JP2007237747A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 副走査方向に互いに重なって隣接するドット同士の着弾干渉を防止し、かつ、高速に画像を形成できること。
【解決手段】 複数のノズルを有する液滴吐出ヘッド50と、液滴吐出ヘッド50を記録媒体に対して複数回走査させて、記録媒体と液滴吐出ヘッド50とを副走査方向において相対移動させる相対移動手段33と、記録媒体へのドット単位の定着時間を特定する定着時間特定手段91と、少なくとも副走査方向の隣接ドットの重なり度に基づいて、副走査方向のドットの打滴順序を設定する打滴順序設定手段92と、副走査方向の隣接ドット間の打滴時間差がドット単位の定着時間以上となるように、副走査方向の隣接ドット間の打滴時間差を設定する打滴時間差設定手段93とを備えた。
【選択図】 図3

Description

本発明は画像形成装置に係り、特に複数のドットからなる画像を形成する際にドット同士の着弾干渉を防止することができる画像形成装置に関する。
画像形成装置として、多数のノズルを配列させたインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)を有し、このインクジェットヘッドと被記録媒体を相対的に移動させながら、ノズルから被記録媒体に向けてインクを吐出することにより、被記録媒体上に画像を記録するインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)が知られている。
このようなインクジェットプリンタおいて、ノズルから記録媒体に対して液滴を吐出して形成されるドット同士が互いに重なるか又は隣接する場合に、記録媒体上のドット同士でドット形状が変形してしまうという、いわゆる着弾干渉の問題があった。
このような着弾干渉を防止するため、複数回の打滴のうち、主走査方向又は副走査方向に隣接するドットの打滴を行う前に、予め設定した出力待ち時間(具体的にはドラム回転n周分の待ち時間)を入れるようにしたものが提案されている(特許文献1を参照)。
記録媒体上の同一箇所に色の異なるインク(例えばイエローとマゼンタ)の打滴を行う場合には、ドラムの異なる周回で打滴を行うようにしたものも提案されている(特許文献2を参照)。2色の場合には、両インクのドットが重ね合わされるまでの時間が少なくともドラムの1回転分は増大することとして目的を達成する。
異なる色のドット同士が着弾位置において接触若しくは重ね合わされるまでの時間(色重ね時間)Tが、T≧10msecとなるように構成することも提案されている(特許文献3を参照)。
特開2001−129982号公報(特に第0019〜0026欄) 特開平11−042799号公報(特に第0014欄) 特開2002−120361号公報
しかし、従来の技術では、着弾干渉の解消はできたとしても、高速に画像を形成することができないという問題がある。
また、副走査方向に互いに重なって隣接するドット同士の着弾干渉を具体的にどのように防止するかについて、特許文献1、2、3には何ら記載されていない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、副走査方向に互いに重なって隣接するドット同士の着弾干渉を防止し、かつ、高速に画像を形成することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、画像形成の対象である画像データ及び出力解像度を示す情報を含む画像信号を入力する画像信号入力手段と、主走査方向に複数のノズルを有し、前記複数のノズルから前記画像信号に応じて所望のノズルを選択して所定の記録媒体に対して液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドを前記記録媒体に対して複数回走査させて、副走査方向の隣接ドット同士が互いに重なり合って打滴されるように、前記記録媒体と前記液滴吐出ヘッドとを前記副走査方向において相対移動させる相対移動手段と、前記記録媒体へのドット毎の定着時間を特定する定着時間特定手段と、前記記録媒体上で前記副走査方向において互いに重なり合うドット数がVnであるとき、前記出力解像度に基づいて前記Vnを算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記Vnを基本単位として前記副走査方向のドット列をN個のグループに分割して、前記副走査方向のドット列を(Vn−1)個おきに打滴するように前記副走査方向のドットの打滴順序を可変設定する打滴順序設定手段と、前記副走査方向の隣接ドット間の打滴時間差が前記ドット毎の定着時間以上となるように、前記副走査方向の隣接ドット間の打滴時間差を設定する打滴時間差設定手段を備えた構成となっている。
この構成によって、記録媒体へのドット毎の定着時間が特定され、少なくとも副走査方向の隣接ドットの重なり度(Vn)に基づいて、副走査方向のドットの打滴順序が設定されて、副走査方向の隣接ドット間の打滴時間差がドット毎の定着時間以上となるように設定されるので、副走査方向に互いに重なって隣接するドット同士の着弾干渉を防止し、かつ、高速に画像を形成することができる。
尚、本発明は、記録媒体を回転ドラムに巻きつけて記録媒体上に直接打滴して記録媒体上にドットを形成する態様と、中間転写媒体として回転ドラムにドットを形成し、その後、記録媒体に転写する態様の双方を含む。
また、前記打滴順序設定手段は、前記ドット毎の定着時間と、前記副走査方向の出力解像度と、前記副走査方向の隣接ドットの重なり度とに基づいて、前記副走査方向のドットの打滴順序を設定する構成となっている態様もある。
この構成によって、ドット毎の定着時間と副走査方向の出力解像度とが参酌されて副走査方向のドットの打滴順序が設定されるので、より適切に着弾干渉が防止され、かつ、より高速に且つ高画質で画像を形成できることになる。
また、前記打滴順序設定手段は、Mを副走査方向の隣接ドットの重なり度以上の整数、Nを自然数とするとき、副走査方向のドット列を、Mを基本単位としてN個のグループに分割して、(M−1)個おきに打滴するように前記副走査方向のドットの打滴順序を設定する構成となっている態様もある。
この構成によって、副走査方向の隣接ドットの重なり度以上の整数Mを基本単位としてグループ化されて、(M−1)個おきに打滴されることにより、隣接ドット間の打滴時間差がほぼ均一となるので、定着ムラが解消することになる。
また、前記相対移動手段は、回転体を含んで構成され、該回転体は、前記ドット毎の定着時間、副走査方向の出力解像度、前記ノズルの吐出周期、及び、前記基本単位Mに応じた周長を有する構成となっている態様もある。
この構成によって、適切な周長を有した回転体により、更に高速に画像が形成されることになる。
また、前記相対移動手段は、回転体を含んで構成され、該回転体は、最も多く使用する記録媒体と最も多く使用するインクとの組み合わせに基づく前記ドット毎の定着時間と、副走査方向の出力解像度の最大値と、前記ノズルの吐出周期の最小値と、高品質モード時の前記ドットの重なり度に応じた周長を有する構成となっている態様もある。
この構成により、最も多く使用する記録媒体と最も多く使用するインクとの組み合わせにおいて、高画質モードで画像形成しても最大限の画像形成速度を実現することができる。
また、前記グループの基本単位Mは、前記ドットの重なり度に等しい構成となっている態様もある。
この構成によって、Nを大きく設定できるので、更に高速に画像を形成できることになる。
また、前記打滴順序設定手段は、互いに異なるドット径のドットを混在して打滴する場合、最も大きなドット径におけるドットの重なり度を用いて打滴順序を設定する構成となっている態様もある。
この構成によって、制御系の演算負荷を低減しつつ、着弾干渉を完全に排除して、高画質の画像を安定して形成できることになる。
また、前記相対移動手段は、前記記録媒体をその表面上に巻き付けて回転する回転ドラムである構成となっている態様もある。
この構成によって、記録媒体の複数回の走行を簡単にすることが可能な構造となる。
また、前記相対移動手段は、中間転写記録媒体として機能する回転転写ドラムであり、前記回転転写ドラムと前記記録媒体とを加圧転写する転写手段を有する構成となっている態様もある。
この構成によって、記録媒体の浸透特性に影響されることなく、高速・高画質で画像形成が可能となる。
本発明によれば、副走査方向に互いに重なって隣接するドット同士の着弾干渉を防止し、かつ、高速に画像を形成することができる。
以下、添付した図面を参照して、本発明に係る画像形成装置を実施するための実施形態について詳細に説明する。
図1(a)は、本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の例の概略を示す全体構成図である。
図1(a)に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の液滴吐出ヘッド50(50K、50C、50M、50Y)と、各液滴吐出ヘッド50K、50C、50M、50Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14(14K、14C、14M、14Y)と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、記録紙16をカットするカッタ28と、記録紙16を排出する排紙部26と、液滴吐出ヘッド50を記録紙16に対して相対的に複数回走査させて、副走査方向の隣接ドット同士が互いに重なり合って打滴されるように、記録紙16と液滴吐出ヘッド50とを副走査方向において相対移動させる回転ドラム33(相対移動手段)と、カットシート状の記録紙16を回転ドラム33へ巻き付ける巻付及びその回転ドラム33から記録紙16の巻き解す巻解しを行う搬送路として機能する用紙巻付/巻解し部材300と、記録紙16にUV(紫外線)を照射するUV照射光源42と、記録紙16と液滴吐出ヘッド50との相対移動、及び、液滴吐出ヘッド50からの液滴吐出等の同期をとるための同期検出センサ43を備えている。
図1(a)では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1(a)のように、裁断用のカッタ28が設けられており、該カッタ28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。なお、カット紙のみを使用する場合には、カッタ28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
また、図1(a)では、記録紙16を液滴吐出ヘッド50に対して相対移動させる相対移動手段として、記録紙16を円周上で巻き付けて移動させる回転ドラム33を図示している。回転ドラム33は、一般に、真空吸着式や静電吸着式のものを用いる。
なお、本発明において、相対移動手段は回転ドラム33に特に限定されるものではなく、回転ドラム33の代わりに、記録紙16を液滴吐出ヘッド50に対して相対的に特定の方向(例えば水平方向)に移動させるベルトを設けてもよい。ベルトは、一般に、記録紙16幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。
液滴吐出ヘッド50は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるライン型の印字ヘッドとなっている。
各液滴吐出ヘッド50K、50C、50M、50Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってノズル(インク吐出口)が複数配列されている。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図1(a)の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド50K、50C、50M、50Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド50K、50C、50M、50Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、主走査方向の紙幅の全域をカバーする液滴吐出ヘッド50がインク色毎に設けられてなるラインヘッドによれば、紙搬送方向(副走査方向)について記録紙16と液滴吐出ヘッド50を相対的に複数回移動させる動作を行って(すなわち、複数回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。
また本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1(b)は、本発明に係る画像形成装置としての他の例のインクジェット記録装置100の概略を示す全体構成図である。
なお、図1(a)に示すインクジェット記録装置10と同じ構成要素には、同じ符号を付してあり、既に説明したので説明を省略する。
図1(b)に示すインクジェット記録装置100は、中間転写記録媒体として機能する回転転写ドラム33bと、回転転写ドラム上に形成された画像を記録紙16に加圧して転写する加圧転写部材350を有する。
より詳細には、印字ヘッド50から回転転写ドラム33bへの印字時においては、加圧転写部材350と記録紙16は回転転写ドラム33bから離間した状態にあり、全ての画像の回転転写ドラム33bへの記録が終了した後のタイミングで、加圧転写部材350が記録紙16を回転転写ドラム33bへ押し付けて転写する。
ここで、以下の説明で用いる用語の説明をしておく。
「着段干渉」とは、記録媒体上に着弾したドットが重なって打滴される場合、着弾後のドットの定着前に記録媒体表面上のドットの液滴同士が合体又は混合して、ドット形状が変形または異なる色のインク同士の色が不均一に混ざり合って、画像劣化を引き起こすことをいう。
「ドットの重なり度」は、隣接するドット同士が重なる程度を示す物理量である。
本実施形態では、互いに重なり合うドットの数(「オーバラップ数」ともいう)を「ドットの重なり度」として用いている。
例えば、図2(a)に示すように、副走査方向おいて、2個のドットが重なる一方で、一つおきのドット同士は重ならない場合、すなわち、隣接するドット同士の中心間の距離Ptと、ドットの直径Dとの関係が、D/2≦Pt<Dである場合には、重なり度Vn=2である。
また、例えば、図2(b)に示すように、副走査方向において、D/3≦Pt<D/2個のドットが重なる場合には、重なり度Vn=3である。
なお、複数種類のドット径を使用する場合には、最も大きいドット径を使用したときのドット重なり度を用いることにする。
「ドットの定着」とは、第1に、記録媒体表面上のインク液滴が固化(又は硬化)すること(表面固化型)、第2に、記録媒体表面上のインク液滴が記録媒体内に浸透することをいい、いずれの場合にも記録媒体の表面に液滴が存在しなくなることを意味する。
「浸透型」の場合、インクの記録媒体への浸透特性で定着時間が決まる。具体的には、主として、インクの種類と記録媒体の種類の組み合わせに応じて、定着時間が決まる。
記録媒体表面上のインク液滴が浸透により存在しなくなれば、たとえ記録媒体内に浸透したインク溶媒が完全に乾燥していなくても、インク溶質(色材)は記録媒体内の受像層に定着しているので、着弾干渉は殆ど発生しない事が実験により判明している。従って、本発明において、浸透型の場合の定着時間の定義は、表面インク液滴が浸透を終了するまでの時間とする。記録媒体内の溶媒が乾燥していなくても着弾干渉とは関係がない。
「表面固化型」の場合、インクの乾燥特性、エネルギー硬化特性等の固化(硬化)特性で定着時間が決まる。主として、インクの種類、UV(紫外線)照射エネルギー、熱エネルギー、温度や湿度等の環境条件等によって、定着時間が決まる。
記録媒体表面上のインク液滴が存在しなくなれば、着弾干渉は殆ど発生しないので、インク液滴が完全に固化しなくても半固溶状態であってもよい。従って、本発明において、表面固化型の場合の定着時間の定義は、表面液滴が存在しなくなるまでの固化(硬化)時間とする。
図3は、発明に係る画像形成装置の一実施形態の機能的な構成を示すブロック図である。
図3において、画像形成装置10は、主として、相対移動手段33と、液滴吐出ヘッド50と、記憶手段81と、記録媒体識別情報読取手段82と、インク識別情報読取手段83と、画像信号入力手段84と、画像処理手段85と、定着時間特定手段91と、打滴順序設定手段92と、打滴時間差設定手段93と、相対移動制御手段94と、打滴制御手段95と、によって構成されている。
液滴吐出ヘッド50は、少なくとも主走査方向に並んだ複数のノズルを有し、複数のノズルから画像信号に応じて所望のノズルを選択して所定の記録媒体に対して液滴を吐出する。
相対移動手段33は、液滴吐出ヘッド50を記録媒体に対して複数回走査させて、副走査方向の隣接ドット同士が互いに重なり合って打滴されるように、記録媒体と液滴吐出ヘッド50とを副走査方向において相対移動させる。
相対移動手段33としては、例えば、巻き付けた記録媒体を所定の円周上において移動させることにより液滴吐出ヘッド50に対して相対移動させる回転ドラム(回転体)や、ベルト等がある。
記憶手段81は、画像形成に関する情報を記憶する。例えば、ドット毎の定着時間を特定するために必要な、後に詳述するテーブル情報を記憶する。
記録媒体識別情報読取手段82は、記録媒体の種類を識別可能な識別情報(ID)を、記録媒体を収納する媒体収納マガジンから読み取るものである。
インク識別情報読取手段83は、インクの種類を識別可能な識別情報(ID)を、インクを貯えるインクカートリッジから読み取るものである。
記録媒体識別情報読取手段82及びインク識別情報読取手段83による各識別情報の読取は、無線タグ(RFIDともいう)等からの無線読取、バーコード等からの光学的読取、磁気的読取等、各種の読取態様がある。
画像信号入力手段84は、ホストコンピュータ(図示を省略)等から画像信号が入力されるものである。画像信号には、画像形成の対象である画像データや、出力解像度を示す情報が含まれる。
画像処理手段85は、画像信号入力手段84に入力された画像データに対して各種の画
像処理を施す。この画像処理の結果、出力解像度が変更になる場合もある。また、画像処理手段85は、出力解像度(又はドットピッチ)と所望の濃度階調表現等に基づいてドットの重なり度を算出する。
定着時間特定手段91は、記憶手段81に記憶されたテーブル情報に基づいて、記録媒体へのドット毎(単位)の定着時間を特定する。
具体的には、記録媒体識別情報読取手段82により読み取られた記録媒体識別情報、インク識別情報読取手段83により読み取られたインク識別情報、ドット径等をパラメータとして、これらのパラメータに対応するドット毎の定着時間を特定する。
前述したように、ドットの定着態様(浸透型か、表面固化型か)等によりパラメータは異なる。したがって、ドットの定着態様ごとに異なるテーブル情報を用意しておき、インクの識別情報に基づいてドットの定着態様を特定した上で、パラメータの種類及び参照するテーブル情報を切り替える。
打滴順序設定手段92は、少なくとも、副走査方向の隣接ドットの重なり度に基づいて、副走査方向のドットの打滴順序を設定する。
例えば、ドット毎の定着時間と、副走査方向の出力解像度と、副走査方向の隣接ドットの重なり度とに基づいて、副走査方向のドットの打滴順序を設定する。
打滴時間差設定手段93は、副走査方向に隣接するドット同士が互いに重なり合うように打滴を行う場合、副走査方向の隣接ドット間の打滴時間差が、定着時間特定手段91によって特定されたドット毎の定着時間以上となるように副走査方向の隣接ドット間の打滴時間差を設定する。
相対移動制御手段94は、相対移動手段33により記録媒体を液滴吐出ヘッド50に対して相対移動させる手段である。
また、相対移動制御手段94は、相対移動手段33の相対移動速度の設定変更を行う。例えば、相対移動手段33が回転ドラムである場合、相対移動制御手段94は、出力解像度やノズルのドット毎の定着時間等に基づいて、回転ドラム33の回転速度(回転数ともいう)の設定変更を行う。
打滴制御手段95は、画像信号に基づいて、液滴吐出ヘッド50のノズルからの打滴を制御する。このような打滴の際に、打滴制御手段95は、打滴順序設定手段92により設定された副走査方向のドットの打滴順序と、打滴時間差設定手段93により設定された副走査方向の隣接ドット間の打滴時間差とに基づいて、液滴吐出ヘッド50のノズルからの打滴を制御する。
また、打滴制御手段95は、出力解像度やノズルのドット毎の定着時間等に基づいて、液滴吐出ヘッド50のノズルの吐出周期の設定変更を行う。
次に、記憶手段81に予め記憶させておくテーブル情報について説明する。
ドットの定着が「浸透型」の場合には、主として、インクの種類、記録媒体の種類、及び、ドット径等をパラメータとして、これらのパラメータに対応する浸透に要する時間を、定着時間として、テーブル情報を予め作成し、記憶手段に予め記憶させておく。温度や湿度等の環境条件を更にパラメータとして加えたテーブル情報を作成して記憶させておい
てもよい。
インクの種類と記録媒体の種類との組合せで決まる浸透時間(すなわち定着時間)としては、具体的には、インクの表面張力、インクの粘度、記録媒体の毛細管半径、インクと記録媒体との接触角度等の条件(インク条件及び記録媒体条件)の影響を受ける。したがって、画像形成に用いられる各種のインク及び記録媒体について、これらの条件と浸透時間との関係を調査又は実験し、このような調査又は実験の結果に基づいてテーブル情報が作成される。
図4は、ドットの定着が浸透型である場合について、インク及び記録媒体の組み合わせと、浸透時間との計測結果を示す。
図4において、横軸はインクの種類を示し、縦軸はインク及び記録媒体の組合せごとに複数回計測した浸透時間の平均値を示す。7種類のインクと、3種類の記録媒体の組合せについて計測を行った。なお、液滴のサイズは、インクにより120〜190plの範囲内で差が存在する。
インクジェット用紙や写真用紙では、染料系のインク(例えばインクC)と分散系のインク(例えばインクF)とで、浸透時間に数倍(2〜9倍程度)の差を生じた。なお、インクE(顔料系)やインクG(分散系中粘度)で写真用紙への浸透時間がインクジェット用紙や再生紙の場合よりも早いという計測結果になっているが、これは、浸透が完全には起こらずに用紙の表面に留まった状態を計測したと考えられる。
再生紙は、用紙の空隙径が最も大きいため、分散系インクの粒径の大きさの影響が少なかったものと考えられる。
ドットの定着が「表面固化型」の場合には、インクの種類、記録媒体の種類、ドット径、UV(紫外線)照射エネルギーや熱エネルギー等の固化に要するエネルギー、温度や湿度等の環境条件等をパラメータとして、これらパラメータに対応する固化に要する時間を、定着時間として、テーブル情報を予め作成し、記憶手段81に予め記憶させておく。
次に、本発明に係わる一実施形態の画像形成装置の動作について、図5のフローチャートに従って説明する。
以下、着弾干渉について最も厳しい条件であるベタ画像を打滴する場合に関して説明する。なお、ベタ画像は、本発明の理解を容易にするために例として説明するのであって、実際のプリント画像では、画像信号に応じてノズルから選択的にインクを吐出することでベタ画像以外の画像も形成できることは言うまでもない。また、主として、副走査方向の着弾干渉を防止する打滴アルゴリズムについて説明する。また、インクが単色である場合について説明するが、複数色のインクを用いる場合であっても、同様の打滴制御を各色のインク毎に行うことができる。
まず、画像信号がホストコンピュータ等から画像信号入力手段84に入力される(S2)。
画像信号には、一般に、記録媒体上に形成する画像を示すデータ(画像データ)と出力解像度Rsが含まれる。画像形成装置10側で画像データを編集して出力解像度を決定する場合もある。
次に、定着時間特定手段91により、ドット毎の定着時間Tfixを特定する(S4)。
具体的には、記憶手段81に予め記憶されたテーブル情報を用いて、インクの種類、記録媒体の種類、ドット径等の画像形成に係るパラメータに基づいて、定着時間Tfixを特定する。
インクの種類は、例えば、画像形成装置10に取り付け及び取り外しが可能なインクカートリッジ(図示を省略)からインクの種類を示す識別情報を読み取って取得する。記録媒体の種類は、例えば、記録媒体から記録媒体の種類を示す識別情報を読み取って取得する。これらのインクの種類を示す識別情報や記録媒体の種類を示す識別情報の読取態様には各種あり、例えば、無線、磁気的あるいは光学的に読み取る。ドット径は、画像データから画像処理を経て生成されたノズル駆動信号によって特定され、一方、ノズルからの吐出量(吐出体積)は、インク及び記録媒体によって決定される。ノズル、インク及び記録媒体が同一であっても、ノズルからの吐出態様を切り替えることにより、ドット径を切り替えることも可能である。
次に、打滴順序設定手段92により、記録媒体上で副走査方向に形成されるドット列を、ドットの重なり度Vnに基づいて、N×Mにグループ化する(S6)。
具体的には、まず、液滴吐出ヘッド50と記録媒体とを相対移動させながら液滴吐出ヘッド50のノズルから打滴したときに記録媒体上に形成される副走査方向のドット列を、複数のグループに分割する。より詳細には、副走査方向のドット列を、連続して並ぶM個のドットを基本単位として、N個のグループに分割する。このように副走査方向のドット列を基本単位MドットでN個のグループに分割することを、以下、「N×Mのグループ化」と称する。
ここで、「N×Mのグループ化」について、図6(a)に示すように重なり度Vn(オーバラップ数)が「3」であるドット列を例に説明する。
図6(a)において、ドット列の先頭である第1番目のドット101は、第2番目のドット102及び第3番目のドット103とは重なりを生じ、第4番目のドット104とは重なりを生じない。すなわち、ドット列の先頭から第i番目のドットは、それに続く(Vn−1)個のドットとは重なりを生じる一方で、第(i+Vn)番目のドットとは重なりを生じない。
図6(b)は、図6(a)に示すドット列を便宜的にドット同士が重ならないようにして表した説明図である。なお、図6(b)に示すドット列は、単に便宜的にドット列が重ならないようにして表しただけであり、実際には図6(a)に示したように、重なり度Vnは「3」である。
ここで、重なり度Vnが「3」なので、先頭から「3」ドット毎にひとつのグループを構成して、N個のグループを形成する。すなわち、基本単位M=Vnとして、N×Mのグループを形成する。例えば、ドット列の先頭から第1〜第3番目のドット101乃至103が第1グループを構成し、第4〜6番目のドット104乃至106が第2グループを構成し、第7〜9番目のドット107乃至109が第3グループを構成し、順次、連続して並ぶ3個のドットを一組としてN個のグループを構成していく。すなわち、ドット列の先頭から順にVn個のドットを有するグループを形成していく。なお、ドット列におけるドットの総数がドットの重なり度Vnで割り切れない場合には、最後のグループ(第Nグループ)に属するドット数はD個未満(ここでは1個又は2個)になる。このような最後のグループ内で実際には存在しないドットを、以後、ダミードットと称する。
このようにN×Mのグループ化が施されたドット列において、各ドットの打滴順序は次のように決定する。まず、第1グループから第Nグループまで各グループ内の第1ドット(101、104、107、…)のみからなる第1打滴群を順次連続して打滴し、次に、第1グループから第Nグループまでの各グループ内の第2ドットのみ(102、105、108、…)からなる第2打滴群を順次連続して打滴し、最後に、第1グループから第Nグループまでの各グループ内の第Mドット(M=3)のみ(103、106、109、…)からなる第M打滴群を順次連続して打滴していく順序とする。すなわち、各グループ内の第mドット(1≦m≦M)のみからなる第m打滴群をM群形成し、第1打滴群から第M打滴群まで順番に打滴する。各打滴群内では(M−1)ドットおきに打滴を行うことにする。
図6(a)に示すように重なり度Vnが「3」であって、基本単位M=VnとしてN×Mにグループ化した場合について、図7(a)は、第1打滴群を構成するドット(101、104、107、…)を実線で示し、図7(b)は、第2打滴群を構成するドット(102、105、108、…)を実線で示し、図7(c)は、第3打滴群(すなわち第M打滴群)を構成するドット(103、106、109、…)を実線で示す。
なお、ドットの重なり度Vnは、インクや記録媒体が同一であっても、出力する画像によって可変とする場合がある。例えば、出力解像度Rs(ドットピッチPtの逆数である)によってドットの重なり度Vnが変わってくる。したがって、出力解像度Rs(又はドットピッチPt)に基づいて直接的にグループ化をするようにしてもよく、本発明はこのような場合を含む。
また、主走査方向のドット列についての説明を省略したが、当然のことながら、主走査方向のドット列についても、グループ化を行ってもよいことは言うまでもない。
以上のように、ドット毎の定着時間Tfixの特定(S4)及び副走査方向のドット列の
グループ化(S6)を行った後、打滴時間差設定手段93により、副走査方向で互いに重なり合って隣接するドット間の打滴時間差Td(隣接ドット間の打滴時間差)を設定する(S8)。
具体的には、隣接ドット間の打滴時間差Tdを、ドット毎の定着時間Tfix及びドット
同士の重なり度Vnに基づいて設定する。なお、高速印字を実現するためには、可能な限り最小値となるように隣接ドット間の打滴時間差Tdを設定する。
説明の便宜上、まず、ドット毎の定着時間Tfixを考慮しない場合について考えると、
隣接ドット間の打滴時間差Tdは、(数式1)で表される。
(数式1)
Td≧Tjet×N+α
ここで、Tjetは、ノズルの最小吐出周期である。また、Nは、ステップS6のグループ化により設定されたグループ個数である。また、αは、回転ドラム33の周囲で記録媒体が巻きつけられていない部分の距離と記録媒体上の画像が形成されない余白部分の距離との合計距離に対応した回転ドラム33の回転時間の最小値である。
なお、N=K/Mである。ここで、Kは、副走査方向の総ドット数であり、Mは、ステップS6のグループ化により設定された基本単位である。したがって、(数式1)は(数式2)で表される。
(数式2)
Td≧Tjet×K/M+α
グループの基本単位Mとして、ドットの重なり度Vnを用いたので、M=Vnであり、(数式2)は、(数式3)で表される。
(数式3)
Td≧Tjet×K/Vn+α
一方で、ドット毎の定着時間Tfixを考慮すると、着弾干渉が発生しないための条件は、(数式4)で表される。
(数式4)
Td≧Tfix
ここで、Tfixは、ステップS4で特定されたドット毎の定着時間である。
したがって、隣接ドット間の打滴時間差Tdは、前記の(数式3)を満たし、かつ、前記の(数式4)を満たす数値に設定する。高速印字を重視する場合は、さらに両式を満たす最小の値に設定する。
形成する画像がベタ画像である場合について説明しており、記録媒体の副走査方向の長さも固定である(すなわち同一サイズの記録媒体を同一方向で液滴吐出ヘッドに対して相対移動する)ものとし、副走査方向の最大ドット数Kを固定値として考える。また、αも固定値として考える。そうすると、隣接ドット間の打滴時間差Tdは、ドット毎の定着時間Tfixとドットの重なり度Vnとを可変のパラメータとして、算出できる。
なお、ドット毎の定着時間Tfixとドットの重なり度Vn以外にも可変のパラメータがあれば、そのような可変のパラメータをも考慮して隣接ドット間の打滴時間差Tdを算出してよいことは、言うまでもない。例えば、画像がベタ画像でない場合には、一般に、Kも可変になる。また、画像のサイズや、記録媒体のサイズが異なれば、K以外にもαが可変になる。
また、回転ドラム33の最大回転周期が「Tjet×N+α」、すなわち(数式1)の右辺よりも小さいような場合(例えば、記録媒体の副走査方向の用紙長が大きい場合や、回転ドラム33の回転性能が低いような場合)には、最大回転周期(あるいは最大回転数[rpm])を更に考慮して打滴時間差Tdを算出する必要がある点に留意する。
また、ドットの重なり度Vnが可変のパラメータであるものとして説明したが、ドットの重なり度Vnが出力解像度Rs等に関わらず固定である場合には、可変のパラメータではなく固定値として扱ってもよいことは、言うまでもない。
以上のようにして、ステップS6のグループ化により設定された打滴順序とステップS8で設定された隣接ドット間の打滴時間差Tdとに基づいて、ノズルから記録媒体に対して打滴することにより、画像を記録媒体上に形成する(S10)。
以上説明した画像形成処理の各ステップは、実際には、記憶手段81に予め記憶されたプログラムにしたがって、マイクロコンピュータにより実行される。
ところで、以下に説明するように、回転ドラム33の周長Lを最適な数値にして回転ドラム33を形成することにより、更なる画像形成の高速化が可能になる。
説明の便宜上、まず、ベタ画像が記録媒体上で副走査方向に余白を生じることなく形成されるものとし、また、回転ドラム33上で記録媒体が巻きつけられていない部分が無いものとして考える。すなわち、前述のαを無視して考えると、 (数式2)及び(数式4)に基づいて、下記の(数式5)が成立する。
(数式5)
Tfix≦Td=Tjet×K/M
一方で、ベタ画像が打滴される部分の長さLdmin(最小ドラム周長)は、(数式6)で表される。
(数式6)
Ldmin=K×Pt
ここで、Ptは、ドットピッチである。
上記の(数式5)に(数式6)を適用して、Ldminについて解くと、(数式7)が得られる。
(数式7)
Ldmin≧Tfix×M×Pt/Tjet
このような(数式7)において、ノズルの吐出周期Tjetには、画像形成の高速化に対応するため、ノズルで吐出可能な最小値を設定する。また、グループの基本単位Mには、画像形成の高画質化に対応するため、ドットの重なり度Vn(オーバラップ数)を設定する。また、ドットピッチPt(出力解像度Rsの逆数である)には、高画質モードに対応するため、最小値を設定する。また、ドット毎の定着時間Tfixには、最も多く使用される記録媒体と最も多く使用されるインクとの組み合わせに対応する定着時間を設定する。
(数式7)により求めた最小ドラム周長Ldminと、記録媒体の副走査方向の長さLp
(記録媒体長)の整数倍とを比較して、実際の回転ドラム33の周長Ldを設定する。例えば、最小ドラム周長Ldminが記録媒体長Lpよりも小さければ、回転ドラム33の周長Ldを記録媒体長Lp+βに設定する。ここで、βは、回転ドラム33の周囲で記録媒体が巻き取られていない部分の長さである。
このようにして、ドット毎の定着時間Tfixと、グループの基本単位Mと、出力解像度Rs(又はドットピッチPt=1/Rs)と、ノズルの吐出周期Tjetとに基づいて、回転ドラム33の周長Ldを設定する。
以下、2つの場合(ケースAとケースB)に分けて、ドラム周長Ldについて具体的に説明する。なお、ケースA及びケースBは、ドットの定着時間Tfixと、出力解像度Rsが異なる一方で、ドットの重なり度Vnは同一である。簡略に説明すると、ケースAは、高解像度出力、高速定着であり、ケースBは、低解像度出力、低速定着である。
[ケースA]
ドットの定着時間Tfix=30ms
ドットの重なり度Vn=3
出力解像度Rs=2400dpi(ドットピッチPt=10.6μm)
記録媒体(A4)の副走査方向の長さLp=300mm
記録媒体(A4)の副走査方向のドット総数K=Lp/Pt=28302dot
ノズルの吐出周期Tjet=40μsec(25kHz)
このようなケースAにおいて、ドット毎の定着時間Tfixを特定し、N×Mのグループ
化を行う。
グループ化の基本単位M[ドット]には、ドットの重なり度Vn(=3)を代入する。そうすると、グループの個数Nは、(数式8)に示す通りである。
(数式8)
N=K/M=28302/3=9434
必要最低限のドラム周長Ldminは、 (数式9)に示す通りである。
(数式9)
Ldmin=Tfix×M×Pt/Tjet=0.030×3×0.0000106/0.000040=23.9[mm]
ケースAでは、Ldmin<用紙長Lp(300mm)なので、実際のドラム周長Ldは、用紙長Lp+βあればよい。なお、βは、回転ドラム33の周囲で記録媒体が巻付けられていない部分の長さである。β=30mmとすると、実際の回転ドラム33の周長Ldは、Ld=300+30=330[mm]である。このようにして求めた周長Ldを有する回転ドラム33を形成して、画像形成装置に設ける。
参考までに、ケースAにおいて、回転ドラム33の回転数は、用紙の副走査方向のドット総数K=9434ドットをノズルの吐出周期Tjet=40μsecで1周したとして算出した場合、159rpmである。この場合、回転ドラム33の周速度は、周長Ld×回転数=330mm×159rpm/60sec=0.874m/secである。
[ケースB]
ドットの定着時間Tfix=60ms
ドットの重なり度Vn=3
出力解像度Rs=240dpi(ドットピッチPt=106μm)
記録媒体(A4)の副走査方向の長さLp=300mm
記録媒体(A4)の副走査方向のドット総数K=Lp/Pt=2832dot
ノズルの吐出周期Tjet=40μsec(25kHz)
以上のようなケースBにおいて、ドット毎の定着時間Tfixを特定し、N×Mのグループ化を行う。
グループ化の基本単位M[ドット]には、ドットの重なり度Vn(=3)を代入する。そうすると、グループの個数Nは、(数式10)に示す通りである。
(数式10)
N=K/M=2830/3=944
なお、最後のグループ(第Nグループ)内の最後の2ドットはダミーのドットとしてグループを形成している。
そして、隣接ドットの打滴時間差Tdは、前述の(数式3)及び(数式4)に基づいて設定する。
必要最低限のドラム周長Ldminは、 (数式11)に示す通りである。
(数式11)
Ldmin=Tfix×M×Pt/Tjet=0.060×3×0.000106/0.000040=477[mm]
ケースBでは、必要最低限のドラム周長Ldminを用紙長Lp(300mm)と比較すると、Lp<Ldmin<Lp×2なので、実際のドラム周長Ld=2×Lp+βとするのが好ましい。もしも、ドラム周長Ld=Lp+βとしてしまうと、ノズルの吐出周期Tjetを大きくしない限り、着弾干渉が発生してしまう。ノズルの吐出周期Tjetを大きくすると、
着弾干渉は発生しないが、画像形成速度(印字速度)を低下させてしまう。
参考までに、ケースBにおいて、回転ドラム33の回転数は、用紙の副走査方向のドット総数K=944ドットをノズルの吐出周期Tjet=40μsecで1周したとして算出した場合、1589rpmである。この場合、回転ドラム33の周速度は、周長Ld×回転数=630mm×1589rpm/60sec=17m/secである。
以上説明したケースAとケースBとを併用する画像形成装置では、例えば、最も使用頻度の高い方を優先してドラム周長Ldを設定する。
ケースA(高解像度出力、高速定着)を優先してドラム周長Ldを設定した場合、低解像度出力で打滴するときには、例えば下記の設定変更1又は2を行う。
(設定変更1)
ノズルの吐出周期Tjetを40μsec固定にして、画像形成時の回転ドラム33の回転数を159rpmから1589rpmに変更する。
(設定変更2)
画像形成時の回転ドラム33の回転数を159rpm固定にして、ノズルの吐出周期Tjetを40μsecから400μsecに変更する。
このような設定変更を行う場合の画像形成処理の流れを、図8の概略フローチャートに示す。
図8において、まず、画像信号が入力される(S2)。次に、記憶手段81に記憶されたテーブル情報を用い、インクの種類、記録媒体の種類、ドット径等の画像形成に係るパラメータに基づいてドット毎の定着時間Tfixを特定する(S4)。次に、記録媒体上で副走査方向に形成されるドット列を、ドットの重なり度Vnに基づいて、N×Mにグループ化する(S6)。ここで、ドットの重なり度Vnは、画像処理手段85において、出力解像度Rs(又はドットピッチPt)と所望の濃度階調表現等に基づいて算出される。次に、出力解像度Rs(又はドットピッチPt)等に基づいて、ノズルの吐出周期Tjet又は回転ドラム33の回転数の設定を変更する(S7)。次に、ドット毎の定着時間Tfix及びドット同士の重なり度Vnに基づいて、副走査方向における隣接ドット間の打滴時間差Tdを設定する(S8)。そして、ステップS6のグループ化により設定された打滴順序とステップS8で設定された隣接ドット間の打滴時間差Tdとに基づいて、ノズルから記録媒体に対して打滴することにより、画像を記録媒体上に形成する(S10)。
以下、本実施形態の画像形成時間について考察する。
もしも、本発明を適用しない場合、ドット毎の定着時間Tfix=30ms、副走査方向の総ドット数K-=28301ドットとすると、単色のインクのみによる画像形成における総時間T1は、
T1=30msec×28301=849secである。
C、M、Y、Kの4色のインクを用いた画像形成における総時間T4は、
T4=849sec×4=3396sec
である。
一方で、本発明を適用した場合、ほぼ吐出周期Tjet=40μsecで全ドットを打滴可能なので、単色のインクのみによる画像形成における総時間T1は、
T1=40μsec×28301=1.13sec
となり、着弾干渉を防止しつつ、高速で画像を形成することができる。
C、M、Y、Kの4色のインクを用いた画像形成における総時間T4は、
T4=1.13sec×4=4.52sec
となる。
なお、本発明は、実施形態において説明した例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の設計変更や改良を行ってもよいのはもちろんである。
本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の例の概略を示す全体構成図である。 (a)はドットの重なり度が「2」の場合の説明図であり、(b)はドットの重なり度が「3」の場合の説明図である。 本発明に係る画像形成装置の一実施形態の機能的な構成を示すブロック図である。 ドットの定着が浸透型である場合の定着時間としての浸透時間とインクの種類及び記録媒体の種類との関係を表す計測結果を示す図である。 本発明に係る画像形成装置の一実施形態における画像形成処理の例を示す概略フローチャートである。 (a)は、ドットの重なり度が「3」の場合の副走査方向のドット列を示す説明図であり、(b)は、便宜的にドット同士が重なり合わないように描いた説明図である。 (a)は、副走査方向のドット列を3×Nにグループ化し、第1の打敵群を実線で示す説明図であり、(b)は、第2の打滴群を実線で示す説明図であり、(c)は、第3の打滴群を実線で示す説明図である。 本発明に係る画像形成装置の一実施形態における画像形成処理の他の例を示す概略フローチャートである。
符号の説明
10、100…インクジェット記録装置(画像形成装置)、50、50Y、50M、50C、50K…液滴吐出ヘッド、14…インク貯蔵/装填部、16…記録紙、33…回転ドラム、33b…回転転写ドラム、42…UV照射光源、43…同期検出センサ、81…記憶手段、82…記録媒体識別情報読取手段、83…インク識別情報読取手段、84…画像信号入力手段、91…定着時間特定手段、92…打滴順序設定手段、93…打滴時間差設定手段、94…相対移動制御手段、95…打滴制御手段、101乃至109…ドット、300…用紙巻付/巻解し部材、350…加圧転写部材

Claims (7)

  1. 画像形成の対象である画像データ及び出力解像度を示す情報を含む画像信号を入力する画像信号入力手段と、
    主走査方向に複数のノズルを有し、前記複数のノズルから前記画像信号に応じて所望のノズルを選択して所定の記録媒体に対して液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
    前記液滴吐出ヘッドを前記記録媒体に対して複数回走査させて、副走査方向の隣接ドット同士が互いに重なり合って打滴されるように、前記記録媒体と前記液滴吐出ヘッドとを前記副走査方向において相対移動させる相対移動手段と、
    前記記録媒体へのドット毎の定着時間を特定する定着時間特定手段と、
    前記記録媒体上で前記副走査方向において互いに重なり合うドット数がVnであるとき、前記出力解像度に基づいて前記Vnを算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された前記Vnを基本単位として前記副走査方向のドット列をN個のグループに分割して、前記副走査方向のドット列を(Vn−1)個おきに打滴するように前記副走査方向のドットの打滴順序を可変設定する打滴順序設定手段と、
    前記副走査方向の隣接ドット間の打滴時間差が前記ドット毎の定着時間以上となるように、前記副走査方向の隣接ドット間の打滴時間差を設定する打滴時間差設定手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記相対移動手段は、回転体を含んで構成され、
    該回転体は、前記ドット毎の定着時間、前記副走査方向の出力解像度、前記ノズルの吐出周期、及び、前記ドット数Vnに応じた周長を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記相対移動手段は、回転体を含んで構成され、
    該回転体は、本画像形成装置において用いられる前記副走査方向の出力解像度のうちで最も高い出力解像度に応じた周長を有し、前記最も高い出力解像度よりも低い出力解像度で打滴するときには、前記回転体の回転数又は前記ノズルの吐出周期を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記打滴順序設定手段は、互いに異なるドット径のドットを混在して打滴する場合、最も大きなドット径における前記ドット数Vnを用いて打滴順序を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記打滴時間差設定手段は、前記ドット毎の定着時間と前記ドット数Vnとに基づいて、前記副走査方向の隣接ドット間の打滴時間差を設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記相対移動手段は、前記記録媒体をその表面上に巻き付けて回転する回転ドラムであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記相対移動手段は、中間転写記録媒体として機能する回転転写ドラムであり、前記回転転写ドラムと前記記録媒体とを加圧転写する転写手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
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