JP2008283129A - 面発光半導体レーザアレイ - Google Patents

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Rintaro Koda
倫太郎 幸田
Takahiro Arakida
孝博 荒木田
Takeshi Masui
勇志 増井
Tomoyuki Oki
智之 大木
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Abstract

【課題】エアギャップの間隔を高精度に制御可能であり、かつ信頼性の高い面発光型半導体レーザアレイを提供する。
【解決手段】基板10上に2つのメサ部M1,M2を備える。メサ部M1,M2の内部には波長チューニング層20が形成されており、波長チューニング層20のうちメサ部M2の内部に設けられた部分において、少なくとも電流注入領域12Aとの対向領域にエアギャップ20Aが形成されている。エアギャップ20Aはメサ部M2の上面からエアギャップ20Aに達する深さを有する孔21と連結されており、孔21を介してエッチングすることにより形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、上面からレーザ光を射出する複数の共振器構造を備えた面発光型半導体レーザアレイに関する。
面発光型半導体レーザは、従来のファブリペロー共振器型半導体レーザとは異なり、基板に対して直交する方向に光を出射するものであり、同じ基板上に2次元アレイ状に多数の共振器構造を配列することが可能であることから、近年、データ通信分野などで注目されている。
ここで、複数の共振器構造を備えた面発光型半導体レーザアレイにおいて、互いに異なる波長のレーザ光を各共振器構造から射出させる方策として、例えば、特許文献1に記載されているように、上部クラッド層と上部多層膜反射鏡との間にエアギャップを設け、このエアギャップの間隔を各共振器構造ごとに異ならせることが開示されている。
特開2005−183187号公報
しかし、特許文献1では、各共振器構造のエアギャップは、上部クラッド層と上部多層膜反射鏡側とを接合層を介して互いに貼り合わせることにより形成されている。そのため、製造工程においてエアギャップの間隔を高精度に制御することが容易ではなく、所望の間隔にすることが容易ではない。また、貼り合わせにより共振器構造にクラックが生じるなど、信頼性が低下する虞がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、ギャップの間隔を高精度に設定可能であり、かつ信頼性の高い面発光型半導体レーザアレイを提供することにある。
本発明の第1の面発光型半導体レーザアレイは、下部多層膜反射鏡、下部クラッド層、発光領域を有する活性層、上部クラッド層および上部多層膜反射鏡をこの順に有する複数の共振器構造を備えたものである。ここで、複数の共振器構造のうち少なくとも1つは、発光領域との対向領域に形成されたギャップを有しており、ギャップの形成された共振器構造は、発光領域との対向領域を囲む閉曲線上に、当該共振器構造の上面からギャップまで達する複数の孔を有している。また、ギャップは、各孔の内壁側から積層方向と直交する方向にエッチングすることにより形成されている。
本発明の第1の面発光型半導体レーザアレイでは、複数の共振器構造のうち少なくとも1つにギャップが形成されており、このギャップが共振器構造の上面からギャップまで達する複数の孔の内壁側から積層方向と直交する方向にエッチングすることにより形成されている。そのため、ギャップの積層方向の間隔は、エッチングされる部分の厚さにより決定される。
本発明の第2の面発光型半導体レーザアレイは、下部多層膜反射鏡、下部クラッド層、発光領域を有する活性層、上部クラッド層および上部多層膜反射鏡をこの順に有する複数の共振器構造を備えたものである。ここで、複数の共振器構造のうち少なくとも1つは発光領域との対向領域に形成されたギャップを有している。このギャップは積層方向と直交する方向にエッチングすることにより形成されている。
本発明の第2の面発光型半導体レーザアレイでは、複数の共振器構造のうち少なくとも1つにギャップが形成されており、このギャップが積層方向と直交する方向にエッチングすることにより形成されている。そのため、ギャップの積層方向の間隔は、エッチングされる部分の厚さにより決定される。
本発明の第1の面発光型半導体レーザアレイによれば、複数の共振器構造のうち少なくとも1つに設けられたギャップが共振器構造の上面からギャップまで達する複数の孔の内壁側から積層方向と直交する方向にエッチングすることにより形成されており、ギャップの間隔がエッチングされる部分の厚さにより決定されているので、ギャップの間隔を高精度に設定することができる。また、ギャップを貼り合わせにより形成する必要がないので、共振器構造にクラックなどが生じる虞はなく、信頼性が高い。
本発明の第2の面発光型半導体レーザアレイによれば、複数の共振器構造のうち少なくとも1つに形成されたギャップが積層方向と直交する方向にエッチングすることにより形成されており、ギャップの間隔がエッチングされる部分の厚さにより決定されているので、ギャップの間隔を高精度に設定することができる。また、ギャップを貼り合わせにより形成する必要がないので、共振器構造にクラックなどが生じる虞はなく、信頼性が高い。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る面発光型半導体レーザアレイ1の上面構成を表したものである。図2は図1のA−A矢視方向の断面構造を、図3は図1のB−B矢視方向の断面構成をそれぞれ表したものである。なお、図1ないし図3は模式的に表したものであり、実際の寸法、形状とは異なっている。
この面発光型半導体レーザアレイ1は、例えば、基板10の一面側に、互いに異なる発振波長のレーザ光を上面から射出可能な2つの柱状のメサ部M1,M2を備えたものである。これらメサ部M1,M2は、下部DBR層11(下部多層膜反射鏡)、電流狭窄層12、下部クラッド層13、活性層14、上部クラッド層15、上部DBR層16(上部多層膜反射鏡)およびコンタクト層17をこの順に積層した共振器構造となっている。ここで、メサ部M1,M2は、コンタクト層17まで形成したのち、上面から下部DBR層11の一部まで選択的にエッチングすることにより、上部DBR層16の側面に段差を有する凸状のメサ形状となっている。
基板10、下部DBR層11、下部クラッド層13、活性層14、上部クラッド層15、上部DBR層16およびコンタクト層17は、例えばガリウム・ヒ素(GaAs)系の化合物半導体によりそれぞれ構成されている。なお、GaAs系化合物半導体とは、短周期型周期表における3B族元素のうち少なくともガリウム(Ga)と、短周期型周期表における5B族元素のうち少なくともヒ素(As)とを含む化合物半導体のことをいう。
基板10は、例えばp型GaAsにより構成される。なお、p型不純物としては、例えば、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)などが挙げられる。
下部DBR層11は、低屈折率層(図示せず)および高屈折率層(図示せず)を交互に積層して形成されたものである。この低屈折率層は、例えば厚さがλ/4n (λは発振波長、n は屈折率)のp型Alx1Ga1−x1As(0<x1<1)、高屈折率層は、例えば厚さがλ/4n(n は屈折率)のp型Alx2Ga1−x2As(0≦x2<x1)によりそれぞれ構成されている。
なお、本実施の形態における発振波長λは、後述の波長チューニング層20にエアギャップ20Aが設けられていないメサ部M1の共振器構造において発振する波長に相当し、後述の波長チューニング層20にエアギャップ20Aが設けられているメサ部M2では、メサ部M2の共振器構造内に設けられたエアギャップ20Aの作用により、メサ部M1の発振波長λよりも小さな発振波長λで発振するようになっている。
電流狭窄層12は、その外縁領域に電流狭窄領域12Bを有し、その中央領域に電流注入領域12Aを有している。電流注入領域12Aは、例えばp型Alx3Ga1−x3As(0<x3≦1)からなる。電流狭窄領域12Bは、例えば、Al2 3 (酸化アルミニウム)を含んで構成され、後述するように、側面から電流狭窄層12Dに含まれる高濃度のAlを酸化することにより得られるものである。これにより、電流狭窄層12は電流を狭窄する機能を有している。なお、電流狭窄層12は、後述の波長チューニング層20よりもメサ部M1の上面から遠い部位、すなわち後述の孔21の形成されていない部位に形成されていればよく、例えば、下部DBR層11の内部や、上部クラッド層15と上部DBR層16との間、上部DBR層16の内部に形成されていてもよい。
下部クラッド層13は、例えばp型Alx4Ga1−x4As(0≦x4<1)により構成されている。活性層14は、例えばアンドープのAlx5Ga1−x5As(0≦x5<1)により構成されている。この活性層14では、電流注入領域12Aと対向する領域が発光領域14Aとなっている。上部クラッド層15は、例えばn型Alx6Ga1−x6As(0≦x6<1)により構成されている。なお、n型不純物としては、例えば、ケイ素(Si)またはセレン(Se)などが挙げられる。
上部DBR層16は、低屈折率層(図示せず)および高屈折率層(図示せず)を交互に積層して形成されている。低屈折率層は、例えば厚さがλ/4n(nは屈折率)のn型Alx7Ga1−x7As(0<x7<1)、高屈折率層は、例えば厚さがλ/4n(nは屈折率)のn型Alx8Ga1−x8As(0≦x8<x7)によりそれぞれ構成されている。
コンタクト層17は、例えばn型Alx9Ga1−x9As(0≦x9<1)により構成されている。
また、この面発光型半導体レーザアレイ1には、上部電極18がメサ部M1,M2の上面に形成されており、基板10の裏面に下部電極19が形成されている。
ここで、上部電極18は、例えば金(Au)とゲルマニウム(Ge)との合金,ニッケル(Ni)および金(Au)をコンタクト層17側からこの順に積層した構造を有しており、コンタクト層17と電気的に接続されている。この上部電極18は、例えば、発光領域14Aに対応して開口部を有しており、ドーナツ形状となっている。
また、下部電極19は、例えば、チタン(Ti),白金(Pt)および金(Au)を基板10側からこの順に積層した構造を有しており、基板10と電気的に接続されている。
ところで、本実施の形態では、メサ部M1,M2の内部、例えば上部DBR層16の内部に、波長チューニング層20が形成されている。なお、波長チューニング層20は、上記した電流狭窄層12よりもメサ部M1の上面に近い部位に形成されていればよく、例えば、下部DBR層11の内部や、下部DBR層11と下部クラッド層13との間、または上部クラッド層15と上部DBR層16との間に形成されていてもよい。
この波長チューニング層20のうちメサ部M2の内部に設けられた部分において、少なくとも電流注入領域12Aとの対向領域にエアギャップ20Aが形成されており、エアギャップ20Aの周囲にはエアギャップ20Aの間隔を保持する保持部20Bが形成されている。一方、この波長チューニング層20のうちメサ部M1の内部に設けられた部分には、エアギャップ20Aは形成されておらず、保持部20Bだけが形成されている。
ここで、エアギャップ20Aは、例えば大気などの気体で満たされており、孔21を介して外部と連通している。ここで、孔21は、発光領域14Aとの対向領域を囲む閉曲線上に形成されており、メサ部M1の上面からエアギャップ20Aに達する深さを有している。また、このエアギャップ20Aは、後述するように、波長チューニング層20Dを、孔21を介して各孔21の内壁側から積層方向と直交する方向にエッチングすることにより形成されている。
エアギャップ20Aの間隔は、保持部20Bの厚さ(波長チューニング層20Dの厚さ)と等しくなっており、製造時に波長チューニング層20Dの厚さを変えることにより変更可能である。ただし、エアギャップ20Aの間隔は、波長チューニング層20にエアギャップ20Aが設けられていないメサ部M2の発振波長λと、波長チューニング層20にエアギャップ20Aが設けられているメサ部M1の発振波長λとの波長差Δλを決定する要素の1つであるので、あらかじめ決定された波長差Δλの大きさに応じて設定される。なお、波長差Δλの大きさの決定方法については後に詳述する。
保持部20Bおよび波長チューニング層20Dは、後述のエッチャントに対する溶解速度が孔21の内壁に露出している層(例えば上部DBR層16の高屈折率層および低屈折率層、コンタクト層17など)のそれよりも極めて大きい材料、例えば、n型Alx10Ga1−x10As(x7<x10≦1,x9<x10)により構成されている。
また、孔21は、上記したように、メサ部M1の上面からエアギャップ20Aに達する深さを有しており、例えば後述のエッチング工程において、少なくとも電流注入領域12Aとの対向領域に波長チューニング層20Dが残留しないように配置されている。なお、図1,図2には、各孔21が電流注入領域12Aの外縁との対向領域に形成されている場合が例示されているが、他の部位に形成されていてもよい。また、図1,図2では、各孔21の開口形状が円形状となっているが、他の形状、例えば矩形状となっていてもよいし、溝のように細長く積層面内方向に延在した形状となっていてもよい。
本実施の形態に係る面発光型半導体レーザアレイ1は、例えば次のようにして製造することができる。
図4〜図7は、その製造方法を工程順に表したものである。例えばGaAs(ガリウム・ヒ素)系の面発光型半導体レーザを製造するためには、基板10上の化合物半導体層を、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition ;有機金属化学気相成長)法により形成する。この際、III−V族化合物半導体の原料としては、例えば、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMIn)、アルシン (AsH3)を用い、ドナー不純物の原料としては、例えば、H2 Seを用い、アクセプタ不純物の原料としては、例えば、ジメチルジンク(DMZ)を用いる。
具体的には、まず、基板10上に、下部DBR層11、電流狭窄層12D、下部クラッド層13、活性層14、上部クラッド層15、上部DBR層16およびコンタクト層17をこの順に積層する。このとき、上部DBR層16内の一部に、波長チューニング層20Dを形成しておく。
次に、コンタクト層17の上にマスク層(図示せず)を形成したのち、例えば反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching;RIE)法により、波長チューニング層20Dを貫通するまで、コンタクト層17および上部DBR層16を選択的に除去する。これにより、コンタクト層17の表面に開口を有し、かつ波長チューニング層20Dを貫通する孔21が形成される(図4)。
次に、上記したマスク層を残した状態で、例えばフッ酸からなるエッチャントを用いて、孔21の内壁に露出している波長チューニング層20Dを、各孔21の内壁側から積層方向と直交する方向に選択的に除去する。このとき、各孔21で囲まれた領域との対向領域から波長チューニング層20Dが完全になくなるまで波長チューニング層20Dをエッチャントに曝す。これにより、各孔21で囲まれた領域との対向領域およびその周囲に、エアギャップ20Aが形成され、エアギャップ20Aの周囲が保持部20Bとなる(図5)。
次に、上記したマスク層を除去したのち、新たなマスク層を形成し、例えばRIE法により、下部DBR層11の一部、電流狭窄層12D、下部クラッド層13、活性層14、上部クラッド層15、上部DBR層16およびコンタクト層17を選択的にエッチングして、上部DBR層16のうち波長チューニング層20と上部クラッド層15とにより挟まれた部分に段差を有するメサ部M1,M2を形成する。このとき、上面に各孔21の開口がくるようにメサ部M2を形成する。なお、メサ部M1,M2の段差は、後に形成する保護膜22の下端を決めるために用いる。
続いて、マスク層を除去したのち、メサ部M1,M2の側面に形成された段差よりも下の側面を覆う被覆層(図示せず)を形成し、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition) 法により、メサ部M1,M2のうち上部DBR層16の段差から上の表面を覆う保護膜22(例えばSiN)を形成する(図6)。
次に、被覆層を除去したのち、水蒸気雰囲気中にて、高温で酸化処理を行い、メサ部M1,M2の側面から電流狭窄層12DのAlを選択的に酸化する。これにより、電流狭窄層12Dの外縁領域が電流狭窄領域12Bとなり、中央領域が電流注入領域12Aとなる(図7)。
次に、保護膜22を除去したのち、例えば真空蒸着法により、メサ部M1,M2の上面に上部電極18を形成し、基板10の裏面に下部電極19を形成する(図1)。このようにして面発光型半導体レーザアレイ1が製造される。
このような構成の面発光型半導体レーザアレイ1では、上部電極18と下部電極19との間に所定の電圧が印加されると、電流狭窄層12における電流注入領域12Aを通して活性層14に電流が注入され、これにより電子と正孔の再結合による発光が生じる。この光は、一対の下部DBR層11および上部DBR層16により反射され、メサ部M1において波長λでレーザ発振を生じ、メサ部M2においてエアギャップ20Aの作用により波長λよりも長い波長λでレーザ発振を生じる。そして、メサ部M1の上面から波長λのレーザ光が外部に射出され、メサ部M2の上面から波長λのレーザ光が外部に射出される。
ところで、本実施の形態では、エアギャップ20Aはエッチングにより形成されており、エアギャップ20Aの間隔はエッチングされる部分(波長チューニング層20D)の厚さにより決定されている。ここで、波長チューニング層20Dの厚さは半導体プロセスにより設定されており、高精度に設定することが可能であるので、エアギャップ20Aの間隔も高精度に設定することができる。また、エアギャップ20Aを貼り合わせにより形成する必要がないので、共振器構造にクラックなどが生じる虞はなく、信頼性が高い。
また、メサ部M1,M2上のそれぞれの上部電極18は互いに独立に形成されているので、メサ部M1,M2に対して同時に電流を注入し、波長λのレーザ光と波長λのレーザ光をメサ部M1,M2から同時に出力することができるだけでなく、また、メサ部M1,M2に対して選択的に電流を注入し、波長λのレーザ光および波長λのレーザ光のいずれか一方をメサ部M1,M2から出力することも可能である。
このとき、例えば、図8に示したように、面発光型半導体レーザアレイ1の光出力側に2入力1出力の導波路型光スイッチ2を設けた場合には、メサ部M1,M2から射出されたレーザ光を共通の光学系で他の光学部品に入力することが可能となる。
ここで、導波路型光スイッチ2には、例えばTiを含有するLiNbO3結晶(LN結晶)からなる3本の導波路が一箇所で互いに連結して形成されており、そのうち2つの導波路の端部(入力端T1,T2)がメサ部M1,M2の上面に対応して導波路型光スイッチ2の表面に露出しており、残りの1つの導波路の端部(出力端T3)が導波路型光スイッチ2の表面のうちメサ部M1,M2との非対向領域に露出している。また、メサ部M1,M2の上面に対応して設けられた2本の導波路の一部に隣接して図示しない一対の電極が設けられており、一対の電極に電圧を印加し、これによって生じる電界によって入力端T1,T2と出力端T3との接続関係が変化するようになっている。これにより、出力端T3から2つの波長λ、λを含むレーザ光を出力したり、波長λまたは波長λのレーザ光を選択的に出力することが可能となる。
ところで、一般に、面発光型半導体レーザでは、メサ部の共振器構造から発振波長λxが決まるが、利得がピークとなるときの波長λyは動作温度によって変化する。そのため、ある範囲の動作温度においては、発振波長λxにおける出力が所望の出力Xoを上回っているが、その温度範囲を外れると、発振波長λxにおける利得が十分に大きくならずに、発振波長λxにおける出力が所望の出力Xoを下回ってしまう。従って、従来は、所望の出力Xoを上回る最適な動作温度範囲が狭い場合には、温度変動幅の大きな外部環境(例えば自動車の内部)において面発光型半導体レーザを使用することが困難であった。
一方、本実施の形態では、発振波長λの共振器構造を有するメサ部M1と、発振波長λよりもΔλだけ小さな発振波長λの共振器構造を有するメサ部M2とが設けられており、メサ部M1,M2のそれぞれにおける最適な動作温度範囲が異なっているので、Δλの値を適切に調整することにより、メサ部M1またはM2しか備えていないレーザと比べて、所望の出力Xoを上回る最適な動作温度範囲を拡大することが可能となる。
図9に、面発光型半導体レーザアレイ1の動作温度をa℃、b℃、c℃、d℃、e℃と変化させたときの、波長と出力との関係の一例を示す。ここで、図8中のλはa℃において利得がピークとなるときの波長であり、同様に、λはb℃において利得がピークとなるときの波長であり、λはc℃において利得がピークとなるときの波長であり、λはd℃において利得がピークとなるときの波長であり、λはe℃において利得がピークとなるときの波長である。
図9から、メサ部M1から射出される波長λのレーザ光の出力は、動作温度がc℃、d℃、e℃となっている場合に所望の出力Xoを上回り、他方、メサ部M2から射出される波長λのレーザ光の出力は、動作温度がa℃、b℃、c℃、d℃となっている場合に所望の出力Xoを上回っていることがわかる。このことから、メサ部M1だけを備えたレーザでは所望の出力Xoを上回る最適な動作温度範囲がc℃〜e℃しかなく、また、メサ部M2だけを備えたレーザでは所望の出力Xoを上回る最適な動作温度範囲がa℃〜d℃しかないが、本実施の形態では、例えば、高温時(d℃〜e℃)にメサ部M1を用い、低温時(a℃、b℃、c℃)にメサ部M2を用いることにより、所望の出力Xoを上回る最適な動作温度範囲をa℃〜e℃にまで拡大することができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。
例えば、上記実施の形態では、製造工程において電流狭窄層12Dを酸化処理する際に、波長チューニング層20Dなどを保護膜22で覆っていたが、電流狭窄層12Dの酸化速度が波長チューニング層20Dのそれよりも極めて大きく、波長チューニング層20D全体が酸化される虞がない場合には、保持部20B内に電流通路を確保することができるので、わざわざ保護膜22で波長チューニング層20Dなどを覆う必要はない。この場合には、メサ部M1,M2に段差を設ける必要がない。
また、上記実施の形態では、メサ部M1にはエアギャップ20Aが形成されていなかったが、メサ部M2のエアギャップ20Aとは異なる厚さのエアギャップ20Aをメサ部M1に設けてもよい。この場合にも、メサ部M1,M2から互いに異なる波長のレーザ光を射出することが可能である。
また、上記実施の形態では、エアギャップ20Aおよび孔21は大気などの気体で満たされていたが、エアギャップ20Aおよび孔21の内壁が樹脂、SiNなどの絶縁性材料、または金属などで覆われていてもよいし、エアギャップ20Aおよび孔21が樹脂、SiNなどの絶縁性材料、または金属などで満たされていてもよい。
また、上記実施の形態では、エアギャップ20Aを、メサ部M1の上面からエアギャップ20Aに達する孔21を介するエッチングにより形成していたが、他の方法を用いて形成してもよい。例えば、波長チューニング層20Dの側面からメサ部1の内部に延在する孔を設け、この孔を介するエッチングによりエアギャップ20Aを形成することも可能である。
本発明の一実施の形態に係る面発光型半導体レーザアレイの上面構成図である。 図1のレーザアレイのA−A矢視方向の断面構成図である。 図1のレーザアレイのB−B矢視方向の断面構成図である。 図1のレーザアレイの製造過程を説明するための断面図である。 図4に続く過程を説明するための断面図である。 図5に続く過程を説明するための断面図である。 図6に続く過程を説明するための断面図である。 図1のレーザアレイの適用例について説明するための概略構成図である。 図1のレーザアレイの波長と出力の関係を説明するための関係図である。
符号の説明
1…面発光型半導体レーザアレイ、2…導波路型光スイッチ、10…基板、11…下部DBR層、12,12D…電流狭窄層、12A…電流注入領域、12B…電流狭窄領域、13…下部クラッド層、14…活性層、14A…発光領域、15…上部クラッド層、16…上部DBR層、17…コンタクト層、18…上部電極、19…下部電極、20…波長チューニング層、20A…エアギャップ、20B…保持部、21…孔、M1,M2…メサ部。

Claims (9)

  1. 下部多層膜反射鏡、下部クラッド層、発光領域を有する活性層、上部クラッド層および上部多層膜反射鏡をこの順に有する複数の共振器構造を備え、
    前記複数の共振器構造のうち少なくとも1つは、前記発光領域との対向領域に形成されたギャップを含む波長チューニング層を有し、
    前記波長チューニング層の形成された共振器構造は、前記発光領域との対向領域を囲む閉曲線上に、当該共振器構造の上面から前記波長チューニング層まで達する複数の孔を有し、
    前記ギャップは、前記各孔と連通しており、前記各孔の内壁側から積層方向と直交する方向にエッチングすることにより形成されている
    ことを特徴とする面発光型半導体レーザアレイ。
  2. 前記波長チューニング層は、当該共振器構造の上面と上記活性層との間に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の面発光型半導体レーザアレイ。
  3. 前記波長チューニング層は、前記上部多層膜反射鏡の内部に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の面発光型半導体レーザアレイ。
  4. 前記複数の共振器構造のうち少なくとも1つは電流狭窄層を有し、
    前記各孔は、前記電流狭窄層に達していない
    ことを特徴とする請求項1に記載の面発光型半導体レーザアレイ。
  5. 下部多層膜反射鏡、下部クラッド層、発光領域を有する活性層、上部クラッド層および上部多層膜反射鏡をこの順に有する複数の共振器構造を備え、
    前記複数の共振器構造のうち少なくとも1つは、積層方向と直交する方向にエッチングすることにより形成されたギャップを前記発光領域との対向領域に含む波長チューニング層を有する
    ことを特徴とする面発光型半導体レーザアレイ。
  6. 前記波長チューニング層は、当該共振器構造の上面と上記活性層との間に形成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の面発光型半導体レーザアレイ。
  7. 前記波長チューニング層は、前記上部多層膜反射鏡の内部に形成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の面発光型半導体レーザアレイ。
  8. 前記波長チューニング層の形成された共振器構造は、前記発光領域との対向領域を囲む閉曲線上に、当該共振器構造の上面から前記波長チューニング層まで達する1または複数の孔を有し、
    前記ギャップは、前記1の孔または前記各孔と連通しており、前記各孔の内壁側から積層方向と直交する方向にエッチングすることにより形成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の面発光型半導体レーザアレイ。
  9. 前記複数の共振器構造のうち少なくとも1つは電流狭窄層を有し、
    前記各孔は、前記電流狭窄層に達していない
    ことを特徴とする請求項5に記載の面発光型半導体レーザアレイ。
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