JP2007240684A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成のスループット低下を抑えながら、より確実にジャム発生を防止する。
【解決手段】4本のブラック現像器を使用して画像を形成するモノクロ4本印字モードでは、搬送経路上に設けたシート検出センサの出力によりジャム余裕度が判定される。ジャム余裕度が高いときには、所定ページ数ごとに現像器を切り換えながら画像を形成する(ステップS202〜S206)。ジャム余裕度の低下を検知したときには、その旨をユーザに報知するとともに、現像器の切り換えを伴わず1つの現像器のみを使用するモノクロ1本印字モードに切り換えて残りページの画像を形成する(ステップS207〜S209)。
【選択図】図7
【解決手段】4本のブラック現像器を使用して画像を形成するモノクロ4本印字モードでは、搬送経路上に設けたシート検出センサの出力によりジャム余裕度が判定される。ジャム余裕度が高いときには、所定ページ数ごとに現像器を切り換えながら画像を形成する(ステップS202〜S206)。ジャム余裕度の低下を検知したときには、その旨をユーザに報知するとともに、現像器の切り換えを伴わず1つの現像器のみを使用するモノクロ1本印字モードに切り換えて残りページの画像を形成する(ステップS207〜S209)。
【選択図】図7
Description
この発明は、無端状の像担持体上にトナー像を一時的に担持させ、さらに該トナー像を記録材に転写する画像形成装置および画像形成方法に関するものである。
現像器内のトナーを使用して画像を形成する画像形成装置としては、互いに異なる色のトナーを貯留する複数の現像器を切り換えながら使用してフルカラー画像を形成したり、それらのうちの1つの現像器を使用してモノクロ画像を形成する装置が従来より知られている。例えば、特許文献1に記載の画像形成装置は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーを貯留する4個の現像器を現像ロータリーに装着し、これらを切り換えながら形成した各色のトナー像を中間転写ベルト上で重ね合わせてフルカラー画像を形成するカラー印字モードと、使用する現像器をブラック色に固定してモノクロ画像を形成する単色印字モードを実行するように構成されている。
また、この画像形成装置では、カラー印字モードと単色印字モードとの間で、中間転写ベルト上への画像形成位置を異ならせている。すなわち、カラー印字モードでは、現像器を切り換えながら色重ねを行う必要があるため、中間転写ベルトの1周ごとに、画像の間隔を特に広くした領域を設けている。これに対し、単色印字モードでは、現像器を切り換える必要がないので画像の間隔を一定としている。
この種の画像形成装置では、スループットの向上と、ジャムの防止という相反する課題があった。すなわち、画像形成のスループットを向上させるため、画像1枚当たりの形成サイクルをできるだけ短くすると、最終的にそれらの画像を転写すべき記録材(記録紙、透明シートなど)の搬送ピッチも短くなり、搬送経路上における各記録材の搬送タイミングのばらつきや滑りに起因するジャム(搬送経路上における記録材の詰まりや記録材どうしが重なるなどの搬送異常)が起きやすくなる。
従来の一般的な画像形成装置では、予想される搬送タイミングの変動分をマージンとして見込んだ上で画像形成のサイクルを定めることによって、スループットとジャム抑制効果とのトレードオフを図っている。そのため、高いスループットで画像を形成しながらも、ジャム発生を確実に防止するという観点からは、従来の技術にはさらなる改善の余地が残されていた。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、無端状の像担持体上にトナー像を一時的に担持させ、さらに該トナー像を記録材に転写する画像形成装置および画像形成方法において、画像形成のスループット低下を抑えながら、より確実にジャム発生を防止することのできる技術を提供することを目的とする。
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するため、表面にトナー像を担持可能に構成され、所定の方向に周回移動する無端状の像担持体と、トナー像を形成して前記像担持体の表面に担持させる像形成手段と、シート状の記録材を所定の搬送経路に沿って前記像担持体からトナー像を転写される転写位置へ搬送する搬送手段と、前記搬送経路上における前記記録材の搬送状況を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて前記搬送経路上におけるジャムの起き難さに対応するジャム余裕度を判定し、ジャム余裕度の高さに応じて前記像形成手段の動作態様を異ならせる制御手段とを備えることを特徴としている。
また、この発明にかかる画像形成方法は、上記目的を達成するため、所定の方向に周回移動する無端状の像担持体上にトナー像を形成する像形成工程と、前記像形成工程において形成されたトナー像を、所定の搬送経路に沿って搬送されてくるシート状の記録材に転写する転写工程とを備え、前記搬送経路における前記記録材の搬送状況を検出し、その検出結果に基づいて前記搬送経路上におけるジャムの起き難さに対応するジャム余裕度を判定し、ジャム余裕度の高さに応じて前記像形成工程の態様を異ならせることを特徴としている。
ここで、ジャム余裕度とは搬送経路上におけるジャムの起き難さであり、例えば、搬送経路において記録材が規則正しく搬送されているときには、搬送タイミングに若干の変動があったとしても直ちにジャムが起きるというわけではなく、この場合には「ジャム余裕度が高い」ということができる。一方、例えば搬送経路における記録材の滑りによって搬送タイミングが変動しているときには、さらなる変動が加わったときにジャムが発生しやすくなる。このような状況は「ジャム余裕度が低い」状況である。また、「搬送経路」は、記録材が予めセットされている位置から転写位置を経て最終的に装置外部あるいは装置内部に設けられた排出位置へ排出されるまでの経路の全体またはその一部を指しており、転写位置までの経路のみに限定されない。
上記のように構成された発明では、搬送経路上における記録材の搬送状況を検出してジャム余裕度を判定する。そして、ジャム余裕度の大きさに応じてトナー像形成の動作の態様を異ならせるので、装置の状況変化に応じた態様でトナー像の形成を行うことができる。そのため、ジャム余裕度に関係なく一義的に定められた動作を実行する従来の技術に比べて、スループットとジャム抑制とをより高いレベルで両立させながら画像を形成することができる。また、記録材の搬送状況からジャムの起きやすさ(あるいは起き難さ)を判定して動作を変えることにより、ジャムの発生を未然に防ぐことができる。例えば、ジャム余裕度が高いときには、記録材の搬送経路への搬送ピッチを早めることによって画像形成のスループットを向上させることができる。逆に、ジャム余裕度が低いときには、記録材の搬送ピッチを落とすことによって、より高いジャム抑制効果を得ることができる。
より具体的な構成としては、例えば、複数のトナー像を形成しそれらを互いに離隔させて前記像担持体に担持させる動作モードとして、前記複数のトナー像間の最小間隔が所定の第1間隔である第1の動作モードと、前記複数のトナー像間の最小間隔が前記第1間隔よりも広い第2間隔である第2の動作モードとを選択的に実行可能に構成するとともに、ジャム余裕度が高いと判定したときには前記第1の動作モードを実行する一方、ジャム余裕度が低いと判定したときには前記第2の動作モードを実行することができる。トナー像の間隔を小さくすると画像形成のスループットを高めることができるが、同時に記録材の搬送間隔も小さくなるためジャムが起きやすくなる。そこで、ジャム余裕度が高いときにはトナー像間隔の狭い第1の動作モードを実行し、ジャム余裕度が低いときにはよりトナー像間隔の広い第2の動作モードを実行することにより、スループットの向上とジャム抑制とを両立させることができる。
また、必要に応じて装置の状態をユーザに報知する報知手段を設け、ジャム余裕度が低いと判定したときには、前記報知手段によりジャム発生の可能性が高いことをユーザに報知するようにしてもよい。こうすることにより、装置がジャムを起こしやすい状態にあることを早期にユーザに知らせることができ、その状態を解消するための措置をユーザに取らせることができるので、スループットが比較的低い状態で装置が長時間使用されたり、実際にジャムが発生してトナーや記録材を無駄に消費してしまうという問題を解消することができる。
また、互いに同一色のトナーを貯留する複数の現像器を装着可能に構成され、装着された現像器のうち1つを選択的に所定の現像位置に移動位置決めする位置決め部を備えた画像形成装置においては、前記第1の動作モードを、所定のタイミングで前記位置決め部により現像器を切り換えながら前記複数のトナー像を形成するように構成する一方、前記第2の動作モードを、現像器を切り換えずに前記複数のトナー像を形成するように構成してもよい。
定期的に現像器を切り換えながらトナー像の形成を行うことにより、より多くのトナー像を連続的に形成することができる。また、現像器を移動させることによって内部のトナーが攪拌されるので画像品質の維持にも効果がある。ただし、現像器の移動を伴うため、複数のトナー像を連続形成しながら現像器の切り換えを行うためにはある程度の時間ロスが避けられない。ジャム余裕度が高い場合には、切り換え時以外のトナー像間隔を縮める余地があり、こうすることによりスループットを低下させることなく現像器の切り換えを行うことができる。一方、このことはジャム発生の危険性を高めるので、ジャム余裕度が低い状態では実施しない、つまり現像器の切り換えを行わないことにより、スループットを低下させず、しかもジャム発生の危険性を上昇させることなく画像形成を行うことができる。特に、第2の動作モードでは複数のトナー像間の間隔を一定となるようにしたときには、記録材の搬送ピッチも一定となるのでジャム抑制効果をさらに高くすることができる。
また、第2の動作モードでも現像器の切り換えを行うために、例えば、前記第1の動作モードよりも低い頻度で現像器の切り換えを行うようにしてもよい。現像器切り換えの頻度を低く抑えることによって、ジャムの発生確率も低くすることができる。
なお、前記像形成手段が前記第1の動作モードを実行しているときに前記制御手段が前記ジャム余裕度が低いと判定したときには、前記制御手段は、前記像形成手段の動作モードを前記第2の動作モードに切り換えることが望ましい。ジャム余裕度が低下した状態のまま第1の動作モードの実行を継続すると実際にジャムが発生してしまう確率が非常に高くなる。そこで、できるだけ早くジャムの発生しにくい第2の動作モードに切り換えることによって、ジャムの発生を未然に防止することが可能となる。
ここで、ジャム余裕度の判定は例えば次のようにして行うことができる。すなわち、前記検出手段を、前記搬送経路上の検出位置における前記記録材の有無を検出するように構成する。そして、前記検出手段の検出結果から把握される、前記記録材が前記検出位置を通過するのに要する通過時間を、記録材のサイズに対応して予め定められた基準時間と比較し、前記通過時間が前記基準時間より短ければジャム余裕度が高いと判定する一方、前記通過時間が前記基準時間より長ければジャム余裕度が低いと判定する。つまり、記録材が検出位置を通過するのにより長い時間を要するときにはジャム余裕度が低いとみなす。これは、検出位置の通過時間が長いとき、搬送経路上で記録材の滑りを生じていることが予想されるからである。このように、検出位置における記録材の通過時間を調べることにより、ジャム余裕度を簡単な方法で判定することができる。
検出位置については搬送経路上のどの位置に設けてもよいが、記録材の搬送方向において転写位置よりも手前に設けることが望ましい。というのは、トナー像形成の動作態様は転写位置へ送り込まれる記録材の搬送状況に応じて定められるべきであり、また、搬送経路のできるだけ手前側で検出することによって、早期にジャムの可能性を察知して適切な処置を行うことができるからである。
(第1実施形態)
図1はこの発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の外観斜視図である。さらに、図3は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を重ね合わせてフルカラー画像(カラー印字モード)を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像(単色印字モード)を形成する画像形成装置である。この画像形成装置1では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号を含む印字指令信号がインターフェース112を介してメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11のCPU111はエンジン部EGの動作指示に適した形式のジョブデータに変換し、エンジンコントローラ10に送出する。一方、エンジンコントローラ10はCPU111からのジョブデータに基づきエンジン部EG各部を制御してカラー印字モードおよびモノクロ印字モードを選択的に実行し、シートSに画像信号に対応する画像を形成する。
図1はこの発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の外観斜視図である。さらに、図3は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を重ね合わせてフルカラー画像(カラー印字モード)を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像(単色印字モード)を形成する画像形成装置である。この画像形成装置1では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号を含む印字指令信号がインターフェース112を介してメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11のCPU111はエンジン部EGの動作指示に適した形式のジョブデータに変換し、エンジンコントローラ10に送出する。一方、エンジンコントローラ10はCPU111からのジョブデータに基づきエンジン部EG各部を制御してカラー印字モードおよびモノクロ印字モードを選択的に実行し、シートSに画像信号に対応する画像を形成する。
このエンジン部EGでは、感光体22が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体22の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット23、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部25がそれぞれ配置されている。帯電ユニット23は帯電制御部103からの帯電バイアスの印加を受けて感光体22の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。なお、これらの感光体22、帯電ユニット23およびクリーニング部25は一体的に感光体カートリッジ2を構成しており、図2に示すように、この感光体カートリッジ2が一体として装置1本体に対し着脱自在となっている。
この画像形成装置1では、図2に示すように、装置本体120の側面部には開閉自在の外部カバー121が設けられており、ユーザやサービスエンジニアなどがこの外部カバー121を開くと装置本体120に設けられた感光体用開口部122を通して感光体カートリッジ2の側面部が露出する。そして、感光体カートリッジ2を固定するためのロックレバー123を矢印方向D4に回転させることでロックが解除され、図2の(+X)方向に沿って感光体カートリッジ2を引き出すことが可能となる。また、感光体用開口部122を通して、感光体カートリッジ2を図2の(−X)方向に挿入することで、新たな感光体カートリッジ2を装置本体120に装着することができる。そして、ロックレバー123により感光体カートリッジ2を固定する。こうして感光体カートリッジ2が装着されると、感光体用開口部122は感光体カートリッジ2の側面部によりほぼ塞がれる。
上記のようにして装置本体120に装着された感光体カートリッジ2では、帯電ユニット23によって帯電された感光体22の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、露光制御部102から与えられる制御指令に応じて光ビームLを感光体22上に露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。例えば、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース(I/F)112を介してメインコントローラ11のCPU111に画像信号が与えられると、エンジンコントローラ10のCPU101が露光制御部102に対し所定のタイミングで画像信号に対応した制御信号を出力し、これに応じて露光ユニット6から光ビームLが感光体22上に照射されて、画像信号に対応する静電潜像が感光体22上に形成される。
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では、現像ユニット4は、軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、図示を省略する回転駆動部、支持フレーム40に対して着脱自在に構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、マゼンタ用の現像器4M、シアン用の現像器4C、およびブラック用の現像器4Kを備えている。そして、現像器4Y,4M,4C,4Kの着脱を行うために、装置本体120は次のように構成されている。すなわち、装置本体120には、図2に示すように現像器4Y,4M,4C,4Kの着脱操作を行うための現像器用開口部124が設けられている。そして、この現像器用開口部124を覆うように、開閉自在の内部カバー125が設けられている。この内部カバー125は、外部カバー121の内側に設けられている。つまり、外部カバー121が現像器用開口部124をも覆うように形成されているため、外部カバー121が閉じられた状態では内部カバー125を開くことはできない。逆に、内部カバー125を閉じなければ外部カバー121を閉じることができない。そして、ユーザがこの内部カバー125を開いたとき、現像ユニット4が所定の着脱位置に停止していれば、装着されている現像器の1つを現像器用開口部124を通して取り出すことが可能となる。また、1つの現像器を現像器用開口部124を通して装着することが可能となる。さらに、回転駆動部を作動させることで各現像器4Y,4M,4C,4Kを次のような位置に位置決め可能となっている。
図4は現像ユニット4の停止位置を示す模式図である。現像ユニット4は、CPU101からの制御指令に基づき矢印方向D5に回転駆動され、CPU101および図示を省略するロータリーロック機構によって、図4に示す3種類の位置に位置決めされ固定される。その3種類の位置とは:(a)ホームポジション;(b)現像位置;(c)着脱位置である。このうち、(a)ホームポジションは、この画像形成装置が画像形成動作を行わない待機状態にあるときに位置決めされる位置であり、図4(a)に示すように、各現像器4Y等に設けられた現像ローラ41Y等がいずれも感光体22から離間した状態にあり、かつ、装置本体120に設けられた現像器用開口部124を通していずれの現像器4Y,…をも取り出すことのできない位置である。
また、(b)現像位置は、感光体22上の静電潜像を選択トナー色で顕像化する際に位置決めされる位置である。図4(b)に示すように、一の現像器に設けられた現像ローラ(同図の例ではイエロー用現像器4Yに設けられた現像ローラ41Y)が感光体22と対向配置され、所定の現像バイアスを印加されることによって、静電潜像がトナーにより顕像化される。この現像位置においても、現像器用開口部124を通していずれかの現像器を取り出すことはできない。なお、画像形成動作中に外部カバー121が開かれた場合には、画像形成動作は直ちに中止され、現像ユニット4はホームポジションに移動した後停止する。
さらに、(c)着脱位置は、現像器の着脱操作を行うときのみ取りうる位置である。現像ユニット4がこの着脱位置に位置決めされると、図4(c)に示すように、一の現像器が現像器用開口部124に現れ、該開口部124を通して取り出すことができるようになる。図4(c)は、ブラック用の現像器4Kが現像器用開口部124に現れた状態を示している。また、現像器を装着されていない支持フレーム40に対しては、新たに現像器を装着することができるようになる。この着脱位置においては、いずれの現像器に設けられた現像ローラも感光体22から離間した位置におかれる。このように、現像ユニット4が着脱位置に位置決めされたときに現像器用開口部124に現れた一の現像器のみを取り出し可能としている。そのため、ユーザが不用意に現像器の着脱を行って装置を損傷することがない。
なお、この画像形成装置では、4つの現像器4Y,4M,4C,4Kのそれぞれに対して上記した現像位置および着脱位置が設定されているので、現像ユニット4の停止位置は1つのホームポジションを含めて都合9箇所である。
このように構成された現像ユニット4は、図3に示すように、現像器制御部104により制御されている。そして、この現像器制御部104からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともにこれらの現像器4Y,4M,4C,4Kが選択的に感光体22と当接または所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に位置決めされる。さらに、現像位置に位置決めされた現像器の現像ローラ41Y等に対して現像器制御部104から現像バイアスを印加することで現像ローラ41Y等から感光体22に該現像ローラ41Y等の表面に担持されたトナーを供給する。これによって、感光体22上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72〜75に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の移動方向D2に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。
図5は中間転写ベルトの構成を示す展開図である。この中間転写ベルト71は、図5に示すように、ほぼ矩形のシート体が継ぎ目711で継ぎ合わされて形成された無端ベルトからなる。同図において、矢印713は回転軸方向を示している。この中間転写ベルト71は、回転軸方向713の一端側(図5中、上側)に設けられた突起部714を有するとともに、転写禁止領域715および転写許可領域716を有している。転写禁止領域715は、継ぎ目711の両側のそれぞれ所定寸法の範囲に、回転軸方向713に一端から他端に亘って設定されている。一方、転写許可領域716は、中間転写ベルト71の表面中央部に位置しており、回転軸方向713の一端部および他端部を除く矩形の領域に設定されており、この転写許可領域716にトナー像が1次転写される。
また、同図(a)に示すように、転写許可領域716には、回転駆動方向D2に長辺方向となるA3判サイズのトナー像TIが転写可能になっている。また、同図(b)に示すように、中間転写ベルト71の一周で、回転駆動方向D2に短辺方向となるA4版サイズ以下、例えばA4版、A5版、B5版サイズなどのトナー像が転写許可領域716に2個転写可能になっている。なお、図5(b)ではA4版サイズのトナー像TIを示している。また、この実施形態では、回転駆動方向D2において2個のA4版サイズ以下のトナー像TIを転写許可領域716に並べて配置しているが、後述するように、印字モードごとに配置関係が異なるように中間転写ベルト71上でのトナー像の位置が制御される。
垂直同期センサ77は、例えば互いに対向配置された発光部(例えばLED)および受光部(例えばフォトダイオード)を有するフォトインタラプタからなり、回転する中間転写ベルト71の回転軸方向713の一端側に配置され、突起部714の通過を検出して検出信号を出力するものである。そして、この突起部714を検出するごとに垂直同期センサ77から出力される検出信号がエンジンコントローラ10のCPU101による画像形成動作の基準となる垂直同期信号として使用される。すなわち、垂直同期信号に同期してエンジン部EGの各部が動作することにより画像形成動作が実行される。
フルカラー画像を形成する場合には、現像器4Y,4M,4C,4Kを順番に現像位置に位置決めし、感光体22上の静電潜像を現像して当該トナー色のトナー像を形成する。こうして現像器4Y,4M,4C,4Kを切り換えながら4色のトナー像を中間転写ベルト71上で重ね合わせることでカラー画像が形成される(カラー印字モード)。そして、こうして形成されたカラー画像は、カセット8から1枚ずつ取り出されフィードローラ84、ゲートローラ81等が回転することによって搬送経路Fに沿って二次転写領域TR2まで搬送されてくるシートS上に二次転写される。
一方、モノクロ画像をシートSに転写する場合には、ブラック色のみについて画像形成動作を実行してモノクロ画像を形成し(モノクロ印字モード)、カラー画像の場合と同様にして二次転写領域TR2に搬送されてきたシートSに転写してモノクロ画像を得る。
また、この実施形態では、中間転写ベルト71上の画像をシートS上の所定位置に正しく転写するため、二次転写領域TR2にシートSを送り込むタイミングが管理されている。具体的には、図1に示すように、搬送経路F上において二次転写領域TR2の手前側にゲートローラ81が設けられている。また、搬送経路F上においてフィードローラ84の後方側にフィード後シート検出センサ89が、ゲートローラ81の手前側にゲート前シート検出センサ88がそれぞれ設けられている。これらのシート検出センサ88,89は例えばリードスイッチあるいはフォトインタラプタ等からなり、搬送経路F上の検出位置にシートSが存在するか否かを検出する。CPU101は、シート検出センサ88,89の出力に基づき、シートSが規定どおりのタイミングで検出位置に到達したかあるいは通過したかなどを把握することができる。そして、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに合わせてゲートローラ81を回転させることにより、シートSが所定のタイミングで二次転写領域TR2に送り込まれる。
また、こうしてカラー画像またはモノクロ画像が形成されたシートSは定着ユニット9、排出前ローラ82および排出ローラ83を経由して装置本体120の上面部に設けられた排出トレイ部89に搬送される。また、シートSの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSの後端部が排出前ローラ82後方の反転位置PRまで搬送されてきた時点で排出ローラ83の回転方向を反転し、これによりシートSは反転搬送経路FRに沿って矢印D3方向に搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送経路Fに乗せられるが、このとき、二次転写領域TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートSの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSの両面に画像を形成することができる。
なお、図3において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリである。また、符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。
また、この装置1では、図3に示すように、メインコントローラ11のCPU111により制御される表示部12を備えている。この表示部12は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、CPU111からの制御指令に応じて、ユーザへの操作案内や画像形成動作の進行状況、さらに装置の異常発生やいずれかのユニットの交換時期などを知らせるための所定のメッセージを表示する。
また、この画像形成装置1は、いずれも同一色のトナーを貯留する4個の現像器を装着した状態で画像形成動作を行うことも可能に構成されている。すなわち、現像ユニット4に装着される現像器は略同一の形状を有しており、例えばマゼンタ現像器4Mに代えてもう1つのブラック現像器を装着することが可能である。他のトナー色についても同様であり、例えばブラック現像器のみ4本を現像ユニット4に装着することができる。装着された現像器がどのトナー色に対応するものであるかについては、例えば各現像器に設けられたメモリに記憶させたり、現像器の外形を色ごとに一部異ならせるなどの方法により識別可能にすることができる。
そして、同一トナー色の4個の現像器が装着された状態では、この画像形成装置1は、当該トナー色によるモノクロ画像専用の画像形成装置として動作する。このとき、4個の現像器を適宜切り換えながら画像を形成することにより、この装置では、大量のモノクロ画像を連続して形成することができる。すなわち、1つの現像器がトナー切れとなっても他の現像器を使用して画像の形成を継続することができる。また、現像器を切り換える際には現像ユニット4全体が回転するため現像器内のトナーが攪拌されることとなり、フレッシュなトナーを使って画像を形成することができるので画質の上でも有利である。また、長く放置された現像器を使用して画像を形成したとき、初期に形成される画像の品質が劣ったものとなる場合があることが知られているが、定期的に現像器を切り換えることでこのような問題も解消される。
図6はこの装置における画像形成動作を示すフローチャートである。画像形成動作は、外部装置から印字指令信号が与えられたときに実行される。この動作では、まず装置の使用モードが判断される(ステップS101)。この判断は現像ユニット4に装着されている現像器の種類に基づいてなされる。すなわち、現像ユニット4に装着された4個の現像器が全て異なるトナー色に対応したものであるときには、装置はカラー使用モードと判断する一方、4個の現像器が全て同一色に対応したものであるときにはモノクロ使用モードと判断する。
まずカラー使用モードの場合の動作について説明する。この場合には、印字指令信号の指示内容に基づいて、画像種、つまり形成すべき画像がカラー画像であるか、モノクロ画像であるかの判断を行う(ステップS102)。ここで、形成すべき画像がカラー画像であれば、エンジン部EGをカラー印字モードで動作させることにより、必要なカラー画像を形成する(ステップS103)。カラー印字モードは、4個の現像器を順番に現像位置に位置決めしながら各色のトナー像を順次形成し、それらのトナー像を中間転写ベルト71上で重ね合わせてゆく動作モードである。
一方、形成すべき画像がモノクロ画像であれば、4個の現像器のうちの1個(一般的にはブラック現像器4K)を現像位置に移動させ、その現像器を使用して必要な全ての画像を形成する。このように、4個の現像器のうちの1個だけを使用して画像を形成する動作を、本明細書では「モノクロ1本印字モード」と称する(ステップS111)。
なお、上記したカラー印字モードおよびモノクロ1本印字モードは、一般的な構成の画像形成装置において広く行われている公知の動作であるので、ここでは詳しい説明を省略する。
次に、装置がモノクロ使用モードである、つまり4個の現像器に貯留されたトナーが全て同一色(一般的にはブラック)である場合の動作について説明する。この場合には、4個の現像器を適宜切り換えながらモノクロ画像を形成するモノクロ4本印字モードでエンジン部EGを動作させる(ステップS121)。印字指令信号がカラー画像に対応したものであっても、メインコントローラ11においてカラー画像信号をモノクロ画像信号に変換した上で、エンジン部EGが当該画像信号に対応するモノクロ画像を形成する。モノクロ4本印字モードにおける具体的な動作について以下に説明する。
図7はモノクロ4本印字モードを示すフローチャートである。モノクロ4本印字モードでは、まず4個の現像器のうち1つを現像位置に移動位置決めする(ステップS201)。ここで使用する現像器をどのような基準で選択するかは任意であるが、例えば、(1)現像位置に最も早く移動させることができるものを選択する、(2)4個のうち使用されなかった期間が最も長いものを選択する、(3)トナー残量が最も少ないものを選択する、(4)トナー残量が最も多いものを選択する、などが考えられる。(1)の方法によれば、ファーストプリントタイムを最短にすることができる。また(2)の方法によれば、特定の現像器が長時間放置されることによる画質の劣化を未然に防止することができる。(3)の方法によれば、トナー残量の少ない現像器が優先的に使用されるので、複数の現像器が相次いでトナー切れになるのを防止することができる。さらに、(4)の方法によれば、各現像器のトナー残量の平準化を図ることができる。
こうして現像位置に位置決めした現像器により1ページ分の画像を形成する(ステップS202)。このとき、シートSをカセット8から取り出されて搬送経路Fを搬送されるシートSの搬送状況はシート検出センサ88,89によって検出され、その検出結果に基づいて搬送経路Fにおけるジャム余裕度が判定される。そして、その判定結果に応じて以後の動作が変更される(ステップS203)。ジャム余裕度の判定は以下のようにして行う。
図8はジャム余裕度判定処理の第1の例を示すフローチャートである。この処理は、カセット8から取り出された1枚のシートSの先端部がゲートローラの手前まで到達したことがゲート前シート検出センサ88の出力によって確認されたときに実行開始される。シートSの到達が確認されると、中間転写ベルト71の回転に応じて垂直同期センサ77から出力される同期信号Vsyncに同期させてゲートローラ81の回転駆動を開始するとともに、CPU101に設けられた内部タイマ(ジャムタイマ)の計時を開始する(ステップS501)。そして、搬送方向に沿ったシートSの長さに対応して予め定められた第1所定時間が経過するまで待つ(ステップS502)。
この第1所定時間の値は、ゲートローラ81が回転し始めてからシートSの後端部がフィード後シート検出センサ89による検出位置を通過するまでの所要時間の設計値に、滑りによる所要時間の若干の変動を許容するための所定のマージン(例えば70msec)を加算した値である。つまり、ゲートローラ81が回転し始めてからこの第1所定時間が経過するまでにシートSの後端部が検出位置を通過すれば、搬送は正常に行われていると言える。一方、第1所定時間が経過してもシートSの後端部が検出位置に到達していない場合には、シート搬送に異常が生じている可能性がある。
そこで、第1所定時間の経過後、フィード後シート検出センサ89の出力を確認し(ステップS503)、その時点でセンサ出力がオン、つまりシートSが存在することを示している場合には、ジャムが発生している危険性があるという情報を例えばフラグの形で記憶したうえで(ステップS504)、ステップS505に進む。一方、この時点でセンサ出力がオフ、つまりシートSが存在しないことを示していれば、シートSは正常に搬送されたとみなすことができるので、そのままステップS505に進む。ステップS505では、ゲートローラ81が回転し始めてからの経過時間が前記した第1所定時間よりも大きな値に設定された第2所定時間が経過するまで待ち、そのときのフィード後シート検出センサ89の出力をチェックする(ステップS506)。
第2所定時間の値は、上記したように第1所定時間よりも大きな値、例えば第1所定時間に30msecを加えた値に設定されており、ゲートローラ81が回転し始めてからシートSの後端部がフィード後シート検出センサ89による検出位置を通過するまでの所要時間として許容しうる最大値である。シートSの滑りによってシートSの搬送タイミングが遅れ、その後端部が検出位置を通過し終えるまでの時間が長くなることがありうるが、遅れが甚だしいときには、次に送られてくるシートと一部が重なってしまうことがある。また、初めから二枚以上のシートの一部が互いに重なって搬送されている場合もある。さらに、ゲートローラ81が回転しているのにシートSが正しく送られず、結果としてフィード後シート検出センサ89による検出位置にシートSが残っていることもある。
このように、ゲートローラ81の回転駆動を開始してから第2所定時間以上が経過してもシートSの後端部が検出位置を通過し終えていない場合には、シート搬送に何らかの異常事態が起こっている可能性が極めて高い。そこで、この実施形態では、ゲートローラ81の回転駆動を開始してから第2所定時間が経過した時にフィード後シート検出センサ89の出力がオン、つまりまだシートが存在することを示している場合には、ゲートローラ81またはフィードローラ84の付近でシートSのジャムが発生したと判定する(ステップS507)。この場合には、図7に示したモノクロ4本印字モードの動作は直ちに中止される。
一方、この時点でシートSが検出位置になければ、続いて、先のステップS504におけるジャムの危険性に関する情報が記憶されているか否かをチェックする(ステップS508)。ここでの判断がYES、つまり当該情報が残されている場合には次のようなことが考えられる。ジャムの危険性に関する情報が記憶されているということは、上記動作から明らかなように、ゲートローラ81の回転開始から第1所定時間が経過した時点ではシートSの後端部はまだ検出位置を通過していなかったことを示している。他方、第2所定時間経過時点で検出位置にはシートSが存在していなかったので、シートSの後端部は、第1所定時間の経過後、第2所定時間の経過前に検出位置を通過したことになる。したがってこのときのシート搬送の状況としては、ジャム発生には至っていないものの、搬送遅れ量がかなり大きくなっていることがわかる。このような状況では、何らかの理由でさらなる搬送遅れが発生するとジャムが起きてしまう可能性が非常に高い。そこで、この状態を「ジャム余裕度が低い」状態とする(ステップS509)。
これに対して、ジャムの危険性に関する情報が残されていなければ、シートSは第1所定時間が経過するよりも早くその後端部が検出位置を通過していることになり、正常に搬送されていると言える。この状態では、何らかの理由でいくらかの搬送遅れが生じたとしても、直ちにジャムとなるわけではない。したがって、この状態は「ジャム余裕度が高い」状態であるとすることができる(ステップS510)。このようにしてジャム余裕度を判定することができる。
図7に戻って、モノクロ4本印字モードの動作説明を続ける。ステップS203においてジャム余裕度をチェックした結果、ジャム余裕度が高ければ、次いで形成すべき次ページの画像があるか否かを判定する(ステップS204)。ここで、次ページの画像がなければ動作を終了する。一方、続いて形成すべき画像がある場合には、当該現像器を使用して連続的に形成した画像のページ数が、予め設定されている所定ページ数に達したか否かを判断する(ステップS205)。所定ページ数に達していなければステップS202に戻り、次ページの画像を形成する一方、所定ページ数に達していれば現像器の切り換えを行う(ステップS206)。すなわち、現像ユニット4を90度回転させ、それまで使用していた現像器を現像位置から退避させるとともに、その隣にあった現像器を新たに現像位置に位置決めする。そしてステップS202に戻り、新たに現像位置に位置決めされた現像器を使用して次ページの画像を形成する。
つまり、この動作によれば、1つの現像器を使用して形成した画像のページ数が所定値に達するたびごとに、現像器の切り換えが行われる。こうすることにより各現像器が満遍なく使用されることとなり、現像器が放置されることに起因する画質の劣化を防止することができる。また、現像ユニット4の回転により現像器内のトナーが攪拌されて、長期間にわたり良好な画質で画像を形成することができる。また、結果的に、トナー攪拌のために現像器内に設けるべき攪拌機構を省略することができ、現像器の小型・大容量化を図ることができる。
一方、ジャム余裕度が低いと判定したときには、まずジャム発生の危険性が高まっていることをユーザに知らせるためのメッセージを表示部12に表示させる(ステップS207)。これにより、ユーザは必要に応じて、ジャム余裕度を低下させている原因を取り除くことができ、そのまま使用を継続したとすれば起こるであろうジャムの発生を未然に回避することが可能となる。次いで、エンジン部EGをモノクロ1本印字モードで動作させて画像を形成する(ステップS208)。モノクロ1本印字モードでは現像器の切り換えを行わないので、画像の間隔を広くかつ一定に保つことができ、結果としてジャムの発生確率を低く抑えることができる。
図9は中間転写ベルト上における画像の配置を示す図である。この図では、中間転写ベルト71の1周分の周面上にA4サイズの画像を2つずつ形成する動作を複数周回にわたって行う場合の画像の配置を、各印字モードごとに示している。なお、この図は中間転写ベルト71を平面状に展開した模式図であり、それぞれの印字モードに対して、この図では中間転写ベルト71の3周分の画像配置が示されている。
(a)カラー印字モードの場合(図9(a))
カラー印字モードでは、各色のトナー像を中間転写ベルト71上で重ね合わせるので、中間転写ベルト71が1周するたびごとに現像器の切り換えを行う必要がある。そのため、まず例えばブラックトナーによる2つのトナー像Ik1およびIk2を、所定の間隔d11を空けて中間転写ベルト71に形成し、次いでシアントナーによる2つのトナー像Ic1およびIc2をブラックトナー像Ik1およびIk2と重なり合う位置に形成するのであるが、このとき第2のブラックトナー像Ik2と第1のシアントナー像との間には、上記間隔d11よりも広い間隔d12が設けられる。
カラー印字モードでは、各色のトナー像を中間転写ベルト71上で重ね合わせるので、中間転写ベルト71が1周するたびごとに現像器の切り換えを行う必要がある。そのため、まず例えばブラックトナーによる2つのトナー像Ik1およびIk2を、所定の間隔d11を空けて中間転写ベルト71に形成し、次いでシアントナーによる2つのトナー像Ic1およびIc2をブラックトナー像Ik1およびIk2と重なり合う位置に形成するのであるが、このとき第2のブラックトナー像Ik2と第1のシアントナー像との間には、上記間隔d11よりも広い間隔d12が設けられる。
この間隔d12は、現像器の切り換えに必要な時間に応じて決まる長さである。すなわち、現像器の切り換えに要する時間、つまり切り換えのため先の現像器による画像形成が不可能になってから次の現像器による画像形成が可能となるまでの時間をtex、中間転写ベルト71表面の移動速度をvとすると、
d12≧dex=v・tex
の関係が成立しなければならない。ここで、dexは、現像器の切り換えの間に中間転写ベルト71の表面が移動する距離であり、異なる色のトナー像相互の間隔として取り得る最小間隔である。
d12≧dex=v・tex
の関係が成立しなければならない。ここで、dexは、現像器の切り換えの間に中間転写ベルト71の表面が移動する距離であり、異なる色のトナー像相互の間隔として取り得る最小間隔である。
言い換えれば、第2のブラックトナー像Ik2と第1のシアントナー像Ic1との間、および第2のシアントナー像Ic2と第1のマゼンタトナー像Im1との間については、その間隔d12は上記距離dex以上でなければならない。一方、第1のブラックトナー像Ik1と第2のブラックトナー像Ik2との間、第1のシアントナー像Ic1と第2のシアントナー像Ic2との間、および第1のマゼンタトナー像Im1と第2のマゼンタトナー像Im2との間についてはそのような制約はないが、間隔を短くしすぎると、これらのトナー像を転写すべきシートSの搬送経路Fにおける間隔も短くなってジャムが起きやすくなってしまう。また、中間転写ベルト71の回転に同期させてシートSを二次転写領域TR2に送り込むためには、シートSを1枚送り出すごとにゲートローラ81をいったん停止させてシートSを二次転写領域TR2の手前で待機させ、中間転写ベルト71の回転タイミングに合わせて再びゲートローラ81を回転させる必要がある。したがって、間隔d11については、ジャムに対する安全性およびゲートローラ81の動作制御の観点から定められるべきである。そして、設計上は、これらの間隔および画像のサイズから中間転写ベルト71の周長が決まる。
また、画像品質の点からは、中間転写ベルト71の継ぎ目711上およびその近傍にはトナー像を担持させることは避けるべきであり、継ぎ目711をまたいでトナー色が切り換わるようにすることが望ましい。
(b)モノクロ1本印字モードの場合(図9(b))
モノクロ1本印字モードでは、現像器の切り換えを行わずに各トナー像I21〜I26が連続的に形成される。したがって、切り換えのためにトナー像間の間隔を広く取る必要はない。したがって、中間転写ベルト71の第1の周回において形成される第1のトナー像I21と第2のトナー像I22との間隔d21、および該トナー像I22と第2の周回において形成される第1のトナー像I23との間隔d22、…については上記距離dexによる制約を受けることなく任意に決めることができるが、より望ましくはd21=d22とするのがよい。その理由は次の通りである。
モノクロ1本印字モードでは、現像器の切り換えを行わずに各トナー像I21〜I26が連続的に形成される。したがって、切り換えのためにトナー像間の間隔を広く取る必要はない。したがって、中間転写ベルト71の第1の周回において形成される第1のトナー像I21と第2のトナー像I22との間隔d21、および該トナー像I22と第2の周回において形成される第1のトナー像I23との間隔d22、…については上記距離dexによる制約を受けることなく任意に決めることができるが、より望ましくはd21=d22とするのがよい。その理由は次の通りである。
カラー印字モードにおいては、4色のトナー像を中間転写ベルト71上で重ね合わせてからシートSに転写するので、搬送経路Fに送り込まれるシートSの数は、中間転写ベルト71の4周ごとに2枚である。したがって、図9(a)に示すようにトナー像の間隔を詰めてもジャムは起こりにくい。一方、モノクロ1本モードでは中間転写ベルト71の1周につき2枚のシートSが次々と搬送されるので、間隔を詰めた場合のジャム発生の危険性はカラー印字モードの場合より遥かに高い。したがって、ジャム防止のため各トナー像の間隔をできるだけ広くすることが望ましい。また、各トナー像の間隔を一定とすることで、シートの搬送周期も一定とすることができるので、装置の動作制御がより簡単になるという効果も得られる。
なお、カラー印字モードおよびモノクロ1本印字モードでは、基本的に中間転写ベルト71の各周回ごとに、中間転写ベルト71上に2ページずつのトナー像を形成してゆくが、ジャム発生の危険度が高いことが分かっている場合には、各周回ごとに形成するトナー像を1ページずつに変更してもよい。こうすることでスループットは低下するが、中間転写ベルト71上のトナー像の間隔が広くなり、シートSの搬送間隔も広くなるためジャムの発生を効果的に抑制することができる。
(c)モノクロ4本印字モード(図9(c))
現像器を切り換えながら画像を形成するモノクロ4本印字モードでは、上記したカラー印字モード、モノクロ1本印字モードのいずれとも異なる配慮が必要となる。というのは、これらの印字モードとは異なるタイミングで現像器の切り換えが行われるからである。ここで、上記したカラー印字モードと同様に画像を配置しておけば、中間転写ベルト71の1周ごとに現像器の切り換えが可能なタイミングが設けられているので切り換え動作については問題ない。
現像器を切り換えながら画像を形成するモノクロ4本印字モードでは、上記したカラー印字モード、モノクロ1本印字モードのいずれとも異なる配慮が必要となる。というのは、これらの印字モードとは異なるタイミングで現像器の切り換えが行われるからである。ここで、上記したカラー印字モードと同様に画像を配置しておけば、中間転写ベルト71の1周ごとに現像器の切り換えが可能なタイミングが設けられているので切り換え動作については問題ない。
しかしながら、このようにした場合にはジャム発生の危険性が高くなる。モノクロ1本印字モードの場合と同様に、中間転写ベルト71の1周につき2枚のシートSが搬送されるからである。したがって、ジャム抑制の観点からは、各トナー像の間隔をできるだけ広くしたい。一方、トナー像の間隔を均等に広げようとすると、現像器を切り換えるために必要な間隔を確保することができない。だからといって中間転写ベルト71の周長を長くしたのでは、他の印字モードにおいてもスループットが低下してしまう上に、装置が大型・高コストになってしまう。
そこで、この実施形態のモノクロ4本印字モードでは、図9(c)に示すように、現像器の切り換えを行わないときにはモノクロ1本印字モードの場合と同様にトナー像の間隔を広く取る一方、切り換えの直前の周回では、カラー印字モードの場合と同様に、当該周回における第1のトナー像I33および第2のトナー像I34の間隔I33を小さくする。つまり、切り換えがなければ本来形成されるべき領域(図9(c)の点線で示した領域)よりも前方(同図において左方)にトナー像I34を形成することによって、次に形成されるトナー像I35との間隔d34を広げている。こうすることで、トナー像I34とI35との間隔d34を上記距離dexとすることができ、この間隔d34を利用して、より厳密には、中間転写ベルト71上に間隔d34を設けるために感光体22上にトナー像が形成されない期間を利用して現像器の切り換えを行うことが可能となる。その結果、モノクロ4本印字モードにおいては、ジャムの発生を抑制しながら、他の印字モードと同じスループットを得ることができる。
なお、図9(c)では4番目のトナー像I34と5番目のトナー像I35との間で現像器の切り換えを行う場合を示しているが、実際の装置においては、1つの現像器を使用して形成されたトナー像のページ数が所定値に達したときに現像器の切り換えが行われる。
ここで、トナー像I33とI34との間隔d33については、例えばカラー印字モードにおけるトナー像Ik1とIk2との間隔d11と同じ値とすることができる。また、トナー像I34とI35との間隔d34については、例えばカラー印字モードにおけるトナー像Ik2とIc1との間隔d12と同じ値とすることができる。また、トナー像I31とI32との間およびトナー像I35とI36との間の間隔d31については、例えばモノクロ1本印字モードにおけるトナー像I21とI22との間隔d21と同じ値とすることができる。さらに、トナー像I32とI33との間隔d32については、例えばモノクロ1本印字モードにおけるトナー像I22とI23との間隔d22と同じ値とすることができる。これらを全て適用した場合には、モノクロ4本印字モードにおける中間転写ベルト71上の画像の配置は、現像器の切り換え直前の周回においてカラー印字モードと同じ配置となり、その他の周回においてはモノクロ1本印字モードと同じ配置となる。つまりこのとき、モノクロ4本印字モードでは、カラー印字モードにおける画像配置とモノクロ1本印字モードにおける画像配置とが使い分けられることとなる。このようにすれば、中間転写ベルト71における画像の配置およびシート搬送タイミングは2通りのみとなるので、中間転写ベルト71の設計および搬送系の制御が容易になる。
なお、モノクロ4本印字モードにおいては、トナー像I33とI34との間隔を詰めたことにより、ジャム発生の危険性が高くなる。しかしながら、この場合の間隔はカラー印字モードにおける最小間隔と同程度であり、ジャム発生の危険性が他の印字モードに比べて極端に高くなるというわけではない。
ただし、切り換えの頻度が高いほどジャム発生の危険性が高くなることは事実である。このことを考慮して、この実施形態では、先に説明したように、ジャム余裕度が低い、つまり装置がジャムを起こしやすい状態にあるときには現像器の切り換えを行わないようにするという措置を取っている。
以上のように、この実施形態では、搬送経路上に設けたシート検出センサの出力に基づいて、ジャム余裕度の判定を行っている、より具体的には、ゲートローラ81の回転を開始してからシートSの後端部がフィード後シート検出センサ89による検出位置を通過するまでの通過時間が、搬送が正常と見なせる第1所定時間以下であるときにはジャム余裕度が高いと判定する。一方、通過時間が第1所定時間よりは長く、かつジャムと判断すべき第2所定時間よりは短いときには、ジャムではないものの、ジャム余裕度は低いと判定する。
そして、ジャム余裕度に応じてモノクロ4本印字モードにおける画像形成動作の内容を異ならせる。すなわち、ジャム余裕度が高いときには、所定のページ数ごとに現像器を切り換えながら、各現像器を均等に使用して画像を形成する。こうすることにより、画像品質の安定した画像を多数枚連続的に、しかも高いスループットで形成することが可能となる。一方、ジャム余裕度が高いときには、現像器の切り換えを行わないことによって、中間転写ベルト71上におけるトナー像の間隔を広くする。こうすることによって、トナー像の形成に合わせて次々と搬送されるシートSの搬送ピッチを広げることができ、搬送経路FにおけるシートSのジャム発生を効果的に抑制することができる。
また、モノクロ4本印字モードの実行中にジャム余裕度が低いことがわかると直ちにモノクロ1本印字モードに切り換えるので、ジャムの発生を未然に防止しながら、引き続き必要な画像の形成を行うことが可能となる。
このように、この実施形態では、ジャムを未然に防止する効果が高く、しかも装置がジャムを起こしやすい状態にあるときにはユーザにその旨が報知されるので、ジャムの発生による記録材(シート)やトナーの無駄やジャム解消のための作業時間を省くことができる。これは、特に予め必要事項が印刷されたプレプリント紙や官製はがきなど、単価の高い記録材を使用するユーザにとって経済的に大きな利点となる。
以上説明したように、この実施形態においては、中間転写ベルト71が本発明の「像担持体」として機能している。また、感光体22、現像ユニット4、露光ユニット6およびエンジンコントローラ10等が一体として本発明の「像形成手段」として機能しており、特に現像ユニット4が本発明の「位置決め部」として機能している。また、これらを制御するCPU101が、本発明の「制御手段」として機能している。また、搬送経路Fを構成するローラ81〜84等が一体として本発明の「搬送手段」として機能している。また、フィード後シート検出センサ89が本発明の「検出手段」として機能している。また、表示部12が本発明の「報知手段」として機能している。また、本発明の「記録材」たるシートSが搬送される搬送経路Fおよび反転搬送経路FRが、本発明の「搬送経路」に相当している。
また、上記実施形態のモノクロ4本印字モードにおいて、所定ページ数ごとに現像器を切り換えながらトナー像を形成する動作が本発明の「第1の動作モード」に相当し、現像器を切り換えずに各トナー像を等間隔で形成する動作が本発明の「第2の動作モード」に相当している。
(第2実施形態)
上記した第1実施形態では、ジャム余裕度が高いときに実行される本発明の「第1の動作モード」として、所定ページ数ごとに現像器を切り換えながらトナー像の形成を行い、またジャム余裕度が低いときに実行される本発明の「第2の動作モード」として現像器の切り換えを行わずにトナー像の形成を行っている。次に説明する本発明の第2実施形態では、モノクロ4本印字モードにおいて、現像器の切り換えタイミングが異なる2つの動作モードを本発明の「第1および第2の動作モード」としている。なお、この点を除いて本実施形態の装置の構成および動作は第1実施形態のものと同一であるので、ここではそれらの説明を省略する。
上記した第1実施形態では、ジャム余裕度が高いときに実行される本発明の「第1の動作モード」として、所定ページ数ごとに現像器を切り換えながらトナー像の形成を行い、またジャム余裕度が低いときに実行される本発明の「第2の動作モード」として現像器の切り換えを行わずにトナー像の形成を行っている。次に説明する本発明の第2実施形態では、モノクロ4本印字モードにおいて、現像器の切り換えタイミングが異なる2つの動作モードを本発明の「第1および第2の動作モード」としている。なお、この点を除いて本実施形態の装置の構成および動作は第1実施形態のものと同一であるので、ここではそれらの説明を省略する。
図10は第2実施形態におけるモノクロ4本印字モードを示すフローチャートである。この印字モードにおいて、ジャム余裕度が高いと判定したときの動作(ステップS301〜S306)は基本的に上記した第1実施形態と同じである。ただし、この場合には、現像器の切り換え要否を判断するための所定ページ数が2に定められるとともに、中間転写ベルト71上における各トナー像の配置は、図9(a)に示したカラー印字モードにおける配置と同じとする。つまり、第2実施形態のモノクロ4本印字モードでは、ジャム余裕度が高いと判定されたときにはトナー像2ページごとに、つまり中間転写ベルト71の1周ごとに現像器が切り換えられる。こうすることで、高い画像品質を維持しながら画像を連続的に形成することができる。
一方、ジャム余裕度が低いと判定したときの動作は第1実施形態のものとは大きく異なっている。この場合、第1実施形態の場合と同様に、ジャム発生の危険性が高まっていることをユーザに知らせるためのメッセージを表示部12に表示させる(ステップS307)。次に、形成すべき次ページの画像があるか否かを判断する(ステップS308)。次に形成すべき画像がなければ動作を終了する。次に形成すべき画像があるときには、現在使用中の現像器によって連続的に形成した画像が15ページに達したか否かを判断する(ステップS309)。つまり、この実施形態では、ジャム余裕度が低いときには15ページごとに現像器の切り換えを行う。
現在の現像器によって形成した画像が15ページに達していなければ、ステップS302に戻って次ページの画像を形成する。ただし、この場合における中間転写ベルト71上のトナー像の配置は、図9(b)に示したように等間隔とする。こうして15ページ分のトナー像を形成した後現像器の切り換えを行うが、この実施形態では、切り換え前のトナー像の位置を変化させるのではなく、中間転写ベルト71上においてトナー像1ページ分の領域を画像を形成しない空白ページとすることによって像間を広くし、この間を利用して現像器の切り換えを行う(ステップS310)。
図11は第2実施形態におけるトナー像の配置を示す図である。ジャム余裕度が高い場合には、図11(a)に示すように、各トナー像I61〜I66はカラー印字モードの場合と同じ位置にそれぞれ形成される。すなわち、d61=d11、d62=d12である。そして、中間転写ベルト71の継ぎ目を挟んで並ぶトナー像I62とI63、I64とI65の間に設けた間隔を利用して現像器が切り換えられる。この動作では、現像器の切り換えは隣接位置にあるものに限られるが、スループットは高い。
一方、ジャム余裕度が低い場合には、図11(b)に示すように、基本的に各トナー像I71〜I75は等間隔に形成される。すなわちd71=d72である。そして、15ページ目のトナー像(同図ではトナー像I73がこれに相当する)の形成後、本来次ページのトナー像I74を形成すべき位置を空白ページIvとする。これによってトナー像I73とI74との間隔はd70に広がり、この間に現像器の切り換えが行われる。このようにするとスループットは低下するが、各トナー像の間隔が広いのでジャム抑制効果は高く、また現像器切り換え時のトナー像間隔d70も広いので、例えば現像ユニット4を90度を超えて回転させることも可能となる。このことは、必ずしも隣接しない現像器の間でも切り換えが可能となることを示している。
以上のように、この第2実施形態におけるモノクロ4本印字モードでは、ジャム余裕度が高いときに実行される第1の動作モードとして、トナー像2ページごとに現像器を切り換える動作モードが実行される一方、ジャム余裕度が低いときに実行される第2の動作モードとしては、トナー像15ページごとに現像器を切り換える動作モードが実行される。このように、いずれも現像器の切り換えを伴う2つの動作モードであっても、切り換えの頻度が異なるものを本発明の第1および第2の動作モードとすることができる。
なお、この実施形態において、ジャム発生の危険性が高い場合には、本来中間転写ベルト71上に2ページずつ形成するトナー像を1ページずつに減らすことによってトナー像の間隔を広げ、ジャムをより確実に防止するようにしてもよい。
(ジャム余裕度判定処理の変形例)
図12はジャム余裕度判定処理の第2の例を示すフローチャートである。図12のステップS601〜S610に示すように、ジャムタイマのカウント時間のチェックとフィード後シート検出センサ89のチェックとの順番を入れ換えても、ジャム余裕度の判定を適切に行うことが可能である。
図12はジャム余裕度判定処理の第2の例を示すフローチャートである。図12のステップS601〜S610に示すように、ジャムタイマのカウント時間のチェックとフィード後シート検出センサ89のチェックとの順番を入れ換えても、ジャム余裕度の判定を適切に行うことが可能である。
(その他の変形例)
なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、シート搬送方向においてフィードローラ84の直後に設けたフィード後シート検出センサ89の出力によって搬送経路FにおけるシートSの搬送状況を検出しているが、これに代えて、あるいはこれに加えて、ゲート前シート検出センサ88の出力や他の位置に設けたシート検出センサの出力を利用して検出するようにしてもよい。
なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、シート搬送方向においてフィードローラ84の直後に設けたフィード後シート検出センサ89の出力によって搬送経路FにおけるシートSの搬送状況を検出しているが、これに代えて、あるいはこれに加えて、ゲート前シート検出センサ88の出力や他の位置に設けたシート検出センサの出力を利用して検出するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、フィード後シート検出センサ89によってシートSの後端部が通過するのを検出するようにしているが、これに代えて、シートの先端部が検出位置を通過したか否かを検出するようにしてもよい。
また、以下に示すように、ゲート前シート検出センサ88およびフィード後シート検出センサ89の出力を組み合わせて用いることによって、ジャム余裕度低下の原因をある程度推測し、その推測結果に応じて表示部12に表示させるメッセージの内容を変化させるようにしてもよい。
図13はセンサ出力の判定結果とメッセージ内容との関係を示す図である。図13のNo.1のケースは、ゲート前シート検出センサ88、フィード後シート検出センサ89のいずれにおいても「ジャム危険」の情報がなく、搬送状況が良好に維持された状態である。また、No.2のケースは、ゲート前シート検出センサ88の出力については「ジャム危険」なしであるものの、フィード後シート検出センサ89の出力が「ジャム危険」であることを表している。これは、搬送の初期段階で乱れが生じやすいことを示しており、その原因としてはカセット8におけるシートSの整列性が悪いことが考えられるので、その旨を示すメッセージを表示部12に表示させるとよい。
また、No.3のケースは、ゲート前シート検出センサ88の出力によって「ジャム危険」あり、フィード後シート検出センサ89の出力によって「ジャム危険」なしと判断された場合に相当する。この場合には、フィードローラ84の磨耗など機械的な不具合が想定されるので、その旨を表示したり、サービスマンに点検を依頼することを促す旨のメッセージを表示させればよい。不具合の内容をサービスマンに知らせるための情報を含めてももちろん構わない。さらに、No.4のケースは、ゲート前シート検出センサ88、フィード後シート検出センサ89のいずれの出力からも「ジャム危険」とされた場合に相当する。この場合には、上記と同様の機械的な不具合の他、当該装置の仕様に適合しない滑りやすいシートが使われている可能性がある。そこで、シートの確認を促す旨のメッセージや、サービスマンに点検を依頼することを促す旨のメッセージを表示させることができる。点検の依頼を受けたサービスマンも、搬送状況が表示されることにより保守作業をスムーズに行うことが可能となる。
また、上記実施形態では、画像形成動作を実行したとき、その時点のシート搬送状況からジャム余裕度を判定しているが、過去の判定結果に基づいてジャム余裕度を決定してもよい。すなわち、いったんジャム余裕度が低いと判定された装置については、その原因が解消されるまでの間は、ジャム余裕度が低いと判定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ジャム余裕度を判定する基準となる第1および第2所定時間はシートの長さに対応して予め決められているが、これ以外に、例えばシートの材質や厚みなどシートの属性(硬さ、腰の強さ)に応じてこれらの基準を定めるようにしてもよい。
また、上記各実施形態は単一のカセット8を備える装置であるが、この種の装置では、複数のカセットを装着可能なものや、手差しトレイからもシートSを供給できるように構成されたものがあり、これらの装置に対しても本発明を適用することができる。ただし、このような装置では、それぞれの搬送経路の長さの差異に起因して、どこからシートを供給するかによってジャムの起きやすさが異なる。そこで、搬送経路の違いによって、中間転写ベルト71上のトナー像の配置を異ならせるようにしてもよい。一般的には、搬送経路が長いほど搬送遅れによるジャムが発生しやすいと考えられるから、搬送経路が長いほどジャム抑制効果の高い動作モードを選択することが好ましい。
また、上記各実施形態は、像担持体としての中間転写ベルト71を備える画像形成装置に本発明を適用したものであるが、このような中間転写体を備えず、感光体から記録材へ直接トナー像を転写するように構成された装置に対しても、本発明を適用することが可能である。この場合には感光体が本発明の「像担持体」として機能することになる。また、例えば、中間転写ベルト以外の中間転写体、例えば中間転写ドラムや中間転写シートを備える装置に対しても、本発明を適用することが可能である。
また、上記各実施形態の画像形成装置は、モノクロ4本印字モードに加えて、カラー印字モードおよびモノクロ1本印字モードを実行可能に構成されているが、本発明の趣旨からは、カラー印字モードおよびモノクロ1本印字モードは必須のものではない。したがって、これらの印字モードを備えないものであっても、同一色の現像器を複数個備え、それらを切り換えながら複数ページのモノクロ画像を形成する装置全般に対して本発明を適用可能である。また、モノクロ画像のトナー色はブラックに限定されず、現像器の個数も4に限定されない。
さらに、この発明は、上記各実施形態のような電子写真方式の画像形成装置に限らず、他の方式、例えば転写媒体に対しトナーを飛翔させて画像を形成する方式の装置に対しても適用することが可能である。
4…現像ユニット(位置決め部、像形成手段)、 6…露光ユニット(像形成手段)、 10…エンジンコントローラ(像形成手段)、 22…感光体(像形成手段)、 71…中間転写ベルト(像担持体)、 81〜84…ローラ(搬送手段)、 89…フィード後シート検出センサ(検出手段)、 101…CPU(制御手段)
Claims (10)
- 表面にトナー像を担持可能に構成され、所定の方向に周回移動する無端状の像担持体と、
トナー像を形成して前記像担持体の表面に担持させる像形成手段と、
シート状の記録材を所定の搬送経路に沿って前記像担持体からトナー像を転写される転写位置へ搬送する搬送手段と、
前記搬送経路上における前記記録材の搬送状況を検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に基づいて前記搬送経路上におけるジャムの起き難さに対応するジャム余裕度を判定し、ジャム余裕度の高さに応じて前記像形成手段の動作態様を異ならせる制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記像形成手段は、複数のトナー像を形成しそれらを互いに離隔させて前記像担持体に担持させる動作モードとして、前記複数のトナー像間の最小間隔が所定の第1間隔である第1の動作モードと、前記複数のトナー像間の最小間隔が前記第1間隔よりも広い第2間隔である第2の動作モードとを選択的に実行可能に構成され、
前記制御手段は、前記ジャム余裕度が高いと判定したときには前記第1の動作モードを前記像形成手段に実行させる一方、前記ジャム余裕度が低いと判定したときには前記第2の動作モードを前記像形成手段に実行させる請求項1に記載の画像形成装置。 - 必要に応じて装置の状態をユーザに報知する報知手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記ジャム余裕度が低いと判定したときには、前記報知手段によりジャム発生の可能性が高いことをユーザに報知する請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記像形成手段は、互いに同一色のトナーを貯留する複数の現像器を装着可能に構成され、装着された現像器のうち1つを選択的に所定の現像位置に移動位置決めする位置決め部を備え、
前記第1の動作モードは、所定のタイミングで前記位置決め部により現像器を切り換えながら前記複数のトナー像を形成するように構成される一方、前記第2の動作モードは、現像器を切り換えずに前記複数のトナー像を形成するように構成されている請求項2または3に記載の画像形成装置。 - 前記第2の動作モードでは、前記複数のトナー像間の間隔が一定とされる請求項2ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記像形成手段は、互いに同一色のトナーを貯留する複数の現像器を装着可能に構成され、装着された現像器のうち1つを選択的に所定の現像位置に移動位置決めする位置決め部を備え、
前記第1および第2の動作モードは、所定のタイミングで前記位置決め部により現像器を切り換えながら前記複数のトナー像を形成し、しかも、該現像器切り換えの頻度は前記第1の動作モードより前記第2の動作モードの方が低くなるように構成されている請求項2または3に記載の画像形成装置。 - 前記像形成手段が前記第1の動作モードを実行しているときに前記制御手段が前記ジャム余裕度が低いと判定したときには、前記制御手段は、前記像形成手段の動作モードを前記第2の動作モードに切り換える請求項2ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記検出手段は、前記搬送経路上の検出位置における前記記録材の有無を検出するように構成され、
前記制御手段は、前記検出手段の検出結果から把握される、前記記録材が前記検出位置を通過するのに要する通過時間を、記録材のサイズに対応して予め定められた基準時間と比較し、前記通過時間が前記基準時間より短ければジャム余裕度が高いと判定する一方、前記通過時間が前記基準時間より長ければジャム余裕度が低いと判定する請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記検出位置は、前記記録材の搬送方向において前記搬送経路上で前記転写位置よりも手前に設けられている請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置。
- 所定の方向に周回移動する無端状の像担持体上にトナー像を形成する像形成工程と、
前記像形成工程において形成されたトナー像を、所定の搬送経路に沿って搬送されてくるシート状の記録材に転写する転写工程と
を備え、
前記搬送経路における前記記録材の搬送状況を検出し、その検出結果に基づいて前記搬送経路上におけるジャムの起き難さに対応するジャム余裕度を判定し、ジャム余裕度の高さに応じて前記像形成工程の態様を異ならせる
ことを特徴とする画像形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006060525A JP2007240684A (ja) | 2006-03-07 | 2006-03-07 | 画像形成装置および画像形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012027310A (ja) * | 2010-07-26 | 2012-02-09 | Oki Data Corp | 画像形成装置 |
JP2018112726A (ja) * | 2016-06-17 | 2018-07-19 | 株式会社リコー | 画像形成制御装置、画像形成制御方法及び画像形成装置 |
-
2006
- 2006-03-07 JP JP2006060525A patent/JP2007240684A/ja not_active Withdrawn
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