JP2007233231A - 距離測定機能を有する撮像装置 - Google Patents

距離測定機能を有する撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】距離測定機能を有する撮像装置に関し、撮像装置の小型化、コストダウンを図る。
【解決手段】反射光を受光して、撮像するイメージセンサ(30)と、対象物にスポット光を照射する距離測定用発光素子(52)と、距離測定時に、距離測定用発光素子を駆動し、イメージセンサ(30)の撮像画像から前記距離測定用発光素子のスポット光の位置を検出し、前記対象物との距離を求める制御回路(90)とを設ける。対象物の撮像のためのイメージセンサ(30)を距離測定用の受光素子に利用することができる。このため、距離測定用の受光素子を別に設ける必要がなく、撮像装置を小型化でき、且つコストダウンも可能となる。
【選択図】図16

Description

本発明は、対象物の距離を測定し、対象物を撮像するための距離測定機能を有する撮像装置に関し、特に、対象物が撮像範囲にあるかを検出するため、対象物との距離を測定する撮像装置に関する。
対象物に均一な光を照射し、対象物の所定範囲を撮像する撮像装置は、広く利用されている。このような撮像装置の撮像画像を利用して、画像処理する画像処理システムでは、特に、鮮明な撮像画像が要求される。
例えば、近年のバイオメトリックス技術の発展に伴い、人間の体の個人を区別できる部分である生体の特徴を、例えば、手足の指紋、目の網膜、顔面、血管など、撮像し、生体の特徴を認識して、個人認証する装置が種々提供されている。
特に、手のひらや指の血管、掌紋は、比較的大量の個人特徴データを得られるため、個人認証の信頼性に適している。又、血管(静脈)の模様は、胎児の時から生涯変わらず、万人不同と言われおり、個人認証に適している。図19乃至図22は、従来の血管像認証技術の説明図である。図19に示すように、登録又は認証時に、利用者は、撮像装置100に手110のひらを近づける。撮像装置100は、近赤外線を発光し、手110のひらに当てる。撮像装置100は、手110のひらから跳ね返った近赤外線を、センサーで受信する。
図20に示すように、静脈112に流れる赤血球の中のヘモグロビンは、酸素を失っている。このヘモグロビン(還元ヘモグロビン)は、760ナノメートル付近の近赤外線を吸収する。このため、手のひらに近赤外線を当てると、静脈がある部分だけ反射が少なく、反射した近赤外線の強弱で、静脈の位置を認識できる。
図19に示すように、利用者は、先ず、自身の手のひらの静脈画像データを、図19の撮像装置100を利用して、サーバーやカードに登録する。次に、個人認証するには、利用者は、自身の手のひらの静脈画像データを、図19の撮像装置100を利用して、読み取らせる。
利用者のIDで引き出された静脈登録画像と、読み取られた静脈照合画像との静脈の模様を照合し、個人認証する。例えば、図21のような登録画像と照合画像との静脈模様の照合では、本人と認証する。一方、図22のような登録画像と照合画像との静脈模様の照合では、本人と認証しない(例えば、特許文献1参照)。
このような生体認証等には、対象物(生体認証では、人間の体の一部)を非接触で撮像する必要がある。このため、撮像装置100は、ある撮像範囲(距離及び面積)において、光強度が均一となる光を発射し、その撮像範囲の反射光をセンサーで受光し、電気信号として、撮像画像信号を出力する。
図23及び図24は、従来の撮像装置の説明図である。図23及び図24に示すように、撮像装置100は、中央に撮像ユニット120を、その周囲に、複数の発光素子130−1〜130−8を設けている。図22の点線は、この複数の発光素子130−1〜130−8の個々の発光素子の均一強度の光の範囲を、示している。
このように、撮像ユニット120の周囲に、複数(ここでは、8つ)の点光源を配置することにより、撮像ユニット120の撮像範囲に、均一強度の光を照射できる。一方、撮像ユニット120は、CMOSセンサー等の光電変換ユニット122と、レンズ等の光学系124を有する。面受光素子である光電変換素子は、所定の受光面積を有するため、この受光面に、撮像範囲の反射光を導くには、所定の光学距離が必要となる。このため、魚眼レンズ等のレンズ124を、光電変換ユニット122と対象物との間に設け、所定の撮像範囲の像を光電変換素子122の受光面に投影している。
このように、各点光源素子130−1〜130−8で、所定の撮像範囲を分担して、照射するには、図23のように、点光源素子130−1〜130−8を離して、配置し、且つ所定の光強度の均一光を、撮像範囲に与えるため、図24のように、光電変換素子122より、対象物に近接して、配置することが行われていた(例えば、特許文献2参照)。
又、このような撮像装置では、対象物が焦点距離に位置しているかを検出する必要がある。従来は、発光部と受光部を有する光学式距離センサーを、撮像装置内に設け、対象物との距離を測定していた(例えば、特許文献3参照)。例えば、図24の点光源素子130−4と撮像ユニット120との間に、光学式距離センサーを設けていた。
特開2004−062826号公報(図2乃至図9) WO2004/088588号公報(図1及び図6) WO2004/088979号公報(図1及び図5)
この従来の撮像装置では、距離センサーは、発光部と受光部とを有し、反射光の位置から距離を測定するため、発光部と受光部を離す必要がある。このため、センサー自体のサイズが大きく、撮像装置の小型化が困難であり、装置への組み込みに制限があった。
又、対象物の傾きも検出するには、複数の距離センサーを搭載する必要があり、より、撮像装置の小型化が困難であり、装置への組み込みに制限がある。しかも、コストダウンの阻害となっていた。
従って、本発明の目的は、距離測定機能を付与しても、小型に構成するための距離測定機能を有する撮像装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、距離測定機能を付与しても、コストダウンを可能とするための距離測定機能を有する撮像装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、小型化するとともに、対象物の距離を容易に検出するための距離測定機能を有する撮像装置を提供することにある。
この目的の達成のため、本発明は、対象物に照明を当て、前記対象物からの反射光を受光して、撮像する撮像装置において、前記反射光を受光して、撮像するイメージセンサと、前記対象物にスポット光を照射する距離測定用発光素子と、距離測定時に、前記距離測定用発光素子を駆動し、且つ前記イメージセンサの撮像画像から前記距離測定用発光素子のスポット光の位置を検出し、前記対象物との距離を求める制御回路とを有する。
又、本発明は、好ましくは、前記距離測定用発光素子は、前記イメージセンサに対し、前記イメージセンサの撮像範囲内に、前記スポット光を照射する位置に設けられた。
更に、本発明は、好ましくは、前記距離測定用発光素子は、前記イメージセンサを中心に、異なる位置に設けられた少なくとも3つの距離測定用発光素子からなる。
更に、本発明は、好ましくは、前記少なくとも3つの距離測定用発光素子は、前記イメージセンサを中心に、対向する位置に設けられた。
更に、本発明は、好ましくは、前記制御回路は、前記イメージセンサの撮像画像から各前記距離測定用発光素子のスポット光の位置を検出し、前記対象物の傾きを求める。
更に、本発明は、好ましくは、前記距離測定用発光素子が、前記イメージセンサを搭載する回路基板に搭載された。
更に、本発明は、好ましくは、撮像時に前記対象物に照明を与える照明機構を、前記イメージセンサの周囲に設け、前記照明機構の外側に、前記距離測定用発光素子を設けた。
更に、本発明は、好ましくは、前記照明機構は、前記イメージセンサの周囲の位置に搭載された複数の発光素子と、前記複数の発光素子の光を、撮像範囲に導き、前記撮像範囲を照明するリング状の導光体とからなり、前記リング状の導光体のリング内に収容され、前記照明された撮像範囲の対象物の反射光を前記イメージセンサに導くための光学ユニットを更に有する。
更に、本発明は、好ましくは、前記イメージセンサと、前記距離測定用発光素子と、前記複数の発光素子とを搭載する回路基板を更に設けた。
更に、本発明は、好ましくは、前記複数の発光素子は、前記イメージセンサの周囲の円に沿って、所定の間隔で、前記回路基板に搭載され、前記導光体は、前記円に対応したリング形状で構成された。
更に、本発明は、好ましくは、前記リング状導光体と、前記複数の発光素子間に、前記発光素子の光を拡散する拡散板を設けた。
更に、本発明は、好ましくは、前記複数の発光素子は、赤外光を発光する発光素子で構成され、少なくとも前記光学ユニットの入射面に、可視光をフィルターする光学フィルターを設けた。
更に、本発明は、好ましくは、前記導光体は、前記発光素子の光を導入するための下端部と、前記撮像範囲に光を出射するための上端部と、前記下端部から前記上端部へ、前記発光素子の光を導く導光部とを有する。
更に、本発明は、好ましくは、前記イメージセンサは、生体の一部を撮像する。
本発明では、反射光を受光して、撮像するイメージセンサと、対象物にスポット光を照射する距離測定用発光素子と、距離測定時に、距離測定用発光素子を駆動し、イメージセンサの撮像画像から前記距離測定用発光素子のスポット光の位置を検出し、前記対象物との距離を求める制御回路とを設けたので、対象物の撮像のためのイメージセンサを距離測定用の受光素子に利用することができる。このため、距離測定用の受光素子を別に設ける必要がなく、撮像装置を小型化でき、且つコストダウンも可能となる。
以下、本発明の実施の形態を、撮像装置の構成、照明機構、画像処理構成、他の実施の形態の順で説明する。
**撮像装置**
図1は、本発明の一実施の形態の撮像装置の断面図、図2は、図1の撮像装置の分解構成図、図3は、図1、図2の基板の上面図、図4は、図3の発光素子と受光素子の動作説明図、図5は、図2の構成を組み立てた場合の構成図、図6は、図1の外部ケースの構成図、図7は、図2の組み立て体を外部ケースに収容した場合の構成図、図8は、図1の撮像装置の外観図である。
図1の構成を説明する前に、図2乃至図7により、図1の各部の構成を説明する。図2に示すように、カメラ基板20の中央には、CMOSイメージセンサ等のイメージセンサ30と、偏光板32が設けられる。カメラ基板20のイメージセンサ30の周囲に、複数の発光素子22,24と受光素子26が搭載される。
図3で詳細に説明すると、カメラ基板20の中央に、イメージセンサ30が搭載され、その上に、偏光板32が、貼り付けられる。カメラ基板20のイメージセンサ30の周囲の円に沿って、複数の発光素子22,24と受光素子26とが搭載される。
この第1の発光素子22と第2の発光素子24との間に、受光素子(フォトダイオード)26が設けられる。図4に示すように、この受光素子26は、第1の発光素子22と第2の発光素子24の光(後述する偏光板44からの反射光)を受光し、第1の発光素子22と第2の発光素子24のAPC(自動パワー制御)を行うため、設けられる。
この第1の発光素子22と第2の発光素子24は、個別のタイミングで、発光駆動される。この例では、個別のタイミングで発光される第1、第2の発光素子22,24の各々の自動パワー制御を行うため、1つの受光素子26で、第1、第2の発光素子22,24の光を受光するように、第1、第2の発光素子22,24の間に配置されている。このため、APC制御のための受光素子の数を減少できる。
更に、カメラ基板20の四隅には、対象物との距離を計測するための4つの距離計測用発光素子52が設けられる。図3に示すように、この4つの距離計測用発光素子52は、カメラ基板20の対角線上に配置され、且つ各々発光素子52の間隔は、最も距離の遠い対角線上に配置される。この4つの距離計測用発光素子52による測定距離から、対象物(ここでは、手のひら)の傾きを検出する。
即ち、1枚のカメラ基板20には、対象物の撮像のための照明系22,24,26と、撮像系30,32とが設けられ、更に、距離計測系52も設けられる。
図2に戻り、カメラ基板20の発光素子22,24の上方には、4枚の拡散板44と4枚の偏光板42とが設けられる。この拡散板44と偏光板42は、カメラ基板20の四辺に、取り付けられる偏光・拡散台46に貼り付けられる。拡散板44は、第1、第2の発光素子22,24の指向性のある発光分布をある程度拡散する。偏光板42は、第1、第2の発光素子22,24の自然光を直線偏光に変換する。
この4枚の偏光板42の上方には、リング状の導光体10が設けられる。導光体10は、例えば、樹脂で構成され、且つカメラ基板20の第1、第2の発光素子22,24の光を上方に導き、対象物に均一光を照射する。このため、導光体10は、カメラ基板20の発光素子22,24の配置に合わせ、リング形状である。この導光体10は、図8以下で説明するように、第1、第2の発光素子22,24の光を上方に導きながら、対象物に均一光を照射する。
更に、カメラ基板20のほぼ中央のイメージセンサ30の上で、且つリング状の導光体10内に、光学ユニット34が、カメラ基板20に取り付けられる。光学ユニット34は、集光レンズ等のレンズ光学系からなる。
このカメラ基板20の距離測定用発光素子52には、アパチャー50が取り付けられる。アパチャー50は、距離測定用発光素子52の光が、対象物方向に向かうように、他の方向への光の拡散を遮蔽する。
カメラ基板20とは、別に、制御基板60が設けられる。制御基板60は、外部と接続するためのものであり、外部コネクタ62と、カメラ基板20とのカメラコネクタ64とを有する。この制御基板60は、カメラ基板20の下部に設けられ、カメラコネクタ64で、カメラ基板20と電気的に接続する。更に、外部コネクタ62のため、ホルダーカバー68が設けられる。
このようにして、カメラ基板20に、イメージセンサ30、発光素子22,24、受光素子26、距離測定用発光素子52を搭載し、このカメラ基板20上に、拡散・偏光台46、拡散板44、偏光板42、アパチャー50、光学ユニット34、導光体10を取り付け、カメラ部分を組み立てる。このカメラ部分に、制御基板60を取り付ける。図5は、そのカメラ部分と制御基板の取り付け後のユニット状態を示す。
更に、図6に示すように、可視光カットフィルタ板76、フード78、ホルダーアッセンブリー70、外装ケース74を用意する。そして、図5の取り付けユニットを、図6のホルダーアッセンブリー70に取り付け、且つ図2のホルダー68を、ホルダーアッセンブリー70に取り付けることにより、図7の構成に組み立てる。
この図7の構成を、図6の外装ケース74に収容し、且つフード78を取り付けた可視光カットフィルタ板76を、外装ケース74の上部に取り付け、図8の撮像装置を組み立てる。この可視光カットフィルタ板76は、外部からイメージセンサ30に入り込む可視光成分をカットする。又、フード78は、図1でも説明するように、所定の撮像範囲外の光が、光学ユニット34に入り込むのをカットするとともに、導光板10から漏れる光が、光学ユニット34に侵入することを防止する。
図1は、図8の完成体1の断面図である。前述のように、カメラ基板20に、イメージセンサ30、発光素子22,24、受光素子26、距離測定用発光素子52を搭載している。即ち、1つの基板に、照明系と撮像系の基本構成を搭載している。このため、搭載基板が1枚で済み、コストダウンに寄与する。
又、発光素子22,24の上部に、リング状の導光板10を設け、発光素子22,24の光を可視光フィルタ76に導いており、この導光体10は、発光素子22,24の光を分光して、可視光フィルタ76に出射する。このため、発光素子22,24をイメージセンサ30に近接して設けても、且つ同一基板20に設け、小型化できるとともに、対象物に均一な光を照明できる。即ち、図1に示す逆三角形の斜線部分をカメラの撮像範囲とすると、この撮像範囲に、均一な光を照明できる。
更に、導光板10は、リング状であるため、リング10内に、光学ユニット34を収容でき、一層小型化が可能となる。又、フード78は、所定の撮像範囲(図1の斜線部分)外の光が、光学ユニット34に入り込むのをカットするとともに、導光板10から漏れる光が、光学ユニット34に侵入することを防止するため、導光板10や、発光素子22,24を、イメージセンサ30、光学ユニット34に近接して設けても、撮像精度の低下を防止できる。
しかも、カメラ基板20に、距離測定用発光素子52を設けたので、距離測定するカメラユニットをより小型化できる。尚、図1では、制御基板60が、カメラ基板20の下部に接続され、且つ制御基板60の外部コネクタ62に、外部ケーブル2が接続される。
**照明機構**
次に、導光体を含む照明機構を説明する。図9は、本発明の一実施の形態の導光体の動作説明図、図10は、図9の照明機構の詳細構成図、図11は、図10の導光体の台形切り欠き部の説明図、図12乃至図14は、図10の導光体の導光及び拡散動作の説明図、図15は、照明による輝度分布図である。
図9において、図1及び図2で示したものと同一のものは、同一の記号で示してある。図9に示すように、導光体10は、点光源である発光素子22,24の光を、3分割するように、可視光フィルタ76に導く。
即ち、導光体10からは、基本的に、光学ユニット34方向の光A3、導光体10の長手方向の光A2,光学ユニット34と反対方向の光A1とが、出射される。この導光体10を設けることにより、1つの点光源22,24で、可視光フィルタ76近傍では、あたかも3つの点光源として、振る舞うことができる。
図10に示すように、導光体10は、上部斜面14と、2つの側面10−1,10−2と、下部台形溝部12とからなる。下部台形部12は、偏光板42、拡散板44を介し発光素子22,24に対向し、発光素子22,24からの光を受ける。又、上部斜面14は、光学ユニット34側が高い斜面である。
図11に示すように、発光素子22,24から発光強度分布Bは、上部に向かって長い(強い)円弧状をなしている。即ち、発光素子22,24の光発射方向(素子の垂直方向)の光成分B1の強度が、その両側方向の光成分B2,B3より強い。導光体10の台形状溝12は、出射側で、図9のように、基本的に3つの点光源とみなせるように、この強度分布Bに対応して形成されている。
即ち、導光体10内での反射により、3つの点光源となるように、台形状溝12は、光成分B1を、屈折せず、導入する平坦部分12bと、その両側の光成分B2,B3を屈折して、導入するため、この光成分B2,B3の方向に応じた傾きを持つ一対の斜面部分12a,12cとで構成されている。この台形状溝12の形状により、あたかも、点光源22,24の光を、3つの光に分割する作用を果たす。
又、この平坦部分12bと斜面部分12a,12cの長さは、後述するように、導光体10の出射光により、所定の領域の光強度が、ほぼ均一となるように、設定されている。ここでは、最大の光強度の光成分B1を受ける平坦部分12bの長さが、それより弱い光強度の光成分B2,B3を受ける斜面部分12a,12cの長さより、短い。これにより、光強度分布に応じて、分割される光量を調整している。
この動作を、図12乃至図14で説明する。図12に示すように、発光素子22,24の発光強度分布Bの左側の成分B2は、導光体10の左側斜面部分12aで屈折され、導光体10の左側面10−2に入射し、左側面10−2で反射して、導光体10の右側面10−1に向かう。そして、右側面10−1に向かった光は、右側面10−1で反射し、再び、左側面10−2に向かい、左側面10−2で反射され、上部斜面14にほぼ垂直に入射し、撮像範囲の最外部へ出射する。
又、図13に示すように、発光素子22,24の発光強度分布Bの中央の成分B1は、導光体10の中央平坦部分12bから導光体10に入射し、上部斜面14に斜めに入射し、撮像範囲の最内部へ出射する。
更に、図14に示すように、発光素子22,24の発光強度分布Bの右側の成分B3は、導光体10の右側斜面部分12Cで屈折され、導光体10の右側面10−1に入射し、右側面10−1で反射して、導光体10の左側面10−2に向かう。そして、左側面10−2に向かった光は、左側面10−2で反射し、上部斜面14にほぼ垂直に入射し、撮像範囲の最内部と最外部の間へ出射する。
図12乃至図14を合成すると、図10のような光路図となる。即ち、導光体10は、点光源22,24の点発光を、台形状溝部12で、3つの光に分割し、各々の光を、導光体10内の側面の反射を利用して、導光体10の出射側で、3つの点光源が存在するかの如く振舞うように、出射する。
この場合に、図1の撮像範囲(斜線)を考慮して、導光体10の上部斜面14で、出射方向を調整する。又、撮像範囲で、ほぼ均一の光強度を得るには、図11で説明した発光素子22,24の発光強度分布Bを考慮して、導光体10の台形状溝部12の平坦部分12b、斜面部分12a,12cの長さ、即ち、入射幅又は入射量を調整する。
ここでは、ほぼ均一の光強度を得るため、図11で説明した発光素子22,24の発光強度分布Bが、中央の光強度が強く、その周囲がそれより弱いため、導光体10の台形状溝部12の平坦部分12bの長さを、斜面部分12a,12cの長さより短くし、光強度の強い部分が、平坦部分12bにのみならず、斜面部分12a,12cにも入射するようにしている。
そして、導光体10の台形形状の溝12と上部斜面14と、導光体10の反射を利用して、反射光や直進光を、撮像範囲に、ほぼ均一の光強度を得るように、拡散して、出射できる。
図15は、図1の撮像装置の撮像範囲と光強度の実験結果を示す図である。図15の横軸は、位置であり、縦軸は、光強度である。具体的には、位置は、イメージセンサ30のドット位置であり、ここでは、幅640ドットのイメージセンサ30を使用している。そして、図1の撮像範囲(斜線部)の上部の平らな部分に、実験用の白紙を置き、イメージセンサ30の各ドットの出力レベル値を測定した。出力レベル値は、白紙であるから光強度に対応する。
この実験例では、イメージセンサ30の中央の約310ドットの幅で、ほぼ均一な光強度が得られている。例えば、310ドット幅の最大レベルは、「190」であり、最小レベルは、「160」であり、中間の「175」に対し、±15の範囲であり、誤差は、±10%以下である。
図1で言うと、イメージセンサ30の撮像範囲Vに対し、光強度均一範囲は、V1で示される。撮像範囲は、Vであるが、この範囲V1の画像から、撮像対象物の特に重要な特徴を抽出することにより、精度の高い特徴抽出が可能となる。
又、V1以外の範囲の画像は、レベル補正により、レベルを合わせ、重要度の低い特徴抽出に使用できる。
**画像処理構成**
図16は、本発明の一実施の形態の撮像画像処理装置のブロック図、図17は、その撮像画像処理フロー図、図18は、距離測定動作の説明図である。
図16に示すように、撮像装置の駆動・処理系は、第1の発光素子22を駆動する第1の照明LED駆動部94と、第2の発光素子24を駆動する第2の照明LED駆動部96と、距離計測用発光素子52を駆動する測距LED駆動部98と、イメージセンサ30の各画素のアナログ出力を、デジタル値に変換するアナログ/デジタル変換器92と、マイクロコントローラ90を有する。
第2の照明LED駆動部94,96は、各々発光期間に、図4で説明したように、受光素子26からの受光した光強度に応じて、APC(自動パワー制御)する。マイクロコントローラ(MCU)90は、MPU(マイクロプロセッサ)と,ROM(リードオンリーメモリ)と、RAM(ランダムアクセスメモリ)とからなり、距離算出90A,姿勢判別90B,シャッタ制御90C,画像処理90Dの各処理を行う。
図17により、MCU90の撮像処理を説明する。
(S10)MCU90は、距離測定用発光素子(LED)52を、測距LED駆動部52を介し駆動する。これにより、図2、図3で説明した4つの距離測定用発光素子52が発光する。イメージセンサ30は、図1に示したように、撮像範囲の画像を撮像する。ここで、照明用発光素子22,24を駆動していないので、イメージセンサ30には、距離測定用発光素子52の発光光に対する撮像範囲内の対象物からの反射光のみが受光される。図18に、イメージセンサ30の画像30A内での各距離測定用発光素子52の発光光に対する撮像範囲内の対象物からの反射光52A,52B,52C,52Dの位置を示す。この位置は、対象物(例えば、手のひら)の傾きにより、ずれる。
(S12)次に、イメージセンサ30の画像30Aは、A/D(アナログ/デジタル)変換器92により、各画素のアナログ受光量が、デジタル値に変換され、MCU90のメモリに格納される。MCU90は、メモリの画像データをサーチし、この反射光52A,52B,52C,52Dの位置を検出する。
この際に、図3及び図18に示したように、4つの距離測定用発光素子52が、画像(撮像範囲)の中心から対角に配置されているので、メモリの画像データを、図18の点線のように、直線上にサーチしていくことにより、直線上の画素輝度から、4点の位置(イメージセンサの中心からの位置)が検出できる。例えば、図1のような逆三角形の撮像範囲では、対象物との距離が遠いと、点線で示すように、画像上のスポット光位置52A1〜52D1のように、イメージセンサ30の中心に近づき、対象物との距離が近いと、実線で示すように、画像上のスポット光位置52A〜52Dのように、イメージセンサ30の中心から遠ざかる。
更に、発光素子52の間隔は、最も距離の遠い対角線上に配置されるので、画像内で、中心から最も遠い位置を検出できる。MCU90は、この4点の位置から、三角測量の方法により、対象物との距離(平均)と傾きを検出する。即ち、イメージセンサ30の中心からの位置により、各4点での距離を計算し、4点の距離の差で、傾き(4方向)を検出できる。
(S14)MCU90は、撮像対象物の距離が適切(撮像範囲内の所定の焦点距離にある)かを判定する。MCU90は、撮像対象物の距離が適切でないと、図示しない表示部に誘導ガイダンスを表示する。例えば、「対象物(手のひら)を近づけて下さい」、「対象物(手のひら)を遠ざけて下さい」という誘導メッセージを表示する。
(S16)MCU90は、距離が適切であると、撮像対象物の傾きが適切かを判定する。例えば、対象物の平面部分(手のひら等)を撮像する場合には、傾きが、許容された傾き範囲内かを判定する。MCU90は、撮像対象物の傾きが適切でないと、図示しない表示部に誘導ガイダンスを表示する。例えば、対象物が手のひらでは、「手を開いて下さい」等の誘導メッセージを表示する。
(S18)MCU90は、傾きが適切であると、照明LED駆動部94、96に発光指示を与え、第1、第2の発光素子22、24を発光して、光を対象物に照射する。そして、MCU90は、図示しないシャッタ(光学ユニット内)を駆動し、イメージセンサ30で撮像範囲の画像を撮像し、A/D変換器92を介し画像をメモリに格納する。そして、この画像から特徴を抽出する。例えば、前述の血管像の抽出では、画像から血管像データを抽出する。
このように、撮像対象が焦点距離にあるかや、傾きを検出するため、イメージセンサ30を距離測定用受光部にも利用したので、距離測定機構は、距離測定用発光素子52を設ければ良いため、即ち、距離測定用受光素子を特別に設けなくても良いため、コストダウンに寄与するとともに、実装部品数も低減でき、小型化に寄与する。
又、4つの距離測定用発光素子52が、画像(撮像範囲)の中心から対角に配置しているので、メモリの画像データを、図18の点線のように、サーチしていくことにより、4点の位置が検出でき、検出処理が容易である。更に、発光素子52の間隔は、最も距離の遠い対角線上に配置されるので、小型化しても、画像内で、中心から最も遠い位置を検出でき、傾き検出を正確にできる。
*他の実施の形態**
前述の実施の形態では、4つの距離測定用発光素子で説明したが、傾きを検出するには、最低3つで良い。同様に、傾きを検出しない場合には、距離測定用発光素子は、1つで良い。
又、導光体の下部溝12を台形形状のもので説明したが、他の多面体形状のものでも良い。例えば、溝部の台形を3面体とすると、4面体等の多面体を、要求される性能に応じて、使用できる。コストを重視する場合には、多面体の面数が少ない方が良く、ここでは、台形がより良い。
更に、撮像対象物を、手のひらで説明し、撮像対象の画像処理を、手のひらの静脈パターン認証で説明したが、手の掌紋、手の甲の血管像や、指の血管像、顔、虹彩等の他の生体の特徴を利用した生体認証にも、適用でき、又、生体認証の用途に限らず、他の用途にも適用できる。
以上、本発明を実施の形態により説明したが、本発明の趣旨の範囲内において、本発明は、種々の変形が可能であり、本発明の範囲からこれらを排除するものではない。
(付記1)対象物に照明を当て、前記対象物からの反射光を受光して、撮像する撮像装置において、前記反射光を受光して、撮像するイメージセンサと、前記対象物にスポット光を照射する距離測定用発光素子と、距離測定時に、前記距離測定用発光素子を駆動し、且つ前記イメージセンサの撮像画像から前記距離測定用発光素子のスポット光の位置を検出し、前記対象物との距離を求める制御回路とを有することを特徴とする距離測定機能を有する撮像装置。
(付記2)前記距離測定用発光素子は、前記イメージセンサに対し、前記イメージセンサの撮像範囲内に、前記スポット光を照射する位置に設けられたことを特徴とする付記1の距離測定機能を有する撮像装置。
(付記3)前記距離測定用発光素子は、前記イメージセンサを中心に、異なる位置に設けられた少なくとも3つの距離測定用発光素子からなることを特徴とする付記1の距離測定機能を有する撮像装置。
(付記4)前記少なくとも3つの距離測定用発光素子は、前記イメージセンサを中心に、対向する位置に設けられたことを特徴とする付記3の距離測定機能を有する撮像装置。
(付記5)前記制御回路は、前記イメージセンサの撮像画像から各前記距離測定用発光素子のスポット光の位置を検出し、前記対象物の傾きを求めることを特徴とする付記4の距離測定機能を有する撮像装置。
(付記6)前記距離測定用発光素子が、前記イメージセンサを搭載する回路基板に搭載されたことを特徴とする付記1の撮像装置。
(付記7)撮像時に前記対象物に照明を与える照明機構を、前記イメージセンサの周囲に設け、前記照明機構の外側に、前記距離測定用発光素子を設けたことを特徴とする付記1の距離測定機能を有する撮像装置。
(付記8)前記照明機構は、前記イメージセンサの周囲の位置に搭載された複数の発光素子と、前記複数の発光素子の光を、撮像範囲に導き、前記撮像範囲を照明するリング状の導光体とからなり、前記リング状の導光体のリング内に収容され、前記照明された撮像範囲の対象物の反射光を前記イメージセンサに導くための光学ユニットを更に有することを特徴とする付記7の距離測定機能を有する撮像装置。
(付記9)前記イメージセンサと、前記距離測定用発光素子と、前記複数の発光素子とを搭載する回路基板を更に設けたことを特徴とする付記8の距離測定機能を有する撮像装置。
(付記10)前記複数の発光素子は、前記イメージセンサの周囲の円に沿って、所定の間隔で、前記回路基板に搭載され、前記導光体は、前記円に対応したリング形状で構成されたことを特徴とする付記9の距離測定機能を有する撮像装置。
(付記11)前記リング状導光体と、前記複数の発光素子間に、前記発光素子の光を拡散する拡散板を設けたことを特徴とする付記8の距離測定機能を有する撮像装置。
(付記12)前記複数の発光素子は、赤外光を発光する発光素子で構成され、少なくとも前記光学ユニットの入射面に、可視光をフィルターする光学フィルターを設けたことを特徴とする付記8の距離測定機能を有する撮像装置。
(付記13)前記導光体は、前記発光素子の光を導入するための下端部と、前記撮像範囲に光を出射するための上端部と、前記下端部から前記上端部へ、前記発光素子の光を導く導光部とを有することを特徴とする付記8の距離測定機能を有する撮像装置。
(付記14)前記イメージセンサは、生体の一部を撮像することを特徴とする付記1の距離測定機能を有する撮像装置。
反射光を受光して、撮像するイメージセンサと、対象物にスポット光を照射する距離測定用発光素子と、距離測定時に、距離測定用発光素子を駆動し、イメージセンサの撮像画像から前記距離測定用発光素子のスポット光の位置を検出し、前記対象物との距離を求める制御回路とを設けたので、対象物の撮像のためのイメージセンサを距離測定用の受光素子に利用することができる。このため、距離測定用の受光素子を別に設ける必要がなく、撮像装置を小型化でき、且つコストダウンも可能となり、撮像装置の普及に寄与する。
本発明の一実施の形態の撮像装置の断面図である。 図1の撮像装置の分解構成図である。 図2の回路基板の部品配置図である。 図2の回路基板の発光素子と受光素子との関係説明図である。 図2の分解部品の組み立て図である。 図1の外装部品の構成図である。 図2の組み立て体のアッセンブリーの構成図である。 図1の撮像装置の外観図である。 図1の照明系の説明図である。 図9の導光体と発光素子の構成図である。 図10の発光素子の発光強度分布と導光体の下端部の関係図である。 図10の導光体の第1の動作説明図である。 図10の導光体の第2の動作説明図である。 図10の導光体の第3の動作説明図である。 図10の導光体による光強度分布図である。 図1の撮像装置のための制御回路のブロック図である。 図16の制御回路の撮像処理フロー図である。 図16の構成による距離測定動作の説明図である。 従来の手のひら撮像装置の説明図である。 従来の手のひら撮像装置の原理説明図である。 従来の手のひら認証技術の説明図である。 従来の手のひら認証技術の他の説明図である。 従来の撮像装置の照明構成の説明図である。 従来の撮像装置の構成図である。
符号の説明
1 撮像装置
2 ケーブル
10 導光体
10−1,10−2 側面
12 下端溝部
14 上端部
20 回路基板
22,24 発光素子
26 受光素子
30 イメージセンサ
32 偏光板
34 光学ユニット
42 偏光板
44 拡散板
46 偏光・拡散台
52 距離測定用発光素子
76 可視光フィルタ
78 フード

Claims (5)

  1. 対象物に照明を当て、前記対象物からの反射光を受光して、撮像する撮像装置において、
    前記反射光を受光して、撮像するイメージセンサと、
    前記対象物にスポット光を照射する距離測定用発光素子と、
    距離測定時に、前記距離測定用発光素子を駆動し、且つ前記イメージセンサの撮像画像から前記距離測定用発光素子のスポット光の位置を検出し、前記対象物との距離を求める制御回路とを有する
    ことを特徴とする距離測定機能を有する撮像装置。
  2. 前記距離測定用発光素子は、前記イメージセンサに対し、前記イメージセンサの撮像範囲内に、前記スポット光を照射する位置に設けられた
    ことを特徴とする請求項1の距離測定機能を有する撮像装置。
  3. 前記距離測定用発光素子は、前記イメージセンサを中心に、異なる位置に設けられた少なくとも3つの距離測定用発光素子からなる
    ことを特徴とする請求項1の距離測定機能を有する撮像装置。
  4. 前記少なくとも3つの距離測定用発光素子は、前記イメージセンサを中心に、対向する位置に設けられた
    ことを特徴とする請求項3の距離測定機能を有する撮像装置。
  5. 撮像時に前記対象物に照明を与える照明機構を、前記イメージセンサの周囲に設け、
    前記照明機構の外側に、前記距離測定用発光素子を設けた
    ことを特徴とする請求項1の距離測定機能を有する撮像装置。
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