JP2007238456A - 杜仲葉水抽出物の分画物、およびそれを含む経口摂取用組成物 - Google Patents

杜仲葉水抽出物の分画物、およびそれを含む経口摂取用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、杜仲葉の成分、特にイリドイド化合物などの薬効成分を効率的に取り出すための分画方法、および特定の成分を高濃度で含有する杜仲葉成分の分画物を提供することを目的とする。さらに本発明は、天然の素材を原料とし、副作用が少なく長期にわたって摂取した場合でも安全である経口摂取用組成物、医薬組成物、食品組成物、医薬および食品を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明は、乾燥杜仲葉から得られる杜仲葉水抽出物を逆相の合成吸着剤に吸着させ、水で溶出する成分を得る工程を含む製造方法により得られる、杜仲葉水抽出物分画物、およびそれを含む医薬、食品を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、杜仲葉の水抽出物分画物、および当該分画物を含む経口摂取用組成物、医薬組成物、食品組成物、医薬および食品に関する。さらに本発明は、当該分画物の製造方法に関する。
杜仲(Eucommia ulmoides oliver)は、中国中央部起源のトチュウ科トチュウ属の一科一属一種に分類される落葉性木本類で、樹高が20mに達する喬木である。杜仲は、一般にお茶と称するツバキ科の植物と比較し、カフェインを全く含んでいないほか、含有物も異なる。杜仲葉は、1980年代から飲料としての用途が普及している。
杜仲茶用の茶葉の製造は、従来は、産地で収穫した茶葉を天日乾燥し、この乾燥品を通常100〜140℃で30から50分間焙煎し、さらに適当な大きさに切断することにより行われていたが、このようにして製造された茶葉において十分な水抽出を行うためには、10分以上の煮沸が必要であった。その後、杜仲生葉を蒸熱した後に、揉捻工程、焙煎工程に付す方法などが開示され、短時間での杜仲葉成分の熱水抽出が可能となった(特許文献1を参照)。
また、通常の杜仲茶用の茶葉は、天日乾燥および焙煎などの工程において緑色から茶褐色に変色し、それに伴って茶葉に含まれる成分も変化する。一方、緑色の杜仲茶を製造するため、および生の杜仲葉の成分をより多く抽出液に含ませるために、緑色の杜仲茶葉を製造するための方法も開発されている(特許文献2〜4を参照)。
天然物由来の食品や漢方薬は、一般に副作用が少ないなどの利点を有することから、近年において発生が増加している生活習慣病に対してのその有用性が注目されている。上述の杜仲に関しても、杜仲葉の成分のリパーゼ阻害活性について検討した例もいくつかの報告がされている(特許文献5〜9を参照)。
特開平8−173110号公報 特許2775418号明細書 特開平11−155537号公報 特開2005−287469号公報 特開2005−289950号公報 特開2005−289951号公報 特開2003−342185号公報 特開2002−179586号公報 特開2002−275077号公報
杜仲葉の飲料としての使用については、生葉の成分を保持させることを意図した緑色の杜仲茶葉を製造方法が検討されているが、杜仲葉から抽出して飲料を供するためには抽出用器具などが必要となり、より簡便に杜仲茶を供するために使用することができる水抽出物の調製方法が求められていた。さらに、当該水抽出物については、杜仲葉に含まれる薬効成分を十分に含むと共に、通常の方法で調製した杜仲茶と同程度の風味を有し、かつ優れた保存性を有することが求められる。
得られた分画物は、医薬または食品としての加工時においても、取り扱いが容易で長期保存性を有することが望まれている。
したがって、本発明は、杜仲葉の成分、特に杜仲茶の成分を十分に含み、水に溶解した際に杜仲茶と同様の風味を有する水抽出物の分画物の製造方法;特定の成分を高濃度で含有し加工時の取り扱いが容易な杜仲葉成分の分画物;および当該分画物を含む飲料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題解決のために鋭意研究を進めたところ、杜仲葉成分の特定の分画物に、好ましい特性を見いだし、本発明を完成させた。
すなわち本発明の一つの側面によれば、乾燥杜仲葉から得られる杜仲葉水抽出物を逆相の合成吸着剤に吸着させ、水で溶出する成分を得る工程を含む製造方法により得られる、杜仲葉水抽出物分画物が提供される。
本発明の別の側面によれば、前記水で溶出する成分として得られる分画物を濃縮し、減圧乾燥し、粉体を得る工程をさらに含む製造方法により得られる、本発明として既に定義した杜仲葉水抽出物分画物が提供される。ここで当該粉体は、特には限定されないが、例えばタール分と分離することにより得ることができる。分画物の濃縮方法は、特には限定されず、例えば、常圧下での加熱による水分の留去、および減圧下での水分の留去などの方法により行うことができ、例えば、ロータリーエバポレーターや凍結乾燥機などを使用してもよい。本発明においては、例えば、常圧下で加熱することによりある程度の水分の留去し、その後、ロータリーエバポレーターなどを使用してさらに濃縮することもできる。
さらに、本発明の別の側面によれば、溶媒を留去した後の固形成分として、当該固形成分の総量に対しアスペルロサイドの含有量が1重量%以下である、本発明として既に定義した杜仲葉水抽出物分画物が提供される。
さらに、本発明の別の側面によれば、0.3重量%水溶液としたときの560nmにおける吸光度(OD560)が一定値以下である、本発明として既に定義した杜仲葉水抽出物分画物が提供される。ここで、前記吸光度は、例えば0.06以下、好ましくは0.058以下、より好ましくは0.055以下であってもよい。なお、吸光度は、特に限定はされないが株式会社島津製作所製、分光光度計UV―1200により、杜仲葉水抽出物分画物を蒸留水に溶解させ、直ちに測定される。
さらに、本発明の別の側面によれば、前記乾燥杜仲葉が、杜仲生葉を蒸熱する工程;杜仲葉を攪拌および/または揉圧しながら乾燥する工程;および杜仲葉に対して遠赤外線を照射することにより杜仲葉を乾燥する工程を含む製造方法により得られる、本発明として既に定義した杜仲葉水抽出物分画物が提供される。
さらに、本発明の別の側面によれば、錠剤の成分として使用される、本発明として既に定義した杜仲葉水抽出物分画物が提供される。
さらに、本発明の別の側面によれば、本発明として既に定義した杜仲葉水抽出物分画物を含む医薬が提供される。
さらに、本発明の別の側面によれば、水に溶解して飲料として使用される、本発明として既に定義した杜仲葉水抽出物分画物が提供される。
さらに、本発明の別の側面によれば、本発明として既に定義した杜仲葉水抽出物分画物を含む食品が提供される。ここで、当該食品は、特には限定されないが、例えば、機能性食品、健康食品、健康補助食品、栄養補助食品、保険機能食品、特定保険用食品または栄養機能食品であってもよい。
さらに、本発明の別の側面によれば、本発明として既に定義した杜仲葉水抽出物分画物の水溶液が提供される。当該水溶液は、例えば、飲料として使用されうる。
さらに、本発明の別の側面によれば、乾燥杜仲葉から得られる杜仲葉水抽出物を逆相の合成吸着剤に吸着させ、水で溶出する成分を得る工程を含む、杜仲葉水抽出物の分画物の製造方法が提供される。
さらに、本発明の別の側面によれば、前記水で溶出する成分として得られる分画物を濃縮し、減圧乾燥し、粉体を得る工程をさらに含む、本発明として既に定義した杜仲葉水抽出物分画物の製造方法が提供される。
さらに、本発明の別の側面によれば、溶媒を留去した後の固形成分として、当該固形成分の総量に対しアスペルロサイドの含有量が1重量%以下である、本発明として既に定義した杜仲葉水抽出物分画物の製造方法が提供される。
さらに、本発明の別の側面によれば、アスペルロサイドの含有量が当該固形成分の総量に対し1重量%以下である、固体の杜仲葉水抽出物分画物が提供される。
本発明により、杜仲葉水抽出物の分画物は、ゲニポシド酸、クロロゲン酸などの杜仲茶の成分を十分に含み、さらにその水溶液は杜仲茶と同様の風味を有する。さらに、当該分画物は好ましい貯蔵安定性を有するため、飲料の原料として有用である。また、本発明の分画物から得られる水溶液は、長時間保存した場合にも色調の変化が少ないという特徴を有し、飲料として好ましい性質を有している。
さらに本発明に係る分画物は、杜仲茶の主な成分を十分に含むため、当該成分を効率よく摂取するための医薬、食品の製造において有用である。
本発明の具体的な態様
以下、本発明をさらに具体的に説明する。
本発明の分画物には、例えば杜仲葉に含まれる配糖体成分であるイリドイド化合物が含まれる。その具体例には、例えば、ゲニポシド酸、アスペルロサイド、アスペルロサイド酸(asperulosidic acid)、デアセチルアスペルロサイド酸、スカンドサイド 10−O−アセテート、オークビンなどが含まれる。
本発明における杜仲葉水抽出物は、例えば乾燥杜仲葉を使用して調製される。当該乾燥杜仲葉は、特には限定されないが、例えば杜仲生葉を特定の工程に付すことにより調製されうる。ここで、杜仲生葉は、収穫後乾燥前の杜仲葉を意味するものであり、栽培により生産されたものであっても天然より採取されたものであってもよい。例えば、当年葉で落葉前の生葉を用い、採取時期は4月から10月、好ましくは5月から8月、より好ましくは7月から8月までの生葉を用いることができる。
本発明の杜仲生葉は、そのまま用いてもよいが、裁断したものを用いてもよい。従って、本願発明は、杜仲生葉を裁断する工程をさらに含んでいてもよい。杜仲生葉は、例えば5〜30mm程度、好ましくは10〜20mm程度の幅に切断して用いてもよい。好ましくは、本発明においては裁断されていない杜仲生葉が用いられる。裁断されていない杜仲生葉を利用することにより、その後の乾燥工程において、緩やかな乾燥が可能となり、乾燥中に葉が崩れることによる歩留まりの低下、および杜仲葉の変色を抑制することができる。
本発明における杜仲生葉の蒸熱工程は、市販されている蒸し機またはオートクレーブなどを用いて、当該技術分野で通常行われている方法により実施することができる。例えば、ネットコンベア上に杜仲生葉を広げ、ボイラーから供給される無圧蒸気を充満させた処理室を通過させることにより、杜仲生葉を蒸熱処理することができる。例えば、宮村鉄工株式会社製、給葉機、地上型1500およびネットコンベア、送帯式1000などを用いることができる。蒸熱温度は、杜仲葉の大きさに応じて、例えば90〜120℃、好ましくは95〜110℃、より好ましくは100〜110℃の範囲で適宜選択されうる。また蒸熱時間も、10〜240秒間、好ましくは20〜180秒間、より好ましくは20〜120秒間の範囲で適宜選択されうる。また、使用する蒸気量は、例えば200〜70L/分、好ましくは170〜100L/分の範囲で適宜選択されうる。蒸し葉の処理量は、生葉の水分率に応じて、例えば3〜10kg/分、好ましくは4〜8kg/分、より好ましくは5〜7kg/分の範囲で適宜選択されうる。この蒸熱工程は、杜仲葉を褐色に変色させる酵素が失活することにより杜仲葉の緑色が保たれやすくなる;および、杜仲葉が柔らかくなることで、蒸熱工程の後の杜仲葉を攪拌および/または揉圧しながら乾燥する工程の実施が容易になる、などの効果をもたらす。
蒸熱処理された杜仲葉は、そのまま次の工程に使用することもできるが、冷却後に次の工程で使用することもできる。ここでの冷却は、送風などにより荒熱を取り除くことにより行われうる。
本発明において、杜仲葉を攪拌および/または揉圧しながら乾燥する工程は、例えば、市販されている連続式葉打機、回転式葉打機、回分型葉打機または粗揉機などを用いて、当該技術分野で通常行われている方法により実施することができる。例えば市販の葉打機としては、カワサキ機工株式会社製、葉打機(回分型)60K、90K、120Kおよび180Kなどを用いることができる。例えば、本工程における揉圧は、適当な弾性を有する板バネで支えられた「より手」が葉打機内で回転し、処理胴の壁面に杜仲葉を押さえつけることにより行われる。また、本工程における攪拌は、葉打機に取り付けられた「葉ざらい」が回転することにより行われる。本工程おける揉圧は、緩やかに行うのが好ましく、例えば葉ざらいの回転のみで行ってもよい。乾燥方法は特に限定されないが、好ましくは杜仲葉に熱風を送ることにより行われる。ここで熱風の温度は、特に限定されないが、例えば70〜120℃、好ましくは75〜110℃の範囲から適宜選択されうる。また本工程に要する時間は、10〜60分間、好ましくは15〜50分間、より好ましくは20〜40分間の範囲で適宜選択されうる。例えば本工程は、100℃で20〜30分間行うことができる。本工程により、杜仲葉各部分の水分を均一に保ちつつ効率よく杜仲葉が乾燥される。また本工程における攪拌および/または揉圧により、杜仲葉に含まれる糖質、脂質などの粘性物質が杜仲葉から分離され、その結果得られる杜仲茶の「えぐ味」および「青臭さ」が低減される。本工程は、好ましくは、水分の杜仲葉表面からの蒸散速度と杜仲葉内部での水分拡散速度が平衡となるように行われる。また、得られる杜仲茶の「えぐ味」および「青臭さ」を低減するために、葉打ち機内の密封性が高いほうが好ましい。このような条件を保ちながら行うことにより、杜仲葉表面がしめった状態を保ち、杜仲葉の表面温度を一定範囲内に保つことができ、杜仲生葉の変色を抑制しつつ乾燥させることが可能となる。ここで、本工程における乾燥時の杜仲茶葉表面温度は、例えば30〜60℃、好ましくは40〜50℃である。本工程を経て得られる杜仲葉の水分量は、例えば乾量基準で30〜45%、好ましくは30〜40%、より好ましくは30〜35%である。
本発明においては、「杜仲葉を攪拌および/または揉圧しながら乾燥する工程」と「杜仲葉を乾燥する工程」の間に、杜仲葉の水分を均一化する工程が含まれていてもよい。本発明において、杜仲葉中の水分を均一化する工程は、例えば市販されている揉捻機、粗揉機または中揉機を用いて、当該技術分野で通常行われている方法により実施することができる。例えば市販の揉捻機としては、株式会社寺田製作所製、揉捻機60Kg型などを用いることができる。本工程における杜仲葉中の水分の均一化は、例えば、揉捻機の揉捻盤と回転胴の間に杜仲葉が挟まれ、かつ揉捻盤により加圧されると同時に回転胴が回転することにより行われる。杜仲葉は葉肉、葉脈、葉軸の順に乾燥するので、例えば葉肉の乾燥度が十分な場合でも葉軸にはまだ余分な水分が残っている。従って、本工程により、杜仲葉中の水分が均一に整えられ、部分乾燥による粉体化が抑制されるのと同時に、乾燥に要する時間を短縮することができる。本工程は、必要に応じて加熱下で行うこともできるが、好ましくは加熱せずに行われる。また本工程に要する時間は、10〜80分間、好ましくは20〜60分間、より好ましくは30〜45分間の範囲で適宜選択されうる。例えば本工程は、常温で40分間行うことができる。本工程中に揉捻盤による加圧がなされるが、工程開始時の無加圧時間は、0〜10分間、好ましくは2〜8分間、より好ましくは4〜5分間の範囲で適宜選択されうる。本工程を経て得られる杜仲葉の水分量は、例えば乾量基準で25〜40%、好ましくは25〜35%である。
本発明に「杜仲葉中の水分を均一化する工程」が含まれる場合、杜仲葉を乾燥する工程の前に、追加の「杜仲葉を攪拌および/または揉圧しながら乾燥する工程」および「杜仲葉中の水分を均一化する工程」、または「杜仲葉を攪拌および/または揉圧しながら乾燥する工程」が含まれていてもよい。これらの工程を繰り返すことにより、不要な脂質などがさらに取り除かれた杜仲茶葉を得ることができる。
「杜仲葉を攪拌および/または揉圧しながら乾燥する工程」を追加する場合、当該工程は上述の方法および条件で行うことができ、熱風の温度は、特に限定されないが、例えば50〜110℃、好ましくは55〜105℃の範囲から適宜選択されうる。また本工程に要する時間は、5〜45分間、好ましくは10〜40分間、より好ましくは10〜35分間の範囲で適宜選択されうる。例えば70℃で20〜30分間行うことができる。
「杜仲葉中の水分を均一化する工程」を追加する場合、当該工程は上述の方法および条件で行うことができ、また本工程に要する時間は、10〜80分間、好ましくは20〜60分間、より好ましくは30〜45分間の範囲で適宜選択されうる。例えば常温で40分間行うことができる。
本発明の杜仲葉を乾燥する工程は、例えば、市販されている乾燥機を用いて当該技術分野で通常行われている方法により実施することができる。本工程における乾燥方法は、特に限定はされないが、例えば、搬送コンベア上の杜仲葉を、熱風発生器による熱風で満たされた高温の乾燥室内を移動させることにより行うことができる。例えば、株式会社寺田製作所製、乾燥機ND120型により行われうる。ここで熱風の温度は、特に限定されないが、例えば70〜100℃、好ましくは85〜95℃の範囲から適宜選択されうる。また本工程に要する時間は、5〜80分間、好ましくは10〜70分間、より好ましくは20〜80分間の範囲で適宜選択されうる。本工程を経て得られる杜仲葉の水分量は、例えば水分率5%以下、好ましくは水分率3%以下、より好ましくは水分率2%以下である。
本発明においては、杜仲葉に対して遠赤外線を照射することにより杜仲葉を乾燥する工程を含んでいてもよい。当該工程は、特に限定はされないが、例えば市販されている遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。例えば、山益製作所株式会社製、VR型により行われうる。ここで照射される遠赤外線の波長は、例えば1〜1000μm、好ましくは2.5〜50μm、より好ましくは3〜30μmの範囲から適宜選択される。乾燥中の照射設定温度は、例えば100〜400℃、好ましくは150〜350℃、より好ましくは200〜300℃の範囲の範囲より適宜選択されうる。また本工程に要する時間は、赤外線ランプ通過速度として30〜60秒間、好ましくは40〜55秒間、より好ましくは45〜50秒間の範囲で適宜選択されうる。本工程を経て得られる乾燥杜仲葉の水分量は、例えば水分率5%以下、好ましくは水分率3%以下、より好ましくは水分率2%以下である。
本明細書において杜仲葉水抽出物は、乾燥杜仲葉1kgに対して、例えば5〜50kg、好ましくは10〜30kg、より好ましくは15〜20kgから適宜選択される量の水が用いることができる。抽出温度は、例えば85〜98℃、好ましくは90〜95℃の範囲から適宜選択されうる。抽出時間は、特に限定はされないが、例えば10〜120分、好ましくは20〜90分、より好ましくは30〜60分から適宜選択されうる。
抽出液の濾過は、例えば、ざる、または30〜200メッシュのフィルターなどを用いて行われうる。濾液は濃縮を行う前に一定時間静置してもよい。静置することにより発生する沈殿物を除去することにより、不要物を取り除くことができる。静置する時間は、特に限定はされないが、例えば1〜24時間、好ましくは6〜20時間、より好ましくは8〜18時間から適宜選択されうる。静置する際の温度は、特に限定はされないが、例えば0〜35℃、好ましくは0〜16℃、より好ましくは2〜8℃から適宜選択されうる。
こうして得られる杜仲葉抽出液をそのまま使用することもできるが、遠心分離に付して生じる沈殿を除去した後に得られる上澄みを次の工程に使用することもできる。さらに、当該上澄み液を濃縮して使用することもできる。
本発明で使用される「逆相の合成吸着剤」は、天然成分の分離などに通常使用されるものであれば特に限定されないが、ポリスチレンゲル(ポリスチレン・ジビニルベンゼン共重合体など)、例えば、MCIGEL CHP10M/CHP2MGM、SEPABEADS CHP20A/CHP20Y/CHP55A/CHP55Y/CHP20P/SP20SS/HP2MGY/SP207/SP825/SP850/SP70/SP700、Diaion HP20/HP21/HP2MGなどが挙げられ、工業的スケールにおける製造の観点から好ましくはDiaion HP20が使用される。当該吸着剤は、例えばカラムの担体として使用することができる。使用される吸着剤の量は、杜仲葉抽出液110Lに対して、例えば10000〜18000g、好ましくは15000〜18000gの範囲から選択されうる。
本発明の1つの態様において、逆相の吸着剤を充填させたカラムに杜仲葉抽出液を注入し、その後1定量の水を溶出液として使用して溶出する成分を本発明の分画物として得ることができる。ここで、溶出液として使用する水の量は特には限定されないが、例えば、吸着剤17200g対して、70〜110Lの範囲から選択される量で使用することができる。
溶媒を留去した後の固形成分中のアスペルロサイドの含有量は、例えば、HPLCなどを使用した分析方法(吸光度の測定波長:215nm)により決定されうる。アウクビン(吸光度の測定波長:215nm)、クロロゲン酸(吸光度の測定波長:215nm)およびゲニポシド酸(吸光度の測定波長:215nm)についても同様の方法により含有量を測定することができる。
本発明の分画物は粉体として得ることができる。当該粉体に含まれるアスペルロサイドの含有量は、溶媒を留去した後の固形成分総量に対し1重量%以下である。一例として0.01重量%以下が挙げられる。
当該粉体に含まれるアウクビンの含有量は、溶媒を留去した後の固形成分総量に対し15.0〜18.0重量%であり、好ましくは16.0〜18.0重量%、より好ましくは16.4〜17.4重量%である。一例として16.9重量%が挙げられる。
当該粉体に含まれるクロロゲン酸の含有量は、溶媒を留去した後の固形成分総量に対し5.61〜6.85重量%であり、好ましくは5.92〜6.54重量%、より好ましくは6.04〜6.42重量%である。一例として6.2重量%が挙げられる。
当該粉体に含まれるゲニポシド酸の含有量は、溶媒を留去した後の固形成分総量に対し6.50〜7.94重量%であり、好ましくは6.86〜7.58重量%、より好ましくは7.00〜7.44重量%である。一例として7.2重量%が挙げられる。
当該粉体に含まれるアウクビン、クロロゲン酸、ゲニポシド酸の含有量の総量は、溶媒を留去した後の固形成分総量に対し27.11〜32.79重量%であり、好ましくは28.78〜32.12重量%、より好ましくは29.44〜31.26重量%である。一例として30.3重量%が挙げられる。
また、本発明の分画物はタール状物として得ることができる。当該タール状物に含まれるアスペルロサイドの含有量は、溶媒を留去した後の固形成分総量に対し1重量%以下であり、一例として0.01重量%以下が挙げられる。
当該タール状物に含まれるアウクビンの含有量は、溶媒を留去した後の固形成分総量に対し13.5〜16.5重量%であり、好ましくは14.3〜15.8重量%、より好ましくは14.6〜15.4重量%である。一例として15.0重量%が挙げられる。
当該タール状物に含まれるクロロゲン酸の含有量は、溶媒を留去した後の固形成分総量に対し5.14〜6.28重量%であり、好ましくは5.42〜6.00重量%、より好ましくは5.54〜5.88重量%である。一例として5.7重量%が挙げられる。
当該タール状物に含まれるゲニポシド酸の含有量は、溶媒を留去した後の固形成分総量に対し5.90〜7.22重量%であり、好ましくは6.23〜6.89重量%、より好ましくは6.36〜6.76重量%である。一例として6.6重量%が挙げられる。
当該タール状物に含まれるアウクビン、クロロゲン酸、ゲニポシド酸の含有量の総量は、溶媒を留去した後の固形成分総量に対し24.54〜30.0重量%であり、好ましくは25.95〜28.69重量%、より好ましくは26.50〜28.04重量%である。一例として27.3重量%が挙げられる。
水溶液として得られる分画物は、好ましくは、濃縮して使用される。濃縮率は特に限定されないが、例えば容積比で60%以下であってよく、好ましくは30%以下であり、さらに好ましくは乾固して得られる固体物として使用される。また当該濃縮は常圧下または減圧下のいずれにおいても行われうるが、好ましくは減圧下で行われる。濃縮方法は、通常使用される方法であれば特に限定されず、例えばロータリーエバポレーターなどを使用して濃縮することができる。
本発明の分画物は、血圧降下またはリパーゼ阻害などの薬効を有する医薬組成物の有効成分として使用することができる。当該医薬組成物は、種々の剤形、例えば、経口投与のためには、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、液剤、乳剤、懸濁液、溶液剤、酒精剤、シロップ剤、エキス剤、エリキシル剤などとすることができ、例えば、局所投与のためにはクリーム、ゼリー、ゲル、ペースト、軟膏などとすることができるが、これらには限定されない。当該医薬組成物は、一般に用いられる各種成分を含みうるものであり、例えば、1種もしくはそれ以上の薬学的に許容され得る賦形剤、崩壊剤、希釈剤、滑沢剤、着香剤、着色剤、甘味剤、矯味剤、懸濁化剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、補助剤、防腐剤、緩衝剤、結合剤、安定剤、コーティング剤等を含みうる。また本発明の医薬組成物は、持続性または徐放性剤形であってもよい。
本発明の分画物は、例えば錠剤の成分として使用することができる。当該錠剤は、医薬製剤の分野において通常使用される製造方法により製造され、例えば、結晶セルロース、二酸化ケイ素、ショ糖脂肪酸エステル、酵母細胞壁、グリセリンなどの添加剤を使用することができる。また、賦形剤(例えば、麦芽糖、デキストリン、サイクロデキストリン、寒天、トウモロコシたん白、リン酸三カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、植物油脂、グリセリン脂肪酸エステル、アラビアガム)を使用することもできるが、本発明の分画物は、好ましくは賦形剤を使用することなく製造することができ、杜仲葉抽出物の含有量の高い錠剤を製造することができる。得られた錠剤は、表面に粘性が少なく、包材封入後も錠剤間の溶着が生じにくい。また長期間の高温下(35℃)、例えば2週間経過しても粘着は認められない。
例えば上記錠剤の成分として使用することができる。当該錠剤は、医薬製剤の分野において通常使用される製造方法により製造され、例えば、結晶セルロース、二酸化ケイ素、ショ糖脂肪酸エステル、酵母細胞壁、グリセリンなどの添加剤を使用することができる。
例えば本発明の分画物は、粉体のまま使用することができる。当該粉体は、粒状でも粘性が少なく吸湿性も低いため、包材封入も容易である。また、包材封入後も粉体の溶着・固化が生じにくい。長期間の高温下(35℃)、例えば2週間経過しても粒状を保つ。
本発明の抗肥満剤の投与量は、患者の体型、年齢、体調、疾患の度合い、発症後の経過時間等により、適宜選択することができ、本発明の医薬組成物は、治療有効量および/または予防有効量の抗肥満剤を含むことができる。例えば本発明の杜仲葉粉砕物またはその水抽出物として、一般に10〜50000mg/日/成人、好ましくは100〜5000mg/日/成人の用量で使用される。当該医薬組成物の投与は、単回投与または複数回投与であってもよく、例えば他の抗肥満剤などの他の薬剤と組み合わせて使用することもできる。
本発明に係る食品は、液体飲料および固形の食品を含む。当該食品は、医薬部外品、他の飲食物などの成分、食品添加物などとして使用することができる。また本明細書における経口摂取用組成物は、そのまま機能性食品として使用できるほか、医薬品、医薬部外品、飲食物等の成分、食品添加物などとして使用することができる。当該使用により、本発明の肥満改善効果および動脈硬化予防剤を有する当該食品または経口摂取用組成物の日常的および継続的な摂取が可能となり、肥満の効果的な改善、および肥満に関連する疾患(例えば、高血圧症、高脂血症、糖尿病、)の効果的な予防が可能となる。
本発明の抗肥満剤を含む食品または飲料の例としては、降圧効果、リパーゼ阻害効果もしくは肥満抑制効果などを有する機能性食品、健康食品、健康補助食品、栄養補助食品(栄養ドリンク等)、保険機能食品、特定保険用食品、栄養機能食品、一般食品(ジュース、菓子、加工食品等)などが含まれる。本明細書における食品または飲料は、任意の添加物として、鉄およびカルシウムなどの無機成分、種々のビタミン類、オリゴ糖およびキトサンなどの食物繊維、大豆抽出物などのタンパク質、レシチンなどの脂質、ショ糖および乳糖などの糖類を含むことができる。
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1] 合成吸着剤による乾燥杜仲葉水抽出物分画物の調製
乾燥杜仲葉は、特開2005−1287469号公報の実施例4の記載に基づいて製造される乾燥杜仲葉を使用した。
乾燥杜仲葉(10kg)にイオン交換水(70L)を加え、65℃で7時間加熱した。加熱後、一晩放置した。ざる(テトロン3号)を使用して杜仲葉残渣を除去した後に、連続遠心分離を行い(遠心加速度:9340xg;S型超高速遠心分離機U−6−H:関西遠心分離機製作所社製)、上澄み液(約55L)を得た。同様の手法でもう1バッチ行い、杜仲葉抽出物を合わせて約110Lの溶液として得た。
得られた溶液を、Diaion HP20を充填したカラム(直径135x長さ1200mm)に注入した。カラムから溶出する水溶液を回収し、その後さらに70Lの水を使用して水により溶出を行った。
得られた水溶液を、減圧下(0.5kPa)、65℃で濃縮し、タール状物表面に生じる粉体を都度取り除きながら乾固させ。溶液画分総量中(4520.0g)、粉体の画分A(1930.0g)とタール状の画分B(2590.0g)を得た。
[実施例2] 乾燥杜仲葉水抽出エキスの調製
乾燥杜仲葉は、特開2005−1287469号公報の実施例4の記載に基づいて製造される乾燥杜仲葉を使用した。乾燥杜仲葉(2.3kg)にイオン交換水(16L)を加え、65℃で7時間加熱した。加熱後、一晩放置した。ざる(テトロン3号)を使用して杜仲葉残渣を除去した後に、連続遠心分離を行い(遠心加速度:9340xg;S型超高速遠心分離機U−6−H:関西遠心分離機製作所社製)、上澄み液(約12L)を得た。
得られた溶液を、減圧下(0.5kPa)、65℃で乾固するまで濃縮し、乾燥杜仲葉水抽出エキス(652g)を固体として得た。
[実施例3] 杜仲葉水抽出物分画物の色調変化試験
(1)試験方法
試験溶液は、乾燥杜仲葉水抽出エキス、画分Aおよび画分Bをそれぞれ1.5g秤量し、蒸留水を加え500gとなるように調整し、攪拌し試験液とした。試験溶液は、透明の密封容器に封入し40℃下の環境下で2週間保管した。試験液の評価は、試験溶液での目視評価と分光高度計(UV―1200:島津製作所社製)により吸光度をOD560およびOD720の波長で測定を行った。
(2)結果
結果を表1と図2に示す。図2に示すとおり試験液の色調は、乾燥杜仲葉水抽出エキスでは濁りのない薄茶褐色を呈しているのに対して、画分Aおよび画分Bは無色であった。40℃の環境下で2週間の試験液の色調は、乾燥杜仲葉水抽出エキスでは濁りのない濃茶褐色を呈しているのに対して画分Aおよび画分Bでは僅かな着色がみられたもののほぼ無色であった。次に試験液のOD560(色調)の吸光度は、乾燥杜仲葉水抽出エキス、画分Aおよび画分Bそれぞれ試験開始時に比較して2週間後の数値の上昇が認められたが、乾燥杜仲葉水抽出エキスに比較して画分Aおよび画分Bの数値変化は僅かであった。次に試験液のOD720(透視度)の吸光度は、乾燥杜仲葉水抽出エキス、画分Aおよび画分Bそれぞれ試験開始時に比較して2週間後の数値の上昇が認められたが、乾燥杜仲葉水抽出エキスに比較して画分Aおよび画分Bの数値変化は僅かであった。
[実施例4] 杜仲葉水抽出物分画物の粘度試験
(1)試験方法
試験溶液は、実施例3の試験溶液を供試した。試験液の粘度の評価は、デジタル粘度計(DV−II+:Brook Field社製)を用いて、超低粘度用ULアダプターにより計測を行った。
(2)結果
結果を表2に示す。試験液の粘度は、乾燥杜仲葉水抽出エキスおよび画分Bと比較し、画分Aの粘度が低かった。
[実施例5] 杜仲葉水抽出物分画物の味覚試験
(1)試験方法
試験溶液は、実施例3の試験溶液を供試した。試験液の味覚評価は、味覚センサー(味認識装置SA402B:インセント社製)を用いて計測を行った。
(2)結果
結果を表3及び図に示す。各試験液の味覚は、それぞれの嗜好項目についてほぼ同じ値を示しており、嗜好性が一致することが明らかとなった。
[試験例1] 杜仲葉水抽出物分画物の含有成分
(1)試験方法
試験溶液は、実施例3の試験溶液を供試した。試験液の含有成分は、アウクビン(aucubin)、アスペルロサイド(asperuloside)、ゲニポシド酸(geniposidic acid)およびクロロゲン酸(chlorogenic acid)を標準物質として用いた。分析方法は、HPLC(LC−6:島津製作所社製)を用いて、カラム:YMC−Pack ODS−A A−312,φ6.0mm×150mm、移動層:水/メタノール/リン酸=870/130/1、カラム温度:40℃、検出器:UV検出器(測定波長:215nm)、流速:1ml/min.として、試料溶液を注入し、クロマトグラムを得て、各指標成分のピーク面積から含量を求めた。
(2)結果
結果を表4に示す。
杜仲葉水抽出物水溶液の味覚試験の結果の一例を示す図である。 実施例3の試験液の色調を示す写真である。

Claims (16)

  1. 乾燥杜仲葉から得られる杜仲葉水抽出物を逆相の合成吸着剤に吸着させ、水で溶出する成分を得る工程を含む製造方法により得られる、杜仲葉水抽出物分画物。
  2. 前記水で溶出する成分として得られる分画物を濃縮し、粉体を得る工程をさらに含む製造方法により得られる、請求項1の杜仲葉水抽出物分画物。
  3. 溶媒を留去した後の固形成分として、当該固形成分の総量に対しアスペルロサイドの含有量が1重量%以下である、請求項1または2に記載の杜仲葉水抽出物分画物。
  4. 0.3重量%水溶液としたときの560nmにおける吸光度(OD560)が0.06以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の杜仲葉水抽出物分画物。
  5. 前記乾燥杜仲葉が、杜仲生葉を蒸熱する工程;杜仲葉を攪拌および/または揉圧しながら乾燥する工程;および杜仲葉に対して遠赤外線を照射することにより杜仲葉を乾燥する工程を含む製造方法により得られる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の杜仲葉水抽出物分画物。
  6. 錠剤の成分として使用される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の杜仲葉水抽出物分画物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の杜仲葉水抽出物分画物を含む医薬。
  8. 水に溶解して飲料として使用される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の杜仲葉水抽出物分画物。
  9. 請求項1〜6および8のいずれか1項に記載の杜仲葉水抽出物分画物を含む食品。
  10. 機能性食品、健康食品、健康補助食品、栄養補助食品、保険機能食品、特定保険用食品または栄養機能食品である、請求項9に記載の食品。
  11. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の杜仲葉水抽出物分画物の水溶液。
  12. 請求項11に記載の水溶液を含む飲料。
  13. 乾燥杜仲葉から得られる杜仲葉水抽出物を逆相の合成吸着剤に吸着させ、水で溶出する成分を得る工程を含む、杜仲葉水抽出物の分画物の製造方法。
  14. 前記水で溶出する成分として得られる分画物を濃縮し、粉体を得る工程をさらに含む、請求項13に記載の製造方法。
  15. 溶媒を留去した後の固形成分として、当該固形成分の総量に対しアスペルロサイドの含有量が1重量%以下である、請求項13または14に記載の製造方法。
  16. アスペルロサイドの含有量が固形成分の総量に対し1重量%以下である、固体の杜仲葉水抽出物分画物。
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