JP2008252854A - 静電型トランスデューサおよびその製造方法 - Google Patents

静電型トランスデューサおよびその製造方法 Download PDF

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JP2008252854A JP2007095250A JP2007095250A JP2008252854A JP 2008252854 A JP2008252854 A JP 2008252854A JP 2007095250 A JP2007095250 A JP 2007095250A JP 2007095250 A JP2007095250 A JP 2007095250A JP 2008252854 A JP2008252854 A JP 2008252854A
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Naoki Ushiyama
直樹 牛山
Hiroshi Maruyama
博 丸山
Hiroshi Kawada
裕志 河田
Toshihiko Takahata
利彦 高畑
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Abstract

【課題】音響センサや圧力センサとして使用する場合に従来より感度が向上し、スピーカとして使用する場合には従来より出力音圧が向上する静電型トランスデューサを提供する。
【解決手段】固定板4は厚み方向に貫通する穴部10を有し、可動板5は、固定板4に対して固定板4の厚み方向に対向する振動部11と、振動部11から突出し穴部10に一部が挿入される突起部12とを有する。可動電極8は振動部11から突起部12に亘って設けられ、固定電極7は固定板4における振動部11との対向面に沿う部分と穴部10の内側面に沿う部分とを一体に有する。可動電極8において振動部11に設けられた部分と固定電極7において固定板4における振動部11との対向面に沿う部分との間のギャップ長gは、可動電極8において突起部12に設けられた部分と固定電極7において穴部10の内側面に沿う部分との間のギャップ長dよりも大きく設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、可動板の振動エネルギを電気エネルギに変換する音響センサや、圧力変化による可動板の変位を電気エネルギに変換する圧力センサや、電気エネルギを可動板の振動エネルギに変換するスピーカ等として使用される静電型トランスデューサおよびその製造方法に関するものである。
従来から、静電型トランスデューサ1として、図13(a)に示すようにギャップGを介して互いに対向配置された固定板4および可動板5と、固定板4および可動板5にそれぞれに設けられた一対の電極7,8(ここでは、固定板4に設けられた電極7が固定電極を、可動板5に設けられた電極8が可導電極を構成する)とを備えるものが知られている(たとえば特許文献1参照)。この種の静電型トランスデューサ1は、たとえばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術などの微細加工技術を利用して作製される。
図13(a)の例では、固定板4および可動板5は枠状の支持基板3に支持されている。この静電型トランスデューサ1では、一対の電極7,8がギャップGを介して対向することで一対の電極7,8間にキャパシタが構成されており、可動板5が厚み方向に振動すると一対の電極7,8間の距離が変化しキャパシタの静電容量が変化する。そのため、一対の電極7,8間にバイアス電圧を印加しておき、キャパシタの静電容量変化を電気信号に変換して取り出すことにより、可動板5が音波を受けた際に、当該音波に応じた可動板5の振動エネルギを電気エネルギ(ここでは、電気信号)として取り出すことができる。したがって、静電型トランスデューサ1はたとえば音響センサとして使用される。同様に、一対の電極7,8間にバイアス電圧を印加しておき圧力変化による可動板5の変位を電気エネルギとして取り出すことにより、圧力を検出する圧力センサとして使用することもできる。
この種の静電型トランスデューサ1において、受波音波に対する出力電圧の感度(電圧感度)は、音圧をP〔Pa〕とすれば、
感度=20・log10(E/P)
で表される。ここで、Eは外部に流す電流が0〔A〕のときの電極7,8間の電圧である開放端電圧〔V〕であって、電極7,8間の静電容量をC〔F〕、静電容量の変化量をΔC〔F〕、電極7,8に印加している直流バイアス電圧をV〔V〕とすれば、
E∝(ΔC/C)・V
の関係が成り立つ。要するに、ΔC/C(静電容量の変化率)が大きいほど、静電型トランスデューサ1の感度は高くなる。
以下に、一対の電極7,8間に直流バイアス電圧V〔V〕が印加されている初期状態から可動板5が厚み方向に沿って固定板4側にx〔m〕だけ変位したときの静電容量の変化率について、図13(b)に示すように静電型トランスデューサ1における固定板4および可動板5の小領域に着目して説明する。なお、可動板5が固定板4から離れる向きに変位したときにはx〔m〕は負になる。ここでは、図13(a)にAで示す領域であって、可動板5の振動方向に直交する断面が一辺a〔m〕の正方形となる領域を小領域とする。
可動板5の変位前における電極7,8間距離(ここではギャップGのギャップ長)をg〔m〕とすれば、可動板5の変位前における小領域の静電容量Cparallel〔F〕は、ギャップGの誘電率をεとすると、
Figure 2008252854
で表される。同様に、可動板5の変位後における小領域の静電容量Cparallel’は、
Figure 2008252854
で表される。ここにおいて、小領域の静電容量の変化量ΔCparallel〔F〕はCparallel’−Cparallelで表されるから、結果的に、静電容量の変化率(ΔCparallel/Cparallel)は、上述したCparallel、Cparallel’を用いて、
Figure 2008252854
で表される。
ところで、可動板5の作製時に可動板5に生じる残留応力により可動板5のコンプライアンスが低下することが知られている。そこで、支持基板3が複数のアーム(図示せず)を介して可動板5を支持するようにし、可動板5が支持基板3に対して移動可能となるようにアームを歪ませることで可動板5の残留応力を緩和し、可動板5のコンプライアンスを向上させた静電型トランスデューサ1も提案されている(たとえば特許文献2参照)。この構成では、可動板5のコンプライアンスを向上させた分だけ、音波を受けた際の可動板5の変位xが大きくなるので、上述した静電容量の変化率(ΔCparallel/Cparallel)が大きくなり、比較的高い感度を確保することができる。
なお、上述した静電型トランスデューサ1は、一対の電極7,8間に駆動電圧を印加すれば、一対の電極7,8間に静電力が作用し可動板5が固定板4側に引き寄せられるので、一対の電極7,8間に印加する駆動電圧を変化させることで、可動板5を振動させて可動板5から音波を発生することができる。つまり、上述した静電型トランスデューサ1は、音響センサに限らず、電気エネルギ(駆動電圧)を可動板5の振動エネルギに変換することで可動板5から音波を発生するスピーカとして使用することも可能である。
特表2004−506394号公報(図1) 特表2005−535152号公報(第6−7頁)
しかし、特許文献2に記載の静電型トランスデューサ1であっても、音響センサや圧力センサとして使用する場合に、一般に普及しているエレクトレットコンデンサマイクロホン等に比べると感度が低く、さらなる感度の向上が望まれている。また、静電型トランスデューサ1をスピーカとして使用する場合に、出力音圧の向上が望まれている。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであって、音響センサや圧力センサとして使用する場合には従来よりも感度が向上し、スピーカとして使用する場合には従来よりも出力音圧が向上する静電型トランスデューサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明では、ギャップを介して互いに対向配置された固定板および可動板と、固定板および可動板にそれぞれ設けられた一対の電極とを備え、一対の電極間にキャパシタが形成される静電型トランスデューサであって、固定板は、少なくとも可動板側の一表面に開口する穴部を有し、可動板は、固定板に対して固定板の厚み方向に対向する振動部と、振動部における固定板側の表面から突出し少なくとも振動部が変位する前の初期状態において穴部に一部が挿入される突起部とを有し、可動板側の電極は振動部から突起部に亘って設けられ、固定板側の電極は固定板における振動部との対向面に沿う部分と穴部の内側面に沿う部分とを一体に有し、可動板側の電極において振動部に設けられた部分と固定板側の電極において固定板における振動部との対向面に沿う部分との間の距離は、可動板側の電極において突起部に設けられた部分と固定板側の電極において穴部の内側面に沿う部分との間の距離よりも大きく設定されていることを特徴とする。
この発明によれば、可動板側の電極は振動部から突起部に亘って設けられ、固定板側の電極は固定板における振動部との対向面に沿う部分と穴部の内側面に沿う部分とを一体に有するので、可動板が変位すると固定板と振動部との間の距離が変化して一対の電極間の距離が変化するだけではなく、穴部への突起部の挿入量に応じて一対の電極の対向面積も変化する。つまり、可動板が固定板側に変位すると、可動板側の電極のうち振動部に設けられた部分と固定板側の電極のうち固定板における振動部との対向面に沿う部分との間の距離が小さくなることでキャパシタの静電容量が増加することに加えて、可動板側の電極のうち突起部に設けられた部分と固定板側の電極のうち穴部の内側面に沿う部分との対向面積が増加することによってキャパシタの静電容量が増加する。したがって、穴部および突起部がない構成に比べると、可動板の変位量が同じ場合でも静電容量の変化率を大きくすることが可能となり、感度を向上することができる。しかも、可動板側の電極において振動部に設けられた部分と固定板側の電極において固定板における振動部との対向面に沿う部分との間の距離は、可動板側の電極において突起部に設けられた部分と固定板側の電極において穴部の内側面に沿う部分との間の距離よりも大きく設定されているので、一対の電極間の距離が全域で均一である場合に比べて、静電容量の変化率は大きくなり、より高い感度を得ることができる。なお、一対の電極間に駆動電圧を印加して一対の電極間に静電力を作用させることで可動板から音波を出力するスピーカとして使用する場合には、比較的大きな音圧を出力可能となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記穴部は、前記固定板の厚み方向に貫通していることを特徴とする。
この発明によれば、穴部を通して固定板の厚み方向に空気を通過させることで可動板の振動が妨げられにくくなるので、静電型トランスデューサが音響センサとして特に高周波領域で使用される場合に良好な感度特性が得られ、また、静電型トランスデューサがスピーカとして特に高周波領域で使用される場合に良好な出力特性が得られる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2記載の静電型トランスデューサの製造方法であって、前記固定板の基礎となる固定基板に対して固定基板の厚み方向の一方にのみ開放された状態の前記穴部を形成することで前記穴部を有し且つ前記電極が設けられた前記固定板を形成する固定板形成工程と、固定板形成工程の後で前記穴部の開口面側から前記固定板に犠牲層を堆積することで前記固定板と反対側の一表面に前記穴部に対応する凹部を有する犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、犠牲層形成工程の後で犠牲層上に前記可動板を堆積することで凹部内に堆積された部分を前記突起部とし且つ前記電極が設けられた前記可動板を形成する可動板形成工程と、可動板形成工程の後で犠牲層の一部を除去することで前記固定板と前記可動板との間に前記ギャップを形成する犠牲層除去工程とを有することを特徴とする。
この発明によれば、ステップカバレッジの低い堆積方法で犠牲層を形成することにより、犠牲層のうち穴部の内側面に堆積される部分の厚み寸法を、犠牲層のうち固定板における穴部以外の部位に堆積される部分の厚み寸法より簡単に小さくすることができる。これにより、容易に、可動板側の電極において振動部に設けられた部分と固定板側の電極において固定板における振動部との対向面に沿う部分との間の距離を、可動板側の電極において突起部に設けられた部分と固定板側の電極において穴部の内側面に沿う部分との間の距離よりも大きく設定可能となる。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記犠牲層形成工程では、前記固定板に対して複数層の前記犠牲層を積層しており、前記犠牲層において前記固定板における前記穴部以外の部位に堆積される部分の層数を、前記犠牲層において前記穴部の内面に堆積される部分の層数よりも多く設定していることを特徴とする。
この発明によれば、犠牲層のうち固定板における穴部以外の部位に堆積される部分の層数を部分的に増やすことで、犠牲層のうち固定板における穴部以外の部位に堆積される部分の厚み寸法を、犠牲層のうち穴部の内面に堆積される部分の厚み寸法より簡単に大きくすることができる。これにより、容易に、可動板側の電極において振動部に設けられた部分と固定板側の電極において固定板における振動部との対向面に沿う部分との間の距離を、可動板側の電極において突起部に設けられた部分と固定板側の電極において穴部の内側面に沿う部分との間の距離よりも大きく設定可能となる。
本発明は、音響センサや圧力センサとして使用する場合には従来よりも感度が向上し、スピーカとして使用する場合には従来よりも出力音圧が向上するという効果がある。
本発明の静電型トランスデューサは、可動板の振動エネルギを電気エネルギに変換するたとえばマイクロホンなどの音響センサや、圧力変化による可動板の変位を電気エネルギに変換する圧力センサや、電気エネルギを可動板の振動エネルギに変換するスピーカ等として使用されるものであるが、以下の各実施形態では静電型トランスデューサを音響センサとして使用する例を示す。
(実施形態1)
本実施形態の静電型トランスデューサ1は、図1に示すように、矩形枠状に形成された支持基板3と、支持基板3の一表面側(図1(a)の上面側)に形成された固定板4と、固定板4の支持基板3と反対の一表面側において固定板4とはギャップGを介して対向するように配置された可動板5とを備える。固定板4は矩形板状であって、支持基板3との間に矩形枠状の絶縁膜20を介在させるように形成されている。これにより、支持基板3の他表面側(図1(a)の下面側)においては支持基板3と固定板4と絶縁膜20とで囲まれたキャビティ2が形成される。絶縁膜20については後述する。可動板5は固定板4よりも薄肉の矩形板状に形成されており、固定板4の前記一表面側に絶縁支持部6を介して積層されている。絶縁支持部6は可動板5の周部と固定板4の周部との間に介在し、この絶縁支持部6によって固定板4と可動板5との間に所定のギャップ長を有するギャップGが形成されている。
固定板4には固定電極7が設けられ、可動板5において固定電極7に対応する位置には固定電極7と対をなす可動電極8が設けられる。一対の電極(固定電極7および可動電極8)はギャップGを介して対向し、固定電極7および可動電極8を電極とするキャパシタが構成される。これにより、可動板5が厚み方向に振動すると固定電極7と可動電極8との間の距離が変化しキャパシタの静電容量が変化するので、この静電容量変化を電気信号に変換して取り出すことにより、可動板5が音波を受けた際に当該音波に応じた可動板5の振動エネルギを電気エネルギ(ここでは、電気信号)として取り出すことができる。ここで、静電容量変化を電気信号に変換して取り出すため、音波を検出する際には固定電極7と可動電極8との間にバイアス電圧が印加される。本実施形態では、図1(a)に示すように固定電極7に接続されたパッド7aを固定板4の支持基板3と反対側の一表面の一端部に設け、可動電極8に接続されたパッド8aを可動板5の固定板4と反対側の一表面の一端部に設けることで、パッド7a,8aから固定電極7と可動電極8との間にバイアス電圧を印加可能としてある。バイアス電圧を印加する外部回路はたとえばワイヤボンディングによりパッド7a,8aと接続される。ここに、可動板5はパッド8aを露出させる形状に形成されている。なお、図1(b)ではパッド7a,8a、絶縁支持部6の図示を省略している。
支持基板3は、シリコン基板からなり中央部をエッチングで除去することにより固定板4およびシリコン酸化膜からなる絶縁膜20と共にキャビティ2を構成する形状に形成されている。キャビティ2は、矩形状に開口しており、ここではたとえばアルカリ溶液を用いた異方性エッチングなどにより内側面にテーパを付け、支持基板3の厚み方向に直交する断面の面積が固定板4から離れるほど大きくなる形状に形成しているが、支持基板3を極力小型化するために各内側面が支持基板3の前記一表面に対してそれぞれ垂直に形成されていてもよい。
固定板4は、上述のように矩形板状に形成されており、支持基板3の前記一表面の各辺に対向する各辺を支持基板3の各辺に略平行させるように支持基板3上に配置される。固定板4は、シリコン(ポリシリコン、アモルファスシリコンを含む)から形成されており、CVD法(化学気相成長法)などによる堆積により作製される。ここで、固定板4は音圧を受けても殆ど変形しないように所定の剛性を有する材料、厚み、サイズに設計されている。さらに固定板4には、可動板5の振動を妨げないように空気を通す穴部(いわゆるアコースティックホール)10が、キャビティ2の底板となる領域に複数貫設されている。本実施形態の穴部10は正方形状の開口を有する形状に形成されており、矩形状の領域において等間隔で格子点状に配置されている。つまり、固定板4におけるキャビティ2の底板となる領域は格子状に形成されている。ここでは穴部10は、たとえばフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて形成される。
絶縁支持部6は、シリコン酸化膜からなり、固定板4に設けた固定電極7と可動板5に設けた可動電極8とを電気的に絶縁する。絶縁支持部6は固定板4の一表面の全周に亘って設けられている。ここでは一例として、作製過程において固定板4と可動板5との間に作製された絶縁性の犠牲層を部分的に除去し、犠牲層の残存部分を絶縁支持部6として用いている。
可動板5は、固定板4の一表面の各辺に対向する各辺を固定板4の各辺に略平行させるように固定板4上に配置されており、固定板4と同様に、シリコン(ポリシリコン、アモルファスシリコンを含む)から形成されており、CVD法などによる堆積により作製される。ここにおいて、固定板4には上述したように穴部10が複数貫設されているので、支持基板3の他表面側からキャビティ2内に伝播された音波は穴部10を通って可動板5に伝播される。つまり、支持基板3と固定板4と絶縁膜20とで形成されたキャビティ2が音波の入り口となる。そのため、音波を検出する際には、静電型トランスデューサ1は、音波の検出を行う外部雰囲気にキャビティ2の開口面を晒すように配置される。
可動板5は、音波を受けて変位(振動)しやすいようにある程度大きなコンプライアンスを有しつつ、所望の共振周波数や振幅などの振動特性を実現することや、バイアス電圧を印加した際のプルイン(静電力が可動板5の復元力に比べて過大となって可動板5の姿勢を安定して制御できなくなる現象)を防止することなどを考慮して、適切なコンプライアンスを有する材料、厚み、サイズに設計される。このとき、可動板5の作製時に可動板5に生じる残留応力も考慮される。
本実施形態では、不純物をドープし導電性を付与したポリシリコンを固定板4の材料とすることにより固定板4自体が固定電極7を構成し、また、不純物をドープし導電性を付与したポリシリコンを可動板5の材料とすることにより可動板5自体が可動電極8を構成している。
ところで、本実施形態の可動板5は、固定板4のうちキャビティ2の底板となる領域に対して固定板4の厚み方向に対向し音波を受けて振動する振動部11と、振動部11の固定板4側の表面において穴部10の開口面に対向する各位置にそれぞれ突設された複数の突起部12とを有している。なお、図1(b)では可動板5における突起部12以外の部分を想像線(2点鎖線)で図示している。
突起部12は、突出方向に直交する断面が穴部10の開口面よりも小さく形成され、且つ突出寸法が固定板4と振動部11との間のギャップGのギャップ長よりも大きく設定されており、少なくとも可動板5が振動する前の初期状態で穴部10に一部が挿入されるものである。ここでいう初期状態は、バイアス電圧が一対の電極(固定電極7および可動電極8)間に印加されている状態を意味する。本実施形態では、突起部12は突出方向に直交する断面が穴部10の開口面よりも小さい正方形状となる四角柱状に形成されている。ここで、突起部12は各側面を穴部10の各内側面に略平行させるように穴部10の開口面内での中央部に配置される。突起部12は、可動板5の作製過程においてたとえば一表面に凹部を有する犠牲層の前記一表面に可動板5の材料を堆積した後で犠牲層を除去することで形成される。
さらに、本実施形態の静電型トランスデューサ1においては、固定板4と振動部11との対向面間のギャップGのギャップ長(つまり、固定電極7において固定板4における振動部11との対向面に沿う部分と可動電極8において振動部11に設けられた部分との間の距離)である第1のギャップ長gは、可動板5が振動する前の初期状態で穴部10の内側面と突起部12の側面との間のギャップDのギャップ長(つまり、固定電極7において穴部10の内側面に沿う部分と可動電極8において突起部12に設けられた部分との間の距離)である第2のギャップ長dよりも大きく設定されている。
以上説明した構成の静電型トランスデューサ1においては、可動電極8は振動部11から突起部12に亘って設けられ、固定電極7は固定板4における振動部11との対向面に沿う部分と穴部10の内側面に沿う部分とを一体に有するので、可動板5が振動すると、固定板4と振動部11との間の距離が変化して固定電極7と可動電極8との間の距離が変化するだけではなく、穴部10への突起部12の挿入量が変化して穴部10の内側面と突起部12の側面との対向面積が変化することにより固定電極7と可動電極8との対向面積も変化する。要するに、固定電極7と可動電極8との間の距離が変化することによるキャパシタの静電容量の変化だけでなく、固定電極7と可動電極8との対向面積が変化することによるキャパシタの静電容量の変化も生じる。たとえば、振動部11が固定板4側に変位すると、固定電極7と可動電極8との距離が小さくなるから静電容量が増加し、穴部10の内側面と突起部12の側面との対向面積が大きくなることによって静電容量がさらに増加する。したがって、穴部10および突起部12がない従来構成に比べると、可動板5の変位量が同じ場合でも静電容量の変化量は大きくなり、高い感度を確保することができる。しかも、固定板4と振動部11との対向面間のギャップGの第1のギャップ長gは、可動板5が振動する前の初期状態で穴部10の内側面と突起部12の側面との間のギャップDの第2のギャップ長dよりも大きく設定されているので、固定電極7と可動電極8との間の距離が全域で均一である場合に比べて、静電容量の変化率は大きくなり、より高い感度を得ることができる。
以下、固定電極7と可動電極8との間にバイアス電圧が印加されている初期状態から可動板5が厚み方向に沿って固定板4側にx〔m〕だけ変位したときの静電容量の変化率(ΔC/C)について、図2に示すように固定板4および可動板5の小領域に着目して説明する。なお、可動板5が固定板4から離れる向きに変位したときにはx〔m〕は負になる。ここでは、図1(a)にAで示す領域であって、1つの穴部10および突起部12を中央に有し、可動板5の振動方向に直交する断面が一辺a〔m〕の正方形となる領域を小領域とする。
可動板5の変位前において、固定板4と振動部11との対向面間の距離(つまり、第1のギャップ長)をg〔m〕、突起部12の断面の一辺長をb〔m〕、穴部10への突起部12の挿入量をc〔m〕、穴部10の内側面と突起部12の側面との間の距離(つまり、第2のギャップ長)をd〔m〕とすれば、可動板5の変位前における小領域の静電容量Ccomb〔F〕は、ギャップG、Dの誘電率をεとすると、
Figure 2008252854
で表される。なお、上記数4のうち、ε・(a−(b+2d))/gの項が固定電極7のうち固定板4における振動部11との対向面に沿う部分と可動電極8のうち振動部11に設けられた部分との間の静電容量に相当し、ε・(4b・c)/dの項が固定電極7のうち穴部10の内側面に沿う部分と可動電極8のうち突起部12に設けられた部分との間の静電容量に相当する。同様に、可動板5の変位後における小領域の静電容量Ccomb’は、
Figure 2008252854
で表される。ここにおいて、小領域の静電容量の変化量ΔCcomb〔F〕はCcomb’−Ccombで表されるから、結果的に、静電容量の変化率(ΔCcomb/Ccomb)は、上述したCcomb、Ccomb’を用いて、
Figure 2008252854
で表される。
参考例として、上記数4、数5における各パラメータの値を、a=10×10−6〔m〕、b=2×10−6〔m〕、c=1×10−6〔m〕、d=3×10−6〔m〕、g=3×10−6〔m〕と仮定し、可動板5が厚み方向にx=5×10−9〔m〕だけ変位したと仮定して、静電容量の変化率(ΔCcomb/Ccomb)を計算すると、上記数4、数5、数6からΔCcomb/Ccomb=0.00228と求まる。
これに対して、穴部10および突起部12がない従来構成において、同様の条件(a=10×10−6〔m〕、g=3×10−6〔m〕、x=5×10−9〔m〕)で静電容量の変化率(ΔCparallel/Cparallel)を計算すると、上記数1、数2、数3からΔCparallel/Cparallel=0.00167と求まる。
要するに、本実施形態の構成の静電型トランスデューサ1では、従来の静電型トランスデューサ1に比較して、穴部10および突起部12を設けたことによって静電容量の変化率が大きくなり、感度が向上することになる。
また、本実施形態では、固定電極7のうち固定板4における振動部11との対向面に沿う部分と可動電極8のうち振動部11に設けられた部分との間の距離gは、固定電極7のうち穴部10の内側面に沿う部分と可動電極8のうち突起部12に設けられた部分との間の距離dよりも大きくなるように設定されているので、上記数4、数5においてg>dに設定されることになる。一例として、d以外の各パラメータの値を上記参考例と同様の条件(a=10×10−6〔m〕、b=2×10−6〔m〕、c=1×10−6〔m〕、g=3×10−6〔m〕、x=5×10−9〔m〕)としたときに、d=0.5×10−6〔m〕として静電容量の変化率を計算すると、上記数4、数5、数6からΔCcomb/Ccomb=0.00282と求まる。したがって、本実施形態の静電型トランスデューサ1では、g>dとすることで、d=g(=3×10−6〔m〕)とした上記参考例よりもさらに静電容量の変化率が大きくなり、より一層高い感度を得ることができる。
以下、本実施形態の静電型トランスデューサ1の製造方法を例示する。
まず、支持基板3の基礎となる図3(a)に示すシリコン基板3’に対して、図3(b)に示すように熱酸化によりシリコン酸化膜からなる絶縁膜20を形成し、当該絶縁膜20上にポリシリコンからなり固定板4の基礎となる固定基板4’を積層する積層工程を行う。固定基板4’には不純物(たとえば、リンやボロン)をドープすることで固定電極7を兼ねるようにしている(必要に応じてドープする領域を限定する)。
次に、固定基板4’における絶縁膜20と反対側の一表面に、図3(c)のように一部(後に穴部10が形成される部位)を除いてレジスト21を形成する(レジスト形成工程)。そして、レジスト21をエッチングマスク、絶縁膜20をエッチングストッパ層として固定基板4’をドライエッチングで除去し、図3(d)に示すように穴部10を形成することで、固定基板4’から穴部10を有した固定板4を形成する固定板形成工程を行う。このとき、穴部10は固定板4の厚み方向の一方(図3(d)の下方)で絶縁膜20によって塞がれている。レジスト21は固定板形成工程後に除去される。
その後、図3(e)に示すように固定板4の前記一表面(絶縁膜20と反対側の一表面)に犠牲層22となるシリコン酸化膜を堆積する犠牲層形成工程を行う。このとき、上述したように穴部10は固定板4の厚み方向の一方(図3(f)の下方)で塞がれているので、犠牲層22は穴部10内にも堆積する。ここでは犠牲層22は穴部10が埋まらない程度に堆積され、犠牲層22の固定板4と反対側の一表面における穴部10に対応する各部位にはそれぞれ凹部22aが形成される。犠牲層形成工程においては、反応分子の平均自由行程の短い常圧CVD法などを利用して意図的にステップカバレッジを低くすることで、犠牲層22のうち穴部10の内側面に対して固定板4の厚み方向に直交する面内で堆積される部分の厚み寸法dを、犠牲層22のうち固定板4の前記一表面に対して固定板4の厚み方向に堆積される部分の厚み寸法gに比べて薄くする。なお、ここでいうステップカバレッジは周知のように段差被覆性を表しており、ステップカバレッジを低くすれば、犠牲層22のうち固定板4の前記一表面に堆積される部分の厚み寸法gに対する穴部10の内側面に堆積される部分の厚み寸法dの比(つまり、d/g)が小さくなる。
次に、図3(f)に示すように、犠牲層22上に可動板5の材料であるポリシリコン5’を堆積することで可動板5を形成する可動板形成工程を行う。ポリシリコン5’には不純物(たとえば、リンやボロン)をドープすることで可動電極8を兼ねるようにしている(必要に応じてドープする領域を限定する)。ここにおいて、ポリシリコン5’は犠牲層22の凹部22a内にも堆積され、穴部10は犠牲層22とポリシリコン5’とで埋まることになる。ポリシリコン5’は犠牲層22と反対側の一表面が概ね平坦になるように堆積される。これにより、ポリシリコン5’のうち凹部22a内に堆積された部分を突起部12とする可動板5が形成される。また、後に固定板4に形成されるパッド7aを露出させるため、図3(g)に示すように可動板5の一部をエッチングにより除去する。
その後、図3(h)に示すようにシリコン基板3’と絶縁膜20と固定板4と犠牲層22と可動板5とを積層して成る多層構造体の厚み方向の両面に、後述する異方性エッチング時に保護マスクとなるシリコン窒化膜23を堆積し、シリコン基板3’側のシリコン窒化膜23のうちキャビティ2の開口面に対応する部分をエッチングにより除去する(マスク形成工程)。そして、マスク形成工程後、アルカリ溶液(たとえば、TMAH水溶液など)を用いて異方性エッチングを施すことで、図3(i)に示すように開口部を有する支持基板3を形成してキャビティ2を形成する(キャビティ形成工程)。このとき、エッチング速度の遅い絶縁膜20をエッチングストッパ層として利用する。
キャビティ形成工程後、シリコン窒化膜23をエッチングにより除去し、さらに絶縁膜20と犠牲層22とをエッチングにより除去する犠牲層除去工程を行う。ここにおいて、犠牲層22には固定板4の穴部10を通してエッチャントが伝わり、犠牲層22は絶縁支持部6となる部分を残して除去される。そのため、固定板4と可動板5の振動部11とは、犠牲層22のうち固定板4の前記一表面(つまり、振動部11との対向面)に堆積された部分の厚み寸法t1によってギャップ長が決まるギャップGを介して対向し、一方、穴部10の内側面と突起部12の側面とは、犠牲層22のうち穴部10の内側面に堆積された部分の厚み寸法t2と同一のギャップ長を有するギャップDを介して対向する。なお、ここでいう厚み寸法t1は固定電極7−可動電極8間にバイアス電圧が印加されていない状態でのギャップGのギャップ長に等しいから、固定電極7−可動電極8間にバイアス電圧が印加されている初期状態では、固定電極7−可動電極8間の静電力によって可動板5が固定板4側に引き寄せられることでギャップGの第1のギャップ長gが厚み寸法t1より小さくなる(g<t1)。
犠牲層除去工程の後、スパッタによりアルミニウム膜からなるパッド7a、8aを形成することで図3(j)に示す静電型トランスデューサ1が得られる。
要するに、図3に示す静電型トランスデューサ1の製造方法では、犠牲層形成工程において、ステップカバレッジの低い堆積方法(たとえば、常圧CVD法)で犠牲層22を形成することにより、容易に、犠牲層22のうち穴部10の内側面に堆積される部分の厚み寸法t2を、固定板4における振動部11との対向面に堆積される部分の厚み寸法t1に比べて薄くすることができる。ここにおいて、犠牲層22のうち固定板4における振動部11との対向面に堆積される部分の厚み寸法t1によって固定板4と振動部11との対向面間の距離が決定し、穴部10の内側面に堆積される部分の厚み寸法t2によって穴部10の内側面と突起部12の側面との間の距離が決定するので、結果的に、固定板4と振動部11との対向面間の距離を、穴部10の内側面と突起部12の側面との間の距離よりも大きくすることができる。また、上述したように初期状態での第1のギャップ長gは厚み寸法t1より小さくなるので、本実施形態では、初期状態での第1のギャップ長gを第2のギャップ長dよりも大きくするため、厚み寸法t1からバイアス電圧印加による静電力に起因した可動板5の移動量(t1−g)を差し引いても厚み寸法t2(=d)より大きくなるように各厚み寸法t1,t2を設定している。
また、本実施形態の静電型トランスデューサ1の製造方法は、上述した図3の例に限るものではなく、たとえば図4に示す製造方法を採用してもよい。図4に示す例は、上述した図3の製造方法と比較して、固定板形成工程において用いるエッチングマスクを犠牲層22の一部として利用する点が相違する。図4(a)、(b)に示す工程は図3(a)、(b)を用いて説明した工程と同じであるから説明を省略する。
図4(c)に示すレジスト形成工程では、固定基板4’における絶縁膜20と反対側の一表面にCVD法を利用してシリコン酸化膜を堆積した後、シリコン酸化膜の一部(後に穴部10が形成される部位)を除去するようにシリコン酸化膜をパターニングすることによりマスク21’を形成する。
その後の固定板形成工程においては、図4(d)に示すようにマスク21’をエッチングマスクとして固定基板4’をドライエッチングし、穴部10を有した固定板4を形成する。マスク21’は後に犠牲層22の一部として利用されるので、固定板形成工程の直後にマスク21’を除去することはない。
そして、図4(e)に示す犠牲層形成工程においては、固定板形成工程後に除去することなく残しておいたマスク21’が犠牲層の一部(以下、第1の犠牲層22aと称する)となるように、マスク21’の上からさらにシリコン酸化膜(以下、第2の犠牲層22bと称する)を堆積する。このとき、犠牲層22のうち固定板4の前記一表面(絶縁膜20と反対側の一表面)に堆積される部分においては、第1の犠牲層22aと第2の犠牲層22bとが積層されることとなり、一方、犠牲層22のうち穴部10の内側面に堆積される部分は、第2の犠牲層22bのみが堆積されることとなる。したがって、仮に第2の犠牲層22bが全領域で均一の厚み寸法に形成される(つまり、ステップカバレッジが高い)ものとしても、犠牲層22のうち固定板4の前記一表面に堆積される部分の厚み寸法t1は、穴部10の内側面に堆積される部分の厚み寸法t2よりも第1の犠牲層22aの厚み寸法分だけ大きくなる。
その後の図4(f)〜(j)に示す工程は図3(f)〜(j)を用いて説明した工程と同様であるから説明を省略する。
要するに、図4に示す静電型トランスデューサ1の製造方法によれば、固定板4に積層される犠牲層22の層数を振動部11との対向面に関して部分的に増やすことにより、容易に、犠牲層22のうち固定板4における振動部11との対向面に堆積される部分の厚み寸法t1を、穴部10の内側面に堆積される部分の厚み寸法t2に比べて厚くすることができ、結果的に、固定板4と振動部11との対向面間の距離を穴部10の内側面と突起部12の側面との間の距離よりも大きくすることができる。
なお、上述した静電型トランスデューサ1は、音波の検出を行う外部雰囲気にキャビティ2の開口面を晒すような配置に限らず、音波の検出を行う外部雰囲気に可動板5における固定板4と反対側の一表面を晒すように配置されてもよい。この場合には、可動板5は固定板4と反対側からの音波を受けることになるので、キャビティ2はバックチャンバとして機能する。
ところで、静電型トランスデューサ1の各部の具体的な構成は上記実施形態で説明したものに限らない。たとえば、固定板4に穴部10を形成するにあたっては、固定板4において穴部10が形成される以外の領域に不純物をドープし、穴部10以外の部位について部分的に耐エッチング性を高めた状態でエッチングを施すことで形成するようにしてもよい。固定板4や可動板5は、窒化シリコンなどから形成されていてもよい。支持基板3とは別のシリコン基板にエッチングを施し穴部10を形成することで作製した固定板4を支持基板3に貼り合わせ、さらに別のシリコン基板にエッチングを施し突起部12を形成することで作製した可動板5を固定板4に貼り合わせるようにしてもよい。絶縁支持部6は、シリコン窒化膜などの他の絶縁体から形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、不純物をドープし導電性を付与したシリコンを固定板4の材料とすることにより固定板4自体が固定電極7を構成しているが、この構成に限らず、たとえば導電性を有する金属膜から固定板4を形成したり、絶縁体からなる固定板4に導電性を有する金属膜などを積層させたりすることによって固定電極7を形成してもよい。同様に、たとえば導電性を有する金属膜から可動板5を形成したり、絶縁体からなる可動板5に導電性を有する金属膜などを積層させたりすることによって可動電極8を形成してもよい。なお、絶縁体に導電パターンを積層させる場合には、寄生容量を小さく抑えるように、固定電極7および可動電極8の必要な部分、つまり固定板4のうち、可動板5において音波を受けて振動する部位に対向する部分(穴部10の内側面を含む)と、固定電極7を外部回路に接続するための接続パターン(パッド7aを含む)を形成する部分、可動板5のうち、音波を受けて振動する部分(振動部11および突起部12)と、可動電極8を外部回路に接続するための接続パターン(パッド8aを含む)を形成する部分とのみに導電パターンを形成することが望ましい。ここにおいて、固定電極7を固定板4における可動板5との対向面に露出させることは必須ではなく、図5に示すように、振動部11における固定板4との対向面に絶縁材料からなる絶縁膜13を形成し、可動板5が固定板4に接触することによる固定電極7と可動電極8との間の短絡を防止するようにしてもよい。同様に、可動電極8を可動板5の表面に露出させることは必須ではなく、可動板12の表面を絶縁材料からなる絶縁膜で覆ってもよい。
また、上記実施形態では四角柱状の突起部12を例示しているが、突起部12はこの形状に限るものではなく、少なくともバイアス電圧が印加されている初期状態で穴部10に一部が挿入される形状であればよいので、たとえば多角柱状、角錘状、円柱状、円錐状などでもよい。図6に示すように突起部12が中空に形成されていてもよい。さらにまた、上記実施形態では穴部10は正方形状の開口を有する形状に形成されており、格子点状に複数設けられているので、突起部12は図7(a)にように穴部10に対応する各位置に点在しているが、穴部10の形状および配列はこの例に限るものではなく、突起部12の形状および配置も穴部10に合わせて適宜変更される。たとえば、穴部10を細長いスリット状とする場合には、図7(b)に示すように細長いリブ状の突起部12を採用することができる。
(実施形態2)
本実施形態の静電型トランスデューサ1は、基本構成が実施形態1と同様であり、固定板4と可動板5とが接触するのを防止するストッパを設けた点が実施形態1と相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を適宜省略する。
ストッパ14は、たとえば図8に示すように振動部11における固定板4との対向面の一部に突設される。これにより、振動部11の厚み方向における移動範囲(振幅)を規制することができ、たとえば過大な音圧を受けたときでも、振動部11の変位量が過大となることによる可動板5の破損や、可動板5が固定板4に接触することによる固定電極7と可動電極8との間の短絡を回避することができる。ここにおいて、ストッパ14を通して固定電極7と可動電極8とが短絡することがないように、固定板4自体が固定電極7を構成し可動板5自体が可動電極8を構成している場合、あるいは固定板4と振動部11とのそれぞれの対向面間に固定電極7および可動電極8が露出している場合には、ストッパ14の少なくとも一部(たとえば表面や突出方向の中間部など)を絶縁材料で形成し、固定電極7と可動電極8との間の絶縁性を確保する。ストッパ14は固定板4における振動部11との対向面に設けられていてもよい。
また、他の例として、図9に示すように固定板4における突起部12との対向面(穴部10の内側面)にストッパ14を突設してもよい。これにより、固定板4の厚み方向に直交する面内での可動板5の移動範囲を規制することができ、たとえば静電型トランスデューサ1に衝撃が加わったときでも、固定板4の厚み方向に直交する面内で可動板5が大きく移動することによる可動板5の破損や、突起部12が穴部10の内側面に接触することによる固定電極7と可動電極8との間の短絡を回避することができる。ここにおいて、ストッパ14の少なくとも一部(たとえば表面や突出方向の中間部など)を絶縁材料で形成し、固定電極7と可動電極8との間の絶縁性を確保する。ストッパ14は突起部12における穴部10の内側面との対向面に設けられていてもよい。
(実施形態3)
本実施形態の静電型トランスデューサ1は、基本構成が実施形態1と同様であり、電極対(固定電極7および可動電極8)を複数組設けてキャパシタを複数形成している点が実施形態1と相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略する。
本実施形態では、たとえば図10に示すように1枚の可動板5の厚み方向の両側に固定板(以下では、第1の固定板41および第2の固定板42と称する)を設けている。ここで、可動板5においては第1および第2の各固定板41,42との対向面にそれぞれ突起部12が突設されている。この静電型トランスデューサ1は、第1の固定板41の固定電極7と可動板5の可動電極8との間に形成されるキャパシタC1と、第2の固定板42の固定電極7と可動板5の可動電極8との間に形成されるキャパシタC2とを有するものであり、可動板5が厚み方向に振動すると第1および第2の各固定板41,42と可動電極8との間の距離が変化し各キャパシタC1,C2の静電容量が変化する。ここで、各静電容量変化を電気信号に変換して取り出すため、音波を検出する際にはキャパシタC1とキャパシタC2とのそれぞれにバイアス電圧が印加される。
上述した構成によれば、可動板5が音波を受けて振動した際にキャパシタC1から取り出される電気信号とキャパシタC2から取り出される電気信号とは互いに逆位相となるから、それぞれの電気信号の差分をとる差動増幅回路を後段に設ければ、音波に対して出力される電気信号(電圧)が大きくなり、感度が向上することになる。さらに、この静電型トランスデューサ1は可動板5の厚み方向の両側から音波を受波することができるので、いわゆる双指向性を持った音響センサとして使用することができる。
また、本実施形態の他の例として、図11に示すように1枚の固定板4の両側に可動板5(以下では、第1の可動板51および第2の可動板52と称する)を設けてもよい。この静電型トランスデューサ1は、第1の可動板51の可動電極8と固定板4の固定電極7との間に形成されるキャパシタC1と、第2の可動板52の可動電極8と固定板4の固定電極7との間に形成されるキャパシタC2とを有するものであり、第1の可動板51が振動すれば第1の可動板51と固定板4との間の距離が変化しキャパシタC1の静電容量が変化する一方で、第2の可動板52が振動すれば第2の可動板52と固定板4との間の距離が変化してキャパシタC2の静電容量が変化する。この構成の静電型トランスデューサ1は、第1の可動板51と第2の可動板52とのそれぞれで音波を受け、各音波をそれぞれ電気信号に変換して出力することができ、いわゆる双指向性を持った音響センサとして使用することができる。
(実施形態4)
本実施形態の静電型トランスデューサ1は、基本構成が実施形態1と同様であり、図12に示すように固定板4に形成された穴部10が固定板4の厚み方向に貫通していない点が実施形態1と相違する。穴部10は固定板4における可動板5側の一表面(図12の上面)に開口している。なお、実施形態1と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略する。
この静電型トランスデューサ1は、音波の検出を行う外部雰囲気に可動板5における固定板4と反対側の一表面を晒すように配置されるものであって、支持基板3は省略されている。本実施形態では、穴部10が貫通していないことに加え、絶縁支持部6が固定板4の周部の全周に亘って設けられることにより、固定板4と可動板5との間に気密空間を形成している。而して、可動板5が音波を受けると、可動板5の厚み方向の両側の圧力差に応じて可動板5が変形(振動)し、固定電極7と可動電極8との間の静電容量が変化する。
ところで、静電型トランスデューサ1の製造方法として、実施形態1で説明したように固定板4上に犠牲層22(図3参照)および可動板5を積層した後、犠牲層22をエッチング除去することで固定板4と可動板5との間のギャップGを形成する方法を採用する場合、本実施形態では穴部10が貫通していないため、穴部10を通して犠牲層22にエッチャントを伝えることはできない。そこで、本実施形態では、可動板5の厚み方向に貫通する流入孔15を可動板5の振動部11に複数貫設し、この流入孔15を通して固定板4と可動板5との間の犠牲層22にエッチャントを流入可能としてある。さらに、固定板4と可動板5との間の空間を気密化するため、流入孔15を閉塞する封止板16を設けてある。封止板16は、犠牲層22をエッチング除去する犠牲層除去工程の後で、可動板5の固定板4と反対側の一表面に積層されることで流入孔15を閉塞する。なお、固定板4と可動板5とを個別に製作して両者を貼り合わせる場合には、流入孔15および封止板16は不要である。
以上説明した本実施形態の静電型トランスデューサ1においては、可動板5が厚み方向に振動すると、固定板4と振動部11との間の距離が変化して固定電極7と可動電極8との間の距離が変化することによるキャパシタの静電容量の変化だけではなく、穴部10の内側面と突起部12の側面との対向面積が変化して固定電極7と可動電極8との対向面積が変化することによるキャパシタの静電容量の変化も生じる。したがって、穴部10および突起部12がない従来構成に比べると、可動板5の変位量が同じ場合でも静電容量の変化量は大きくなり、高い感度を確保することができる。しかも、固定板4と振動部11との対向面間のギャップGの第1のギャップ長gは、可動板5が振動する前の初期状態で穴部10の内側面と突起部12の側面との間のギャップDの第2のギャップ長dよりも大きく設定されているので、固定電極7と可動電極8との間の距離が全域で均一である場合に比べて、静電容量の変化率は大きくなり、より高い感度を得ることができる。
また、穴部10が固定板4を貫通しておらず、固定板4と可動板5との間を気密空間とすることで固定板4と可動板5との間を外部雰囲気から隔離して使用することができるので、固定板4と可動板5との間に外部雰囲気から異物が入り込むことを回避でき、異物による可動板5の動作不良や振動特性の変化を防止することができる。固定板4自体が固定電極7を構成し可動板5自体が可動電極8を構成している場合、あるいは固定板4と可動板5とのそれぞれの対向面間に固定電極7および可動電極8が露出している場合には、固定板4と可動板5との間に導電性の異物が入り込むことによる固定電極7と可動電極8と間の短絡を防止することができる。さらにまた、この静電型トランスデューサ1は、音波の検出のみならず、可動板5の厚み方向の両側の圧力差を検出することにより圧力を検出する圧力センサとして使用することもできる。
なお、可動板5の材料、厚み、サイズの設計には、初期状態(可動板5に音圧が作用していない状態)での可動板5の両側の圧力差や感度が考慮される。固定板4は、圧力を受けても殆ど変形しないように、たとえば数百μmの厚み寸法の十分な剛性を持つシリコン基板から形成される。
ところで、上述した各実施形態では、可動板5の振動エネルギを電気エネルギに変換して出力する音響センサとして本発明の静電型トランスデューサ1を使用する例を示したが、固定電極7−可動電極8間にバイアス電圧を印加しておき圧力変化による可動板5の変位を電気エネルギとして取り出すことにより、圧力を検出する圧力センサとして本発明の静電型トランスデューサ1を使用することもでき、この場合にも、音響センサとして使用する場合と同様に、従来構成に比較して高い感度を得ることができる。
また、電気エネルギを可動板5の振動エネルギに変換するスピーカとして本発明の静電型トランスデューサ1を使用することもできる。すなわち、上述した静電型トランスデューサ1は、一対の電極(固定電極7および可動電極8)間に駆動電圧(電気エネルギ)を印加すれば、固定電極7−可動電極8間に静電力が作用し可動板5が固定板4側に引き寄せられるので、固定電極7−可動電極8間に印加する駆動電圧を変化させることにより、可動板5を振動させて可動板5から音波を出力することができる。ここに、突起部12は少なくとも可動板5が振動する前の初期状態(つまり、駆動電圧が印加されていない状態)で穴部10に一部が挿入される。静電型トランスデューサ1をスピーカとして使用する場合、固定電極7−可動電極8間に作用する静電力Fは、固定電極7−可動電極8間の静電エネルギをU、固定電極7−可動電極8間の静電容量をC〔F〕、一対の電極(固定電極7および可動電極8)間に印加する駆動電圧をV〔V〕、可動板5の初期状態からの変位をx〔m〕とすれば、
Figure 2008252854
で表される。ここで、実施形態1で説明した小領域に着目すると、初期状態から可動板5が厚み方向に沿って固定板4側にx〔m〕だけ変位した状態での小領域の静電力Fcombは、上記数5、数7より、
Figure 2008252854
で表される。なお、静電力Fcombは可動板5を厚み方向に沿って固定板4側に引き寄せる向きの力(いわゆる静電引力)である。これに対して、穴部10および突起部12がない従来構成において、初期状態から可動板5が厚み方向に沿って固定板4側にx〔m〕だけ変位した状態での小領域の静電力Fparallelは、上記数2、数7より、
Figure 2008252854
で表される。したがって、一例として上記数8、数9の各パラメータの値を、a=6×10−6〔m〕、b=2×10−6〔m〕、d=1×10−6〔m〕、g=4×10−6〔m〕と仮定したときに、初期状態(つまり、x=0〔m〕)にある可動板5に作用する小領域の静電力について、本発明の静電型トランスデューサ1と従来構成とで比をとると、上記数8、数9からFcomb/Fparallel=2.76と求まる。これは、一対の電極(固定電極7および可動電極8)間に同じ大きさの駆動電圧V〔V〕を印加したときに、本発明の静電型トランスデューサ1では従来構成の2.76倍の静電力が固定電極7と可動電極8との間に作用することを意味する。
要するに、本発明の静電型トランスデューサ1では、穴部10および突起部12がない従来構成に比較して、音響センサや圧力センサとして使用される場合に高い感度が得られるだけでなく、スピーカとして使用される場合に固定電極7−可動電極8間に作用する静電力が大きくなり、出力音圧が向上する。また、従来構成と同一感度の音響センサや圧力センサとして本発明の静電型トランスデューサ1を用いる場合には、従来構成に比べて静電型トランスデューサ1の小型化、バイアス電圧の低電圧化を図ることができ、従来構成と同一出力のスピーカとして本発明の静電型トランスデューサ1を用いる場合には、従来構成に比べて静電型トランスデューサ1の小型化、駆動電圧の低電圧化を図ることができる。
本発明の実施形態1の静電型トランスデューサを示し、(a)は概略断面図、(b)は一部を破断した概略斜視図である。 同上の小領域を示す概略斜視図である。 同上の静電型トランスデューサの製造方法を示す概略断面図である。 同上の静電型トランスデューサの他の製造方法を示す概略断面図である。 同上の他の例の要部を示す概略断面図である。 同上の他の例の要部を示し、一部破断した概略斜視図である。 (a)は同上の要部を示し、一部破断した概略斜視図、(b)は他の例の要部を示し、一部破断した概略斜視図である。 本発明の実施形態2の静電型トランスデューサの要部を示す概略断面図である。 同上の他の例の要部を示す概略断面図である。 本発明の実施形態3の静電型トランスデューサを示す概略断面図である。 同上の他の例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態4の静電型トランスデューサを示す概略断面図である。 従来例を示し、(a)は概略断面図、(b)は小領域の概略斜視図である。
符号の説明
1 静電型トランスデューサ
4 固定板
4’ 固定基板
5 可動板
7 固定電極
8 可動電極
10 穴部
11 振動部
12 突起部
22 犠牲層
22a 凹部
D ギャップ
d 第2のギャップ長
G ギャップ
g 第1のギャップ長

Claims (4)

  1. ギャップを介して互いに対向配置された固定板および可動板と、固定板および可動板にそれぞれ設けられた一対の電極とを備え、一対の電極間にキャパシタが形成される静電型トランスデューサであって、固定板は、少なくとも可動板側の一表面に開口する穴部を有し、可動板は、固定板に対して固定板の厚み方向に対向する振動部と、振動部における固定板側の表面から突出し少なくとも振動部が変位する前の初期状態において穴部に一部が挿入される突起部とを有し、可動板側の電極は振動部から突起部に亘って設けられ、固定板側の電極は固定板における振動部との対向面に沿う部分と穴部の内側面に沿う部分とを一体に有し、可動板側の電極において振動部に設けられた部分と固定板側の電極において固定板における振動部との対向面に沿う部分との間の距離は、可動板側の電極において突起部に設けられた部分と固定板側の電極において穴部の内側面に沿う部分との間の距離よりも大きく設定されていることを特徴とする静電型トランスデューサ。
  2. 前記穴部は、前記固定板の厚み方向に貫通していることを特徴とする請求項1記載の静電型トランスデューサ。
  3. 請求項1または請求項2記載の静電型トランスデューサの製造方法であって、前記固定板の基礎となる固定基板に対して固定基板の厚み方向の一方にのみ開放された状態の前記穴部を形成することで前記穴部を有し且つ前記電極が設けられた前記固定板を形成する固定板形成工程と、固定板形成工程の後で前記穴部の開口面側から前記固定板に犠牲層を堆積することで前記固定板と反対側の一表面に前記穴部に対応する凹部を有する犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、犠牲層形成工程の後で犠牲層上に前記可動板を堆積することで凹部内に堆積された部分を前記突起部とし且つ前記電極が設けられた前記可動板を形成する可動板形成工程と、可動板形成工程の後で犠牲層の一部を除去することで前記固定板と前記可動板との間に前記ギャップを形成する犠牲層除去工程とを有することを特徴とする静電型トランスデューサの製造方法。
  4. 前記犠牲層形成工程では、前記固定板に対して複数層の前記犠牲層を積層しており、前記犠牲層において前記固定板における前記穴部以外の部位に堆積される部分の層数を、前記犠牲層において前記穴部の内面に堆積される部分の層数よりも多く設定していることを特徴とする請求項3記載の静電型トランスデューサの製造方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012027026A (ja) * 2010-07-22 2012-02-09 Commissariat A L'energie Atomique & Aux Energies Alternatives マイクロホン製造に特に応用する、mems動的圧力センサー
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