JP2007231846A - 内燃機関の排気制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 PMの成分割合を積極的に制御して、燃費の悪化、出力の低下等を抑制しつつ外部へ排出されるPMの総量を低減すること。
【解決手段】 この排気制御装置は、PMがSootとSOFのみからなるとの仮定のもと、燃焼室から排出される排気ガス中のSoot濃度[Soot]及びSOF濃度[SOF]を用いてPM中のSOF割合(SOF/PM)を計算する。この値SOF/PMに基づいて燃料噴射圧力Pcrfinを調整することで、値SOF/PMが値α1以上値α2以下に積極的に制御される。値α1はPMの総量低減の観点から決定される値SOF/PMの下限値であり、値α2は燃費の悪化及び出力の低下等の抑制の観点から決定される値SOF/PMの上限値である。これにより、燃費の悪化、出力の低下等を抑制しつつ外部へ排出されるPMの総量を低減することができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、内燃機関の排気制御装置に関する。
内燃機関(特に、ディーゼル機関)の燃焼室から排出される有害物質の一つである粒子状物質(パティキュレート、パティキュレート・マター(以下、本出願では「PM」と称呼する。))は、主として、カーボン等からなるSoot(スート、すす)と、未燃HCやオイル等からなるSOF(Soluble Organic Fraction)とから構成されることが広く知られている。
このPM内では、一般に、SOFはSootの表面に付着している状態(Sootの表面を取り囲んでいる状態)となっている。ここで、SOFは、可溶性有機成分であるから、不溶解成分であるSootに比して燃焼温度が低い。即ち、SOFはSootに比して排気通路に配設された触媒の酸化作用により燃焼し易い。
加えて、燃焼し易いSOFが触媒の酸化作用により燃焼を開始すると、その燃焼熱によりSOFに取り囲まれた(SOFに包まれた)燃焼し難いSootも燃焼され得る。従って、PM中のSOFの割合を大きくすると、触媒の酸化作用によるSOFの燃焼による燃焼熱が大きくなって、SOFに加えてSootをも効果的に燃焼させることができる。
以上のことから、特許文献1に記載の排気浄化装置は、燃料の主噴射の後にPM中のSOF割合を増大させるために燃料の追加噴射を行うようになっている。これにより、PM中のSOF量に加えてPM中のSoot量をも効果的に低減できるから、触媒から排出されるPM(≒SOF+Soot)の総量を効果的に低減できる。
特開2003−269221号公報
ところで、PM中のSOF割合を大きくすることは、未燃HCを増大させることを意味する。従って、PM中のSOF割合を大きくし過ぎると、燃費の悪化、出力の低下等の新たな問題が発生する。即ち、燃費の悪化、出力の低下等を抑制しつつ触媒から排出されるPMの総量を低減するためには、PM中のSOF割合が或る適切な値(範囲)に積極的に制御される必要があると考えられる。
しかしながら、上記文献に記載の装置では、PMの成分割合を積極的に制御することについては開示も示唆も全くなされていない。以上より、上記文献に記載の装置では、PM中のSOF割合を大きくし過ぎることで燃費の悪化、出力の低下等を増大させる可能性があるという問題がある。
本発明は、係る問題に対処するためになされたものであり、その目的は、PMの成分割合を積極的に制御して、燃費の悪化、出力の低下等を抑制しつつ外部へ排出されるPMの総量を低減することができる内燃機関の排気制御装置を提供することにある。
本発明に係る排気制御装置は、内燃機関の排気通路に配設されたPMを捕集するPM捕集手段を備えた内燃機関に適用される。前記PM捕集手段は、少なくとも酸化作用を発揮し得る触媒(酸化触媒、DPNR触媒、三元触媒等)等である。
本発明に係る排気制御装置は、前記内燃機関の燃焼室での燃料の燃焼により発生し同燃焼室から排出されるPMの成分割合を取得する成分割合取得手段と、前記取得されたPMの成分割合が所定値になるように同取得されたPMの成分割合に基づいて前記内燃機関の制御パラメータを制御する成分割合制御手段とを備える。
より好ましくは、前記成分割合取得手段は、前記PM中のSOFの割合を取得するように構成され、前記成分割合制御手段は、前記取得されたPM中のSOFの割合が所定値になるように同取得されたSOFの割合に基づいて前記制御パラメータを制御するように構成される。
ここで、前記制御パラメータとしては、例えば、燃料噴射圧力、燃料噴射時期、及びEGR率等が使用され得る。燃料噴射圧力を増大させること、或いはEGR率を減少させることによりSoot量が低減され得、燃料噴射時期を遅らせることにより未燃HCの量が増大してSOF量が増大され得る。従って、これらを制御することでPMの成分割合(特に、PM中のSOF割合)を調整することができる。
上記構成によれば、燃料噴射圧力等の制御パラメータを制御することでPMの成分割合(特に、PM中のSOF割合)が所定値になるように積極的に制御される。従って、燃費の悪化及び出力の低下等の抑制、並びにPM捕集手段から排出されるPMの総量の低減が全て考慮された適切な値(範囲)に前記所定値(所定範囲)を設定すれば、燃費の悪化、出力の低下等を抑制しつつPM捕集手段から排出される(従って、外部へ排出される)PMの総量を低減することができる。
この場合、前記成分割合取得手段は、前記燃焼室から排出されるPM中のSootの量を取得するSoot量取得手段と、前記燃焼室から排出されるPM中のSOFの量を取得するSOF量取得手段とを備え、前記PMがSootとSOFのみからなるとの仮定のもと、前記取得されたSoot量と、前記取得されたSOF量とに基づいて前記PM中のSOFの割合を取得するように構成されることが好適である。
これによれば、上記取得されたSootの量(濃度等)と上記取得されたSOFの量(濃度等)とに基づいてPM(=Soot+SOF)中のSOF割合を簡易な計算により取得することができる。
なお、燃焼室から排出されるPM中のSoot量(濃度等)は、例えば、燃焼室でのSootの発生速度(Soot濃度の増加速度)を燃料噴射開始時期から排気弁開弁時までの間に亘って時間積分すること等により求めることができる。同様に、燃焼室から排出されるPM中のSOF量(濃度等)は、例えば、燃焼室でのSOFの発生速度(SOF濃度の増加速度)を燃料噴射開始時期から排気弁開弁時までの間に亘って時間積分すること等により求めることができる。
前記SOF量取得手段は、前記燃焼室で発生する炭化水素(HC)の量を取得する炭化水素量取得手段を備え、前記取得された炭化水素の量に基づいて前記SOFの量を取得するように構成されることが好ましい。燃焼室から排出されるPM中のSOF量(濃度、濃度の増加速度等)は、燃焼室で発生する炭化水素(HC)の量(濃度、濃度の増加速度等)に大きく依存する。従って、上記構成によれば、燃焼室から排出されるPM中のSOF量が精度良く取得され得る。
なお、この場合、具体的には、例えば、燃焼室での炭化水素の発生速度(HC濃度の増加速度)からSOFの発生速度(SOF濃度の増加速度)を求め、このSOFの発生速度を燃料噴射開始時期から排気弁開弁時までの間に亘って時間積分すること等により、燃焼室から排出されるPM中のSOF量(濃度等)を求めることができる。
前記炭化水素量取得手段は、前記燃焼室への燃料噴射量と、前記燃焼室で発生する少なくとも一つの炭化水素以外の成分であって炭素原子を含んだ成分の量とに基づいて前記炭化水素の量を取得するように構成されることが好適である。ここで、前記炭素原子を含んだ成分の代表例としては、CO、CO、Sootが挙げられる。
燃焼室で発生するHCの量(濃度、濃度の増加速度等)は、燃焼室への燃料噴射量(噴射速度、噴射率、燃料濃度、燃料濃度の増加速度等)と、燃焼室で発生するHC以外の炭素原子を含んだ成分(CO、CO等)の量(濃度、濃度の増加速度等)に大きく依存する。従って、上記構成によれば、燃焼室で発生するHCの量が精度良く取得され得、この結果、燃焼室から排出されるPM中のSOF量も精度良く取得され得る。
以下、本発明による内燃機関(ディーゼル機関)の排気制御装置(排気浄化装置)の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る内燃機関の排気制御装置を4気筒内燃機関(ディーゼル機関)10に適用したシステム全体の概略構成を示している。このシステムは、燃料供給系統を含むエンジン本体20、エンジン本体20の各気筒の燃焼室(筒内)にガスを導入するための吸気系統30、エンジン本体20からの排ガスを放出するための排気系統40、排気還流を行うためのEGR装置50、及び電気制御装置60を含んでいる。
エンジン本体20の各気筒の上部には燃料噴射弁(噴射弁、インジェクタ)21が配設されている。各燃料噴射弁21は、図示しない燃料タンクと接続された燃料噴射用ポンプ22に燃料配管23を介して接続されている。燃料噴射用ポンプ22は、電気制御装置60と電気的に接続されていて、電気制御装置60からの駆動信号(後述する指令最終燃料噴射圧力Pcrfinに応じた指令信号)により燃料の実際の噴射圧力(吐出圧力)が指令最終燃料噴射圧力Pcrfinになるように同燃料を昇圧するようになっている。
これにより、燃料噴射弁21には、燃料噴射用ポンプ22から前記指令最終燃料噴射圧力Pcrfinまで昇圧された燃料が供給されるようになっている。また、燃料噴射弁21は、電気制御装置60と電気的に接続されていて、同電気制御装置60からの駆動信号(指令パイロット燃料噴射量(質量)Qp、指令メイン燃料噴射量(質量)Qmに応じた指令信号)により開弁する。これにより、前記指令最終燃料噴射圧力Pcrfinにまで昇圧された燃料が直接燃焼室内に、先ずは前記指令パイロット燃料噴射量Qpだけパイロット噴射され、その後、前記指令メイン燃料噴射量Qmだけメイン噴射されるようになっている。
吸気系統30は、エンジン本体20の各気筒の燃焼室にそれぞれ接続された吸気マニホールド31、吸気マニホールド31の上流側集合部に接続され同吸気マニホールド31とともに吸気通路を構成する吸気管32、吸気管32内に回動可能に保持されたスロットル弁33、電気制御装置60からの駆動信号に応答してスロットル弁33を回転駆動するスロットル弁アクチュエータ33a、スロットル弁33の上流において吸気管32に順に介装されたインタクーラー34と過給機35のコンプレッサ35a、及び吸気管32の先端部に配設されたエアクリーナ36とを含んでいる。
排気系統40は、エンジン本体20の各気筒にそれぞれ接続された排気マニホールド41、排気マニホールド41の下流側集合部に接続された排気管42、排気管42に配設された過給機35のタービン35b、及び排気管42に介装されたディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、「DPNR」と称呼する。)43を含んでいる。排気マニホールド41及び排気管42は排気通路を構成している。DPNR43はPM捕集手段に対応する。
EGR装置50は、排気ガスを還流させる通路(EGR通路)を構成する排気還流管51と、排気還流管51に介装されたEGR制御弁52と、EGRクーラー53とを備えている。排気還流管51はタービン35bの上流側排気通路(排気マニホールド41)とスロットル弁33の下流側吸気通路(吸気マニホールド31)を連通している。EGR制御弁52は電気制御装置60からの駆動信号に応答し、再循環される排気ガス量(排気還流量、EGRガス流量)を変更し得るようになっている。
電気制御装置60は、互いにバスで接続されたCPU61、CPU61が実行するプログラム、テーブル(ルックアップテーブル、マップ)、及び定数等を予め記憶したROM62、CPU61が必要に応じてデータを一時的に格納するRAM63、電源が投入された状態でデータを格納するとともに同格納したデータを電源が遮断されている間も保持するバックアップRAM64、並びにADコンバータを含むインターフェース65等からなるマイクロコンピュータである。
インターフェース65は、吸気管32に配置された熱線式エアフローメータ71、スロットル弁33の下流であって排気還流管51が接続された部位よりも下流の吸気通路に設けられた吸気温センサ72、スロットル弁33の下流であって排気還流管51が接続された部位よりも下流の吸気通路に配設された吸気管圧力センサ73、クランクポジションセンサ74、アクセル開度センサ75、燃料噴射用ポンプ22の吐出口の近傍の燃料配管23に配設された燃料温度センサ76、及び水温センサ77と接続されていて、これらのセンサからの信号をCPU61に供給するようになっている。
また、インターフェース65は、燃料噴射弁21、燃料噴射用ポンプ22、スロットル弁アクチュエータ33a、及びEGR制御弁52と接続されていて、CPU61の指示に応じてこれらに駆動信号を送出するようになっている。
熱線式エアフローメータ71は、吸気通路内を通過する吸入空気の質量流量(単位時間当りの吸入空気量、単位時間あたりの新気量)を計測し、同質量流量Ga(空気流量Ga)を表す信号を発生するようになっている。吸気温センサ72は、エンジン10のシリンダ(即ち、燃焼室、筒内)に吸入されるガスの温度(即ち、吸気温度)を検出し、同吸気温度Tbを表す信号を発生するようになっている。吸気管圧力センサ73は、エンジン10のシリンダに吸入されるガスの圧力(即ち、吸気管圧力)を検出し、同吸気管圧力Pbを表す信号を発生するようになっている。
クランクポジションセンサ74は、各気筒の絶対クランク角度を検出し、実クランク角度CAactを表すとともにエンジン10の回転速度であるエンジン回転速度NEをも表す信号を発生するようになっている。アクセル開度センサ75は、アクセルペダルAPの操作量を検出し、アクセル操作量Accpを表す信号を発生するようになっている。燃料温度センサ76は、燃料配管23を通過する燃料の温度を検出し、燃料温度Tcrを表す信号を発生するようになっている。水温センサ77は、冷却水の温度を検出し、冷却水温THWを表す信号を発生するようになっている。
(燃焼室周りのガスの流れの概要)
図2は、或る一つの気筒のシリンダ内(筒内、燃焼室内)に吸気マニホールド31からガスが吸入され、燃焼室内に吸入されたガスが排気マニホールド41へ排出される様子を模式的に示した図である。図2に示したように、燃焼室内に吸入されるガス(従って、筒内ガス)には、吸気管32の先端部からスロットル弁33を介して吸入された新気と、排気還流管51からEGR制御弁52を介して吸入されたEGRガスが含まれる。
吸入される新気量(質量)と吸入されるEGRガス量(質量)の和に対するEGRガス量の割合(即ち、EGR率)は、運転状態に応じて電気制御装置60(CPU61)により適宜制御されるスロットル弁33の開度、及びEGR制御弁52の開度に応じて変化する。
かかる新気、及びEGRガスは、吸気行程において開弁している吸気弁Vinを介してピストンの下降に伴って燃焼室内に吸入されて筒内ガスとなる。筒内ガスは、ピストンが圧縮下死点に達する時点近傍で吸気弁Vinが閉弁することにより燃焼室内に密閉され、その後の圧縮行程においてピストンの上昇に伴って圧縮される。
そして、所定時期になると、上述したように、先ずはパイロット噴射が行われる。パイロット噴射された(液体の)燃料は、圧縮により高温になっている筒内ガスから受ける熱により直ちに燃料蒸気になる。そして、時間の経過に伴って同筒内ガスを取り込みながら混合気となって燃焼室内において円錐状に拡散していき、所定のタイミングで自着火に起因して拡散燃焼していく。
その後、メイン噴射が行われる。メイン噴射された燃料もパイロット噴射された燃料と同様、混合気となって燃焼室内において円錐状に拡散していき、所定のタイミングで自着火に起因して拡散燃焼していく。そして、燃焼により発生した排気ガスは、排気行程において開弁する排気弁Voutを介してピストンの上降に伴って排気通路に排出されていく。
(炭化水素量の推定方法)
上記のように構成されている本発明の実施形態に係る内燃機関の排気制御装置(以下、「本装置」と称呼する。)は、後にフローチャートを参照しながら詳述するように、燃焼室から排出されるPM中のSOFの割合(質量割合)(以下、「SOF/PM」と表記する。)を算出する。そのSOF/PMの算出過程では、燃焼室で発生する炭化水素(以下、「HC」と標記する。)の濃度[HC]の増加速度d[HC]/dtを、パイロット燃料噴射開始時期から排気弁Voutの開弁時期までの間に亘って逐次求めていく必要がある。以下、本装置によるHC濃度増加速度d[HC]/dtを求める手法について説明する。なお、本例では、「濃度」とは、燃焼室内のガス中の平均質量濃度を意味するものとする。
燃焼室内のガス中の炭素原子の数に着目すると、燃焼室内で発生するHCの増加速度を増大させる要因としては、燃焼室への燃料(本例では、C14H28とする。)の供給が考えられ、燃焼室内で発生するHCの増加速度を減少させる要因としては、燃焼室での燃料の燃焼により発生するHC以外の炭素原子Cを含んだ成分の発生が考えられる。ここで、「燃焼室で発生するHC以外の炭素原子Cを含んだ成分」の代表例としては、一酸化炭素CO、二酸化炭素CO、及びSootが考えられる。
以上のことを考慮すれば、下記(1)式が成立する。(1)式において、d[Fuel]/dtは燃料濃度[Fuel]の増加速度、d[CO]/dtはCO濃度[CO]の増加速度、d[CO]/dtはCO濃度[CO]の増加速度、d[Soot]/dtはSoot濃度[Soot]の増加速度である。MHCaveはHCの平均分子量、MC14H28は燃料(C14H28)の分子量、MCOはCOの分子量、MCO2はCOの分子量、MSootはSootの分子量である。NHCaveはHC分子内の平均炭素原子数であり、NSootはSoot分子内の平均炭素原子数である。
Figure 2007231846
(1)式において、左辺は燃焼室内のガスの単位質量当たり且つ単位時間当たりに増加するHC内の炭素原子のモル数を表す。同様に、右辺第1項は燃焼室内のガスの単位質量当たり且つ単位時間当たりに増加する燃料内の炭素原子のモル数、右辺第2項は燃焼室内のガスの単位質量当たり且つ単位時間当たりに増加するCO内の炭素原子のモル数、右辺第3項は燃焼室内のガスの単位質量当たり且つ単位時間当たりに増加するCO内の炭素原子のモル数、右辺第4項は燃焼室内のガスの単位質量当たり且つ単位時間当たりに増加するSoot内の炭素原子のモル数をそれぞれ表す。
ここで、燃料濃度増加速度d[Fuel]/dt、CO濃度増加速度d[CO]/dt、CO濃度増加速度d[CO]/dt、及びSoot濃度増加速度d[Soot]/dtはそれぞれ、後にフローチャートを参照しながら説明するように、予め作製されているテーブルを利用してクランク角度に対応させながら逐次取得することができる。
そこで、本装置は、上記(1)をHC濃度増加速度d[HC]/dtについて解いて得られる下記(2)式に従って、HC濃度増加速度d[HC]/dtを、パイロット燃料噴射開始時期から排気弁Voutの開弁時期までの間に亘って逐次求めていく。
Figure 2007231846
このように、本装置は、燃焼室への燃料噴射量(燃料濃度増加速度d[Fuel]/dt)と、燃焼室で発生する少なくとも一つの炭化水素以外の成分であって炭素原子を含んだ成分の量(d[CO]/dt,d[CO]/dt,d[Soot]/dt)とに基づいて炭化水素の量(d[HC]/dt)を取得する。
(実際の作動)
次に、上記のように構成された内燃機関の排気制御装置の実際の作動について説明する。CPU61は、図3〜図5に一連のフローチャートにより示したSOF/PMの制御を行うためのルーチンを所定時間の経過毎に、気筒毎に、繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPU61はステップ300から処理を開始し、ステップ305に進んで吸気弁Vinが開状態から閉状態へと変化したか否か(吸気弁閉弁時(IVC時)が到来したか否か)を判定し、「No」と判定する場合、ステップ395に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了する。
いま、吸気弁閉弁時が到来したものとすると、CPU61はステップ305に進んだとき「Yes」と判定してステップ310に進み、IVC時クランク角度CAivcをクランクポジションセンサ74から取得される現時点での実クランク角度CAactの値に設定し、IVC時筒内ガス圧力Pgivcを吸気管圧力センサ73から得られる現時点での吸気管圧力Pbの値に設定し、IVC時筒内ガス温度Tgivcを吸気温センサ72から得られる現時点での吸気温度Tbの値に設定し、IVC時エンジン回転速度NEivcをクランクポジションセンサ74から取得される現時点でのエンジン回転速度NEの値に設定し、IVC時冷却水温THWivcを水温センサ77から取得される現時点での冷却水温THWの値に設定する。
続いて、CPU61はステップ315に進んで、上記設定されたIVC時筒内ガス圧力Pgivcと、上記設定されたIVC時筒内ガス温度Tgivcと、IVC時筒内容積Vg(CAivc)と、気体の状態方程式に基づくステップ315内に記載の式とに基づいて筒内ガスの全質量Mgを求める。IVC時筒内容積Vg(CAivc)は、設計諸元等から得られるクランク角度CAの関数である筒内容積Vg(CA)においてCA=CAivcとしたときの値である。Rは気体定数(本例では、定数)である。この計算は、IVC時では、筒内ガスの圧力及び温度はそれぞれ、上記設定されたIVC時筒内ガス圧力Pgivc及び上記設定されたIVC時筒内ガス温度Tgivcに近い値になっているとの事実に基づく。
次いで、CPU61はステップ320に進み、アクセル開度センサ75により得られる現時点でのアクセル開度Accp、クランクポジションセンサ74から取得される現時点でのエンジン回転速度NE、及び図6に示したテーブル(マップ)MapQfinから指令燃料噴射量Qfin(=指令パイロット燃料噴射量Qp+指令メイン燃料噴射量Qm)を求める。テーブルMapQfinは、アクセル開度Accp及びエンジン回転速度NEと、指令燃料噴射量Qfin(=Qp+Qm)との関係を規定するテーブルであり、ROM62内に格納されている。
次に、CPU61はステップ325に進み、指令燃料噴射量Qfin、エンジン回転速度NE、及び図7に示したテーブルMapCAinjから、パイロット燃料噴射開始時期(クランク角度)CAinjp及びメイン燃料噴射開始時期(クランク角度)CAinjmを決定する。テーブルMapCAinjは、指令燃料噴射量Qfin及びエンジン回転速度NEと、パイロット燃料噴射開始時期CAinjp及びメイン燃料噴射開始時期CAinjmとの関係を規定するテーブルであり、ROM62内に格納されている。
続いて、CPU61はステップ330に進んで、指令燃料噴射量Qfin、エンジン回転速度NE、及び図8に示したテーブルMapPcrbaseから基本燃料噴射圧力Pcrbaseを決定する。テーブルMapPcrbaseは、指令燃料噴射量Qfin及びエンジン回転速度NEと、基本燃料噴射圧力Pcrbaseとの関係を規定するテーブルであり、ROM62内に格納されている。
次に、CPU61はステップ335に進み、燃焼室から排出されるSOFの濃度[SOF]、及び燃焼室から排出されるSootの濃度[Soot]を共に初期値「0」に設定する。
続いて、CPU61はステップ340に進んで、上記IVC時エンジン回転速度NEivcと、微小クランク角度ΔCA(定数)と、NE,ΔCAを引数とする微小時間Δtを求めるための関数funcΔtとに基づいて、微小時間Δtを求める。この微小時間Δtは、エンジン回転速度NE=NEivcの場合における、微小クランク角度ΔCAに相当する時間(クランク角度が微小クランク角度ΔCAだけ進行するのに要する時間)である。
次に、CPU61はステップ345に進み、計算上のクランク角度CAを先のステップ325にて求めたパイロット燃料噴射開始時点CAinjpと等しい値に設定し、続く図4のステップ405に進む。
CPU61はステップ405に進むと、上述のようにそれぞれ求めた、IVC時エンジン回転速度NEivc、筒内ガスの全質量Mg、IVC時筒内ガス圧力Pgivc、IVC時筒内ガス温度Tgivc、指令パイロット燃料噴射量Qp、指令メイン燃料噴射量Qm、パイロット燃料噴射開始時期CAinjp、メイン燃料噴射開始時期CAinjm、基本燃料噴射圧力Pcrbase、IVC時冷却水温THWivc(以下、これら10個の値を「特定パラメータ値」と称呼する。)と、計算上のクランク角度CA(現時点では、ステップ345の処理によりCAinjpに等しい。)と、テーブルMapdFuelとから、クランク角度CAにおける燃料濃度増加速度d[Fuel]/dtを求める。テーブルMapdFuelは、特定パラメータ値及びクランク角度と、燃料濃度増加速度d[Fuel]/dtとの関係を規定する予め実験等を通して作製されたテーブルであり、ROM62内に格納されている。
続いて、CPU61はステップ410に進み、上記特定パラメータ値と、計算上のクランク角度CAと、テーブルMapdCOとから、クランク角度CAにおけるCO濃度増加速度d[CO]/dtを求める。テーブルMapdCOは、特定パラメータ値及びクランク角度と、CO濃度増加速度d[CO]/dtとの関係を規定する予め実験等を通して作製されたテーブルであり、ROM62内に格納されている。
次に、CPU61はステップ415に進み、上記特定パラメータ値と、計算上のクランク角度CAと、テーブルMapdCOとから、クランク角度CAにおけるCO濃度増加速度d[CO]/dtを求める。テーブルMapdCOは、特定パラメータ値及びクランク角度と、CO濃度増加速度d[CO]/dtとの関係を規定する予め実験等を通して作製されたテーブルであり、ROM62内に格納されている。
次いで、CPU61はステップ420に進み、上記特定パラメータ値と、計算上のクランク角度CAと、テーブルMapdSootとから、クランク角度CAにおけるSoot濃度増加速度d[Soot]/dtを求める。テーブルMapdSootは、特定パラメータ値及びクランク角度と、Soot濃度増加速度d[Soot]/dtとの関係を規定する予め実験等を通して作製されたテーブルであり、ROM62内に格納されている。
続いて、CPU61はステップ425に進んで、上記求めた燃料濃度増加速度d[Fuel]/dt、CO濃度増加速度d[CO]/dt、CO濃度増加速度d[CO]/dt、及びSoot濃度増加速度d[Soot]/dtと、上記(2)式とに基づいて、計算上のクランク角度CAでのHC濃度増加速度d[HC]/dtを求める。
次に、CPU61はステップ430に進んで、定数kと、上記IVC時エンジン回転速度NEivcと、指令燃料噴射量Qfinと、上記求めたHC濃度増加速度d[HC]/dtと、関数funcとに基づいて、計算上のクランク角度CAでのSOF濃度[SOF]の増加速度d[SOF]/dtを求める。
この関数funcは、k,NE,Qfin(トルクに相当する値),d[HC]/dtを引数としてSOF濃度増加速度d[SOF]/dtを求める関数であり、例えば、非特許文献「上海交通大学 P−QTAN,Journal
of the Energy Institute,September 2004,77,pp68-75」に紹介されている。このように、SOFの量(d[SOF]/dt)は、炭化水素の量(d[HC]/dt)に基づいて取得される。
続いて、CPU61はステップ435に進み、その時点でのSOF濃度[SOF]の値(現時点では、先のステップ335の処理により「0」)に、上記求めたSOF濃度増加速度d[SOF]/dtに先のステップ340にて求めた微小時間Δtを乗じた値(=微小時間Δtの間におけるSOF濃度[SOF]の増加量)を加えることで、SOF濃度[SOF]の値を更新する。
次いで、CPU61はステップ440に進んで、その時点でのSoot濃度[Soot]の値(現時点では、先のステップ335の処理により「0」)に、先のステップ420にて求めたSoot濃度増加速度d[Soot]/dtに先のステップ340にて求めた微小時間Δtを乗じた値(=微小時間Δtの間におけるSoot濃度[Soot]の増加量)を加えることで、Soot濃度[Soot]の値を更新する。
次に、CPU61は図5のステップ505に進み、その時点での計算上のクランク角度CA(現時点では、先のステップ345の処理によりCAinjpに等しい)に微小クランク角度ΔCAを加えることで計算上のクランク角度CAを更新し、続くステップ510にて、更新した計算上のクランク角度CAが排気弁Voutの開弁時期(クランク角度)CAEVOを超えたか否かを判定する。
現時点では、計算上のクランク角度CA(=CAinjp+ΔCA)は、排気弁開弁時期CAEVOを超えていない。従って、CPU61はステップ510にて「No」と判定して図4のステップ405に戻り、図4のステップ405〜440及び図5のステップ505の一連の処理を再び実行する。
図4のステップ405〜440及び図5のステップ505の一連の処理は、ステップ505の繰り返し実行により更新されていく計算上のクランク角度CAが排気弁開弁時期CAEVOを超えるまで繰り返し実行されていく。これにより、ステップ435,440にて、SOF濃度[SOF]、Soot濃度[Soot]がそれぞれ更新されていく。
そして、計算上のクランク角度CAが排気弁開弁時期CAEVOを超えると、CPU61はステップ505に進んだとき「Yes」と判定してステップ515に進むようになる。なお、ステップ435,440にてそれぞれ更新されてきたSOF濃度[SOF]及びSoot濃度[Soot]のこの時点での値はそれぞれ、燃焼室から排出されるPM中のSOF量(排気ガス中のSOF濃度)及び燃焼室から排出されるPM中のSoot量(排気ガス中のSoot濃度)を表す。
CPU61はステップ515に進むと、先のステップ435,440にてそれぞれ更新されているSOF濃度[SOF]及びSoot濃度[Soot]の各値と、ステップ515内に記載の式とに基づいて、燃焼室から排出されるPM中のSOF割合であるSOF/PMの値を算出する。この計算は、PMがSootとSOFのみからなるとの仮定に基づく。
続いて、CPU61はステップ520に進んで、上記求めた値SOF/PMが第1所定値α1以上であって且つ第2所定値α2(>α1)以下であるか否かを判定する。この第1所定値α1は、DPNR43(PM捕集手段)から排出されるPMの総量の低減の観点から決定される値SOF/PMの下限値(本例では、定数)である。第2所定値α2は、燃費の悪化及び出力の低下等の抑制の観点から決定される値SOF/PMの上限値(本例では、一定)である。
CPU61はステップ520にて「Yes」と判定する場合(α1≦SOF/PM≦α2)、ステップ525に進んで、指令最終燃料噴射圧力Pcrfinを先のステップ330にて求めた基本燃料噴射圧力Pcrbaseと等しい値に設定する。
一方、CPU61はステップ520にて「No」と判定する場合、ステップ530に進み、値SOF/PMが第1所定値α1よりも小さいか否かを判定し、「Yes」と判定する場合(SOF/PM<α1)、ステップ535に進んで、指令最終燃料噴射圧力Pcrfinを上記基本燃料噴射圧力Pcrbaseに調整値ΔPcr(正の定数)を加えた値に設定する。これは、以下の理由に基づく。
即ち、燃料噴射圧力が大きいほど燃焼室から排出されるSoot量が減少することが知られている。これは、燃料噴射圧力が大きいほど燃料噴霧の粒径が小さくなって燃料と酸素の反応がより促進されるからであると考えられる。他方、燃焼室から排出されるSoot量が減少することは上記値SOF/PMが増大することを意味する(ステップ515内に記載の式を参照)。以上より、燃料噴射圧力を増大させると上記値SOF/PMを増大させることができる。
一方、CPU61はステップ520にて「No」と判定する場合(SOF/PM>α2)、ステップ540に進んで、指令最終燃料噴射圧力Pcrfinを上記基本燃料噴射圧力Pcrbaseから調整値ΔPcr(正の定数)を減じた値に設定する。これは、上記と反対に、燃料噴射圧力を減少させると上記値SOF/PMを減少させることができることに基づく。
そして、CPU61はステップ545に進んで、燃料噴射圧力が上記求めた指令最終燃料噴射圧力Pcrfinと一致するように燃料噴射用ポンプ22に対して指示した後、ステップ395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ここで、ステップ545が実行される時点は、今回の吸気弁閉弁時(IVC時)が到来した時点(ステップ305にて「Yes」と判定された時点)の直後である(即ち、今回の実際のパイロット燃料噴射開始時期CAinjpよりも十分に前の時点である)。従って、ステップ545の実行により、今回の実際のパイロット燃料噴射開始時期CAinjpよりも前の時点で燃料噴射圧力が上記求めた指令最終燃料噴射圧力Pcrfinと一致するように調整され得る。
この結果、今回の燃料噴射前における燃料噴射圧力(制御パラメータ)の調整により、今回の燃料噴射に基づく燃焼後において燃焼室から排出されるPM中のSOF割合(SOF/PM)が上記第1所定値α1以上、上記第2所定値α2以下(所定値、所定の範囲)に積極的に制御され得る。
また、CPU61は、図9にフローチャートにより示した燃料噴射制御を行うためのルーチンを所定時間の経過毎に、気筒毎に、繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPU61はステップ900から処理を開始し、ステップ905に進んで実クランク角度CAactが先のステップ325にて決定されているパイロット燃料噴射開始時期CAinjpに一致したか否かを判定し、「No」と判定する場合、ステップ915に進んで実クランク角度CAactが先のステップ325にて決定されているメイン燃料噴射開始時期CAinjmに一致したか否かを判定し、「No」と判定する場合、ステップ995に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了する。
いま、実クランク角度CAactが上記パイロット燃料噴射開始時期CAinjpに一致したものとすると、CPU61はステップ905に進んだとき「Yes」と判定してステップ910に進んで、対応する燃料噴射弁21に対してステップ320にて決定されている指令パイロット燃料噴射量Qpの燃料の噴射指示を行い、続くステップ915にて「No」と判定した後、ステップ995に進んで本ルーチンを一旦終了する。これにより、指令パイロット燃料噴射量Qpの燃料が上述した指令最終燃料噴射圧力Pcrfinをもって噴射される。
その後、実クランク角度CAactが上記メイン燃料噴射開始時期CAinjmに一致したものとすると、CPU61はステップ905にて「No」と判定しステップ915に進んだとき「Yes」と判定してステップ920に進み、対応する燃料噴射弁21に対してステップ320にて決定されている指令メイン燃料噴射量Qmの燃料の噴射指示を行った後、ステップ995に進んで本ルーチンを一旦終了する。これにより、指令メイン燃料噴射量Qmの燃料が上述した指令最終燃料噴射圧力Pcrfinをもって噴射される。
以上、ステップ515は成分割合取得手段に相当し、ステップ545は成分割合制御手段に相当し、ステップ435はSOF量取得手段に相当し、ステップ440はSoot量取得手段に相当し、ステップ425は炭化水素量取得手段に相当している。
以上、説明したように、本発明による排気制御装置の実施形態によれば、今回の燃料噴射圧力を調整することにより、今回の燃料噴射に基づく燃焼後において燃焼室から排出されるPM中のSOF割合(SOF/PM)が上記第1所定値α1以上、上記第2所定値α2以下に積極的に制御され得る。これにより、燃費の悪化、出力の低下等を抑制しつつDPNR43から排出される(従って、外部へ排出される)PMの総量を低減することができる。
また、値SOF/PMを算出するにあたり使用されるHC濃度増加速度d[HC]/dtが、燃焼室内のガス中の炭素原子の数に着目することで、燃焼室内で発生するHCの増加速度を増大させる要因となる「燃焼室への燃料の供給」、並びに、燃焼室内で発生するHCの増加速度を減少させる要因となる「燃焼室での燃料の燃焼により発生するHC以外の炭素原子Cを含んだ成分の発生」を考慮して計算される。従って、HC濃度増加速度d[HC]/dtが精度良く計算され得るから、値SOF/PMも精度良く計算され得る。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、指令最終燃料噴射圧力Pcrfin(従って、燃料噴射圧力)を調整してSoot量を調整することで値SOF/PMが上記第1所定値α1以上上記第2所定値α2以下の範囲内に制御されているが、EGR率を調整してSoot量を調整することで値SOF/PMを上記第1所定値α1以上上記第2所定値α2以下の範囲内に制御するように構成してもよい。また、燃料噴射時期を調整して未燃HCの量(即ち、SOFの量)を調整することで値SOF/PMを上記第1所定値α1以上上記第2所定値α2以下の範囲内に制御するように構成してもよい。
また、上記実施形態においては、値SOF/PMが上記第1所定値α1以上上記第2所定値α2以下の範囲内に制御されているが、値SOF/PMが上記第1所定値α1以上であって上記第2所定値α2以下の或る一つの値に制御されてもよい。
また、上記実施形態においては、値SOF/PMの上限値及び下限値である上記第1所定値α1及び上記第2所定値α2を一定としているが、機関の運転状態に応じて上記第1所定値α1及び上記第2所定値α2を可変としてもよい。
また、上記実施形態においては、値SOF/PMの計算に必要となる、燃料濃度増加速度d[Fuel]/dt、CO濃度増加速度d[CO]/dt、CO濃度増加速度d[CO]/dt、及びSoot濃度増加速度d[Soot]/dtをそれぞれ対応するテーブルを利用して取得しているが、センサを利用してこれらの値を取得するように構成してもよい。
加えて、排気ガス中のPM濃度を検出するセンサを利用して排気ガス中のPM濃度[PM]を直接検出する場合、ステップ515に記載の式(SOF/PM=[SOF]/([SOF]+[Soot]))に代えて、(SOF/PM=[SOF]/[PM])なる式に従って値SOF/PMを計算してもよい。更には、(SOF/PM=([PM]−[Soot])/[PM])なる式に従って値SOF/PMを計算してもよい。
本発明の実施形態に係る内燃機関の排気制御装置を4気筒内燃機関(ディーゼル機関)に適用したシステム全体の概略構成図である。 或る一つの気筒のシリンダ内(筒内)に吸気マニホールドからガスが吸入され、筒内に吸入されたガスが排気マニホールドへ排出される様子を模式的に示した図である。 図1に示したCPUが実行するPM中のSOF割合SOF/PMを制御するためのルーチンの第1番目の部分を示したフローチャートである。 図1に示したCPUが実行するPM中のSOF割合SOF/PMを制御するためのルーチンの第2番目の部分を示したフローチャートである。 図1に示したCPUが実行するPM中のSOF割合SOF/PMを制御するためのルーチンの第3番目の部分を示したフローチャートである。 図1に示したCPUが図3に示したルーチンを実行する際に参照する指令燃料噴射量を決定するためのテーブルである。 図1に示したCPUが図3に示したルーチンを実行する際に参照する燃料燃料噴射時期を決定するためのテーブルである。 図1に示したCPUが図3に示したルーチンを実行する際に参照する基本燃料噴射圧力を決定するためのテーブルである。 図1に示したCPUが実行する燃料噴射制御を行うためのルーチンを示したフローチャートである。
符号の説明
21…燃料噴射弁、43…DPNR、60…電気制御装置、61…CPU、72…吸気温センサ、73…吸気管圧力センサ、74…クランクポジションセンサ、77…水温センサ

Claims (7)

  1. 内燃機関の排気通路に配設されたPMを捕集するPM捕集手段を備えた内燃機関に適用され、
    前記内燃機関の燃焼室での燃料の燃焼により発生し同燃焼室から排出されるPMの成分割合を取得する成分割合取得手段と、
    前記取得されたPMの成分割合が所定値になるように同取得されたPMの成分割合に基づいて前記内燃機関の制御パラメータを制御する成分割合制御手段と、
    を備えた内燃機関の排気制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の排気制御装置において、
    前記成分割合取得手段は、前記PM中のSOFの割合を取得するとともに、
    前記成分割合制御手段は、前記取得されたPM中のSOFの割合が所定値になるように同取得されたSOFの割合に基づいて前記制御パラメータを制御するように構成された内燃機関の排気制御装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の排気制御装置において、
    前記成分割合取得手段は、
    前記燃焼室から排出されるPM中のSootの量を取得するSoot量取得手段と、
    前記燃焼室から排出されるPM中のSOFの量を取得するSOF量取得手段と、
    を備え、
    前記成分割合取得手段は、
    前記PMがSootとSOFのみからなるとの仮定のもと、前記取得されたSoot量と、前記取得されたSOF量とに基づいて前記PM中のSOFの割合を取得するように構成された内燃機関の排気制御装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の排気制御装置において、
    前記SOF量取得手段は、
    前記燃焼室で発生する炭化水素の量を取得する炭化水素量取得手段を備え、前記取得された炭化水素の量に基づいて前記SOFの量を取得するように構成された内燃機関の排気制御装置。
  5. 請求項4に記載の内燃機関の排気制御装置において、
    前記炭化水素量取得手段は、
    前記燃焼室への燃料噴射量と、前記燃焼室で発生する少なくとも一つの炭化水素以外の成分であって炭素原子を含んだ成分の量とに基づいて前記炭化水素の量を取得するように構成された内燃機関の排気制御装置。
  6. 請求項5に記載の内燃機関の排気制御装置において、
    前記炭化水素量取得手段は、
    前記炭素原子を含んだ成分として、CO、CO、及びSootの少なくとも一つを使用するように構成された内燃機関の排気制御装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の内燃機関の排気制御装置において、
    前記成分割合制御手段は、
    前記制御パラメータとして、燃料噴射圧力、燃料噴射時期、及びEGR率の少なくとも一つを使用するように構成された内燃機関の排気制御装置。
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