JP2007236148A - モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】積層コアの磁気特性の選択性を向上でき且つ回転精度を向上できるモータを提供する。
【解決手段】積層コア13にコイル14が巻回されてなるモータ1Aにおいて、積層コア13は、磁気特性の異なる二種以上の磁性鋼板18,19のうち、一方の磁性鋼板18に形成された複数の凸部18dが他方の磁性鋼板19に形成された複数の孔19dにそれぞれ圧入されて一体になった単位コア部17を、シャフト10の回転軸線C1方向に沿って積層したことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】積層コア13にコイル14が巻回されてなるモータ1Aにおいて、積層コア13は、磁気特性の異なる二種以上の磁性鋼板18,19のうち、一方の磁性鋼板18に形成された複数の凸部18dが他方の磁性鋼板19に形成された複数の孔19dにそれぞれ圧入されて一体になった単位コア部17を、シャフト10の回転軸線C1方向に沿って積層したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、コイルが巻回された積層コアを有するモータに関する。
コイルが巻回されたコアを有するモータの中には、コアの鉄損を小さくするために複数の磁性鋼板を積層した積層コアを採用する場合がある。この種のモータとして、特許文献1には、高回転での運転域と高トルクでの運転域とでの効率を高めるために、高透磁率低磁束密度の材料からなる磁性鋼板と低透磁率高磁束密度の材料からなる磁性鋼板とを積層して形成した積層コアを採用したモータが記載されている。
積層コアが磁気飽和に達すると予定の磁束が得られず、予定の出力トルクが得られなくなってしまうため、最大磁束密度ができるだけ高い磁性材料を用いて積層コアを形成することが望ましい。また、シャフトの回転数を上げるためにコイルに流れる電流の周波数を高くすると、積層コアでの渦電流損失は大きくなるため、周波数の上昇に伴う渦電流損失が小さい周波数特性を有する磁性材料を用いて積層コアを形成することが望ましい。しかしながら、最大磁束密度が高く且つ高周波数で渦電流損失の小さい特殊な磁性材料の素材が柔らかい場合、積層コアの鉄損を低減するために磁性鋼板を薄くしようとすると、磁性鋼板の加工時に変形し易くなり、また、磁性鋼板を積層するときに変形し易くなって積層コアの品質が低下し易くなる。また、特許文献1に記載の積層コアのように、磁性材料の異なる二種類の磁性鋼板を用いて積層コアを製作する場合には、磁性鋼板に熱処理を施すと各磁性鋼板の材質が異なるためにそれぞれ異なった変形をし、熱処理後に各磁性鋼板を積層して形成する積層コアの品質が低下する。そして、この品質低下がモータの回転精度を低下させる。
本発明は、積層コアの磁気特性の選択性を向上でき且つ回転精度を向上できるモータを提供することを目的とする。
本発明は、積層コアにコイルが巻回されてなるモータにおいて、積層コアは、磁気特性の異なる二種以上の磁性鋼板のうち、一方の磁性鋼板に形成された単数または複数の凸部が他方の磁性鋼板に形成された単数または複数の連結孔にそれぞれ圧入されて一体になった単位コア部を、シャフトの回転軸線方向に沿って積層したことを特徴とする。
このモータでは、磁気特性の異なる二種以上の磁性鋼板によって単位コア部を構成するため、磁性鋼板の組み合わせ方によって積層コアの最大磁束密度や周波数特性といった磁気特性を容易に変えることができ、積層コアの磁気特性の選択性を向上できる。さらに、最大磁束密度や周波数特性といった磁気特性は高いが機械的な剛性が低い磁性鋼板に、機械的な剛性が高い他の磁性鋼板を組み合わせて単位コア部を形成することもでき、単位コア部の磁気特性を高めつつ剛性を高めることが容易になる。特に、剛性の高められた単位コア部を利用して積層コアを形成するときに、単位コア部の歪みその他の変形が生じ難くなって積層コアの品質が向上する。さらに、単位コア部は、磁気特性の異なる二種以上の磁性鋼板のうち、一方の磁性鋼板に形成された凸部が他方の磁性鋼板に形成された連結孔にそれぞれ圧入されて一体になっており、熱処理を施しても歪みその他の変形を生じ難い。その結果として、歪みの少ない単位コア部が利用されるので、積層コアの品質を向上させることができる。そして、積層コアの品質向上がモータの回転精度向上に寄与する。さらに、磁気特性の高い高価な磁性鋼板に磁気特性の低い安価な磁性鋼板を組み合わせて単位コア部を形成することもできるため、一種類の磁性材料によって単位コア部を形成する場合に比べて、単位コア部の製作費を低く抑える一方で単位コア部の磁気特性を容易に向上させることができる。従って、積層コアの磁気特性の選択性を高めつつコストダウンを図ることも可能になる。
また、一方の磁性鋼板の中央には中空のボス部が形成され、他方の磁性鋼板の中央にはボス部の外周が圧入される円孔が形成されていると好適である。一方の磁性鋼板に形成されたボス部が他方の磁性鋼板の円孔に圧入されるので単位コア部の製作が容易になる。さらに、一方の磁性鋼板の中央に形成されたボス部の外周は、他方の磁性鋼板の中央に形成された円孔に圧入されるので、一方の磁性鋼板と他方の磁性鋼板との間での心出しが不要になる。
また、シャフトの回転軸線方向に延在する筒状の周壁部を有するベース部を更に備え、一方の磁性鋼板には、外縁からシャフトの回転軸線方向に突出した筒状のボス部が形成され、ボス部の内周には、他方の磁性鋼板の外周が圧入され、ボス部の外周は周壁部の内周に圧入されると好適である。一方の磁性鋼板に形成されたボス部の内周に他方の磁性鋼板の外周が圧入されるので単位コア部の製作が容易になる。さらに、ベース部の周壁部の内周に単位コア部を圧入するに際し、一方の磁性鋼板と他方の磁性鋼板との間での心出しが不要になる。従って、複数の単位コア部を周壁部の内周に固定する際の精度向上と組立作業性向上とが両立する。
本発明によれば、積層コアの磁気特性の選択性を向上でき且つ回転精度を向上できる。
以下、図面を参照して本発明に係るモータの好適な実施の形態について詳細に説明をする。
[第1の実施の形態]
図1〜図3に示すように、モータ1Aは、小型のDCモータであり、金属製で円筒状の筺体2を有し、筺体2の開放された前端には、非磁性材によって形成された円盤状の前側ブラケット3が当接し、前側ブラケット3は筺体2にねじ止めされている。一方、筺体2の開放された後端には、樹脂製でカップ状の後側ブラケット4が、凹部4aを筺体2側に向けて当接し、後側ブラケット4は筺体2にねじ止めされている。筺体2、前側ブラケット3及び後側ブラケット4によってモータケース5が構成され、モータケース5内にマグネット6とロータ7とが収容されている。
図1〜図3に示すように、モータ1Aは、小型のDCモータであり、金属製で円筒状の筺体2を有し、筺体2の開放された前端には、非磁性材によって形成された円盤状の前側ブラケット3が当接し、前側ブラケット3は筺体2にねじ止めされている。一方、筺体2の開放された後端には、樹脂製でカップ状の後側ブラケット4が、凹部4aを筺体2側に向けて当接し、後側ブラケット4は筺体2にねじ止めされている。筺体2、前側ブラケット3及び後側ブラケット4によってモータケース5が構成され、モータケース5内にマグネット6とロータ7とが収容されている。
前側ブラケット3及び後側ブラケット4には、それぞれラジアル軸受8,9が圧入されており、前側ブラケット3及び後側ブラケット4を貫通して延在するシャフト10は、各ラジアル軸受8,9によって支持されている。ステータとしてのマグネット6は、筺体2の内壁面2aに接着されている。ロータ7は、マグネット6に包囲された積層コア13と、積層コア13に巻回されたコイル14と、コイル14に結線された整流子16とを有する。
積層コア13は、シャフト10の回転軸線C1に沿って積層された複数の単位コア部17を有する。単位コア部17は、図4及び図5に示すように、打ち抜き加工することで形成された第1の磁性鋼板18と第2の磁性鋼板19とからなる。第1の磁性鋼板18は最大磁束密度が1.6T以上の高磁束密度軟磁性材料を用いて形成され、第2の磁性鋼板19は第1の磁性鋼板18よりも剛性が高く最大磁束密度が1.5T以下の珪素鋼材を用いて形成される。
第1及び第2の磁性鋼板18,19の外周の輪郭は同一形状であり、周方向に並ぶ9本のポール部18a,19aは等間隔に配置されている。各ポール部18a,19a間の溝18b,19bは積層コア13のスロット13a(図3参照)になる。
第1の磁性鋼板18の中央には中空円筒状のボス部18cが形成されている。ボス部18cの内径は、シャフト10の外径に対応しており、ボス部18c内にシャフト10が圧入される。第1の磁性鋼板18には、回転軸線C1の方向に突出する円柱状の凸部18dが三箇所に設けられている。各凸部18dは、ボス部18cを囲む同一円周上で且つ各凸部18dを直線で結ぶと正三角形となるように配置されている。
第2の磁性鋼板19の中央には、ボス部18cの外径に対応した円孔19cが形成されており、この円孔19cの周りには、第1の磁性鋼板18の凸部18dが圧入される円形の連結孔19dが3個形成されている。第2の磁性鋼板19の円孔19cには、第1の磁性鋼板18のボス部18cの外周18fが圧入され、連結孔19d内に凸部18dが圧入されて、第2の磁性鋼板19は第1の磁性鋼板18と結合する。第1及び第2の磁性鋼板18,19は外周の輪郭がズレ無く重なり合って一体になり、第1の磁性鋼板18と第2の磁性鋼板19とで単位コア部17が構成される。
単位コア部17には熱処理が施される。その後、複数の単位コア部17は互いの輪郭がズレ無いように重ね合わせられ、図1及び図4に示すように、各ボス部18cの内側にシャフト10が圧入される。このようにして、複数の単位コア部17は、シャフト10の回転軸線C1に沿って積層され、積層コア13が形成される。そして、積層コア13を挟むようにして筒状の絶縁スペーサがシャフト10に圧入された後、積層コア13にエポキシ樹脂による絶縁粉体塗装が施される。シャフト10の後端側には、整流子16が接着される。コイル14は、積層コア13の9本のスロット13a(図3参照)を通り、ポール13bに巻回される。コイル14は整流子16に結線され、整流子16にはブラシ20が摺動接触する。ブラシ20はブラシホルダー21内に収容され、ブラシホルダー21は後側ブラケット4に固定されている。コイル14は、ブラシ20及び整流子16を介して通電され、マグネット6との協働によってシャフト10を回転させる。
モータ1Aの積層コア13は、複数の単位コア部17によって形成され、単位コア部17は、最大磁束密度の異なる二種類の磁性鋼板18,19の組み合わせによって形成される。その結果として、第1の磁性鋼板18と同じ材質の磁性鋼板のみを積層して積層コアを形成した場合に比べ、積層コア13の有する最大磁束密度のバリエーションが広がり、積層コア13の最大磁束密度に関する選択性が向上する。
特に、単位コア部17は、最大磁束密度は高いが剛性が低い第1の磁性鋼板18に最大磁束密度は低いが剛性が高い第2の磁性鋼板19を組み合わせることで、第1の磁性鋼板18の剛性を第2の磁性鋼板19で補い、第2の磁性鋼板19の最大磁束密度を第1の磁性鋼板18で補っており、単位コア部17の薄型化と単位コア部17の最大磁束密度の増加とを両立させている。その結果として、単位コア部17の薄型化による積層コア13の鉄損減少と、最大磁束密度の増加による出力トルクの増加とを両立させている。さらに、単位コア部17の剛性が高くなると、単位コア部17を搬送する際、または単位コア部17をシャフト10に圧入する際に、歪みその他の変形が生じ難くなる。
さらに、熱処理を施す場合、単位コア部17は、第1の磁性鋼板18と第2の磁性鋼板19との圧入結合による一体化により形成されているので、第1の磁性鋼板18や第2の磁性鋼板19に対して個別に熱処理を施す場合に比べて、歪みその他の変形を生じ難い。そして、歪みの少ない単位コア部17が利用される結果として、積層コア13の品質を向上できる。そして、積層コア13の品質向上がモータ1Aの回転精度向上に寄与する。
なお、最大磁束密度の高い第1の磁性鋼板18の素材が最大磁束密度の低い第2の磁性鋼板19の素材よりも高価な場合、第1の磁性鋼板18と同一素材の磁性鋼板のみで積層コアを形成すると、最大磁束密度は高くなるが製作費が高くなってしまう。一方、第2の磁性鋼板19と同一素材の磁性鋼板のみで積層コアを形成すると、製作費を低く抑えることはできるが最大磁束密度が低下してしまう。そこで、本発明に係るモータ1Aでは、第1の磁性鋼板18と第2の磁性鋼板19とを組み合わせて単位コア部17を形成することで、単位コア部17の製作費を低く抑える一方で単位コア部17の最大磁束密度を向上させており、積層コア13の最大磁束密度の選択性を高めつつコストダウンを図っている。
さらに、第1の磁性鋼板18の中央には、シャフト10が圧入される中空のボス部18cが形成され、第2の磁性鋼板19の中央には、ボス部18cが圧入される円孔19cが形成されている。従って、第1の磁性鋼板18のボス部18cが第2の磁性鋼板19の円孔19cに圧入されるので、単位コア部17の製作が容易になる。さらに、ボス部18cの内部にシャフト10を圧入するに際し、第1の磁性鋼板18と第2の磁性鋼板19との間での心出しが不要になる。従って、複数の単位コア部17をシャフト10に圧入する際の精度向上と組立作業性向上とが両立する。
[第2の実施の形態]
第1の実施形態に係る単位コア部17は、二枚の磁性鋼板18,19によって形成されたが、図6及び図7に示すように、第2の実施形態に係る単位コア部22は、磁気特性の異なる三枚の磁性鋼板23〜25によって構成される。第2の実施形態は、単位コア部22を除いて第1の実施形態と共通するため、単位コア部22を中心に説明を行い、その他の構成については、図1に示す第1の実施形態と同一の符号を記して説明を省略する。
第1の実施形態に係る単位コア部17は、二枚の磁性鋼板18,19によって形成されたが、図6及び図7に示すように、第2の実施形態に係る単位コア部22は、磁気特性の異なる三枚の磁性鋼板23〜25によって構成される。第2の実施形態は、単位コア部22を除いて第1の実施形態と共通するため、単位コア部22を中心に説明を行い、その他の構成については、図1に示す第1の実施形態と同一の符号を記して説明を省略する。
第1〜第3の磁性鋼板23,24,25の外周の輪郭は同一形状になっており、第1の実施形態に係る単位コア部17と同様に9本のポール部(図示せず)が形成されている。第1の磁性鋼板23の中央には、シャフト10に圧入される円筒状のボス部23aが設けられ、さらに、第1の磁性鋼板23には、回転軸線C1の方向に突出する円柱状の三本の凸部23bが形成されている。第2の磁性鋼板24の中央には、ボス部23aの外周23cが圧入される円孔24aが形成され、その円孔24aの周囲には、凸部23bが圧入される円形の連結孔24bが三個形成されている。同様に、第3の磁性鋼板25の中央にもボス部23aが圧入される円孔25aが形成され、その円孔25aの周囲には、凸部23bが圧入される円形の連結孔25bが三個形成されている。
第2の磁性鋼板24の円孔24aには、第1の磁性鋼板23のボス部23aが圧入され、さらに、連結孔24bには凸部23bが圧入される。また、第3の磁性鋼板25の円孔25aには、第2の磁性鋼板24を貫通して突き出たボス部23aが圧入され、さらに、連結孔25bには第2の磁性鋼板24を貫通して突き出た凸部23bが圧入される。このようにして、第2及び第3の磁性鋼板24,25は、第1の磁性鋼板23にズレ無く重なり合って一体になり、第1〜第3の磁性鋼板23,24,25によって単位コア部22が構成される。単位コア部22は、モータ1Aと同様にシャフト10に圧入され、複数の単位コア部22がシャフト10の回転軸線C1方向に積層されて積層コア13(図1参照)が形成される。
単位コア部22は、最大磁束密度の異なる三種類の磁性鋼板23〜25の組み合わせによって形成され、その結果として、最大磁束密度のバリエーションが広がり、積層コア13の最大磁束密度に関する選択性が向上する。さらに、熱処理を施す場合、単位コア部22は三種類の磁性鋼板23〜25の圧入結合による一体化により、第1〜第3の磁性鋼板23,24,25に対して個別に熱処理を施す場合に比べて、歪みその他の変形を生じ難い。そして、歪みの少ない単位コア部22が利用される結果として、積層コア13の品質を向上できる。そして、積層コア13の品質向上がモータの回転精度向上に寄与する。
[第3の実施の形態]
本発明に係るモータの第3の実施形態について説明する。図8に示すように、モータ1Bは小型のブラシレスモータであり、金属製のベース部27を有する。ベース部27の中央には円筒状のスリーブ27aが形成され、スリーブ27a内には、予圧ばね(図示せず)を挟むようにして上下2段となるラジアル軸受28,29が圧入されている。ラジアル軸受28,29によってシャフト30が支持されている。カップ状のロータヨーク部31は、凹部31aをスリーブ27a側に向けると共に、スリーブ27aを包囲するように配置されている。ロータヨーク部31の中央には、スリーブ27aの上端から突き出したシャフト30が固定されている。
本発明に係るモータの第3の実施形態について説明する。図8に示すように、モータ1Bは小型のブラシレスモータであり、金属製のベース部27を有する。ベース部27の中央には円筒状のスリーブ27aが形成され、スリーブ27a内には、予圧ばね(図示せず)を挟むようにして上下2段となるラジアル軸受28,29が圧入されている。ラジアル軸受28,29によってシャフト30が支持されている。カップ状のロータヨーク部31は、凹部31aをスリーブ27a側に向けると共に、スリーブ27aを包囲するように配置されている。ロータヨーク部31の中央には、スリーブ27aの上端から突き出したシャフト30が固定されている。
スリーブ27aの外周には積層コア32が圧入され、積層コア32の外周に形成されたポール(図示せず)にはコイル33が巻回されている。ロータヨーク部31の内壁面には、積層コア32を包囲するようにしてマグネット34が接着されている。ベース部27上で且つ積層コア32の下方にはホール素子が取り付けられた回路基板(図示せず)が固定されている。そして、コイル33への通電によってマグネット34が回転し、マグネット34の磁極をホール素子が検出してコイル33への通電が切り替わり、シャフト30が一方向に回転する。
積層コア32は、シャフト30の回転軸線C2方向に沿って積層された複数の単位コア部35によって形成される。そして、図9に示すように、単位コア部35は最大磁束密度の高い第1の磁性鋼板36と最大磁束密度は低いが剛性の高い第2の磁性鋼板37とによって形成される。第1の磁性鋼板36の中央には、スリーブ27aに圧入される円孔36aが形成されている。さらに、第1の磁性鋼板36には、円孔36aの外縁に沿って回転軸線C2の方向に突出する中空円筒状のボス部36cが形成されている。一方、第2の磁性鋼板37の中央には、第1の磁性鋼板36のボス部36cの外径に対応した円孔37aが形成されている。
さらに、第1の磁性鋼板36には円孔36aの周囲に三個の凸部36bが形成され、第2の磁性鋼板37には、凸部36bが圧入される三個の連結孔37bが形成されている。第2の磁性鋼板37の連結孔37bには、第1の磁性鋼板36の凸部36bが圧入されて、第2の磁性鋼板37は第1の磁性鋼板36と結合する。第1及び第2の磁性鋼板36,37は外周の輪郭がズレ無く重なり合って一体になり、第1の磁性鋼板36と第2の磁性鋼板37とで単位コア部35が構成される。複数の単位コア部35は筒状の積層コア製造用スリーブ38に緩やかに圧入されて積層される。積層コア製造用スリーブ38の外径は、ベース部27のスリーブ27a(図8参照)の外径に対応している。
積層コア32を製造する際に利用されるスリーブ38にはフランジ38aが形成されており、最初に圧入される単位コア部35は、フランジ38aに当接するまで挿入され、その後、他の単位コア部35が順次軽圧入される。このようにして、複数の単位コア部35は心出しが行われながら積層され、その後、絶縁粉体塗装が施されて一体になった後に積層コア製造用スリーブ38から取り外される。積層コア製造用スリーブ38から取り外された積層コア32(図8参照)には、絶縁コーティングが施された後にコイル33が巻回され、ベース部27のスリーブ27aに圧入固定される。
なお、第3の実施形態に係るモータ1Bの変形例として、スリーブ27aを有しないベース部に貫通孔を形成し、その貫通孔に単位コア部35が圧入固定された積層コア製造用スリーブ38の端部を直接圧入できるようにしてもよい。この場合、積層コア製造用スリーブ38と一緒に積層コア32がベース部に固定され、積層コア製造用スリーブ38内にはラジアル軸受が圧入されて、シャフトを支持するようにしてもよい。
モータ1Bの積層コア32は、複数の単位コア部35の積層によって形成され、単位コア部35は最大磁束密度の異なる二種類の磁性鋼板36,37の組み合わせによって形成される。その結果として、第1の磁性鋼板36と同材質の磁性鋼板のみを用いて積層コア32を形成する場合に比べ、積層コア32の有する最大磁束密度のバリエーションは広がり、最大磁束密度の選択性が向上する。さらに、熱処理を施す場合、単位コア部35は二種類の磁性鋼板36,37の圧入結合による一体化により、各磁性鋼板36,37に対して個別に熱処理を施す場合に比べて、歪みその他の変形を生じ難い。そして、歪みの少ない単位コア部35が利用される結果として、積層コア32の品質を向上できる。そして、積層コア32の品質向上がモータ1Bの回転精度向上に寄与する。
さらに、第1の磁性鋼板36に形成されたボス部36cの外周36dが第2の磁性鋼板37の円孔37aに圧入されるので単位コア部35の製作が容易になる。さらに、第1の磁性鋼板36の中央に形成されたボス部36cの外周36dは、第2の磁性鋼板37の中央に形成された円孔37aに圧入されるので、第1の磁性鋼板36と第2の磁性鋼板37との間での心出しが不要になる。
[第4の実施の形態]
本発明に係るモータの第4の実施形態について説明する。図10に示すように、モータ1Cは小型のブラシレスモータであり、金属製で円形のベース部39を有し、ベース部39の周縁には、円筒状の周壁部39aが形成されている。そして、周壁部39aの内周には、外周が円形である積層コア46(図11参照)が圧入されている。積層コア46の内周に形成されたポール46aには、コイル51が巻回されている。
本発明に係るモータの第4の実施形態について説明する。図10に示すように、モータ1Cは小型のブラシレスモータであり、金属製で円形のベース部39を有し、ベース部39の周縁には、円筒状の周壁部39aが形成されている。そして、周壁部39aの内周には、外周が円形である積層コア46(図11参照)が圧入されている。積層コア46の内周に形成されたポール46aには、コイル51が巻回されている。
ベース部39の中央には中央孔39cが形成され、中央孔39cには、予圧ばね(図示せず)を挟むようにして上下2段となるラジアル軸受41,42が圧入されている。ラジアル軸受41,42によって支持されたシャフト43は周壁部39aに沿って延在する。シャフト43には、遠心方向に延在する円板状のロータヨーク部44が固定されている。ロータヨーク部44の外縁に沿った円周面には、積層コア46に包囲されるようにして、マグネット45が接着されている。
ベース部39上で且つ積層コア46の下方にはホール素子が取り付けられた回路基板が固定されている。コイル51へ通電するとマグネット45が回転し、マグネット45の磁極をホール素子が検出してコイル51への通電が切り替わり、シャフト43が一方向に回転する。
積層コア46は、シャフト43の回転軸線C3方向に沿って積層された複数の単位コア部47によって形成される。単位コア部47は、図12〜図14に示すように、最大磁束密度の異なる二種類の磁性鋼板48,49によって形成される。第1及び第2の磁性鋼板48,49の内周の輪郭は同一形状であり、この内周には、コイル51(図11参照)が巻回される9本のポール部48a,49aが形成されている。
第1の磁性鋼板48の外縁の輪郭は円形であり、その外縁から回転軸線C3の方向に突出する円筒状のボス部48bが形成されている。ボス部48bの外周48dは、回転軸線C3の方向に延在する周壁部39aの内周39dに圧入される。一方、第2の磁性鋼板49は、第1の磁性鋼板48よりもわずかに径の小さい円形であり、第2の磁性鋼板49の外周49cは、第1の磁性鋼板48に設けられたボス部48bの内周48eに圧入される。
また、第1の磁性鋼板48には、回転軸線C3の方向に突出する円柱状の凸部48cが三箇所に形成されている。一方、第2の磁性鋼板49には、凸部48cに圧入される連結孔49bが三個形成されている。第2の磁性鋼板49の連結孔49bには、第1の磁性鋼板48の凸部48cが圧入されて、第2の磁性鋼板49は第1の磁性鋼板48と結合する。第1及び第2の磁性鋼板48,49は内周の輪郭がズレ無く重なり合って一体になり、第1の磁性鋼板48と第2の磁性鋼板49とで単位コア部47が構成される。
単位コア部47の製造にあたっては、図15に示すように、円筒状の積層コア製造用スリーブ52が利用される。積層コア製造用スリーブ52の内径は、円筒状の周壁部39a(図10参照)の内径に対応している。積層コア製造用スリーブ52の内周面には環状の突起部52aが形成されており、最初に緩やかに圧入される単位コア部47は、突起部52aに当接するまで挿入され、その後、他の単位コア部47が順次軽圧入される。このようにして、複数の単位コア部47は心出しが行われながら積層され、その後、絶縁粉体塗装が施されて一体になった後に積層コア製造用スリーブ52から取り外される。積層コア製造用スリーブ52から取り外された積層コア46には、絶縁コーティングが施された後、図11に示すようにコイル51が巻回される。
なお、第4の実施形態に係るモータ1Cの変形例として、ベース部39の周壁部39aに、単位コア部47が圧入固定された積層コア製造用スリーブ52を圧入できるようにしてもよい。この場合、積層コア製造用スリーブ52とともに積層コア46を周壁部39a内に固定し、積層コア46がマグネットを包囲するように構成することも可能である。
モータ1Cの積層コア46は、複数の単位コア部47の積層によって形成され、単位コア部47は最大磁束密度の二種類の磁性鋼板48,49の組み合わせによって形成される。その結果として、積層コア46の最大磁束密度のバリエーションは広がり、最大磁束密度の選択性が向上する。さらに、熱処理を施す場合、単位コア部47は二種類の磁性鋼板48,49の圧入結合による一体化により、各磁性鋼板48,49に対して個別に熱処理を施す場合に比べて、歪みその他の変形を生じ難い。そして、歪みの少ない単位コア部47が利用される結果として、積層コア46の品質を向上できる。そして、積層コア46の品質向上がモータ1Cの回転精度向上に寄与する。
さらに、第1の磁性鋼板48の外縁には、回転軸線C3の方向に突出する円筒状のボス部48bが形成され、第2の磁性鋼板49は、ボス部48b内に圧入されるので、単位コア部47の製作が容易になる。さらに、ベース部39の周壁部39a内に単位コア部47を圧入するに際し、第1の磁性鋼板48と第2の磁性鋼板49との間での心出しが不要になる。従って、複数の単位コア部47を周壁部39a内に圧入する際の精度向上と組立作業性向上とが両立する。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、一方の磁性鋼板に形成される凸部及び他方の磁性鋼板に形成される連結孔は単数であってもよく、さらに、2または4以上の複数であってもよい。また、単位コア部を構成する複数の磁性鋼板は4枚以上であってもよい。さらに、磁性鋼板の磁気特性としては、最大磁束密度に限定されず、透磁率や周波数特性、鉄損などであってもよく、例えば、特異な周波数特性を持つ軟磁性材料によって形成された磁性鋼板と、低鉄損磁性材料によって形成された磁性鋼板とを組み合わせて単位コア部を形成するようにすることも可能である。
また、積層コアは、複数の単位コア部を積層した状態でリベット留め、接着または抵抗溶接によって固定し、その後、粉体塗装を施して製造してもよい。
1A,1B,1C…モータ、10,30,43…シャフト、13,32,46…積層コア、14,33,51…コイル、17,22,35,47…単位コア部、18,23,36,48…第1の磁性鋼板、18c,23a,36c,48b…ボス部、18d,23b,36b,48c…凸部、18f,23c,36d,48d,49c…外周、48e…内周、19,24,37,49…第2の磁性鋼板、19c,24a,25a…円孔、19d,24b,25b,37b,49b…連結孔、25…第3の磁性鋼板、39a…周壁部、39d…内周、C1,C2,C3…回転軸線。
Claims (3)
- 積層コアにコイルが巻回されてなるモータにおいて、
前記積層コアは、磁気特性の異なる二種以上の磁性鋼板のうち、一方の前記磁性鋼板に形成された単数または複数の凸部が他方の前記磁性鋼板に形成された単数または複数の連結孔にそれぞれ圧入されて一体になった単位コア部を、シャフトの回転軸線方向に沿って積層したことを特徴とするモータ。 - 一方の前記磁性鋼板の中央には中空のボス部が形成され、他方の前記磁性鋼板の中央には前記ボス部の外周が圧入される円孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載のモータ。
- 前記シャフトの回転軸線方向に延在する筒状の周壁部を有するベース部を更に備え、
一方の前記磁性鋼板には、外縁から前記シャフトの回転軸線方向に突出した筒状のボス部が形成され、前記ボス部の内周には、他方の前記磁性鋼板の外周が圧入され、前記ボス部の外周は前記周壁部の内周に圧入されることを特徴とする請求項1記載のモータ。
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