JP2005110204A - コンデンサーマイクロフォン及びその作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所望の共振周波数を有する超小型のコンデンサーマイクロフォンを提供すること。
【解決手段】 コンデンサーマイクロフォン1は、ベースプレート31とバックプレート13と振動板32と梁部12aとを有する。振動板32と梁部12aとは一体に形成されている。振動板32は、バックプレート13との間に空隙Aを保って対向配置されている。梁部12aの表面には、可動側電極としてのAl膜51が設けられ、バックプレート13の表面には、固定側電極としてのAl膜52が設けられ、Al膜51,52は同一平面上にある。
【選択図】 図2

Description

本発明は、シリコンマイクロマシーニングで作製される超小型コンデンサーマイクロフォンに関する。
従来、シリコンウエハを用いてマイクロマシーニングで作製されるコンデンサー型のマイクロフォンが公知である。このコンデンサーマイクロフォンには、音圧を検知する振動板であるメンブレン(membrane)とこれに対向してバックプレートが設けられており、メンブレンとバックプレートとの空隙の変化を電気的に検出するように構成されている(例えば、非特許文献1、特許文献2,3参照)。
G.M.Sessler; "Silicon Microphones" J.Audio Eng.Soc.vol.44,No.1/2 p.16-22(1996) 特開2001−339796号公報 特開2003−163998号公報
コンデンサーマイクロフォンを小型化すると、当然ながらメンブレンも小さくなり、空隙の容量も小さくなる。そのために、特に低周波数領域での感度が低下する。この問題を解決するためには、メンブレンの張力を小さくすればよい。しかし、従来技術では、メンブレンの張力は、製造条件で決まってしまうので、設計による調整が効かず、所望の共振周波数をもつコンデンサーマイクロフォンを得ることが困難であった。
(1)請求項1のコンデンサーマイクロフォンは、フォトリソグラフィー法で作製されるコンデンサーマイクロフォンであって、周辺部がベースプレート上に支持されるバックプレートと、バックプレートと所定の間隔を空けて設けられる振動板と、振動板をベースプレートから吊持する梁状部材と、振動板とバックプレートとの間の容量変化を電気信号として取り出す一対の電極とを備えることを特徴とする。
(2)上記のコンデンサーマイクロフォンにおいては、梁状部材は、十字形状であり、梁部と固定端部とを有し、梁部は、バックプレートに形成された十字形状の開口内に位置するように設けられ、固定端部は、梁部を両持ちで支持するようにベースプレートに固定されていることが好ましい。また、一対の電極は、可動側電極と固定側電極とを有し、可動側電極は梁部の上面に設けられ、固定側電極はバックプレートの上面に設けられていることが好ましい。
(3)請求項1〜3のいずれかのコンデンサーマイクロフォンにおいては、ベースプレート、バックプレート、振動板および梁状部材をSOIウエハに対してフォトリソグラフィー法により作製してもよい。
(4)請求項5のコンデンサーマイクロフォンをフォトリソグラフィー法で作製する方法は、周辺部がベースプレート上に支持されるバックプレートを形成する工程と、バックプレートと所定の間隔を空けて振動板を形成する工程と、振動板をベースプレートから吊持する梁状部材を形成する工程と、振動板とバックプレートとの間の容量変化を電気信号として取り出す一対の電極を形成する工程とを備えることを特徴とする。
(5)請求項6の発明によるマイクロフォンシステムは、請求項1〜4のいずれか一つに記載のコンデンサーマイクロフォンと、コンデンサーマイクロフォンから取り出された電気信号から、コンデンサーマイクロフォンの共振周波数領域において振動板に作用する音圧に応じた信号を抽出する検波回路とを備えたことを特徴とする。
(6)請求項7の発明によるマイクロフォンシステムは、互いに共振周波数が異なる請求項1〜4のいずれか一つに記載のコンデンサーマイクロフォンを同一ウエハ基板上に複数形成したマイクロフォンアレイと、複数のコンデンサーマイクロフォンの各々に設けられ、各コンデンサーマイクロフォンから取り出された電気信号から、各コンデンサーマイクロフォンの共振周波数領域において振動板に作用する音圧に応じた信号をそれぞれ抽出する複数の検波回路と、各検波回路からの信号が入力され、入力された各信号を合成して合成信号を出力する合成回路とを備えたことを特徴とする。
(7)請求項8の発明は、請求項7に記載のマイクロフォンシステムにおいて、複数のコンデンサーマイクロフォンの各共振周波数領域を合わせたものが一つの連続した周波数領域を形成するように、各コンデンサーマイクロフォンの共振周波数を互いにずらして設定したこものである。
前記
本発明によれば、振動板を梁状部材で支持する構造とすることにより、梁部の寸法形状を自由に設計できるので、所望の共振周波数を有する超小型のコンデンサーマイクロフォンを提供することができる。また、共振周波数が異なる複数のコンデンサーマイクロフォンを設けたことにより、一つの連続した周波数領域において高感度に音声を検出することができる。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1は、本実施の形態のコンデンサーマイクロフォンの全体構成を模式的に示す透視図であり、3次元直交座標で方向を表わす。図2は、図1のI−Iに沿って切断したXZ断面図である。図3は、図1の上面図である。
図1に示されるように、コンデンサーマイクロフォン1は、下部Si層30,SiO層20,上部Si層10の3層構造を有するSOI(Silicon on Insulator)ウエハ100を用いて、後に詳細に説明するように、マイクロマシーニング技術、或いはフォトリソグラフィー技術により作製される。特に、シリコンマイクロマシーニングは、シリコン系材料に成膜、エッチング、熱拡散等を行い、微細な構造体や可動システムを作製する技術である。
図1〜3に示されるように、コンデンサーマイクロフォン1は、下部Si層30の内部に空間を形成して成るベースプレート31と、ベースプレート31の上側に設けられ、上記空間の上部に十字形状に空けられた領域を有するバックプレート13と、バックプレート13の十字形状領域に設けられ、両端がベースプレート31に固定された梁状部材(以下、ブリッジと言う)11,12と、バックプレート13との間に所定の間隔を空けてブリッジ11,12に吊持された振動板32とを備えている。
X方向に延在するブリッジ11は、梁部11aと2つの固定端部11bとを有し、Y方向に延在するブリッジ12は、梁部12aと2つの固定端部12bとを有する。ブリッジ11および12は、梁部の中央で交差する一体構造である。バックプレート13は、Z方向に貫通する複数の音響孔14を有し、ブリッジ11,12とは離間している。
図2および3に示されるように、梁部11a,12aの下面には、円形状の振動板32が一体で形成されている。振動板32は、梁部11a,12aによって吊り下げられた状態で、バックプレート13との間に空隙Aを形成している。すなわち、振動板32は、Z方向では、バックプレート13の中央部13aに対してスペーサ21の厚さ分dだけ離間している。また、振動板32は、XY面では、バックプレート13の周辺部13bに対して距離rの幅のリング状空間Rを形成して離間している。
バックプレート13は、周辺部13bで、ベースプレート31と一体に形成されている。また、図示されていないが、ブリッジ11,12は、固定端部11b,12bで、ベースプレート31と一体に形成されている。バックプレート13の表面には、電極膜52が設けられており、その一部が固定側電極取出し口Fである。固定側電極の取出し口Fは、バックプレート13の周辺部13bの上面に設けられている。また、ブリッジ11,12の表面には、電極膜51が設けられており、その一部が可動側電極の取出し口Mである。可動側電極の取出し口Mは、ブリッジ12の固定端部12bの上面に設けられている。このように、電極膜51と52は、同一平面上に設けられている。なお、電極膜51,52は、後述する金属層50から成る。
図2を参照しながら、上記の各構成要素をSOIウエハ100の各層と対比する。
梁部11a,12aは、SiO層20、上部Si層10、下地層40および金属層50が順次設けられた構造である。同様に、固定端部11b,12bも、SiO層20、上部Si層10、下地層40および金属層50が順次設けられた構造である。
バックプレート13の中央部13aは、上部Si層10、下地層40および金属層50が順次設けられた構造である。これに対し、バックプレート13の周辺部13bは、SiO層20、上部Si層10、下地層40および金属層50が順次設けられた構造である。
ベースプレート31は、下部Si層30のみから成る。振動板32は、主として下部Si層30から成るが、梁部11a,12aとの結合部分には下地層40と金属層50が順次設けられている。振動板32の結合部分に形成された下地層40は、梁部11a,12aの側面も覆っているが、金属層50は、必ずしも梁部11a,12aの側面を覆っていない。従って、振動板32の結合部分に形成された金属層50は、梁部11a,12aに形成された金属層50に導通していなくともよい。
以上のように構成されたコンデンサーマイクロフォン1による集音について説明する。振動板32が音圧を受けると、音の振幅と周波数に応じて振動する。その振動の状態、すなわち、空隙Aの容量の時間的変化は、梁部11a,12aへ伝わり、可動側電極取出し口Mと固定側電極取出し口Fとの間の電圧変化として検出される。コンデンサーマイクロフォン1の周波数特性や感度は、梁部11a,12aの厚さ、幅および長さと空隙Aの容量(振動板31の面積×ギャップ長d)に依存する。梁部11a,12aの長さ、幅および振動板31の面積については、設計の自由度があり、マイクロマシーニング技術(フォトリソグラフィー技術)によって任意の寸法に製造できる。一方、梁部11a,12aの厚さについては、上部Si層10とSiO層20の厚さの和で決まり、ギャップ長dについては、SiO層20の厚さで決まるので、設計値に応じてSOIウエハ100を適宜選択すればよい。
このように本実施の形態では、コンデンサーマイクロフォン1の周波数特性や感度を任意に設定できるという効果がある。従来のメンブレン構造では、マイクロフォンの周波数特性や感度は、空隙Aの容量の他に、メンブレンの張力にも依存しており、これを制御することはできなかった。
次に、本発明のコンデンサーマイクロフォン1の製造工程について、図4〜8を参照しながら詳しく説明する。製造工程は、(a)〜(p)まで順に進み、(a)〜(h)までは部分斜視図、(i)〜(p)までは部分断面図で示されている。
先ず、図4を参照する。
工程(a)では、下部Si層30,SiO層20,上部Si層10の厚さがそれぞれ500μm,1μm,25μmのSOIウエハ100を準備する。
工程(b)では、上部Si層10の表面に、レジスト41をスピンコーターにより3000rpm,30secの条件で塗布し、90℃,5minの条件でベークする。
工程(c)では、梁部11a,12aの周辺部分15に対応したパターンのマスクを用いて、レジスト41に対して紫外線露光を4.0sec行い、現像を1.5min行って、周辺部分15のレジスト41を除去する。
工程(d)では、ICP−RIE(inductively coupled plasma - reactive ion etching)により、上部Si層10の周辺部分15に対応する領域をエッチングし、梁部11a,12aを形成する。図4(e)は、図4(d)のII−II断面図であり、図示のように、エッチングは、SiO<SUB>2</SUB>層20の面が露出するまで行う。ICP−RIEは、0.05〜1Paの比較的低い圧力下で、高密度プラズマ中のプロセスガスのイオンと試料表面との化学反応を利用して試料をエッチングするものであり、異方性の高いエッチング加工ができる。プロセスガスとしては、CClあるいはCF等の酸化性ガスが用いられる。
図5を参照して、次の工程を説明する。
工程(e)では、硫酸過水(HSO+H)により90℃−5min洗浄してレジスト41を除去し、強フッ酸により露出しているSiO層20をエッチング除去した後、LPCVD(low pressure chemical vapor deposition)により、多結晶シリコン膜40を600nm堆積させる。図5(b)は、図5(a)のIII−III断面図であり、図示のように、梁部12aの露出部分は、多結晶シリコン膜40で覆われている。
LPCVDは、10〜10Paの減圧下で試料を加熱し、熱エネルギーによる気相化学反応で試料表面に膜を生成させる成膜方法である。この方法は、膜の着き回りに優れ、均一な膜厚が得られるという長所がある。多結晶シリコンの成膜では、プロセスガスとしてSiCl+HあるいはSiHが用いられる。多結晶シリコン膜40を成膜するのは、梁部11a,12aと振動板32との結合を強化するためである。結合位置にコンタクトホールを設けておき、多結晶シリコン膜を成膜すれば、アンカー効果が期待できる。
多結晶シリコン膜40の成膜後に、OCDレジストをスピンコーターにより4000rpm,30secの条件で塗布し、150℃,30minの条件でベークした後に、1000℃,30minの条件でリン(P)の熱拡散処理を行う。多結晶シリコン膜40へのPの熱拡散により、多結晶シリコン膜40の電気抵抗は小さくなる。熱拡散処理の後に、BHF液により5min洗浄し、OCDレジストを除去する。
工程(f)では、薄い多結晶シリコン膜40の上に、スピンコーターにより2000rpm,25secの条件で厚膜レジスト42を塗布し、110℃,10minの条件でベークする。その後に、図8に示されるマスク200を用いて、紫外線露光を60sec行い、現像を2min行って、図5(c)に示されるような厚膜レジスト42のパターニングを行う。なお、紫外線露光の際には、マスク200は、工程(e)で形成された梁部11a,12aと正確に位置決めされる。
図8において、マスク200の紫外線の透過領域は、ハッチング表示されていない部分であり、図5(c)における厚膜レジスト42が除去された部分に対応する。また、符号110,120は、ブリッジ11,12に対応し、符号130,140,150は、それぞれバックプレート13,音響孔14,梁部の周辺部分15に対応する。
工程(g)では、ICP−RIEにより、上部Si層10と多結晶シリコン膜40をエッチングし、ブリッジ11,12の外形、バックプレート13の外形、音響孔14を形成する。エッチングは、上部Si層10と多結晶シリコン膜40の厚さの和である25.6μm行う。
工程(h)では、硫酸過水により90℃−5min洗浄して厚膜レジスト42を除去する。最表面には多結晶シリコン膜40が存在する。この後に、工程(g)のエッチングによるエッチング面を保護するために、再び厚膜レジストを塗布し、ベークする。
上記の一連の工程でコンデンサーマイクロフォン1の上側の構造が一通り完成し、次に、下側の構造を作製する。上側の構造は、図5(d)の工程(h)で図示するとおりである。
図6を参照して説明する。
工程(i)では、真空蒸着により下部Si層30にアルミニウム(Al)層31を厚さ0.1μm形成する。
工程(j)では、Al層31の表面にレジスト43をスピンコーターにより、3000rpm,30secの条件で塗布し、90℃,5minの条件でベークした後に、紫外線露光を4.0sec、現像を1.5min行って、レジスト43を図6(b)のようにパターニングする。なお、このレジスト43のパターンはリング状パターンである。
工程(k)では、混酸P液(HPO+HNO+CHCOOH+H)に2min浸漬することにより、Al層31にパターン形成のためのエッチングを行い、さらに、RIE、すなわち酸素ガスを用いたアッシングにより、レジスト43を除去する。
工程(l)では、下部Si層30のAl層31を除去した面に、厚膜レジスト44をスピンコーターにより2000rpm,25secの条件で塗布し、110℃,5minの条件でベークした後に、紫外線露光を60sec、現像を2min行ってレジスト43を図6(d)のようにパターニングする。Al層31と厚膜レジスト44とは、全周囲にわたって距離rだけ離れている。すなわち、Al層31と厚膜レジスト44は、リング状領域Rを隔てて存在する。
図7を参照して説明を続ける。
工程(m)では、ICP−RIEにより下部Si層30のリング状領域Rを約55μmエッチングする。このエッチング量が振動板32の厚さを決定する。
工程(n)では、リムーバ(レジスト剥離液)により、厚膜レジスト44を除去する。このとき、工程(h)でコンデンサーマイクロフォン1の上側の面に塗布した保護用厚膜レジストも剥離されるため、再度、上側の面にスピンコーターにより2000rpm,25secの条件で保護用厚膜レジストを塗布し、110℃,10minの条件でベークする。
工程(o)では、ICP−RIEによりAl層31をマスクとして下部Si層30を約445μmエッチングする。これにより、リング状領域Rで下部Si層30が総て除去され、リング状領域Rの内側に厚さ55μmの振動板32の外形が形成される。
工程(p)では、硫酸過水により90℃−5min洗浄した後に、強フッ酸によりSiO層20を除去する。これにより、振動板32は、バックプレート32から完全に分離する。
最後に、コンデンサーマイクロフォン1の上側表面に、Al金属層50を厚さ0.05μm形成し、図2の断面図で示されるコンデンサーマイクロフォン1が完成する。Al金属層50のうち、ブリッジ11,12に設けられたAl膜51とバックプレート13に設けられたAl膜52は、同一平面上に存在するので、可動側電極取出し口Mと固定側電極取出し口Fも同一平面上にあり、電気回路との接続が容易であり、全体としてシンプルな構成を実現することができる。
上記の実施の形態では、2本の梁部11aと12aを交差させた十字形状のブリッジ11,12が用いられているが、ブリッジは1本でもよい。音の波長は振動板32よりも十分に長いので、振動板32には均一に音圧が加わる。従って、1本のブリッジで振動板32を吊持する構成においても、振動板32の振動は正確に梁部に伝えられる。
上述した作製方法のとおり、本実施の形態のコンデンサーマイクロフォンは、SOIウエハを材料に用いて、総ての工程がシリコンマイクロマシーニング技術によって作製される。従って、1枚のウエハに多数の同一寸法のコンデンサーマイクロフォンをアレイ状に一括で作製することができ、アセンブル工程を必要としないために、製造コストを大幅に低下させることができる。また、この作製方法は、非常に寸法精度が高く、例えば、SiO層20の厚さで決まるギャップ長dを1μmとすると、5nm以下の精度で作製することができる。
《電気回路の説明》
次に、上述したコンデンサーマイクロフォンを用いたマイクロフォンシステムの電気回路について説明する。マイクロフォン素子から音圧に応じた電気信号を取り出すための電気回路としては、一般的にはFM方式と電圧検出方式とがある。
[電圧検出方式]
図9は電圧検出方式における電気回路を示したものであり、コンデンサーマイクロフォンの静電容量をCm、電極間の電極傾度をGとしたときの交流に対する等価回路を表したものである。Uは振動板の変位であり、R0は負荷抵抗である。マイクロフォン素子の静電容量Cd(F)は次式(1)で求めることができる。
Cm=ε・ε・(S/d) …(1)
ただし、εは真空の誘電率でε=8.854×10−12(F/m)である。また、εは比誘電率であり、空気の場合ε≒1である。S(m)は電極の面積、d(m)は電極の間隔である。
このとき、出力電圧Eは次式(2)のように表される。
E=GU/{1+(1/jωCmR0)} …(2)
電圧検出方式で音圧に応じた電圧変化を得るためには、電極のいずれか一方に直流電圧を印加する。または、エレクトレットコンデンサーマイクロフォンのように、帯電した膜(エレクトレット)をいずれかの電極に貼り付けるようにしても良い。
[FM方式]
図10はFM方式における電気回路を示したものである。80は上述したコンデンサーマイクロフォンから成るマイクロフォン素子であり、81は発振回路、82はFM検波回路、83はスピーカーである。発振回路81にはコンデンサー81b,81c、コイル81dおよび反転増幅器81aが設けられている。マイクロフォン素子80の静電容量Cmは上述した式(1)で算出されるが、振動板と電極との間隔は振動板32の変位量によって変化するため、静電容量Cmは音圧によって変化することになる。
マイクロフォン素子80を接続しない場合の、反転増幅器81a、コンデンサー81b,81cおよびコイル81dから成る発振回路81の発振周波数Foscは次式(3)で算出される。
Fosc=1/2π{L×C1×C2/(C1+C2)}1/2 …(3)
式(3)は、コイル81dのインダクタンス(L)を変化させない場合には、コンデンサー81b,81cの静電容量(C1,C2)のいずれかを変化させると発振周波数Foscが変化することを意味している。したがって、図10のようにマイクロフォン素子80をコンデンサーC1に並列接続することにより、マイクロフォン素子80に加わる音圧に応じた周波数変化を得ることができる。そして、FM検波回路82を通すことにより音圧に応じて変化する電圧を取り出すことができ、さらに、スピーカ83から音声として出力することができる。
図11は、上述したコンデンサーマイクロフォンを用いたマイクロフォンヘッド90の概略構成を、模式的に示した断面図である。91はコンデンサーマイクロフォンが形成されたチップであり、チップ91は基板92上に実装されている。基板92には回路素子93等も実装されている。この基板92は、マイクロフォンヘッド90のケーシング94内に収納されている。マイクロフォンヘッド90に音圧が作用すると、コンデンサーマイクロフォンの振動板32(図2参照)が振動子し、回路素子93から信号が出力される。
−第2の実施の形態−
上述した第1の実施の形態では、基板上に一つのコンデンサーマイクロフォンを形成したが、1枚の基板上に周波数特性の異なる複数のコンデンサーマイクロフォンをアレイ状に形成するようにしても良い。そして、これら複数のコンデンサーマイクロフォンを1つのマイクロフォンシステムとして利用する。具体的な応用例としては、ウェアラブル体調モニタリングシステムの一つであるウェアラブル聴診システムの検音部や、携帯通信機器の音声入力端末などがある。
図12は、共振周波数の異なる複数のコンデンサーマイクロフォンが形成されたマイクロフォンアレイの一例を示す図であり、同一のマイクロフォンアレイ300が複数形成されているウエハの一部分を示したものである。マイクロフォンアレイ300には共振周波数の異なる5つのコンデンサーマイクロフォン301,302,303,304,305が形成されている。以下では、これらのコンデンサーマイクロフォン301〜305のことをマイクロフォン素子と称することにする。
図12に示した各マイクロフォンアレイ300は、チップとしてそれぞれウエハから切り出され、第1の実施の形態と同様に図11のマイクロフォンヘッド90に組み込まれる。図13はFM方式の場合の電気回路を示す図であり、第1の実施の形態の図10に対応するものである。各マイクロフォン素子301〜305毎に、発信回路81およびFM検波回路82が設けられている。
FM検波回路82では、FM検波が行われるとともに、各FM検波回路82の出力ピーク値がほぼ同一値となるように利得調整が行われる。各FM検波回路82の出力は電圧合成回路84に入力され、そこで電圧合成が行われる。合成された電圧は図10のようにスピーカー等の出力装置に出力される。
上述した図12に示す例では、5つのマイクロフォン素子301〜305を一つのマイクロフォンアレイ300としてまとめて形成したが、図14に示すようにいくつかに分けてウエハ100上に形成するようにしても良い。図14に示す例では、同じ大きさのマイクロフォン素子301,302,303,305をまとめてマイクロフォンアレイ300Aとし、面積の大きなマイクロフォン素子304については別のエリアに形成した。
この場合、切り出したマイクロフォンアレイ300Aとマイクロフォン素子304とを同一基板上に実装して、マイクロフォンシステムとして使用することになる。図14のように各マイクロフォン素子301〜305を配置することにより、ウエハ100を有効に利用することができる。マイクロフォンアレイ300に形成された各マイクロフォン素子301〜305は基本的構造は同一であるが、後述するように共振周波数を異ならせるために、振動板の寸法や梁の本数および寸法が各マイクロフォン素子301〜305毎に設定している。
図15は梁の本数が2本であるマイクロフォン素子305の平面図であり、(a)は電極面側を示し、(b)は振動板面側を示す。また、図16は図15のIV−IV断面を示す斜視図である。上述したようにSOIウエハ100は、上部Si層10と、下部Si層30と、それらの間に絶縁層として設けられたSiO層20とからなる3層構造を有している(図16参照)。
マイクロフォン素子305は、電極部310と、振動板311と、その振動板311を電極部310に対して所定の間隔で保持するブリッジ312と、ベース部313とから構成されている。振動板311は、下部Si層30に円形溝320を形成することによってベース部313から切り離された円板上のSi層から成る。一方、十字形状のブリッジ312は上部Si層10を十字形状にエッチングすることにより得られ、固定端部312a,梁部312bおよび振動板固定部312cで構成されている。梁部312bには2本の梁330が形成されている。
図15(a)に示す溝321は下部Si層30まで達しており、電極部310およびブリッジ312を構成するSi層10は、この溝321によってベース部313のSi層10と分離されている。一方、図15(b)に示す円形溝320は、下部Si層30およびSiO層20を貫通して上部Si層10まで達している。円形溝320よりも内側の領域においては図15(b)の斜線を施した十字領域のみにSiO層20が残っており、円形溝320よりも外側の領域では、溝321を除く領域の全域にSiO層20が残っている。
すなわち、ブリッジ312の固定端部312aはSiO層20を介して、ベース部313の下部Si層30に固定されている。そして、振動板311は、斜線を施した領域のSiO層20を介してブリッジ312の固定部312cに固定されている。振動板311と電極部310との間はSiO層20が除去された空隙となっているため、振動板311に作用する音圧でブリッジ312の梁部312bが弾性変形し、振動板311が振動する。
上述した第1の実施の形態と同様に、電極部310,ブリッジ312およびベース部313の電極部側表面には金属層が形成される。すなわち、電極部310はコンデンサーマイクロフォンの一方の電極板を構成し、振動板311は他方の電極板を構成している。電極部310およびブリッジ312には、各々リード端子部310d,312dが形成されている。なお、電極部310には貫通孔310aが複数形成されており、これらの貫通孔310aは、振動板311が振動した際の電極部310と振動板311との間の空気を逃がす孔として機能する。
上述したように、マイクロフォンアレイ300に形成された5つのマイクロフォン素子301〜305はそれぞれ共振周波数が異なっている。マイクロフォン素子301〜305は4カ所の梁部312bで振動板311を支持する構造となっており、音圧の作用で梁部312bが変形することにより振動板311が振動する。そこで、本実施の形態では、振動板311の寸法、梁部312bの寸法および梁の本数を変えることにより、各マイクロフォン素子301〜305の共振周波数をそれぞれ異なる値に設定している。
図17は、マイクロフォン素子305の梁部312bの拡大図である。梁330の寸法は幅W、長さL、高さtで表され、マイクロフォン素子305の場合、梁の本数Nは2である。図18は各マイクロフォン素子301〜305の寸法および特性を示した図であり、梁330の寸法W,L,t、本数N、振動板311の面積および質量m、梁330の断面二次モーメントI、マイクロフォン素子のバネ定数k、マイクロフォン素子の共振周波数fおよび振動板311の振幅量Aを示したものである。
《共振系モデルの説明》
次に、図18の断面二次モーメントI、バネ定数k、共振周波数fおよび振幅量Aについて説明する。本実施の形態では、一例として図19に示すような構成を共振系モデルとして採用する。この共振系モデルでは、固定端部312aを固定端(図19のB点)とする複数の片支持梁330の自由端(図19のC点)に、ブリッジ312の固定部312cおよび振動板311が固定されていると考える。
音圧により振動板311に作用する外力はF=PScosωtであるとする。例えば、梁330の本数Nがマイクロフォン素子301のようにN=1である場合には(図18参照)、C点にかかる力はFは4本の梁330全体にかかる力Fの1/4、すわわち、F=F/4となる。そのため、C点における力Fによるたわみ角θは次式(4)のように表される。また、C点におけるモーメントMによるたわみ角θMCは次式(5)のように表される。
θ=F/2EI=FL/8EI …(4)
θMC=ML/EI …(5)
一方、C点においてはdy/dl=0と仮定することができるので、上記のθおよびθMCはθ=θMCを満足することになる。その結果、未知であったC点におけるモーメントMは式(6)のように表せる。
=FL/8 …(6)
したがって、C点でのたわみXは、力によるたわみX1とモーメントによるたわみX2との重ね合わせ法を用いると、次式(7)で算出される。
X=X1+X2
=F/3EI+(−M/2EI)
=FL/12EI−FL/16EI
=FL/48EI …(7)
外力Fと変位(たわみ)Xとの間にはF=kXが成り立つので、マイクロフォン素子のばね定数kは式(8)のように表される。この式(8)は、梁330の本数Nに関わらず成り立つ関係である。
k=F/X
=48EI/L …(8)
このとき、マイクロフォン素子の共振周波数fは、振動板311の質量をmとすれば式(9)のように表される。
=(1/2π)√(k/m)
=(1/2π)√(48EI/mL) …(9)
梁330の寸法は幅がWで高さがtなので、式(9)における梁部312bの断面二次モーメントIは式(10)で算出される。
I=(Wt/12)×N …(10)
Nは梁部312bに形成された梁330の本数である。すなわち、梁330の寸法W、t、Lおよび本数Nを調整することにより、マイクロフォン素子の共振周波数fを所望の値に設定することができる。
マイクロフォン素子の共振系を考える場合、振動振幅の減衰に寄与する機械抵抗rを考慮して式(11)のような運動方程式を考える。
m(dx/dt)+r(dx/dt)+kx=PScosωt …(11)
右辺は音圧による外力である。式(11)において、γ=r/2m、ω=2πf=√(k/m)とおくと、式(11)は次式(12)のように変形される。ただし、ω>γであるとする。
dx/dt+2γ(dx/dt)+ω x=(PS/m)cosωt …(12)
式(12)に示す方程式を解くことにより、振動の振幅Aは式(13)で与えられる。
=(PS/m)×1/{(ω −ω+4γω1/2 …(13)
ここで、γ=r/2mであるから、式(13)の振幅Aは機械抵抗rを未知数として含んでいるが、この機械抵抗rは実測された共振の鋭さQ(=f/Δf)からr=ωm/Qを用いて算出することができる。図20は、図18のマイクロフォン素子304に関して、振幅量Aの理論値と実測値とを示したものである。図20から、上述したモデルから算出される振幅量Aと実測値との間に、十分に整合性がとれていることが分かる。
従来、Si基板に形成されたコンデンサーマイクロフォンを使用する場合には、特性の広い周波数域に対して振幅量がほぼ一定となる領域R1を利用している。本実施の形態のマイクロフォンシステムは、振動板311の共振周波数を用いる点に特徴がある。図20からも分かるように、共振領域R2では領域R1よりも振幅量が大きくなり、マイクロフォンの感度向上を図ることができる。図20の例では、領域R2のピーク値は領域R1の約3倍になっている。
ただし、一つのマイクロフォン素子では広い周波数範囲に対応できないので、マイクロフォンアレイ300に形成されたマイクロフォン素子301〜305の共振周波数fを少しずつずらすように設定して、図20に示すように所定の周波数領域の音声を検出できるようにした。
図21は各マイクロフォン素子301〜305から得られる信号の出力特性を示したものであり、横軸は周波数、縦軸は出力電圧である。曲線L1がマイクロフォン素子301の出力特性を表しており、同様に曲線L2〜L5がそれぞれマイクロフォン素子302〜305の出力特性を表している。各特性L1〜L5のピーク高さにはばらつきがあるので、前述したように図13のFM検波回路82で利得調整を行って出力のピーク値がほぼ同一値となるように均一化する。
そして、均一化した各出力を図13の電圧合成回路84で合成することにより広い周波数領域R3でレベルの一定した合成特性L10が得られる。特性L1の共振周波数は0.3kHzで特性L5の共振周波数は3kHzであるので(図18参照)、周波数領域R3は少なくとも0.3kHz〜3kHzの範囲をカバーしている。さらに、合成特性L10の出力電圧値は各特性L1〜L5のピーク値とほぼ同一となるので、従来に比べ感度が向上する。
上述したように、第2の実施の形態のマイクロフォンシステムでは、共振周波数領域で音声検出を行うマイクロフォン素子を複数備え、各マイクロフォン素子の共振周波数を少しずつずらすことにより広い周波数領域の音声を検出できるように構成した。その結果、マイクロフォンを小型にできるとともに、広い周波数領域で高感度に音声検出を行うことができる。
また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。例えば、ブリッジ312は十字形状でなくても良いし、また、振動板を311の形状を矩形状としても良い。
本発明の第1の実施の形態に係るコンデンサーマイクロフォンの全体構成を模式的に示す透視図である。 図1のI−Iに沿って切断したXZ断面図である。 第1の実施の形態に係るコンデンサーマイクロフォンの製造工程(a〜d)を説明するための部分斜視図である。 第1の実施の形態に係るコンデンサーマイクロフォンの製造工程(a〜d)を説明するための部分斜視図である。 第1の実施の形態に係るコンデンサーマイクロフォンの製造工程(e〜h)を説明するための部分斜視図である。 第1の実施の形態に係るコンデンサーマイクロフォンの製造工程(i〜l)を説明するための部分断面図である。 第1の実施の形態に係るコンデンサーマイクロフォンの製造工程(m〜p)を説明するための部分断面図である。 第1の実施の形態に係るコンデンサーマイクロフォンの製造工程(f)に用いられるマスクの平面図である。 電圧検出方式における電気回路を示す図である。 FM方式における電気回路を示す図である。 マイクロフォンヘッド90の概略構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態を示す図であり、マイクロフォンシステムに用いられるマイクロフォンアレイの一例を示したものである。 第2の実施の形態におけるFM方式の電気回路を示す図である。 ウエハ上におけるマイクロフォン素子の他の配置例を示す図である。 コンデンサーマイクロフォン305の平面図であり、(a)は電極面側を示し、(b)は振動板面側を示す。 図15のIV−IV断面を示す斜視図である。 梁部312bを拡大して示した斜視図である。 マイクロフォン素子301〜305の諸寸法および諸特性を示す図である。 マイクロフォン素子の共振系モデルを示す図である。 振幅量Aの理論値と実測値とを比較して示した図である。 マイクロフォン素子301〜305の出力特性L1〜L5と、合成特性L10とを示す図である。
符号の説明
1,301〜305 コンデンサーマイクロフォン
10 上部Si層
11,12,312 ブリッジ
11a,12a 梁部
13 バックプレート
20 SiO
21 スペーサ
30 下部Si層
31 ベースプレート
32,311 振動板
40 下地層(多結晶シリコン膜)
50 金属層
51,52 電極膜(Al膜)
81 発振回路
82 FM検波回路
90 マイクロフォンヘッド
100 SOIウエハ
200 マスク
300 マイクロフォンアレイ
310 電極部
312b 梁部
313 ベース部
330 梁
A 空隙
d ギャップ長
F 固定側電極取出し口
M 可動側電極取出し口
R リング状領域(リング状空間)

Claims (8)

  1. フォトリソグラフィー法で作製されるコンデンサーマイクロフォンであって、
    周辺部がベースプレート上に支持されるバックプレートと、
    前記バックプレートと所定の間隔を空けて設けられる振動板と、
    前記振動板を前記ベースプレートから吊持する梁状部材と、
    前記振動板と前記バックプレートとの間の容量変化を電気信号として取り出す一対の電極とを備えることを特徴とするコンデンサーマイクロフォン。
  2. 請求項1に記載のコンデンサーマイクロフォンにおいて、
    前記梁状部材は十字形状であり、
    前記十字形状の梁状部材は梁部と固定端部とを有し、
    前記梁部は、前記バックプレートに形成された十字形状の開口内に位置するように設けられ、
    前記固定端部は、前記梁部を両持ちで支持するように前記ベースプレートに固定されていることを特徴とするコンデンサーマイクロフォン。
  3. 請求項2に記載のコンデンサーマイクロフォンにおいて、
    前記一対の電極は可動側電極と固定側電極とを有し、
    前記可動側電極は前記梁部の上面に設けられ、前記固定側電極は前記バックプレートの上面に設けられていることを特徴とするコンデンサーマイクロフォン。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサーマイクロフォンにおいて、
    前記ベースプレート、前記バックプレート、前記振動板および前記梁状部材は、SOIウエハに対して、フォトリソグラフィー法により作製することを特徴とするコンデンサーマイクロフォン。
  5. コンデンサーマイクロフォンをフォトリソグラフィー法で作製する方法であって、
    周辺部がベースプレート上に支持されるバックプレートを形成する工程と、
    前記バックプレートと所定の間隔を空けて振動板を形成する工程と、
    前記振動板を前記ベースプレートから吊持する梁状部材を形成する工程と、
    前記振動板と前記バックプレートとの間の容量変化を電気信号として取り出す一対の電極を形成する工程とを備えることを特徴とするコンデンサーマイクロフォンの作製方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか一つに記載のコンデンサーマイクロフォンと、
    前記コンデンサーマイクロフォンから取り出された電気信号から、前記コンデンサーマイクロフォンの共振周波数領域において前記振動板に作用する音圧に応じた信号を抽出する検波回路とを備えたことを特徴とするマイクロフォンシステム。
  7. 互いに共振周波数が異なる請求項1〜4のいずれか一つに記載のコンデンサーマイクロフォンを同一ウエハ基板上に複数形成したマイクロフォンアレイと、
    前記複数のコンデンサーマイクロフォンの各々に設けられ、前記各コンデンサーマイクロフォンから取り出された電気信号から、前記各コンデンサーマイクロフォンの共振周波数領域において前記振動板に作用する音圧に応じた信号をそれぞれ抽出する複数の検波回路と、
    前記各検波回路からの各信号が入力され、入力された各信号を合成して合成信号を出力する合成回路とを備えたことを特徴とするマイクロフォンシステム。
  8. 請求項7に記載のマイクロフォンシステムにおいて、
    前記複数のコンデンサーマイクロフォンの各共振周波数領域を合わせたものが一つの連続した周波数領域を形成するように、前記各コンデンサーマイクロフォンの共振周波数を設定したことを特徴とするマイクロフォンシステム。
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