JP2007238161A - プラスチックキャップ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】頂板部及び頂板部周縁から垂下した内面に螺子部を有するスカート部から成り、該スカート部の下端に弱化部を介して一体的に成形されたタンパーエビデントバンドから成るプラスチック製キャップシェルと、ライナーから成るプラスチックキャップにおいて、前記ライナーは、容器口部外周面及び容器口部先端と密着するように外周縁にアウターシール部及びアウターシール部の内周面から内方に延びる環状厚肉シール部が形成されており、該環状厚肉シール部のシール面が外周側から内周側に向かって厚みが増加するテーパ面に形成されていることを特徴とするプラスチックキャップ。
【選択図】図3
Description
本発明の他の目的は、耐熱圧性PETボトルに好適に使用できるキャップを提供することである。
1.環状厚肉シール部のテーパ面が、環状厚肉シール部の外周縁を基準に2乃至8°の角度で傾斜していること、
2.アウターシール部の内径が、容器内部の外径よりも小さいこと、
が好適である。
本発明のキャップは特に、自生圧力を有すると共に、充填後殺菌が必要な果汁入り炭酸飲料を内容物とする耐熱圧性PETボトルに好適に使用でき、充填後の殺菌等により内圧が上昇した場合にも優れた密封性及びTE性を示すことが可能となる。
すなわち、図1に示す従来のキャップのように、環状厚肉シール部22が容器口部先端33の面と平行な面、言い換えればキャップ軸方向と垂直な面で形成されている場合には(図1(A)参照)、内圧が上昇して頂板部3がドーム状に上に凸の状態になると、図1(B)に示すように、環状厚肉シール部22と容器口部先端33との間に容器口部内周面側34から空隙が形成されてしまう。このような状態でキャップを開封のために回転させると、少しの回転角度で、密封が解除されてしまい、キャップ本体とTEバンドの間の弱化部は破断されていない、すなわち外観上は開封されていないのに、密封性が解除されているというような状態を生じるおそれがある。
図2は、本発明のキャップの一例を示す図であり、左半分が側断面図、右半分が側面図を示すものである。また図3は、図2に示すキャップの容器口部とライナー材との当接部分を示す要部断面図である。
全体を1で示す本発明のキャップは、概略的に言って合成樹脂から成るキャップシェル2とライナー20から成っている。
キャップシェル2は、頂板部3、頂板部3の周縁から垂下するスカート部4から成っている。スカート部4には容器口部30の螺子部31と螺合するための螺子部5が形成されており、またスカート部4の上方には、後述するライナー20の成形時の染みだし防止するための突出部6が形成されている。更に、スカート部4の下方には、破断可能な橋絡部7が形成された弱化部8を介してTEバンド9が形成されている。またTEバンド9の内面側には、容器口部に形成された係合突起(図示せず)と係合して橋絡部7を破断するための係止片10が複数個形成されており、またその下端には、開栓の際に、係止片10が係合突起からすっぽ抜けるのを防止するための環状のカール部11が形成されている。尚、係止片10は径方向内方且つ開栓方向側に突出する可撓性フィンから形成されている。
本発明のプラスチックキャップにおいては、環状厚肉シール部22が、環状厚肉シール部22の外周縁25から水平方向(キャップ軸方向に対して垂直方向)を基準に、外周側から内周側に向かって厚みが増加し、図3に示すようにテーパ角度θを有するテーパ面26を形成している。
またアウターシール部21は、容器口部の外周面32との密着力を高くするために、その内径が、容器口部30の外径よりも小さく形成されていることが好ましい。これにより、環状厚肉シール部22にテーパ面26が形成されていることと相俟って、高い密封性が確保される。
本発明において、キャップシェルの形状は、スカート部内面に螺子部及びスカート部下端にTEバンドが形成されたものである限り、任意の形状を採用することができる。
例えば、図2に示す具体例では、TEバンドは径方向内方且つ開栓方向側に突出する可撓性フィンにより容器口部と係合することにより橋絡部が破断されるタイプのものであるが、TEバンド下端から上方に向く複数個のフラップ片が形成されているものでもよい。
本発明において、ライナーの形状は、容器口部外周面と密着するアウターシール部及び容器口部先端と密着するテーパが形成された環状厚肉シール部が形成されている限り、任意の形状を採用でき、例えば、図2及び図3に示す具体例では、環状厚肉シール部22の内周側に環状突条23が形成されているが、必ずしも形成されていなくてもよい。また中央薄肉部24を設けず、環状厚肉シール部22のみをキャプシェル内面に設けることもできる。更に、中央薄肉部24もライナー材の目付量を減少させるという点で好適であるが、内圧上昇によるキャップシェルのドーム状変形を低減させるためには、厚肉に形成してもよい。
環状厚肉シール部は少なくとも容器口部内周面の位置まで形成されていることが必要であり、上述した環状突条が容器口部内周面に密着していてもよい。また環状厚肉シール部に形成されるテーパ面は、環状厚肉シール部の外周縁から水平方向を基準に2乃至8°の角度で傾斜していることが密封性及び開封性の点から好適である。
更にアウターシール部の内径は、容器口部の外径の97乃至99%程度の大きさであることが密封性及び開封性の点で好適である。
環状厚肉シール部に形成したテーパ角度を5°としたキャップ(実施例1)と、環状厚肉シール部にテーパを形成しないキャップ(比較例1)を、果汁炭酸飲料を充填した耐熱圧性PETボトルに適用し、この果汁炭酸飲料入りPETボトル65℃の温度で30分間殺菌処理を行った。これらのボトルを5℃1日間保管した後、リーク角度を測定した(N=10個の平均値を示す)。結果を表1に示す。
6 突出部、7 橋絡部、8 弱化部、9 TEバンド、10 係止片、
11 カール部、20 ライナー、21 アウターシール部、22 環状厚肉シール部、
23 環状突条、24 薄肉部、26 シール面、30 容器口部、31 螺子部、
32 容器口部外周面、33 容器口部先端、34 容器口部内周面。
Claims (3)
- 頂板部及び頂板部周縁から垂下した内面に螺子部を有するスカート部から成り、該スカート部の下端に弱化部を介して一体的に成形されたタンパーエビデントバンドから成るプラスチック製キャップシェルと、ライナーから成るプラスチックキャップにおいて、
前記ライナーは、容器口部外周面及び容器口部先端と密着するように外周縁にアウターシール部及びアウターシール部の内周面から内方に延びる環状厚肉シール部が形成されており、該環状厚肉シール部のシール面が外周側から内周側に向かって厚みが増加するテーパ面に形成されていることを特徴とするプラスチックキャップ。 - 前記環状厚肉シール部のテーパ面が、環状厚肉シール部の外周縁を基準に2乃至8°の角度で傾斜している請求項1記載のプラスチックキャップ。
- 前記アウターシール部の内径が、容器内部の外径よりも小さい請求項1又は2記載のキャップ。
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