JP4737535B2 - コンデンサマイクロホン - Google Patents

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本発明はコンデンサマイクロホン及びその製造方法に関し、特に半導体デバイスの製造プロセスを応用して製造されるコンデンサマイクロホンに関する。
従来、半導体デバイスの製造プロセスを応用して製造されるコンデンサマイクロホンが知られている。非特許文献1には、ダイヤフラムとそれに向かい合うバックプレートのそれぞれを導電性の薄膜で構成したその種のコンデンサマイクロホンが開示されている。しかし、ダイヤフラムの振幅は中央部から端部に向かって小さくなるため、導電性の薄膜で構成されたダイヤフラムの端部近傍は、実質的には寄生容量を形成している。この寄生容量はコンデンサマイクロホンの感度を低下させる。
電気学会M22−01−34(NHK)
本発明は感度の高いコンデンサマイクロホン及びその製造方法を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するためのコンデンサマイクロホンは、音波によって振動するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムに向かい合う面が前記ダイヤフラムの中央部に向かい合う部分に向かって凹んでいるバックプレートと、前記バックプレートから離間させた状態で前記ダイヤフラムを保持している保持部と、を備える。
このコンデンサマイクロホンによると、バックプレートのダイヤフラムに向かう合う面がダイヤフラムの中央部に向かい合う部分に向かって凹んでいるため、ダイヤフラムとバックプレートの間の空間は中央部が広く端部近傍が狭くなっている。したがってこのコンデンサマイクロホンによると、ダイヤフラムの端部近傍においてダイヤフラムとバックプレートの距離が短くなっている。バックプレートとダイヤフラムによって構成されるコンデンサの容量はバックプレートとダイヤフラムの距離の二乗に反比例する。このため、ダイヤフラムがバックプレートに近いほどコンデンサの容量変化が増大する。したがって、このコンデンサマイクロホンによると、ダイヤフラムの端部近傍の変位がコンデンサの容量変化に与える影響が大きい。すなわち、このコンデンサマイクロホンは従来に比べて感度が高い。
また、上記目的を達成するためのコンデンサマイクロホンにおいて、前記バックプレートは、外周が前記保持部に結合している絶縁膜と、前記絶縁膜より表面積が小さくダイヤフラムの外周より内側の部分に向かい合っている導電膜とを有している。
このコンデンサマイクロホンによると、バックプレートの導電膜は絶縁膜より表面積が小さくダイヤフラムの外周より内側の部分と向かい合っている。すなわち、このコンデンサマイクロホンによると、バックプレートの導電膜がダイヤフラムの音波によって振動しない部分と向かい合っていないため、バックプレートとダイヤフラムによって構成されるコンデンサの寄生容量は低い。したがって、このコンデンサマイクロホンは従来に比べてさらに感度を高くすることができる。
(2)上記目的を達成するためのコンデンサマイクロホンにおいて、前記保持部は、前記ダイヤフラムの振幅が前記中央部に対応する点に向かって増大するように前記ダイヤフラムを保持し、前記バックプレートは、前記ダイヤフラムに向かい合う面が前記ダイヤフラムの中央部に向かい合う部分に向かって球面状に凹んでいてもよい。
(3)上記目的を達成するためのコンデンサマイクロホンにおいて、前記保持部は、前記ダイヤフラムの振幅が前記中央部に対応する線に向かって増大するように前記ダイヤフラムを保持し、前記バックプレートは、前記ダイヤフラムに向かい合う面が前記ダイヤフラムの中央部に向かい合う部分に向かって円筒面状に凹んでいてもよい。
(4)上記目的を達成するためのコンデンサマイクロホンにおいて、前記バックプレートは、前記ダイヤフラムに向かい合う面が前記ダイヤフラムの中央部に向かい合う部分に向かって階段状に凹んでいてもよい。
(5)上記目的を達成するためのコンデンサマイクロホンにおいて、前記バックプレートは、前記ダイヤフラムに向かい合う面の近端部が平坦であってもよい。
(6)上記目的を達成するためのコンデンサマイクロホンにおいて、前記ダイヤフラム、前記バックプレート及び前記保持部は堆積膜からなってもよい。
このコンデンサマイクロホンは、半導体製造プロセスによって製造できるため小型化することができる。
上記目的を達成するためのコンデンサマイクロホンの製造方法は、音波によって振動するダイヤフラムと前記ダイヤフラムに向かい合うバックプレートとを備えるコンデンサマイクロホンの製造方法であって、前記ダイヤフラムを構成する膜を堆積し、前記ダイヤフラムを構成する膜の上に犠牲膜を堆積し、前記犠牲膜の部分領域上にマスクを形成し、前記犠牲膜の表層を前記マスクが無くなるまで異方性エッチングにより除去することによって前記犠牲膜に凸面を形成し、前記凸面の上に前記バックプレートを構成する膜を堆積させ、前記犠牲膜の前記凸面を含む一部を除去することにより前記ダイヤフラムと前記バックプレートとの間に空間を形成する、ことを含む。
この製造方法によると、ダイヤフラムの中央部において広くダイヤフラムの端部近傍において狭い空間をダイヤフラムとバックプレートの間に形成することができる。したがってこの製造方法によると感度の高いコンデンサマイクロホンを製造することができる。
上記目的を達成するためのコンデンサマイクロホンの製造方法において、前記犠牲膜の上でレジストを所定形状にパターニングした後に、前記レジストを再溶融し、再溶融した前記レジストを再硬化させることにより前記マスクを形成してもよい。
この製造方法によると、湾曲した凹面をバックプレートに形成することができる。
上記目的を達成するためのコンデンサマイクロホンの製造方法において、前記犠牲膜は前記ダイヤフラムから離間させた状態で前記バックプレートを保持する保持部を構成するための絶縁材料からなり、前記バックプレートを構成する膜を堆積させるとき、前記凸面の上に前記バックプレートを構成する導電膜を堆積させ、前記犠牲膜の前記凸面よりも外側の部分に堆積している前記導電膜を除去し、前記導電膜の上に絶縁膜を堆積させ、前記ダイヤフラムと前記バックプレートとの間に空間を形成するとき、前記犠牲膜の前記導電膜が堆積している部分よりも外側の部分を残存させることにより前記保持部を形成してもよい。
この製造方法によると、犠牲膜の一部を残存させて保持部を形成するため、犠牲膜とは別の工程で保持部を構成する膜を形成する必要がない。したがって、この製造法によるとコンデンサマイクロホンの製造工程が簡素化される。
尚、本明細書において、「・・・上に形成する」とは、技術上の阻害要因がない限りにおいて、「・・・上に直に形成する」と、「・・・上に中間物を介して形成する」の両方を含む意味とする。また、請求項に記載された方法の各動作の順序は、技術上の阻害要因がない限り、記載順に限定されるものではなく、どのような順番で実行されてもよく、また同時に実行されてもよい。
以下、実施例と参考例に基づいて本発明の実施の形態を説明する。各実施例および参考例において同一の符号が付された構成要素は、その符号が付された他の実施例あるいは参考例の構成要素と対応する。
参考例
[構成]
図1(A)は、本発明の参考例としてのコンデンサマイクロホン1の構成を示す模式図である。コンデンサマイクロホン1は、図1(A)に破線で囲った本体と本体から音響信号を取り出すための検出回路とを備えている。
・本体
ダイヤフラム24は不純物がドープされた多結晶シリコン、チタンなどの導体の薄膜で構成され、コンデンサの電極を構成している。ダイヤフラム24は、単層の導体薄膜で構成されていてもよいし、少なくとも一層の導体の薄膜を含む複層で構成されていてもよい。ダイヤフラム24の外周は円形であり、保持部28に固定されている。このため、ダイヤフラム24はその中央部18の1点において振幅が最大になる。
バックプレート16は不純物がドープされた多結晶シリコン、チタンなどの導体の薄膜で構成され、コンデンサの電極を構成している。バックプレート16は、単層の導体薄膜で構成されていてもよいし、少なくとも一層の導体の薄膜を含む複層で構成されていてもよい。バックプレート16の外周は円形であり、保持部28に固定されている。バックプレート16の中央部18は、最大振幅で振動するダイヤフラム24の中央部と向かい合っている。バックプレート16は、ダイヤフラム24に向かい合う面22が中央部18に向かって球面状に凹んでいる。バックプレート16のダイヤフラム24に向かい合う面22の端部に近い円環状の近端部20は平坦である。バックプレート16には複数の貫通孔14が形成されている。貫通孔14はバックプレート16とダイヤフラム24の間の空間26と外部空間との間で空気を流通させることによってダイヤフラム24が振動しやすくしている。
バックプレート16とダイヤフラム24とは互いに離間した状態で保持部28によって保持されている。バックプレート16、ダイヤフラム24の何れを音源側に設けてもよい。ダイヤフラム24のバックプレート16と反対側には保持部28の内壁27に囲まれたバックキャビティ25が形成されている。
コンデンサマイクロホン1の本体は図1(B)に示すように堆積された薄膜の積層構造を有している。多結晶シリコン、チタンなどからなる導電膜30はバックプレート16とパッド部12と保持部28とを構成している。二酸化シリコンなどからなる絶縁膜32は保持部28を構成し、導電膜30と導電膜34とを絶縁し、バックプレート16とダイヤフラム24との間に空間を形成するスペーサを構成している。多結晶シリコン、チタンなどからなる導電膜34はダイヤフラム24及び保持部28を構成している。エッチストッパ膜36は二酸化シリコンなどで構成されている。基板38は単結晶シリコンなどで構成されている。
・検出部
バックプレート16と同じ導電膜30で構成されているパッド部12は、コンデンサマイクロホンが実装されている基板のグランドにリード線106を介して接続されている。ダイヤフラム24と同じ導電膜34で構成されているパッド部10は、リード線104を介して抵抗器100とコンデンサ112とに接続されている。コンデンサ112はリード線114を介してプリアンプ110の入力端に接続されている。抵抗器100は、リード線108を介してバイアス電源回路102の出力端に接続されている。抵抗器100としては抵抗値が大きなものを使用する。具体的には、抵抗器100はGΩオーダーの電気抵抗を有するものが望ましい。
[作動]
音波がバックプレート16の貫通孔14を通過してダイヤフラム24に伝搬すると、ダイヤフラム24は音波によって振動する。ダイヤフラム24が振動すると、バックプレート16からダイヤフラム24までの距離が変化するため、ダイヤフラム24とバックプレート16とにより構成されているコンデンサの静電容量が変化する。
ダイヤフラム24は抵抗値が大きい抵抗器100とコンデンサ112とに接続されているため、ダイヤフラム24とバックプレート16とで構成されているコンデンサの静電容量が変化したとしても、ダイヤフラム24とバックプレート16とで構成されているコンデンサに蓄積されている電荷が抵抗器100を流れることはほとんどない。したがって、ダイヤフラム24とバックプレート16とにより構成されているコンデンサに蓄積されている電荷は、ダイヤフラム24が振動しても変化しないものとみなせる。このため、ダイヤフラム24とバックプレート16とで構成されているコンデンサの静電容量の変化は、ダイヤフラム24とバックプレート16との間の電圧の変化として検出される。
コンデンサマイクロホン1は、ダイヤフラム24のグランドに対する電圧の変化をプリアンプ110で増幅することにより、ダイヤフラム24とバックプレート16とで構成されているコンデンサの静電容量の極めてわずかな変化を電気信号として出力する。すなわち、コンデンサマイクロホン1は、ダイヤフラム24に加わる音圧の変化をコンデンサの静電容量の変化に変換し、コンデンサの静電容量の変化を電圧の変化に変換することにより、音圧の変化に相関する電気信号を出力する。
[効果]
コンデンサマイクロホン1は、バックプレート16が中央部に向かって凹んでいるため、平坦なバックプレートを備える従来のコンデンサマイクロホンと比べて感度が向上している。以下、図2及び図3に基づいて詳細に説明する。
図2(A)は、バックプレート40の形状のみが本実施形態と異なる第一の比較例としてのコンデンサマイクロホンを示す模式図である。バックプレート40のダイヤフラム24に向かい合う面が平坦であるため、ダイヤフラム24が振動していないとき、ダイヤフラム24からバックプレート40までの距離dは一定である。ダイヤフラム24は、破線で示すように、中央部Pにおいて最大の振幅で振動し、中央部Pから離れるほど振幅が小さくなる。したがって、ダイヤフラム24の端部に近い近端部は、ダイヤフラム24とバックプレート40とで構成されるコンデンサの容量変化にほとんど寄与せず、実質的に寄生容量を生み出している。ダイヤフラム24の端部に近い近端部が生み出すこのような寄生容量を低減することによってコンデンサマイクロホンの感度が向上する。
図2(B)は、バックプレート42の形状のみが本実施形態と異なる第二の比較例としてのコンデンサマイクロホンを示す模式図である。図2(B)に示すコンデンサマイクロホンでは、バックプレート42のダイヤフラム24に向かい合う面がダイヤフラム24の中央部Pに向かい合う部分に向かって凹んでいるため、ダイヤフラム24からバックプレート42までの距離dは、中央部Pにおいて最長となり、中央部Pから離れるほど短くなる。ダイヤフラム24とバックプレート42との電位差は、ダイヤフラム24とバックプレート42との間に働く静電引力に相関する。ダイヤフラム24の端部に近い近端部が小さな振幅で振動することによって生ずるその静電引力の変化幅が大きくなるほど、コンデンサマイクロホンの感度は向上する。図3に示すように、ダイヤフラムとバックプレートとの間に働く静電引力の変化幅Δfは、ダイヤフラムからバックプレートまでの距離dが短くなるなるほど大きくなる。図2(B)に示す第二の比較例では、ダイヤフラム24の端部に近い近端部は、図2(A)に示す第一の比較例に比べてバックプレート42に近くなっている。このため、図2(B)に示す第二の比較例では、ダイヤフラム24の端部に近い近端部によって生み出される寄生容量が図2(A)に示す第一の比較例に比べて小さくなる。したがって、図2(B)に示すコンデンサマイクロホンの感度は、図2(A)に示すコンデンサマイクロホンよりも感度が高くなる。
本実施形態では、図2(C)に示すように、バックプレート16のダイヤフラム24に向かい合っている面22の内側がダイヤフラム24の中央部Pに向かい合う部分に向かって凹んでいるため、ダイヤフラム24からバックプレート16までの距離は、ダイヤフラム24の中央部Pにおいて長く、ダイヤフラム24の端部に近い近端部において短くなっている。したがって、本実施形態によるコンデンサマイクロホン1は、第二の比較例と同様に、図2(A)に示す第一の比較例に比べて感度が高くなる。
さらに本実施形態では、バックプレート16のダイヤフラム24に向かい合っている面22の内側がダイヤフラム24の中央部Pに向かい合う部分に向かって球面状に凹んでいるため、ダイヤフラム24の中央部Pから所定の距離内にある範囲において、ダイヤフラム24の振幅2yと、ダイヤフラム24からバックプレート16までの距離dとの比を、ダイヤフラム24の中央部Pにおけるその比にほぼ揃えることができる。
ダイヤフラム24の振幅2yと、ダイヤフラム24からバックプレート16までの距離dとの比を、ダイヤフラム24の端部に近い範囲においてもダイヤフラム24の中央部Pにおけるその比に揃えようとすると、ダイヤフラム24の端部に近い近端部がバックプレート42に近くなり過ぎる。ダイヤフラム24の端部に近い近端部がバックプレート42に近くなり過ぎると、バックプレート42とダイヤフラム24とを絶縁している保持部28の表面抵抗が下がってリーク電流が増大し、コンデンサマイクロホンの感度が低下する。本実施形態では、バックプレート16のダイヤフラム24に向かい合う面22の端部に近い近端部20を平坦にすることにより、リーク電流によるコンデンサマイクロホンの感度低下を防止している。
[製造方法]
図4及び図5はコンデンサマイクロホン1の製造方法を示す断面図である。
はじめに図4(A)に示すように、基板38の上にエッチストッパ膜36、導電膜34及び絶縁膜32を順に堆積させる。具体的には例えば単結晶シリコンからなる基板38の上に、CVD法により二酸化シリコンを堆積させてエッチストッパ膜36を形成する。さらに、LPCVD法によってシリコンを堆積させ、不純物を高濃度のイオン注入によりシリコンにドープし、シリコンを活性化させることにより、多結晶シリコンからなる導電膜34を形成する。さらにCVD法により二酸化シリコンを堆積させて絶縁膜32を形成する。
次に図4(B)に示すように、絶縁膜32の上でレジスト56を円柱形にパターニングする。
次に図4(C)に示すように、レジストを再融解した後に再硬化させることによって絶縁膜32の部分領域上にマスク57を形成する。再融解前の円柱形のレジスト56の底面の半径は、レジスト56を再溶融し再硬化させた後に形成されるマスク57の底面の半径とほぼ一致する。マスク57の表面の曲率半径は、レジスト56の高さ(厚さ)でほぼ決まる。したがって、バックプレート16のダイヤフラム24に向かい合う面の球面状の凹部の形状は、再融解前のレジスト56の底面の半径及び高さによって制御できる。
次に、異方性エッチングであるドライエッチングによりマスク57が無くなるまで絶縁膜32の表層を除去する。すると、図4(D)に示すように絶縁膜32の表面に球面状の凸面58が形成される。
次に図4(E)に示すように、絶縁膜32の上に導電膜30を堆積させる。具体的には例えばLPCVD法によってシリコンを堆積させ、不純物を高濃度のイオン注入によりシリコンにドープし、シリコンを活性化させることにより、多結晶シリコンからなる導電膜30を形成する。
次に図5(A)に示すように、導電膜30をエッチングして貫通孔14を形成する。
次に図5(B)に示すように、導電膜30及び絶縁膜32をエッチングして導電膜30及び絶縁膜32の外形を完成させる。
次に図5(C)に示すように、基板38の一部をDeepRIE法によって除去し、バックキャビティ25の一部を形成する。
次に図5(D)に示すように、エッチストッパ膜36及び絶縁膜32の一部をBHF等を用いたエッチングにより除去し、バックプレート16とダイヤフラム24の間の空間26とバックキャビティ25の残部とを形成する。このとき除去される絶縁膜32の一部は、凸面58を含み、犠牲膜に相当する。
実施例
[構成]
図6(A)は、本発明の実施例としてのコンデンサマイクロホン2の構成を示す模式図である。コンデンサマイクロホン2は、図1(A)に示す本体と、参考例としてのコンデンサマイクロホン1と実質的に同一の検出回路とを備えている。
コンデンサマイクロホン2の本体は、バックプレートがコンデンサマイクロホン1と異なる。コンデンサマイクロホン2の本体の各構成要素は、バックプレート216を除きコンデンサマイクロホン1の対応する構成要素と実質的に同一である。
バックプレート216の外形は、参考例に係るバックプレート16と実質的に同一である。すなわち、バックプレート216のダイヤフラム24に向かい合う面222が中央部218に向かって球面状に凹んでいる。そしてバックプレート216のダイヤフラム24に向かい合う面222の端部に近い円環状の近端部220は平坦である。
バックプレート216は、Si34などの絶縁材料からなる絶縁膜216aと、不純物がドープされた多結晶シリコン、チタンなどの導電材料からなる導電膜216bとで構成されている。絶縁膜216aの外周は円形であり、保持部28に固定されている。導電膜216bは、絶縁膜216aより表面積が小さくダイヤフラム24の外周より内側の部分と向かい合って、コンデンサの電極を構成している。尚、絶縁膜216aと導電膜216bはそれぞれ単層膜でもよいし複層膜でもよい。
図6(B)に示すように、コンデンサマイクロホン2の本体は、参考例としてのコンデンサマイクロホン1と同様に、堆積された薄膜の積層構造を有している。多結晶シリコン、チタンなどからなる導電膜230は、バックプレート216と、バックプレート216に接続されている図示しないパッド部とを構成している。Si34などからなる絶縁膜231は、バックプレート216と保持部28とを構成している。
[効果]
コンデンサマイクロホン2では、バックプレート216の導電膜216bがダイヤフラム24の保持部28に保持されている外周と向かい合っていないため、ダイヤフラム24とバックプレート216とによって構成されるコンデンサの音波によって変化しない実質的な寄生容量は小さい。またコンデンサマイクロホン2では、導電膜230及び導電膜34の保持部28を構成している部分が絶縁膜32を介して向かい合っていないため、保持部28における寄生容量は小さい。このようにコンデンサマイクロホン2の寄生容量を低減することにより、コンデンサマイクロホン2の感度を高めることができる。
[製造方法]
図7はコンデンサマイクロホン2の製造方法を示す断面図である。
はじめに図7(A)に示すように、参考例としてのコンデンサマイクロホン1の製造方法と同様にして、基板38上にエッチストッパ膜36、導電膜34、絶縁膜32及び導電膜230を順に形成する。
次に図7(B)に示すように、絶縁膜32の凸面58よりも外側の部分に堆積している
導電膜230の一部を除去する。具体的には例えば、上述のように導電膜230をパターニングする。
次に図7(C)に示すように、絶縁膜32及び導電膜230の表面上に絶縁膜231を堆積させる。
次に図7(D)に示すように、導電膜230及び絶縁膜231をエッチングして貫通孔14を形成する。
次に図7(E)に示すように、参考例としてのコンデンサマイクロホン1の製造方法と同様にして、基板38の一部を除去することによりバックキャビティ25の一部を形成する。そして、絶縁膜32の導電膜230が堆積している部分よりも外側の部分が残存するように、エッチストッパ膜36及び絶縁膜32の一部を除去することにより、保持部28とバックプレート216とダイヤフラム24との間の空間26とバックキャビティ25の残部とを形成する。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。例えば、バックプレート16は、ダイヤフラム24に向かい合う面22が、図8(A)に示すように全体として球面状に凹んでいてもよい。
また、図8(B)に示すようにダイヤフラム24が保持部28によって向かい合う2辺を保持される場合、バックプレート16は、ダイヤフラム24に向かい合う面22が全体として円筒面状に凹んでいてもよい。この場合、ダイヤフラム24の振幅は線状の中央部に向かって増大する。
円筒面状に凹んだバックプレート16の面22を形成する方法は、次のとおりである。まず、図9(A)に示すように絶縁膜32の上でレジスト56を直方体にパターニングした後に再溶融し再硬化させ、図9(B)に示すように端部を除いて表面が円筒形であるマスク57を形成する。次に図9(C)に示すようにマスク57が無くなるまで絶縁膜32の表層を異方性エッチングにより除去する。その結果、端部を除いてほぼ円筒形である突面58が絶縁膜32の表面に形成される。次に図9(D)に示すように凸面58のほぼ円筒面である部分の上にバックプレート16を構成する導電膜30を堆積させる。これにより、バックプレート16を構成する導電膜30の一部を円筒面状に湾曲させることができる。
またバックプレート16のダイヤフラム24に向かい合う面の凹部は、なだらかな湾曲面でなくとも、図10に示すように階段状であってもよい。階段状に凹んだバックプレート16の面22を形成するには、形状の異なる複数の導電膜54、52、50、48を積層してもよいし、階段状の犠牲膜の上に導電膜を堆積させてもよい。
(A)は本発明の参考例に係る模式図、(B)は本発明の参考例に係る断面図である。 本発明の参考例に係る模式図である。 本発明の参考例に係るグラフである。 本発明の参考例に係る断面図である。 本発明の参考例に係る断面図である。 (A)は本発明の実施例に係る模式図、(B)は本発明の実施例に係る断面図である。 本発明の実施例に係る断面図である。 本発明の他の実施例に係る模式図である。 本発明の他の実施例に係る斜視図である。 本発明の他の実施例に係る断面図である。
符号の説明
1、2:コンデンサマイクロホン、14:貫通孔、16、216:バックプレート、18:中央部、20、220:近端部、24:ダイヤフラム、28:保持部

Claims (6)

  1. 音波によって振動するダイヤフラムと、
    前記ダイヤフラムに向かい合う面が前記ダイヤフラムの中央部に向かい合う部分に向かって凹んでいるバックプレートと、
    前記バックプレートから離間させた状態で前記ダイヤフラムを保持している保持部と、
    を備え、
    前記バックプレートは、外周が前記保持部に結合している絶縁膜と、前記絶縁膜より表面積が小さく前記ダイヤフラムの外周より内側の部分に向かい合っている導電膜とを有する、
    ことを特徴とするコンデンサマイクロホン。
  2. 前記保持部は、前記ダイヤフラムの振幅が前記中央部に対応する点に向かって増大するように前記ダイヤフラムを保持し、
    前記バックプレートは、前記ダイヤフラムに向かい合う面が前記ダイヤフラムの前記中央部に向かい合う部分に向かって球面状に凹んでいる、
    請求項1に記載のコンデンサマイクロホン。
  3. 前記保持部は、前記ダイヤフラムの振幅が前記中央部に対応する線に向かって増大するように前記ダイヤフラムを保持し、
    前記バックプレートは、前記ダイヤフラムに向かい合う面が前記ダイヤフラムの中央部に向かい合う部分に向かって円筒面状に凹んでいる、
    請求項1に記載のコンデンサマイクロホン。
  4. 前記バックプレートは、前記ダイヤフラムに向かい合う面が前記ダイヤフラムの中央部に向かい合う部分に向かって階段状に凹んでいる、
    請求項1に記載のコンデンサマイクロホン。
  5. 前記バックプレートは、前記ダイヤフラムに向かい合う面の近端部が平坦である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンデンサマイクロホン。
  6. 前記ダイヤフラム、前記バックプレート及び前記保持部は堆積膜からなる、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンデンサマイクロホン。
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