JP2007240800A - 自発光表示装置、エージング装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有効表示領域の外側に、基本発光色別のダミー画素とその発光輝度値を検出する輝度検出センサーとを配置する。更に、初期特性ばらつきの補正実行時、有効表示領域内の各画素とダミー画素の発光条件が同じになるように、基本発光色別の階調値を決定するダミー画素データ決定部と、基本発光色毎に検出された発光輝度値がそれぞれ設定輝度に到達したか否かを判定し、発光輝度値が設定輝度に到達した時点で該当する基本発光色の発光動作を個別に停止するエージング制御部とを表示パネルに搭載する。
【選択図】図6
Description
なお、発明者らが提案する発明は、自発光表示装置、エージング装置及びプログラムとしての側面を有する。
一方、自発光素子で形成された有機ELディスプレイは、前述した視野角や応答性の課題を克服できるのに加え、バックライト不要の薄い形態、高輝度、高コントラストを達成できる。このため、液晶ディスプレイに代わる次世代表示装置として期待されている。
仕組みの一つとして、発明者らは以下に示す処理機能部の採用を提案する。
(a)初期特性ばらつきの補正実行時、有効表示領域内の各画素とダミー画素の発光条件が同じになるように、基本発光色別の階調値を決定するダミー画素データ決定処理
(b)基本発光色毎に検出された発光輝度値がそれぞれ設定輝度に到達したか否かを判定し、発光輝度値が設定輝度に到達した時点で該当する基本発光色の発光動作を個別に停止するエージング制御処理
仕組みの一つとして、発明者らは以下に示す処理機能部の採用を提案する。
(a)初期特性ばらつきの補正実行時、有効表示領域内の各画素とダミー画素の発光条件が同じになるように、基本発光色別の階調値を決定するダミー画素データ決定処理
(b)検出された発光輝度値と経過時間とに基づいて、基本発光色別の劣化特性を算出する劣化特性算出処理
(c)基本発光色毎に算出された劣化特性の一定期間内の変化がそれぞれ安定したか否かを判定し、劣化特性の変化が安定した時点で該当する基本発光色の発光動作を個別に停止するエージング制御処理
なお、本明細書で特に図示又は記載されない部分には、当該技術分野の周知又は公知技術を適用する。
また以下に説明する形態例は、発明の一つの形態例であって、これらに限定されるものではない。
(a)システム構成
図1に、有機ELディスプレイ装置のシステム構成例を示す。有機ELディスプレイ装置1は、有機ELパネルモジュール3及び初期特性ばらつき補正部5で構成される。初期特性ばらつき補正部5は、発明に係る「エージング装置」に対応する。
図2に、有機ELパネルモジュール3の平面構造例を示す。有機ELパネルモジュール3は、有効表示領域31と、ダミー画素33と、輝度検出センサーと、初期特性ばらつき補正部5その他の周辺回路で構成される。
ダミー画素33の画素構造は、有効表示領域31内にマトリクス状に配置される表示上の1画素と同じ構造を採用する。
この例の場合、表示上の1画素は、基本発光色である赤(R)、緑(G)、青(B)に対応する3つの単位発光領域で構成する。なお、この明細書では、基本発光色に対応する単位発光領域もダミー画素と呼ぶ。
これらダミー画素の発光輝度は、不図示の輝度検出センサーによって検出される。
また、光検出素子には任意の検出センサーを適用する。例えばアモルファスシリコン半導体で構成される可視光センサーを使用する。
なお、電流値として検出される光量情報は増幅されて電圧値に変換され、ダミー画素光検出信号として初期特性ばらつき補正部5に出力される。
初期特性ばらつき補正部5は、製造直後の表示パネルに固有の輝度特性ばらつきを最適化する処理デバイスである。具体的には、統計的な輝度特性ばらつきに基づく一律的なエージング処理に代え、各表示パネルの実輝度特性に基づいて輝度特性ばらつきを安定化させる処理を実行する。
なお、エージング制御部507は、全ての基本発光色についてエージング処理の停止を指示した段階で、処理終了フラグメモリ509に終了フラグを設定する。
以下、有機ELディスプレイ装置1で実行される初期特性ばらつきの補正動作(すなわち、エージング動作)を説明する。なお、エージング動作は、エージング制御部507の制御によって進行する。
図6に、エージング制御部507がエージング動作に関連して実行する制御例を示す。なお、図6に示すエージング動作は、表示パネルに電源が供給される度に実行される。
既に終了フラグが設定されている場合、エージング制御部507は、エージング動作を開始せず、そのまま制御動作を終了する。
この際、パネル駆動信号生成部501とダミー画素データ決定部511は、それぞれ事前に設定した階調値を対応する基本発光領域に与える。
この後、エージング制御部507は、全ての基本発光色について発光輝度が設定値になったか否かを判定する(S4)。
ここでは、否定結果が得られたものとする。エージング制御部507は、いずれかの基本発光色について検出された発光輝度が設定値になったか否かを判定する(S5)。
図8に、エージング制御部507が監視する設定値と基本発光色別の発光輝度との関係を示す。
エージング制御部507は、図8に示すように逐次変化する発光輝度が設定値setR、setG、setBに達したか否かを判定する。新たに設定値に達した基本発光色が存在しない場合、エージング制御部507は、ステップS5で否定結果を得、ステップS4の判定処理に戻る。
例えば緑(G)色の発光輝度が最初に設定値に達した場合の発光状態を図7(B)に示す。
以上がエージング動作の概要である。
以上説明したエージング機能の搭載により、有効表示領域を構成する基本発光色間の発光特性ばらつきをほぼ無くすことができる。すなわち、発光特性ばらつきの補正動作を最適化できる。
加えて、このエージング機能は、製造終了後の有機ELディスプレイ装置1に電源を供給するだけで自律的に実行される。このため、大がかりな製造設備が不要となり、製造コスト的にも有利である。
この他、発光輝度の検出に有効表示領域の外側に配置されたダミー画素を使用するため、画面サイズが大型化しても全画素について光量を検出する構造が不要となる。また、ダミー画素33は、通常パネルプロセスの延長線上で(パネルプロセスをほとんど変更することなく)作成することができる。
(a)制御動作の概要
前述の形態例では、基本発光色それぞれについて発光輝度が事前に設定された発光輝度に達した時点でエージング動作を個別に停止することにより基本発光色間に存在する発光特性のばらつきをほぼ無くす手法について説明した。
ここでは、一定時間内に検出された発光輝度の劣化特性が安定した状態をもってエージング動作を停止する手法を採用する。
そこで、この形態例では、図9に示すように、基本発光色毎に現時点から設定時間min-t だけ前の時点までの劣化傾向を逐次計算し、劣化特性(劣化率)が安定した時点でエージング動作を個別に停止する手法を採用する。
図10に、この形態例で説明する有機ELディスプレイ装置のシステム構成例を示す。有機ELディスプレイ装置100は、有機ELパネルモジュール3及び初期特性ばらつき補正部50で構成される。有機ELパネルモジュール3は、形態例1の構造と同じものを使用する。
図11に、初期特性ばらつき補正部50の内部構成例を示す。図11は、図5との対応部分に同一符号を付して示す。
初期特性ばらつき補正部50は、パネル駆動信号生成部501、信号切替部503、輝度特性検出部505、エージング制御部517、処理終了フラグメモリ509、ダミー画素データ決定部511、ダミー画素データ多重部513で構成する。
このエージング制御部517は、特許請求の範囲における「劣化特性算出部」としての機能も実行する。
以下、有機ELディスプレイ装置100で実行されるエージング動作を説明する。
図12及び図13に、エージング制御部517を通じて実行されるエージング動作の手順例を示す。図12及び図13に示すエージング動作も、表示パネルに電源が供給される度に実行される。
既に終了フラグが設定されている場合、エージング制御部517は、エージング動作を開始せず、そのまま制御動作を終了する。
この際、パネル駆動信号生成部501とダミー画素データ決定部511は、それぞれ事前に設定した階調値を基本発光色に対応する基本発光領域に与える。
次に、エージング制御部517は、輝度特性検出部505を通じ、ダミー画素33を構成する各基本発光色の実発光輝度を入力する(S13)。
この後、エージング制御部517は、全ての基本発光色について劣化特性が安定したか否かを判定する(S15)。この判定処理は、エージング処理を終了するか否かを判定するために実行される。
このとき、エージング制御部517は、ステップS15で肯定結果を得、エージング処理の終了を処理終了フラグメモリ509に書き込む(S18)。すなわち、エージング制御部517は、終了フラグを処理終了フラグメモリ509に設定する。
以上がエージング動作の概要である。
以上説明したエージング機能の搭載により、有効表示領域を構成する基本発光色間の発光特性のばらつきをほぼ無くすことができる。すなわち、発光特性ばらつきの補正動作を最適化できる。
勿論、このエージング機能も、製造終了後の有機ELディスプレイ装置100に電源を供給するだけで自律的に実行される。その他の効果についても、形態例1と同じ効果を期待できる。
(a)前述の形態例では、ダミー画素33を1つだけ有効表示領域31の外側に配置する場合について説明した。
しかし、ダミー画素を複数搭載しても良い。例えば図14に示すように3つのダミー画素33を搭載しても良い。この場合、3つのダミー画素のそれぞれを、ある基本発光色に専用の輝度特性検出用に使用しても良い。
しかし、これら2種類の判定方法を組み合わせ、いずれか一方でも先に停止タイミングが現れた場合、そのタイミングで該当する基本発光色の発光を停止しても良い。
しかし、両画素間の発光条件が同じになるように制御できれば、有効表示領域内の各画素に与える階調値とダミー画素に与える階調値とは必ずしも同じである必要はない。
しかし、ダミー画素の構造は、必ずしも同一である必要はない。例えば、ダミー画素については、画素回路内に有機EL素子の発光輝度を検出する輝度検出センサーを内蔵する構造としても良い。また、ダミー画素の画素サイズや基本発光領域の大きさを変更しても良い。
(f)前述の形態例では、基本発光色の発色形態について説明しなかったが、基本発光色別に発光素子材料が異なる有機EL素子を用意しても良いし、カラーフィルタ方式や色変換方式を用いて基本発光色を生成しても良い。
また、エージング機能の全てをハードウェア又はソフトウェアで実現するだけでなく、その一部はハードウェア又はソフトウェアを用いて実現しても良い。すなわち、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ構成としても良い。
(i)前述の形態例には、発明の趣旨の範囲内で様々な変形例が考えられる。また、本明細書の記載に基づいて創作される又は組み合わせられる各種の変形例及び応用例も考えられる。
100 有機ELディスプレイ装置
5 初期特性ばらつき補正部
50 初期特性ばらつき補正部
507 エージング制御部
509 処理終了フラグメモリ
517 エージング制御部
Claims (6)
- 有効表示領域の外側に、基本発光色別のダミー画素を配置した表示パネルと、
初期特性ばらつきの補正実行時、有効表示領域内の各画素と前記ダミー画素の発光条件が同じになるように、基本発光色別の階調値を決定するダミー画素データ決定部と、
初期特性ばらつきの補正実行時、前記ダミー画素の発光輝度値を基本発光色別に検出する輝度検出センサーと、
基本発光色毎に検出された発光輝度値がそれぞれ設定輝度に到達したか否かを判定し、発光輝度値が設定輝度に到達した時点で該当する基本発光色の発光動作を個別に停止するエージング制御部と
を有することを特徴とする自発光表示装置。 - 有効表示領域の外側に、基本発光色別のダミー画素を配置した表示パネルと、
初期特性ばらつきの補正実行時、有効表示領域内の各画素と前記ダミー画素の発光条件が同じになるように、基本発光色別の階調値を決定するダミー画素データ決定部と、
初期特性ばらつきの補正実行時、前記ダミー画素の発光輝度値を基本発光色別に検出する輝度検出センサーと、
検出された発光輝度値と経過時間とに基づいて、基本発光色別の劣化特性を算出する劣化特性算出部と、
基本発光色毎に算出された劣化特性の一定期間内の変化がそれぞれ安定したか否かを判定し、劣化特性の変化が安定した時点で該当する基本発光色の発光動作を個別に停止するエージング制御部と
を有することを特徴とする自発光表示装置。 - 有効表示領域の外側に、基本発光色別のダミー画素とその発光輝度を基本発光色別に検出する輝度検出センサーとを搭載する自発光表示装置において、有効表示領域の初期特性ばらつきを抑制するエージング装置であって、
初期特性ばらつきの補正実行時、有効表示領域内の各画素と前記ダミー画素の発光条件が同じになるように、基本発光色別の階調値を決定するダミー画素データ決定部と、
基本発光色毎に検出された発光輝度値がそれぞれ設定輝度に到達したか否かを判定し、発光輝度値が設定輝度に到達した時点で該当する基本発光色の発光動作を個別に停止するエージング制御部と
を有することを特徴とするエージング装置。 - 有効表示領域の外側に、基本発光色別のダミー画素とその発光輝度を基本発光色別に検出する輝度検出センサーとを搭載する自発光表示装置において、有効表示領域の初期特性ばらつきを抑制するエージング装置であって、
初期特性ばらつきの補正実行時、有効表示領域内の各画素と前記ダミー画素の発光条件が同じになるように、基本発光色別の階調値を決定するダミー画素データ決定部と、
検出された発光輝度値と経過時間とに基づいて、基本発光色別の劣化特性を算出する劣化特性算出部と、
基本発光色毎に算出された劣化特性の一定期間内の変化がそれぞれ安定したか否かを判定し、劣化特性の変化が安定した時点で該当する基本発光色の発光動作を個別に停止するエージング制御部と
を有することを特徴とするエージング装置。 - 有効表示領域の外側に、基本発光色別のダミー画素とその発光輝度を基本発光色別に検出する輝度検出センサーとを搭載する自発光表示装置のコンピュータに、有効表示領域の初期特性ばらつきを抑制する処理を実行させるコンピュータプログラムであって、
初期特性ばらつきの補正実行時、有効表示領域内の各画素と前記ダミー画素の発光条件が同じになるように、基本発光色別の階調値を決定する処理と、
基本発光色毎に検出された発光輝度値がそれぞれ設定輝度に到達したか否かを判定し、発光輝度値が設定輝度に到達した時点で該当する基本発光色の発光動作を個別に停止する処理と
を実行させるコンピュータプログラム。 - 有効表示領域の外側に、基本発光色別のダミー画素とその発光輝度を基本発光色別に検出する輝度検出センサーとを搭載する自発光表示装置のコンピュータに、有効表示領域の初期特性ばらつきを抑制する処理を実行させるコンピュータプログラムであって、
初期特性ばらつきの補正実行時、有効表示領域内の各画素と前記ダミー画素の発光条件が同じになるように、基本発光色別の階調値を決定する処理と、
検出された発光輝度値と経過時間とに基づいて、基本発光色別の劣化特性を算出する処理と、
基本発光色毎に算出された劣化特性の一定期間内の変化がそれぞれ安定したか否かを判定し、劣化特性の変化が安定した時点で該当する基本発光色の発光動作を個別に停止する処理と
を実行させるコンピュータプログラム。
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