JP2007234906A - プリント配線基板孔明け用当て板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多層配線基板等のプリント配線基板の導通孔をドリル加工等により設ける際に使用される当て板を効率的に作製でき、かつタック性のある水溶性樹脂を用いた場合でも積み重ね保管が可能で、ゴミや異物の混入が少ない品質の高いプリント配線基板の孔明け用積層当て板を提供する。
【解決手段】アルミニウム合金材、その少なくとも一方の面に設けられた潤滑油を含有する少なくとも一層の高分子樹脂層、及び該高分子樹脂層の上層に設けられた剥離可能な保護用基材からなるプリント配線基板孔明け用当て板。
【選択図】なし
【解決手段】アルミニウム合金材、その少なくとも一方の面に設けられた潤滑油を含有する少なくとも一層の高分子樹脂層、及び該高分子樹脂層の上層に設けられた剥離可能な保護用基材からなるプリント配線基板孔明け用当て板。
【選択図】なし
Description
本発明は、プリント配線基板等の回路基板において、スルーホール等の繊細な孔明け加工に使用される当て板、およびその当て板の製造方法に関する。
プリント配線基板等の回路基板において、基板の表裏の導通を確保するためドリル等で孔明け加工し、両面の導通性を確保すべく形成された多層基板が普及しており、近年では、基板回路の高密度化に伴い、導通孔であるスルーホールの径も小径化が進み、その精度が益々求められるようになっている。
このため、ドリル等による孔明け加工方法の改善が検討されており、例えば、小径孔明け加工用シートとして水溶性樹脂および水溶性滑材からなるシートを用いる方法(例えば、特許文献1、特許文献2)等が提案されている。
しかし、上記提案を含め、従来は、ドリルの加工精度等についての提案は多数なされているが、当て板自体の構成や成型方法等あるいはその生産性や保管性等については十分に踏み込んだものはなく、例えば、アルミニウム合金に潤滑剤ないしは滑剤を塗布し積層化する、もしくは、これを含浸させたシートを張り付けるという類のものが主流であり、特に当て板の生産性、保管性等についての検討は充分になされていなかった。
また、加工用シートに水溶性樹脂を使用する場合、基板の加工に最も嫌われるゴミや異物の混入、あるいは積み重ね保管時の保管性能に関して十分対策が施されているものは未だなく、水溶性樹脂の設計においても制約があったり、潤滑剤を含有した水溶性樹脂面に対し、これに接する非常に精細な配線基板の保護についての検討も充分でない等、改善すべき点が多数あった。
このため、ドリル等による孔明け加工方法の改善が検討されており、例えば、小径孔明け加工用シートとして水溶性樹脂および水溶性滑材からなるシートを用いる方法(例えば、特許文献1、特許文献2)等が提案されている。
しかし、上記提案を含め、従来は、ドリルの加工精度等についての提案は多数なされているが、当て板自体の構成や成型方法等あるいはその生産性や保管性等については十分に踏み込んだものはなく、例えば、アルミニウム合金に潤滑剤ないしは滑剤を塗布し積層化する、もしくは、これを含浸させたシートを張り付けるという類のものが主流であり、特に当て板の生産性、保管性等についての検討は充分になされていなかった。
また、加工用シートに水溶性樹脂を使用する場合、基板の加工に最も嫌われるゴミや異物の混入、あるいは積み重ね保管時の保管性能に関して十分対策が施されているものは未だなく、水溶性樹脂の設計においても制約があったり、潤滑剤を含有した水溶性樹脂面に対し、これに接する非常に精細な配線基板の保護についての検討も充分でない等、改善すべき点が多数あった。
本発明は、上記の問題点を解決すべくなされたものであり、多層配線基板等のプリント配線基板の導通孔をドリル加工等により設ける際に使用される当て板を効率的に作製でき、かつタック性のある水溶性樹脂を用いた場合でも積み重ね保管が可能で、ゴミや異物の混入が少ない品質の高いプリント配線基板の孔明け用積層当て板を提供することを目的とする。
本発明は以下の通りである。
(1)アルミニウム合金材、その少なくとも一方の面に設けられた潤滑油を含有する少なくとも一層の高分子樹脂層、及び該高分子樹脂層の上層に設けられた剥離可能な保護用基材からなるプリント配線基板孔明け用当て板、
(2)潤滑油を含有する高分子樹脂層を、該高分子樹脂層と転写剥離可能な保護用基材上に設けた後、該高分子樹脂層面をアルミニウム合金材の少なくとも一方の面に積層するプリント基板孔明け用当て板の製造方法。
(1)アルミニウム合金材、その少なくとも一方の面に設けられた潤滑油を含有する少なくとも一層の高分子樹脂層、及び該高分子樹脂層の上層に設けられた剥離可能な保護用基材からなるプリント配線基板孔明け用当て板、
(2)潤滑油を含有する高分子樹脂層を、該高分子樹脂層と転写剥離可能な保護用基材上に設けた後、該高分子樹脂層面をアルミニウム合金材の少なくとも一方の面に積層するプリント基板孔明け用当て板の製造方法。
本発明により、多層配線基板等のプリント配線基板の導通孔をドリル加工等により設ける際に使用される当て板を効率的に作製でき、かつタック性のある水溶性樹脂を用いた場合でも積み重ね保管が可能で、ゴミや異物の混入が少ない品質の高いプリント配線基板の孔明け用積層当て板を提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明は、アルミニウム合金材、その少なくとも一方の面に設けられた潤滑油を含有する少なくとも一層の高分子樹脂層、及び該高分子樹脂層の上層に設けられた高分子樹脂層と転写剥離可能な保護用基材からなるプリント配線基板孔明け用当て板に関する。
本発明は、アルミニウム合金材、その少なくとも一方の面に設けられた潤滑油を含有する少なくとも一層の高分子樹脂層、及び該高分子樹脂層の上層に設けられた高分子樹脂層と転写剥離可能な保護用基材からなるプリント配線基板孔明け用当て板に関する。
本発明の当て板に使用される高分子樹脂層を構成する高分子樹脂としては、ドリル加工性、および基板への樹脂残存付着時に水洗洗浄によって容易に除去が可能である点から水溶性樹脂が好ましく用いられる。このような水溶性樹脂としては、公知の水溶性樹脂がいずれも使用できるが、本発明においては、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール等が使用でき、特に、ドリル加工性、付着除去性などの点から、その重量平均分子量が、400〜50000であることが好ましく、より好ましくは600〜50000、更に好ましくは2000〜10000の範囲のポリエチレングリコールが好適に使用できる。
上記高分子樹脂層は、ドリルの耐摩耗性向上などの点から潤滑油を含有する。使用しうる潤滑油としては、プリント配線基板の孔明け加工用に使用可能なものであれば特に制限はないが、特に、水の硬度や電解質の影響を受けにくく、浸透性、乳化・分散性、洗浄性などの性能面などの点から、例えば、非イオン系の界面活性剤などが使用でき、具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステルが使用できる。上記潤滑油は、高分子樹脂層中に、例えば5〜70重量%、好ましくは5〜50重量%、更に好ましくは5〜20重量%含有する。
上記高分子樹脂層は、一層からなってもよいが、二層以上の多層であってもよい。潤滑油は、そのうち少なくとも一層に含有されていればよい。
本発明においては、上記高分子樹脂層の厚さは、ドリルの保護、発熱性などの点から、好ましくは20〜150μm、更に好ましくは30〜100μmの範囲である。
上記高分子樹脂層は、一層からなってもよいが、二層以上の多層であってもよい。潤滑油は、そのうち少なくとも一層に含有されていればよい。
本発明においては、上記高分子樹脂層の厚さは、ドリルの保護、発熱性などの点から、好ましくは20〜150μm、更に好ましくは30〜100μmの範囲である。
一般的には、アルミ板に上記の高分子膜が塗布され、エントリーシートと称して商品化されているが、本発明においては、保護用基材に上記高分子樹脂層をあらかじめ塗布したものを2次加工でアルミ板に貼り、使用時に保護シートのみを剥離し使用する、いわゆるアルミ板に高分子層を転写し、エントリーシートを作成するものである。
この方法により、アルミ表面に直接塗布することより、容易に高分子膜をアルミに形成することが可能になる。
さらに、このような保護用基材としては、プラスチックフィルムが使用でき、特に、本発明においては、上記高分子材料との剥離性の点からシンジオタックチックポリスチレン(SPS)を主成分とするプラスチックフィルム(以下、SPSフィルムということがある)が好適に使用できる。
この方法により、アルミ表面に直接塗布することより、容易に高分子膜をアルミに形成することが可能になる。
さらに、このような保護用基材としては、プラスチックフィルムが使用でき、特に、本発明においては、上記高分子材料との剥離性の点からシンジオタックチックポリスチレン(SPS)を主成分とするプラスチックフィルム(以下、SPSフィルムということがある)が好適に使用できる。
本発明の保護用基材に好適に使用されるSPSフィルムは、耐熱性の高い樹脂であるSPS構造を含むスチレン系重合体成分からなり、好ましくはシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体99〜55重量部に対し、ゴム状弾性体を1〜45部、好ましくは5〜30部含有した樹脂成分からなるフィルムである。
シンジオタクチック構造とは、立体化学構造がシンジオタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するものであり、そのタクティシティは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR)により定量される。
シンジオタクチック構造とは、立体化学構造がシンジオタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するものであり、そのタクティシティは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR)により定量される。
本発明におけるSPSには、例えば、ポリスチレン,ポリ(アルキルスチレン),ポリ(ハロゲン化スチレン),ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン),ポリ(アルコキシスチレン),ポリ(ビニル安息香酸エステル),これらの水素化重合体及びこれらの混合物,あるいはこれらを主成分とする共重合体を包含する。
ポリ(アルキルスチレン)としては、具体的にはポリ(メチルスチレン),ポリ(エチルスチレン),ポリ(イソピルスチレン),ポリ(ターシャリーブチルスチレン),ポリ(フェニルスチレン),ポリ(ビニルナフタレン),ポリ(ビニルスチレン)などが挙げられ、ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、具体的にはポリ(クロロスチレン),ポリ(ブロモスチレン),ポリ(フルオロスチレン)などが挙げられる。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、具体的にはポリ(クロロメチルスチレン)などが、ポリ(アルコキシスチレン)としては、具体的にはポリ(メトキシスチレン),ポリ(エトキシスチレン)などが挙げられる。
このようなSPSは、例えば不活性炭化水素溶媒中または溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を重合することにより製造することができる。
SPSに含まれるゴム状弾性体としては、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、水添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−イソプレンースチレンブロック共重合体(SIS)、水添加スチレン−イソプレンースチレンブロック共重合体(SEPS)等が挙げられる。
上記SPSは、保護用基材中に、好ましくは95〜70重量%含有される。
また、保護用基材には、前記以外のポリマー成分も使用可能であり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂を含むことができる。
上記SPSは、保護用基材中に、好ましくは95〜70重量%含有される。
また、保護用基材には、前記以外のポリマー成分も使用可能であり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂を含むことができる。
本発明においては、SPSフィルムを2軸延伸もしくは結晶化させることによって、水溶性樹脂等の高分子樹脂塗布時の乾燥温度に対しても充分な耐熱性を付与することができる。
また、SPSフィルムは、適度な塗れ性を有し、特に水溶性樹脂等の高分子樹脂の塗布に関しては、均一塗布が可能であり、かつ、アルミニウム合金材との加熱圧着に十分耐え得るとともに、その後の水溶性樹脂等の高分子樹脂との離型性も充分に確保される。
また、SPSフィルムは、適度な塗れ性を有し、特に水溶性樹脂等の高分子樹脂の塗布に関しては、均一塗布が可能であり、かつ、アルミニウム合金材との加熱圧着に十分耐え得るとともに、その後の水溶性樹脂等の高分子樹脂との離型性も充分に確保される。
本発明においては、上記のような利用が可能であれば、保護用基材の材質に特に限定はなく、SPS以外に前述の高分子樹脂層と転写剥離可能な保護用基材であれば使用可能であり、例えば、2軸延伸PET等を使用することができる。
本発明における保護用基材は、一層からなるものであってもよいが、その表層に例えば上記SPS系樹脂を主成分とした層を有する二層以上の積層材料であってもよい。
上記保護用基材の厚さについては、上述の機能を達成できれば特に制限はないが、例えば、高分子材料塗工条件等の点から、25〜150μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは30〜100μm、更に好ましくは50〜100μmである。
本発明における保護用基材は、一層からなるものであってもよいが、その表層に例えば上記SPS系樹脂を主成分とした層を有する二層以上の積層材料であってもよい。
上記保護用基材の厚さについては、上述の機能を達成できれば特に制限はないが、例えば、高分子材料塗工条件等の点から、25〜150μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは30〜100μm、更に好ましくは50〜100μmである。
アルミニウム合金材としては、ドリル加工性の点から、例えば0.3〜1.5重量%のマンガン、例えば0.3〜1.3重量%のマグネシウム、例えば0.05〜0.25重量%の銅、その他の不可避成分等を少なくとも一種含有するアルミニウム合金が用いられる。その具体例としては、3003合金、3004合金などの3000系合金が挙げられる。
アルミニウム合金材の厚さは、ドリング性、ドリルの位置決め性、耐焼き付き性などの点から、50〜300μm、更に80〜250μmの範囲であることが好ましい。
アルミニウム合金材の厚さは、ドリング性、ドリルの位置決め性、耐焼き付き性などの点から、50〜300μm、更に80〜250μmの範囲であることが好ましい。
本発明のプリント配線基板孔明け用当て板は、上記構成を有することにより、保管時において積み重ね保管に起因する当て板同士のくっつきなどの弊害を防止することができ、積み重ね保管が可能となる。
また、保護用基材を孔明け加工の際に剥離することで、水溶性樹脂等の高分子樹脂層面へのゴミや異物の付着が改善され、基板等へのゴミ、異物等の混入が防止されたプリント配線基板孔明け用当て板が得られる。
また、保護用基材を孔明け加工の際に剥離することで、水溶性樹脂等の高分子樹脂層面へのゴミや異物の付着が改善され、基板等へのゴミ、異物等の混入が防止されたプリント配線基板孔明け用当て板が得られる。
以下に、本発明のプリント配線基板孔明け用当て板の製造方法について説明する。
本発明のプリント配線基板孔明け用当て板は、アルミニウム合金材の少なくとも一方の面に、潤滑油を含有した高分子樹脂層を設けた後に、該高分子層面に転写剥離可能な保護用基材を貼り合わせて製造することもできるが、本発明においては、高分子材料の塗工性、及び材料のハンドリング性の点から、あらかじめ潤滑油を含有する高分子樹脂層を保護用基材上に設けた後、該高分子樹脂層と保護用基材の積層体の高分子樹脂層面とアルミニウム合金材とを積層してなるものが好ましい。
本発明のプリント配線基板孔明け用当て板は、アルミニウム合金材の少なくとも一方の面に、潤滑油を含有した高分子樹脂層を設けた後に、該高分子層面に転写剥離可能な保護用基材を貼り合わせて製造することもできるが、本発明においては、高分子材料の塗工性、及び材料のハンドリング性の点から、あらかじめ潤滑油を含有する高分子樹脂層を保護用基材上に設けた後、該高分子樹脂層と保護用基材の積層体の高分子樹脂層面とアルミニウム合金材とを積層してなるものが好ましい。
上記本発明に好適な製造方法において、前述の水溶性樹脂層等の高分子樹脂層を保護用基材に塗布する方法には、高分子樹脂等を水中に溶解あるいは分散して保護用基材上に塗布して製造するいわゆる溶媒コート法、もしくは、溶媒を介在させないいわゆる無溶媒コート法とがあり、特に限定はされないが、本発明においては、生産効率等を考慮して、加熱溶融した高分子樹脂材料を保護用基材に塗布する無溶媒コート法が好ましく道いられる。
無溶媒コート法としては通常のコーティング方法がいずれも適用可能であり、潤滑油を含有する水溶性樹脂等の高分子樹脂の溶融粘度や熱安定性などに応じていかなるコーティング方法を適用するかを適宜決定すればよい。例えば、押出機やニーダー等で高分子樹脂の各材料を均一に混練してその後いったん冷却し、これをホットメルトアプリケーター等で再加熱し、リップコーター等で均一に混練しつつ、同時に保護用基材上にコーティングする方法等が挙げられる。
高分子樹脂層を積層して積層フィルムを形成する場合は、この工程を繰り返し実施することによって行うことができ、この際、潤滑油はその少なくとも一層に含有させればよい。
また、潤滑油を含有する高分子樹脂の各材料を均一に混練してフィルム状に製膜した後、このフィルム膜と保護用基材とを貼り合わせて積層フィルムを形成することもできる。
さらに、押出機を複数台併用し、各押出機から溶融混練された樹脂を、フィードブロック装置を使用して、各層を合わせてから、フィルム状に製膜して、保護用基材と貼り合わせてもよい。
保護用基材との貼り合わせは、例えば加熱圧着等の方法により行うことができる。
さらに、潤滑油を含有する高分子樹脂が、水溶性樹脂などの室温下でタック性の高い材料である場合は、保護用基材を上記水溶性樹脂層の両外層に用いてサンドイッチ構造にすることによって、積層フィルムを形成することもできる。その場合は、アルミニウム合金との複合化の際に、一方の保護用基材を剥離しながら、加熱圧着すると同様の当て板の作製が可能になる。
また、潤滑油を含有する高分子樹脂の各材料を均一に混練してフィルム状に製膜した後、このフィルム膜と保護用基材とを貼り合わせて積層フィルムを形成することもできる。
さらに、押出機を複数台併用し、各押出機から溶融混練された樹脂を、フィードブロック装置を使用して、各層を合わせてから、フィルム状に製膜して、保護用基材と貼り合わせてもよい。
保護用基材との貼り合わせは、例えば加熱圧着等の方法により行うことができる。
さらに、潤滑油を含有する高分子樹脂が、水溶性樹脂などの室温下でタック性の高い材料である場合は、保護用基材を上記水溶性樹脂層の両外層に用いてサンドイッチ構造にすることによって、積層フィルムを形成することもできる。その場合は、アルミニウム合金との複合化の際に、一方の保護用基材を剥離しながら、加熱圧着すると同様の当て板の作製が可能になる。
アルミニウム合金材と、上記高分子樹脂層と保護用基材からなる積層基材との積層化については、熱融着などの熱接着により行うことが好ましく、例えば、上記積層基材を高分子樹脂との熱接着が可能な温度に予熱されたアルミニウム合金材に加熱圧着する方法、もしくは上記積層基材側の潤滑油を含有する高分子樹脂が加熱溶融した状態で圧着する方法、もしくは両方法を併用して加熱圧着し、熱融着などにより所定の当て板を作製することができる。
以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
シンジオタクチック構造のポリスチレン樹脂(出光石油化学社製:ザレック130A)85重量部に、ゴム状弾性体として水添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(クラレ製:セプトン2104)を15重量部の割合で配合したものを、38μmの厚みに溶融キャストし結晶化させた製膜フィルムを基材とし、潤滑油としてグリセリン脂肪酸エステル(モノステアリン酸グリセリル:NIKKOL MGS-F40V 日光ケミカルズ社)を40重量%、ステアリン酸アミド5重量%を含んだ水溶性樹脂(第一工業製薬社製:PEG4000)を押出機にて150℃で熱溶融させ、水溶性樹脂の厚みが30ミクロンになるよう、上記の基材フィルムと押出ラミネートし、積層フィルムを作製した。
実施例1
シンジオタクチック構造のポリスチレン樹脂(出光石油化学社製:ザレック130A)85重量部に、ゴム状弾性体として水添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(クラレ製:セプトン2104)を15重量部の割合で配合したものを、38μmの厚みに溶融キャストし結晶化させた製膜フィルムを基材とし、潤滑油としてグリセリン脂肪酸エステル(モノステアリン酸グリセリル:NIKKOL MGS-F40V 日光ケミカルズ社)を40重量%、ステアリン酸アミド5重量%を含んだ水溶性樹脂(第一工業製薬社製:PEG4000)を押出機にて150℃で熱溶融させ、水溶性樹脂の厚みが30ミクロンになるよう、上記の基材フィルムと押出ラミネートし、積層フィルムを作製した。
さらに、上記ラミネートした積層フィルムを、水溶性樹脂の融解温度プラス20℃に設定した加熱ドラムによって、厚さ100ミクロンのアルミウム合金材(3003合金)に、水溶性樹脂面を重ねて熱融着させ、当て板を得た。製膜性、熱ラミネート性、積み重ね性、転写剥離性、ドリル適性の各特性を下記方法で評価した。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、水溶性樹脂として使用されたPEG4000に代えてPEG400を使用した以外は同様にして当て板を作製し、同様に試験を実施し評価した。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、水溶性樹脂として使用されたPEG4000に代えてPEG600を使用した以外は同様にして当て板を作製し、同様の試験を実施し評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、水溶性樹脂として使用されたPEG4000に代えてPEG400を使用した以外は同様にして当て板を作製し、同様に試験を実施し評価した。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、水溶性樹脂として使用されたPEG4000に代えてPEG600を使用した以外は同様にして当て板を作製し、同様の試験を実施し評価した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、保護用基材として使用されたシンジオタクチック構造のポリスチレン樹脂と水添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の配合物からなるフィルムに代えて、延伸ポリプロピレン(OPP、東セロ社製、商品名OP U−0)20μmフィルムを使用した以外は同様にして当て板を作製した。
実施例1において、保護用基材として使用されたシンジオタクチック構造のポリスチレン樹脂と水添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の配合物からなるフィルムに代えて、延伸ポリプロピレン(OPP、東セロ社製、商品名OP U−0)20μmフィルムを使用した以外は同様にして当て板を作製した。
比較例2
実施例1において、水溶性樹脂として使用されたPEG4000に代えてPEG600を使用し、これを30ミクロン厚みになるように、ホットメルトコーターにて、直接、厚さ100ミクロンのアルミウム合金材に塗布した以外は同様にして当て板を得た。実施例1と同様にして積み重ね性、ドリル適性を試験し評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、水溶性樹脂として使用されたPEG4000に代えてPEG600を使用し、これを30ミクロン厚みになるように、ホットメルトコーターにて、直接、厚さ100ミクロンのアルミウム合金材に塗布した以外は同様にして当て板を得た。実施例1と同様にして積み重ね性、ドリル適性を試験し評価した。結果を表1に示す。
試験方法及び評価方法
1.押出ラミネート製膜性
保護用基材に水溶性樹脂を塗布し、3インチ紙管に巻き付けて採取した後巻き戻し、保護用基材と水溶性樹脂との層間において、界面の剥離性を以下の基準で評価した。
良 : 積層フィルム巻き取りにおいて、水溶性樹脂との剥離発生無し
不良: 積層フィルム製膜時において、水溶性樹脂との剥離発生
2.熱ラミネート性
水溶性樹脂の融解温度プラス20℃に設定した加熱ドラムによってアルミウム合金材に、水溶性樹脂面を重ねて熱融着させ、インテスコ社製 引っ張り圧縮試験器(200X型)を用いて剥離強度を測定し、以下の基準で界面接着性の評価をした。
優 : 水溶性樹脂とアルミニウム合金との剥離強度が500g/cm以上
良 : 水溶性樹脂とアルミニウム合金との界面接着が、使用上問題ないレベルで 接
着している
不良: 水溶性樹脂とアルミニウム合金との剥離強度が弱く、界面剥離発生
1.押出ラミネート製膜性
保護用基材に水溶性樹脂を塗布し、3インチ紙管に巻き付けて採取した後巻き戻し、保護用基材と水溶性樹脂との層間において、界面の剥離性を以下の基準で評価した。
良 : 積層フィルム巻き取りにおいて、水溶性樹脂との剥離発生無し
不良: 積層フィルム製膜時において、水溶性樹脂との剥離発生
2.熱ラミネート性
水溶性樹脂の融解温度プラス20℃に設定した加熱ドラムによってアルミウム合金材に、水溶性樹脂面を重ねて熱融着させ、インテスコ社製 引っ張り圧縮試験器(200X型)を用いて剥離強度を測定し、以下の基準で界面接着性の評価をした。
優 : 水溶性樹脂とアルミニウム合金との剥離強度が500g/cm以上
良 : 水溶性樹脂とアルミニウム合金との界面接着が、使用上問題ないレベルで 接
着している
不良: 水溶性樹脂とアルミニウム合金との剥離強度が弱く、界面剥離発生
3.積み重ね性
当て板を100枚重ねて40℃、90%RHの環境下に169時間放置し、下から5枚の当て板について、以下の基準で融着性を評価した。
良好: 積み重ねによる当て板同士のくっつきが全くなし
不良: 積み重ねによる当て板同士のくっつきあり
4. 基材転写剥離
上記3.の積み重ね評価を実施した当て板を取り出し、水溶性樹脂に貼られた保護用基材の転写剥離性を、上記2.と同様にして剥離強度を測定し、以下の基準で評価した
優 :水溶性樹脂から容易に剥離可能。剥離強度200g未満
良 :水溶性樹脂から剥離強度200g以上、ただし作業上に支障がない。
不良:剥離強度が高く作業性が悪い。もしくは水溶性樹脂がアルミニウム合金から剥
離発生する。
当て板を100枚重ねて40℃、90%RHの環境下に169時間放置し、下から5枚の当て板について、以下の基準で融着性を評価した。
良好: 積み重ねによる当て板同士のくっつきが全くなし
不良: 積み重ねによる当て板同士のくっつきあり
4. 基材転写剥離
上記3.の積み重ね評価を実施した当て板を取り出し、水溶性樹脂に貼られた保護用基材の転写剥離性を、上記2.と同様にして剥離強度を測定し、以下の基準で評価した
優 :水溶性樹脂から容易に剥離可能。剥離強度200g未満
良 :水溶性樹脂から剥離強度200g以上、ただし作業上に支障がない。
不良:剥離強度が高く作業性が悪い。もしくは水溶性樹脂がアルミニウム合金から剥
離発生する。
5.ドリル適性
当て板を6層積層板の最上部に重ね合わせ、0.3mmφのドリルを用い、回転数100,000rpm、2.0mm/rpm、20μm/revの条件で孔明け加工し、ドリルの折損性を以下の基準で評価した。
良 :1500回以上で折損
不良:1500回未満で折損
当て板を6層積層板の最上部に重ね合わせ、0.3mmφのドリルを用い、回転数100,000rpm、2.0mm/rpm、20μm/revの条件で孔明け加工し、ドリルの折損性を以下の基準で評価した。
良 :1500回以上で折損
不良:1500回未満で折損
表1から明らかなように、実施例1〜3の積層当て板は、広範囲の水溶性樹脂層を用いた場合に対応することができ、かつ積み重ね保管が可能となることにより、優れた材料を提供できることが判った。
Claims (7)
- アルミニウム合金材、その少なくとも一方の面に設けられた潤滑油を含有する少なくとも一層の高分子樹脂層、及び該高分子樹脂層の上層に設けられた剥離可能な保護用基材からなるプリント配線基板孔明け用当て板。
- 高分子樹脂層が水溶性樹脂からなる請求項1記載の当て板。
- あらかじめ潤滑油を含有する水溶性樹脂を保護用基材に塗布してなる積層体に、アルミニウム合金材を積層してなる請求項2記載の当て板。
- 保護用基材がプラスチックフィルムである請求項1〜3のいずれかに記載の当て板。
- プラスチックフィルムが、シンジオタクチックポリスチレンを含む請求項4記載の当て板。
- 潤滑油を含有する高分子樹脂層を、該高分子樹脂層と転写剥離可能な保護用基材上に設けた後、該高分子樹脂層面をアルミニウム合金材の少なくとも一方の面に積層するプリント基板孔明け用当て板の製造方法。
- 高分子樹脂層として水溶性樹脂を用いる請求項6記載の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006055376A JP2007234906A (ja) | 2006-03-01 | 2006-03-01 | プリント配線基板孔明け用当て板及びその製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009248274A (ja) * | 2008-04-10 | 2009-10-29 | Showa Denko Packaging Co Ltd | 孔あけ加工用当て板及び孔あけ加工方法 |
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JP2011079080A (ja) * | 2009-10-06 | 2011-04-21 | Showa Denko Packaging Co Ltd | 孔あけ加工用あて板 |
-
2006
- 2006-03-01 JP JP2006055376A patent/JP2007234906A/ja active Pending
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