JP2007239378A - 掘削残土による管埋め戻し工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】道路にガス管や水道管その他の管を埋設する場合、道路の交通を遮断し迅速に工事を完了し道路を開放するという方法であった。交通を完全に遮断することは大きな問題であり、社会生活に影響が大きい。そこで片側だけを遮断し、他方は通行を遮断しない方法が望まれてきている。
【解決手段】道路を掘削する工程(掘削工程)、そこに配管する工程(配管工程)、そこに土壌を埋め戻す工程(埋め戻し工程)を、順次施工していく工法であって、掘削した土壌を再度埋め戻すものと廃棄するものとに分別し、再度埋め戻すものはすでに埋め戻し工程部に順次搬入する方法において、該土壌の分別は、本体である筒状体、該筒状体に土壌を導入するためのホッパー、筒状体内部で回転する攪拌装置から成る分別装置で行う方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、掘削残土による管埋め戻し工法に関するものである。
従来、道路にガス管や水道管その他の管を埋設する場合、道路の交通を遮断し迅速に工事を完了し道路を開放するという方法であった。
しかしながら、交通を完全に遮断することは大きな問題であり、社会生活に影響が大きい。そこで片側だけを遮断し、他方は通行を遮断しない方法が望まれてきている。
また、小さな機械で工事ができる程度であっても、掘削した土壌を現場から搬出し、掘削溝内で管を接続し、また土壌を搬入して埋め戻していた。よって、トラックの往復だけでも相当なエネルギーであった。
また、最近では埋め立て地が減少しているため、掘削した土壌を廃棄することが困難であり、且つ新しい土壌の掘削場所も減少してきている。
そこで、狭い敷地や一車線内で工事でき、搬送費用も少なく、且つ掘削土壌も有効利用できる工法を提供する。
以上のような状況に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果本発明掘削残土による管埋め戻し工法を完成したものであり、その特徴とするところは、道路を掘削する工程(掘削工程)、そこに配管する工程(配管工程)、そこに土壌を埋め戻す工程(埋め戻し工程)を、順次施工していく工法であって、掘削した土壌を再度埋め戻すものと廃棄するものとに分別し、再度埋め戻すものはすでに埋め戻し工程部に順次搬入する方法において、該土壌の分別は、本体である筒状体、該筒状体に土壌を導入するためのホッパー、筒状体内部で回転する攪拌装置から成り、該筒状体は回転駆動され、該攪拌装置は回転軸に攪拌具を多数固着したものであり、該筒状体は出側に向かって下方に傾斜し且つ途中からメッシュ状に構成されている分別装置で行う点にある。
本発明でいう配管(配管工程)とは、管を補修、接続、新設、撤去、検査、塗装その他の作業をいう。管自体はどのようなパイプでもよく、ガス管や水道管に限るものではない。
また、掘削残土による管埋め戻し工法とは前記配管するため土壌を掘削し、また配管後埋め戻すことを含めた全体工法をいう。
「順次施しながら作業を進める」とは、1箇所を掘削し、配管を補修又は新設し、そこを埋め戻すというだけの工法ではなく、ある場所を掘削し、配管を補修等できる状態にすれば、その掘削工事班は、その次の近接する場所をまた掘削するという作業を繰り返す工法である。
例えば、1kmに渡って管を埋設する場合、まずその工区を20mごとの50個に分ける。そして、掘削班は毎日、20mづつ(1工区づつ)掘削していく。そして、配管班は、掘削班が掘削した後配管工事を毎日1工区づつ進めていく。最後に、埋め戻し班が配管が済んだ工区を順次埋め戻していく。よって、3工程でその部分は交通開放される。これが、「一定距離ごとに順次施しながら作業を進める」例である。
本発明方法では、この掘削工程において、掘削した土壌はそのまま廃棄するのではなく、再度埋め戻すものと廃棄するものとに分別し、再度埋め戻すものはすでに配管工程が終了した個所に順次搬入する。これは廃棄する量を減らし、かつ土壌を有効利用するだけでなく、運送費の軽減にもなる。
この掘削土壌を分別する場合、分別だけでは埋め戻せる土質にならない場合、改質材(セメント系その他)や良質土壌その他を混合してもよい。そして、この混合物を埋め戻すのである。
また、この掘削した土壌を分別するのに、特殊な分別装置を用いていることも大きな特徴である。これによって、狭い道路でも施工可能になる。通常の道路で一車線の道幅(2.5m〜3.0m)でも可能である。
この分別装置は、本体である筒状体、該筒状体に土壌を導入するためのホッパー、筒状体内部で回転する攪拌装置から成り、該筒状体は回転駆動され、該攪拌装置は回転軸に攪拌具を多数固着したものであり、該筒状体は出側に向かって下方に傾斜し且つ途中からメッシュ状に構成されている。
筒状体とは、本発明装置の本体部であり筒、即ちパイプである。一体でも、分割したものを合わせたものでもよい。その先端(最下流)は、開放でも閉止でもよい。また、開閉可能な蓋を設けてもよい。
通常は連続運転するため、攪拌分別されたものを排出する先端部は開放が好適であるが、攪拌をより確実にするため、時々閉止できるようにしてもよい。
この筒状体は途中からメッシュ状に構成されている。一体でも別体でもよく、着脱自在でもよい。
ここでいうメッシュとは、単に多数の孔があるという意味であり、網状のものでも、織ったものでも、板に多数の孔を設けたものでも、エキスパンドメタル等どのようなものでもよい。この孔のサイズは、5mm〜100mm程度(好ましくは、10〜40mm)であり、除去するもののサイズによって決めればよい。
このメッシュ筒状体は目が細かくなるとどうしても目詰まりすることが多い。よって、これを防止するため、メッシュの外側にブラシのような清掃具を接して設けておくこともできる。大きさや数は自由である。このようにすれば、メッシュ筒状体の回転によって自動的に清掃される。
また、同様の目的で、メッシュ筒状体を振動させてもよい。更に、時々衝撃を加える方法や、他の部材で表面を打撃する方法でもよい。
このメッシュ筒状体は、上流側の筒状体内で攪拌された土壌を一定サイズで分別するものである。例えば、20mm以下のものを分別したい、40mm以上の骨材を分別したい等の要望を満たすものである。
ここで、ホッパーとは、土壌等を投入するための部分であり、通常は大きな入口とある程度の貯蔵容量を有したものである。このホッパーには連続投入できるように蓋のない開放タイプと、その都度閉止する蓋付きタイプがある。
改質材等を混合する場合には、このホッパーに導入すればよい。このホッパーへの導入方法はどのような方法でもよい。特別な導入装置でも、ベルトコンベアでも、その他の重機でもよい。
また、このホッパーへの導入量を計測して、混合する改質材等の量を自動調整できるようにしてもよい。
また、この筒状体の内側に跳ね上げ板を設けてもよい。これは、下方に溜まる土壌等を上部に上げて再度効率よく接触させるためである。この跳ね上げ板は、1枚でも複数枚でも、またどのように設けてもよい。
筒状体は、回転させるための駆動源を有している。これはモーター等の通常のものでよい。回転させる理由は、後述する攪拌を効率よく行うためと、土壌等を下から上に上げるためである。また、内容物の前進を助けるためでもある。回転速度は自由であるが、一般にはゆっくりでよく、数回〜数十回/分程度で十分である。回転速度は、インバーターを用いる等によって調整できるようにするのがよい。
この筒状体、即ち、通常の攪拌機でいえば容器であるが、これが回転するところが新しいのである。それも土壌等を上に持ち上げて回転のたびに、攪拌具の上からかけるように回転するのである。これは、前記した跳ね上げ板を設ければより効果的である。
また、前進をより容易にするため、筒状体を下流側を低くするよう傾斜をもたせている。傾斜角度としては、自由であるが、1〜15度程度が好適である。また、この傾斜角度も手動又は自動で調整できるようにしてもよい。
投入する土壌によって、角度を変えて効率よくするのである。
筒状体の中に回転軸を設け、その回転軸には攪拌具が多数取り付けられている。この攪拌具の形状は特に限定はしない。単なる棒状、板状、湾曲板状等である。材質としては、土壌や混合する他の物質にもよるが、ゴムのように柔らかいものでも、ある程度の破砕も考えた鋼材でもよい。また、より硬度のあるものを用いてもよい。
要するに材質は何でもよいということである。上記した通り、ここでいう攪拌は破砕を含めたものである。即ち、攪拌具によって破砕を行なってもよいということである。
攪拌具の取り付け位置としては、回転軸の入口から等距離でオリエンテーションが異なる位置に複数設けても、等距離には1本だけにしてもよい。等距離に複数設けるとは、0度、90度、180度、270度の4箇所に設ける等である。
また、スパイラル状に配置してネジ山のような構造にしてもよい。
攪拌具はすべて同じ構造、同じサイズである必要はなく、ランダムに異なるものを設けても、順次変化させてもよい。
この攪拌具の固定は、軸に直接溶接してもよいが、破損した場合に交換が容易なようにボルト止めが好適である。
また、攪拌具の数や密度、その取り付け位置等は自由である。全体として一様でも、変化させてもよい。例えば、スパイラル状に幅の小さい板状体を全体に取り付ける等である。また、まったくのランダムに刃を固定する方法もある。
更に、攪拌具は最初は間隔を開けて、徐々にその間隔を狭くしている方法もある。
この攪拌具は、前記した通りその取付け個所は自由であるが、特に筒状体のメッシュ部にはその数を減らす、長さを短くする、まったく設けない等のことが考えられる。また、その回転数もメッシュ部のみゆっくりとさせてもよい。
この攪拌具を固定する回転軸は、回転駆動源によって回転するもので、その回転速度は自由である。しかし、これも筒状体同様、数回〜数百回/分程度で十分である。回転速度も、インバーターを用いる等によって調整できるようにするのがよい。回転方向は、回転軸も筒状体も自由である。
この回転軸は、前記した筒状体と通常は別駆動であるが、連動して回転しても、まったく同様に回転してもよい。即ち、同じ駆動源を使用するのである。
本発明掘削残土による管埋め戻し工法には次のような効果がある。
(1) 「一定距離ごとに順次施しながら作業を進める」工法をとっているので、作業が効率よくできる。
(2) 掘削した土壌を分別してできるだけ再利用している。よって、廃棄が少なく、新しい土壌の必要量も少なく、且つ輸送費も軽減できる。
(3) 改質材を混合する場合では、土壌改良も同時に行なえる。
(4) 新規な分別装置を用いているため、狭い場所で効率よく分別ができ、連続作業ができる。
(5) 分別して再利用できる土壌はその現場で使用するため、前記した如く輸送費の軽減になるだけでなく、埋め戻し可能な範囲があれば掘削土壌の保管場所も不要である。
以下実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
実施例1
図1は、本発明方法の工程の1例を示す図である。まず最後尾は埋め戻し工程部1、次いで配管工程部2、その次が掘削工程部3である。また先頭部は掘削した土壌を分別し搬送する部分4である。この部分はまだ工事されていない場所である。
掘削工程部はパワーショベルP等の重機、又は人手によって土壌を掘削し、管を埋設する空隙を作る作業である。また、古い配管が存在する場合には、その管を露出させるように掘削する。
この掘削した土壌は上記した分別装置Sによって、再利用できる土壌と、廃棄するものとに分別する。そして、廃棄するものはトラックT等で搬出する。また、再利用する土壌は埋め戻し工程1に搬送される。よって、再利用される土壌はすぐ近くの場所に移動するだけである。更に、土質改良する場合、この分別装置によって混合ができるため、分別と同時に土壌改良された土壌ができる。
掘削している工区のすぐ後は、配管工程部2である。この場所は前日は掘削工程部であったところである。配管工程部では、例えば、切断、溶接、検査工事、塗装工事その他が行われる。
更にその後工程は、埋め戻し工程部1である。ここでは、前方から搬送された土壌(土壌改良された場合にはその改良土壌)と必要ならば不足分が埋め戻される。
ここでは、まずこのような狭い場所で土壌の分別、搬送ができるか否かである。これを可能にしたのが本発明で使用する分別装置である。
図2は、この分別装置の1例を示す。
傾斜させた(約10度)筒状体5は、上流側が単なるパイプ6であり、下流側はメッシュ状7である。上流端部にホッパー8が設けられている。この例のメッシュ7の先端部13は開放である。
この筒状体5は、駆動装置(モーター)9によって回転駆動される。回転速度は投入物の量やサイズ等によって速度調節できるようにしている。筒状体5の中心部に攪拌具10用の回転軸11が設けられている。この回転軸11は、同様に駆動装置12で回転駆動される。この図では、攪拌具10が異なるように見えるが、実際にはすべて同じ長さである。オリエンテーションが順次変わっているため、そのように見えるだけである。この例のメッシュのサイズは20mmであった。このメッシュ側にも同様攪拌具が設けられている。
メッシュ筒状体の先端部13は開放である。この装置において、ホッパー8から土壌等を導入すると、パイプ部6内において土壌等が攪拌され、そしてメッシュ筒状体7に送られてくる。そこでも攪拌され、そして20mm以下のものはメッシュの間から下方の土壌受具14に落下する。20mm以上のものは前記先端部13から容器15に落下する。
図3は、筒状体5に跳ね上げ板10を設けた例である。この図は筒状体5を長手方向から見たところで、攪拌具10は1本のみ描いている。この例では、跳ね上げ板16は90度づつ間隔をおいて4枚設けられている。この板の長手方向の長さは筒状体5とほぼ同じである。枚数は特に限定するものではない。勿論、より短いものを多数設けてもよく、また位置はランダムでも、スパイラル状でも、その他どのような位置でもよい。
本発明方法を示す概略工程図である。 本発明に用いる分別装置の1例を示す概略断面図である。 筒状体5を長手方向から見た断面図である。
符号の説明
1 埋め戻し工程部
2 配管工程部
3 掘削工程部
4 土壌を分別し搬送する部分
5 筒状体
6 パイプ
7 メッシュ
8 ホッパー
9 駆動装置
10 攪拌具
11 回転軸
12 駆動装置
13 先端部
14 受部
15 容器
16 跳ね上げ板

Claims (2)

  1. 道路を掘削する工程(掘削工程)、そこに配管する工程(配管工程)、そこに土壌を埋め戻す工程(埋め戻し工程)を、順次施工していく工法であって、掘削した土壌を再度埋め戻すものと廃棄するものとに分別し、再度埋め戻すものはすでに埋め戻し工程部に順次搬入する方法において、該土壌の分別は、本体である筒状体、該筒状体に土壌を導入するためのホッパー、筒状体内部で回転する攪拌装置から成り、該筒状体は回転駆動され、該攪拌装置は回転軸に攪拌具を多数固着したものであり、該筒状体は出側に向かって下方に傾斜し且つ途中からメッシュ状に構成されている分別装置で行うことを特徴とする掘削残土による管埋め戻し工法。
  2. 該工法は一車線の道路幅内で行なうものである請求項1記載の掘削残土による管埋め戻し工法。
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