JP4788361B2 - 電子写真用トナー - Google Patents
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Description
特許文献1には、DSC融点が70〜130℃、分子量Mnが100〜25,000、かつ分子量分布Mw/Mnが1.5〜3.0の、R’CH=CH2(R’:炭素数1〜28のアルキル)で表わされる1−オレフィンから誘導される単位からなる1−オレフィンポリマーワックス、を含有するトナーが提案されており(請求項1)、DSC融点が81℃〜120℃のポリプロピレンワックスを含有するトナーが開示されている。
また、特許文献2に記載のα−オレフィンを重合して成る重合体ワックスは、湿式現像用の固形トナーの媒体(すなわちトナーのマトリックス)として用いられるためのものであり、着色樹脂粒子の中に含有する成分として用いた場合、トナーの保存性が低下するという問題があった。
該着色樹脂粒子がさらに高級αオレフィン重合体を含有し、
該高級αオレフィン重合体は、
(1)炭素数が16〜24のαオレフィン単量体を重合してなる重合体であり、
(2)示差走査型熱量計(DSC)によるDSC曲線において、ピークのトップの温度と
して定義される融点(TmD)を1つ有し、かつ、
(3)該ピークの半値幅が12℃以内
であることを特徴とする電子写真用トナーが提供される。
本発明において、示差走査熱量計(DSC)による高級αオレフィン重合体の測定は、ASTM D3418−82に準拠して行ない、市販の示差走査熱量計を用いることができる。市販の示差走査熱量としては、例えば、示差走査熱量分析機(セイコーインスツル製、商品名:RDC−220)を用いることができる。また、測定は、−20℃から100℃まで10℃/分で昇温する条件により行なう。
上記のMw及びMnは、ゲルパミエーションクロマトグラフ(GPC)法により測定され、具体的には、ポリマー濃度1mg/mLの1,2,4−トリクロロベンゼン(ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)300ppmを含む)溶液240μlを用い、カラムは混合ポリスチレンゲルカラム(例えば、東ソー(株)社製、商品名:GMH6HT)を使用し、カラム温度145℃、流速1.0ml/minの条件で測定することによって求める。なお、検出には赤外検出器を使用し、波長3.41μmを用いる。
該メタロセン化合物としては、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’− ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’− ジメチルシリレン)(3−トリメチルシリルメチル−インデニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’− ジメチルシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’− ジメチルシリレン)ビス(3−n−ブチル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’− ジメチルシリレン)(n−ブチル−インデニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’− ジメチルシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、1,1’−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]ジルコニウムジクロライド、及びジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)ジルコニウムジクロライド等のジルコニウムジクロライド化合物、並びにこれらのジルコニウムジクロライド化合物のジクロライドをジメチルあるいはジベンジルに置換した化合物等のジルコニウム化合物;並びにこれらのジルコニウム化合物のジルコニウムをチタニウムに置換したチタニウム化合物;等が挙げられる。また、上記のメタロセン化合物は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。さらにまた、この触媒として、メタロセン化合物に加えて、トリイソブチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート等の有機ホウ素化合物を用いることが、本発明における特定の高級αオレフィン重合体を得るために好ましい。
重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を使用することが好ましい。モノビニル単量体としては、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド化合物;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、及びフッ化ビニル等のハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデン;酢酸ビニル、及びプロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、及びビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、及びメチルイソプロペニルケトン等の、ビニルケトン;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、及びN−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル化合物;が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、モノビニル単量体として、スチレン、スチレン誘導体、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルが、好適に用いられる。
負帯電性の帯電制御剤としては、Cr、Co、Al、及びFe等の金属を含有するアゾ染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、並びに、スルホン酸基含有共重合体、スルホン酸塩の基含有共重合体、カルボン酸基含有共重合体及びカルボン酸塩の基含有共重合体等の帯電制御樹脂等がある。
本発明において、帯電制御剤は、トナーの印字耐久性が良好になることから、帯電制御樹脂が好ましい。帯電制御樹脂を用いる場合、その添加量は、結着樹脂100重量部に対して、通常0.01〜30重量部であり、好ましくは0.3〜25重量部である。
水系媒体には、分散安定剤を含有させる。分散安定剤としては、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物;等の金属化合物や、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子;アニオン性界面活性剤;カチオン性界面活性剤;ノニオン性界面活性剤;両性界面活性剤;等の有機化合物が挙げられる。上記分散安定剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、金属化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを含有する分散安定剤は、着色樹脂粒子の粒径分布を狭くすることができ、洗浄後の分散安定剤残存量が少ないため、得られるトナーは、画像を鮮明に再現することができ、環境安定性を悪化させないことから好ましい。
重合開始剤は、前記のように、重合性単量体組成物が水系媒体中へ分散された後、液滴形成前に、添加されても良いが、重合性単量体組成物へ添加されても良い。
重合性単量体組成物の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
重合法により得られた着色樹脂粒子が分散している水系媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
外添剤の添加量は、着色樹脂粒子100重量部に対して、通常、0.1〜6重量部であり、好ましくは、0.2重量部以上5.0重量部以下である。外添剤として、2種類以上の微粒子を併用することが好ましい。
(示差走査熱量分析(DSC)によるワックスの熱特性の測定)
ワックスの融点などの熱特性を、示差走査熱量分析機(セイコーインスツル製、商品名:RDC−220)を用いて測定を行なった。試料用ホルダーにワックスを6〜8mg計量し、−20℃から100℃まで10℃/分で昇温する条件により測定しDSC曲線を得た。これより、融点(TmD)及びピークの半値幅を得た。
なお、表1において、融点(TmD)が2つ記載されているワックスは、DSC曲線において、ピークが2つ有することを示している。また、複数のピークを有するワックスの半値幅は、各ピークが分離している場合は各ピークの半値幅の総和を、各ピークの最も高いピークの半値でピークが重なっている場合はその重なった部分の幅を、表1に記載した。
トナーの体積平均粒径Dv、及び体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dpとの比Dv/Dpで表される粒径分布は、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザーII)により測定する。測定条件は、アパーチャー径=100μm、媒体=アイソトンII、濃度=10%、測定粒子数=100,000個で行った。具体的には、トナーサンプル5〜20mgをビーカーに取り、界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸0.1〜1ml加える。そのビーカーへ、更にアイソトンIIを0.5〜2ml加え、トナーを湿潤させた後、更にアイソトンIIを10〜30ml加え、超音波分散器で1〜3分間分散させてから上記の粒径測定器による測定を行なった。
トナー10gを密閉可能な容器(ポリエチレン製、容量:100ml)に入れて、密閉した後、該容器を55℃の温度に保持した恒温水槽の中に沈めた。15時間経過した後、恒温水槽から該容器を取り出し、容器内のトナーを42メッシュの篩上へ置いた。この際、容器内でのトナーの凝集構造を破壊しないように、容器内からトナーを静かに取り出し、かつ、注意深く篩上に移して置くようにする。トナーを置いた篩を、前記の粉体測定機を用いて、振幅1mmの条件で、30秒間振動した後、篩上に残ったトナーの重量を測定し、凝集トナーの重量とした。最初に容器に入れたトナーの重量に対する凝集トナーの重量の割合(重量%)を算出した。1サンプルにつき3回測定し、その平均値を保存性の指標とした。
トナーの体積固有抵抗は、誘電体損測定器(安藤電気社製、商品名:TRS−10型)を用い、温度30℃、周波数1kHzの条件下で測定した。
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(A4 22枚/1分の印刷スピード)の定着ロール部の温度を変化できるように改造したプリンターを用いて、定着試験を行った。定着試験は、黒ベタ(印字濃度100%)を印字して、改造プリンターの定着ロールの温度を変化させて、それぞれの温度でのトナーの定着率を測定し、温度−定着率の関係を求めて行った。
定着率は、黒ベタ(印字濃度100%)の印字領域においてテープ剥離を行ない、テープ剥離前後の画像濃度の比率から計算した。すなわち、テープ剥離前の画像濃度をID(前)、テープ剥離後の画像濃度をID(後)とすると、定着率は、次式により算出できる。
定着率(%)=(ID(後)/ID(前))×100
ここで、テープ剥離操作とは、試験用紙の測定部分に粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名:スコッチメンディングテープ810−3−18)を貼り、一定圧力で押圧して付着させ、その後、一定速度で紙に沿った方向に粘着テープを剥離する一連の操作である。また、画像濃度は、反射式画像濃度測定機(マクベス社製、商品名:RG914)を用いて測定した。
この定着試験において、定着率が80%を超える最低の定着ロール温度をトナーの最低定着温度と評価した。
(触媒製造例)
(a)(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドの製造
窒素気流下、200mlのシュレンク瓶に、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(インデン)2.5g(7.2mmol)と、エーテル100mlを入れた後、−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン溶液(濃度1.6mol/l)9.0ml(14.8mmol)加え、再び室温に戻して12時間攪拌した。
得られた溶液から溶媒を留去し、残留した固体をヘキサン20mlで洗浄した後、減圧乾燥することにより、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(インデン)のリチウム塩を白色固体として定量的に得た。
次に、シュレンク瓶中で、得られた(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(インデン)のリチウム塩(6.97mmol)をテトラヒドロフラン(THF)50mlに溶解し、室温でヨードメチルトリメチルシラン2.1ml(14.2mmol)をゆっくりと滴下し、12時間攪拌した。
攪拌後、溶媒を留去し、エーテル50ml加えた。さらに、そこへ、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、洗浄し、水相を分液後、有機相を乾燥し、溶媒を除去して、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデン)3.04g(5.9mmol)を得た(収率84%)。
攪拌後の溶液から、溶媒を留去し、残留した固体をヘキサン40mlで洗浄して、リチウム塩のエーテル付加体3.06gを得た。
このリチウム塩のエーテル付加体の1H−NMRを求めたところ、次の結果が得られた。
1H−NMR(90MHz,THF−d8):δ0.04(s,−SiMe3,18H),0.48(s,−Me2Si−,12H),1.10(t,−CH3,6H),2.59(s,−CH2−,4H),3.38(q,−CH2−,4H),6.2−7.7(m,Ar−H,8H)
得られた溶液の溶媒を留去後、残留した固体を、ジクロロメタンにより再結晶化して、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドの黄色微結晶0.9g(1.33mmol)を得た。(収率26%)
この黄色微結晶の1H−NMRを求めたところ、次の結果が得られた。
1H−NMR(90MHz,CDCl3):δ0.0(s,―SiMe3−,18H),1.02,1.12(s,−Me3Si−,12H),2.51(dd,−CH2−,4H),7.1−7.6(m,Ar−H,8H)
加熱乾燥した10リットルオートクレーブに、α−オレフィン(出光興産(株)製、商品名:「リニアレン2024」(主として炭素数Cが20、22、24のα−オレフィンの混合体であり、その組成は、C18以下:4.2%、C20:41.9%、C22:36.2%、C24:16.9%、C26:0.8%。))を3L、ヘプタン3Lを入れ、重合温度80℃まで昇温した後、トリイソブチルアルミニウム15mmol、上記の触媒製造例で得られた(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドを60μmol(トルエンスラリー[20μmol/mL,3mL])、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート240μmol
(トルエンスラリー[20μmol/mL,12mL])を加え、水素0.08MPaを導入し、4時間とも重合した。
重合反応終了後、反応物をアセトンにて沈殿させた後、加熱、減圧下、乾燥処理することにより、高級αオレフィン重合体2.0kgを得て、ワックスAとした。得られたワックスAのMw=48,000、Mw/Mn=1.9、TmD=52.0℃、半値幅8℃であった。
(モノマー調整)
上記製造例1で用いた、α−オレフィン(出光興産(株)製、商品名:「リニアレン2024」)を、減圧下(2〜14mmHg)、留出温度140〜230℃で蒸留し、組成が炭素数C22:63.5%、C24:36.5%のα−オレフィンの留分を得た。加熱乾燥した5リットルのシュレンクに、得られたα−オレフィンの留分を導入し乾燥窒素および活性アルミナにて8時間脱水処理した。
(α−オレフィン重合)
加熱乾燥した10リットルオートクレーブに、脱水処理されたα−オレフィンの留分5リットルを入れ、重合温度75℃まで昇温した後、トリイソブチルアルミニウム12mmol、上記の触媒製造例で得られた(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドを25μmol(トルエンスラリー[20μmol/mL,1.25mL])、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート100μmol(トルエンスラリー[20μmol/mL,5mL])を加え、水素0.05MPaを導入し、4時間とも重合した。
重合反応終了後、反応物をアセトンにて沈殿させた後、加熱、減圧下、乾燥処理することにより、高級α−オレフィン共重合体1.7kgを得て、ワックスBとした。得られたワックスBのMw=53,000、Mw/Mn=1.9、TmD=62.0℃、半値幅6℃であった。
モノビニル単量体としてスチレン81部及びn−ブチルアクリレート19部(これらの
単量体を共重合して得られた共重合体のTg=55℃)、マクロモノマーとしてポリメタ
クリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6、Tg=94
℃)0.3部、架橋性単量体としてジビニルベンゼン0.5部、分子量調整剤としてt−
ドデシルメルカプタン1.2部、及びブラックの着色剤としてカーボンブラック(三菱化
学社製、商品名:#25B)7部を、メディア式分散機を用いて湿式粉砕を行った。湿式
粉砕により得られた混合物に、帯電制御剤として帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名:
アクリベース FCA−207P)1部と製造例1で得られたワックスA 10部を添加
し、混合、溶解して、重合性単量体組成物を得た。
参考例1において、ワックスAの代わりに製造例2で得られたワックスBを用いた以外
は、参考例1と同じ方法で電子写真用トナーを調製した。試験結果を表2に示す。
参考例1において、ワックスAの代わりに市販品のワックスC(東洋ペトロライト社製、商品名:VYBER253)を使用し、ワックスの溶解から重合の際の昇温まで、重合性単量体組成物あるいはその液滴を分散した分散液を、加温しながら50℃に保持して処理した以外は、参考例1と同じ方法で電子写真用トナーを調製した。試験結果を表2に示す。
参考例1において、ワックスAの代わりにワックスD(日本精鑞社製、商品名:WEISSEN−T−68)を使用し、ワックスの溶解から重合の際の昇温まで、重合性単量体組成物あるいはその液滴を分散した分散液を、加温しながら50℃に保持して処理した以外は、参考例1と同じ方法で電子写真用トナーを調製した。試験結果を表2に示す。
参考例1において、ワックスAの代わりに市販品のワックスE(日本油脂社製、商品名:WEP6)を使用し、ワックスの溶解から重合の際の昇温まで、重合性単量体組成物あるいはその液滴を分散した分散液を、加温しながら50℃に保持して処理した以外は、参考例1と同じ方法で電子写真用トナーを調製した。試験結果を表2に示す。
示差走査型熱量計(DSC)によるDSC曲線において、ピークのトップの温度として定義される融点(TmD)を2つ有するワックスCを含有する比較例1のトナーでは、保存性試験によりトナーが完全に凝集し、最低定着温度は高く、保存性及び低温定着性ともに不十分であった。
また、ワックスCと同様に融点(TmD)を2つ有し、ピークの半値幅が10℃を超えているワックスDを含有する比較例2のトナーでは、保存性試験によりトナーが完全に凝集し、最低定着温度は比較例1のトナーより高く、保存性及び低温定着性ともに不十分であった。
さらに、エステルワックスであるワックスEを含有する比較例3のトナーでは、保存性は良好であったものの、最低定着温度は高く、低温定着性が不十分であった。
これに対して、本発明で規定する特定の高級αオレフィン重合体を含有する実施例のトナーでは、保存性及び低温定着性ともに良好であった。
Claims (5)
- 結着樹脂及び着色剤を含有する着色樹脂粒子を含む電子写真用トナーにおいて、
該着色樹脂粒子がさらに高級αオレフィン重合体を含有し、
該高級αオレフィン重合体は、
(1)炭素数が16〜24のαオレフィン単量体を重合してなる重合体であり、
(2)示差走査型熱量計(DSC)によるDSC曲線において、ピークのトップの温度として定義される融点(TmD)を1つ有し、かつ、
(3)該ピークの半値幅が12℃以内である
ことを特徴とする電子写真用トナー。 - 該高級αオレフィン重合体が、触媒としてメタロセン化合物の存在下で重合される重合体であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
- 該融点(TmD)が40℃以上で80℃未満であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真用トナー。
- 該着色樹脂粒子が、湿式法により製造されるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
- 該着色樹脂粒子が、コアシェル型の構造を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子写真用トナー。
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