JP2007240169A - 酸素センサ用ヒータの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加熱用の電気ヒータ12が備えられた酸素センサ11には、オフセット電圧印加回路20によりオフセット電圧Voffを印加している。このため、酸素センサ11から出力されるセンサ電圧Vsがオフセット電圧Voff以上になったら、酸素センサ11の温度が活性温度以上になったと判定でき、このときには、電子制御ユニット14は、センサ電圧Vsを基に、燃料状態(リーンまたはリッチ)を判定して良好な空燃比制御をすることができる。また、センサ電圧Vsがオフセット電圧Voff未満であるときには、酸素センサ11の温度が活性温度未満であると判定でき、このときには、電子制御ユニット14は、スイッチング素子13のデューティーを大きくして電気ヒータ12に流す電流値を増加し、酸素センサ11を活性化させる。
【選択図】図1
Description
このように、酸素センサの温度が活性温度以上にならない状態(期間)では、酸素濃度の検出ができず、この結果、この期間(例えば始動開始後の初期期間)では空燃比制御を行なうことができない。
そして、エンジンの運転状況にかかわらず、酸素センサの温度を活性温度以上に保持するように、電気ヒータに供給する電流値を、例えば、機関負荷や機関回転数に応じて制御している。つまり機関負荷や機関回転数が低いほど電気ヒータに供給する電流値を上げ、機関負荷や機関回転数が高いほど電気ヒータに供給する電流値を下げるように制御している。
同図に示す酸素センサ1は、排気管に備えられるものであり、空燃比に応じた内部起電力eoを発生するとともに、内部抵抗Riを有している。
また内部起電力eoは、リッチ側で高電圧、リーン側で低電圧となる。
このような、内部抵抗特性及び内部起電力特性を有しているため、酸素センサ1から出力されるセンサ電圧Vsは、図7に示すように、
(1)活性温度未満では、内部抵抗Riが極めて大きいので、零となり、
(2)活性温度以上になると、内部抵抗Riが小さくなるので、リッチ状態では高電圧となり、リーン状態では低電圧となる。
この電子制御ユニット4には、エンジン負荷や、エンジン回転数や、エンジンの冷却水の温度などの情報も入力されている。
このような状態において、電気ヒータ2に大電流を流して、既に高温になっている酸素センサ1を更に急昇温させた場合には、排気管内の水が高温の酸素センサ1に付着すると、セラミック外装となっている酸素センサ1が割れてしまう。
そこで、かかる不具合を防止するため、始動時から一定時間は、デューティー制御による通電率を敢えて小さくして、酸素センサ1の急激な温度上昇を抑制しているのである。
これにより、エンジンの運転状況にかかわらず、酸素センサ1の温度を活性温度以上に保持している。
エンジン始動後における空燃比制御は、次の(1)〜(3)の何れかの条件を満足したときに開始している。
(1)酸素センサ1から出力されるセンサ電圧Vsの値がストイキオ電圧(例えば、上記の従来例では0.5V)以上になったとき。
(2)エンジン始動後に予め決めた設定時間が経過したとき。
(3)エンジンに取り込んだ積算空気量が、始動時におけるエンジン水温で決まる所定積算空気量を越えたこと。
そして、一旦開始された空燃比制御は、エンジンキーがOFFされるまで継続される。
エンジンを一旦停止させた後に、比較的短い時間が経過したとき(例えばエンジン停止から10分経過したとき)にエンジンを始動させる場合には、エンジンの暖機状態が維持されてエンジン水温が例えば80°Cとなっているが、酸素センサ1は熱容量が小さいため素子冷えして外気温程度になっている。
しかし、前述したように、従来では、始動時から一定時間においては、電気ヒータ2に流す電流値を抑制しているため、酸素センサ1の温度上昇が鈍く、酸素センサ1の温度が活性温度以上になるまでには時間がかかっていた。
したがって、温度センサ1から出力されるセンサ電圧Vsがストイキオ電圧以上となり空燃比制御が開始されるのは、エンジン始動から時間的に遅れた時となる。
また、長い坂道を長時間にわたって下る走行をするときには、エンジンへの燃料をカットするエンジン制御が行なわれる。このように燃料カットが行なわれると、排気ガスの温度は低くなる。このとき、外気の温度が極めて低い時には、酸素センサ1が素子冷えして活性温度未満となってしまい、センサ電圧Vsがストイキオ電圧(0.5V)よりも小さくなってしまう。
したがって、実際には空燃比がリッチ状態になっているにもかかわらず、燃料カットにより酸素センサ1が素子冷えして活性温度未満となってセンサ電圧Vsがストイキオ電圧(0.5V)よりも小さくなったときには、電子制御ユニット4は、リーン状態であると誤判定してエンジンの空燃比を更にリッチ側に制御してしまうので、排ガスの悪化を招いてしまう。
また従来技術では、酸素センサ1の温度が活性温度以上になっているかどうかを正確に判定することができなかったため、第2の問題点が発生していた。
内燃機関に接続された排気管に備えられると共に、活性温度以上になると排気ガスの酸素濃度に応じたセンサ電圧を出力する酸素センサと、
前記酸素センサに備えられており、バッテリ電圧が印加されるとともに接地側にスイッチング素子が接続され、前記スイッチング素子がデューティー制御されることにより流れる電流値が制御される電気ヒータと、
前記酸素センサの接地側に接続されており、前記酸素センサにオフセット電圧を印加するオフセット電圧印加回路と、
前記センサ電圧が入力されており、入力されたセンサ電圧がオフセット電圧以上であるときには、前記酸素センサの温度を活性温度以上に保持するように、前記スイッチング素子のデューティー制御をして前記電気ヒータに流れる電流値を調整し、入力されたセンサ電圧がオフセット電圧未満であるときには、前記電気ヒータに流れる電流値が、センサ電圧がオフセット電圧以上であるときに前記電気ヒータに流す電流値よりも大きな予め決めた電流値となるように、前記スイッチング素子のデューティー制御をする電子制御ユニットと、
を有することを特徴とする。
内燃機関に接続された排気管に備えられると共に、活性温度以上になると排気ガスの酸素濃度に応じたセンサ電圧を出力する酸素センサと、
前記酸素センサに備えられており、バッテリ電圧が印加されるとともに接地側にスイッチング素子が接続され、前記スイッチング素子がデューティー制御されることにより流れる電流値が制御される電気ヒータと、
前記酸素センサの接地側に接続されており、前記酸素センサにオフセット電圧を印加するオフセット電圧印加回路と、
前記センサ電圧が入力されており、入力されたセンサ電圧がオフセット電圧以上であるときには、前記酸素センサの温度を活性温度以上に保持するように、前記スイッチング素子のデューティー制御をして前記電気ヒータに流れる電流値を調整し、入力されたセンサ電圧がオフセット電圧未満であるときには、前記電気ヒータに流れる電流値が、センサ電圧がオフセット電圧以上であるときに前記電気ヒータに流す電流値よりも大きな予め決めた電流値となるように、前記スイッチング素子のデューティー制御をし、更に、入力されたセンサ電圧がオフセット電圧以上になったら前記内燃機関の空燃比を前記酸素センサの出力に基づいてフィードバック制御をする電子制御ユニットと、
を有することを特徴とする。
この結果、酸素センサの温度が活性温度未満であるためセンサ電圧がオフセット電圧未満となっているときには、電気ヒータに大きな電流を流して、迅速に酸素センサの温度を活性温度以上にすることができる。このため、迅速に空燃比制御を開始して、排気ガスの状態を良好に制御することができる。
同図に示すように、酸素センサ11は、自動車のエンジンに接続された排気管に備えられるものであり、空燃比に応じた内部起電力eoを発生するとともに、内部抵抗Riを有している。
また内部起電力eoは、リッチ側で高電圧、リーン側で低電圧となる。
(1)活性温度未満では、内部抵抗Riが極めて大きいので、バイアス電圧Vbが印加されていても、零となり、
(2)活性温度以上になると、内部抵抗Riが小さくなるので、排気ガスの酸素濃度に応じた電圧、つまり、リッチ状態では高電圧となり、リーン状態では低電圧となる。
図2のリッチ状態およびリーン状態の電圧値は、図7に示す従来のリッチ状態及びリーン状態の電圧値に、オフセット電圧Voff(0.5V)を加えた値となっている。
図3のリッチ状態およびリーン状態の電圧値は、図8に示す従来のリッチ状態及びリーン状態の電圧値に、オフセット電圧Voff(0.5V)を加えた値となっている。
この電子制御ユニット14には、エンジン負荷や、エンジン回転数や、エンジンの冷却水の温度などの情報も入力されている。
そして、電子制御ユニット14は、入力されるセンサ電圧Vsがストイキオ電圧(1.0V)以上になっているときにはリッチ状態であると判定し、センサ電圧Vsがストイキオ電圧(1.0V)未満でオフセット電圧Voff(0.5V)以上になっているときには、リーン状態であると判定して、エンジンの空燃比のフィードバック制御を実行する。
このときには、電子制御ユニット14は、エンジンの運転状況にかかわらず酸素センサ11の温度を活性温度以上に保持するように、電気ヒータ12に供給する電流値を、例えば、機関負荷や機関回転数に応じて調整するように、スイッチング素子13のデューティー制御をする。
(2)センサ電圧Vsの電圧値が、オフセット電圧Voff(0.5V)未満である時。
このときには、電子制御ユニット14は、酸素センサ11の温度を直ちに上昇させて活性温度以上になるようにするため、電気ヒータ12に供給する電流値が予め決めた大きな急昇温電流値となるように、スイッチング素子13のデューティー制御をする。
この「急昇温電流値」は、センサ電圧Vsの電圧値がオフセット電圧Voff(0.5V)以上になっている時に電気ヒータ12に流す電流値よりも大きい値に設定している。
かかる本実施例では、エンジン始動後のセンサ電圧Vsの電圧値が、オフセット電圧Voff(0.5V)未満となっている時には、電気ヒータ12に供給する電流値が予め決めた大きな急昇温電流値となるように、スイッチング素子13のデューティー制御をするため、活性温度未満となっていた酸素センサ11の温度は、直ちに上昇して活性温度以上になる。
そして、期間iを過ぎ、センサ電圧Vsがオフセット電圧Voff(0.5V)以上になることにより、空燃比フィードバック制御を開始することができる。
また、エンジンを一旦停止させた後に、直ちに(例えば10秒後に)エンジンを始動させたため、酸素センサ1の温度が高温(例えば400°C)になっている状態では、センサ電圧Vsがオフセット電圧Voff(0.5V)以上になっている。
このため、電気ヒータ12に流す電流値は、酸素センサ11の温度が活性温度以上に保持される程度の電流値に抑えられるので、酸素センサ11が必要以上に加熱されることはない。したがって、排気管内に発生した水が、酸素センサ11に付着したとしても、酸素センサ11が割れることはない。
また、センサ電圧Vsがオフセット電圧Voff(0.5V)以上になっているため、直ちに空燃比フィードバック制御が開始される結果、エンジンを再始動をしたら直ちに、排ガスの状態を良好に制御することができる。
また、エンジンを一旦停止させた後に、比較的短い時間が経過したとき(例えばエンジン停止から10分経過したとき)にエンジンを始動させたため、エンジンの暖機状態が維持されてエンジン水温が例えば80°Cとなっているが、酸素センサ1は熱容量が小さいため素子冷えして外気温程度になっている状態では、センサ電圧はオフセット電圧Voff(0.5V)未満になっている。
よって従来技術の第1の問題点を解決することができる。
更に、自動車が長い坂道を長時間にわたって下る走行をして、エンジンへの燃料をカットするエンジン制御が行なわれたため、酸素センサ11が素子冷えして活性温度未満となってしまった状態では、センサ電圧Vsがオフセット電圧Voff(0.5V)未満になってしまう(図4の期間iiの状態)。
よって従来技術の第2の問題点を解決することができる。
なお、電子制御ユニット14は、センサ電圧Vsを監視することにより、酸素センサ11と電子制御ユニット14とを接続する電線の断線検出をすることもできる。
つまり、酸素センサ11の温度が活性温度以上の状態であるときには、
(1)断線が無い場合には、リーン状態やリッチ状態にかかわらず、センサ電圧Vsは必ずオフセット電圧Voff(0.5V)以上となっているが、
(2)断線が発生した場合には、センサ電圧Vsが零になる。
このように、酸素センサ11の温度が活性温度以上の状態であるにもかかわらず、センサ電圧Vsが零になると、断線と判定することができる。
2,12 電気ヒータ
3,13 スイッチング素子
4,14 電子制御ユニット(ECU)
20 オフセット電圧印加回路
R21,R22 分圧抵抗
23 バッファアンプ
eo 内部起電力
Ri 内部抵抗
Vs センサ電圧
Voff オフセット電圧
Vb バッテリ電圧
r 入力抵抗
Claims (2)
- 内燃機関に接続された排気管に備えられると共に、活性温度以上になると排気ガスの酸素濃度に応じたセンサ電圧を出力する酸素センサと、
前記酸素センサに備えられており、バッテリ電圧が印加されるとともに接地側にスイッチング素子が接続され、前記スイッチング素子がデューティー制御されることにより流れる電流値が制御される電気ヒータと、
前記酸素センサの接地側に接続されており、前記酸素センサにオフセット電圧を印加するオフセット電圧印加回路と、
前記センサ電圧が入力されており、入力されたセンサ電圧がオフセット電圧以上であるときには、前記酸素センサの温度を活性温度以上に保持するように、前記スイッチング素子のデューティー制御をして前記電気ヒータに流れる電流値を調整し、入力されたセンサ電圧がオフセット電圧未満であるときには、前記電気ヒータに流れる電流値が、センサ電圧がオフセット電圧以上であるときに前記電気ヒータに流す電流値よりも大きな予め決めた電流値となるように、前記スイッチング素子のデューティー制御をする電子制御ユニットと、
を有することを特徴とする酸素センサ用ヒータの制御装置。 - 内燃機関に接続された排気管に備えられると共に、活性温度以上になると排気ガスの酸素濃度に応じたセンサ電圧を出力する酸素センサと、
前記酸素センサに備えられており、バッテリ電圧が印加されるとともに接地側にスイッチング素子が接続され、前記スイッチング素子がデューティー制御されることにより流れる電流値が制御される電気ヒータと、
前記酸素センサの接地側に接続されており、前記酸素センサにオフセット電圧を印加するオフセット電圧印加回路と、
前記センサ電圧が入力されており、入力されたセンサ電圧がオフセット電圧以上であるときには、前記酸素センサの温度を活性温度以上に保持するように、前記スイッチング素子のデューティー制御をして前記電気ヒータに流れる電流値を調整し、入力されたセンサ電圧がオフセット電圧未満であるときには、前記電気ヒータに流れる電流値が、センサ電圧がオフセット電圧以上であるときに前記電気ヒータに流す電流値よりも大きな予め決めた電流値となるように、前記スイッチング素子のデューティー制御をし、更に、入力されたセンサ電圧がオフセット電圧以上になったら前記内燃機関の空燃比を前記酸素センサの出力に基づいてフィードバック制御をする電子制御ユニットと、
を有することを特徴とする酸素センサ用ヒータの制御装置。
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