JP2007231960A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Teruhiko Nishiki
照彦 西木
Shin Sekiya
慎 関屋
Takeshi Fushiki
毅 伏木
Takashi Sehata
崇史 瀬畑
Fumiaki Sano
文昭 佐野
Kiyoharu Ikeda
清春 池田
Yoshihide Ogawa
喜英 小川
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Abstract

【課題】オルダム機構への給油が積極的になされておらず、オルダム機構のオルダム環状部が摺動する面、オルダムキ−とオルダムキ−溝の摺動面が運転中に摩耗しやすい。
【解決手段】冷凍機油10eが、給油穴4gから給油空間2hに供給され、給油空間2hは、圧力調整装置3pにより所定の中間圧に維持され、内部圧力が所定の中間圧力より高くなった場合は、開閉弁3tが開かれ冷凍機油10eが排出され所定の中間圧力が維持され、給油空間2hの冷凍機油10eは、密閉容器10内で、給油空間2hの外側に配置される、揺動スクロ−ル2のスラスト面と軸方向移動フレ−ム3のスラスト軸受の面とで形成される給油路を経て、オルダム環状部9aの内側に供給され、オルダム環状部9aの摺動面及びオルダムキ−9b、9cの摺動面に給油された後、低圧の吸入空間2iに排出される。
【選択図】図4

Description

本発明は、冷凍空調機器に使用されるスクロ−ル圧縮機に係るものであり、特にスクロ−ル圧縮機のオルダム機構に関するものである。
従来のスクロ−ル圧縮機において、揺動スクロ−ルの自転を防止するオルダム機構は、例えば特開昭63−170578号に示されている。
図8は、従来のスクロ−ル圧縮機のオルダム機構を示す要部断面図であり、台板上に渦巻き状のラップを有する固定スクロ−ル1及び揺動スクロ−ル2と、静止台座20aを設けたフレ−ム20と、揺動スクロ−ル2の自転を防止するオルダム機構9とを備えている。固定スクロ−ル1及び揺動スクロ−ル2は、その両ラップが互いに噛み合うように組み合わされている。また揺動スクロ−ル2は、固定スクロ−ル1と前記フレ−ム20とで揺動運動可能に保持され、かつ、図9に示すように、背面に設けた軸受け2cにクランク軸4aを支持させ、このクランク軸4aにより揺動運動させられる。フレ−ム20は、前記クランク軸4aと一体の主軸4を、軸受け20cを介して支持している。
オルダム機構9は、揺動スクロ−ル2の背面とフレ−ム20の静止台座20aとの間に設けられて、揺動スクロ−ル2の自転を防止するようになっている。このオルダム機構9は、図8に示すように、上面に2個のキ−9eを、下面に2個のキ−9fをそれぞれ設けた環状部材9gを具える一方、揺動スクロ−ル2の背面に前記キ−9eのキ−溝2eを設け、かつ、フレ−ム20の静止台座20aに前記キ−9fのキ−溝20bを設けている。そして、前記環状部材9gを揺動スクロ−ル2背面と静止台座20aとの間に配設し、その上面のキ−9eを揺動スクロ−ル2のキ−溝2eに摺動可能に係合させ、かつ下面のキ−9fを静止台座20aのキ−溝20bに摺動可能に係合させている。
また、このオルダム機構9において、前記環状部材9gの半径をR1、各キ−の高さをH6、キ−9fとキ−溝20bとの摺動面の隙間をδ3、環状部材9g上面と揺動スクロ−ル2背面との隙間をδ4としたとき、次式の関係になるように各部の寸法が決められる。
δ4/R1<δ3/H6…(1)
tanθ4=δ3/H6…(2)
tanθ5=δ4/R1…(3)
即ち、上記隙間δ4によって傾く環状部材9の傾き角θ5を、キ−およびキ−溝の摺動部で傾く環状部材9gの傾き角θ4より小さくしてある。このように前記隙間δ4によって傾くオルダム機構9の環状部材9gの傾き角θ5が、キ−およびキ−溝の摺動部で傾く環状部材9gの傾き角θ4より小さくなっているので、回転トルクの変動により環状部材9gが曲げモ−メントをうけても、環状部材9gの旋回スクロ−ル2背面または静止台座20aへの衝突力が弱くなり、騒音が低減される。また、キ−とキ−溝との摺動部におけるキ−の片当たり角が小さくなり、焼付きが防止される。
特開昭63−170578号公報
しかしながら、従来のスクロ−ル圧縮機では、オルダム機構への給油が積極的になされておらず、オルダム機構のオルダム環状部が摺動する面、オルダムキ−とオルダムキ−溝の摺動面が運転中に摩耗するといった問題点があった。
本発明は、オルダム機構の各摺動部への給油を確実に行なうようにし、摺動部の異常摩耗を防止することにより、信頼性の高いオルダム機構を備えたスクロ−ル圧縮機を得ることを目的とする。
本発明に係るスクロ−ル圧縮機は、フレ−ムと、揺動スクロ−ルとフレ−ムの間に配置され、揺動スクロ−ル及びオルダム環状部材間、並びに固定スクロ−ル及びオルダム環状部材間において、それぞれ、一方に設けたオルダムキ−が他方に設けたオルダムキ−溝を摺動するオルダム機構とを備えた高圧シェル式のスクロ−ル圧縮機であって、密閉容器底部の冷凍機油が、主軸に形成した給油穴からフレ−ムの内側面と揺動スクロ−ルの背面とで主軸側寄りに形成される給油空間に供給され、給油空間は、設置された圧力調整装置により所定の中間圧に維持され、内部圧力が所定の所定の中間圧力より高くなった場合は、開閉弁が開かれ冷凍機油が排出され所定の中間圧力が維持され、給油空間の冷凍機油は、密閉容器内で、給油空間の外側に配置される、揺動スクロ−ルのスラスト面とフレ−ムのスラスト軸受の面とで形成される給油路を経て、オルダム環状部の内側に供給され、オルダム環状部の内側に供給された冷凍機油は、オルダム環状部の摺動面及びオルダムキ−摺動面に給油された後、低圧の吸入空間に排出される。
また、本発明に係るスクロ−ル圧縮機では、揺動スクロ−ルのスラスト面とフレ−ムのスラスト軸受の面とで形成される給油路に加えて、内部圧力が所定の中間圧力より高くなった場合は、開閉弁が開かれ、冷凍機油がオルダム環状部の内側に供給される給油路を有し、これらの給油路により、オルダム環状部の内側に供給された冷凍機油は、オルダム環状部の摺動面及びオルダムキ−摺動面を給油した後、低圧の吸入空間に排出される。
また、本発明に係るスクロ−ル圧縮機は、フレ−ムがコンプライアントフレ−ムであり、また、オルダム機構は、オルダム環状部にオルダムキ−を形成し、該オルダムキ−が揺動スクロ−ル及び固定スクロ−ルに形成したオルダムキ−溝に係合し、摺動することにより揺動スクロ−ルの自転を防止する。
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
本発明に係るスクロ−ル圧縮機は、フレ−ムと、揺動スクロ−ルとフレ−ムの間に配置され、揺動スクロ−ル及びオルダム環状部材間、並びに固定スクロ−ル及びオルダム環状部材間において、それぞれ、一方に設けたオルダムキ−が他方に設けたオルダムキ−溝を摺動するオルダム機構とを備えた高圧シェル式のスクロ−ル圧縮機であって、密閉容器底部の冷凍機油が、主軸に形成した給油穴からフレ−ムの内側面と揺動スクロ−ルの背面とで主軸側寄りに形成される給油空間に供給され、給油空間は、設置された圧力調整装置により所定の中間圧に維持され、内部圧力が所定の中間圧力より高くなった場合は、開閉弁が開かれ冷凍機油が排出され、所定の中間圧力が維持され、給油空間の冷凍機油は、密閉容器内で、給油空間の外側に配置される、揺動スクロ−ルのスラスト面とフレ−ムのスラスト軸受の面とで形成される給油路を経て、オルダム環状部の内側に供給され、オルダム環状部の内側に供給された冷凍機油は、オルダム環状部の摺動面及びオルダムキ−摺動面に給油された後、低圧の吸入空間に排出されるので、冷凍機油が、密閉容器内の高圧から吸入空間の低圧に至る圧力差により、密閉容器底部から給油穴、給油空間、揺動スクロ−ルのスラスト面とフレ−ムのスラスト軸受の面とで形成される給油路を経て、オルダム環状部の内側に供給されるが、途中の給油空間は圧力調整装置により所定の中間圧力に維持されているので、所定量の冷凍機油がオルダム環状部の内側に供給され、常にオルダム機構の摺動部を潤滑でき、摩耗が防止できる。また、過剰の冷凍機油が吸入空間に持出され圧縮室に入ったり、圧縮機外に持出されることが防止できる。
また、本発明に係るスクロ−ル圧縮機は、揺動スクロ−ルのスラスト面とフレ−ムのスラスト軸受の面とで形成される給油路に加えて、内部圧力が所定の中間圧力より高くなった場合は、開閉弁が開かれ、冷凍機油がオルダム環状部の内側に供給される給油路を有し、これらの給油路により、オルダム環状部の内側に供給された冷凍機油は、オルダム環状部の摺動面及びオルダムキ−摺動面を給油した後、低圧の吸入空間に排出されるので、
揺動スクロ−ルのスラスト面とフレ−ムのスラスト軸受の面とで形成される給油路に加えて、給油空間から開閉弁を開くことにより形成される給油路からも、冷凍機油がオルダム環状部の内側に供給されるので、確実にオルダム機構の摺動部が潤滑される。
また本発明に係るスクロ−ル圧縮機は、フレ−ムがコンプライアントフレ−ムであり、また、オルダム機構は、オルダム環状部にオルダムキ−を形成し、該オルダムキ−が揺動スクロ−ル及び固定スクロ−ルに形成したオルダムキ−溝に係合し、摺動することにより揺動スクロ−ルの自転を防止するので、オルダム機構のオルダムキ−及びオルダムキ−溝の形成が容易となる。
実施の形態1.
図1〜図7において、本発明の実施の形態1の説明を行なう。
図1は、本発明の実施の形態1のスクロ−ル圧縮機の縦断面図である。
図において、1は固定スクロ−ルであり、外周部はガイドフレ−ム15にボルト(図示せず)によって締結されており、また、台板部1aの一方の面(図において下側)には板状渦巻歯1bが形成されていると同時に、外周部には2個1対のオルダムキ−溝1cがほぼ一直線上に形成され、このオルダムキ−溝1cにはオルダム機構9の2個1対の固定側のオルダムキ−9bが往復摺動自在に係合されている。
このとき、図2に示すようにオルダムキ−溝1cの巾とオルダム機構9の固定側のオルダムキ−9bの巾の差はδ1である。
図1で、2は揺動スクロ−ルであり、台板部2aの一方の面(図において上側)には固定スクロ−ル1の板状渦巻歯1bと実質的に同一形状の板状渦巻歯2bが形成されており、また台板部2aの板状渦巻歯2bと反対側の面(図において下側)の中心部には中空円筒状のボス部2fが形成されており、そのボス部2fの内側面には揺動軸受2cが形成されている。
また、ボス部2fと同じ側の面の外周部には、コンプライアントフレ−ム3のスラスト軸受3aと圧接摺動可能なスラスト面2dが形成されている。また、揺動スクロ−ル2の台板部2aの外周部には、前記固定スクロ−ルのオルダムキ−溝1cとほぼ90度の位相差を持つ2個1対のオルダムキ−溝2eがほぼ一直線上に形成されており、このオルダムキ−溝2eにはオルダム機構9の2個1対の揺動側のオルダムキ−9cが往復摺動自在に係合されている。
このとき、図3に示すようにオルダムキ−溝2eの巾とオルダム機構9の揺動側のオルダムキ−9cの巾の差はδ2である。
さらに、図1で台板部2aには、固定スクロ−ル1側の面(図1において上側の面)と、コンプライアントフレ−ム3側の面(図1において下側の面)とを連通する細い穴である抽気孔2jが形成されている。そしてこの抽気孔2jのコンプライアントフレ−ム側の面の開口部、即ち、下開口部2kは、定常運転時にはその円軌跡がコンプライアントフレ−ム3のスラスト軸受3aの内部に常時収まるように位置されている。
軸方向移動フレ−ムであるコンプライアントフレ−ム3のスラスト軸受3aの外側には、オルダム機構9のオルダム環状部9aが往復摺動運動する面3xが形成されている。
ここで、図4に示すように、スラスト軸受3aとオルダム機構9のオルダム環状部9aが往復摺動運動する面3xの距離、即ち、揺動スクロ−ル2の背面からオルダム環状部9aのコンプライアントフレ−ム3との摺動面3xまでの距離はH1、オルダム機構9のオルダム環状部9aの高さはH2である。
さらに、図1に示すように、コンプライアントフレ−ム3の中心部には、電動機によって回転駆動される主軸4を半径方向に支持する主軸受3c及び補助主軸受3hが形成されている。また、コンプライアントフレ−ム3には、前記揺動スクロ−ル2の下開口部2kと対峙する位置にスラスト軸受3aからフレ−ム空間15fに連通する連通穴3sが形成されている。
2hは、ボス部外側空間であり、コンプライアントフレ−ム3の内側面と揺動スクロ−ル2の背面とで主軸4側寄りに形成されている。
さらに、図5に示すように、コンプライアントフレ−ム3のオルダム環状部9aの往復摺動運動する面3xには、台板外周部空間2iと第2フレ−ム空間15hを連通する連通穴3nがオルダム環状部9aの内側に連通するように形成されている。また、コンプライアントフレ−ム3には、ボス部外側空間2hの開閉弁である中間圧力調整弁3t、弁押え3l、バネ3mを収納する圧力調整装置3pが設けられている。そしてバネ3mは自然長より縮められて収納されている。
図1に示すように、ガイドフレ−ム15の内側面の固定スクロ−ル側(図1において上側)には、上嵌合円筒面15aが形成されており、コンプライアントフレ−ム3の外周面に形成された上嵌合面3dと係合されている。他方、ガイドフレ−ム15の内側面の電動機側(図1において下側)には、下嵌合円筒面15bが形成されており、コンプライアントフレ−ム3の外周面に形成された下嵌合円筒面3eと係合されている。
ガイドフレ−ム15の内側面とコンプライアントフレ−ム3外側面とによって形成されるフレ−ム空間15fは、その上下をリング状のシ−ル材16a、16bで仕切られている。ここでは、ガイドフレ−ム内周面にシ−ル材を収納するリング状のシ−ル溝が2ヶ所に形成されているが、このシ−ル溝はコンプライアントフレ−ム外周面に形成されていてもよい。また、上下を揺動スクロ−ルの台板部2aとコンプライアントフレ−ム3で囲われたスラスト軸受3aの外周側の空間、すなわち台板外周部空間2iは吸入ガス雰囲気(吸入圧)の低圧空間となっている。
主軸4の揺動スクロ−ル側(図1において上側)端部には、揺動スクロ−ル2の揺動軸受2cと回転自在に係合する揺動軸部4bが形成されており、その下側にはコンプライアントフレ−ム3の主軸受3c及び補助主軸受3hと回転自在に係合する主軸部4cが形成されている。また、主軸4の他端部には、サブフレ−ム6の副軸受6aと回転自在に係合する副軸部4dが形成されており、この副軸部4dと前述した主軸部4cとの間に電動機回転子8が焼嵌められている。さらに、主軸4の下端面にはオイルパイプ4fが圧入されており、密閉容器10の底部に溜まった冷凍機油10eを吸い上げる。
次に、このスクロ−ル圧縮機の動作について説明する。
定常運転時には、吸入管10fから吸入された低圧の冷媒を圧縮室で圧縮し、高圧の冷媒ガスとし、吐出ポ−ト1fから密閉容器10内に吐出し、吐出管10gから外部の冷凍サイクルへ出す。そこで、密閉容器空間10dが吐出ガス雰囲気の高圧となるので、密閉容器10の底部の冷凍機油10eはオイルパイプ4f、主軸4に軸方向に貫通して設けられた給油穴である高圧油給油穴4gを、図1において上方向に向かって流れる。
そして、図4において矢印で示すように、ボス部空間2gに導かれた高圧の冷凍機油10eは揺動軸受2cで減圧されて吸入圧より高く、吐出圧以下の中間圧となり、ボス部外側空間2hに流れる。他方、もう一つの径路として、高圧油給油穴4gの高圧油は、主軸4に設けられた横穴4hから主軸受3cの高圧側端面(図4において下端面)に導かれ、この主軸受3cで減圧されて中間圧となり、同じくボス部外側空間2hに流れる。
ボス部外側空間2hの中間圧となった冷凍機油(冷凍機油に溶解していた冷媒の発泡で、一般にはガス冷媒と冷凍機油の2相流になっている)は、圧力調整装置3pを通る際に、中間圧調整スプリングであるバネ3mによって負荷される力に打ち勝って開閉弁である中間圧調整弁3tを押し上げて、第2フレ−ム空間15hに流れ、その後、調整弁後流路3nを通ってオルダム機構環状部9aの内側に排出される。他方、もう1つの径路として、揺動スクロ−ルのスラスト面2dとコンプライアントフレ−ムのスラスト軸受3aの摺動部に給油したあと、即ち、揺動スクロ−ルのスラスト面2dとコンプライアントフレ−ム3のスラスト軸受3aの面とで形成される給油路に給油したあと、オルダム環状部9aの内側に排出される。そして、これらから排出された冷凍機油10eはオルダム機構9のオルダム環状部9aの摺動面及びオルダムキ−9b、9cの摺動面に給油した後、吸入圧の低圧空間である台板外周部空間2iに開放される。
なお、オルダム機構9への給油が、揺動スクロ−ルのスラスト面2dとコンプライアントフレ−ム3のスラスト軸受3aの面とで形成される給油路で充分の場合は、圧力調整装置3pから圧力調整のために排出される冷凍機油はオルダム機構9へ給油せずに密閉容器10の底部へ戻るようにしてもよい。
以上に説明したように、ボス部外側空間2hの中間圧力Pm1は、圧力調整装置3pの中間圧調整スプリング3mのバネ力と中間圧調整弁3tの中間圧露出面積とによってほぼ決定される所定の圧力αによって、
Pm1=Ps+α(Psは吸入雰囲気圧力すなわち低圧)
で制御されている。
他方、図1において、揺動スクロ−ル2の台板部2aに設けられた抽気孔2jの下開口部2kはコンプライアントフレ−ム3に設けられた連通穴3sのスラスト軸受開口部すなわち上開口部3u(図1において上側の開口部)と、常時もしくは間欠的に連通する。このため、固定スクロ−ル1と揺動スクロ−ル2とで形成される圧縮室からの圧縮途上の吸入圧より高く、吐出圧力以下の中間圧の冷媒ガスが、揺動スクロ−ル2の抽気孔2j及びコンプライアントフレ−ム3の連通穴3sを介してフレ−ム空間15fに導かれる。但し、導かれるといってもフレ−ム空間15fは上シ−ル材16aと下シ−ル材16bとで密閉された閉空間なので、定常運転時には、圧縮室の圧力変動に呼応して圧縮室とフレ−ム空間15fとは双方向に微少な流れを有する、いわば呼吸している状態となる。
以上に説明したように、フレ−ム空間15fの中間圧Pm2は、連通する圧縮室の位置でほぼ決定される所定の倍率βによって、
Pm2=Ps×β(Psは吸入雰囲気圧力すなわち低圧)
で制御される。
さて、コンプライアントフレ−ム3には、ボス部外側空間2hの中間圧Pm1に起因する力及びスラスト軸受3aを介しての揺動スクロ−ル2からの押し付け力の合計が下向きの力として作用するものの、フレ−ム空間15fの中間圧Pm2に起因する力及び下端面の密閉容器空間10dの高圧雰囲気に露出している部分に作用する高圧に起因する力の合計が、上向きの力として作用し、そして、定常運転時にはこの上向きの力が前述した下向きの力より大きくなるように設定されている。このためコンプライアントフレ−ム3は、上嵌合円筒面3dをガイドフレ−ム15の上嵌合円筒面15aに、下嵌合円筒面3eをガイドフレ−ム15の下嵌合円筒面15bに案内され、即ち、コンプライアントフレ−ム3はガイドフレ−ム15に対して軸方向に摺動可能となっており(即ち、軸方向移動フレ−ムである)、固定スクロ−ル側(図1において上方)に浮き上がっている。そしてスラスト軸受3aを介してコンプライアントフレ−ム3に押し付けられている揺動スクロ−ル2も、同じく上方に浮き上がり、その結果揺動スクロ−ル2の歯先と歯底は、固定スクロ−ル1のそれぞれ歯底と歯先に接触し、摺動する。
なお、図4、図5は、揺動スクロ−ル2及びコンプライアントフレ−ム3は、前記の定常運転時の状態を示している。
また、圧縮機の起動時等の過度期や、圧縮室の内圧が異常に上昇したとき等には、ガイドフレ−ム側へ押し付けられる。即ち、リリ−フ状態となる。
このように、コンプライアントフレ−ム3は軸方向に移動するが、その移動量はある値εに規制されている。図4は、コンプライアントフレ−ム3が上限まで移動した定常運転時の状態を示しているが、コンプライアントフレ−ム3の移動量は、この状態からガイドフレ−ム15の段部まで移動量εである。
図4および図6において、定常運転時、即ち、揺動スクロ−ル2及びコンプライアントフレ−ム3が固定スクロ−ル1側に押し付けられ、揺動スクロ−ル2の歯先と歯底は、固定スクロ−ル1のそれぞれ歯底と歯先に接触している時には、オルダム環状部9aの直径をD1、オルダム機構9の固定側のオルダムキ−9bの摺動部高さをH3、揺動側のオルダムキ−9cの摺動部高さをH4とすると、オルダム環状部9aの傾き(H1−H2)/D1は、tanθ1をδ1/H3とδ2/H4の小さい方として以下のような関係になっている。
(H1−H2)/D1<tanθ1
また、起動時など非定常運転時には、コンプライアントフレ−ム3がガイドフレ−ム側へ押し付けられている場合(図4で、コンプライアントフレ−ム3がガイドフレ−ム側へε移動する)もあり、揺動スクロ−ル2はコンプライアントフレ−ム3とともにガイドフレ−ム側に移動しているか、またはコンプライアントフレ−ム3と固定スクロ−ル1との間で不安定な挙動を示す。
揺動スクロ−ル2がコンプライアントフレ−ム3とともにガイドフレ−ム側下限に移動した状態で安定しているとき、即ち、リリ−フ状態では、オルダム環状部9aの傾き(H1−H2)/D1は、固定側のオルダムキ−9bの摺動部高さがH3−ε、揺動側のオルダムキ−9cの摺動部高さがH4となるので、tanθ2をδ1/(H3−ε)とδ2/H4の小さい方として、下記のような関係になっている。
(H1−H2)/D1<tanθ2
さらに、図4と図7より、コンプライアントフレ−ム3がガイドフレ−ム側下限に移動した状態で、揺動スクロ−ル2がコンプライアントフレ−ム3と固定スクロ−ル1の間で、不安定な挙動を示している場合、即ち、固定スクロ−ル1からε2離れている場合(但し、ε2<ε)、オルダム環状部9aの傾き(H1−H2+ε−ε2)/D1は、固定側のオルダムキ−9bの摺動部高さがH3−ε、揺動側のオルダムキ−9cの摺動部高さがH4−ε+ε2となるので、tanθ3をδ1/(H3−ε)とδ2/(H4−ε+ε2)の小さい方として下記のような関係になっている。
(H1−H2+ε−ε2)/D1<tanθ3
つまり、コンプライアントフレ−ム3が軸方向のどの位置にあっても、オルダム環状部9aの傾きは、コンプライアントフレ−ム3のオルダム環状部9aの摺動面3xと揺動スクロ−ル2のスラスト面2d(揺動スクロ−ル2の背面)で規制されている。
このように構成されたスクロ−ル圧縮機においては、オルダム機構9の傾きが揺動スクロ−ル2のスラスト面2dと、コンプライアントフレ−ム3のオルダム環状部9aの摺動面3xにより規制されている。
従って、前記のようにすることで、コンプライアントフレ−ム3の位置によらず、オルダム機構9の傾きを小さくおさえることができ、
オルダム機構9のオルダム環状部9aが往復運動する際に、バタツキを小さくすることができる。また、オルダム機構9のオルダムキ−溝1c、2eとオルダムキ−9b、9cとの間でジャミングが発生することなく、信頼性が高くまた低騒音のスクロ−ル圧縮機を得ることができる。
前記の実施の形態では、オルダム機構9は、オルダム環状部9aにオルダムキ−9b、9cを形成し、固定スクロ−ル1及び揺動スクロ−ル2にオルダムキ−溝1c、2eを形成した例を記載しているが、これに限られるものではなく、オルダム環状部9aにオルダムキ−溝を形成し、固定スクロ−ル1及び揺動スクロ−ル2にオルダムキ−を形成してもよい。
また、オルダム機構9への給油に関し、揺動スクロ−ル2を軸方向に支持し、主軸4を半径方向に支持するフレ−ムをコンプライアントフレ−ム3として説明したが、これに限るものではなく、従来例に記載した密閉容器に固定した、軸方向には移動しないフレ−ムでもよく、また、オルダム機構もオルダム環状部にオルダムキ−を形成し、オルダムキ−溝をフレ−ムと揺動スクロ−ルに形成したものでもよい。
また、実施の形態のコンプライアントフレ−ム3(又は固定のフレ−ム)の内側面と揺動スクロ−ル2の背面とで形成されるボス部外側空間2hは、内部圧力を所定の圧力にして、コンプライアントフレ−ム3を下方に押圧する圧力空間であるとともに、オルダム機構9に所定の圧力で給油する給油空間でもある。
本発明の実施の形態1のスクロ−ル圧縮機の断面図である。 本発明の実施の形態1の固定スクロ−ル側のオルダムキ−とオルダムキ−溝を示す要部断面図である。 本発明の実施の形態1の揺動スクロ−ル側のオルダムキ−とオルダムキ−溝を示す要部断面図である。 本発明の実施の形態1のオルダム機構への給油路及びオルダム環状部、オルダムキ−寸法を示す要部断面図である。 本発明の実施の形態1のフレ−ム第2空間、ボス部外側空間近傍を示す要部断面図である。 本発明の実施の形態1の定常時及びリリ−フ時のオルダム機構の傾きを示す図である。 本発明の実施の形態1の非定常時で、揺動スクロ−ルが固定スクロ−ルとコンプライアントフレ−ム間にある時のオルダム機構の傾きを示す図である。 従来のスクロ−ル圧縮機のオルダム機構を示す要部断面図である。 従来のスクロ−ル圧縮機の要部断面図である。
符号の説明
1 固定スクロ−ル、1b 板状渦巻歯、1c オルダムキ−溝、2 揺動スクロ−ル、2b 板状渦巻歯、2e オルダムキ−溝、2h 給油空間、2i 吸入空間、3 軸方向移動フレ−ム(コンプライアントフレ−ム)、3a スラスト軸受、3p 圧力調整装置、3t 開閉弁、4 主軸、4g 給油穴、9 オルダム機構、9a オルダム環状部、9b オルダムキ−、9c オルダムキ−、10e 冷凍機油。

Claims (3)

  1. それぞれの板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するように噛み合わされた固定スクロ−ル及び揺動スクロ−ルと、この揺動スクロ−ルを軸方向に支持すると共にこの揺動スクロ−ルを駆動する主軸を半径方向に支持するフレ−ムと、前記揺動スクロ−ルと前記フレ−ムの間に配置され、前記揺動スクロ−ル及びオルダム環状部材間、並びに前記固定スクロ−ル及びオルダム環状部材間において、それぞれ、一方に設けたオルダムキ−が他方に設けたオルダムキ−溝を摺動することにより前記揺動スクロ−ルの自転を防止するオルダム機構とを備え、前記圧縮室で圧縮した圧縮ガスを密閉容器内に吐出する高圧シェル式のスクロ−ル圧縮機において、
    前記密閉容器底部の冷凍機油が、前記主軸に形成した給油穴から前記フレ−ムの内側面と前記揺動スクロ−ルの背面とで前記主軸側寄りに形成される給油空間に供給され、
    前記給油空間は、設置された圧力調整装置により所定の中間圧に維持され、内部圧力が所定の中間圧力より高くなった場合は、開閉弁が開かれ冷凍機油が排出され所定の中間圧力が維持され、
    前記給油空間の冷凍機油は、前記密閉容器内で、前記給油空間の外側に配置される、前記揺動スクロ−ルのスラスト面と前記フレ−ムのスラスト軸受の面とで形成される給油路を経て、前記オルダム環状部の内側に供給され、
    前記オルダム環状部の内側に供給された冷凍機油は、前記オルダム環状部の摺動面及び前記オルダムキ−摺動面に給油された後、低圧の吸入空間に排出されることを特徴とするスクロ−ル圧縮機。
  2. 前記揺動スクロ−ルのスラスト面と前記フレ−ムのスラスト軸受の面とで形成される給油路に加えて、内部圧力が所定の中間圧力より高くなった場合は、開閉弁が開かれ、冷凍機油が前記オルダム環状部の内側に供給される給油路を有し、
    これらの給油路により、前記オルダム環状部の内側に供給された冷凍機油は、前記オルダム環状部の摺動面及び前記オルダムキ−摺動面を給油した後、低圧の吸入空間に排出されることを特徴とする請求項1記載のスクロ−ル圧縮機。
  3. 前記フレ−ムがコンプライアントフレ−ムであり、また、前記オルダム機構は、前記オルダム環状部にオルダムキ−を形成し、該オルダムキ−が前記揺動スクロ−ル及び前記固定スクロ−ルに形成したオルダムキ−溝に係合し、摺動することにより前記揺動スクロ−ルの自転を防止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスクロ−ル圧縮機。
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