JP2007232850A - 透過型スクリーン及びそれを用いた背面投射型ディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】
環境の温度・湿度の変化でスクリーンの中央部が膨らむによるスクリーン画質の低下のないレンチキューラーレンズシート及びこれを用いた透過型スクリーンを提供する。
【解決手段】
少なくともレンチキューラーレンズシートとフレネルレンズシートとを組み合わせてからなる透過型スクリーンにおいて、前記レンチキューラーレンズシートは、少なくともレンズ部とレンズ基材、光透過性基板、光拡散層を有し、前記光透過性基板は全光線透過率が90%以上であり、ヘイズ35%以下であり、尚且つ低吸水性を有する光透過性樹脂からなることを特徴とする透過型スクリーンを提供する。
【選択図】図1
環境の温度・湿度の変化でスクリーンの中央部が膨らむによるスクリーン画質の低下のないレンチキューラーレンズシート及びこれを用いた透過型スクリーンを提供する。
【解決手段】
少なくともレンチキューラーレンズシートとフレネルレンズシートとを組み合わせてからなる透過型スクリーンにおいて、前記レンチキューラーレンズシートは、少なくともレンズ部とレンズ基材、光透過性基板、光拡散層を有し、前記光透過性基板は全光線透過率が90%以上であり、ヘイズ35%以下であり、尚且つ低吸水性を有する光透過性樹脂からなることを特徴とする透過型スクリーンを提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、レンチキューラーレンズシートとフレネルレンズシートとを組み合わせて構成される透過型スクリーンに関して、特に液晶パネルやDMDなどいわゆるマイクロディスプレイタイプの映像投射装置が使用される背面投射型プロジェクションテレビに好適な透過型スクリーンに関する。
従来、液晶パネル等の映像投射装置からの映像を背面からスクリーン上に拡大して、映像を観察する背面投射型プロジェクションテレビに用いられる透過型スクリーンは、一般的に、観察者側に配置されるレンチキューラーレンズシートと光源側に位置するフレネルレンズシートとの組み合わせにより構成されている。
フレネルレンズシートは、映像投射装置からの投影光を略平行光として、レンチキューラーレンズシートに出射する機能を持つ。このフレネルレンズシートは、板状の基材層の片面に同心円状の凹凸が形成されたレンズ部が設けられて構成されている。そして、使用時には、一般に背面投射型プロジェクションテレビ内において、映像投射装置側に、レンズシートの基材層側に配置される。
一方、レンチキューラーレンズシートは、水平方向に映像光を屈折させる作用を持つシリンドリカルレンズ群が配列され、映像投射装置から照射されフレネルレンズシートで略平行光とされた投影光を観察者のいる左右方向に屈折させる作用をし、水平方向の視野角すなわち観察領域を広げ、観察者側に表示光として出射する機能を持つ。
レンチキューラーレンズシートは、従来、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂等の透明な熱可塑性樹脂シートに対してプレス成型を行ったり、溶融押出しと同時に両面成型を行うことにより得られているが、熱可塑性樹脂に対するこれらの成型法は、レンチキューラーレンズのファインピッチ化が非常に困難である。ファインピッチなレンズシートを成型するのに好適な方法として、活性エネルギー線硬化性樹脂を用いて支持体フィルムの上にレンズを形成する方法がよく使われている。また、コントラスト向上のために、前記支持体フィルムのレンズの反対側に外光を吸収するストライブ状の遮光層が形成されている。
レンチキューラーレンズシートを通して観察者側に投影された映像光を垂直方向に広げると同時にスクリーン上に映像光を結像させるために、レンチキューラーレンズシートに光拡散部を配置することが一般的に行われている。従来、光拡散層としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル−スチレン共重合体樹脂等のいずれかの樹脂基材からなる光拡散板が使用されている。この光拡散板は、上記樹脂を板状に成形する際にガラスビーズ、酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、参加アルミニウム、各種粘土等の無機微粉末または架橋重合体樹脂微粒子当の拡散剤を練り込み方法や上記拡散剤を塗料化して板に塗布形成して拡散層を設ける方法等によって製造されている。
通常、上記拡散板とレンチキューラーレンズシートとは、レンチキューラーレンズシートのレンズ面と反対側の平坦面と拡散板と粘着層を介して積層されている。
しかし、上記のように積層されたレンチキューラーレンズシートを使用した透過型スクリーンは、環境の温度変化及び湿度によって、レンチキューラーレンズシートとフレネルシートの間に隙間が生じ、焦点ぼけ、色再現性の低下、2重像と言った現象によるスクリ
ーンの画質が著しく低下する問題があった。
ーンの画質が著しく低下する問題があった。
そこで、上記の問題を解消する方法としては、レンチキューラーレンズシートとフレネルレンズシートを形成した後、シートを一定の温度まで加熱して、強制的に湾曲させるという反り付け工程が行われる。反らしたレンチキューラーレンズシートとフレネルレンズシートとを全面にわたって密着させるように重ね合わせたスクリーンをテレビのキャビネットのフラットな取り付け部に装着・固定する方法が提案されている。しかしながら、上記の予めシートを反らす方法は、シートの内部応力を充分に取り除いてシートの中心部が膨れないようにすることは困難であった。
また、特許文献1に示すように、透過型スクリーンに用いる拡散板の基材は、吸水率が0.1%以下の低吸水性、かつ高透明性の樹脂からなる拡散板の基板が提案されている。低吸水性、かつ高透明性の樹脂としては、例えばシクロオレフィンポリマーが公報の実施例に使用され、このように製造された透過型スクリーンは、テレビキャビネット内外の温度差や湿度差によって、スクリーン中央部が外側に膨らむことがなく、高画質の映像が得られる。しかし、上記低吸水性透明樹脂は、一般的に高価なものであるため、製品コストの上昇を招くことになる。
特許文献は以下の通りである。
特開2002−40564号公報
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたもので、環境の温度・湿度の変化でスクリーンの中央部が膨らむによるスクリーン画質の低下のないレンチキューラーレンズシート及びこれを用いた透過型スクリーンを提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、請求項1記載の発明は、少なくともレンチキューラーレンズシートとフレネルレンズシートとを組み合わせてからなる透過型スクリーンにおいて、前記レンチキューラーレンズシートは、少なくともレンズ部とレンズ基材、微粒子を含む光透過性基板、光拡散層を有し、前記微粒子を含む光透過性基板は全光線透過率が90%以上であり、ヘイズ35%以下であり、尚且つ低吸水性を有する光透過性樹脂からなることを特徴とする透過型スクリーンであることを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、前記低吸水性を有する微粒子を含む光透過性基板が、5〜30重量部のメチルメタクリレート単量体(A)、70〜95重量部のスチレン単量体(B)、そして上記単量体合計の総量(A+B)100重量部に対し、0.1〜15重量部の上記単量体と重合可能な分子中に少なくとも一個の二重結合を有する単量体(C)からなる単量体混合物を共重合してなる共重合樹脂組成物に、紫外線吸収剤および光拡散性微粒子を配合して、押出し成形により成形された請求項1記載の透過型スクリーンであることを特徴とする。
また、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の透過型スクリーンにおいて、前記レンチキューラーレンズシートの光拡散部は、光拡散性微粒子を混入した熱可塑性樹脂または未硬化の活性エネルギー線硬化型樹脂を、前記光透過性基板の表面に塗布する、または、加圧手段で加圧して前記光透過性基板に密着させた後、前記熱可塑性樹脂または活性エネルギー線硬化型樹脂に熱または活性エネルギー線を与えて硬化させることで形成された光拡散層であり、尚且つ前記光透過性基板より高いヘイズ値を有することを特徴とする。
また、請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3何れか記載の透過型スクリーンにおいて、前記レンチキューラーレンズシートの光拡散層の観察者側最外層に、ハードコート層、反射防止層、帯電防止層、着色層等の光学機能層を何れか一つ以上を同一層または多層に形成してなることを特徴とする。
また、請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4何れか記載の透過型スクリーンと、前記透過型スクリーンの背面に映像光を投射する光源と、を有することを特徴とする背面投射型ディスプレイである。
本発明により、環境の温度、湿度の変化によりスクリーンの中央部が膨らむことのない高画質の映像を観察できる透過型スクリーンを提供することが可能となった。
以下、本発明の一実施例としての実施の形態について、図に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明におけるレンチキューラーレンズシートの構成、及びそれとフレネルレンズシートと組み合わせてなる透過型スクリーンの構成を示した平面図である。本発明における透過型スクリーン10は、一例として、映像光の投射側より、順次、フレネルレンズシート30と、レンチキューラーレンズシート20とからなり、レンチキューラーレンズシート20は、映像光を水平方向に屈折拡散させる作用を有する垂直方向に縦長のシリンドリカルレンズ21、レンズ基材22、該レンズ群と反対側の平坦面に映像光の通過しない非集光部の領域にストライプ状の遮光層23、光透過性基板24、光拡散層25から形成される。また、必要に応じて、光拡散層25の外側に反射防止層及び耐擦傷性のハードコート層を設けることができる。
図2は、本発明における透過型スクリーンを取り付けた背面投射型プロジェクションテレビ装置を示す断面図である。テレビ装置40は、箱状のキャビネット41内には映像投射装置42が収納されている。キャビネットの後方開口部はミラーカバーで覆われ、このミラーカバー内に反射ミラー43が配置されている。また、キャビネットの前面側には長方形状の開口部が形成され、この開口部の全周囲にフラットな取り付け部(図示せず)が設けられており、その取り付け部にレンチキューラーレンズシート20とフレネルレンズシート30とを組み合わせてからなる透過型スクリーン10を装着固定される。
本発明のレンチキューラーレンズシートが、レンズ部、レンズ基材、光透過性基板、光拡散層からなる構造を有し、そして、前記光透過性基板が、低吸水性を有する光透過性樹脂であることによって、キャビネット内外の温度変化が生じても、スクリーン中心部が膨らむように外側に反ることがなく、スクリーンがフラットな状態が保持され、映像画質に優れた透過型スクリーンを実現できる。
本発明の低吸水性を有する光透過性基板は、メチルメタクリレート単量体5〜30重量%、スチレン単量体75〜95重量%、その他の分子中に少なくとも一個の二重結合を有する単量体0.1〜15重量%からなる単量体混合物を共重合してなる共重合樹脂組成物に、紫外線吸収剤および光拡散性微粒子を配合して、押出し成形により成形されたものである。
上記スチレン単量体配合割合が75重量%未満であると、共重合で得られるメチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂の吸水率が大きくなる傾向にある。一方、スチレン単量体配合割合が95重量%を超えると、共重合で得られるメチルメタクリレート−スチレ
ン共重合体樹脂の曲げ強度などの機械的物性が低下する。
ン共重合体樹脂の曲げ強度などの機械的物性が低下する。
また、その他の分子中に少なくとも一個の二重結合を有する単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル単量体、アクリル酸、メタクリル酸また、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル単量体が挙げられる。これらの単量体は単独または2種類以上を併用して用いることができる。
また、上記単量体を共重合して得られた共重合体樹脂の重量平均分子量は、押出し混練性と成形した板の物性面から、通常スチレン換算で100000〜240000であり、分子量分布〔重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)〕は、10以下であることが好ましい。
本発明に使用する紫外線吸収剤は、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系やホルムアミジン系などが挙げられるが、特に限定されるものではない。一方、上記拡散性微粒子は、粉末ガラス、微粉砕ガラス繊維、酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム、各種粘土等の無機微粉末または架橋重合体樹脂微粒子等が挙げられる。拡散剤の種類、拡散剤の混入量は必要に応じて適宜設定されるもので、特に限定されるものではないが、得られた光透過性基板は、ヘイズが35%以下であることが好ましく、15%から25%の範囲にあるのがさらに好ましい。
また、上記低吸水性を有する光透過性基板の厚さは、1〜2mm程度が望ましいが、特に限定されるものではない。
本発明のレンチキュラーレンズの成形としては、透光性樹脂フイルム基材上に、活性エネルギー線硬化型樹脂をレンズの逆形状を有するエンボスロール金型の成型面に塗布し、透光性基材をエンボスロール金型に供給して、該基材を介して紫外線または電離放射線の照射により、前記樹脂を硬化させると同時に該樹脂硬化成型物からなるレンズを基材に重合接着せしめる方法が知られている。上記活性エネルギー線硬化型樹脂は、特に限定されるものではないが、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート系樹脂が望ましい。また、レンズ基材は、ポリエステルフィルム、アクリルフィルム、ポリカーボネートフィルムなどの透光性樹脂フイルムが挙げられるが、特に限定されるものではない。
また、本発明のレンチキュラーレンズシートは、レンズ面と反対側のレンズ基材の平坦面に映像光が通過しない非集光部の領域にストライプ状の遮光層が配列されていることを特徴とするものである。上記ストライプ状の遮光層は、粘着性の紫外線硬化型樹脂が、紫外線の照射によって硬化して非粘着性となることを利用して設ける下記の方法によるのが望ましいが、特に限定されるものではない。
本発明の光拡散層の形成は、光透過性基板の一方の面に光拡散剤を混入した未硬化の活性エネルギー線硬化型樹脂または熱可塑性樹脂を塗布し、前記活性エネルギー線硬化型樹脂または熱可塑性樹脂にフィルムを密着させた後、前記活性エネルギー線硬化型樹脂または熱可塑性樹脂に活性エネルギー線または熱を与えて硬化させることで光拡散層を形成して基板に密着させる方法が用いられている。上記拡散性微粒子は、粉末ガラス、微粉砕ガラス繊維、酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム、各種粘土等の無機微粉末または架橋重合体樹脂微粒子等が挙げられる。拡散剤の種類、拡散剤の混入量は必要に応じて適宜設定されるもので、特に限定されるものではないが、得られた光拡散層は、光透過性基板より高いヘイズ値を有することが好ましい。
本発明のレンチキューラーレンズシートにおいて、拡散層25の最外面が、透過型スクリーンの観察面になるため、外部からの引っ掻きや接触による傷等に耐えるために、ハードコート処理を施すことができる。ハードコート処理によるハードコート層は、紫外線硬化型塗料から形成する。紫外線硬化型塗料は、一般的には皮膜形成成分としてその構造の中にラジカル重合性の二重結合又はエポキシ基を有するポリマー、オリゴマー、モノマー等を主成分とするものであり、その他光重合開始剤や増感剤を含有する。本発明に好ましいものは、皮膜形成成分がアクリレート系の官能基を有する多官能(メタ)アクリレート系の紫外線硬化型塗料を使用することによって、表面硬度、透明性、耐摩擦性、耐擦傷性等に優れたハードコート層を形成することができる。
また、帯電防止の処理のため、上記紫外線硬化型塗料に帯電防止剤を添加することができる。帯電防止剤を添加することによって形成されたハードコート層の表面抵抗値が10X12Ω以下であれば、特に帯電防止剤の種類、添加量等は限定されるものではない。
樹脂板に紫外線硬化型塗料を塗布する方法は、例えば、ブレードコーティング、ロッドコーティング、ナイフコーティング、リバースロールコーティング、スプレーコーティング、オフセットグラビアコーティング等の任意の塗布方法により上記の拡散層上に塗布されるが、特に塗布厚の精度、塗布表面の平滑性等に優れたグラビアコーティング、グラビアリバースコーティング、リバースロールコーティング、オフセットグラビアコーティング方法等が好適である。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
〈実施例1〉
光透過性基材として、スチレン単量体を80重量%含有するメタクリル−スチレン共重合体樹脂(MS)である熱可塑性樹脂を用いて、押し出し成形によって所定量の光拡散剤と紫外線吸収剤を混入した厚さ1.85mmのMS拡散板を作成した。上記MS樹脂基板の一方の面に、光拡散剤が混入された活性エネルギー線硬化型樹脂をロールコートやカーテンコート等の方法で塗布する。その上にオーバーレイフィルムを密着させる。オーバーレイフィルムは、UVの透過性とUV照射後に硬化した光拡散層から剥離可能である必要があり、例えばPETフィルムを使用する。オーバーレイフィルムは厚み10μm〜100μmに設定するものとするが、特に限定されるものではない。光拡散層の硬化後にオーバーレイフィルムを剥離させると、光拡散層を形成することができた。本発明の拡散層を積層した樹脂基板を作成した。
光透過性基材として、スチレン単量体を80重量%含有するメタクリル−スチレン共重合体樹脂(MS)である熱可塑性樹脂を用いて、押し出し成形によって所定量の光拡散剤と紫外線吸収剤を混入した厚さ1.85mmのMS拡散板を作成した。上記MS樹脂基板の一方の面に、光拡散剤が混入された活性エネルギー線硬化型樹脂をロールコートやカーテンコート等の方法で塗布する。その上にオーバーレイフィルムを密着させる。オーバーレイフィルムは、UVの透過性とUV照射後に硬化した光拡散層から剥離可能である必要があり、例えばPETフィルムを使用する。オーバーレイフィルムは厚み10μm〜100μmに設定するものとするが、特に限定されるものではない。光拡散層の硬化後にオーバーレイフィルムを剥離させると、光拡散層を形成することができた。本発明の拡散層を積層した樹脂基板を作成した。
次ぎに、紫外線硬化性樹脂組成物をレンズの逆形状を有する金型の成型面に塗布し、レンチキューラーレンズ成形用支持体として厚さ0.075mmの透明なポリエステルフィルムに積層し、この透明な支持体を介して紫外線を照射して、前記樹脂を硬化させると同時に該樹脂硬化成型物からなるレンズを透明な支持体に重合接着せしめた所定形状を有するレンチキュラーレンズフィルムを作成した。レンズ面と反対側の平坦面に未硬化のフィルム状紫外線硬化性樹脂を積層した後、レンズ面を介して垂直に紫外線を照射して、各レンズ群によって集光された部分の前記樹脂を硬化させて非粘着性とした後、粘着性の前記樹脂の未硬化部分にのみ黒色のインキ層を設けた転写紙を使用して、黒色インキ層を未硬化部分にのみに黒色の着色剤を付着させることによりストライプ状の遮光層を形成した。上記レンチキュラーレンズフィルムの遮光層を形成した面に光学用途の粘着フィルムを介して、先に得られたMS拡散板の拡散層が観察側の最外面になるように積層して一体としたレンチキュラーレンズシートを作成した。一方、所定形状のアクリル樹脂からなる厚さ1.85mmのフレネルレンズシートを作成し、そのフレネルレンズシートと上記レンチキュラーレンズシートとを組み合わせた透過型スクリーンを背面投射型プロジェクション
テレビ装置に装着固定し、60℃、90%RHの環境試験下1週間放置後スクリーン中心部にレンチキューラーレンズシートとフレネルレンズシートの間に隙間の有無、及び映像の解像度を目視によって比較し、良好(○)、劣る(×)で表し、その評価結果を表1に示す。
テレビ装置に装着固定し、60℃、90%RHの環境試験下1週間放置後スクリーン中心部にレンチキューラーレンズシートとフレネルレンズシートの間に隙間の有無、及び映像の解像度を目視によって比較し、良好(○)、劣る(×)で表し、その評価結果を表1に示す。
〈実施例2〉
光透過性基材として、スチレン単量体を80重量%含有するメタクリル−スチレン共重合体樹脂(MS)である熱可塑性樹脂を用いて、押し出し成形によって所定量の光拡散剤と紫外線吸収剤を混入した厚さ1.35mmのMS拡散板を作成し、レンチキューラーレンズシートの作製に用いた以外は、実施例1と同様にレンチキューラーレンズシート及び透過型スクリーンを作製し、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
光透過性基材として、スチレン単量体を80重量%含有するメタクリル−スチレン共重合体樹脂(MS)である熱可塑性樹脂を用いて、押し出し成形によって所定量の光拡散剤と紫外線吸収剤を混入した厚さ1.35mmのMS拡散板を作成し、レンチキューラーレンズシートの作製に用いた以外は、実施例1と同様にレンチキューラーレンズシート及び透過型スクリーンを作製し、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
〈比較例1〉
実施例1における光透過性基板として、スチレン単量体が40%含有するメタクリル−スチレン共重合体樹脂(MS)である熱可塑性樹脂を用いて、押し出し成形によって所定量の光拡散剤と紫外線吸収剤を混入した厚さ1.85mmのMS拡散板を作成し、レンチキューラーレンズシートの作製に用いた以外は、実施例1と同様にレンチキューラーレンズシート及び透過型スクリーンを作製し、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
実施例1における光透過性基板として、スチレン単量体が40%含有するメタクリル−スチレン共重合体樹脂(MS)である熱可塑性樹脂を用いて、押し出し成形によって所定量の光拡散剤と紫外線吸収剤を混入した厚さ1.85mmのMS拡散板を作成し、レンチキューラーレンズシートの作製に用いた以外は、実施例1と同様にレンチキューラーレンズシート及び透過型スクリーンを作製し、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
10……透過型スクリーン
20……レンチキュラーレンズシート
21……レンズ部
22……レンズ基材
23……遮光層
24……光透過性樹脂基板
25……光拡散層
30……フレネルレンズシート
40……背面投射型プロジェクションテレビ装置
41……キャビネット
42……映像投射装置
43……反射ミラー
20……レンチキュラーレンズシート
21……レンズ部
22……レンズ基材
23……遮光層
24……光透過性樹脂基板
25……光拡散層
30……フレネルレンズシート
40……背面投射型プロジェクションテレビ装置
41……キャビネット
42……映像投射装置
43……反射ミラー
Claims (5)
- 少なくともレンチキューラーレンズシートとフレネルレンズシートとを組み合わせてからなる透過型スクリーンにおいて、前記レンチキューラーレンズシートは、少なくともレンズ部とレンズ基材、微粒子を含む光透過性基板、光拡散層を有し、前記微粒子を含む光透過性基板は全光線透過率が90%以上であり、ヘイズ35%以下であり、尚且つ低吸水性を有する光透過性樹脂からなることを特徴とする透過型スクリーン。
- 前記低吸水性を有する微粒子を含む光透過性基板が、5〜30重量部のメチルメタクリレート単量体(A)、70〜95重量部のスチレン単量体(B)、そして上記単量体合計の総量(A+B)100重量部に対し、0.1〜15重量部の上記単量体と重合可能な分子中に少なくとも一個の二重結合を有する単量体(C)からなる単量体混合物を共重合してなる共重合樹脂組成物に、紫外線吸収剤および光拡散性微粒子を配合して、押出し成形により成形されたものであることを特徴とする請求項1記載の透過型スクリーン。
- 前記レンチキューラーレンズシートの光拡散層は、光拡散性微粒子を混入した熱可塑性樹脂または未硬化の活性エネルギー線硬化型樹脂を、前記光透過性基板の表面に塗布する、または、加圧手段で加圧して前記光透過性基板に密着させた後、前記熱可塑性樹脂または活性エネルギー線硬化型樹脂に熱または活性エネルギー線を与えて硬化させることで形成された光拡散層であり、尚且つ前記光透過性基板より高いヘイズ値を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透過型スクリーン。
- 前記レンチキューラーレンズシートの光拡散層の観察者側最外層に、ハードコート層、反射防止層、帯電防止層等の光学機能層を何れか一つ以上を同一層または多層に形成してなることを特徴とする請求項1から請求項3何れかに記載の透過型スクリーン。
- 請求項1から請求項4何れかに記載の透過型スクリーンと、前記透過型スクリーンの背面に映像光を投射する光源と、を有することを特徴とする背面投射型ディスプレイ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006052017A JP2007232850A (ja) | 2006-02-28 | 2006-02-28 | 透過型スクリーン及びそれを用いた背面投射型ディスプレイ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017198807A (ja) * | 2016-04-26 | 2017-11-02 | 旭硝子株式会社 | 透過型透明スクリーン、映像表示システムおよび映像表示方法 |
-
2006
- 2006-02-28 JP JP2006052017A patent/JP2007232850A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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