JP2007242885A - 半導体発光装置およびその製造方法 - Google Patents

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Rintaro Koda
倫太郎 幸田
Takahiro Arakida
孝博 荒木田
Yoshinori Yamauchi
義則 山内
Norihiko Yamaguchi
典彦 山口
Takeshi Masui
勇志 増井
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Abstract

【課題】簡易な構成で、光出力の検知精度をより向上させることの可能な半導体発光装置を提供する。
【解決手段】発光部2、光検出器3および光制御部4を備える。発光部2は、1または複数の発光領域15Aを含む半導体積層構造20を有しており、半導体積層構造20の積層方向と平行な方向に発光領域15Aからの発光光を射出するようになっている。光検出器3は、入射した光の一部を吸収する光吸収層11を含む半導体積層構造30を有すると共に、半導体積層構造30の積層方向と垂直な面内に露出面11Aを有する。光検出器3は発光部2と一体に形成されている。光制御部4は、熱処理により成型可能な材料を含んで構成されている。光制御部4は、発光部2から射出される光の一部を反射すると共にその反射した光を露出面11Aに直接入射させる境界面4Aを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光光を検出するための光検出器を有する半導体発光装置およびその製造方法に係り、特に、光検出精度が高度に要求される用途で好適に適用可能な半導体発光装置およびその製造方法に関する。
従来より、光ファイバや、光ディスクなどの用途の半導体発光装置には、これに組み込まれた半導体発光素子の光出力レベルを一定にする目的の一環として、光検出機構により半導体発光素子の発光光を検出することが行われている。この光検出機構は、例えば、発光光の一部を分岐させる反射板と、この分岐した発光光を検出する光検出器とにより構成することが可能である。
例えば、図13に示したように、特許文献1に記載の半導体発光装置は、半導体レーザ素子100と、半導体レーザ素子100を囲うハウジング300により支持されたホログラム素子200とを備えたものである。半導体レーザ素子100は、n型半導体基板110上に、光吸収層111、p型コンタクト層112、p型DBR層113、p型クラッド層114、発光領域115Aを含む活性層115、n型クラッド層116、電流注入領域117aおよび電流狭窄領域117bを有する電流狭窄層117、n型DBR層118およびn型コンタクト層119をこの順に積層したのち、n型コンタクト層119からp型DBR層113までを選択的にエッチングすることによりp型半導体層112を一部露出させたものである。なお、n型コンタクト層119のうち発光領域115Aに対応する領域には開口部W100が、n型コンタクト層119上に電極121が、p型コンタクト層112の露出した部分に電極122が、n型半導体基板110の裏面に電極123がそれぞれ形成されている。ここで、p型DBR層113〜n型コンタクト層119が発光部120を構成し、n型半導体層110〜p型コンタクト層112が光検出器130を構成する。つまり、光検出器130が共振器120の下に形成され、半導体レーザ素子100の内部に組み込まれている。
他方、ホログラム素子200は、半導体レーザ素子100の光軸上に配置されており、半導体レーザ素子100側からの光を屈折させることなく透過すると共に、半導体レーザ素子100とは反対側からの光(戻り光)をp型半導体層112の露出面がある方向、すなわち光検出器130が露出している方向に屈折させて透過するようになっている。
この半導体発光装置では、活性層115に電流が注入されると、活性層115の発光領域115Aにおいて生じた発光光により誘導放出が繰り返される結果、レーザ発振が生じ、所定の波長の光がビームとして開口部W100から射出される。開口部W100から射出されたレーザ光は、ホログラム素子200を透過したのち、光学素子(図示せず)などによって一部反射されてホログラム素子200側に戻ってくる。この戻り光は、ホログラム素子200で屈折して、光検出器130に入射したのち、光吸収層111で吸収される。吸収された光は、光吸収層111で電気信号(フォトカレント)に変換されたのち、光検出器130に接続された光出力演算回路(図示せず)に光出力モニタ信号として出力される。
特許2915345号
ところが、特許文献1のような構成にすると、部品点数が多くなるだけでなく、ホログラム素子200を半導体レーザ素子100に対して高精度に配置しなければならない。しかし、ホログラム素子200を高精度に配置するのは容易ではないため、ホログラム素子200の配置のバラツキに起因して光出力の検知精度が悪化する虞があるという問題がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡易な構成で、光出力の検知精度を向上させることの可能な半導体発光装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明の半導体発光装置は、発光部、光検出器および光制御部を備えたものである。発光部は、1または複数の発光領域を含む第1半導体積層構造を有し、発光領域からの光を第1半導体積層構造の積層方向に沿って導くようになっている。光検出器は、発光部に隣接する位置に光吸収層を含む第2半導体積層構造を有する。光制御部は、発光部および光検出器の表面に形成されており、外部との境界面において発光部からの光を透過すると共にその一部を反射し、その反射光を光検出器に入射させるようになっている。
本発明の半導体発光装置では、発光部および光検出器の表面に形成された光制御部の境界面は、発光部からの光を透過すると共にその一部を反射し、その反射光を光検出器に入射させる。ここで、境界面は、光制御部が発光部および光検出器の表面に形成されていることから、成膜プロセスの一環として形成することが可能である。これにより、例えば、熱処理により成型可能な熱硬化性材料を熱処理するだけで、一定の境界面が形成される。ここで、熱処理する前に熱硬化性材料の形状や、大きさ、発光領域に対する位置を変えることにより、境界面が発光領域からの光の光軸と交わる角度が調整される。
本発明の半導体発光装置の製造方法は、以下の(A)および(B)の工程を含むものである。
(A)1または複数の発光領域を含む第1半導体積層構造を有し、発光領域からの光を第1半導体積層構造の積層方向に沿って導く発光部と、発光部に隣接する位置に光吸収層を含む第2半導体積層構造を有する光検出器とをそれぞれ形成する工程
(B)熱処理により成型可能な熱硬化性材料を発光部および光検出器の表面の所定の位置に配置すると共に所定の厚さおよび形状に加工したのち熱処理することにより、外部との境界面において発光部からの光を透過すると共にその一部を反射し、その反射光を光検出器に入射させる光制御部を形成する工程
本発明の半導体発光装置の製造方法では、発光部からの光を透過すると共にその一部を反射し、その反射光を光検出器に入射させる境界面を有する光制御部が熱処理により成型可能な熱硬化性材料により構成されているので、その熱硬化性材料を熱処理するだけで、一定の境界面が形成される。ここで、熱処理する前に熱硬化性材料の形状や、大きさ、発光領域に対する位置を変えることにより、境界面が発光領域からの発光光の光軸と交わる角度が調整される。
本発明の半導体発光装置によれば、境界面を有する光制御部を発光部および光検出器の表面に形成するようにしたので、境界面を成膜プロセスの一環として形成することが可能である。これにより、例えば、熱処理により成型可能な熱硬化性材料を発光領域に対して所定の位置に、所定の形状および大きさで成型加工したのちに熱処理するだけで、発光領域からの発光光の光軸と所定の角度で交わる境界面を形成することができる。このような制御性の極めて容易な製造方法を用いることにより、光制御部の、発光部および光検出器に対する位置合わせを容易に行うことができるだけでなく、境界面の、発光領域からの光の光軸と交わる角度を極めて精確に設定することができる。これにより、発光領域からの光の一部を少ない部品点数で確実に光検出器に入射させることができるだけでなく、光検出器に入射する光の出力が各発光領域ごとや、各半導体発光装置ごとにばらつく虞をなくすることができる。従って、簡易な構成で、光出力の検知精度を向上させることができる。
本発明の半導体発光装置の製造方法によれば、境界面を有する光制御部を熱処理により成型可能な熱硬化性材料により構成するようにしたので、熱硬化性材料を発光領域に対して所定の位置に、所定の形状および大きさに成型加工したのちに熱処理するだけで、発光領域からの光の光軸と所定の角度で交わる境界面を形成することができる。このような制御性の極めて容易な製造方法を用いることにより、光制御部の、発光部および光検出器に対する位置合わせを容易に行うことができるだけでなく、境界面の、発光領域からの光の光軸と交わる角度を極めて精確に設定することができる。これにより、発光領域からの光の一部を少ない部品点数で確実に光検出器に入射させることができるだけでなく、光検出器に入射する光の出力が各発光領域ごとや、各半導体発光装置ごとにばらつく虞をなくすることができる。従って、簡易な構成で、光出力の検知精度を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る面発光型の半導体レーザ装置1の断面構成を表すものである。この半導体レーザ装置1は、光検出器3上の一部に発光部2を一体に形成すると共に、これらの表面上に光制御部4を形成して構成したものである。
この半導体レーザ装置1は、発光部2の発光光が開口部W1(後述)から光制御部4を透過して外部に射出されると共に、発光部2の発光光のうち光制御部4の境界面4A(後述)で反射された光L2の出力レベル、ひいては光制御部4を透過して外部に射出された光L1の出力レベルに応じた電気信号(フォトカレント)が光検出器3から出力されるようになっている。なお、図1は、模式的に表したものであり、実際の寸法、形状とは異なっている。以下、説明の便宜上、光検出器3、発光部2、光制御部4の順に説明する。
(光検出器3)
光検出器3は半導体積層構造30を有し、この半導体積層構造30の両面に電極23,24を備えている。半導体積層構造30は、n型半導体基板10、光吸収層11およびp型コンタクト層12をこの順に積層して構成されたものである。なお、半導体積層構造30は本発明の「第2半導体積層構造」の一例に相当する。
n型半導体基板10は、例えばn型GaAsにより構成される。なお、n型不純物としては、例えばケイ素(Si)またはセレン(Se)などが挙げられる。光吸収層11は、例えば、n型Alx1Ga1-x1As(0≦x1<1)により構成され、発光部2の下およびその周辺領域に渡って設けられている。この光吸収層11は、積層方向と垂直な面内に露出面11Aを有している。この露出面11Aは、光L2が入射する領域に対応して設けられており、発光部2とp型コンタクト層12との間に設けられている。なお、露出面11Aの面積は、光L2が入射する領域の面積よりも大きいことが好ましい。また、p型不純物としては、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)などが挙げられる。これにより、光吸収層11は、光L2の一部を吸収すると共に、吸収した光を電気信号に変換するようになっている。この電気信号は、光検出器3に接続された光出力演算回路(図示せず)に光出力モニタ信号として入力され、光出力演算回路において光L2の出力レベルを直接計測すると共に、光L2の出力レベルと相関関係を有する光L1の出力レベルを間接的に計測するために用いられる。
p型コンタクト層12は、例えば、p型Alx2Ga1-x2As(0≦x2<1)により構成され、光吸収層11と電気的に接続されている。このp型コンタクト層12は、発光部2から見て、露出面11Aの外側に配置されている。電極23は、例えば、チタン(Ti),白金(Pt)および金(Au)をp型コンタクト層12上にこの順に積層したものであり、p型コンタクト層12と電気的に接続されている。電極24は、例えば、金(Au)とゲルマニウム(Ge)との合金,ニッケル(Ni)および金(Au)をn型コンタクト層23上にこの順に積層した構造を有しており、n型半導体基板10と電気的に接続されている。
(発光部2)
発光部2は半導体積層構造20を有し、この半導体積層構造20は光検出器3のp型コンタクト層12上に形成されている。この半導体積層構造20は、p型コンタクト層12側から、p型DBR層13、p型クラッド層14、活性層15、n型クラッド層16、電流狭窄層17、n型DBR層18、n型コンタクト層19をこの順に積層して構成される。この半導体積層構造20は、n型コンタクト層19からp型DBR層13の一部までを選択的にエッチングしたのちp型DBR層13を選択的にエッチングすることにより形成された2種類の径を有する円柱状のメサ部M1を有する。なお、半導体積層構造20は本発明の「第1半導体積層構造」の一例に相当する。
半導体積層構造20は、例えばGaAs(ガリウム・ヒ素)系の化合物半導体によりそれぞれ構成される。なお、GaAs系化合物半導体とは、短周期型周期表における3B族元素のうち少なくともガリウム(Ga)と、短周期型周期表における5B族元素のうち少なくともヒ素(As)とを含む化合物半導体のことをいう。
p型DBR層13は、低屈折率層(図示せず)および高屈折率層(図示せず)を1組として、それを複数組分積層して構成されたものである。低屈折率層は、例えば厚さがλ/4n1 (λは発振波長、n1 は屈折率)のp型Alx3Ga1-x3As(0<x3<1)、高屈折率層は、例えば厚さがλ/4n2 (n2 は屈折率)のp型Alx4Ga1-x4As(0≦x4<x3)によりそれぞれ形成されている。
p型クラッド層14は、例えばp型Alx5Ga1-x5As(0≦x5<1)により構成される。活性層15は、例えばノンドープのAlx6Ga1-x6As(0≦x6<1)により構成され、後述の電流注入領域17bと対向する領域に発光領域15Aを有する。n型クラッド層16は、例えばn型Alx7Ga1-x7As(0≦x7<1)により構成される。
電流狭窄層17は、その外縁領域にドーナツ形状の電流狭窄領域17aを有し、その中央領域に円形状の電流注入領域17bを有する。電流注入領域17bは、例えば、Alx8Ga1-x8As(x9(後述)<x8≦1)により構成され、電流狭窄領域17aは、メサ部M1の側面側からAlAs層17D(後述)に含まれる高濃度のAlを酸化することにより得られたAl2 3 (酸化アルミニウム)を含んで構成される。つまり、電流狭窄層17は電流を狭窄する機能を有する。
n型DBR層18は、低屈折率層(図示せず)および高屈折率層(図示せず)を1組として、それを複数組分積層して構成されたものである。この低屈折率層は、例えば厚さがλ/4n3 (λは発振波長、n3 は屈折率)のn型Alx9Ga1-x9As(0<x9<1)、高屈折率層は、例えば厚さがλ/4n4(n4 は屈折率)のn型Alx10 Ga1-x10 As(0≦x10<x9)によりそれぞれ形成されている。n型コンタクト層19は、例えばn型GaAsにより構成され、上記の電流注入領域17bと対向する領域に、例えば円形状の開口部を有する。
発光部2には、メサ部M1の側面の一部およびp型DBR層13の露出面の一部に保護膜21が形成されており、その保護膜21およびn型コンタクト層19の表面に電極22が形成されている。ここで、保護膜21は、例えば、SiNやSiO2などの絶縁性の物質により形成されており、電極22と、メサ部M1の側面およびp型DBR層13の露出面とを電気的に分離するようになっている。電極22は、例えば、AuGe,NiおよびAuを保護膜21およびn型コンタクト層19の側から順に積層した構造を有しており、n型コンタクト層19と電気的に接続されている。この電極22は、n型コンタクト層19上に形成されていることから、n型コンタクト層19と同様の開口部を有しており、これらの開口部が開口部W1を構成している。
(光制御部4)
光制御部4は、発光部2の発光光を透過する材料で、かつ熱処理によって成型可能な熱硬化性材料(例えば熱硬化性ポリマー)により構成されており、露出面11Aの一部およびメサ部M1上に形成されている。この光制御部4は、外部との間に境界面4Aを有し、この境界面4Aは、発光部2から光制御部4側に射出されてきた光の大半を透過すると共にその一部を反射し、その反射した光を露出面11Aに直接入射させるようになっている。この境界面4Aは、例えば、図1に示したようなドーム状の形状であってもよいし、複数の平面を組み合わせたものであってもよい。
この境界面4Aのうち、発光部2から光制御部4側に射出されてきた光の光軸X1と交わる点で接する接面S1と、光軸X1とが交わる角度をθ1とすると、発光部2から光制御部4側に射出されてきた光が露出面11Aに直接入射するためには、θ1が少なくとも以下の式を満たす角度となっていることが必要である。
10°<θ1<90°…(1)
ただし、式(1)を満たす場合であっても、光L2が露出面11Aで全反射してしまうと光L2が光吸収層11に到達しないので、角度θ1は、光L2が露出面11Aで全反射されないような角度となっていることも必要である。また、角度θ1は、メサ部M1によって光L2の光路が遮られるような角度ではないことも必要である。
このような構成を有する半導体レーザ装置1は、例えば、次のようにして製造することができる。
図2(A)〜(C)、図3(A)〜(C)および図4および図5(図4の上面図)はその製造方法を工程順に表したものである。半導体レーザ装置1を製造するためには、GaAsからなる基板10上にGaAs系化合物半導体からなる半導体積層構造20,30を、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition :有機金属気相成長)法により形成する。この際、GaAs系化合物半導体の原料としては、例えば、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、アルシン (AsH3)を用い、ドナー不純物の原料としては、例えばセレン化水素(H2 Se)を用い、アクセプタ不純物の原料としては、例えばジメチル亜鉛(DMZn)を用いる。
具体的には、まず、n型半導体基板10上に、光吸収層11、p型コンタクト層12、p型DBR層13、p型クラッド層14、活性層15、n型クラッド層16、AlAs層17D、n型DBR層18、n型コンタクト層19をこの順に積層する(図2(A))。
次に、n型コンタクト層19の表面のうち、メサ部M1を形成する領域にマスク(図示せず)を形成したのち、例えばドライエッチング法によりn型コンタクト層19からp型DBR層13の一部までを選択的に除去する(図2(B))。その後、マスクを除去する。
次に、水蒸気雰囲気中において、高温で酸化処理を行い、メサ部M1の外側からAlAs層17DのAlを選択的に酸化する。これによりAlAs層17Dの外縁領域が絶縁層(酸化アルミニウム)となるので、外縁領域が電流狭窄領域17aとなり、その中央領域が電流注入領域17bとなる。このようにして、電流狭窄層17が形成される(図2(B))。
次に、電流注入領域17bに対応する領域以外の領域にマスク(図示せず)を形成したのち、例えばウエットエッチングによりn型コンタクト層19を除去する。その後、マスクを除去する。続いて、例えば蒸着法によりメサ部M1の側面の一部およびp型DBR層13の露出面の一部に保護膜21を形成すると共に、保護膜21およびn型コンタクト層19上に電極22を形成する。これにより、開口部W1が形成される(図3(A))。続いて、例えばドライエッチング法によりp型DBR層13の露出面を選択的に除去したのち、例えばウエットエッチングによりp型コンタクト層12を選択的に除去する。これにより、光吸収層11の露出面11Aおよびメサ部M1が形成される(図3(B))。
次に、例えばスピンコート法により、メサ部M1および露出面11Aを含む表面全体に渡って熱処理により成型可能な熱硬化性材料、例えば熱硬化性ポリマーを塗布したのち、パターニングによりメサ部M1および露出面11Aを含む表面上に、高さH1、幅D1、奥行きD2の光制御部4Dを形成する。このとき、光制御部4Dの中心点Cと光軸X1と距離(オフセット)がd1(0<d1<1/2×D1)となるように、光制御部4Dを配置する(図4,図5)。その後、所定の温度で熱処理を行い、光制御部4Dをドーム状に変形させると共に固化させる。これにより、角度θ1の境界面4Aを有する光制御部4が形成される(図1)。
ここで、スピンコート法により高さH1を、パターニングにより幅D1、奥行きD2およびオフセットd1をそれぞれ精確に設定することができ、さらに、光制御部4Dの形状、大きさおよび位置に応じて熱処理後の光制御部4の境界面4Aの角度θ1を一義的に決定することができる。つまり、角度θ1の精度は、パターニングの精度に依ることがわかる。これにより、式(1)の範囲内の所望の角度θ1に対応した高さH1、幅D1、奥行きD2およびオフセットd1を有する光制御部4Dをスピンコート法およびパターニングにより形成すると共に熱処理することにより、所望の角度θ1を有する境界面4Aを精確に形成することができる。このようにして、所望の角度θ1の境界面4Aを有する光制御部4を備えた半導体レーザ装置1が製造される。
以上のように、本実施の形態では、発光部2からの発光光の一部を反射する光制御部4が熱処理により成型可能な熱硬化性材料により構成されているので、スピンコート法やパターニングのような制御性の極めて容易な製造方法を用いて、熱硬化性材料を所定の高さH1、幅D1、奥行きD2、オフセットd1で成型加工したのちに、熱処理するだけで所望の角度θ1の境界面4Aを有する光制御部4を精確に形成することができる。これにより、光制御部4の、発光部2および光検出器3に対する位置合わせを容易に行うことができるだけでなく、角度θ1を極めて精確に設定することができ、半導体レーザ装置1ごとの角度θ1のばらつきを極めて小さくすることができる。
また、光制御部4を支持するために余計な部品(例えば、引用文献1に示したようなハウジング300)が必要ないので、部品点数を削減することができる。また、光制御部4を発光部2および光検出器3の表面上に直接形成しているので、部品を実装する工程が必要なく、さらに、半導体レーザ装置1の厚さを薄くすることもできる。
以下、本実施の形態の半導体レーザ装置1の作用について説明する。
この半導体レーザ装置1では、電極22と電極23との間にそれぞれ所定の電位差の電圧が印加されると、電流狭窄層17により電流狭窄された電流が活性層15の利得領域である発光領域15Aに注入され、これにより電子と正孔の再結合による発光が生じる。この発光光により半導体積層構造20内で誘導放出が繰り返される結果、所定の波長でレーザ発振が生じ、その所定の波長の光がビームとして開口部W1から射出される(図1)。
開口部W1から射出され光は、光制御部4を透過して外部に射出されると共に、光制御部4の境界面4Aで光吸収層11の露出面11A側に一部反射される。光吸収層11の露出面11A側に反射された光L2は、露出面11Aに入射したのち、光吸収層11に一部吸収され、吸収された光の出力レベルに応じた電気信号(フォトカレント)に変換される。この電気信号は、光制御部4を透過して外部に射出された光L1の光出力レベルに応じた大きさを有する。この電流信号は電極23,24に電気的に接続されたワイヤを介して光出力演算回路(図示せず)に出力されたのち、光出力演算回路において光出力モニタ信号として受信される。これにより、光L2の出力レベルが直接計測されると共に、光L1の出力レベルが間接的に計測される。
ところで、例えば、特許文献1のように、発光部上にホログラム素子などを実装した場合には、ホログラム素子の境界面の角度の大きさが半導体レーザ装置ごとにばらつきやすい。境界面の角度の大きさがばらつくと、外部に射出される光や、光検出器3側に反射される光の出力レベルもばらついてしまう。従って、境界面の角度が半導体レーザ装置ごとにばらついている場合には、光検出器3のモニター精度にバラツキが生じてしまう。
しかし、本実施の形態では、光制御部4を熱処理により成型可能な熱硬化性材料により構成するようにしたので、制御性の極めて容易な製造方法を用いて、角度θ1を極めて精確に設定することができ、半導体レーザ装置1ごとの角度θ1のバラツキをなくすることができる。これにより、光L1の出力レベルの計測値が半導体レーザ装置1ごとにばらつく虞はないので、光出力の検知精度のバラツキをなくすることができる。また、光制御部4を熱硬化性材料により構成するようにしたので、光制御部4を支持するために余計な部品が必要なく、部品点数を削減することができる。従って、簡易な構成で、光出力の検知精度を向上させることができる。
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体レーザ装置4の構造を表すものである。図7は、半導体レーザ装置4の上面図である。なお、図6および図7は模式的に表したものであり、実際の寸法、形状とは異なっている。
半導体レーザ装置4は、発光部5上の一部に光検出器6を一体に形成すると共に、これらの表面上に光制御部7を形成して構成したものである。この半導体レーザ装置4は、発光部5の発光光L3が開口部W2(後述)から光制御部7を透過して外部に射出されると共に、発光部5から光制御部7側に射出された光のうち光制御部7の境界面7A(後述)で反射された光L4の出力レベル、ひいては発光部5の発光光L3に応じた電気信号(フォトカレント)が光検出器6から出力されるようになっている。すなわち、この半導体レーザ装置4は、上記実施の形態の半導体レーザ装置1と比べて、発光部および光検出器の位置関係の点で主に相違する。そこで、以下、上記実施の形態と相違する点を主に説明し、共通する点についての説明を適宜省略する。なお、以下の説明において、上記実施の形態と同一の符号が用いられている場合は、その同一符号の要素と同様の構成・機能を有することを意味している。
(発光部5)
発光部5は、n型半導体基板10上に半導体積層構造50を備える。この半導体積層構造50は、n型半導体基板10上に、n型DBR層31、n型クラッド層32、活性層33、p型クラッド層34、電流狭窄層35、p型DBR層36、p型コンタクト層37をこの順に積層して構成される。この半導体積層構造50は、p型コンタクト層37からn型DBR層31の一部までを選択的にエッチングすることにより形成された円柱状のメサ部M2を有する。なお、半導体積層構造50は本発明の「第1半導体積層構造」の一例に相当する。
半導体積層構造50は、例えばGaAs(ガリウム・ヒ素)系の化合物半導体によりそれぞれ構成される。n型DBR層31は、低屈折率層(図示せず)および高屈折率層(図示せず)を1組として、それを複数組分積層して構成されたものである。低屈折率層は、例えば厚さがλ/4n5 (λは発振波長、n5 は屈折率)のn型Alx11 Ga1-x11 As(0<x11<1)、高屈折率層は、例えば厚さがλ/4n6 (n6 は屈折率)のn型Alx12 Ga1-x12 As(0≦x12<x11)によりそれぞれ形成されている。
n型クラッド層32は、例えばn型Alx13 Ga1-x13 As(0≦x13<1)により構成される。活性層33は、例えばノンドープのAlx14 Ga1-x14 As(0≦x14<1)により構成され、後述の電流注入領域35bと対向する領域に発光領域33Aを有する。p型クラッド層34は、例えばp型Alx15 Ga1-x15 As(0≦x15<1)により構成される。
電流狭窄層35は、その外縁領域にドーナツ形状の電流狭窄領域35aを有し、その中央領域に円形状の電流注入領域35bを有する。電流注入領域35bは、例えば、Alx16 Ga1-x16 As(x17(後述)<x16≦1)により構成され、電流狭窄領域35aは、メサ部Mの側面側からAlAs層35D(後述)に含まれる高濃度のAlを酸化することにより得られたAl2 3 (酸化アルミニウム)を含んで構成される。つまり、電流狭窄層17は電流を狭窄する機能を有する。
p型DBR層36は、低屈折率層(図示せず)および高屈折率層(図示せず)を1組として、それを複数組分積層して構成されたものである。この低屈折率層は、例えば厚さがλ/4n7 (λは発振波長、n7 は屈折率)のp型Alx18 Ga1-x18 As(0<x18<1)、高屈折率層は、例えば厚さがλ/4n8(n8 は屈折率)のp型Alx19 Ga1-x19 As(0≦x19<x18)によりそれぞれ形成されている。p型コンタクト層37は、例えばp型GaAsにより構成され、上記の電流注入領域35bと対向する領域に、例えば円形状の開口部を有する。
発光部5には、メサ部M2側面の一部およびn型DBR層31の露出面の一部に保護膜41が形成されており、その保護膜41およびp型コンタクト層37の表面に電極42が形成されている。ここで、保護膜41は、例えば、SiNやSiO2などの絶縁性の物質により形成されており、電極42と、メサ部M2の側面およびn型DBR層31の露出面とを電気的に分離するようになっている。電極42は、例えば、Ti,PtおよびAuを保護膜41およびp型コンタクト層37の側から順に積層した構造を有しており、p型コンタクト層37と電気的に接続されている。この電極42は、p型コンタクト層37上に形成されていることから、p型コンタクト層37と同様の開口部を有しており、これらの開口部が開口部W2を構成している。また、n型半導体基板10の裏面に電極44が形成されている。この電極44は、AuGe,NiおよびAuをn型半導体基板10の側から順に積層した構造を有しており、n型半導体基板10と電気的に接続されている。
(光検出器6)
光検出器6は半導体積層構造60を有し、この半導体積層構造60上に電極43を、p型コンタクト層37上に電極45(図7参照)をそれぞれ有している。半導体積層構造60は、発光部5のp型コンタクト層37上に、光吸収層38およびn型コンタクト層39をこの順に積層したのち、n型コンタクト層39および光吸収層38の一部を選択的に除去してp型コンタクト層37の一部を露出させることにより形成されたものである。なお、半導体積層構造60は本発明の「第2半導体積層構造」の一例に相当する。
光吸収層38は、例えば、n型Alx20 Ga1-x20 As(0≦x20<1)により構成され、発光部2のn型DBR層31上に設けられている。この光吸収層38は、積層方向と垂直な面内に露出面38Aを有している。この露出面38Aは、光L4が入射する領域に対応して設けられており、発光部5とn型コンタクト層39との間に設けられている。なお、露出面38Aの面積は、光L4が入射する領域の面積よりも大きいことが好ましい。これにより、光吸収層38は、光L4の一部を吸収すると共に、吸収した光を電気信号に変換するようになっている。この電気信号は、光検出器6に接続された光出力演算回路(図示せず)に光出力モニタ信号として入力され、光出力演算回路において光L4の出力レベルを直接計測すると共に、光L4の出力レベルと相関関係を有する光L3の出力レベルを間接的に計測するために用いられる。
n型コンタクト層39は、例えば、n型Alx21 Ga1-x21 As(0≦x21<1)により構成され、光吸収層38と電気的に接続されている。このn型コンタクト層39は、発光部5から見て、露出面38Aの外側に配置されている。電極43は、例えば、AuGe,NiおよびAuをn型コンタクト層39上にこの順に積層したものであり、n型コンタクト層39と電気的に接続されている。電極45は、例えば、Ti,PtおよびAuをp型コンタクト層37の露出面上にこの順に積層した構造を有しており、p型コンタクト層37と電気的に接続されている。なお、電極45に接続されているp型コンタクト層37と、電極42に接続されているp型コンタクト層37とは、メサ部M2を選択的エッチングにより形成する際に、互いに電気的に分離されている。
(光制御部7)
光制御部7は、発光部5の発光光を透過する材料で、かつ熱処理によって成型可能な材料(例えばポリマー材)を含んで構成されており、露出面38Aの一部およびメサ部M2上に形成されている。この光制御部7は、外部との間に境界面7Aを有し、この境界面7Aは、発光部5から光制御部7側に射出されてきた光の大半を透過すると共にその一部を反射し、その反射した光を露出面38Aに直接入射させるようになっている。この境界面7Aは、例えば、図6に示したようなドーム状の形状であってもよいし、複数の平面を組み合わせたものであってもよい。
この境界面7Aのうち、発光部5から光制御部7側に射出されてきた光の光軸X3と交わる点で接する接面S2と、光軸X3とが交わる角度をθ2とすると、発光部5から光制御部7側に射出されてきた光が露出面38Aに直接入射するためには、θ2が少なくとも以下の式を満たす角度となっていることが必要である。
10°<θ2<90°…(2)
ただし、式(2)を満たす場合であっても、光L4が露出面38Aで全反射してしまうと光L4が光吸収層38に到達しないので、角度θ2は、光L4が露出面38Aで全反射されないような角度となっていることも必要である。
このような構成を有する半導体レーザ装置4は、例えば、次のようにして製造することができる。
図8(A)〜(C)、図9(A)〜(C)、図10および図11(図10の上面図)はその製造方法を工程順に表したものである。半導体レーザ装置4を製造するためには、GaAsからなる基板10上にGaAs系化合物半導体からなる半導体積層構造50,60を、例えば、MOCVD法により形成する。
具体的には、まず、n型半導体基板10D上に、n型DBR層31、n型クラッド層32、活性層33、p型クラッド層34、AlAs層35D、p型DBR層36、p型コンタクト層37、光吸収層38、n型コンタクト層39をこの順に積層する(図8(A))。
次に、n型コンタクト層39の表面のうち、電極43を形成するための領域にマスク(図示せず)を形成したのち、例えばウエットエッチング法によりn型コンタクト層39を選択的に除去する。これにより、露出面38Aが形成される(図8(B))。続いて、先のマスクを除去すると共に、電極43を形成するための領域、および露出面38Aを含む領域にマスク(図示せず)を形成したのち、例えばドライエッチングにより光吸収層38を選択的に除去する。これにより、電極45を形成するためのp型コンタクト層37の露出面が形成される(図示せず)。
さらに、先のマスクを除去したのち、電極43,45を形成するための領域、露出面38Aを含む領域,およびメサ部M2を形成するための領域にマスク(図示せず)を形成し、例えばドライエッチングによりp型コンタクト層37からn型DBR層31の一部までを選択的に除去する。その後、マスクを除去する。これにより、メサ部M2が形成される(図9(A))。
次に、水蒸気雰囲気中において、高温で酸化処理を行い、メサ部M2の外側からAlAs層35DのAlを選択的に酸化する。これによりAlAs層35Dの外縁領域が絶縁層(酸化アルミニウム)となるので、外縁領域が電流狭窄領域35aとなり、その中央領域が電流注入領域35bとなる。このようにして、電流狭窄層35が形成される(図9(A))。
次に、電流注入領域35bに対応する領域以外の領域にマスク(図示せず)を形成したのち、例えばウエットエッチングによりp型コンタクト層37を除去する。その後、マスクを除去する。続いて、例えば蒸着法によりメサ部M2の側面の一部およびn型DBR層31の露出面の一部に保護膜41を形成すると共に、保護膜41およびメサ部M2の上面に露出しているp型コンタクト層37上に電極42を形成する。これにより、開口部W2が形成される。同様にして、n型コンタクト層39上に電極43を、n型半導体基板10の裏面に電極44を、p型コンタクト層37の露出面上に電極45をそれぞれ形成する。(図9(B))
次に、例えばスピンコート法により、メサ部M2および露出面38Aを含む表面全体に渡って熱処理により成型可能な熱硬化性材料、例えば熱硬化性ポリマーを塗布したのち、パターニングによりメサ部M2および露出面38Aを含む表面上に、高さH2、幅D3、奥行きD4の光制御部7Dを形成する。このとき、光制御部7Dの中心点Cと光軸X2と距離(オフセット)がd2(0<d2<1/2×D3)となるように、光制御部7Dを配置する(図10,図11)。その後、所定の温度で熱処理を行い、光制御部7Dをドーム状に変形させると共に固化させる。これにより、角度θ2の境界面7Aを有する光制御部7が形成される(図6)。
ここで、スピンコート法により高さH2を、パターニングにより幅D3、奥行きD4およびオフセットd2をそれぞれ精確に設定することができ、さらに、光制御部7Dの形状、大きさおよび位置に応じて熱処理後の光制御部7の境界面7Aの角度θ2を一義的に決定することができる。つまり、角度θ2の精度は、パターニングの精度に依ることがわかる。これにより、式(2)の範囲内の所望の角度θ2に対応した高さH2、幅D3、奥行きD4およびオフセットd2を有する光制御部7Dをスピンコート法およびパターニングにより形成すると共に熱処理することにより、所望の角度θ2を有する境界面7Aを精確に形成することができる。このようにして、所望の角度θ2の境界面7Aを有する光制御部7を備えた半導体レーザ装置4が製造される。
以上のように、本実施の形態では、発光部5からの発光光の一部を反射する光制御部7が熱処理により成型可能な熱硬化性材料を含んで構成されているので、スピンコート法やパターニングのような制御性の極めて容易な製造方法を用いて、熱硬化性材料を所定の高さH2、幅D3、奥行きD4、オフセットd2で成型加工したのちに、熱処理するだけで所望の角度θ2の境界面7Aを有する光制御部7を精確に形成することができる。これにより、光制御部7の、発光部5および光検出器6に対する位置合わせを容易に行うことができるだけでなく、角度θ2を極めて精確に設定することができ、半導体レーザ装置4ごとの角度θ2のばらつきを極めて小さくすることができる。
また、光制御部7を支持するために余計な部品(例えば、引用文献1に示したようなハウジング300)が必要ないので、部品点数を削減することができる。また、光制御部7を発光部5および光検出器6の表面上に直接形成しているので、部品を実装する工程が必要なく、さらに、半導体レーザ装置4の厚さを薄くすることもできる。
以下、本実施の形態の半導体レーザ装置4作用について説明する。
この半導体レーザ装置4では、電極42と電極44との間にそれぞれ所定の電位差の電圧が印加されると、電流狭窄層35により電流狭窄された電流が活性層33の利得領域である発光領域33Aに注入され、これにより電子と正孔の再結合による発光が生じる。この発光光により半導体積層構造50内で誘導放出が繰り返される結果、所定の波長でレーザ発振が生じ、その所定の波長の光がビームとして開口部W2から射出される(図6)。
開口部W2から射出され光は、光制御部7を透過して外部に射出されると共に、光制御部7の境界面7Aで光吸収層38の露出面38A側に一部反射される。光吸収層38の露出面38A側に反射された光L4は、露出面38Aに入射したのち、光吸収層38に一部吸収され、吸収された光の出力レベルに応じた電気信号(フォトカレント)に変換される。この電気信号は、光制御部7を透過して外部に射出された光L3の光出力レベルに応じた大きさを有する。この電流信号は電極43,45に電気的に接続されたワイヤを介して光出力演算回路(図示せず)に出力されたのち、光出力演算回路において光出力モニタ信号として受信される。これにより、光L4の出力レベルが直接計測されると共に、光L3の出力レベルが間接的に計測される。
ところで、例えば、特許文献1のように、発光部上にホログラム素子などを実装した場合には、ホログラム素子の境界面の角度の大きさが半導体レーザ装置ごとにばらつきやすい。境界面の角度の大きさがばらつくと、外部に射出される光や、光検出器3側に反射される光の出力レベルもばらついてしまう。従って、境界面の角度が半導体レーザ装置ごとにばらついている場合には、光検出器3のモニター精度にバラツキが生じてしまう。
しかし、本実施の形態では、光制御部7を熱処理により成型可能な材料を含んで構成するようにしたので、制御性の極めて容易な製造方法を用いて、角度θ2を極めて精確に設定することができ、半導体レーザ装置4ごとの角度θ2のバラツキをなくすることができる。これにより、光L3の出力レベルの計測値が半導体レーザ装置4ごとにばらつく虞はないので、光出力の検知精度のバラツキをなくすることができる。また、光制御部7を熱処理により成型可能な材料を含んで構成するようにしたので、光制御部7を支持するために余計な部品が必要なく、部品点数を削減することができる。従って、簡易な構成で、光出力の検知精度を向上させることができる。
また、本実施の形態では、発光部5上に光検出器6を設けている関係上、上記実施の形態と比べて光検出器6を小さくすることができ、さらに、n型半導体基板10側のDBR層を大きくすることができる。これにより、光検出器6に起因する寄生容量や、熱抵抗を低減することができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、発光部2,5は半導体レーザ装置1,4につき1つ設けられていたが、図12に例示したように、発光領域15Aを有する発光部2を複数設けることも可能である。この場合に、各発光部2の開口部W1を一列に配列すると共に、開口部W1の配列方向に延在する半円柱形状の光制御部4を設けたときは、各開口部W1から射出されるレーザ光の光軸X1と、光制御部4の境界面4Aとが互いに交わる角度を共に等しくすることが可能である。このように構成した場合には、制御性の極めて容易な製造方法を用いて、それぞれの角度を極めて精確に設定することができ、各発光部2ごとの角度のバラツキをなくすることができる。これにより、光L1の出力レベルの計測値が各発光部2ごとにばらつく虞はないので、光出力の検知精度のバラツキをなくすることができる。また、光制御部4を支持するために余計な部品が必要なく、部品点数を削減することができる。従って、上記実施の形態と同様、簡易な構成で、光出力の検知精度を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、半導体材料をGaAs系化合物半導体により構成した場合について説明したが、他の材料系、例えば、GaInP系(赤系)材料またはAlGaAs系(赤外系)や、GaN系(青緑色系)などにより構成することも可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置の断面構成図である。 半導体レーザ装置の製造工程を説明するための断面図である。 図2の続きの工程を説明するための断面図である。 図3の続きの工程を説明するための断面図である。 図4の上面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体レーザ装置の断面構成図である。 図6の上面図である。 半導体レーザ装置の製造工程を説明するための断面図である。 図8の続きの工程を説明するための断面図である。 図9の続きの工程を説明するための断面図である。 図10の上面図である。 一変形例に係る半導体レーザ装置の上面図である。 従来の半導体発光装置の断面構成図である。
符号の説明
1,4…半導体レーザ装置、2,5…発光部、3,6…光検出器、4,7…光制御部、4A,7A…境界面、10…n型半導体基板、11,38…光吸収層、11A,38A…露出面、12,37…p型コンタクト層、13,36…p型DBR層、14,34…p型クラッド層、15,33…活性層、15A,33A…発光領域、16,32…n型クラッド層、17,35…電流狭窄層、17a,35a…電流狭窄領域、17b,35b…電流注入領域、17D,35D…AlAs層、18,31…n型DBR層、19,39…n型コンタクト層、20,30,50,60…半導体積層構造、21…保護膜、22,23,24,42,43,44,45…電極、C…中心点、D1,D3…幅、D2,D4…奥行き、d1,d2…オフセット、H1,H2…高さ、L1〜L5…光、M1,M2…メサ部、S1,S2…接面、W1,W2…開口部、X1〜X4…光軸、θ1,θ2…角度。

Claims (10)

  1. 1または複数の発光領域を含む第1半導体積層構造を有し、前記発光領域からの光を前記第1半導体積層構造の積層方向に沿って導く発光部と、
    前記発光部に隣接する位置に光吸収層を含む第2半導体積層構造を有する光検出器と、
    前記発光部および前記光検出器の表面に形成され、かつ、外部との境界面において前記発光部からの光を透過すると共にその一部を反射し、その反射光を前記光検出器に入射させる光制御部と
    を備えたことを特徴とする半導体発光装置。
  2. 前記発光部は、その表面に、前記発光領域からの光を出力する開口部を有し、
    前記第2半導体積層構造は、前記発光部に隣接する表面に、前記反射光の入射する露出面を有し、
    前記光制御部は、前記開口部および前記露出面を含む表面に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 前記光制御部は、熱処理により成型可能な熱硬化性材料により構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  4. 前記光制御部は、熱硬化性ポリマーにより構成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の半導体発光装置。
  5. 前記境界面は、10°より大きく90°より小さな角度で前記発光領域からの発光光の光軸と交わる
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  6. 前記第1半導体積層構造は、前記第2半導体積層構造上に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  7. 前記第1半導体積層構造は、前記発光領域を含む活性層と、前記活性層を間にして設けられた互いに異なる導電性の2つの半導体層とを有し、
    前記第2半導体積層構造は、前記2つの半導体層の一方の半導体層上に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  8. 前記複数の発光領域は、前記第1半導体積層構造内にアレイ状に配置されており、
    前記境界面は、各発光領域からの発光光の光軸と等しい角度で交わる
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  9. 1または複数の発光領域を含む第1半導体積層構造を有し、前記発光領域からの光を前記第1半導体積層構造の積層方向に沿って導く発光部と、前記発光部に隣接する位置に光吸収層を含む第2半導体積層構造を有する光検出器とをそれぞれ形成し、
    熱処理により成型可能な熱硬化性材料を前記発光部および前記光検出器の表面の所定の位置に配置すると共に所定の厚さおよび形状に加工したのち熱処理することにより、外部との境界面において前記発光部からの光を透過すると共にその一部を反射し、その反射光を前記光検出器に入射させる光制御部を形成する
    ことを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
  10. 前記発光部および前記光検出器の表面全体に熱処理により成型可能な熱硬化性材料を所定の厚さに塗布したのち、パターニングにより前記発光部および前記光検出器の表面の所定の位置に所定の形状の前駆光制御部を形成し、その前駆光制御部を熱処理することにより前記光制御部を形成する
    ことを特徴とする請求項9に記載の半導体発光装置の製造方法。
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