前方及び後方スピーカユニット15、20は、図1に示すように、エンクロージャー7とエンクロージャー7に取り付けられたスピーカ8と、を備える。
エンクロージャー7は、図示しないが箱状体に形成されており、当該箱状体の1つの面には開口が形成されており、当該開口には、スピーカ8が密着して取り付けられている。このようにして、エンクロージャー7は、内部の空気が外部に漏れないように密閉されている。
また、図示しないが、エンクロージャー7の外部には、音声信号を入力するための入力端子が設けられ、当該入力端子は、エンクロージャー7の内部でスピーカ8の入力端子と電気的に接続されている。
当該エンクロージャー7は、車両30の前方左右、及び後方左右の、例えば、ドアパネル30a、30bにねじ等の固定具によってしっかりと固定されて取り付けられる。
このようなスピーカユニット15、20をドアパネル30a、30bに取り付けることによって、スピーカ8の背面はエンクロージャーによって密閉されて覆われているので、再生信号をスピーカ8によって再生するときに、各スピーカユニット15、20のスピーカ8から発生する背圧によってドアパネル30a、30bが振動し音質が劣化することを防止することができる。
当該各スピーカユニット15、20のスピーカ8は、例えば、一般的に使用されるコーン型、ドーム型、ホーン型から適宜選択され、小径、小質量であって、一般的に小型と称されるスピーカが用いられる。当該スピーカ8は、好適には、同一特性を有するスピーカが適用され、その口径の直径は、ドアパネル30a、30bへの取り付けを考慮すると、約10cm以下のものが適用される。
次に、スピーカシステムの動作について説明する。
リスナーによって、ヘッドユニット11が操作され、当該ヘッドユニット11から再生信号が出力されると、アンプ13を介して前方スピーカユニット15に所定の再生信号が入力される。当該前方スピーカユニット15は、その再生信号に基づいて音声として出力する。
また、当該ヘッドユニット11から出力された再生信号は、アンプ13を通過した後、LPF25を介して後方スピーカユニット20に入力される。その際、後方スピーカユニット20には、LPF25によって、200Hz〜300Hz以下の周波数帯域(低域)の再生信号が入力される。当該後方スピーカユニット20は、その低域の再生信号に基づいて音声として出力する。
このように構成されたスピーカシステム5によれば、前方スピーカユニット15が再生信号を再生する上で足りない低域を後方スピーカユニット20によって補完することで、全体として広帯域に渡って高忠実な再生を可能とするようになっている。よって、本実施形態のスピーカシステムによれば、小型のスピーカであっても最適な低域音場を車両内に生成することが可能となっている。
また、本実施形態の車両用スピーカシステム5aは、図3に示すように、LPF25と後方スピーカユニット20との間に、再生信号の音圧レベルを調整するアッテネータ(以下「ATT40」と称する。)を電気的に接続しても構わない。なお、当該ATT40は、本願の音圧調整手段として機能する。
リスナーが感じる音圧の感覚は多様であるため、リスナーは、このATT40を操作し、所定の範囲で音圧レベルを調整することによって、前方スピーカユニット15に足りない低域を補完することができる。よって、リスナーに合った臨場感を与えることが可能となる。
なお、本実施形態は一形態であって、この形態に限定されるものではない。 例えば、エンクロージャーは、密閉式に限られるものではなく、例えば、多少の空気漏れも含む密閉式などから適宜選択されてもよい。また、前方スピーカユニットが2つ、後方スピーカユニットが2つの合計4つのスピーカをアンプ1つで駆動するようになっているが、その数は適宜調整されても構わない。
5 スピーカシステム
11 ヘッドユニット
13 アンプ
15 前方スピーカユニット
20 後方スピーカユニット
25 ローパスフィルタ
11 ヘッドユニット
13 アンプ
15 前方スピーカユニット
20 後方スピーカユニット
25 ローパスフィルタ
Claims (5)
- リスナーの前方に設置され、ヘッドユニットから出力される再生信号を再生する第1のスピーカユニットと、
前記再生信号のうち予め設定された周波数以下の低域の再生信号のみを通過させるローパスフィルタと、
前記リスナーの後方に設置され、前記ローパスフィルタを通過した低域の再生信号を再生する第2のスピーカユニットと、
を具備することを特徴とする車両用スピーカシステム。 - 前記第1及び第2のスピーカユニットの距離が、前記第1のスピーカユニットから再生される音波及び前記第2のスピーカユニットから再生される音波の位相とが一致するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用スピーカシステム。
- 前記ローパスフィルタと前記第2のスピーカユニットの間には、前記再生信号の音圧レベルを調整する音圧調整手段を備えていることを特徴とする請求項1、又は2に記載の車両用スピーカシステム。
- 前記ローパスフィルタは、200〜300Hz以下のみを通過帯域として設定したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両用スピーカシステム。
- 前記第1及び第2のスピーカユニットは、スピーカと、当該スピーカの背面を覆うエンクロージャーと、を具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両用スピーカシステム。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2006
- 2006-03-07 JP JP2006061183A patent/JP2007243430A/ja active Pending
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