JP2007239277A - 片引き戸の枠構造 - Google Patents

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Shinichi Nakajima
真一 中島
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Abstract

【課題】中方立てと鴨居との接合部分や中方立てと敷居との接合部分の外観上の美感を向上させると共に、中方立てへの遮断部材の取付作業を容易にすることを課題とする。
【解決手段】幅広部5、幅狭部6及び段部7がある鴨居2と、鴨居2に対応した幅広部5a、幅狭部6a及び段部7aがある敷居3と、幅広の方立て10と、幅狭の方立て11と、鴨居2及び敷居3の段部分7,7aを繋ぐ中方立て12とを備えた片引き戸の枠構造1であって、中方立て12の側面26には、上下方向に沿って溝13が形成され、前記側面26の上端部及び下端部の少なくとも一方には切欠部15が形成され、前記切欠部15に段部分7,7aに対する中方立て12の位置決めをする調整部材16が配置され、前記調整部材16によって前記溝13の端部が塞がれている。
【選択図】図1

Description

本発明は、片引き戸の枠構造に関するものである。
片引き戸の枠は、一般に、鴨居、敷居、鴨居と敷居の両端を連結する幅の異なる二つの方立て、前記方立ての間に位置して開口部と控え壁との境界をなす中方立てから構成されている。
従来から、片引き戸枠の中方立てと鴨居及び敷居との接合については、特許文献1に記載された片引き戸の枠のように、中方立ての上端部及び下端部に切欠部が形成され、かかる切欠部に鴨居及び敷居を配置して、片引き戸の枠が形成されていた。特許文献1には、左右片引き戸のいずれにも使用することができる片引き戸の枠が開示されている。
また、片引き戸の枠を構成する中方立ての引き戸側の面には、引き戸と中方立てとの隙間から明かりが漏れたり、隙間風が入るのを防止するため、上下に渡ってモヘア等の遮断部材が取り付けられていた。例えば、特許文献2には、中方立てに設置された遮断部材の出没が調整可能な引き戸の枠構造が開示されている。
特開2003−82945号公報 特開2002−250180号公報
切欠部は中方立てを切削して形成されるが、切欠部の加工面が粗く形成された場合など、切欠部の寸法が所定の寸法とは一致せず、多少の誤差が生じてしまうことがあった。このように切欠部の寸法に誤差が生じた状態で、中方立てが鴨居や敷居に接合されると、接合部分には段差が生じて接合部分の外観が悪くなる。
また、遮断部材は、中方立てに形成された溝に挿入されて取り付けられるが、従来の片引き戸枠に使われる中方立てでは、遮断部材が溝に沿って移動してしまう。そのため、例えば、一人で遮断部材の取り付け作業を行おうとした場合には、一方の手で遮断部材が動かないように遮断部材を保持しながら、他方の手で取り付け作業を行う必要があり作業性が悪かった。
そこで本発明は、上記問題点を鑑みて、中方立てと鴨居との接合部分や中方立てと敷居との接合部分の外観上の美感を向上させること、並びに中方立てへの遮断部材の取付作業を容易にすることを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、幅広部及び幅狭部とがありこれらの間が段部である鴨居と、鴨居に対応した幅広部、幅狭部及び段部がある敷居と、鴨居及び敷居の幅広側の端部近傍を繋ぐ幅広の方立てと、鴨居及び敷居の幅狭側の端部近傍を繋ぐ幅狭の方立てと、鴨居及び敷居の段部分を繋ぐ中方立てとを備えた片引き戸の枠構造であって、中方立ての側面には、上下方向に沿って溝が形成され、前記中方立ての溝が形成された側面の上端部及び下端部の少なくとも一方には切欠部が形成され、前記切欠部には、鴨居又は敷居の段部分に対する中方立ての位置決めをする調整部材が配置され、前記調整部材によって前記溝の端部が塞がれていることを特徴とした。
これにより、切欠部の加工面が粗く切削され、所定の寸法よりも切削され過ぎた場合であっても、中方立ては所定の位置に配置される。その結果、中方立ての側面と、鴨居及び敷居の側面との間には段差が生じない。このため、中方立てと鴨居との接合部分や中方立てと敷居との接合部分の外観上の美感が損なわれない。
また、中方立てに形成された溝には、モヘア等の遮断部材が設置される。遮断部材は、片引き戸枠に引き戸が設置された際に、引き戸と中方立てとの間に生じる隙間を塞ぎ、一方の空間から他方の空間への明かりの漏れや隙間風を防止する。
請求項1の発明では、中方立てに形成された溝の端部が調整部材により塞がれることになる。そのため、溝に遮断部材が取り付けられる場合、溝に挿入された遮断部材の端部が調整部材と当接するので、遮断部材が溝に沿って落下することはない。その結果、遮断手段の取り付け作業において、遮断手段を所定の位置で保持する必要はなく、取り付け作業を一人でも容易に行うことができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、調整部材には、前記調整部材を中方立ての所定の位置に固定する固定部と、鴨居又は敷居に当接させて中方立ての位置決めをする位置決め部とがあることを特徴とした。
これにより、調整部材を中方立ての所定の位置に固定することを条件に、中方立てを片引き戸枠の所定の位置に配置することができ、中方立ての位置決めがし易い。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、調整部材の固定部には、中方立てと調整部材との位置合わせをするための係止片があることを特徴とした。
これにより、調整部材の係止片に中方立てを当接させるだけで、調整部材と中方立てとの位置合わせを行うことができ、中方立てを片引き戸枠に配置する作業効率を向上させることができる。また、係止片によって切欠部の加工面を覆い隠すことができるため、片引き戸枠の外観上の美感を向上させることができる。
本発明の片引き戸の枠構造によれば、中方立てと鴨居との接合部分や中方立てと敷居との接合部分の外観上の美感が損なわれることがなく、並びに中方立てへの遮断部材の取り付け作業を容易に行うことができる。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。図1は、本発明の実施形態における片引き戸枠1を示す斜視図である。図2は、中方立て12と敷居3との接合部分を示す拡大斜視図である。
本発明の実施形態における片引き戸枠1は、互いに隣接する一方の空間と他方の空間を仕切る壁に形成され、図1に示すように鴨居2、敷居3、幅広方立て10、幅狭方立て11、中方立て12を備えている。本実施形態において、片引き戸枠1には、所定の大きさに切断された角材が使用される。角材としては、製材、合板、木質繊維板(MDF等)、パーティクルボード、単板積層板等の木質系の材料が望ましい。
鴨居2は、板状であって、幅の異なる幅広部5と幅狭部6がある。幅広部5と幅狭部6の間は段部7になっており、かかる段部7で鴨居2の幅が変わる。敷居3も鴨居2と同様に、幅広部5a、幅狭部6a及び段部7aがある板状である。そして、鴨居2と敷居3は、それぞれの幅広部5,5a、幅狭部6,6a及び段部7,7aが対向するように配置される。
幅広方立て10は、鴨居2の幅広側の端部と敷居3の幅広側の端部を上下方向に繋ぐ部材であり、幅狭方立て11は、鴨居2の幅狭側の端部と敷居3の幅狭側の端部を上下方向に繋ぐ部材である。
中方立て12は、鴨居2の幅広部5と幅狭部6の境界である段部7と、敷居3の幅広部5aと幅狭部6aの境界である段部7aとを繋ぐ部材である。中方立て12の側面のうち引き戸と対向する側面である遮断面26には、長手方向に沿って溝13が形成され、図2に示すように、モヘア等の遮断部材25が設置される。遮断部材25は、片引き戸が設置された際に、引き戸と中方立て12との間に生じる隙間を塞いで、一方の空間から他方の空間に、明かりが漏れたり、隙間風が生じたりするのを防止する。
片引き戸の開口は、鴨居2と、敷居3と、幅広方立て10と、中方立て12によって形成される。また、鴨居2と、敷居3と、幅広方立て10と、幅狭方立て11によって形成される空間は、引き戸が移動するための空間となる。かかる空間には、引き戸が移動可能に設置され、引き戸を移動させることによって開口の開閉が行われる。
図3は、本実施形態に係る中方立て12と敷居3との接合部分を示す分解斜視図である。図3に示すように、中方立て12には溝13を設けた遮断面26の上端部及び下端部に切欠部15が形成される。中方立て12を片引き戸枠1に配置する場合、かかる切欠部15に鴨居2や敷居3の段部7,7aが嵌め込まれて片引き戸枠1に配置される。前記切欠部15は、中方立て12を切削して形成されるが、切欠部15の加工面が粗くなってしまい、所定の寸法から多少の誤差が生じてしまうことがあった。
図4は、従来の片引き戸の枠構造における中方立て12と敷居3との接合部分を示す側面図である。切欠部15の切削が足りない場合には、切削をやり直して寸法を合わせることが可能であるが、切削しすぎた場合には、やり直しができないため、強度等に影響しない多少の誤差であれば、中方立て12はそのまま片引き戸枠1に配置されるおそれがあった。誤差が生じたまま、中方立て12が配置されると、図4に示すように、中方立て12の側面のうち遮断面26とは逆側の面である逆側面27が、鴨居2や敷居3の側面28よりも凹んで段差が生じてしまうため、片引き戸枠1の外観上の美感が大きく損なわれてしまう。
本発明では、図3に示すように、中方立て12と鴨居2との間、及び中方立て12と敷居3との間には中方立て12の位置決めを行う調整部材16が配置される。
調整部材16は、固定部17と位置決め部18を備えており、材質としては、薄く一定の強度を有するものが好ましい。例えば、鉄鋼やアルミなどの金属板や合成樹脂などを使用することができる。本実施形態では、調整部材16として、一枚の金属板を山型に折り曲げて断面形状がL字型のものが使用され、一方の板面が固定部17として機能し、他方の板面が位置決め部18として機能している。固定部17と位置決め部18との間には頂部20を有する。
調整部材16は、固定部17に設けた図示しない孔に図示しないビスを差し込んで、中方立て12の切欠部15に固定される。このとき調整部材16は、頂部20を中方立て12に向けて、固定部17の端部21を遮断面26に位置合わせをして中方立て12に固定される。
中方立て12に調整部材16が固定された後、中方立て12に設けた溝13に遮断部材25が取り付けられる。遮断部材25は、溝13に嵌め込んで所定の位置に取り付けられる。遮断部材25は接着剤によって固定してもよいし、ビス等で固定してもよい。また、中方立て12の溝13内にカム又は歯車を内蔵させて遮断手段の出没を微調整することができるようにしてもよい。
また、本実施形態では、溝13の端部が調整部材16の固定部17によって塞がれるため、遮断部材25が溝13に沿って落下することもなく、遮断部材25の取り付け作業を容易に行うことができる。
このようにして、形成された中方立て12は、図3に示すように切欠部15に、鴨居2及び敷居3の段部7,7aが嵌め込まれて配置される。図5は、本実施例に係る片引き戸の枠構造1における中方立て12と敷居3の接合部分の側面図である。図5に示すように、中方立て12は、中方立て12に固定された調整部材16の位置決め部18に鴨居2及び敷居3の段部7,7aを当接させることにより配置される。即ち、中方立て12は、遮断面26から位置決め部18までの一定の長さで常に位置決めされることになる。
このとき、図5に示すように、中方立て12の逆側面27と、鴨居2及び敷居3の側面28とは幅方向で同一の位置となるため、従来例のように両者の間に段差が生じることがない。そのため、接合部分の外観上の仕上がりを常に一定にすることができ、美観が損なわれることはない。
なお、上記実施形態において、調整部材16は、一枚の金属板を曲げて断面形状をL字型にしたものであったが、本発明にかかる調整部材16は、このような形状のものに限定されるわけではない。図6〜8は、本発明の変形例にかかる調整部材16の斜視図又は断面図である。
例えば、図6に示すように、調整部材16の固定部端部21に中方立て12の溝13を設けた面26と位置合わせするための係止片22を設けてもよい。係止片22には、中方立て12の溝13を設けた面を当接させることにより、位置合わせが行われる。固定部端部21に突条の係止片22を備えた調整部材16を使用すれば、中方立て12に調整部材16を固定せずに、鴨居2及び敷居3の段部7,7aに調整部材16の位置決め部18を当接させて配置してから、中方立て12を鴨居2及び敷居3に配置することも可能である。また、係止片22によって中方立て12の切削された加工面を覆い隠すことができるため、中方立て12と鴨居2の接合部分、又は中方立て12と敷居3の接合部分の外観上の美感を向上させることもできる。
また、図7に示すように、位置決め部18を板状ではなく突条の係止片23としてもよい。さらに、図8に示すように、調整部材16の固定部端部21に係止片22を設け、位置決め部18についても係止片23とすることもできる。
なお、本実施形態においては、中方立て12の上端部及び下端部に切欠部15が形成されたが、本発明は、上端部又は下端部の一方にのみ切欠部15が形成された場合であっても実施することができる。
本実施形態に係る片引き戸枠を示す斜視図である。 本実施形態に係る片引き戸の枠構造における中方立てと敷居との接合部分を示す拡大斜視図である。 本実施形態に係る片引き戸の枠構造における中方立てと敷居との接合部分を示す分解斜視図である。 従来までの実施形態に係る片引き戸の枠構造における中方立てと敷居との接合部分を示す側面図である。 本実施形態に係る片引き戸の枠構造における中方立てと敷居の接合部分を示す側面図である。 (a)は、変形例にかかる調整部材を示す斜視図であり、(b)は、変形例にかかる調整部材を示す断面図である。 (a)は、変形例にかかる調整部材を示す斜視図であり、(b)は、変形例にかかる調整部材を示す断面図である。 (a)は、変形例にかかる調整部材を示す斜視図であり、(b)は、変形例にかかる調整部材を示す断面図である。
符号の説明
1 片引き戸枠
2 鴨居
3 敷居
7,7a 段部
12 中方立て
13 溝
15 切欠部
16 調整部材
17 固定部
18 位置決め部
22 係止片
25 遮断部材

Claims (3)

  1. 幅広部及び幅狭部とがありこれらの間が段部である鴨居と、鴨居に対応した幅広部、幅狭部及び段部がある敷居と、鴨居及び敷居の幅広側の端部近傍を繋ぐ幅広の方立てと、鴨居及び敷居の幅狭側の端部近傍を繋ぐ幅狭の方立てと、鴨居及び敷居の段部分を繋ぐ中方立てとを備えた片引き戸の枠構造であって、中方立ての側面には、上下方向に沿って溝が形成され、前記中方立ての溝が形成された側面の上端部及び下端部の少なくとも一方には切欠部が形成され、前記切欠部には、鴨居又は敷居の段部分に対する中方立ての位置決めをする調整部材が配置され、前記調整部材によって前記溝の端部が塞がれていることを特徴とする片引き戸の枠構造。
  2. 調整部材には、前記調整部材を中方立ての所定の位置に固定する固定部と、鴨居又は敷居に当接させて中方立ての位置決めをする位置決め部とがあることを特徴とする請求項1に記載の片引き戸の枠構造。
  3. 調整部材の固定部には、中方立てと調整部材との位置合わせをするための係止片があることを特徴とする請求項1又は2に記載の片引き戸の枠構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010084347A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Sankyo Tateyama Aluminium Inc 引き戸
JP2020180525A (ja) * 2019-04-26 2020-11-05 株式会社ノダ 引戸構造

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