JP2007235923A - 電気音響変換器及びイヤースピーカ装置 - Google Patents

電気音響変換器及びイヤースピーカ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】充分な低音を含む高品質な再生音をリスナに聴取させ得るようにする。
【解決手段】イヤースピーカ装置20は、リスナの頭部100に装着された際、電気音響変換部22Lのスピーカユニット7Lを当該リスナの外耳道入口102Lよりもやや前方に位置させると共に管状ダクト28Lが外耳道入口102Lの方向に延長された状態で再生音を出力することにより、バスレフダクトとして作用する管状ダクト28Lの孔部28ALから放射する低音を十分な音圧レベルで鼓膜103に伝達することができるので、自然な音像定位を与え比較的低音域まで充分な音圧レベルでなる良好な再生音をリスナに聴取させることができる。
【選択図】図11

Description

本発明は電気音響変換器及びイヤースピーカ装置に関し、例えば頭部装着型のウェアラブルスピーカ装置に適用して好適なものである。
従来、頭部装着型のウェアラブルスピーカ装置の一例であるヘッドホン装置においては、リスナの頭部に装着された状態でCD(Compact Disc)の再生音声等を表す電気信号を音(以下、これを再生音と呼ぶ)に変換し、当該リスナに聴取させるようになされたものが広く普及している。
一般的なヘッドホン装置では、音を発生させるスピーカユニットがリスナの外耳道入口の正面付近に位置するようになされており、当該スピーカユニットから鼓膜に対して直接的に音を到達させ音質を向上し得るものの、音像をリスナの頭内に定位させることになり当該リスナに不自然な印象を与えてしまっていた。
このためヘッドホン装置の中には、スピーカユニットを外耳道入口(耳孔)からやや離隔させ前頭部側に位置させることにより、一般的な据置型のスピーカを用いた場合のように音像を頭外に定位させ不自然感を払拭させると共に、リスナの耳の周囲に密閉空間を形成する密閉型とすることにより充分な低音を聴取させ得るよう図られたものが考案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3054295号公報(第3頁、第1図)
ところで、かかる構成のヘッドホン装置に対して、充分な低音を含む良好な音質を維持しながら開放型とすることによりリスナに開放感を与えたいという要望があるものの、スピーカユニットが耳孔から離隔されているため、単純に密閉型を開放型としただけでは低音域が不足し音質を悪化させてしまい、かかる要望に応じ得ないという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、自然な音像定位を与え充分な低音を含む高品質な再生音をリスナに聴取させ得る電気音響変換器及びイヤースピーカ装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の電気音響変換器においては、リスナの頭部に対する所定位置に装着された内部に空間を有する筐体部と、筐体部の一面に取り付けられ、筐体部がリスナの頭部に装着された際、リスナの外耳道入口との間に所定の距離が設けられるスピーカユニットと、リスナの外耳道入口へ向けて延長され、筐体部の内側に生じた音をスピーカユニットよりも外耳道入口に近い位置から放音させる管状ダクトとを設けるようにした。
これにより、外耳道入口との間に所定の距離が設けられたスピーカユニットから放射する中高音を外耳道内へ到達させ得ると共に、管状ダクトを介してリスナの外耳道入口に近い位置から放射する低音も効率良く外耳道内へ到達させ得るので、音像をリスナの頭外に定位させ得る中高音と音圧レベルが高められた低音とを合わせて当該リスナに聴取させることができる。
また本発明のイヤースピーカ装置においては、リスナの頭部に対する所定位置に装着された内部に空間を有する筐体部と、筐体部の一面に取り付けられ、筐体部がリスナの頭部に装着された際、リスナの外耳道入口との間に所定の距離が設けられるスピーカユニットと、リスナの外耳道入口へ向けて延長され、筐体部の内側に生じた音をスピーカユニットよりも外耳道入口に近い位置から放音させる管状ダクトとを有する電気音響変換器と、スピーカユニットとリスナの外耳道入口との間に所定距離が設けられるよう電気音響変換器をリスナの頭部に装着させる装着部とを設けるようにした。
これにより、外耳道入口との間に所定の距離が設けられたスピーカユニットから放射する中高音を外耳道内へ到達させ得ると共に、管状ダクトを介してリスナの外耳道入口に近い位置から放射する低音も効率良く外耳道内へ到達させ得るので、音像をリスナの頭外に定位させ得る中高音と音圧レベルが高められた低音とを合わせて当該リスナに聴取させることができる。
本発明によれば、外耳道入口との間に所定の距離が設けられたスピーカユニットから放射する中高音を外耳道内へ到達させ得ると共に、管状ダクトを介してリスナの外耳道入口に近い位置から放射する低音も効率良く外耳道内へ到達させ得るので、音像をリスナの頭外に定位させ得る中高音と音圧レベルが高められた低音とを合わせて当該リスナに聴取させることができ、かくして自然な音像定位を与え充分な低音を含む高品質な再生音をリスナに聴取させ得る電気音響変換器及びイヤースピーカ装置を実現できる。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態によるイヤースピーカ装置の構成
図1、図2及び図3において、イヤースピーカ装置1は、全体としてポータブルCD(Compact Disc)プレーヤやDMP(Digital Music Player)の再生処理等により生成された電気信号を音に変換しリスナに聴取させるようになされている。
イヤースピーカ装置1は、一般的な箱形のスピーカ装置とは異なり、ヘッドホン装置と同様にリスナの頭部に装着されることを前提としており、大きく分けて電気信号を音(以下、これを再生音と呼ぶ)に変換する電気音響変換部2L及び2Rと、当該電気音響変換部2L及び2Rをリスナの頭部に装着して固定させるためのバンド部3とにより構成されている。
電気音響変換部2L及び2Rは、球体が垂直方向に4等分されたような形状でなる筐体部4L及び4Rを中心に構成されている。筐体部4L及び4Rは、それぞれ後面側及び左右内側に平面部分が形成されており、左右内側にはリスナの頭部に対する側圧を和らげるためのパッド部5L及び5Rが取り付けられている。
筐体部4L及び4Rの後面側における平面部分であるバッフル板4AL及び4ARには、電気信号を音に変換するスピーカユニット7L及び7Rが取り付けられている。このスピーカユニット7L及び7Rは、ポータブルCDプレーヤやDMP等から接続ケーブル6を介して供給される電気信号に応じて、振動板を振動させることにより放音するようになされている。
また筐体部4L及び4Rのバッフル板4AL及び4ARには、所定太さを有する中空の部材が側面略U字状に曲げられた管状ダクト8L及び8Rが取り付けられている。この管状ダクト8L及び8Rは、図1に示したように、後端側がそれぞれ左右内側方向に曲げられており、さらに後側先端部のほぼ中央にそれぞれ孔部8AL及び8ARが設けられている。
バンド部3は、中央部3Aを中心に一般的な人間の頭部の形状に合わせて上に凸の略アーチ型に形成されていると共に、当該中央部3Aに対して伸縮自在に摺動し得るアジャスト部3BL及び3BRによりバンド部3全体の長さを調整し得るようになされている。
またバンド部3は、一般的な人間の頭部の形状よりも小さい径のアーチ型に形成されると共に弾性力を有しており、リスナに装着される際に筐体部4L及び4Rを左右に広げながら装着されると、装着後に当該弾性力の作用によって元の形状に戻ろうとするため、筐体部4L及び4Rを当該リスナの頭部に対して当接させた状態で保持することができる。
なお、イヤースピーカ装置1は、図1〜図3に示したようにほぼ左右対称に構成されているため、以下では主に左側の電気音響変換部2Lを例に説明する。
実際上、イヤースピーカ装置1は、図4に左側面図を示すように、バンド部3における長さが調整された上でリスナの頭部100に装着されることにより、アジャスト部3BL及び3BRの下端側に取り付けられた電気音響変換部2Lをリスナの頭部における耳介101Lよりもやや前方に位置させるようになされている。
これによりイヤースピーカ装置1の電気音響変換部2Lは、スピーカユニット7Lから放射された中高音を直接リスナの外耳道内部へ到達させると共に、当該リスナの頬や耳介101L等で反射された反射音も外耳道内部へ到達させることができるため、一般的な据置型スピーカを介して聴取した場合と同様の、自然な音像定位を与えることができる。
このときイヤースピーカ装置1は、リスナに正常に装着された際、スピーカユニット7Lが耳介101L及び外耳道入口102Lのやや前方に位置し、管状ダクト8Lの孔部8ALが外耳道入口102Lの近傍に位置するようになされている。
因みに管状ダクト8Lは、側面略U字状に形成されているため、リスナの外耳道内へ入り込まないようになされている。これによりイヤースピーカ装置1は、当該リスナが装着時等に誤って管状ダクト8Lにより当該外耳道内を傷つけてしまうことを未然に防止し得るようになされている。
ここで図4におけるQ1−Q2断面図を図5に示すように、筐体部4Lはスピーカユニット7Lが取り付けられた状態で管状ダクト8Lを除き密閉された空間を形成しており、スピーカユニット7Lに対して筐体部4L及び当該管状ダクト8Lにより共振回路を形成するようになされている。
また管状ダクト8Lは、筐体部4Lの内部から筐体部4Lのバッフル板4ALを貫通してリスナの外耳道入口102Lの近傍に到達している。実際上、電気音響変換部2Lは、管状ダクト8Lをバスレフダクトとして作用させることにより、全体としてバスレフ型のスピーカとして動作するようになされている。
ところで、一般的なバスレフ型スピーカでは、ダクトが筐体の内部のみに設けられ、外部へは延長されないようになされている。そこで、電気音響変換部2Lとの比較用に、図5と対応する図6に示すような電気音響変換部12Lを想定する。この電気音響変換部12Lは、一般的なバスレフ型スピーカと同様に構成されており、筐体部4の内側のみに電気音響変換部2Lにおける管状ダクト8Lに代えて2本の管状ダクト18L及び19Lを有している。
この電気音響変換部12Lの場合、スピーカユニット7Lの位置を仮想的な音源の位置(以下、これを仮想音源位置と呼ぶ)PMと見なしたときの、当該スピーカユニット7Lから放射された中高音がリスナの鼓膜103Lに到達するまでの経路長EMと、孔部18AL及び19ALを仮想音源位置PL2と見なしたときの、管状ダクト18L内及び19L内を伝わり当該孔部18AL及び19ALから放射された低音がリスナの鼓膜103Lに到達するまでの経路長EL2とを比較すると、経路長EM≒経路長EL2となっている。
ここで、電気音響変換部12Lにより鼓膜103Lに到達する音の周波数特性を図7に示す。この図7に示すように、一般的なバスレフ型の電気音響変換部12Lは、スピーカユニット7Lから放射される、特性曲線SMに示すような周波数特性でなる中高音と、管状ダクト18L内及び19L内を伝わり孔部18AL及び19ALから放射される、特性曲線SL2に示すような周波数特性でなる低音とを合わせてリスナの鼓膜103Lまで到達させることになる。
これにより電気音響変換部12Lは、特性曲線SM及び特性曲線SL2が合成された特性曲線SG2に示すように、特性曲線SMにおける低音域の音圧レベルがある程度上昇された再生音をリスナに聴取させることができる。
一方、本発明による電気音響変換部2L(図5)では、スピーカユニット7Lを仮想音源位置PMとみなしたときの、当該スピーカユニット7Lから放射された中高音がリスナの鼓膜103Lに到達するまでの経路長EMと、孔部8ALを仮想音源位置PL1と見なしたときの、管状ダクト8L内を伝わり当該孔部8ALから放射された低音がリスナの鼓膜103Lに到達するまでの経路長EL1とを比較すると、経路長EM>経路長EL1となっている。
ここで、電気音響変換部2Lにより鼓膜103Lに到達する音の周波数特性を図8に示す。電気音響変換部2Lは、上述したようにバスレフ型スピーカの一種であるため、図7に示した場合と同様、スピーカユニット7Lから放射される、特性曲線SMに示すような周波数特性でなる中高音と、管状ダクト8Lを伝わり孔部8ALから放射される、特性曲線SL1に示すような周波数特性でなる低音とを合わせてリスナの鼓膜103Lまで到達させることになる。
ところで、一般に音源からの距離と音圧レベルとは反比例の関係にある。ここで電気音響変換部2L(図5)と電気音響変換部12L(図6)との経路長を比較すると、経路長EL1<経路長EL2の関係となる。すなわち電気音響変換部2L(図5)は、仮想音源位置PL1が電気音響変換部12L(図6)の仮想音源位置PL2よりもリスナの外耳道入口102L近傍に位置しているため、管状ダクト8L内を伝わり孔部8AL(仮想音源位置PL1)から放射される低音を、電気音響変換部12Lの場合よりも高い音圧レベルで鼓膜103Lまで到達させることができる。
すなわち図9に特性曲線を重ねて示すように、管状ダクト8Lによる低音の特性曲線SL1は、経路長EL1<経路長EL2の関係により、管状ダクト18L及び19Lによる低音の特性曲線SL2と比較して全体的な音圧レベルが高くなる。
この結果、本発明による電気音響変換部2Lは、特性曲線SM及び特性曲線SL1が合成された特性曲線SG1に示すように、特性曲線SMにおける低音域の音圧レベルが電気音響変換部12Lの場合(特性曲線SG2)よりも上昇された、比較的低い周波数帯まで十分な音圧レベルの再生音をリスナに聴取させることができる。
ここで特性曲線SG1と特性曲線SG2とを比較すると、特性曲線SG2では低音域側へ進むに連れて比較的急峻に音圧レベルが低下しているのに対して、特性曲線SG1では低音域側へ進むに連れてける音圧レベルの低下度合いが緩やかになっていることがわかる。
すなわち電気音響変換部2Lは、電気音響変換部12Lと比較して、広い周波数帯域に渡って高い音圧レベルでなる、すなわち充分な低音域が含まれる良好な再生音をリスナの鼓膜103に伝達して聴取させることができる。
この場合、電気音響変換部2Lは、図4及び図5に示したように、リスナの外耳道入口102Lの近傍に管状ダクト8Lの後端側を位置させており、当該外耳道入口102Lを完全には閉塞しない。このため電気音響変換部2Lは、スピーカユニット7Lから出力する中高音及び管状ダクト8Lの孔部8ALから放射する低音を合わせた再生音に加えて、リスナの周囲で発生した音(以下これを周囲音と呼ぶ)を遮断することなく当該リスナの鼓膜103Lまで到達させ聴取させることができる。
因みに電気音響変換部2Lは、筐体部4Lの内容積が10[ml]、スピーカユニット7Lの外径が21[mm]、当該スピーカユニット7Lの振動板における有効振動半径が8.5[mm]、振動系の等価質量が0.2[g]、最低共振周波数f0が360[Hz]、共振のQ0が1.0となされている。
また管状ダクト8Lは、内径が1.8[mm]、当該管状ダクト8Lの筐体部4L内に位置する内部端8BLから孔部8ALまでの有効長が50[mm]、バッフル板4ALの表面から孔部8ALまでの距離が約35[mm]となされている。ここで管状ダクト8Lは、側面U字状に形成され後側先端部の中央に孔部8ALが設けられているため、実質的に上半分及び下半分による2本のバスレフダクトを構成しており、当該管状ダクト8Lを1本の管状ダクトに換算した場合の内径(この場合は約2.5[mm]に相当する)が考慮された上で、その内径及び有効長が決定されている。
この電気音響変換部2L及び電気音響変換部12Lについて、人間の耳介及び外耳道を模した測定用治具を用いて実際の周波数特性を測定したところ、図10に示すような特性曲線SG11(電気音響変換部2Lの場合)及び特性曲線SG12(電気音響変換部12Lの場合)が得られた。
この図10では、図9に示した理論的な周波数特性と同様、およそ500[Hz]以下の低音域において、電気音響変換部2Lの特性曲線SG11が電気音響変換部12Lの特性曲線SG12よりも高い音圧レベルとなっている。すなわち、電気音響変換部2Lが実際にリスナに充分な低音を含む良好な再生音を聴取させ得ることが示されている。
このようにイヤースピーカ装置1は、リスナの頭部100に装着された際、スピーカユニット7Lをリスナの外耳道入口102Lからやや離れた場所に位置させ再生音の中高音を放射すると共に、筐体部4Lから当該外耳道入口102Lの近傍まで延長されバスレフダクトとして作用する管状ダクト8Lの孔部8ALから再生音の低音を放射することにより、自然な音像定位を与え充分な低音を含む良好な再生音を当該リスナに聴取させることができる。
(2)他の形状のダクトを有するイヤースピーカ装置の構成
(2−1)第2の実施の形態
ところで本発明によるイヤースピーカ装置1は、図1〜5に示したように、リスナの頭部100に装着された際に管状ダクト8L及び8Rがそれぞれ外耳道入り口102L及び102R(図示せず)の直近まで延長されているが、この管状ダクト8L及び8Rに代えて他の種々の形状でなるダクトを有するようにしても良い。
例えば図1、図4及び図5と対応する図11、図12及び図13に示すように、イヤースピーカ装置1と対応するイヤースピーカ装置20は、電気音響変換部2L及び2Rに代えて電気音響変換部22L及び22Rを有している。
電気音響変換部22L及び22Rは、管状ダクト8L及び8Rに代えて管状ダクト28L及び28Rを有している。この管状ダクト28L及び28Rは、管状ダクト8L及び8Rと同様に中空の部材が側面略U字状に曲げられたような形状に形成されているものの、バッフル板4AL及び4ARから突出する部分の長さが管状ダクト8L及び8Rよりも短くなるよう形成されており、後側先端部のほぼ中央にそれぞれ孔部28AL及び28ARが設けられている。
このためイヤースピーカ装置20は、リスナの頭部100に装着された際、図12及び図13に示したように、管状ダクト28L及び28Rの孔部28AL及び28ARが外耳道入口102L及び102R(図示せず)からやや離れることになる。
このためイヤースピーカ装置20は、管状ダクト28L及び28Rをリスナの外耳等に触れさせずに済み、当該リスナに不快感を与える可能性を格段に低減することができる。
またイヤースピーカ装置20の電気音響変換部22Lは、経路長EL3(図13)がイヤースピーカ装置1における経路長EL1(図5)よりも長くなっているものの、イヤースピーカ装置1と同様に経路長EM>経路長EL3の関係を有している。
従って電気音響変換部22Lは、電気音響変換部2Lと同様、管状ダクト28L内を伝わり孔部28AL(仮想音源位置PL3)から放射される低音を、電気音響変換部12L(図6)の場合よりも高い音圧レベルで鼓膜103Lまで到達させることができる。
この場合、イヤースピーカ装置20は、経路長EL3(図13)>経路長EL1(図5)であるために電気音響変換部22Lから出力される低音の音圧レベルが電気音響変換部2Lから出力される低音の音圧レベルよりも低くなることを考慮し、管状ダクト28L及び28Rの全長や内径等が調整されていれば良い。
(2−2)第3の実施の形態
図1、図4及び図5とそれぞれ対応する図14、図15及び図16に示すように、イヤースピーカ装置1と対応するイヤースピーカ装置30は、電気音響変換部2L及び2Rに代えて電気音響変換部32L及び32Rを有している。
電気音響変換部32L及び32Rは、管状ダクト8L及び8Rに代えて管状ダクト38L及び38Rを有している。この管状ダクト38L及び38Rは、中空の管が直線状に形成されており、後側先端部が孔部38AL及び38ARとなっている。
このためイヤースピーカ装置30は、イヤースピーカ装置20(図12及び図13)と同様、リスナの頭部100に装着された際、図15及び図16に示したように、管状ダクト38L及び38Rの孔部38AL及び38ARを外耳道入口102L及び102R(図示せず)からやや離すことになり、当該管状ダクト38L及び38Rをリスナの外耳等に触れさせずに済む。
またイヤースピーカ装置30の電気音響変換部32Lは、電気音響変換部22Lと同様に経路長EM>経路長EL4(図16)の関係を有しており、管状ダクト38L内を伝わり孔部38AL(仮想音源位置PL4)から放射される低音を、電気音響変換部12L(図6)の場合よりも高い音圧レベルで鼓膜103Lまで到達させることができる。
この場合、イヤースピーカ装置30は、経路長EL4(図13)>経路長EL1(図5)であるために電気音響変換部32Lから出力される低音の音圧レベルが電気音響変換部2Lから出力される低音の音圧レベルよりも低くなり、且つ管状ダクト8L及び8Rと管状ダクト38L及び38Rとの形状が大きく異なることを考慮し、当該管状ダクト38L及び38Rの全長や内径等が調整されていれば良い。
(2−3)第4の実施の形態
図1、図4及び図5とそれぞれ対応する図17、図18及び図19に示すように、イヤースピーカ装置1と対応するイヤースピーカ装置40は、電気音響変換部2L及び2Rに代えて電気音響変換部42L及び42Rを有している。
電気音響変換部42L及び42Rは、管状ダクト8L及び8Rに代えて管状ダクト48L及び48Rを有している。この管状ダクト48L及び48Rは、直方体が前後に貫通されたような形状を有し後側先端部が孔部48AL及び48ARとなっており、また筐体部4L及び4Rと対応する筐体部44L及び44Rと一体に形成されている。
このためイヤースピーカ装置40は、イヤースピーカ装置30(図15及び図16)と同様、リスナの頭部100に装着された際、図18及び図19に示したように、管状ダクト48L及び48Rの孔部48AL及び48ARを外耳道入口102L及び102R(図示せず)からやや離すことになり、当該管状ダクト48L及び48Rをリスナの外耳等に触れさせずに済む。
またイヤースピーカ装置40の電気音響変換部42Lは、電気音響変換部32Lと同様に経路長EM>経路長EL5(図19)の関係を有しており、管状ダクト48L内を伝わり孔部48AL(仮想音源位置PL5)から放射される低音を、電気音響変換部12L(図6)の場合よりも高い音圧レベルで鼓膜103Lまで到達させることができる。
この場合、イヤースピーカ装置40は、経路長EL5(図13)>経路長EL1(図5)であるために電気音響変換部42Lから出力される低音の音圧レベルが電気音響変換部2Lから出力される低音の音圧レベルよりも低くなり、且つ管状ダクト8L及び8Rと管状ダクト48L及び48Rとの形状が大きく異なることを考慮し、当該管状ダクト48L及び48Rの全長や上下長等が調整されていれば良い。
(3)他の装着部を有するイヤースピーカ装置の構成
ところで、本発明によるイヤースピーカ装置1、20、30及び40は、図1〜図4、図11、図12、図14、図15、図17及び図18に示したように、装着部としてのバンド部3により電気音響変換部2L及び2Rをリスナの頭部100に装着するようになされているが、このバンド部3に代えて他の種々の装着部を用いることにより電気音響変換部2L及び2R、22L及び22R、32L及び32R、並びに42L及び42Rをリスナの頭部100に装着するようにしても良い。
なお、以下では、第2の実施の形態におけるイヤースピーカ装置20を例に、主に左側の電気音響変換部22Lを例に説明するが、右側の電気音響変換部22Rについては、当該左側の電気音響変換部22Lと左右対称に構成されるものとする。
例えば図20に示すイヤースピーカ装置120は、いわゆるイヤークリップ型に構成されており、イヤースピーカ装置20(図11〜図13)におけるバンド部3に代えて、リスナの耳介101Lに掛けるためのイヤークリップ121Lが電気音響変換部22Lの筐体部4Lに取り付けられている。
このイヤースピーカ装置120は、イヤークリップ121Lがリスナの耳介101Lに掛けられることにより電気音響変換部22Lをリスナの頭部100に装着することができ、イヤースピーカ装置20と同様、自然な音像定位を与え充分な低音を含む良好な再生音を当該リスナに聴取させることができる。
また図21に示すイヤースピーカ装置130は、いわゆるアンダーチン型に構成されており、イヤースピーカ装置20(図11〜図13)におけるバンド部3に代えて、左右の電気音響変換部22L及び22Rを接続すると共にリスナの耳介101Lに掛けるためのバンド部131が筐体部4Lに取り付けられている。このバンド部131の中央部131Aは、下に凸の略アーチ状に形成され、リスナの顎の下を左右に渡されることを前提としている。
このイヤースピーカ装置130は、バンド部131の耳掛部131BLがリスナの耳介101Lに掛けられることにより電気音響変換部22Lをリスナの頭部100に装着することができ、イヤースピーカ装置20と同様、自然な音像定位を与え充分な低音を含む良好な再生音を当該リスナに聴取させることができる。
さらに図22に示すイヤースピーカ装置140は、いわゆるショルダーホールド型に構成されており、イヤースピーカ装置20(図11〜図13)におけるバンド部3に代えて、左右の電気音響変換部22L及び22Rを接続すると共にリスナの肩部から支持するショルダーアーム141が筐体部4Lに取り付けられている。このショルダーアーム141の中央部141Aは、後ろに凸の略アーチ状に形成され、リスナの首の後ろから肩の上部に掛けて左右に渡されることを前提としている。
このイヤースピーカ装置140は、リスナの両肩に渡って掛けられることにより電気音響変換部22Lをリスナの頭部100に装着することができ、イヤースピーカ装置20と同様、自然な音像定位を与え充分な低音を含む良好な再生音を当該リスナに聴取させることができる。
さらに図23に示すイヤースピーカ装置150は、いわゆるネックバンド型に構成されており、イヤースピーカ装置20(図11〜図13)におけるバンド部3に代えて、左右の電気音響変換部22L及び22Rを接続すると共にリスナの耳介101Lに掛けるためのバンド部151が筐体部4Lに取り付けられている。このバンド部151の中央部151Aは、後ろに凸の略アーチ状に形成され、リスナの後頭部の後ろに渡されることを前提としている。
このイヤースピーカ装置150は、バンド部151の耳掛部151BLがリスナの耳介101Lに掛けられることにより電気音響変換部22Lをリスナの頭部100に装着することができ、イヤースピーカ装置20と同様、自然な音像定位を与え充分な低音を含む良好な再生音を当該リスナに聴取させることができる。
さらに図24に示すイヤースピーカ装置160は、図23に示したイヤースピーカ装置150における電気音響変換部22Lをリスナの耳介101よりも後方に位置させると共に、管状ダクト8Lに代えて管状ダクト168Lがリスナの耳介101Lの後方に位置する筐体部4Lから外耳道入口102Lの近くまで延長されている。また左右の電気音響変換部22L及び22Rは、リスナの首の後ろに渡されるバンド部161により接続されている。
このイヤースピーカ装置160は、管状ダクト168Lがリスナの耳介101Lに掛けられることにより電気音響変換部22Lをリスナの頭部100に装着することができ、イヤースピーカ装置20と同様、自然な音像定位を与え充分な低音を含む良好な再生音を当該リスナに聴取させることができる。
さらに図25に示すイヤースピーカ装置170は、電気音響変換部22Lに加えて、上述した電気音響変換部12L(図6)と同様の構成でなる後方電気音響変換部172Lを有しており、イヤースピーカ装置20(図11〜図13)におけるバンド部3に代わるバンド部171により、電気音響変換部22Lを耳介101Lの前方に位置させると共に、後方電気音響変換部172Lを当該耳介101Lの後方に位置させるようになされている。
因みに、後方電気音響変換部172Lには、4チャンネルや5.1チャンネル等のマルチチャンネル音源におけるリアチャンネル用の音声信号が供給されるようになされている。
このイヤースピーカ装置170は、リスナの頭部100に装着されることにより、電気音響変換部22L及び後方電気音響変換部172Lを当該リスナの頭部100に装着することができ、自然な音像定位を与えるサラウンド音でなり充分な低音を含む良好な再生音を当該リスナに聴取させることができる。
またこの場合、イヤースピーカ装置170のバンド部171に加振器175を取り付け、例えば5.1チャンネル音源における重低音成分に応じた振動をリスナの頭部100に加えるようにしても良い。
なおイヤースピーカ装置170は、電気音響変換部22Lから管状ダクト28Lをリスナの外耳道入口102Lの方へ向ける以外にも、イヤースピーカ装置160(図24)と同様、後方用電気音響変換部172Lから管状ダクトをリスナの外耳道入口102Lの方へ向けるようにし、或いは電気音響変換部22L及び後方用電気音響変換部172Lの両方から管状ダクトをリスナの外耳道入口102Lへ向けて延長するようにしても良い。
このように本発明では、イヤースピーカ装置20のバンド部3(図11〜図13)以外にも、イヤースピーカ装置120〜170のような種々の方式でなる装着部により、電気音響変換部22L及び22Rをリスナの頭部100に対して装着させるようにしても良い。
(4)動作及び効果
以上の構成において、イヤースピーカ装置1は、リスナの頭部100に装着されることにより、電気音響変換部2Lの筐体部4Lに設けられたスピーカユニット7Lを当該リスナの外耳道入口102Lよりもやや前方に位置させると共に、当該筐体部4Lから後方に延長されバスレフダクトとして作用する管状ダクト8Lの後側における先端部分を外耳道入口102Lの近傍に位置させた状態で、所定のアンプから供給される音声信号に基づいた再生音を出力する。
このときイヤースピーカ装置1の電気音響変換部2L(図5)は、スピーカユニット7Lから放射される中高音がリスナの鼓膜103Lに到達するまでの経路長EMよりも、管状ダクト8Lの孔部8ALから放射される低音が当該鼓膜103Lに到達するまでの経路長EL1を短くすることになるため、特性曲線SM(図7)に示したような中高音に対して、特性曲線SL1に示したように比較的音圧レベルが高い低音を当該鼓膜103Lに到達させることができる。
従ってイヤースピーカ装置1の電気音響変換部2Lは、スピーカユニット7Lから放射された中高音を当該リスナの頬や耳介101L等で反射させて鼓膜103Lに到達させることができるので、一般的なスピーカを介して再生音を聴取する場合と似た特性の再生音を当該リスナに聴取させることができ、音像が頭外に位置しているような自然な定位感を与えることができる。
さらにイヤースピーカ装置1の電気音響変換部2Lは、管状ダクト8Lがリスナの外耳道入口102L近傍まで延長されていることにより、特性曲線SG1(図9)及び特性曲線SG11(図10)に示したような、比較的低音域まで充分な音圧レベルでなる良好な再生音をリスナに聴取させることができる。
この場合、イヤースピーカ装置1の電気音響変換部2Lは、管状ダクト8Lがリスナの外耳道入口102L近傍まで延長されているため、一般的なバスレフ型の電気音響変換部2L(図6)において管状ダクト18L及び19Lから出力される特性曲線SL2(図7)のような低音と比較して、特性曲線SL1(図7)のような音圧レベルが大きい低音をリスナの鼓膜103Lに到達させることができ、スピーカユニット7Lの口径が比較的小さく外耳道入口102Lからやや離れていることにより不足しがちな低音を、十分な音圧レベルでリスナに聴取させることができる。
さらにイヤースピーカ装置1は、低音の再生音量を上げるのではなく、低音の放射口を鼓膜103Lに近づけることによりリスナの鼓膜103L(図5)に充分な低音を到達させているため、例えば大口径のスピーカやサブウーファー等を用いて低音を再生するような場合と比較して、周囲に漏れる低音や振動をほぼ皆無とすることができる。従って、例えばリスナが深夜にイヤースピーカ装置1を介して再生音を聴取する場合等に、近隣や周囲への迷惑を殆ど気にすることなく、充分な低音が含まれる良好な再生音を堪能することができる。
また、イヤースピーカ装置20、30及び40は、イヤースピーカ装置1と比較して、管状ダクト28L、28R、38L及び38R並びに48L及び48Rのバッフル板4AL及び4AR並びに44AL及び44ARから突出する長さを短くしリスナの耳介等に殆ど接触しないようにしたことにより、当該リスナに不快感を与える可能性を格段に低減することができる。
このイヤースピーカ装置20、30及び40は、管状ダクト28L、28R、38L及び38R並びに48L及び48Rにより、スピーカユニット7L及び7Rよりも外耳道入口102Lに近い位置から低音を放音することができるので、イヤースピーカ装置1と同様に、十分な低音を含む良好な音声をリスナに聴取させることができる。
さらに管状ダクト8L、28L、38L及び48Lは、リスナの外耳道入口102Lを塞がないため、再生音と共に、当該リスナの周囲で発生した周囲音を遮断することなく鼓膜103Lに到達させ聴取させることができる。
これにより、イヤースピーカ装置1、20、30及び40は、リスナが歩行するときやスポーツを行うときなど、リスナが周囲の音も聴取する必要がある場合にも、良好な再生音に加えて周囲音を聴取させることができる。
またイヤースピーカ装置1、20、30及び40は、リスナの耳介101L等を覆うことがないため、一般的なヘッドホンを装着したリスナが感じるような閉塞感や蒸れといった不快感を与えることがない。さらに密閉空間を形成しないため、密閉型ヘッドホンを使用した場合に生じ得る、外耳道における共振周波数の変化を生じることもなく、リスナに違和感を与えることもない。
そのうえイヤースピーカ装置1、20、30及び40は、低音の放射口を鼓膜103Lに近づけることによりリスナに十分な音量レベルの低音を聴取させ得るため、スピーカユニット7Lの口径を不必要に大きくする必要が無く、筐体部4の大きさを必要最小限に止めることができる。これにより、イヤースピーカ装置1全体の大きさや重量を必要最小限に抑えることができるので、リスナがイヤースピーカ装置1を装着した際の大きさや重さによる煩わしさを極力抑えることができる。
以上の構成によれば、イヤースピーカ装置20は、リスナの頭部100に装着された際、電気音響変換部22Lのスピーカユニット7Lを当該リスナの外耳道入口102Lよりもやや前方に位置させると共に管状ダクト28Lが外耳道入口102Lへ向けて延長された状態で再生音を出力することにより、バスレフダクトとして作用する管状ダクト28Lの孔部28ALから放射する低音を十分な音圧レベルで鼓膜103に伝達することができるので、自然な音像定位を与え比較的低音域まで充分な音圧レベルでなる良好な再生音をリスナに聴取させることができる。
(5)他の実施の形態
なお上述した第1及び第2の実施の形態においては、管状ダクト8L及び28Lが側面略U字状に形成され2本のバスレフダクトとして機能するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第3の実施の形態のように1本の管状ダクト38Lや3本以上の管状ダクト、或いは第4の実施の形態のように角形のダクト48L等、種々の本数及び形状でなるダクトによりバスレフダクトを構成するようにしても良い。
また、管状ダクトは金属等の固い材料で形成されていても良く、或いは可撓性を有する樹脂等の柔らかい材料で形成されていても良い。この場合、当該管状ダクト8Lの材料の違いを考慮した上で内径や経路長が設計されていれば良い。さらに管状ダクトの後側先端部には、リスナの外耳道入口102Lを傷つけないためのスポンジ等でなる保護部が取り付けられていても良い。
さらに上述した実施の形態においては、管状ダクト8Lが筐体部4Lのバッフル板4ALを貫通するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該管状ダクト8Lが当該筐体4Lにおける他の側面を貫通するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、イヤースピーカ装置1がリスナの頭部100(図4)に装着された際、スピーカユニット7Lの放音面がほぼ後方向を向くようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばスピーカユニット7Lの放音面がやや内側を向くようにしても良く、要は当該スピーカユニット7Lの放音面がおおよそ外耳道入口102Lの方向に向き、放射する中高音が効率良く鼓膜103Lへ到達されれば良い。
さらに上述した第2〜第4の実施の形態においては、管状ダクト28L、38L及び48Lの孔部28AL、38AL及び48ALがほぼ外耳道入口102Lの方向を向くように設けられている場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該孔部がそれぞれ外耳道入口102L以外の方向を向くようも受けられていても良い。
例えば図14との対応部分に同一符号を付した図26に示すように、イヤースピーカ装置200は、イヤースピーカ装置1の電気音響変換部2L及び2Rに代えて電気音響変換部202L及び202Rを有している。この電気音響変換部202L及び202Rでは、管状ダクト208L及び208Rの後端部分が外方へ曲げられており、孔部208AL及び208ARが外側へ向くようになされている。
このためイヤースピーカ装置200は、管状ダクト208Lから放射される音を、外耳道入口102Lと異なる方向へ放射させることができる。ここで、一般的な音の性質として、中高音は比較的指向性が強いものの、低音は比較的指向性が弱いことが知られている。
かかる音の指向性を利用することにより、イヤースピーカ装置200は、管状ダクト208Lを介して外耳道入口102Lへ伝達されてしまう中高音を弱めることができると共に、低音をあまり減衰させることなく外耳道入口102Lへ伝達することができ、音のバランスを崩すことなくリスナに聴取させることができる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、イヤースピーカ装置1が左右の電気音響変換部2L及び2Rを有し、2チャンネルの再生音を出力するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば左側の電気音響変換部2Lのみを有し1チャンネルの再生音を出力するようにしても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、筐体部4に中高音用のスピーカユニット7Lを設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば中音用及び高音用といった2つのスピーカユニットを1つの筐体部4に設けて2ウェイスピーカとするなど、複数のスピーカユニットを筐体部4に設けるようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、球体を垂直方向に4等分したような形状でなる筐体部4を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば立方体状や円柱状等の種々の形状であっても良く、要はバスレフ型スピーカのエンクロージャとして機能し得るようなほぼ密閉された空間を内部に有していれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、筐体部としての筐体部4L及び4Rと、スピーカユニットとしてのスピーカユニット7L及び7Rと、管状ダクトとしての管状ダクト28L及び28Rとによって電気音響変換器としての電気音響変換部22L及び22Rを構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる筐体部と、スピーカユニットと、管状ダクトとによって電気音響変換器を構成するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、筐体部としての筐体部4L及び4Rと、スピーカユニットとしてのスピーカユニット7L及び7Rと、管状ダクトとしての管状ダクト28L及び28Rと、電気音響変換器としての電気音響変換部22L及び22Rと、装着部としてのバンド部3とによってイヤースピーカ装置としてのイヤースピーカ装置20を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる筐体部と、スピーカユニットと、管状ダクトと、電気音響変換器と、装着部とによってイヤースピーカ装置を構成するようにしても良い。
本発明は、バスレフ型のスピーカ以外にも、バックロードホーン型等の種々のダクトを有するスピーカ装置をリスナの頭部に装着させる種々のイヤースピーカ装置でも利用できる。
イヤースピーカ装置の全体構成(1)を示す略線的斜視図である。 イヤースピーカ装置の全体構成(2)を示す略線的後面図である。 イヤースピーカ装置の全体構成(3)を示す略線的前面図である。 イヤースピーカ装置の装着状態(1)を示す略線的側面図である。 イヤースピーカ装置の装着状態(2)を示す略線的上断面図である。 一般的なバスレフ型のイヤースピーカ装置を示す略線的上断面図である。 従来のバスレフ型スピーカにおける周波数特性を示す略線図である。 本発明によるイヤースピーカ装置の周波数特性を示す略線図である。 理論的な周波数特性を示す略線図である。 実測による周波数特性を示す略線図である。 第2の実施の形態によるイヤースピーカ装置の全体構成を示す略線的斜視図である。 第2の実施の形態によるイヤースピーカ装置の装着状態(1)を示す略線的側面図である。 第2の実施の形態によるイヤースピーカ装置の装着状態(2)を示す略線的上断面図である。 第3の実施の形態によるイヤースピーカ装置の全体構成を示す略線的斜視図である。 第3の実施の形態によるイヤースピーカ装置の装着状態(1)を示す略線的側面図である。 第3の実施の形態によるイヤースピーカ装置の装着状態(2)を示す略線的上断面図である。 第4の実施の形態によるイヤースピーカ装置の全体構成を示す略線的斜視図である。 第4の実施の形態によるイヤースピーカ装置の装着状態(1)を示す略線的側面図である。 第4の実施の形態によるイヤースピーカ装置の装着状態(2)を示す略線的上断面図である。 イヤースピーカ装置の構成及び装着の例(1)を示す略線的側面図である。 イヤースピーカ装置の構成及び装着の例(2)を示す略線的側面図である。 イヤースピーカ装置の構成及び装着の例(3)を示す略線的側面図である。 イヤースピーカ装置の構成及び装着の例(4)を示す略線的側面図である。 イヤースピーカ装置の構成及び装着の例(5)を示す略線的側面図である。 イヤースピーカ装置の構成及び装着の例(6)を示す略線的側面図である。 他の実施の形態による管状ダクトの構成を示す略線的斜視図である。
符号の説明
1、20、30、40、120、130、140、150、160、170、200……イヤースピーカ装置、2L、2R、22L、22R、32L、32R、42L、42R、172L、……電気音響変換部、3……バンド部、4L、4R、44L、44R……筐体部、7L、7R……スピーカユニット、8L、8R、28L、28R、38L、38R……管状ダクト、8AL、8AR、28AL、28AR、38AL、38AR、48AL、48AR……孔部、48L、48R……ダクト、100……頭部、101L……耳介、102L……外耳道入口、103L……鼓膜。

Claims (14)

  1. リスナの頭部に対する所定位置に装着された内部に空間を有する筐体部と、
    上記筐体部の一面に取り付けられ、上記筐体部が上記リスナの頭部に装着された際、上記リスナの外耳道入口との間に所定の距離が設けられるスピーカユニットと、
    上記リスナの外耳道入口へ向けて延長され、上記筐体部の内側に生じた音を上記スピーカユニットよりも上記外耳道入口に近い位置から放音させる管状ダクトと
    を具えることを特徴とする電気音響変換器。
  2. 上記管状ダクトは、
    バスレフ型スピーカのダクトとして作用する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気音響変換器。
  3. 上記管状ダクトは、
    上記筐体部の内側から上記リスナの外耳道入口へ向けて延長されると共に再度上記キャビネットの内部へ戻る略U字状に形成され、上記リスナの上記外耳道入口に近い位置に放音用の孔部が設けられた
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気音響変換器。
  4. 上記管状ダクトは、
    上記孔部が上記外耳道入口と異なる方向に向けられている
    ことを特徴とする請求項3に記載の電気音響変換器。
  5. 上記管状ダクトは、
    上記外耳道入口近傍に位置する端部が上記リスナの外耳道内部へ入り込むことを防止するための保護部が設けられた
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気音響変換器。
  6. 上記筐体部は、
    上記リスナの頭部に装着された際、上記スピーカユニットの放音面をおおよそ上記リスナの外耳道入口の方向へ向けさせる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気音響変換器。
  7. リスナの頭部に対する所定位置に装着された内部に空間を有する筐体部と、上記筐体部の一面に取り付けられ、上記筐体部が上記リスナの頭部に装着された際、上記リスナの外耳道入口との間に所定の距離が設けられるスピーカユニットと、上記リスナの外耳道入口へ向けて延長され、上記筐体部の内側に生じた音を上記スピーカユニットよりも上記外耳道入口に近い位置から放音させる管状ダクトとを有する電気音響変換器と、
    上記スピーカユニットと上記リスナの外耳道入口との間に上記所定距離が設けられるよう上記電気音響変換器を上記リスナの頭部に装着させる装着部と
    を具えることを特徴とするイヤースピーカ装置。
  8. 上記管状ダクトは、
    バスレフ型スピーカのダクトとして作用する
    ことを特徴とする請求項7に記載のイヤースピーカ装置。
  9. 上記管状ダクトは、
    上記筐体部の内側から上記リスナの外耳道入口へ向けて延長されると共に再度上記キャビネットの内部へ戻る略U字状に形成され、上記リスナの上記外耳道入口に近い位置に放音用の孔部が設けられた
    ことを特徴とする請求項7に記載のイヤースピーカ装置。
  10. 上記管状ダクトは、
    上記孔部が上記外耳道入口と異なる方向に向けられている
    ことを特徴とする請求項9に記載のイヤースピーカ装置。
  11. 上記管状ダクトは、
    上記外耳道入口に近い端部が上記リスナの外耳道内部へ入り込むことを防止するための保護部が設けられた
    ことを特徴とする請求項7に記載のイヤースピーカ装置。
  12. 上記筐体部は、
    上記リスナの頭部に装着された際、上記スピーカユニットの放音面をおおよそ上記リスナの外耳道入口の方向へ向けさせる
    ことを特徴とする請求項7に記載のイヤースピーカ装置。
  13. 上記装着部は、
    上記電気音響変換器を上記リスナの頭部に装着させる際、上記スピーカユニットを上記リスナの外耳道入口よりも前方に位置させると共に、上記リスナの外耳道入口よりも後方に位置させるための所定の後方用スピーカユニットが取り付けられた後方用筐体部を具える
    ことを特徴とする請求項7に記載のイヤースピーカ装置。
  14. 上記装着部は、
    上記筐体部に加え、上記リスナの頭部に振動を加えるための当該装着部に装着された所定の加振器を具える
    ことを特徴とする請求項7に記載のイヤースピーカ装置。
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