JP2007243271A - ダイヤフラム及びその製造方法並びにそのダイヤフラムを有するコンデンサマイクロホン及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第一の膜のパターニングによりダイヤフラムの中央部を形成し、前記第一の膜の近端部上に第二の膜を堆積により形成し、前記第二の膜上に第三の膜を堆積により形成し、前記第三の膜を、前記第二の膜上から前記第一の膜の外側に伸びる形状にパターニングすることにより、前記第一の膜と前記第二の膜と前記第三の膜とを含む複層膜からなり前記中央部から前記中央部の外側に屈曲しながら伸びる、前記ダイヤフラムの屈曲部を形成する、ことを含む。
【選択図】図1
Description
ダイヤフラム中央部を構成する第一の膜の近端部上に第二の膜を形成し、第二の膜上から第一の膜の外側に伸びる第三の膜を形成することにより、第一の膜から第三の膜を屈曲させることなく、ダイヤフラム中央部の外側に屈曲部を形成することができる。したがって、ダイヤフラムの屈曲部に結晶粒界が形成されることはない。また、第一の膜から第三の膜を含む複層膜からなる屈曲部の段差は、例えば第二の膜の膜厚で制御することができる。すなわち、ダイヤフラムの強度を保ちながら、ダイヤフラム中央部の外側に要求される段差の屈曲部を形成することができる。ここで強度とは、構造物の破壊に対する耐性を示し、強度が高いとは外力により破壊されにくいことを意味し、強度が低いとは外力により破壊されやすいことを意味する。また近端部とは端に近い部分を意味する。
ダイヤフラム中央部を構成する第一の膜の近端部上に第二の膜を形成し、第二の膜上から第一の膜の外側に伸びる第三の膜を形成することにより、要求される段差の屈曲部を有する強度の高いダイヤフラムを形成することができる。このようにしてダイヤフラムの支持部に固定されている端部と中央部との間に形成された屈曲部は、ダイヤフラム中央部の残留応力によって変形することでダイヤフラム中央部の残留応力を緩和したり、音波によって大きく変形することにより、中央部の音波による振動の振幅を増大させる。すなわち、感度が高くダイヤフラムの強度が高いコンデンサマイクロホンを製造することができる。
プレートを構成する第三の膜とダイヤフラムの屈曲部を構成する第三の膜とを同一の工程で形成することができるため、コンデンサマイクロホンの製造工程を簡素化することができる。
ダイヤフラムは屈曲部を有し、屈曲部より外側で支持部に支持されている。このような構造を有するコンデンサマイクロホンでは、ダイヤフラムの屈曲部が中央部の残留応力によって変形することでダイヤフラム中央部の残留応力を緩和したり、ダイヤフラムの屈曲部が音波によって大きく変形することでダイヤフラム中央部の音波による振幅を増大させることができる。また、ダイヤフラムの屈曲部は複層膜で構成されているため、屈曲部に結晶粒界が形成されることはなく、屈曲部の強度は高い。すわなち、本発明によるコンデンサマイクロホンは感度が高く、ダイヤフラムの強度も高い。
また、請求項に記載された製造方法の各工程の順序は、技術上の阻害要因がない限り、記載順に限定されるものではなく、どのような順番で行われてもよく、また同時に行われてもよい。
(第一実施例)
図1と図2は、本発明の第一実施例によるコンデンサマイクロホンの構成を示す模式図である。図2は本発明の第一実施例によるコンデンサマイクロホンの平面図であり、図1(A)は図2のA1−A1線による断面図であり、図1(B)は図2のB1−B1線による断面図である。本発明の第一実施例によるコンデンサマイクロホン1は、半導体製造プロセスを用いて製造される所謂シリコンマイクロホンである。コンデンサマイクロホン1は、図1(A)、(B)に断面図として描かれた感音部と、図1(A)に回路図として描かれた検出部とを備えている。以下、感音部の構成、検出部の構成、コンデンサマイクロホン1の製造方法の順に説明する。
図1に示すように、コンデンサマイクロホン1の感音部は、ダイヤフラム10、バックプレート30、支持部40等を有している。
ダイヤフラム10は両持ち梁状に支持部40に支持されている(図2参照)。ダイヤフラム10の中央部12は導電膜121の絶縁膜131に固着していない部分で構成され、その外側の屈曲部14は導電膜121の絶縁膜131に固着している部分と、導電膜122の絶縁膜111に固着していない部分と、絶縁膜131と絶縁膜132と導電膜142との複層膜で構成されている(図1(B)参照)。ダイヤフラム10の中央部12を構成する導電膜121は可動電極として機能する。導電膜121と導電膜122と導電膜142は、例えば多結晶シリコン(以下、ポリシリコンという。)等の半導体膜である。絶縁膜131と絶縁膜132は例えばSiO2等の酸化膜である。導電膜121及び導電膜122が請求項に記載の「第一の膜」に相当し、絶縁膜131及び絶縁膜132が「第二の膜」に相当し、導電膜142が「第三の膜」に相当する。
図1(A)に示すように、ダイヤフラム10はバイアス電源回路1000に接続され、バックプレート30は抵抗1002を介してグランドに接続されている。そしてバックプレート30はプリアンプ1010にも接続されている。コンデンサマイクロホン1の検出部はバックプレート30とグランドとの間の電圧に相関する信号をプリアンプ1010から出力する。
音波がバックプレート30の通孔32を通過してダイヤフラム10に伝搬すると、ダイヤフラム10は音波によって振動する。ダイヤフラム10が振動すると、その振動によりバックプレート30とダイヤフラム10との間の距離が変化し、ダイヤフラム10とバックプレート30とにより形成されるマイクコンデンサの静電容量が変化する。
図4から図6は、コンデンサマイクロホン1の製造方法を示す模式図である。(B)は(A)の図4(A1)に示すB4−B4線による断面図であり、(C)は図4(A1)に示すC4−C4線による断面図である。
次に、絶縁膜110上に導電膜120をCVD等で形成する。導電膜120は、例えばポリシリコン膜である。尚、SOI基板を用いることにより、本工程は省略可能である。
次に、図5(B4)に示すように、導電膜140をパターニングすることにより、バックプレート30を構成する導電膜141と、ダイヤフラム10の屈曲部14を構成する導電膜142と、電極61と導線143とを形成する(図5(B4)参照)。導電膜141は略矩形であり、その長手方向は導電膜121及び導電膜122の配列方向と直交し、絶縁膜130を介して導電膜121と立体交差している。導電膜142は略矩形であり、導電膜121の導電膜122と隣り合う近端部121a上から、導電膜122の導電膜121と隣り合う近端部122a上まで伸びている。
第二実施例によるコンデンサマイクロホンの検出部は、第一実施例によるコンデンサマイクロホン1の検出部と実質的に同一である。以下、第二実施例によるコンデンサマイクロホンの感音部、コンデンサマイクロホンの製造方法の順に説明する。
図7は本発明の第二実施例によるコンデンサマイクロホンの感音部の構成を示す模式図である。図7(A)は平面図、図7(B)は(A)のB7−B7線による断面図である。第二実施例によるコンデンサマイクロホン2の感音部は、ダイヤフラム210及びバックプレート230が第一実施例に係るダイヤフラム10及びバックプレート30と異なる。
図8から図10は、コンデンサマイクロホン2の製造方法を示す模式図である。(B)は(A)の図8(A1)に示すB8−B8線による断面図であり、(C)は図8(A1)に示すC8−C8線による断面図である。
次に、図8(A2)に示すように、導電膜120をパターニングすることにより、導電膜121と導電膜122と導線124と導線125と電極60とを形成する。導電膜121は円盤状であり、導線膜122は導電膜121を囲む円環状であり、導線124は導電膜121から導電膜122まで伸び、導線125は導電膜122から電極60まで伸びている。
次に、図9(A4)に示すように、導電膜140をパターニングすることにより、バックプレート230を構成する導電膜141と、ダイヤフラム210の屈曲部214を構成する複数の導電膜142とを形成する。導電膜141は中央部が円盤状であって近端部が中央部から放射状に伸びている。導電膜142は導電膜121の近端部121a上から導電膜122の内周側の近端部122a上まで伸びている。
Claims (5)
- 第一の膜のパターニングによりダイヤフラムの中央部を形成し、
前記第一の膜の近端部上に第二の膜を堆積により形成し、
前記第二の膜上に第三の膜を堆積により形成し、
前記第三の膜を、前記第二の膜上から前記第一の膜の外側に伸びる形状にパターニングすることにより、前記第一の膜と前記第二の膜と前記第三の膜とを含む複層膜からなり前記中央部から前記中央部の外側に屈曲しながら伸びる、前記ダイヤフラムの屈曲部を形成する、
ことを含むダイヤフラムの製造方法。 - 固定電極を有するプレートと、
可動電極を有する中央部と前記中央部から屈曲しながら外側に伸びる屈曲部とを有し、音波によって振動するダイヤフラムと、
前記固定電極と前記可動電極との間に空隙を形成しながら、前記プレートと前記ダイヤフラムの前記屈曲部より外側とを支持している支持部と、を備えるコンデンサマイクロホンの製造方法であって、
第一の膜のパターニングにより前記ダイヤフラムの前記中央部を形成し、
前記第一の膜の近端部上に第二の膜を堆積により形成し、
前記第二の膜上に第三の膜を堆積により形成し、
前記第三の膜を、前記第二の膜上から前記第一の膜の外側に伸びる形状にパターニングすることにより、前記第一の膜と前記第二の膜と前記第三の膜とを含む複層膜からなる、前記ダイヤフラムの前記屈曲部を形成する、
ことを含むコンデンサマイクロホンの製造方法。 - 前記第三の膜の一部で前記プレートを形成する、
ことを含む請求項2に記載のコンデンサマイクロホンの製造方法。 - 中央部と、
前記中央部を構成する第一の膜と、前記第一の膜の近端部上に形成されている第二の膜と、前記第二の膜上から前記第一の膜の外側に伸びる第三の膜とを含む複層膜からなり、前記中央部から前記中央部の外側に屈曲しながら伸びる屈曲部と、
を備えるダイヤフラム。 - 固定電極を有するプレートと、
可動電極を有する中央部と、前記中央部を構成する第一の膜と前記第一の膜の近端部上に形成されている第二の膜と前記第二の膜上から前記第一の膜の外側に伸びる第三の膜とを含む複層膜からなり前記中央部から屈曲しながら外側に伸びる屈曲部とを有し、音波によって振動するダイヤフラムと、
前記固定電極と前記可動電極との間に空隙を形成しながら、前記プレートと前記ダイヤフラムの前記屈曲部より外側とを支持している支持部と、
を備えるコンデンサマイクロホン。
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