JP2007238415A - ポリマー被覆炭素質材料、ポリマー被覆炭素質材料の製造方法及びトナー - Google Patents

ポリマー被覆炭素質材料、ポリマー被覆炭素質材料の製造方法及びトナー Download PDF

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千恵子 斎木
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Abstract

【課題】有機溶剤、有機高分子に対する分散性を向上させたポリマー被覆炭素質材料、ポリマー被覆炭素質材料の製造方法及びトナーを提供する。
【解決手段】炭素質材料に重合開始剤とともにモノマーを配合し、該モノマーを懸濁重合法、塊状重合法又は溶液重合法により重合させて前記炭素質材料の表面に前記モノマーの重合体からなる被覆を設けてなるポリマー被覆炭素質材料であって、前記重合開始剤を前記モノマー100重量部に対して1〜10重量部配合することを特徴とするポリマー被覆炭素質材料、そのようなポリマー被覆炭素質材料を製造する方法及びポリマー被覆炭素質材料を顔料として使用してなるトナーである。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素質材料の表面にモノマーの重合体からなる被覆を設けてなるポリマー被覆炭素質材料、ポリマー被覆炭素質材料の製造方法及びトナーに関する。
一般に、カーボンブラック等の炭素質材料は、樹脂や溶剤等に分散させた場合に、凝集し易く均一に分散させ難い。そこで、炭素質材料の分散性を向上させる方法として、分散剤を用いる方法(例えば特許文献1参照)、分散剤を使用しさらにビーズミル、ボールミル等の分散機を用いる方法等が提案されている。
しかしながら、分散剤を用いる方法では、例えばトナーを製造した場合に分散不良による帯電不良が発生して画像にかぶり等が生じ易い。一方、ビーズミル等の分散機を用いる方法では、炭素質材料の分散性が不十分である。また、特許文献2には、カーボンブラック等の炭素質材料の表面をポリマーで被覆して表面改質する方法も提案されているが、十分な分散性が得られていない。
特開平5−70511号公報 特表2002−527564号公報
本発明の目的は、このような課題に対処するためになされたもので、有機溶媒、有機高分子等に対する分散性を向上させたポリマー被覆炭素質材料、ポリマー被覆炭素質材料の製造方法及びトナーを提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、重合開始剤の配合量を最適化して炭素質材料の表面にモノマーの重合体からなる被覆を設けることにより、有機溶媒、有機高分子等に対する分散性を著しく向上させたポリマー被覆炭素質材料が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の請求項1に記載のポリマー被覆炭素質材料は、炭素質材料に重合開始剤とともにモノマーを配合し、該モノマーを懸濁重合法、塊状重合法又は溶液重合法により重合させて前記炭素質材料の表面に前記モノマーの重合体からなる被覆を設けてなるポリマー被覆炭素質材料であって、前記重合開始剤を前記モノマー100重量部に対して1〜10重量部配合することを特徴とする。
請求項2に記載のポリマー被覆炭素質材料は、請求項1に記載のポリマー被覆炭素質材料において、前記炭素質材料は、カーボンブラック、炭素繊維およびカーボンナノチューブから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
請求項3に記載のポリマー被覆炭素質材料は、請求項1又は2に記載のポリマー被覆炭素質材料において、前記重合開始剤は、アゾ系化合物又は過酸化物であることを特徴とする。
請求項4に記載のポリマー被覆炭素質材料は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリマー被覆炭素質材料において、前記炭素質材料を前記モノマー100重量部に対して10〜70重量部配合することを特徴とする。
請求項5に記載のポリマー被覆炭素質材料は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリマー被覆炭素質材料において、前記重合体の重量平均分子量が1,000〜20,000であることを特徴とする。
請求項6に記載のポリマー被覆炭素質材料の製造方法は、炭素質材料に重合開始剤とともにモノマーを配合する工程と、前記モノマーを懸濁重合法、塊状重合法又は溶液重合法により重合させて前記炭素質材料の表面に前記モノマーの重合体からなる被覆を設ける工程とを有するポリマー被覆炭素質材料の製造方法であって、前記重合開始剤を前記モノマー100重量部に対して1〜10重量部配合することを特徴とする。
請求項7に記載のトナーは、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリマー被覆炭素質材料を顔料として使用してなることを特徴とする。
本発明によれば、有機溶媒、有機高分子等に対する分散性を向上させたポリマー被覆炭素質材料、ポリマー被覆炭素質材料の製造方法及びトナーを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリマー被覆炭素質材料は、炭素質材料に特定量の重合開始剤とともにモノマーを配合し、モノマーを懸濁重合法、塊状重合法又は溶液重合法により重合させて得られる。
本発明において使用されるモノマーとしては、オレフィン系単量体が好適である。具体的には、アクリル酸塩、スチレン、ブチルアクリレート、メタクリル酸塩、ジエン、ビニルエステル、マレイン酸無水物、スルホン酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロリジノン等が挙げられる。好ましくは、スチレン、アクリル酸塩、メタクリル酸塩であり、1種または2種以上を混合して用いてもよい。本発明では、重合反応によって、モノマーの少なくとも1個の有機基を炭素質材料の表面に結合させることができる。例えば、アクリル基、スチレン基をそれぞれ有する2種類のモノマーを重合反応によって炭素質材料の表面に結合させた場合には、両者の二重結合がラジカルグラフト部位となる。
本発明において使用される重合開始剤としては、ラジカル重合を開始させることが可能であればよく、例えば、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート、4,4−アゾビス−4−シアノバレル酸、2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシルジエチルヘキサネート等の過酸化物;アルカリ金属、金属水酸化物、グリニャ−ル試薬のような求核試薬、プロトン酸、ハロゲン化金属、安定カルボニウムイオン等が挙げられる。これらを1種または2種以上を混合して用いてもよい。本発明では、重合開始剤の使用量は通常より多く用いる。その使用量は、モノマー100重量部に対して1〜10重量部である。1重量部未満であると、重合反応が不完全になり、炭素質材料表面へのポリマーの被覆が不十分になり、得られたポリマー被覆炭素質材料が粒子状になり難い。一方、10重量部を越えると、重合速度が速く発熱をともなう。
本発明において使用される炭素質材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、カーボンブラック、グラファイト、人造黒鉛、ガラス質炭素、活性チャコール、炭素繊維、カーボンナノチューブ等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して用いてもよい。その形状も特に限定されるものではないが、細かく粉砕された形状であることが好ましい。その使用量は、モノマー100重量部に対して10〜70重量部である。10重量部未満では、炭素質材料に対するポリマーの被覆量が多過ぎるため、得られたポリマー被覆炭素質材料を溶剤等に分散させた場合に沈降し易い。一方、70重量部を越えると、炭素質材料に対するポリマーの被覆が不十分になる。
重合方法としては、懸濁重合、溶液重合又は塊状重合のいずれかの方法であればよい。
溶液重合または塊状重合において、使用する水系媒体としてはラジカル重合の発生を可能にするものであればよい。水系媒体の使用量は、炭素質材料表面の少なくとも一部がモノマーの重合体で被覆可能な量であればよい。
適用する重合法等に応じて、その他任意成分としてジビニルベンゼン等の架橋剤、リン酸カルシウム、デンプン等の重合安定剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、界面活性剤、分散安定剤等を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもよい。
重合禁止剤は、モノマーの重合を禁止または抑制する作用を有するものである。具体的には、安定ラジカルによるラジカルの捕捉により重合を禁止または抑制するものとして、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル、1,3,5−トリフェニルフェルダジル、2,6−ジt−ブチル−α−(3,5−ジt−ブチル−4−オキソ−2,5−シクロヘキサンジエン−1−イリデン)−p−トリルオキシ、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン−1−オキシル、N−(3−N−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)−アニリンオキシド、2−(2−シアノプロピル)フェルダジル等;連鎖移動反応により重合を禁止または抑制するものとして、ジフェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルアミン、ジエチルヒドロキシルアミンのごとき活性なNH結合を有するもの、ヒドロキノン、t−ブチルカテコールのごときフェノール性OH結合を有するもの、ジチオベンゾイルジスルフィド、p,p’−ジトリルトリスルフィド、p,p’−ジトリルテトラスルフィド、ジベンジルテトラスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド等、付加反応により重合を禁止または抑制するものとして、酸素、硫黄、アントラセン、1,2−ベンズアントラセン、テトラセン、クロラニル、p−ベンゾキノン、2,6−ジクロルベンゾキノン、2,5−ジクロルベンゾキノンのごときベンゾキノン誘導体、フリフルデンマロノニトリル、トリニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼンのごときニトロ化合物、ニトロソベンゼン、2−メチル−2−ニトロソプロパンのようなニトロソ化合物、塩化第二鉄、臭化第二鉄のような金属塩等が挙げられる。
ラジカル重合における重合温度は40℃以上、好ましくは50〜90℃の範囲である。40℃未満であると、触媒活性の高い重合開始剤を使用することが必要になり、重合反応の制御が困難になる。また、重合時間は、重合温度や用いる重合開始剤の種類等によっても異なるが、通常、4〜12時間、好ましくは4〜6時間である。重合雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
次に、ポリマー被覆炭素質材料の製造方法について説明する。本発明では、懸濁重合法、塊状重合法または溶液重合法を用いて、ポリマー被覆炭素質材料を製造することができる。
以下、懸濁重合法を用いた一例を説明する。
まず、モノマーと、炭素質材料と、重合開始剤とを混合、分散させて油相を得る。さらに必要に応じて、公知の界面活性剤、分散安定剤等を配合することができる。なお、各成分の添加順序は特に限定されるものではない。
界面活性剤は、懸濁液を安定化させる作用を有する。界面活性剤は、後述する水相に添加してもよい。界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。その使用量は、モノマー100重量部に対して0.01〜0.2重量部である。例えばステアリン酸マグネシウムを使用する場合には、その使用量は0.03〜0.07重量部であることが好ましい。
分散安定剤は、後述する水相に添加してもよい。分散安定剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等、有機化合物として、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸およびその塩、デンプン等が挙げられる。これらの分散安定剤は、液滴として存在している粒子同士の凝集を防止する。さらに、これら液滴表面に一様に吸着することにより、液滴を安定化すると考えられる。その使用量は、モノマー100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは、1〜10重量部、より好ましくは3〜8重量部であることが好ましい。1重量部未満では、十分な重合安定性を得ることが困難であり、重合凝集物が生成しやすくなる。一方、20重量部を超えると、水溶液の粘度が大きくなって、重合安定性が低くなる。
このように調整した油相を、水などの水系媒体(水相)中に投入する。次に、高剪断力を有するクリアミックス等の混合装置を用いて分散し一定サイズの液滴に造粒する。この後、窒素ガス雰囲気中で50〜90℃に加温して、4〜12時間重合反応を行う。重合温度は、重合反応の後半に昇温させるようにしてもよい。また、未反応のモノマーや副生物等を除去するために、反応の後半または終了時に水系媒体を一部除去してもよい。
重合反応終了後、ろ過分離し、洗浄、脱水、乾燥、必要に応じて分級を行い、ポリマー被覆炭素質材料を得る。
次に、塊状重合法を用いた一例を説明する。
モノマーと、炭素質材料と、重合開始剤とを高剪断力を有する混合装置を用いて混合、分散した後、所定の温度まで加温して塊状重合を行い、ポリマー被覆炭素質材料を得る。
次に、溶液重合法を用いた一例を説明する。
モノマーと、炭素質材料と、重合開始剤と、水系媒体とを高剪断力を有する混合装置を用いて混合、分散させた後、所定の温度まで加温して溶液重合を行う。本重合法においては、水系媒体をモノマー100重量部に対して100〜500重量部使用する。重合反応終了後、室温まで冷却して生成された材料を分離し、有機溶媒に溶解して減圧蒸留を行い、ポリマー被覆炭素質材料を得る。
上述した懸濁重合法、塊状重合法又は溶液重合法を用いて得られるポリマー被覆炭素質材料は、炭素質材料の表面の少なくとも一部分、好ましくは全体がモノマーの重合体(ポリマー)で被覆されている。具体的には、炭素質材料表面の少なくとも1%がポリマーで被覆されている。その膜厚は1〜10nm程度であることが好ましい。
また、ポリマー被覆炭素質材料は、ポリマーの重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)が20,000以下、好ましくは1,000〜20,000である。20,000を超えると、ポリマー被覆炭素質材料をスチレンモノマー等の重合性単量体に分散、重合させてトナー粒子を製造する場合に、粘度が上昇し、所望の粒径のトナー粒子が得られ難い。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)により測定した値である。
本発明のポリマー被覆炭素質材料は、有機溶剤、有機高分子等に対して優れた分散性を発揮する。したがって、ポリマー被覆炭素質材料は、熱可塑性樹脂組成物や熱硬化性樹脂組成物の着色剤、電子写真用トナー、感熱転写用インクリボンコート剤、感熱転写用インク、磁気記録媒体用バックコート剤等の着色剤、ポリマーの硬度強化剤等として好適である。
以下、上記ポリマー被覆炭素質材料を顔料として使用してなる本発明のトナーについて説明する。
本発明のトナーは、上記ポリマー被覆炭素質材料を、例えばスチレンモノマー等の重合性単量体に分散し懸濁重合、乳化重合等で重合させることによって得られる。
さらに必要に応じて、その他任意成分として以下に例示するような各種添加剤を配合してもよい。
例えば、トナーの摩擦帯電性を安定化するために、荷電制御剤を含有させることができる。荷電制御剤としては、トナーの色調に影響しない無色または淡色で、トナーの帯電速度を速め、かつ、一定の帯電量を安定して維持するものが好ましく、さらに、重合阻害性がなく水系への可溶化物のないものが特に好ましい。具体的には、ネガ系荷電制御剤として、サリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の各金属化合物、サリチル酸金属塩もしくはサリチル酸誘導体の金属塩、スルホン酸もしくはカルボン酸を側鎖に有する高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が好ましく使用される。また、ポジ系荷電制御剤として、四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、ニグロシン染料、トリフェニルメタン類、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が好ましく使用される。荷電制御剤は、1種または2種以上を混合して使用することができ、その添加量は、重合性単量体100重量部あたり1〜10重量部が好ましい。
また、トナーのクリーニング性や定着性を高めるために、離型剤を含有させることができる。離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレン等のポリオレフィンワックス;キャンデリラ、カルナバ、ライス、木ロウ、ホホバ、蜜ロウ、ラノリン、モンタンワックス等の植物系天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリン、ペトロラクタム等の石油系ワックスおよびその変性ワックス;フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス;炭素数12以上の長鎖炭化水素鎖を有するカルボン酸およびそのエステル;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート等の多官能エステル化合物等が挙げられる。
市販品を例示すると、三洋化成社製のビスコール330−P、ビスコール550−P、ビスコール600−P、ビスコールTS−200、三井石油化学社製の三井ハイワックス110P、三井ハイワックス220P、三井ハイワックス660P、三井ハイワックス210P、三井ハイワックス320P、三井ハイワックス410P、三井ハイワックス420P、変性ワックスJC−1141、変性ワックスJC−2130、変性ワックスJC−4020、変性ワックスJC−5020、ペトロライト社製のポリワックス400、ポリワックス500、ポリワックス655、ポリワックス850、ポリワックス1000、サゾール社製のパラフリントHI、パラフリントC77、パラフリントC80、パラフリントC105、シェル・WDS社製のFT−100、日本精蝋社製のパラフィンワックス、日本石油社製のマイクロワックス、ヘキスト社製のPE−130、日本油脂社製のユニスターH−476、ユニスターM−9676(以上、いずれも商品名)等が挙げられる。
離型剤は1種または2種以上を混合して使用することができ、その添加量は、重合性単量体100重量部あたり3〜7重量部が好ましい。添加量があまり少ないとオフセット防止効果が不十分になり、逆にあまり多いとトナー粒子の粒度分布が広くなるうえ、流動性も低下する。
次に、本発明を実施例による具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
フラスコにスチレンモノマー200g、カーボンブラックA(三菱化学社製、MA−100)70g、重合開始剤としてAIBN15gを入れ、混合し、窒素雰囲気中、10rpmで攪拌しながら、80℃で5時間塊状重合を行い、ポリマー被覆カーボンブラックを得た。
実施例2〜7、比較例1〜2
実施例1と同様に表1に示す配合で塊状重合を行い、ポリマー被覆炭素質材料を得た。なお、表1中の炭素質材料の詳細を以下に示す。
カーボンブラックB:三菱化学社製 商品名MA−100S
カーボンブラックC:三菱化学社製 商品名♯25
カーボンナノチューブ:平均径30nm、平均長さ5μm
人造黒鉛:日本黒鉛製
カーボン繊維:東邦テナック製
実施例8
窒素雰囲気中、フラスコにスチレンモノマー200g、カーボンブラックA(三菱化学社製、MA−100)60g、重合開始剤としてADVN7gを入れ、次いでイオン交換水1000mlを加え、100rpmで攪拌しながら80℃で5時間溶液重合を行った。次に、室温まで冷却して生成された材料を分離した後、スチレンに溶解し、減圧蒸留してポリマー被覆カーボンブラックを得た。
実施例9
窒素雰囲気中、スチレンモノマー200g、重合開始剤としてAIBNを10g添加し、この重合開始剤が完全に溶解してから、界面活性剤としてステアリン酸マグネシウム0.2g、カーボンブラックA(三菱化学社製、MA−100)70gを添加して、油相を得た。
また、イオン交換水630gに、分散安定剤としてリン酸カルシウム40g、2N塩酸水溶液450gを添加、混合し、次いで、4N水酸化ナトリウム260gを加え、水相を得た。
この水相を攪拌しながら、前記油相を投入し、エムテクニック社製クリアミックス15Sを用いて8000rpmで15分間処理して液滴を造粒した。
その後、この液滴分散液を攪拌しながら、70℃のオイルバスで4時間、80℃で2時間、さらに90℃で1時間、懸濁重合を行った。重合反応終了後、分散液を固液分離し、イオン交換水による水洗、希塩酸による洗浄、イオン交換水による水洗を行い、40℃の温風で乾燥させて、ポリマー被覆カーボンブラックを得た。
実施例10〜14、比較例3〜5
実施例9と同様に表2に示す配合で懸濁重合を行い、ポリマー被覆カーボンブラックを得た。なお、表2中の炭素質材料の詳細を以下に示す。
カーボンブラックB:三菱化学社製 商品名MA−100S
カーボンブラックC:三菱化学社製 商品名♯25
カーボンナノチューブ:平均径30nm、平均長さ5μm
人造黒鉛:日本黒鉛製
カーボン繊維:東邦テナック製
上記実施例および比較例で得られたポリマー被覆炭素質材料の特性を測定し、結果を表1〜2に示した。各特性は25℃において測定した値である。
[沈降性]
得られたポリマー被覆炭素質材料0.2gをメチルエチルケトン(MEK)20mlに溶解し、1週間静置した後、目視で観察し、次の基準で評価した。
○…沈降なし
×…沈降あり
[光沢]
得られたポリマー被覆炭素質材料の表面を目視で観察し、次の基準で評価した。
○…光沢あり
×…光沢なし
[重合体粒子中の分散性]
得られたポリマー被覆炭素質材料をスチレンモノマーに分散させて懸濁重合を行い、作成した粒子をABT−60型電子顕微鏡で観察し、次の基準で評価した。
○…均一に分散している。
×…凝集が見られる。
[重量平均分子量(Mw)]
得られたポリマー被覆炭素質材料をGPC分析により測定した。
[色調]
得られたポリマー被覆炭素質材料を目視で観察した。
[粒径]
得られたポリマー被覆炭素質材料をコールターカウンター法で測定した。
[誘電正接]
得られたポリマー被覆炭素質材料を100MHzでHP社製インピーダンスアナライザーにより測定した。
Figure 2007238415
Figure 2007238415
表1〜2の結果からも明らかなように、本発明のポリマー被覆炭素質材料は、比較例と比べて分散性が著しく改善されている。

Claims (7)

  1. 炭素質材料に重合開始剤とともにモノマーを配合し、該モノマーを懸濁重合法、塊状重合法又は溶液重合法により重合させて前記炭素質材料の表面に前記モノマーの重合体からなる被覆を設けてなるポリマー被覆炭素質材料であって、
    前記重合開始剤を前記モノマー100重量部に対して1〜10重量部配合することを特徴とするポリマー被覆炭素質材料。
  2. 前記炭素質材料は、カーボンブラック、炭素繊維およびカーボンナノチューブから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー被覆炭素質材料。
  3. 前記重合開始剤は、アゾ系化合物又は過酸化物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリマー被覆炭素質材料。
  4. 前記炭素質材料を前記モノマー100重量部に対して10〜70重量部配合することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリマー被覆炭素質材料。
  5. 前記重合体の重量平均分子量が1,000〜20,000であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリマー被覆炭素質材に記載のポリマー被覆炭素質材料。
  6. 炭素質材料に重合開始剤とともにモノマーを配合する工程と、前記モノマーを懸濁重合法、塊状重合法又は溶液重合法により重合させて前記炭素質材料の表面に前記モノマーの重合体からなる被覆を設ける工程とを有するポリマー被覆炭素質材料の製造方法であって、
    前記重合開始剤を前記モノマー100重量部に対して1〜10重量部配合することを特徴とするポリマー被覆炭素質材料の製造方法。
  7. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリマー被覆炭素質材料を顔料として使用してなることを特徴とするトナー。
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