JP2007231023A - プリン誘導体およびその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2−アミノ−6−アニリノ−プリン誘導体およびその製造法と製造用新規中間体、かかる誘導体を含んでなる医薬製剤、およびその誘導体の医薬としての使用を提供する。
【解決手段】下式の2−アミノ−6−アニリノ−プリン誘導体を製造し、提供する。
Figure 2007231023

【選択図】なし

Description

本発明は、2−アミノ−6−アニリノ−プリン誘導体およびその製造方法と製造用新規中間体、かかる誘導体を含んでなる医薬製剤、およびその誘導体の医薬としての使用に関する。
本発明は、式I
Figure 2007231023

式中、qは1−5であり、
はハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシルまたは低級アルカノイルオキシ;非置換かまたはヒドロキシル、低級アルコキシまたはカルボキシルにより置換されている低級アルコキシ;tが2〜5でありRが水素または低級アルキルである式−O(−CH−CH−O)−Rの基;カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、ピペラジン−1−イル−カルボニルまたはカルバモイル;非置換かまたは低級アルキル部分でヒドロキシルまたはアミノにより置換されているN−低級アルキル−カルバモイル;N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、シアノ、ニトロ、アミノ、低級アルカノイルアミノ、低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、アミノスルホニルまたはトリフルオロメチルであり、ここで、基Rが1つ以上分子中に存在するならば、それらはお互いに同じであっても異なっていてもよく、
は水素、カルバモイルまたはN−低級アルキルカルバモイルであり、
mおよびnは、それぞれ0または1であり、nが1ならばmは0であり、nが0ならばmは1であり、
は非置換かまたはヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノまたはN,N−ジ−低級アルキルアミノによりそれぞれが置換されている低級アルキルまたはフェニルであり、
a)Rは水素、アミノ、フェニルアミノ、低級アルキルアミノ、ヒドロキシル、フェノキシ、低級アルコキシ、C原子を2〜30個有するアシル、C原子を多くても29個有する置換脂肪族炭化水素基、C原子を多くても29個有する炭素環式基またはC原子を多くても20個およびヘテロ原子を多くても9個有する複素環式基であり、
はアミノ、フェニルアミノ、低級アルキルアミノ、ヒドロキシル、フェノキシ、低級アルコキシ、C原子を2〜30個を有するアシル、C原子を多くても29個有する置換脂肪族炭化水素基、C原子を多くても29個有する炭素環式基またはC原子を多くても20個およびヘテロ原子を多くても9個有する複素環式基であるか、または
b)RおよびRは共にそれぞれがC原子を多くても15個有する置換または非置換アルキレンまたはアルケニレン基であり、1〜3個のC原子は酸素、硫黄または窒素で置換されていてもよい、
で示される、2−アミノ−6−アニリノ−プリン誘導体およびその塩に関する。
式Iは対応する互変異性プリン誘導体に由来する式IaおよびIbを包含し、その中の記号は、上記定義のとおりである。
Figure 2007231023

Figure 2007231023

特記しない限り、本開示中、“低級”と指定した有機基は多くても7個、好ましくは多くても4個の炭素原子を含有するものである。
qは好ましくは1〜3であり、たいてい1または2であり、好ましくは1である。立体的理由がある場合のみ、例えば、Rがフッ素であるならば、qは4または5であってもよい。qが1ならば、Rは、例えば4位にあり、好ましくは3位にある。
がハロゲンの場合は、例えばフッ素、好ましくは塩素である。
が低級アルコキシの場合は、例えばメトキシである。
が低級アルキル部分でヒドロキシルにより置換されているN−低級アルキル−カルバモイルの場合は、例えば、(3−ヒドロキシプロピル−アミノ)−カルボニル、即ち、N−(3−ヒドロキシ−プロピル)−カルバモイルである。
は好ましくは水素である。
好ましくは、mは0であり、nは1である。
は好ましくは、非置換かまたはヒドロキシルで置換されている低級アルキルであり、例えば、メチル、イソプロピルまたは特に好ましくはエチル、並びに2−ヒドロキシ−エチルである。
またはRが炭素原子2〜30個を有するアシルである場合は、非修飾かまたは機能的に修飾したカルボン酸に由来し、特に、式Z−C(=W)−の1種であり、ここでWは酸素、硫黄またはイミノであり、Zは、C原子を多くても29個有するヒドロカルビル基であるR、ヒドロカルビルオキシ基であるR−O−またはアミノ基、特に式R(R)N−の1種である。
ヒドロカルビル基(炭化水素基)であるRは、C原子を多くても29個、特に多くても18個、好ましくは多くても12個有する非環式(脂肪族)、炭素環式または炭素環式−非環式の炭化水素基であり、飽和または不飽和で非置換かまたは置換されている。1、2個またはそれ以上の炭素原子の代わりに、非環状および/または環状部分に同一または異なるヘテロ原子、例えば、特に、酸素、硫黄および窒素を含有することもでき、後者の場合、複素環式基(複素環基)または複素環−非環式基と呼ばれる。
不飽和基は、特に、共役および/または孤立した多重結合(二重結合および/または三重結合)を1つまたはそれ以上含有するものである。環式基という用語は、芳香族基、例えば、少なくとも1つの6員環炭素環式環または少なくとも1つの5ないし8員環複素環式環が最大数の非累積二重結合を含有するものも包含する。少なくとも1つの環が6員環芳香族環(即ち、ベンゼン環)として存在する炭素環式基は、アリール基と呼ばれる。
非環式不飽和炭化水素基は、特に、直鎖状または分枝状低級アルキル、低級アルケニル、低級アルカジエニルまたは低級アルキニル基である。低級アルキルは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルであり、さらに、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシルおよびn−ヘプチルでもある。低級アルケニルは、例えば、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2−または3−メタリルおよび2−または3−ブテニルである。低級アルカジエニルは、例えば、1−ペンタ−2,4−ジエニルであり;低級アルキニルは、例えば、プロパルジルまたはブチニルである。対応する不飽和基では、二重結合は特に自由原子価に対しα位よりも高い位置にある。
炭素環式炭化水素基は、特に、単環式、二環式または多環式シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルカジエニル基または対応するアリール基である。好ましい基は、環炭素原子を多くても14個、特に12個と、3ないし8員環、好ましくは5ないし7員環、特に6員環を有するものであり、それらは1以上の、例えば2つの非環式基、例えば、上記のもの、特に、低級アルキル基または、更に炭素環式基をもつことも可能である。炭素環式−非環式基は、非環式基、特に多くても7個、好ましくは多くても4個の炭素原子を有するもの、例えば特に、メチル、エチルおよびビニルが、1以上の炭素環式基をもつようなものを指し、これは、上記定義のような芳香族であることもあり、また芳香族でなくてもよい。特に、鎖の末端C原子上に環をもつ、シクロアルキル−低級アルキルおよびアリール−低級アルキル基およびその環および/または鎖が不飽和のそれらの類似体が挙げられる。
シクロアルキルは、特に、3個〜10個のC原子を含有し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル、並びにビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[2.2.2]ヘプチルおよびアダマンチルであり、これらは、1、2またはそれ以上の例えば低級アルキル基、特にメチル基により置換されていてもよく;シクロアルケニルは、例えば、1、2または3位に二重結合をもつ既に述べた単環式シクロアルキル基の1つである。シクロアルキル−低級アルキルまたは−低級アルケニルは、例えば、上記シクロアルキル基の1つにより置換されているメチル、1−または2−エチル、1−または2−ビニル、1−、2−または3−プロピルまたはアリルであり、直鎖の末端で置換されているものが好ましい。
アリール基は、特に、フェニル、またはナフチル、例えば1−または2−ナフチル、ビフェニリル、例えば、特に、4−ビフェニリル、更に、アントリル、フルオレニルおよびアズレニル、並びに、1またはそれ以上の飽和環を有するそれらの芳香族類似体である。好ましいアリール−低級アルキルおよび−低級アルケニル基は、例えば、末端フェニル基を有するフェニル−低級アルキルまたはフェニル−低級アルケニル、例えば、ベンジル、フェネチル、1−、2−または3−フェニルプロピル、ジフェニルメチル(ベンズヒドリル)、トリチルおよびシンナミル、更には1−または2−ナフチルメチルである。低級アルキルなどの非環式基をもつアリール基は、特に、様々な部位にメチル基を有する−、−および−トリルおよびキシリル基である。
複素環式−非環式基を含む複素環式基は、特に、芳香族特性の単環式、更には、二環式または多環式、アザ−、チア−、オキサ−、チアザ−、オキサザ−、ジアザ、トリアザ−または四環式基およびこの種の対応する部分飽和または特に完全飽和した複素環式基であり、かかる基は、適宜、例えば、上記の炭素環式またはアリール基として、更に非環式の炭素環式または複素環式基をもつことがあり、および/または官能基によりモノ−、ジ−またはポリ置換されることもある。複素環式−非環式基中の非環式部分は、例えば対応する炭素環式−非環式基について定義したとおりである。これらは、特に、非置換の単環式基または2−アジリジニルなどの窒素、酸素または硫黄原子で置換された単環式基や、特に、この種の芳香族基、例えば、2−ピリルまたは3−ピリルなどのピリル、2−、3−または4−ピリジルなどのピリジル、更に2−または3−チエニルなどのチエニル、または2−フリルなどのフリルであり、窒素、酸素または硫黄原子を1つ持つ類似体二環式基は、例えば、2−または3−インドリルなどのインドリル、2−または4−キノリルなどのキノリル、3−または5−イソキノリルなどのイソキノリル、2−ベンゾフラニルなどのベンゾフラニル、3−クロメニルなどのクロメニル、または2−または3−ベンゾチエニルなどのベンゾチエニルであり、ヘテロ原子を1つ以上持つ好ましい単環式および二環式基は、例えば、2−イミダゾリルなどのイミダゾリル、2−または4−ピリミジニルなどのピリミジニル、2−オキサゾリルなどのオキサゾリル、3−イソオキサゾリルなどのイソオキサゾリル、2−チアゾリルなどのチアゾリル、または2−ベンズイミダゾリルなどのベンズイミダゾリル、2−ベンズオキサゾリルなどのベンズオキサゾリル、または2−キナゾリルなどのキナゾリルである。対応する部分飽和類似基または特に完全飽和類似基、例えば、2−テトラヒドロフリル、4−テトラヒドロフリル、2−または3−ピロリジル、2−、3−または4−ピペリジルも適しており、また2−または3−モルホリニル、2−または3−チオモルホリニル、2−ピペラジニルおよびN,N'−ビス−低級アルキル−2−ピペラジニル基もまた適している。これらの基は、1つ以上の非環式、炭素環式または複素環式基、特に、上記のものをもつこともできる。複素環式−非環式基は、特に、多くても7個、好ましくは多くても4個の炭素原子を有する非環式基から、例えば、上記のものから得られ、例えば上記のような複素環式基を1つ、2つまたはそれ以上もつことができ、環をその窒素原子の1つにより鎖に結合させることも可能である。
既に述べたように、ヒドロカルビル(ヘテロサイクリルを含む)は、1つ、2つまたはそれ以上の同一または異なる置換基(官能基)で置換でき、次の置換基が特に適している:遊離のエーテル化およびエステル化ヒドロキシル基;メルカプトおよび低級アルキルチオおよび不飽和または飽和フェニルチオ基;塩素およびフッ素、更に臭素およびヨウ素などのハロゲン原子;ホルミル(即ち、アルデヒド)およびケト基、更には対応するアセタールまたはケタールの形態のオキソ基;アジドおよびニトロ基;第一級、第二級および好ましくは第三級アミノ基、常用の保護基で保護した第一級または第二級アミノ基、アシルアミノ基およびジアシルアミノ基、および非修飾のまたは機能的に修飾したスルホ基、例えば、塩形態で存在するスルファモイル基またはスルホ基。これらの官能基は全て、C原子から自由原子価が生じるためC原子上にあってはならず、かつこれらは好ましくは2つ以上のC原子により隔てられている。ヒドロカルビル基は、遊離の機能的に修飾したカルボキシル基、例えば塩形態またはエステル化カルボキシル基の形態で存在するカルボキシル基、カルバモイル、場合によって1つまたは2つの炭化水素基を持つウレイドまたはグアニジノ基およびシアノ基を持つことができる。
ヒドロカルビル中の置換基として存在するエーテル化ヒドロキシル基は、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシおよびtert−ブトキシ基などの低級アルコキシ基であり、これらもまた置換され得る。従って、かかる低級アルコキシ基は、特に2位で2,2,2−トリクロロエトキシ、2−クロロエトキシまたは2−ヨードエトキシ基としてハロゲン原子により、例えば、1、2回または数回、または特に2位で2−メトキシエトキシ基としてヒドロキシルまたは低級アルコキシ基により、各場合で好ましくは1回置換することができる。エーテル化ヒドロキシル基の特に好ましい実施態様は、アルキル、好ましくは直鎖状アルキル中の1つ以上のC原子が酸素原子で置換されているオキサアルキル基中に存在し、これは、基(−O−CH−CH−)−、式中nは1ないし14である、を場合によっては1回以上繰り返すために好ましくは1個以上(特に2個)のC原子により互いに隔てられている。このようなエーテル化ヒドロキシル基は、更に、置換または非置換のフェノキシ基およびフェニル−低級アルコキシ基、例えば、特に、ベンジルオキシ、ベンズヒドリルオキシおよびトリフェニルメトキシ(トリチルオキシ)、並びにヘテロサイクリルオキシ基、例えば、特に、2−テトラヒドロピラニルオキシである。特定のエーテル化ヒドロキシル基は、原子団メチレンジオキシまたはエチレンジオキシであり、前者は概して特にアリール基中で2つの近接C原子を架橋するものであり、後者は1つの同一C原子に結合し、オキソの保護基とみなされるものである。
これに関し、エーテル化ヒドロキシル基は、例えば、トリメチルシリルオキシなどのトリ−低級アルキルシリルオキシおよびジメチル−tert−ブチルシリルオキシまたはフェニルジ−低級アルキルシリルオキシまたは低級アルキルジフェニルシリルオキシ中に存在するようなシリル化ヒドロキシル基を意味するものとしても理解される。
ヒドロカルビル中の置換基として存在するエステル化ヒドロキシル基は、例えば、低級アルカノイルオキシである。
ヒドロカルビル中の置換基として存在するエステル化カルボキシル基は、水素原子を上記の特徴をもつ炭化水素基の1つ、好ましくは低級アルキルまたはフェニル低級アルキル基で置換したものであり、エステル化カルボキシル基の例は、例えば、低級アルコキシカルボニルまたは非置換かまたはフェニル部分で置換されているフェニル−低級アルコキシカルボニル、特に、メトキシ、エトキシ、tert−ブトキシおよびベンジルオキシカルボニル基、更にはラクトン化カルボキシル基である。
ヒドロカルビルの置換基としての第一級アミノ基−NHもまた、保護形態で存在できる。第二級アミノ基は、2つの水素原子のうちの1つの代わりにヒドロカルビル基、好ましくは非置換のもの、例えば、上記したものの1つ、特に低級アルキルを持ち、これも保護形態で存在できる。
ヒドロカルビル中の置換基として生じる第三級アミノ基は、2つの異なる、または好ましくは同一のヒドロカルビル基(複素環式基を含む)、例えば、上記の特徴をもつ非置換のヒドロカルビル基、特に低級アルキルを持つ。
式R(R)N−の基では、RおよびRは互いに独立して、それぞれ水素、低級アルキルスルホニル、非置換かまたは例えば、アミノ、グアニジノ、フェニル、ヒドロキシフェニル、カルボキシル、カルバモイル、イミダゾリル、メルカプトまたはメチルチオにより置換された非環式C−Cヒドロカルビル(例えば、特にC−CアルキルまたはC−Cアルケニル)、または多くても10個のC原子を持ち、非置換かまたはC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲンおよび/またはニトロにより置換されている単環式アリール、アラルキルまたはアラルケニルであり、炭素含有基RおよびRは、炭素−炭素結合、または非置換かまたはヒドロカルビルにより置換されている酸素原子、硫黄原子または窒素原子により、お互いに結合することが可能である。このような場合、それらは窒素原子と一緒になって窒素含有複素環式環を形成する。式R(R)N−の特に好ましい基は、次のものである:アミノ、低級アルキルアミノ、例えば、メチルアミノ、またはω−アミノ−低級アルキルアミノ、例えば2−アミノ−エチルアミノまたは3−アミノ−プロピルアミノ;ジ低級アルキルアミノ、例えばジメチルアミノまたはジエチルアミノ;ピロリジノ、2−ヒドロキシメチル−ピロリジノ、ピペリジノ、4−(2−アミノ−エチル)−ピペリジノ、モルホリノまたはチオモルホリノ;ピペラジノ、4−メチル−ピペラジノ、4−(2−アミノ−エチル)−ピペラジノ、またはフェニルアミノ、非置換かまたは特にフェニル部分で例えば、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンおよび/またはニトロにより置換されているジフェニルアミノまたはジベンジルアミノ;および保護基の中では、特に低級アルコキシカルボニルアミノ、例えばtert−ブトキシカルボニルアミノ、フェニル−低級アルコキシカルボニルアミノ、例えば4−メトキシベンジルオキシカルボニルアミノ、および9−フルオレニル−メトキシカルボニルアミノ。Zが式R(R)N−である式Z−C(=W)−の好ましい基は、カルバモイル、N−メチル−カルバモイル、N−(ω−アミノ−低級アルキル)−カルバモイル、N−(α−アミノ−アシル)−カルバモイル、N−フェニル−カルバモイル、N−メチルスルホニル−カルバモイルおよびWが酸素ではなく硫黄またはイミノである対応する基、例えば、アミジノ、N−メチル−アミジノ[CH−NH−C(=NH)−]、N−メチル−チオカルバモイル[CH−NH−C(=S)−]またはN−(ω−アミノ−低級アルキル)−チオカルバモイルである。例えば、Rが水素であり、Rがアミジノである式−N(R)−Rの基はグアニジノ[HN−C(=NH)−NH−]である。
特記しない限り、上記および下記の芳香族炭素環式および複素環式ヒドロカルビル基は、1回以上、例えば、2、3回、特にC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、更にカルボキシル、C−Cアルコキシカルボニル、メチレンジオキシおよび/またはシアノにより置換され得る。上記および下記の置換基の縮約記載は、優先される。
本発明による式Iの好ましい化合物は、例えば、ヒドロカルビルRが非環式ヒドロカルビルの次の好ましい意味を持つようなものである:C−C20アルキル、そのヒドロキシル基が1位以外の位置、好ましくは2位にあるC−C20ヒドロキシアルキル、そのシアノ基が好ましくは1またはω位にあるシアノ−[C−C20]−アルキル、またはそのカルボキシル基が好ましくは1またはω位にあり、遊離形態または塩形態で存在できるカルボキシ−[C−C20]−アルキル、またはC−Cアルキルエステル(C−Cアルコキシカルボニル)またはベンジルエステル(ベンジルオキシカルボニル)およびその自由原子価が二重結合として同一C原子上にないC−C20アルケニルで、上記の全ての基は、C−Cアルキル基本構造を有するものを除いて、直鎖(非分枝)状アルキル鎖、更に、4〜20の鎖構成員を有する直鎖状(モノ−、ジ−ないしヘキサ)−オキソアルキルを含有し、直鎖状C−C20アルキルのC−3由来の1つ以上のC原子が酸素原子で置換されており、これらは少なくとも2つのC原子でお互いに隔てられており、好ましくは3位、6位、9位、12位、15位および18位にある。
本発明による式Iの好ましい化合物もまた、ヒドロカルビルRが炭素環式または複素環式、更に炭素環式−非環式または複素環式−非環式ヒドロカルビルの次の好ましい意味を持つようなものである:次の置換基を1つ以上持つことができる二環式または好ましくは単環式アリール、特にフェニル、更にナフチル:ハロゲン原子、特にフッ素、塩素および臭素、C−Cアルキル基、特にメチル、C−Cアルコキシ基、特にメトキシ、メチレンジオキシ、ニトロ基および/または遊離であるかまたは塩形態またはC−Cアルキルエステルとして存在できるカルボキシル基、特に、メトキシカルボニルまたはエトキシカルボニル。好ましくは、アリール基は、多くても2つの置換基、特に同じ種類のものを持つか、または置換基を1つだけ持ち、特にそれらは非置換である。好ましい複素環式ヒドロカルビル(ヘテロサイクリル)は、例えば、上記の好ましいアリール基に類似であり、1または2つのC原子の代わりに、それぞれヘテロ原子、特に窒素を含有するもの、例えばピリジルまたはキノリルまたはキナゾリルであり、ここで自由原子価はC原子上に位置し、そのため置換されることもある。好ましい炭素環式−非環式および複素環式−非環式ヒドロカルビル基は、上記環式基、好ましくは非置換基の2つまたは3つ、ただし好ましくは1つのみをC−Cアルキルが持つようなものであり、好ましくは全て1つのC原子、好ましくは末端C原子上に存在しており、非置換ベンジルが最も好まれる。
特に好ましい式Iの化合物は、RがC−Cアルキル、特にC−Cアルキル、ヒドロキシC−C18アルキル、特にヒドロキシC−C14アルキル、シアノ−C−Cアルキル、特に、シアノ−C−Cアルキル、カルボキシ−C−Cアルキル、特にカルボキシ−C−Cアルキル、C−Cアルコキシ−カルボニル−C−Cアルキル、特に、C−Cアルコキシ−カルボニル−C−Cアルキル、ベンジルオキシ−カルボニル−C−Cアルキル、特に、ベンジルキシカルボニル−C−Cアルキル、C−Cアルケニル、フェニル、ナフチル、ピリジル、キノリルまたはキナゾリル、またはフェニル−C−Cアルキル、特にフェニル−C−Cアルキルであるものであり、特定の芳香族基を更にC−Cアルキル、特にC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、特にC−Cアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、または更にカルボキシル、C−Cアルコキシ−カルボキシ、メチレンジオキシおよび/またはシアノで置換することも可能であり、相応じて置換したアルキル基中のヒドロキシル基は特に2位に位置しており、相応じて置換したアルキル基中のシアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ベンジルオキシ−カルボニルまたはフェニル基は特に1またはω位に位置している。
特に好ましい式Iの化合物は、RがC−Cアルキル、例えばメチルまたはエチル、ヒドロキシ−C−C14アルキル、例えば2−ヒドロキシ−プロピル、−ヘキシル、−デシルまたは−テトラ−デシル、シアノ−C−Cアルキル、例えば2−シアノ−エチル、カルボキシ−C−Cアルキル、例えばカルボキシメチル、C−Cアルコキシカルボニル−C−Cアルキル、例えばメトキシカルボニル−メチルまたは−エチル、C−Cアルケニル、例えばアリル、またはフェニルであるものであり、相応じて置換したアルキル基中のヒドロキシル基は好ましくは2位に位置しており、シアノ、カルボキシまたはアルコキシカルボニル基は特に1またはω位に位置している。
多くても29個のC原子を有する置換脂肪族炭化水素基RまたはRは、置換アルキルであるか、またはそれぞれ多くても29個のC原子を有する、モノ−またはポリ不飽和アルケニルまたはアルキニル基、即ち、置換C−C29アルキル、C−C29アルケニルまたはC−C29アルキニル基である。概して、その置換基を含むこれらの基は、多くても19個、特に多くても12個、更には多くても10個のC原子を持つ。適切な置換基は環式基でもあるので、RおよびRはそれぞれ多くても29個のC原子を有する炭素環式−脂肪族基または複素環式−脂肪族基でもあり得る。置換脂肪族炭化水素基、例えば好ましくは、エチルまたはn−プロピル基は、1つ以上の同一または異なる基を持つことができる。置換基の性質にもよるが、これらは、単結合または多重結合を介して結合させるか、またはスピロ形態で連結させることができる。好ましい置換基は、塩素、フッ素、臭素またはヨウ素などのハロゲン、アミノ、低級アルキルアミノ、ω−アミノ−低級アルキルアミノ、低級アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、例えば、特にベンゾイルアミノ、ヒドロキシルアミノ、ヒドロキシルイミノ、低級アルコキシ−アミノ、アリールオキシアミノ、例えば、特にフェニルオキシアミノ、アミノ−シクロヘキシル−アミノ−、アミノ−フェニル−アミノ−、カルバモイル−アミノ(ウレイド、−NH−C(=O)−NH)、(N−低級アルキル−カルバモイル)−アミノ(−NH−C(=O)−NH−低級アルキル)、(N−[ω−アミノ−低級アルキル]−カルバモイル)−アミノ(−NH−C(=O)−NH−低級アルキル−NH)、(N−フェニル−カルバモイル)−アミノ(−NH−C(=O)−NH−フェニル)、チオ、低級アルキルチオ、例えば、メチルチオ、チオカルバモイル(−C(=S)−NH)、チオウレイド(−NH−C(=S)−NH)、N−低級アルキル−チオウレイド(−NH−C(=S)−NH−低級アルキル)、N−フェニル−チオウレイド(−NH−C(=S)−NH−フェニル)、グアニジノ、N−低級アルキル−グアニジノ、カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、例えば、特にフェニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、アミノアシルアミノ、カルバモイル、アミジノ(−C[=NH]−NH)、シアノ、ヒドロキシル、低級アルコキシ、アリールオキシ、例えば、特にフェニルオキシ、アミノカルボニル−オキシ(−O−C[=O]−NH)、オキソ、アミノスルホニルおよび低級アルキルスルホニル−アミノである。
脂肪族炭化水素基RまたはRの上記アミノアシル−アミノ置換基の部分であるアミノアシルは、特にα−アミノ酸などのアミノ酸、例えば天然アミノ酸の1種、特に、タンパク質中に一様にある20種の必須α−アミノ酸の1種、即ち、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、プロリン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、チロシン、トリプトファン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸およびアスパラギン、更にフェニルグリシン、のC−末端基である。アミノアシルは、好ましくは、非置換かまたはアミノ、フェニル、ヒドロキシフェニル、ヒドロキシル、メルカプト、メチルチオ、インドル−3−イル、カルバモイル、カルボキシル、グアニジノまたはイミダゾリルにより置換されているアミノ低級アルカノイルである。
環式置換基を持たない好ましい置換脂肪族炭化水素基RまたはRは、例えば、2−カルバモイル−1−カルボキシ−エト−1−イル、3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロプ−1−イル、3−アミノ−プロプ−1−イル、3−アミノ−2,2−ジメチル−プロプ−1−イル、3−アミノ−2−オキソ−プロプ−1−イル、3−アミノ−1−カルボキシ−プロプ−1−イル、3−アミノ−3−カルボキシ−プロプ−1−イル、1,1−ジカルバモイル−メチル、2−カルバモイル−エト−1−イル、3−アミノ−1,3−ジヒドロキシルイミノ−プロプ−1−イル、2−カルバモイル−1−ヒドロキシルイミノ−エト−1−イル、1−ヒドロキシルイミノ−2−チオカルバモイル−エト−1−イル、3−アミノ−3−ヒドロキシルイミノ−1−チオ−プロプ−1−イル、3−アミノ−ペント−1−イル、1−アミノ−ペント−3−イル、1−アミジノ−1−カルバモイル−メチル、4−アミノ−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタフルオロ−ペント−2−イル、3−アミノ−1,3−ジカルボキシ−プロプ−1−イル、2−カルバモイル−1−エトキシカルボニル−エト−1−イル、2−アミノ−1,2−ジチオ−エト−1−イル、2−アミノ−1,2−ジオキソ−エト−1−イル、2−アミノ−2−メチル−プロプ−1−イル、1−アミノ−2−メチル−プロプ−2−イル、2−アミノ−プロプ−1−イル、1−アミノ−プロプ−2−イル、2−アミノ−エト−1−イル、2−アミノ−2−カルボキシ−エト−1−イル、2−アミノ−1−カルボキシ−エト−1−イル、カルバモイル−メチル、1−カルバモイル−3−メチル−ブト−1−イル、2−アミノ−1,2−ジカルボキシ−エト−1−イル、1−カルバモイル−3−メチルチオ−プロプ−1−イル、1−カルバモイル−2−メチル−プロプ−1−イル、1−カルバモイル−エト−1−イル、1−カルバモイル−1−シアノ−メチル、1−カルバモイル−3−カルボキシ−3−フルオロ−プロプ−1−イル、1−カルバモイル−2−カルボキシ−エト−1−イル、2−アミノ−4−カルボキシ−ブト−1−イル、1−アミノ−4−カルボキシ−ブト−2−イル、1−カルバモイル−4−グアニジノ−ブト−1−イル、1−カルバモイル−5−アミノ−ペント−1−イル、1−カルバモイル−2−ヒドロキシ−プロプ−1−イル、1−カルバモイル−2−メチル−ブト−1−イル、1−カルバモイル−2−ヒドロキシ−エト−1−イル、1,3−ジカルバモイル−プロプ−1−イル、2−アミノ−ブト−1−イル、1−アミノ−ブト−2−イル、1−カルバモイル−ペント−1−イル、1−カルバモイル−ブト−1−イル、2−ヒドロキシ−エチル、3−ヒドロキシ−プロプ−1−イル、2−ヒドロキシ−プロプ−1−イル、2−ヒドロキシメチル−プロプ−2−イル、1−ヒドロキシ−ブト−2−イル、1,3−ジヒドロキシ−プロプ−2−イル、2−シアノ−エチル、2−メルカプト−エチル、3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロプ−1−イル、2−(N−メチル−アミノ)−エチル、2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−エチル、2−グアニジノ−エチルおよび2−アセチルアミノ−エチルである。
炭素環式−脂肪族基RまたはRは、炭素環式部分と脂肪族部分で置換でき、例えば、シクロ脂肪族−脂肪族基、例えば、シクロアルキル−低級アルキルまたは−低級アルケニル、例えば、上記または下記のシクロアルキル基の1つで置換されたメチル、1−または2−エチル、1−または2−ビニル、1−、2−または3−プロピルまたはアリルで、直鎖の末端で置換されたものが好ましく、または芳香族−脂肪族基である。好ましい炭素環式−脂肪族基RまたはRは、例えば、ベンジル、2−フェニル−エチル、2−アミノ−ベンジル、3−アミノメチル−ベンジル、(1−ヒドロキシ−シクロヘキシ−1−イル)−メチル、(2−アミノ−3,5,5−トリメチル−シクロペンチル)−メチル、1−[N−(1−カルボキシ−2−フェニル−エチル)−カルバモイル]−2−カルバモイル−エト−1−イル、1−カルバモイル−1−フェニル−メチル、1−カルバモイル−2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−エト−1−イル、1−カルバモイル−2−フェニル−エト−1−イル、2−アミノ−1,2−ジフェニル−エト−1−イル、2−ベンジルオキシカルボニル−1−カルバモイル−エト−1−イル、3−ベンジルオキシカルボニル−1−カルバモイル−プロプ−1−イル、1−アダマンチル−2−アミノ−プロプ−1−イルおよび1−アダマンチル−1−アミノ−プロプ−2−イルである。
複素環式−脂肪族基RまたはRは、複素環式部分および脂肪族部分の両方で置換できる。好ましい複素環式−脂肪族基RまたはRは、例えば、(2−フリル)−メチル、(2−テトラヒドロフリル)−メチル、2−ピリド−2−イル−エチル、2−ピペリジノ−エチル、2−(モルホリン−4−イル)−エチル、2−(3−インドリル)−エチル、2−(4−イミダゾリル)−エチル、1−カルバモイル−2−(β−インドリル)−エト−1−イル、1−カルバモイル−2−イミダゾル−4−イル−エト−1−イル、1−カルバモイル−2−インドル−3−イル−エト−1−イル、3−アミノメチル−オキセタン−3−イル−メチルおよび1−(アセトキシ−イミノ)−1−(4−アミノ−2−オキサ−1,3−ジアゾル−5−イル)メチルである。
多くても29個のC原子を持つ炭素環式基RまたはRは、このような非置換または置換炭化水素基、即ち、このようなシクロ脂肪族または芳香族基である。炭素環式炭化水素基は、特に、単環式、二環式または多環式シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルカジエニル基、または対応するアリール基である。多くても14個、特に12個の環炭素原子と3から8員、好ましくは5から7員、特に6員環を有する基が好ましく、それらは、1つ以上、例えば2つの非環式基、例えば上記のようなものと、特に低級アルキル基、更には炭素環式基を持つことも可能である。
基RまたはRで表されるシクロアルキルは、特に、3から多くても10個のC原子を含有し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル、並びに、ビシクロ[2.2.2]オクチル、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプチルおよびアダマンチルであり、これらは、1、2またはそれ以上の、例えば低級アルキル基、特にメチル基で置換することもでき;シクロアルケニルは、例えば、1、2または3位に二重結合を持つ既に述べた単環式シクロアルキル基の1つである。
基RまたはRで表されるアリール基は、特に、フェニル、更にはナフチル、例えば1−または2−ナフチル、ビフェニリル、例えば特に4−ビフェニリル、更には、アントリル、フルオレニルまたはアズレニル基、および1つ以上の飽和環を持つ芳香族類似物である。好ましいアリール−低級アルキルおよび−低級 アルケニル基は、例えば、末端フェニル基を持つフェニル−低級アルキルまたはフェニル−低級アルケニル、例えばベンジル、フェネチル、1−、2−または3−フェニル−プロピル、ジフェニルメチル(ベンズヒドリル)、トリチルおよびシンナミル、更には1−または2−ナフチルメチルなどである。低級アルキルなどの非環式基を持つアリール基は、特に、様々な部位にメチル基を持つ−、−および−トリルおよびキシリル基である。
好ましい炭素環式基RまたはRは、例えば、アミノ−フェニル、例えば2−アミノフェニル、3−アミノ−フェニルおよび4−アミノ−フェニル、シクロヘキシル、4−メチル−シクロヘキシル、アミノシクロヘキシル、例えば2−アミノ−シクロヘキシ−1−イル、3−アミノ−シクロヘキシ−1−イルおよび4−アミノシクロヘキシ−1−イル、ヒドロキシ−シクロヘキシル、例えば2−ヒドロキシ−シクロヘキシルおよび4−ヒドロキシ−シクロヘキシル、1−(ヒドロキシメチル)−シクロペント−1−イル、2−アミノメチル−3,3,5−トリメチルシクロペント−1−イル、アダマント−1−イル、3−アミノ−アダマンタン−1−イル、2−カルバモイル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−3−イル、2−カルバモイル−シクロヘキシ−1−イルおよび9−アミノ−スピロ[4,4]ノン1−イルである。
多くても20個のC原子と多くても9個のヘテロ原子を持つ複素環式基RまたはRは、好ましくは、それらの環炭素原子の1つを介して結合し、特に、単環式であるが、二環式または多環式でもある芳香族特性のアザ−、チア−、オキサ−、チアザ−、オキサザ−、ジアザ−、トリアザ−またはテトラザ環式基、およびこの種の部分飽和または特に完全飽和した対応する複素環式基であり、このような基は、適宜、例えば上記の炭素環式またはアリール基に類似しており、更に非環式、炭素環式または複素環式基を持ち、および/または官能基によりモノ−、ジ−またはポリ置換することが可能である。特に、これらは、非置換かまたは1つの窒素、酸素または硫黄原子で置換された単環式基、例えば、2−アジリジニル、特にピリルなどのこの種の芳香族基、例えば2−ピリルまたは3−ピリル、ピリジル、例えば2−、3−または4−ピリジル、更にはチエニル、例えば2−または3−チエニルまたはフリル、例えば2−フリルであり;1つの窒素、酸素または硫黄原子を持つ類似二環式基は、例えば、インドリル、例えば2−または3−インドリル、キノリル、例えば2−または4−キノリル、イソキノリル、例えば3−または5−イソキノリル、ベンゾフラニル、例えば2−ベンゾフラニル、クロメニル、例えば3−クロメニル、またはベンゾチエニル、例えば2−または3−ベンゾチエニルであり;ヘテロ原子を1つ以上もつ好ましい単環式および二環式基は、例えば、イミダゾリル、例えば2−イミダゾリル、ピリミジニル、例えば2−または4−ピリミジニル、オキサゾリル、例えば2−オキサゾリル、イソキサゾリル、例えば3−イソキサゾリル、またはチアゾリル、例えば2−チアゾリル、またはベンズイミダゾリル、例えば2−ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、例えば2−ベンズオキサゾリル、またはキナゾリル、例えば2−キナゾリニルである。部分飽和または特に完全飽和した対応する類似基、例えば、2−テトラヒドロフリル、4−テトラヒドロフリル、2−または3−ピロリジル、2−、3−または4−ピペリジル、更に2−または3−モルホリニル、2−または3−チオモルホリニル、2−ピペラジニルおよびN,N'−ビス−低級アルキル−2−ピペラジニル基もまた適している。これらの基は1つ以上の非環式、炭素環式または複素環式基、特に上記のものを持つことができる。
複素環式基RまたはRは、1、2またはそれ以上の同一または異なる置換基(官能基)で置換でき、次の置換基が特に適している:遊離のエーテル化およびエステル化ヒドロキシル基;メルカプトおよび低級アルキルチオおよび置換および非置換のフェニルチオ基;ハロゲン原子、例えば塩素およびフッ素、更には臭素およびヨウ素;オキソ基、これはホルミル(即ち、アルデヒド)およびケト基、更には対応するアセタールまたはケタールの形態である;アジドおよびニトロ基;第一級、第二級、好ましくは第三級アミノ基、常用の保護基で保護された第一級または第二級アミノ基、アシルアミノ基およびジアシルアミノ基、および非修飾または機能的に修飾したスルホ基、例えば、塩形態で存在するスルファモイル基またはスルホ基。これらの官能基は全て、C原子から自由原子価が生じるためC原子上にあってはならず、それらは、好ましくは2つ以上のC原子により隔てられている。複素環式基はまた、遊離の機能的に修飾したカルボキシル基、例えば、塩形態で存在するカルボキシル基またはエステル化カルボキシル基、場合によっては1つまたは2つの炭化水素基を持つこともあるカルバモイル、ウレイドまたはグアニジノ基およびシアノ基をもつこともできる。
好ましい複素環式基RまたはRは、例えば、5−アミノ−2−オキサ−1,3−ジアゾル−4−イル、4−アミノ−チエン−3−イル、3−カルバモイル−5−(3−[2,4−ジクロロ−フェニル]−1−オキソ−プロプ−2−エン−1−イル)−1,2−チアゾル−4−イル、3−カルバモイル−5−(3−[4−トリフルオロ−フェニル]−1−オキソ−プロプ−2−エン−1−イル)−1,2−チアゾル−4−イル、4−アミノ−2−(4−カルボキシ−ブチル)−テトラヒドロチオフェン−3−イル、3−アミノ−2−(4−カルボキシ−ブチル)−テトラヒドロチオフェン−4−イル、[1,2,5]オキサジアゾロ[3,4−b](6−アミノ−ピラジン−5−イル)、2,5'−ジアセチル−3−アミノ−チエノ[2,3−b]チオフェン−4'−イルおよび3−アミノ−2,5'−ジピバロイル−チエノ[2,3−b]チオフェン−4'−イルである。
置換または非置換のアルキレンまたはアルケニレン基は、それぞれ多くても15個のC原子を持ち、1−3個のC原子は酸素、硫黄または窒素で置換されていてもよく、RおよびRと共に表され、分枝状または非分枝状であり、好ましくは置換基に存在するC原子以外に多くても10個のC原子を持つ。置換基は、例えば、置換脂肪族炭化水素基Rについて上記したものである。置換基は、C原子上または酸素、硫黄または、特に、窒素上のいずれかにあることができる。
好ましい基は、例えば、1,2−エチレン、プロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル、3−(3−アミノ−プロピオニル)−3−アザ−ペンタン−1,5−ジイル、2−アミノ−ブタン−1,4−ジイル、1−アミノメチル−ブタン−1,4−ジイル、1−ヒドロキシメチル−ブタン−1,4−ジイル、3−ヒドロキシ−ペンタン−1,5−ジイル、1−ヒドロキシ−ヘキサン−1,5−ジイル、3−(2−アミノ−エチル)−ペンタン−1,5−ジイル、3−アザ−ペンタン−1,5−ジイル(−CH−CH−NH−CH−CH−)、3−アザ−2,4−ジメチル−ペンタン−1,5−ジイル(−CH−CH[CH]−NH−CH[CH]−CH−)、3−アミノ−3−アザ−ペンタン−1,5−ジイル(−CH−CH−N[NH]−CH−CH−)、1−アザ−ペンタン−1,5−ジイル、1−アザ−1−トルイルアミノカルボニル−ペンタン−1,5−ジイル、1−アザ−1−(メチルアミノ−チオカルボニル)−ペンタン−1,5−ジイル、1−アザ−1−(tert−ブチルアミノ−カルボニル)−ペンタン−1,5−ジイル、1−アザ−1−(シクロヘキシルアミノ−カルボニル)−ペンタン−1,5−ジイル、3−アザ−1−ヒドロキシ−ヘプタン−3,7−ジイル、3−アザ−1−シアノ−ヘプタン−3,7−ジイル、1−アミノ−3−アザ−ヘプタン−3,7−ジイル、3−(2−アミノ−エチル)−3−アザ−ペンタン−1,5−ジイル(−CH−CH−N[−CH−CH−NH]−CH−CH−)、1−カルバモイル−ブタン−1,4−ジイル、2−ホルミルアミノ−ペンタン−1,4−ジイル、2−アザ−ブタジエン−1,4−ジイル(−CH=CH−N=CH−)、2−アザ−3−ヒドロキシメチル−ブタジエン−1,4−ジイル(−CH=C[CHOH]−N=CH−)、2−アザ−1−ヒドロキシ−1−(4−メトキシ−フェニル−アミノ)−ヘプタン−2,7−ジイル{−(CH)−N[−CH(OH)−NH−C−OCH]−}または式
Figure 2007231023

式中、アルキレン鎖の2つの末端結合は自由原子価である、
の基である。
式Iの化合物の塩は、特に、有機または無機酸との酸付加塩、特に医薬的に許容できる非毒性塩である。適切な無機酸は、例えば、カルボン酸(好ましくは、炭酸塩または重炭酸塩の形態);ハロゲン化水素酸(hydrohalic acids)、例えば塩酸;硫酸;またはリン酸である。適切な有機酸は、例えば、カルボン酸、リン酸、スルホン酸またはスルファミン酸(sulfonamic acids)、例えば、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルコースモノカルボン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルカル酸、ガラクタール酸;アミノ酸、例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、N−メチルグリシン、アセチルアミノ酢酸、N−アセチルアスパラギンまたはN−アセチル−システイン、ピルビン酸、アセト酢酸、ホスホセリン、2−または3−グリセロリン酸、グルコース−6−リン酸、グルコース−1−リン酸、フルクトース−1,6−二リン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、シクロヘキサンカルボン酸、アダマンタンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、1−または3−ヒドロキシナフチル−2−カルボン酸、3,4,5−トリメトキシ安息香酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、4−アミノサリチル酸、フタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、桂皮酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、グルクロン酸、ガラクチュロン酸、メタン−またはエタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、2−、3−または4−メチルベンゼン−スルホン酸、メチル硫酸、エチル硫酸、ドデシル硫酸、N−シクロヘキシル−スルファミン酸、N−メチル−、N−エチル−またはN−プロピルスルファミン酸、または他の有機プロトン酸、例えばアスコルビン酸である。
少なくとも1つの遊離カルボキシル基を持つ式Iの化合物は、分子内塩または金属またはアンモニウム塩、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウム塩、またはアンモニアまたは第三級モノアミン、例えばトリエチルアミンまたはトリ(2−ヒドロキシエチル)−アミンまたは複素環塩基、例えばN−エチル−ピペリジンまたはN,N'−ジメチル−ピペラジンなどの適切な有機アミンとのアンモニウム塩を形成できる。
医薬的に不適切な塩、例えば、ピクリン酸塩または過塩素酸塩f単離または精製のために使用できる。(適切な用量で)医薬的に許容できる非毒性塩のみが治療的に使用されるので、好まれる。
新規化合物の遊離形態と、例えば新規化合物の精製またはその同定の際に中間体として使用できるような塩を含むその塩形態とは近縁であるため、適宜、上記および下記の遊離化合物は便宜上対応する塩も意味すると理解される。
式Iの化合物は、価値ある薬理学的に有用な特性を持つ。特に、これらは、薬理学的対象となる特異的阻害作用を示す。
式Iの化合物およびそれらの医薬的に許容できる塩は、酵素p34cdc2/サイクリンBcdc13キナーゼを阻害する。その他のcdc2−関連キナーゼとは別に、このキナーゼは、細胞分裂のある段階、特に、G期からS期への移行、特にG期からM期への移行を制御する。
真核細胞の周期は、経時順に、間期とM基を含む。間期では細胞が増大する。次に、経時順に、G期、S期およびG期を含む。G期(G=“ギャップ"、即ち合間)では、細胞中で生合成プロセスが進行する。S期(合成期)では、DNAが複製する。その後、細胞はG期に入り、有糸分裂の開始で終わる。
次に、M期は、経時順に、細胞核の分裂(有糸分裂)と細胞質の分裂(細胞質分裂)を含む。
上記の酵素p34cdc2/サイクリンBcdc13キナーゼの阻害は下記の実験により示すことができる:
ヒトデ卵母細胞を10μM1−メチル−アデニンによりM期へ導き、液体窒素中で凍結し、−80℃で貯蔵する。その卵母細胞を、必要に応じてD.Arion等、Cell 55、371-378(1988)およびV.RialetおよびL.Meijer、Anticancer Res.11,1581-1590(1991)に記載のようにホモジナイズし、遠心する。p34cdc2/サイクリンBcdc13キナーゼを精製するには、L.Azzi等、Eur.J.Biochem.203,353-360(1992)に記載のように、卵母細胞の上清を、組換えヒトタンパク質p9CKShsから製造したp9CSKhsセファロース顆粒中に入れる。一定に回転させながら4℃で30分後、顆粒を入念に洗浄し、活性なp34cdc2/サイクリンBcdc13キナーゼを遊離タンパク質p9CSKhs(3mg/ml)で溶出する。溶出したキナーゼをL.Meijer等、EMBO J.8,2275-2282(1989)およびEMBO J.10,1545-1554(1991)に記載のように、基質としてヒストンH1を用いて試験する。この試験では、式Iの化合物およびその医薬的に許容できる塩は、阻害濃度IC50[μmol/リットル]0.0005から4であり、普通は0.001から3である。
この事実から、式Iおよびその医薬的に許容できる塩は腫瘍や乾癬などの異常増殖疾患の処置に使用できると期待できる。
上記酵素p34cdc2/サイクリンBcdc13キナーゼの阻害作用に基づき既に期待できるように、式Iの化合物およびその医薬的に許容できる塩は、下記のその他の試験にて直接示され得る抗増殖特性を持つ:ここでは、式Iの化合物のヒトT24膀胱癌細胞の増殖に対する阻害作用を測定する。これらの細胞は、37℃および空気中5%容量COの加湿インキュベーター中、5%(v/v)のウシ胎児血清を加えた"イーグル最少必須培地"にてインキュベーションする。癌細胞(1000−1500)を96ウェルマイクロタイタープレートに接種し、上記の条件で一晩インキュベーションする。試験物質は、連続希釈にて1日目に添加する。プレートを上記の条件で5日間インキュベーションする。この期間中、対照の培地は、少なくとも4回の細胞分裂を経る。インキュベーション後、細胞を3.3%(W/V)水性グルタルアルデヒド溶液で固定し、水洗し、0.05%(重量/容量)水性メチレンブルー溶液で染色する。洗浄後、色素を3%(W/V)水性塩酸で溶出する。その後、細胞数に正比例する1ウェル当たりの光学密度(OD)を光度計(Titertek multiskan)により665nmで測定する。IC50価は、式
Figure 2007231023
を用いてコンピューターシステムにより計算する。
IC50価は、インキュベーション期間終了時点で1ウェル当たりの細胞数が対照培養物の細胞数のたった50%である場合の活性化合物の濃度と定義される。この方法で測定されるIC50価は、式Iの化合物およびそれらの医薬的に許容できる塩の場合およそ0.1から30μmol/リットルである。
式Iの化合物の抗腫瘍作用は、インビボでも示すことができる:
抗腫瘍作用を測定するには、ヒト膀胱腫瘍T24を皮下移植した雌Balb/cヌードマウスを使用する。0日目に、約25mgの固形腫瘍を経口Forene麻酔下でその動物の左わき腹の皮膚下に押し込み、小さい切り口を創傷鉗子で閉じる。移植後6日目に、マウスを無作為に1グループ6匹に分け、処置を開始する。その処置は、式Iの化合物のジメチルスルホキシド/ツイーン80/塩化ナトリウム溶液を様々な用量で毎日1回経口または腹腔内投与して15日間実施する。週に2回、腫瘍をスライドゲージで測定し、腫瘍体積を計算する。この試験では、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩の経口または腹腔内投与により、平均腫瘍体積が非処理対照動物と比較して顕著に低下する。
好ましい式Iの化合物は、式中、
qが1−5であり、
がハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシルまたは低級アルカノイルオキシ;非置換かまたはヒドロキシル、低級アルコキシまたはカルボキシルにより置換されている低級アルコキシ;式−O(−CH−CH−O)−R、式中、tは2〜5であり、Rは水素または低級アルキルである、の基;カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、ピペラジン−1−イル−カルボニルまたはカルバモイル;非置換かまたは低級アルキル部分でヒドロキシルまたはアミノにより置換されているN−低級アルキル−カルバモイル;N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、シアノ、ニトロ、アミノ、低級アルカノイルアミノ、低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、アミノスルホニルまたはトリフルオロメチルであり、ここで、基Rが分子中に1つ以上存在する場合、それらは互いに同じであっても、また異なっていてもよく、
が水素、カルバモイルまたはN−低級アルキル−カルバモイルであり、
mおよびnがそれぞれ0または1であるが、nが1ならばmは0であり、nが0ならばmは1であり、
が低級アルキルまたはフェニルであり、これらは非置換であるか、またはそれぞれヒドロキシル、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノまたはN,N−ジ−低級アルキルアミノにより置換されており、そして、
a)Rが水素、アミノ、フェニルアミノ、低級アルキルアミノ、ヒドロキシル、フェノキシ、低級アルコキシ;式Z−C(=W)−のアシル基、式中、Wは酸素、硫黄またはイミノであり、Zは、ヒドロカルビル基であるR、ヒドロカルビルオキシ基であるR−O−または式R(R)N−であり、式中、RはそれぞれC−Cアルキル、ヒドロキシ−C−Cアルキル、シアノ−C−Cアルキル、カルボキシ−C−Cアルキル、C−Cアルコキシカルボニル−C−Cアルキル、C−Cアルケニルまたはフェニルであり、RおよびRはお互いに独立してそれぞれ水素、低級アルキル、ω−アミノ−低級アルキル、低級アルキルスルホニルまたはフェニルである;
多くても29個のC原子を有する脂肪族炭化水素基、これはハロゲン、アミノ、低級アルキルアミノ、ω−アミノ−低級アルキルアミノ、低級アルカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ヒドロキシルアミノ、ヒドロキシルイミノ、低級アルコキシ−アミノ、フェニルオキシアミノ、アミノシクロヘキシル−アミノ−、アミノ−フェニル−アミノ−、カルバモイル−アミノ、(N−低級アルキル−カルバモイル)アミノ、(N−[ω−アミノ−低級アルキル]カルバモイル)−アミノ、(N−フェニル−カルバモイル)−アミノ、チオ、低級アルキルチオ、チオカルバモイル、チオウレイド、N−低級アルキル−チオウレイド、N−フェニル−チオウレイド、グアニジノ、N−低級アルキル−グアニジノ、カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、カルバモイル、アミジノ、シアノ、ヒドロキシル、低級アルコキシ、フェニルオキシ、アミノカルボニル−オキシ、オキソ、アミノスルホニル、低級アルキルスルホニル−アミノ、グリシルアミノ、アラニルアミノ、フェニルアラニルアミノ、プロリルアミノ、バリルアミノ、ロイシルアミノ、イソロイシルアミノ、セリルアミノ、トレオニルアミノ、システイニルアミノ、メチオニルアミノ、チロシルアミノ、トリプトファニルアミノ、アルギニルアミノ、ヒスチジニルアミノ、リジルアミノ、グルタミルアミノ、グルタミニルアミノ、アスパラギルアミノ、アスパラジニルアミノまたはフェニルグリシルアミノ;
ベンジル、2−フェニル−エチル、3−アミノメチル−ベンジル、(1−ヒドロキシ−シクロヘキシ−1−イル)−メチル、(2−アミノ−3,5,5−トリメチル−シクロペンチル)−メチル、1−[N−(1−カルボキシ−2−フェニル−エチル)−カルバモイル]−2−カルバモイル−エト−1−イル、1−カルバモイル−1−フェニル−メチル、1−カルバモイル−2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−エト−1−イル、1−カルバモイル−2−フェニル−エト−1−イル、2−アミノ−1,2−ジフェニル−エト−1−イル、2−ベンジルオキシカルボニル−1−カルバモイル−エト−1−イル、3−ベンジルオキシカルボニル−1−カルバモイル−プロプ−1−イル、1−アダマンチル−2−アミノ−プロプ−1−イル、1−アダマンチル−1−アミノ−プロプ−2−イル、(2−フリル)−メチル、(2−テトラヒドロフリル)−メチル、2−ピリド−2−イル−エチル、2−ピペリジノ−エチル、2−(モルホリン−4−イル)−エチル、2−(3−インドリル)−エチル、2−(4−イミダゾリル)−エチル、1−カルバモイル−2−(β−インドリル)−エト−1−イル、1−カルバモイル−2−イミダゾル−4−イル−エト−1−イル、1−カルバモイル−2−インドル−3−イル−エト−1−イル、3−アミノメチル−オキセタン−3−イル−メチル、1−(アセトキシ−イミノ)−1−(4−アミノ−2−オキサ−1,3−ジアゾル−5−イル)−メチル、2−アミノ−シクロヘキシ−1−イル、3−アミノ−シクロヘキシ−1−イル、2−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロペント−1−イル、3−アミノ−アダマンタン−1−イル、2−カルバモイル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−3−イル、2−カルバモイル−シクロヘキシ−1−イル、9−アミノ−スピロ[4.4]ノン−1−イル、5−アミノ−2−オキサ−1,3−ジアゾル−4−イル、4−アミノ−チエン−3−イル、3−カルバモイル−5−(3−[2,4−ジクロロ−フェニル]−1−オキソ−プロプ−2−エン−1−イル)−1,2−チアゾル−4−イル、3−カルバモイル−5−(3−[4−トリフルオロ−フェニル]−1−オキソ−プロプ−2−エン−1−イル)−1,2−チアゾル−4−イル、4−アミノ−2−(4−カルボキシ−ブチル)−テトラヒドロチオフェン−3−イル、3−アミノ−2−(4−カルボキシ−ブチル)−テトラヒドロチオフェン−4−イル、[1,2,5]オキサジアゾロ[3,4−b](6−アミノ−ピラジン−5−イル)、2,5'−ジアセチル−3−アミノ−チエノ[2,3−b]チオフェン−4'−イルまたは3−アミノ−2,5'−ジピバロイル−チエノ[2,3−b]−チオフェン−4'−イルであり、
がRとは独立して、水素を除いて上記Rのところで定義したとおりであるか、または、
b)RおよびRが共に、1,2−エチレン、プロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル、3−(3−アミノ−プロピオニル)−3−アザ−ペンタン−1,5−ジイル、1−アミノメチル−ブタン−1,4−ジイル、1−ヒドロキシメチル−ブタン−1,4−ジイル、3−(2−アミノ−エチル)−ペンタン−1,5−ジイル、3−アザ−ペンタン−1,5−ジイルまたは3−(2−アミノ−エチル)−3−アザ−ペンタン−1,5−ジイル、およびその塩である、
ようなものである。
別の好ましい式Iの化合物は、
qが1〜3であり、
が水素である、
ようなもの、およびその塩である。
別の好ましい式Iの化合物は、
qが1であり、
が3位にある塩素であり、
が水素であり、
mが0であり、
nが1であり、
がエチルであり、そして
a)Rが水素であり、
がアミノ、フェニルアミノ、低級アルキルアミノ、ヒドロキシル、フェノキシまたは低級アルコキシ;部分式Z−C(=W)−のアシル基、式中、Wは酸素、硫黄またはイミノであり、Zは、ヒドロカルビルR、ヒドロカルビルオキシR−O−または式R(R)N−であり、式中、RはそれぞれC−Cアルキル、ヒドロキシ−C−Cアルキル、シアノ−C−Cアルキル、カルボキシ−C−Cアルキル、C−Cアルコキシカルボニル−C−Cアルキル、C−Cアルケニルまたはフェニルであり、RおよびRはお互いに独立してそれぞれ水素、低級アルキル、ω−アミノ−低級アルキル、低級アルキルスルホニルまたはフェニルである;
2−カルバモイル−1−カルボキシ−エト−1−イル、3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロプ−1−イル、3−アミノ−プロプ−1−イル、3−アミノ−2,2−ジメチル−プロプ−1−イル、3−アミノ−2−オキソ−プロプ−1−イル、3−アミノ−1−カルボキシ−プロプ−1−イル、3−アミノ−3−カルボキシ−プロプ−1−イル、1,1−ジカルバモイル−メチル、2−カルバモイル−エト−1−イル、3−アミノ−1,3−ジ−ヒドロキシルイミノ−プロプ−1−イル、2−カルバモイル−1−ヒドロキシルイミノ−エト−1−イル、1−ヒドロキシルイミノ−2−チオカルバモイル−エト−1−イル、3−アミノ−3−ヒドロキシルイミノ−1−チオ−プロプ−1−イル、3−アミノ−ペント−1−イル、1−アミノ−ペント−3−イル、1−アミジノ−1−カルバモイル−メチル、4−アミノ−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタフルオロ−ペント−2−イル、3−アミノ−1,3−ジカルボキシ−プロプ−1−イル、2−カルバモイル−1−エトキシカルボニル−エト−1−イル、2−アミノ−1,2−ジチオ−エト−1−イル、2−アミノ−1,2−ジオキソ−エト−1−イル、2−アミノ−2−メチル−プロプ−1−イル、1−アミノ−2−メチル−プロプ−2−イル、2−アミノ−プロプ−1−イル、1−アミノ−プロプ−2−イル、2−アミノ−エト−1−イル、2−アミノ−2−カルボキシ−エト−1−イル、2−アミノ−1−カルボキシ−エト−1−イル、カルバモイル−メチル、1−カルバモイル−3−メチル−ブト−1−イル、2−アミノ−1,2−ジカルボキシ−エト−1−イル、1−カルバモイル−3−メチルチオ−プロプ−1−イル、1−カルバモイル−2−メチルプロプ−1−イル、1−カルバモイル−エト−1−イル、1−カルバモイル−1−シアノ−メチル、1−カルバモイル−3−カルボキシ−3−フルオロ−プロプ−1−イル、1−カルバモイル−2−カルボキシ−エト−1−イル、2−アミノ−4−カルボキシブト−1−イル、1−アミノ−4−カルボキシ−ブト−2−イル、1−カルバモイル−4−グアニジノ−ブト−1−イル、1−カルバモイル−5−アミノ−ペント−1−イル、1−カルバモイル−2−ヒドロキシプロプ−1−イル、1−カルバモイル−2−メチル−ブト−1−イル、1−カルバモイル−2−ヒドロキシ−エト−1−イル、1,3−ジカルバモイルプロプ−1−イル、2−アミノ−ブト−1−イル、1−アミノ−ブト−2−イル、1−カルバモイル−ペント−1−イル、1−カルバモイル−ブト−1−イル;
ベンジル、2−フェニル−エチル、3−アミノメチル−ベンジル、(1−ヒドロキシ−シクロヘキシ−1−イル)−メチル、(2−アミノ−3,5,5−トリメチル−シクロペンチル)−メチル、1−[N−(1−カルボキシ−2−フェニル−エチル)−カルバモイル]−2−カルバモイル−エト−1−イル、1−カルバモイル−1−フェニル−メチル、1−カルバモイル−2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−エト−1−イル、1−カルバモイル−2−フェニル−エト−1−イル、2−アミノ−1,2−ジフェニル−エト−1−イル、2−ベンジルオキシカルボニル−1−カルバモイル−エト−1−イル、3−ベンジルオキシカルボニル−1−カルバモイル−プロプ−1−イル、1−アダマンチル−2−アミノ−プロプ−1−イル、1−アダマンチル−1−アミノ−プロプ−2−イル、(2−フリル)−メチル、(2−テトラヒドロフリル)−メチル、2−ピリド−2−イル−エチル、2−ピペリジノ−エチル、2−(モルホリン−4−イル)−エチル、2−(3−インドリル)−エチル、2−(4−イミダゾリル)−エチル、1−カルバモイル−2−(β−インドリル)−エト−1−イル、1−カルバモイル−2−イミダゾル−4−イル−エト−1−イル、1−カルバモイル−2−インドル−3−イル−エト−1−イル、3−アミノメチル−オキセタン−3−イル−メチル、1−(アセトキシ−イミノ)−1−(4−アミノ−2−オキサ−1,3−ジアゾル−5−イル)−メチル、2−アミノシクロヘキシ−1−イル、3−アミノ−シクロヘキシ−1−イル、2−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロペント−1−イル、3−アミノ−アダマンタン−1−イル、2−カルバモイル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−3−イル、2−カルバモイル−シクロヘキシ−1−イル、9−アミノ−スピロ[4.4]ノン−1−イル、5−アミノ−2−オキサ−1,3−ジアゾル−4−イル、4−アミノチエン−3−イル、3−カルバモイル−5−(3−[2,4−ジクロロ−フェニル]−1−オキソ−プロプ−2−エン−1−イル)−1,2−チアゾル−4−イル、3−カルバモイル−5−(3−[4−トリフルオロ−フェニル]−1−オキソ−プロプ−2−エン−1−イル)−1,2−チアゾル−4−イル、4−アミノ−2−(4−カルボキシ−ブチル)−テトラヒドロチオフェン−3−イル、3−アミノ−2−(4−カルボキシ−ブチル)−テトラヒドロチオフェン−4−イル、[1,2,5]オキサジアゾロ[3,4−b](6−アミノ−ピラジン−5−イル)、2,5'−ジアセチル−3−アミノ−チエノ[2,3−b]チオフェン−4'−イルまたは3−アミノ−2,5'−ジピバロイル−チエノ[2,3−b]チオフェン−4'−イルであるかまたは、
b)RおよびRは共に、1,2−エチレン、プロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル、3−(3−アミノ−プロピオニル)−3−アザ−ペンタン−1,5−ジイル、1−アミノメチル−ブタン−1,4−ジイル、1−ヒドロキシメチル−ブタン−1,4−ジイル、3−(2−アミノ−エチル)ペンタン−1,5−ジイル、3−アザ−ペンタン−1,5−ジイルまたは3−(2−アミノ−エチル)−3−アザ−ペンタン−1,5−ジイルである、
ようなもの、およびその塩である。
特に好ましい式Iの化合物は、
qが1〜3であり、
がハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、トリフルオロアセチル−アミノまたはベンジルオキシカルボニルアミノ;非置換か、またはフェニル部分で塩素により置換されているベンゾイルアミノ;非置換か、または低級アルキル部分でヒドロキシルにより置換されているN−低級アルキル−カルバモイル;またはトリフルオロメチルであり、ここで、基Rが1つ以上分子中に存在するならば、それらは互いに同じであっても、また異なっていてもよく、
が水素であり、
mおよびnがそれぞれ0または1であるが、nが1ならばmは0であり、nが0ならばmは1であり、
が非置換か、またはヒドロキシルにより置換されている低級アルキルであり、そして
a)Rが水素、低級アルキルまたはヒドロキシ−低級アルキルであり、
がシクロヘキシル、低級アルキル−シクロヘキシル、ヒドロキシ−シクロヘキシル、アミノ−シクロヘキシル、アミノ−フェニル、ヒドロキシメチル−シクロペンチル、アダマンチルまたはアミノ;またはアミノ、低級アルカノイルアミノ、低級アルキルアミノ、ω−アミノ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシル、低級アルコキシ、フェニル、アミノ−フェニル、アミノメチル−フェニル、2−フリル、2−テトラヒドロフリル、2−ピリジル、ピペリジノ、モルホリン−4−イル、3−インドリル、メルカプト、1−ヒドロキシ−シクロヘキシ−1−イル、シアノ、カルバモイルまたは4−イミダゾリルにより置換されている低級アルキルであるか、または
b)RおよびRが共に、アルキレンまたはアルケニレン部分に多くても10個のC原子を持ち、非置換かまたはシアノ、ヒドロキシル、シクロヘキシルアミノカルボニル、トリルアミノカルボニル、1−ヒドロキシ−1−(メトキシフェニルアミノ)メチル、低級アルキルアミノ−カルボニル、低級アルキルアミノ−チオカルボニル、カルバモイル、低級アルカノイルアミノまたはアミノにより置換されているアルキレンまたはアルケニレン基、ここで1個のC原子は窒素で置換されていてもよい、であるか、または式
Figure 2007231023

式中、アルキレン鎖の2つの末端結合は自由原子価である、
の基である、
ようなもの、およびそれらの塩である。
特に好ましい式Iの化合物は、式中、
qが1〜3であり、
がハロゲン、低級アルキルまたは低級アルコキシ;低級アルキル部分でヒドロキシルにより置換されているN−低級アルキル−カルバモイル;またはトリフルオロメチルであり、ここで基Rが1つ以上分子中に存在するならば、それらは互いに同じであっても、また異なっていてもよく、
が水素であり、
mおよびnがそれぞれ0または1であるが、nが1ならばmは0であり、nが0ならばmは1であり、
が非置換か、またはヒドロキシルにより置換されている低級アルキルであり、そして
a)Rが水素またはヒドロキシ−低級アルキルであり、
が2−アミノ−シクロヘキシル;またはアミノ、低級アルキルアミノ、ω−アミノ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシル、低級アルコキシ、フェニル、3−アミノメチル−フェニル、2−フリル、2−テトラヒドロフリル、2−ピリジル、ピペリジノ、モルホリン−4−イル、3−インドリル、メルカプト、1−ヒドロキシ−シクロヘキシ−1−イルまたは4−イミダゾリルにより置換されている低級アルキルであるか、または、
b)RおよびRが共に、多くても10個のC原子を持ち、非置換かまたはヒドロキシルまたはアミノにより置換されているアルキレン基、ここで1個のC原子は窒素で置換されていてもよい、である
のようなもの、およびそれらの塩である。
実施例に記載した式Iの化合物およびそれらの医薬的に許容できる塩が最も好ましい。
式Iの化合物およびそれらの医薬的に許容できる塩は、それ自身既知の方法により製造し、例えば、
a)式IIの化合物
Figure 2007231023

式中、Yは適切な脱離基であり、その他の置換基および記号は、上記式Iのところで定義したとおりであり、この化合物中に存在する遊離の官能基は、必要ならば、容易にはずせる保護基で保護する、を式IIIの化合物
Figure 2007231023

式中、置換基は、上記式Iのところで定義したとおりであり、この化合物中に存在する遊離の官能基は、必要ならば、容易にはずせる保護基で保護するか、または潜在的官能性の素因により、官能基へ変換できる形態である、と反応させ、存在する保護基をはずし、必要ならば、官能基を式Iの最終形態へ変換するか、または、
b)式Vの化合物
Figure 2007231023

式中、置換基および記号は、上記式Iのところで定義したとおりであり、この化合物中に存在する遊離の官能基は、必要ならば、容易にはずせる保護基で保護する、を式VIの化合物
Figure 2007231023

式中、Yは適切な脱離基であり、
は上記式Iのところで定義したとおりであり、R中に存在する遊離の官能基は、必要ならば、容易にはずせる保護基で保護する、と反応させ、存在する保護基をはずし、
そして、工程a)またはb)を実施した後、塩の製造が必要ならば、得られた遊離の式Iの化合物を塩に変換するか、または遊離化合物の製造が必要ならば、得られた式Iの化合物の塩を遊離化合物へ変換することによる。
上記工程を下記により詳細に説明する:
工程a)
式IIの出発物質に適した脱離基Yは、好ましくは、臭素、ヨウ素または特に塩素などのハロゲンである。
式Iの目的物質は、式Iの他の目的物質を製造する場合の出発物質の保護基としても使用できる置換基を含有できる。よって、その他の意味が前後関係から明らかでない限り、本明細書中の"保護基”は、容易にはずすことができ、式Iの格別望ましい目的物質の構成要素ではない基のみである。
保護基とその導入およびその取りはずしは、例えば、“Protective Groups in Organic Chemistry",Plenum Press,London,New York 1973や"Methoden der organischen Chemie"[Methods of Organic Chemistry],Houben-Weyl,4th Edition,Volumn 15/1,Georg-Thieme-Verlag,Stuttgart 1974およびT.W.Greene,"Protective Groups in Organic Synthesis",John Wiley & Sons,New York 1981に記載されている。保護基の特性は、不要な副反応を起こすことなく、例えば、加溶媒分解、還元、光分解により、または生理的条件下で容易にはずすことができることである。
式IIの出発物質の遊離官能基の保護は、たいてい必要ない。所望ならば、基R中の遊離のカルボキシルまたはアミノ基あるいは基R中の遊離のアミノ基を保護してもよい。
式IIIの出発物質の場合、所望ならば、例えば、反応に関与するアミノ基以外の遊離のアミノ基、または遊離のカルボキシル基は保護形態で存在できる。式IIIのアミン中の、例えば、エチレンジアミン中の幾つかの官能基、例えば、第2アミノ基の保護は、大過剰の式IIIのアミンを採用すれば避けることができる。しかしながら、特に脱離基などの官能基、例えばハロゲンまたはトルエンスルホネートは、潜在的官能性の素因により、式Iに準ずる官能基の1つに変換できるような形態で存在することもできる。そのため、まずアミノ保護基をはずすことにより保護したアミノ基を遊離させることができ、次いで、遊離のアミノ基をそれ自身既知の方法でアジドを経てトルエンスルホネートまたはハロゲンへ変換することができる。
保護したアミノ基は、例えば、容易にはずすことができるアシルアミノ、アリールメチルアミノ、エーテル化メルカプトアミノまたは2−アシル−低級アルク−1−エン−イル−アミノ基の形態であることができる。
対応するアシルアミノ基では、アシルは、例えば、多くても18個の炭素原子を有する有機カルボン酸、特に、非置換かまたは、例えばハロゲンまたはアリールにより置換されているアルカンカルボン酸のアシル基、または非置換かまたは、例えばハロゲン、低級アルコキシまたはニトロにより置換されている安息香酸のアシル基、またはカルボン酸半エステルのアシル基である。このようなアシル基は、例えば、ホルミル、アセチルまたはプロピオニルなどの低級アルカノイル、2−ハロアセチルなどのハロ−低級アルカノイル、特に、2−クロロ−、2−ブロモ−、2−ヨード−、2,2,2−トリフルオロ−または2,2,2−トリクロロアセチル、非置換かまたは、例えばハロゲン、低級アルコキシまたはニトロにより置換されているベンゾイル、例えば、ベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−メトキシベンゾイルまたは4−ニトロベンゾイル、または低級アルキル基の1位で分枝しているかまたは1または2位で適切に置換されている低級アルコキシカルボニル、特に、tert−低級アルコキシカルボニル、例えば、tert−ブチルオキシカルボニル、1または2つのアリール基をもつアリールメトキシカルボニルであり、これらは好ましくは、非置換かまたは、例えば低級アルキル、特にtert−ブチルなどのtert−低級アルキル、メトキシなどの低級アルコキシ、ヒドロキシル、ハロゲン、例えば塩素、および/またはニトロでモノ−またはポリ置換されているフェニル、例えば、非置換または置換ベンジルオキシカルボニル、例えば、4−ニトロ−ベンジルオキシカルボニル、または非置換または置換ジフェニルメトキシカルボニル、例えば、ベンズヒドリルオキシカルボニルまたはジ−(4−メトキシフェニル)−メトキシカルボニル、アロイル基が好ましくは非置換かまたは、例えば臭素などのハロゲンにより置換されているベンゾイルであるアロイルメトキシカルボニル、例えば、フェナシクロキシカルボニル、2−ハロ−低級アルコキシカルボニル、例えば、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−ブロモエトキシカルボニルまたは2−ヨードエトキシカルボニル、または2−(トリ置換シリル)−エトキシカルボニル、ここで置換基は互いに独立して、それぞれ多くても15個のC原子をもち、非置換かまたは、例えば低級アルキル、低級アルコキシ、アリール、ハロゲンまたはニトロで置換されている脂肪族、araliphatic、シクロ脂肪族または芳香族炭化水素基、例えば、対応する非置換または置換低級アルキル、フェニル低級アルキル、シクロアルキルまたはフェニル、例えば、2−トリ−低級アルキルシリルエトキシカルボニル、例えば、2−トリメチルシリル−エトキシカルボニルまたは2−(ジ−n−ブチル−メチル−シリル)−エトキシカルボニルまたは2−トリアリールシリル−エトキシカルボニル、例えば2−トリフェニルシリルエトキシカルボニルである。
モノ−、ジ−または特にトリアリールメチルアミノ基であるアリールメチルアミノ基では、アリール基は、特に、置換または非置換フェニル基である。かかる基は、例えば、ベンジル−、ジフェニルメチル−および特にトリチルアミノである。
このような基で保護されたアミノ基中のエーテル化メルカプト基は、特に、アリールチオまたはアリール低級アルキルチオであり、ここでアリールは、特に非置換かまたは、例えばメチルまたはtert−ブチルなどの低級アルキル、メトキシなどの低級アルコキシ、塩素などのハロゲン、および/またはニトロにより置換されているフェニルである。対応するアミノ保護基は、例えば4−ニトロフェニルチオである。
アミノ保護基として使用できる2−アシル−低級アルク−1−エン−1−イル基では、アシルは、例えば、低級アルカンカルボン酸の対応する基、非置換かまたは、例えばメチルまたはtert−ブチルなどの低級アルキル、メトキシなどの低級アルコキシ、塩素などのハロゲンおよび/またはニトロにより置換されている安息香酸の対応する基、または特に、カルボン酸低級アルキル半エステルなどのカルボン酸半エステルの対応する基である。対応する保護基は、特に1−低級アルカノイル−プロプ−1−エン−2−イル、例えば、1−アセチル−プロプ−1−エン−2−イル、または1−低級アルコキシカルボニル−プロプ−1−エン−2−イル、例えば、1−エトキシカルボニル−プロプ−1−エン−2−イルである。
好ましいアミノ保護基は、カルボン酸半エステルのアシル基、特に、tert−ブチルオキシカルボニル、非置換または置換ベンジルオキシカルボニル、例えば定義のとおり、例えば4−ニトロ−ベンジルオキシカルボニル、またはジフェニルメトキシカルボニル、または2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルなどの2−ハロ−低級アルコキシカルボニル、更にはトリチルまたはホルミルである。
好ましい保護カルボキシル基は、例えば、非置換かまたは置換されたtert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルまたはジフェニルメトキシカルボニル、または2−トリメチルシリル−エトキシカルボニルである。
式IIの誘導体と式IIIのアミン誘導体との反応は、適切な不活性溶媒中で実施できる。しかしながら、可能ならば式IIIのアミンの物理的性質に基づき、好ましくは外来溶媒を用いずに反応を実施し、式IIIのアミンを試薬と溶媒の両方として大過剰で、例えば、百倍等量で使用する。
特定の反応物の性質、特に脱離基Yの正確な性質や式IIIの特定のアミンの反応性などにもよるが、反応は20℃から200℃の間、好ましくは+50℃から+180℃の間で、例えば還流下で実施する。Yが塩素であり、式IIIのアミンがエチレンジアミンなどの脂肪族アミンである場合、反応は、好ましくは+80℃から+150℃の間、例えば150℃の浴温で実施する。
式Iの望ましい目的生成物の構成要素でない保護基は、それ自身既知の方法で、例えば、加溶媒分解、特に加水分解、加アルコール分解により、または還元、特に水素化分解または化学的還元により、必要ならば段階的にまたは同時にはずす。
保護アミノ基は、保護基の性質によるが、それ自身既知の方法や別法で、好ましくは加溶媒分解または還元により遊離させる。2−ハロ−低級アルコキシカルボニルアミノ(適当ならば、2−ブロモ−低級アルコキシカルボニルアミノ基から2−ヨード−低級アルコキシカルボニルアミノ基への変換の後)、アロイルメトキシカルボニルアミノまたは4−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノを、例えば、水性酢酸などの適切なカルボン酸の存在下、亜鉛などの適切な化学還元剤で処理することにより分けることができる。アロイルメトキシカルボニルアミノは、求核試薬、好ましくは塩形成試薬、例えば、チオフェノール酸ナトリウムでの処理によっても分けることができ、4−ニトロ−ベンジルオキシカルボニルアミノは、アルカリ金属亜ジチオン酸塩、例えば、亜ジチオン酸ナトリウムでの処理によって分けることができる。置換または非置換ジフェニルメトキシカルボニルアミノ、tert−低級アルコキシカルボニルアミノまたは2−トリ置換シリルエトキシカルボニルアミノは、適切な酸、例えば、ギ酸またはトリフルオロ酢酸での処理により分けることができ、置換または非置換ベンジルオキシカルボニルアミノは、例えば水素化分解により、即ち、パラジウム触媒などの適切な水素化触媒の存在下、水素で処理することにより分けることができ、トリアリールメチルアミノまたはホルミルアミノは、適切ならば水の存在下で例えば、無機酸、例えば塩酸、または有機酸、例えばギ酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸で処理することにより分けることができ、有機シリル基により保護したアミノ基は、例えば加水分解または加アルコール分解により遊離させることができる。2−ハロアセチル、例えば2−クロロアセチルにより保護したアミノ基は、塩基の存在下チオ尿素で、または尿素のアルカリ金属チオール酸塩などのチオール酸塩で処理し、続いて生じた縮合生成物の加アルコール分解または加水分解などの加溶媒分解により遊離させることができる。2−置換シリルエトキシカルボニルにより保護したアミノ基もまた、フッ化物アニオンを供給するフッ化水素酸で処理することにより遊離のアミノ基へ変換することができる。
Yが塩素である式IIの出発物質は、下記の2段階で得られる:
第1段階では、市販の(例えば、Lancaster,AldrichまたはFluka社から)互変異性形態2,6−ジクロロ−9H−プリンと2,6−ジクロロ−7H−プリンの混合物の形態である2,6−クロロ−プリンを、式IVのアミン
Figure 2007231023

式中、q、RおよびRは上記定義のとおりである、
と反応させて、式VIIの化合物
Figure 2007231023

式中、Yは塩素であり、その他の置換基および記号は式Iのところで定義したとおりである、
を得る。
この反応は、特にアルカノール、例えばペンタノールなどの不活性有機溶媒中、好ましくは室温から+150℃の間の温度、例えば100℃の浴温で、過剰、例えば、3〜4倍等量の式IVのアミンを採用して実施する。
第2段階では、工程b)と同様に式VIIの化合物を式VIの化合物と反応させて、Yが塩素である式IIの化合物を得る。
Yが別の脱離基である、即ち塩素でない式IIの出発物質は、同様の方法で得られる。
工程b)
式VまたはVIの出発物質では、所望ならば、例えば遊離のアミノ基が保護形態中に存在してもよい。
式VIの出発物質において適切な脱離基Yは、好ましくは塩素、臭素また特にヨウ素などのハロゲンである。
式VとVIの誘導体間の反応は、適切な不活性溶媒、例えば、好ましくはジメチルホルムアミドまたはジメチルホルムアミドと水の混合物中、好ましくは容量比9:1で、かつ好ましくは炭酸カリウムまたは炭酸セシウム、例えば、式Vの化合物の量に対して2倍モル量の炭酸セシウムの存在下、好ましくは0℃から150℃の反応温度、例えば室温で実施する。式VIの誘導体は、好ましくは過剰に、例えば5倍モル量で用いる。
式Vの出発物質は、工程a)と同様に式IIIのアミンを用いて式VIIの化合物から得られる。
一般操作条件:
この操作により得られ、塩形成特性を有する式Iの遊離化合物は、それ自身既知の方法で、例えば、酸またはその適切な誘導体で処理することにより、例えば、適切な溶媒に、例えば環状エーテルなど、特にジオキサン、更にはテトラヒドロフランに溶解した式Iの化合物に当該酸を添加することにより、その塩へと変換できる。酸基、例えば遊離のカルボキシル基を持つ式Iの化合物は、塩形成のために、例えば、適切な塩基、例えば水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩で処理する。
本発明に従い入手可能な異性体混合物は、それ自身既知の方法で個々の異性体へ分離でき、例えば、ラセミ体は、光学的に純粋な塩形成試薬による塩の形成およびそうして得られたジアステレオマーの例えば分別結晶による調製により分離できる。
上記反応は、それ自身既知の反応条件下、溶媒または希釈剤、好ましくは使用した試薬に対して不活性であり、それらを溶解するものの不在下、普通は存在下、反応および/または反応参加物の性質によるが、触媒、縮合剤(例えば五酸化リン)または中和剤、例えば塩基、特にトリエチルアミンヒドロクロリドなどの窒素塩基の不在下または存在下、低い温度、正常温度または高い温度、例えば、約−80℃から約200℃、好ましくは約−20℃から約150℃の温度範囲、例えば使用した溶媒の沸点で、大気圧下または密閉容器内、適切ならば加圧下、および/または不活性雰囲気下、例えば窒素雰囲気下で実施できる。
それぞれの場合で具体的に記載した反応条件が好まれる。
溶媒と希釈剤は、例えば、水、アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノールまたは特にブタノールなどの水酸化低級アルキル、エチレングリコールなどのジオール、グリセロールなどのトリオール、またはフェノールなどのアリールアルコール、酸アミド、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドまたは1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)などのカルボン酸アミド、カルボン酸、特にギ酸または酢酸、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどの無機酸のアミド、エーテル、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサンなどの環状エーテル、またはジエチルエーテルまたはエチレングリコールジメチルエーテルなどの非環式エーテル、ハロ低級アルカンなどのハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレンまたはクロロホルム、アセトンなどのケトン、アセトニトリルなどのニトリル、無水酢酸などの酸無水物、酢酸エチルなどのエステル、ジメチルスルホキシドなどのビスアルカンスルフィン、ピリジンなどの窒素含有複素環式化合物、炭化水素、例えばヘプタンなどの低級アルカン、またはベンゼン、トルエンまたはキシレンなどの芳香族、またはこれら溶媒の混合物であり、適切な溶媒を上記反応の各場合で選択することが可能である。
式Iの化合物またはそれらの塩を得るためには、常法、例えば、過剰の試薬の加溶媒分解;再結晶;クロマトグラフィー、例えば、分配、イオンまたはゲルクロマトグラフィー;無機および有機溶媒相の分配;1または数回の抽出、特に、酸性化後または塩基度または塩含量の増大後の抽出;吸湿性塩による乾燥;蒸解;濾過;洗浄;溶解;蒸発濃縮(必要ならば、真空下または高減圧下);蒸留;結晶化、例えば、母液から油状または泡状形態で得られた化合物の結晶化で、その生成物を目的生成物の種晶とすることも可能である;または上記2つ以上の操作段階の組み合わせを使用し、これらは繰り返し採用することもできる。
出発物質および中間体は、例えば上記操作後に純粋な形態、部分的に純粋な形態またはその他で、粗生成物として直接使用できる。
式Iの化合物の遊離形態と塩形態とは近縁であるため、適宜、上記および下記の遊離化合物とその塩は便宜上、対応する塩あるいはその化合物が塩形成基を含有するならば遊離化合物も意味すると理解される。
その塩を含む化合物は、水和物の形態で得ることもでき、またはその結晶は例えば結晶化の際に使用した溶媒を含むことができる。
特に価値のある上記式Iの新規化合物を導くこれらの出発物質は、好ましくは本発明の方法において使用される。
本発明は、また、いずれかの操作段階の中間体として入手可能な化合物を出発物質として使用して欠けている操作段階を実施するか、または出発物質を反応条件下で形成させるか、または誘導体、例えばその塩の形態で使用するような工程の実施形態にも関連する。
本発明は、式II
Figure 2007231023

式中、Yは適切な保護基であり、その他の置換基および記号は、上記式Iの化合物のところで定義したとおりであり、その中の遊離官能基は、必要ならば容易にはずすことができる保護基により保護されている、
の化合物にも関連し、これらは、式Iの化合物を製造するための出発物質としても使用できる。
本発明はまた、式Iの化合物を製造するための出発物質としての式V
Figure 2007231023

式中、置換基および記号は、式Iのところで定義したとおりであり、その中に存在する遊離官能基は、必要ならば、容易にはずすことができる保護基により保護されている、
の化合物にも関連する。
本発明はまた、有効成分として式Iの化合物の1つを含み、特に上記疾患の処置に使用できる医薬組成物にも関連する。特に好ましい組成物は、温血動物、特にヒトへ経鼻、口内、直腸、または特に経口などの経口投与するためのもの、並びに静脈内、筋肉内または皮下などの非経口投与するためのものである。この組成物は有効成分を単独で、または好ましくは医薬的に許容できる担体と共に含む。有効成分の投与量は、処置する疾患や種別、年齢、その体重および個々の状態、処置する疾患の個々の薬物動態環境および投与様式によってかわる。
本発明はまた、ヒトまたは動物身体の治療的処置法に使用するための医薬組成物、その(特に、腫瘍処置用組成物としての)製法、および特に上記の腫瘍疾患の処置法にも関連する。
タンパク質キナーゼの阻害に応答する疾患、例えば乾癬または腫瘍を罹病している温血動物、特にヒトへの投与に適した医薬組成物は、タンパク質キナーゼの阻害に有効な量の式Iの化合物または塩形成基が存在するならばその塩を、少なくとも1つの医薬的に許容できる担体と共に含む。
医薬組成物は約1%から約95%の有効成分を含み、単回投与形態は好ましくは約20%から約90%の有効成分を含み、更に、単回投与形態以外の投与形態は好ましくは約5%から約20%の有効成分を含む。用量ユニットは、例えば、コーティング化錠剤、錠剤、アンプル、バイアル、坐剤またはカプセルである。その他の投与形態は、例えば、軟膏、クリーム、ペースト、泡沫、チンキ剤、リップスティック、ドロップ、スプレー、分散剤などである。
実施例は、有効成分を約0.05gから約1.0g含有するカプセルである。
本発明の医薬組成物は、それ自身既知の方法、例えば、常用の混合、造粒、コーティング、溶解または凍結乾燥工程により製造する。
好ましくは、有効成分の液剤、更には懸濁剤または分散剤、特に等張性の水性液剤、分散剤または懸濁剤を使用し、これらは、例えば有効成分を単独でまたは担体、例えばマンニトールと共に含む凍結乾燥組成物の場合、使用前に調製することが可能である。この医薬組成物は滅菌することもでき、および/または賦形剤、例えば、保存剤、安定化剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調節するための塩類および/または緩衝剤を含んでいてもよく、更に、これらはそれ自身既知の方法で、例えば、常用の溶解または凍結乾燥工程により製造する。上記の液剤または懸濁剤は、増粘物質、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドンまたはゼラチンを含んでいてもよい。
油中懸濁剤は、油状成分として、注射用の植物油、合成油または半合成油を含む。油状物として挙げられるものは、特に、酸成分として炭素原子8〜22個、特に12〜22個を有する長鎖脂肪酸、例えば、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリチスル酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘン酸または対応する不飽和酸、例えばオレイン酸、エライジン酸、ユーリン酸(euric acid)、ブラシジン酸またはリノール酸を含有する液体脂肪酸エステルであり、適宜、抗酸化剤、例えばビタミンE、β−カロテンまたは3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエンを添加する。これらの脂肪酸エステルのアルコール成分は、多くても6個の炭素原子を持ち、一価または多価アルコール、例えば一価、二価または三価アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールまたはペンタノールまたはその異性体であるが、特にグリコールとグリセロールである。そのため、脂肪酸エステルは、例えば、オレイン酸エチル、ミリスチル酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、"Labrafil M 2375"(パリのGattefosse社のトリオレイン酸ポリオキシエチレングリセロール)、"Labrafil M 1944 CS"(フランス、Gattefosse社;アプリコット種油の加アルコール分解により調製され、グリセライドとポリエチレングリコールエステルからなる不飽和ポリグリコール酸グリセライド)、"Labrasol"(フランス、Gattefosse社;TCMの加アルコール分解により調製され、グリセライドとポリエチレングリコールエステルからなる飽和ポリグリコール酸グリセライド)および/または"Miglyol 812"(ドイツ、Huls AG社の鎖長CからC12の飽和脂肪酸のトリグリセライド)や、特に、植物油、例えば、綿種子油、アーモンド油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、大豆油、特にアメリカホドイモ油である。
注射用組成物の製造は、滅菌条件下、常法、例えば、アンプルまたはバイアルへの充填や容器の封止により、実施する。
例えば、経口用途の医薬組成物は、有効成分と1またはそれ以上の固形担体とを配合し、適宜、得られた混合物を造粒し、所望ならば、その混合物または顆粒を錠剤またはコーティング化錠剤コアに加工し、適宜更なる賦形剤を添加することにより得られる。
適切な担体は、特に、糖などの充填剤、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトール、セルロース調製物および/またはリン酸カルシウム、例えば、リン酸三カルシウム、またはリン酸水素カルシウム、更に澱粉などの結合剤、例えば、トウモロコシ、コムギ、コメまたはジャガイモ澱粉、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン、および/または所望ならば、上記の澱粉などの崩壊剤、更にはカルボキシメチル澱粉、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸またはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムである。その他の賦形剤は、特に、流出調整剤および滑沢剤、例えば珪酸、タルク、ステアリン酸またはその塩、例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレングリコールまたはそれらの誘導体である。
コーティング化錠剤コアは、適宜、胃液に抵抗する適切なコーティングを提供できるものであり、使用されるコーティングは、とりわけ、適宜、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタンを含む濃縮糖溶液、適切な有機溶媒または溶媒混合物中のコーティング溶液、または胃液に抵抗するコーティングを調製する場合は、適切なセルロース調製物の溶液、例えば、フタル酸アセチルセルロースまたはフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。例えば、様々な用量の有効成分を同定または特性化するために、色素または顔料を錠剤またはコーティング化錠剤コーティングに混ぜてもよい。
経口使用できる医薬組成物はまた、硬ゼラチンカプセルや軟密閉ゼラチンカプセルおよび可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトールである。硬カプセルは、トウモロコシ澱粉などの充填剤、結合剤および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、および適宜安定化剤と混和した顆粒の形態で含有できる。軟カプセルでは、好ましくは有効成分を適切な液体賦形剤、例えば脂肪性油、パラフィン油または液体ポリエチレングリコールまたはエチレングリコールまたはプロピレングリコールの脂肪酸エステルに溶解または懸濁させ、これにも同様に、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型の安定化剤や洗剤を加えることが可能である。
その他の経口投与形態には、例えば、常法で調製されるシロップがあり、これは、有効成分を例えば懸濁形態かつ約5%ないし20%、好ましくは約10%の濃度で、または5または10mlを割り当てた場合、適切な単位用量をもたらす同様の濃度で含む。その他の形態には、例えば、振盪物(shakes)、例えばミルクセーキの調製用の微粉または液体濃縮物もある。このような濃縮物は、用量ユニット量でもパッケージできる。
直腸使用できる医薬組成物は、例えば、有効成分を坐剤用基剤と組み合わせて含む坐剤である。適切な坐剤用基剤は、例えば、天然または合成トリグリセライド、パラフィン炭化水素、ポリエチレングリコールまたは高級アルカノールである。
非経口投与に適した組成物は、特に、水可溶性形態の有効成分の水性溶液、例えば水可溶性塩の水性溶液、または水性注射用懸濁液であり、これらは増粘物質、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールおよび/またはデキストランと、適宜安定化剤を含む。有効成分は、適宜、賦形剤と共にここでは凍結乾燥形態でも存在でき、非経口投与の前に適切な溶媒を添加して溶解させることもできる。
例えば、非経口投与に使用されるような溶液は、点滴溶液としても使用できる。
好ましい保存剤は、例えば、アスコルビン酸などの抗酸化剤またはソルビン酸または安息香酸などの抗菌剤である。
軟膏は、多くても70%、好ましくは20〜50%の水または水相を含む水中油滴エマルションである。脂肪相は、特に炭化水素、例えばワセリン、パラフィン油または硬パラフィンであり、これは好ましくは、水結合能を改善するために脂肪性アルコールまたはそのエステルなどの適切なヒドロキシ化合物、例えば、セチルアルコールまたは羊毛蝋などの羊毛蝋アルコールを含む。乳化剤は、ソルビタン脂肪酸エステル(Spans)などの対応する脂質親和性物質、例えば、オレイン酸ソルビタンおよび/またはイソステアリン酸ソルビタンである。水相への添加剤は、例えば、ポリアルコールなどの湿潤剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよび/またはポリエチレングリコール、または保存剤および芳香剤などである。
脂肪性軟膏は無水物であり、基剤として特に炭水化物、例えばパラフィン、ワセリンまたはパラフィン油、さらには、天然または半合成脂肪、例えばココナッツ脂肪酸トリグリセライド、または好ましくは水素化油、例えば水素化アメリカホドイモまたはヒマシ油、さらに、グリセロールの脂肪酸部分エステル、例えば、モノおよび/またはジステアリン酸グリセロール、そして、例えば脂肪性アルコール、乳化剤および/または軟膏のところで記載した水の摂取を増大する添加剤を含む。
クリームは、50%以上の水を含む水中油滴エマルションである。使用した油状基剤は、特に、脂肪性アルコール、例えば、ラウリル、セチルまたはステアリルアルコール、脂肪酸、例えばパルミチンまたはステアリン酸、固形ワックス用の液体、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、羊毛蝋または蜂蝋、および/または炭化水素、例えばワセリン(ペトロラタム)またはパラフィン油である。乳化剤は、優れた親水性特性を有する界面活性物質で、対応する非イオン性乳化剤であり、例えば、ポリアルコールの脂肪酸エステルまたはそのエチレンオキシ付加物、例えば、ポリグリセリン酸脂肪酸エステルまたはポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ツイーン)、更に、ポリオキシエチレン脂肪性アルコールエーテルまたはポリオキシエチレン脂肪酸エステル、または対応するイオン性乳化剤、例えば、脂肪性アルコール硫酸エステルのアルカリ金属塩、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウムまたはステアリル硫酸ナトリウムであり、これらは、普通、脂肪性アルコール、セチルアルコールまたはステアリルアルコールの存在下で使用する。水相への添加物は、とりわけ、クリームが乾燥するのを防ぐ薬剤であり、例えば、グリセロール、ソルビトール、プロピレングリコールおよび/またはポリエチレングリコールなどのポリアルコール、更に、保存剤および芳香剤である。
ペーストは、存在する水分または分泌物と結合する働きを持つ、金属酸化物、例えば酸化チタンまたは酸化亜鉛などの分泌−吸収粉末構成物、更にはタルクおよび/または珪酸アルミニウムを有するクリームおよび軟膏である。
泡沫は、加圧容器から投与するので、エアゾール形態で存在する液体水中油滴エマルション、クロロフルオロ−低級アルカン、例えばジクロロジフルオロメタンおよびジクロロテトラフルオロエタンなどの水素化炭化水素、または好ましくは、高圧ガスとして使用される非水素化気体状炭化水素、空気、NOまたは二酸化炭素である。使用した油相は、とりわけ、上記軟膏およびクリームのところで記載したものであり、上記添加物も同様に使用する。
チンキ剤および液剤は、普通、水性エタノール性基剤を含み、そこへ、とりわけ、蒸発を抑えるための湿潤剤としてポリアルコール、例えばグリセロール、グリコールおよび/またはポリエチレングリコール、および低級ポリエチレングリコールとの脂肪酸エステルなどの再油状化物質、即ち、エタノールにより皮膚から除去される脂肪性物質の基質として水性混合物に可溶性の脂質親和性物質、更に、必要ならば、その他の賦形剤および添加物を混ぜる。
本発明はまた上記の疾病状態の処置、特にp34cdc2/サイクリンBcdc13キナーゼの阻害に反応するものの処置の過程または方法に関する。式Iの化合物は、それ自体または医薬組成物の形で、好ましくは上記疾病に対する有効量で、処置を必要とする温血動物、例えばヒトに、予防的または治療的に投与し得、化合物は、特に医薬組成物の形で使用する。本発明の化合物の約0.1から約5g、好ましくは約0.5gから約2gの一日量を、約70kgの体重に対して、ここで投与する。
以下の実施例は、その範囲を限定することなく、本発明を説明する。
短くした名前および略語は以下の意味を有する:
略語:
abs.:完全(無水)
APCI−MS:“雰囲気圧化学イオン化”マススペクトル
TLC−R:薄層クロマトグラフィーによるR
DMF:ジメチルホルムアミド
DMPU:1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン
DMSO:ジメチルスルフオキシド
EI−MS:電子衝撃イオン化マススペクトル
sat.:飽和
h:時間
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
HV:高真空
min:分
FAB−MS:“ファースト・アトム・ボンバードメント”マススペクトル
MPLC:カラムクロマトグラフィー
MS:マススペクトル
RT:室温
RE:ロータリーエバポレーター
m.p.:融点
食塩水:飽和塩化ナトリウム溶液
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
NMRスペクトルデータの略語
b 広い
d 2重
J 結合定数
m 多重
q 4重
s 1重
t 3重
移動相(勾配):
HPLC勾配:
Grad20/1 b)中に11分にわたり、20%→100%a)、次いで、5分間100%b)。
Grad20/2 b)中に20分にわたり20%→100%a)、次いで100%b)。 Grad20/3 b)中に13分にわたり20%→100%a)、次いで5分100%b)。
移動相a):アセトニトリル+0.1%TFA;移動相b):水。カラム(250×4.6mm)を“逆相”物質C18−Nucleosile(登録商標)(5μm平均粒子サイズ、オクタデシルシランで共有的に誘導体化したシリカゲル、Macherey&Nagel、Duren、Germany)。254nmでのUV吸収により検出。保持時間(tret)を分で記載。流速1ml/分。
実施例1:250mg(0.81mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを5.8ml(97mmol)のエチレンジアミンに溶解し、溶液を3時間加熱環流する(油浴温度150℃)。室温に冷却後、反応混合物を酢酸エチル(250ml)に取り込み、水(150ml)で抽出する。水性相を2回酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物を連続して、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させる。濾過後、濾液を減圧下、35℃で濃縮し、残渣をHVで乾燥させる。粗生産物をジエチルエーテルから再結晶する。2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを得る;R=0.22(塩化メチレン:メタノール:濃縮水性水酸化アンモニウム溶液=900:100:1);FAB−MS:(M+H)=322;m.p.79−80℃。
出発物質を下記のようにして得る:
段階1.1:1.4ml(13mmol)の3−クロロ−アニリンを、650mg(3.44mmol)の2,6−ジクロロ−プリンの5mlの1−ペンタノール懸濁液に添加する。反応混合物を100℃(油浴温度)で3時間撹拌する。室温に冷却後、混合物をイソプロパノールで希釈し、10℃で90分撹拌する。沈殿を濾取し、イソプロパノールおよびジエチルエーテルですすぐ。結晶を50mlの2N(2規定)水酸化ナトリウム溶液、100mlの水および700mlの酢酸エチルの間で分配する。水性相を連続して2回、酢酸エチルで抽出する。合わせた有機抽出物を2回水および1回飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。濾過後、濾液を減圧下濃縮する。粗生産物をジエチルエーテルと撹拌し、結晶を50℃でHV下乾燥させる。2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−プリンを得る;R=0.47(酢酸エチル:ヘキサン=3:1);APCI−MS:(M+H)=280;HPLC:tret(grad20/1)=10.26分。
段階1.2:676mg(2.413mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−プリンを10mlのabs.DMFに、穏やかに加熱しながら溶解する。375mg(2.713mmol)の炭酸カリウム、続いて0.97ml(12.01mmol)のヨウ化エチルを室温で添加する。反応混合物を室温で2時間撹拌する。反応が終了した時、反応混合物を氷/水(60ml)に注ぎ、10分撹拌する。不均質混合物を3回酢酸エチルで抽出する。合わせた有機抽出物を2回水および1回飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。濾過後、濾液を減圧下、35℃で濃縮し、HVで乾燥させる。得られる粗生産物(結晶油状物)をジエチルエーテル/ヘキサンからの結晶化により精製する。2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを得る;R=0.55(酢酸エチル:ヘキサン=3:1);APCI−MS:(M+H)=308;HPLC:tret(grad20/1)=12.40分;m.p.127−128℃。
実施例2:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−2−(ジ−[2−ヒドロキシ−エチル]アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、250mg(0.81mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.1に記載]および10g(95mmol)のジエタノールアミンから得る;R=0.29(塩化メチレン:メタノール:濃縮水性水酸化アンモニウム溶液=900:100:1);FAB−MS:(M+H)=377;m.p.148−149℃。
実施例3:実施例1と同様にして、2−(シス−2−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、250mg(0.81mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.1に記載]および5ml(43mmol)の(d,l)−シス−1,2−ジアミノ−シクロヘキサンから得る;R=0.31(塩化メチレン:メタノール:濃縮水性水酸化アンモニウム溶液=900:100:1);FAB−MS:(M+H)=386;m.p.111−112℃。
実施例4:200mg(0.58mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−イソプロピル−9H−プリンを6ml(90mmol)のエチレンジアミンに溶解し、混合物を3時間加熱環流(油浴温度の150℃)する。室温に冷却後、反応混合物を250mlの酢酸エチルに取り込み、150mlの水で抽出する。水性相を2回酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。濾過後、濾液を減圧下、35℃で濃縮し、HVで乾燥させる。2−(2−アミノエチル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−イソプロピル−9H−プリンを得る;R=0.27(塩化メチレン:メタノール:濃縮水酸化アンモニウム溶液=900:100:1);EI−MS:(M+H)=346;m.p.55−56℃。
出発物質を下記のようにして得る:
段階4.1:500mg(1.78mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−プリンを29.5mlのDMF/水(85/15)および5mlのジオキサンの混合物に、穏やかに加熱しながら溶解する。870mg(2.67mmol)の炭酸セシウム、続いて1.78ml(17.8mmol)のヨウ化イソプロピルを室温で添加する。反応混合物を室温で18時間撹拌する。反応を完了させるために、反応混合物を45℃で更に24時間撹拌する。反応が終了した時、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水(2回)および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。濾過後、濾液を減圧下、35℃で濃縮し、残渣をHVで乾燥させる。得られる粗生産物をジエチルエーテル/ヘキサンからの結晶化により精製する。2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−イソプロピル−9H−プリンを得る;R=0.46(酢酸エチル);m.p.128−129℃。
実施例5:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[(R)−2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル]−9H−プリンを、250mg(0.81mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および5ml(51mmolのD−プロリノール[即ち、R(−)−プロリノール]から得る。生産物をジイソプロピルエーテルでの分解により精製する;R=0.52(塩化メチレン:メタノール=9:1);m.p.164−165℃。
実施例6:実施例1と同様にして、2−(3−アミノ−プロピル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、308mg(1mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[実施例1、段階1.2に記載]および10.04ml(120mmol)の1,3−ジアミノ−プロパンから得る。生産物をジイソプロピルエーテルでの分解により精製する;R=0.52(塩化メチレン:メタノール:濃縮水性水酸化アンモニウム溶液=900:100:1);FAB−MS:(M+H)=346;HPLC:tret(grad20/2)=8.07分。
実施例7:実施例1と同様にして、2−(トランス−2−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、308mg(1mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および6.0ml(50mmol)の(±)−トランス−1,2−ジアミノ−シクロヘキサンから得る。生産物をジイソプロピルエーテルでの分解により精製する;R=0.1g(酢酸エチル:メタノール:濃縮水性水酸化アンモニウム溶液=900:100:1);m.p.99.4−100.5℃。
実施例8:実施例1と同様にして、2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、35mg(0.01mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンおよび1.0mlのエタノールアミンから、8時間、150℃の後に得る;m.p.99−102℃;R=0.3(塩化メチレン:メタノール=9:1)。
実施例9:実施例1と同様にして、2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−6−(4−クロロ−フェニル−アミノ)−7−エチル−7H−プリンを、172mg(0.5mmol)の2−クロロ−6−(4−クロロ−フェニル−アミノ)−7−エチル−7H−プリン[また更に2−クロロ−6−(4−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンも含む]および1.0mlのエタノールアミンから、12時間、110℃の後に得る;m.p.99−102°;R=0.2(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階9.1:1.0g(5.29mmol)の2,6−ジクロロ−プリンをDMF(20ml)に溶解し、152mg(80%、5.3mmol)の水素化ナトリウムで処理し、混合物をRTで0.5時間撹拌する。0.42ml(5.3mmol)のヨウ化エチルの添加後、混合物を70℃で3時間撹拌し、酢酸エチル(100ml)で希釈し、濃縮食塩水で抽出する。有機相を乾燥(硫酸ナトリウム)し、濃縮して残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン:メタノール=19:1)に付す。2,6−ジクロロ−7−エチル−7H−プリンおよび2,6−ジクロロ−9−エチル−9H−プリンを含む油状混合物を得る。
段階9.2:465mg(2.1mmol)の2,6−ジクロロ−7−エチル−7H−プリンおよび2,6−ジクロロ−9−エチル−9H−プリンの混合物をブタノール(5ml)中で、1.05g(13mmol)の4−クロロアニリンと100℃で8時間撹拌する。塩化メチレンおよびジエチルエーテルからの結晶化後、2−クロロ−6−(4−クロロ−フェニル−アミノ)−7−エチル−7H−プリンおよび2−クロロ−6−(4−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを白色結晶として得る。
実施例10:実施例1と同様にして、2−ベンジル−アミノ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、154mg(0.5mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンおよび1.09mlのベンジルアミンから、3.5時間、140℃の後に得る;m.p.88−90℃、FAB−MS:(M+H)=379。
実施例11:実施例1と同様にして、2−(2−フェニル−エチル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、189mg(0.613mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンおよび1.2mlの2−フェニル−エチルアミンから、16時間、130℃の後に得る;m.p.151−152℃;FAB−MS:(M+H)=393。
実施例12:実施例1と同様にして、2−(3−メトキシ−プロピル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、182mg(0.591mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンおよび1.2mlの3−メトキシ−プロピルアミンから、3時間、120℃の後に得る;m.p.93−94℃、FAB−MS:(M+H)=361。
実施例13:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(2−フルフリル−アミノ)−9H−プリンを、200mg(0.65mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンおよび1.2mlの2−フルフリルアミン(新たに蒸留)から、5.5時間、125℃の後に得る;m.p.82−84℃;FAB−MS:(M+H)=369。
実施例14:実施例1と同様にして、2−(2−ピペリジノ−エチル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、200mg(0.65mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンおよび1.2mlの2−ピペリジノ−エチルアミンから、2時間、125°の後に得る;FAB−MS:(M+H)=400;R=0.32(塩化メチレン:メタノール=9:1)。
実施例15:実施例1と同様にして、2−(テトラヒドロフルフリル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、200mg(0.65mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンおよび1.5gのテトラヒドロフルフリルアミンから、12時間、100℃の後に得る;m.p.84−86℃、FAB−MS:(M+H)=373。
実施例16:実施例1と同様にして、2−[2−(2−ピリジル)−エチル−アミノ]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、200mg(0.65mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンおよび1.2mlの2−(2−アミノ−エチル)ピリジンから、1.5時間、125℃の後に得る;m.p.152−153℃、FAB−MS:(M+H)=394。
実施例17:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−2−[2−(4−モルホリニル)−エチル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、200mg(0.65mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンおよび1.5mlの4−(2−アミノ−エチル)−モルホリンから、14時間、100℃の後に得る;FAB−MS:(M+H)=402;R=0.63(塩化メチレン:メタノール=9:1)。
実施例18:実施例1と同様にして、2−[4−(2−アミノ−エチル)−ピペリジン−1−イル]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、200mg(0.65mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンおよび1.5gの4−(2−アミノ−エチル)−ピペリジンから、1.5時間、100℃の後に得る;m.p.182−184℃;FAB−MS:(M+H)=400。
実施例19:実施例1と同様にして、2−[4−(2−アミノ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、200mg(0.65mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンおよび1.5gの1−(2−アミノ−エチル)ピペラジンから、20時間、40℃の後に得る;FAB−MS(M+H)=401;R=0.48(塩化メチレン:メタノール:濃縮水性アンモニア溶液=90:10:1)。
実施例20:実施例1と同様にして、2−[2−(3−インドリル)−エチル−アミノ]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、200mg(0.65mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンおよび1.5gのトリプタミンから、1.5時間、130℃の後に得る;m.p.106−108℃;FAB−MS:(M+H)=432。
実施例21:実施例1と同様にして、2−(2−チオ−エチル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、200mg(0.65mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンおよび600mgのシスタミンの3.0mlのn−アミルアルコール溶液から、20時間、140℃の後に得る;m.p.124−127℃、FAB−MS:(M+H)=349。
実施例22:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−2−([1−ヒドロキシシクロヘキシ−1−イル]−メチル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、200mg(0.2mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンおよび1000mgの1−(アミノメチル)−シクロヘキサン−1−オールから、14時間、120°の後に得る;m.p.143−145℃、FAB−MS:(M+H)=401。
実施例23:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−ピペラジノ−9H−プリンを、308mg(1mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および258mg(3mmol)のピペラジンの10mlのキシレン溶液から得る。生産物をジイソプロピルエーテルおよびヘキサンでの分解により精製する;R=0.44(酢酸エチル:メタノール:濃縮水酸化アンモニウム溶液=900:100:1);FAB−MS:(M+H)=358;m.p.181.5−182.5℃。
実施例24:200mg(0.58mmol)の2−クロロ−9−エチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリンおよび2mlの3−アミノ−1−プロパノールを、140℃で2h撹拌し、混合物を冷却させ、60mlの酢酸エチルで希釈する。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の除去後、残渣を酢酸エチルおよびジエチルエーテルから再結晶させる。9−エチル−2−(3−ヒドロキシ−プロピル−アミノ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリンを得る;m.p.136−137℃;FAB−MS:(M+H)=381;R=0.7(酢酸エチル:メタノール=9:1)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階24.1:1.9g(10mmol)の2,6−ジクロロ−プリンおよび8.05g(50mmol)の3−トリフルオロメチル−アニリン(Fluka、Buchs、Switzerland)の60mlのn−ブタノールおよび3mlのDMF溶液を、60℃で6h撹拌する、50mlの酢酸エチルを冷却した反応溶液に添加し、沈殿を濾取し、更に40mlのイソプロパノール中で、40℃で60min撹拌する。吸引濾過および乾燥後、2−クロロ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−プリンを得る;m.p.248−250℃;FAB−MS:(M+H)=314;R=0.45(塩化メチレン:メタノール=95:5)。
段階24.2:1g(3.2mmol)の2−クロロ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−プリン、1.7g(5.1mmol)の炭酸セシウムおよび2.1ml(25.6mmol)のヨウ化エチルを含む7mlのジオキサン/水/DMF(8:2:2)溶液の混合物を、RTで18h撹拌する。次いで、それを酢酸エチルで希釈し、有機相を水で洗浄する。相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の除去後、残渣を酢酸エチルおよびジエチルエーテルから再結晶させる。2−クロロ−9−エチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリンを得る;m.p.129−130℃;FAB−MS:(M+H)=342;R=0.6(塩化メチレン:メタノール=9:1)。
実施例25:実施例24と同様にして、9−エチル−2−(3−ヒドロキシ−プロピル−アミノ)−6−[3−[(3−ヒドロキシ−プロピル)−アミノカルボニル]−2−メチル−フェニル−アミノ]−9H−プリンを、140mg(0.4mmol)の2−クロロ−6−(3−エトキシカルボニル−2−メチル−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンおよび1.5mlの3−アミノ−1−プロパノールから、4h、110℃の後に得る;m.p.138−142℃;FAB−MS:(M+H)=428;R=0.7(塩化メチレン:メタノール=7:3)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階25.1:段階24.1と同様にして、2−クロロ−6−(3−エトキシカルボニル−2−メチル−フェニル−アミノ)−プリンを、1.2g(6.4mmol)の2,6−ジクロロ−プリンおよび1.5g(9.1mmol)の3−アミノ−2−メチル−安息香酸エチル(Fringuelliet.al.、Tetrahedron1969、25、42−49の方法により製造)の25mlのn−ブタノール溶液から、75℃で48h攪拌の後に得る;m.p.235−236℃;FAB−MS:318(M+H);R=0.5(塩化メチレン:メタノール=9:1)。
段階25.2:段階24.2と同様にして、2−クロロ−6−(3−エトキシカルボニル−2−メチル−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、500mg(1.57mmol)の2−クロロ−6−(3−エトキシカルボニル−2−メチル−フェニル−アミノ)−プリン、1.01g(3.15mmol)の炭酸セシウムおよび1.3ml(15mmol)のヨウ化エチルの20mlのDMF/水(9:1)溶液から、6h、RTの後に得る;m.p.142−144℃;FAB−MS:(M+H)=346;R=0.5(酢酸エチル:アセトン=12:1)。
実施例26:段階24.2と同様にして、2−(3−ヒドロキシ−プロピル−アミノ)−6−(3−メトキシフェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、100mg(0.32mmol)の2−(3−ヒドロキシ−プロピル−アミノ)−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−プリン、208mg(0.64mmol)の炭酸セシウムおよび250mg(1.6mmol)のヨウ化エチルの4mlのDMF/水(9:1)溶液から、48h、RTの後に得る;m.p.130−131℃;FAB−MS:(M+H)=343;R=0.55(塩化メチレン:メタノール=9:1)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階26.1:段階24.1と同様にして、2−クロロ−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−プリンを、1.9g(10mmol)の2,6−ジクロロ−プリンおよび1.5g(12mmol)のm−アニシジン(Fluka、Buchs、Swikerland)のn−ブタノール/DMF(18:3)溶液から、50℃で4h攪拌の後に得る;m.p.245−246℃;FAB−MS:(M+H)=276;R=0.75(塩化メチレン:メタノール=8:2)。
段階26.2:実施例24と同様にして、2−(3−ヒドロキシ−プロピル−アミノ)−6−(3−メトキシフェニル−アミノ)−プリンを、0.96g(3.5mmol)の2−クロロ−6−(3−メトキシフェニル−アミノ)−プリンおよび8mlの3−アミノ−1−プロパノールから、150℃で5hの撹拌後に得る;m.p.199−200℃;FAB−MS:(M+H)=315;R=0.15(塩化メチレン:メタノール=9:1)。
実施例27:段階24.2と同様にして、2−(3−ヒドロキシ−プロピル−アミノ)−6−(3−メトキシフェニル−アミノ)−9−イソプロピル−9H−プリンを、180mg(0.57mmol)の2−(3−ヒドロキシ−プロピル−アミノ)−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−プリン(段階26.2参照)、372mg(1.14mmol)の炭酸セシウムおよび0.3ml(0.003mmol)のヨウ化イソプロピルの5mlのDMF/水(9:1)溶液から、16h、60℃の後に得る;m.p.128−129℃;FAB−MS:(M+H)=357;R=0.5(CHCl:メタノール=9:1)。
実施例28:段階24.2と同様にして、9−(2−ヒドロキシ−エチル)−2−(3−ヒドロキシ−プロピル−アミノ)−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−9H−プリンを、180mg(0.57mmol)の2−(3−ヒドロキシ−プロピル−アミノ)−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−プリン(段階26.2参照)、372mg(1.14mmol)の炭酸セシウムおよび0.33ml(3mmol)の2−ヨード−エタノールの5mlのDMF/水(9:1)溶液から、18h、60℃の後に得る;m.p.132−133℃;FAB−MS:(M+H)=359;R=0.5(CHCl:メタノール=9:1)。
実施例29:実施例24と同様にして、9−エチル−2−[2−(4−イミダゾリル)−エチル−アミノ]−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−9H−プリンを、91mg(0.3mmol)の2−クロロ−9−エチル−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−9H−プリンおよび1.1g(10mmol)の2−(4−イミダゾリル)−エチルアミン(Fluka、Buchs、Switzerland)から、2h、120℃の後に得る;FAB−MS:(M+H)=379;R=0.15(CHCl:メタノール=9:1)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階29.1:段階24.2と同様にして、2−クロロ−9−エチル−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−9H−プリンを、1.5g(5.44mmol)の2−クロロ−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−プリン(段階26.1参照)、8.5g(54.4mmol)のヨウ化エチルおよび2.6g(8.1mmol)の炭酸セシウムの45mlのジオキサン/水/DMF(8:15:85)溶液から、6h、RTの後に得る;m.p.158−159℃;FAB−MS:(M+H)=303;R=0.65(CHCl:メタノール=9:1)。
実施例30:実施例24と同様にして、2−(3−ヒドロキシ−プロピル−アミノ)−6−(3,4,5−トリメトキシフェニル−アミノ)−9−メチル−9H−プリンを、70mg(0.2mmol)の2−クロロ−9−メチル−6−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル−アミノ)−9H−プリンおよび0.23ml(1.5mmol)の3−アミノ−1−プロパノールから、2h、150℃の後に得る;m.p.166−167℃;FAB−MS:(M+H)=389;R=0.35(CHCl:メタノール=9:1)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階30.1:段階24.1と同様にして、2−クロロ−6−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル−アミノ)−プリンを、1.5g(7.9mmol)の2,6−ジクロロ−プリンおよび1.45g(7.9mmol)の3,4,5−トリメトキシ−アニリン(Fluka、Buchs、Switzerland);m.p.265℃;FAB−MS:(M+H)=336;R=0.3(CHCl:メタノール=9:1)。
段階30.2:168mg(0.5mmol)の2−クロロ−6−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル−アミノ)−プリン、103mg(0.75mmol)の炭酸カリウムおよび0.156ml(2.5mmol)のヨウ化メチルを、3mlのジメチルホルムアミド中で室温で5h撹拌する。30mlの酢酸エチルを、わずかに濁った溶液に添加し、混合物を水で抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の除去後、残渣を酢酸エチルおよびジエチルエーテルから再結晶させる。2−クロロ−6−(3,4,5−トリメトキシフェニル−アミノ)−9−メチル−9H−プリンを得る;FAB−MS:(M+H)=350;R=0.6(CHCl:メタノール=9:1)。
実施例31:以下の式Iの化合物を、本明細書に記載の方法と同様にして得る:
a)2−[(3−アミノメチル−フェニル)−メチル−アミノ]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン、
b)2−(2−メチル−アミノ−エチル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンおよび
c)2−[2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−エチル−アミノ]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン。
実施例32:乾燥カプセル
各0.25gの上記または下記実施例の式Iの化合物の一つを活性成分として含む5000個のカプセルを下記の通り製造した:
組成物
活性成分 1250g
タルク 180g
小麦デンプン 120g
ステアリン酸マグネシウム 80g
ラクトース 20g
製造法:記載の粉末状物質を0.6mmのメッシュ幅のふるいを通す。混合物の0.33g分をゼラチンカプセルに、カプセル充填機の助けを借りて移す。
実施例33:軟カプセル
各0.05gの上記または下記実施例の式Iの化合物の一つを活性成分として含む5000個の軟ゼラチンカプセルを、下記のように製造する:
組成物
活性成分 250g
ラウリルグリコール 2リットル
製造法:粉末活性成分をLauroglykol(登録商標)(プロピレングリコールラウレート、Gattefosse S.A.、Saint Priest、France)に懸濁し、約1から3μm粒子サイズまで加湿プルベライザーで挽く。各混合物の0.419g分を、軟ゼラチンカプセルにカプセル充填機の手段により移す。
実施例34:軟カプセル
各0.05gの上記または下記実施例の式Iの化合物の一つを活性成分として含む5000個の軟ゼラチンカプセルを、下記のように製造する:
組成物
活性成分 250g
PEG400 1リットル
Tween80 1リットル
製造法:粉末状活性成分をPEG400(約380および約420の間のMのポリエチレングリコール、Fluka、Swikerland)およびTween(登録商標)80(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、Atlas Chem.Ind., Inc., USA、Fluka、Switzerlandにより供給)に懸濁し、粒子サイズの約1から3μmの粒子サイズまで加湿プルベライザーで挽く。混合物の0.43g分を軟ゼラチンカプセルに、カプセル充填機の手段により移す。
実施例35:実施例1と同様にして、2−(シス−2−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン(実施例3参照)を、539mg(1.75mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および3.32ml(28.6mmol)のシス−1,2−ジアミノ−シクロヘキサンから、6h、150℃の後に、エナンチオマー混合物の形で得、それを高速液体クロマトグラフィーの手段で、キラルステーショナリー相(Chiralpak(登録商標)AD、シリカゲル、20μm、Daicel、Chemical Industry Tokyo、Japan)により二つのエナンチオマーに分離する。2−[(2S,1R)−2−アミノ−シクロヘキシル−アミノ]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン(完全立体化学の初期課題);[α] 20=+8.6°[メタノール、c=1]および2−[(2R,1S)−2−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン(完全立体化学の初期課題);[α] 20=−8.8°[メタノール、c=1]を得る。他の物理的データは実施例3に記載のものと同一である。
実施例36:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[2−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−イル]−9H−プリンを、308mg(1.00mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および2.30g(20mmol)のラセミ体2−ピペリジンメタノールから、7.75h、150℃の後に得る;m.p.184℃;FAB−MS:(M+H)=387;HPLC:tret(grad20/2)=14.17分。
実施例37:実施例1と同様にして、2−[(2R,1R)−2−アミノ−シクロヘキシル−アミノ]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、539mg(1.75mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および3.26g(28.6mmol)の(1R,2R)(−)−1,2−ジアミノ−シクロヘキサンから、6h、150℃およびカラムクロマトグラフィーおよびジイソプロピルエーテルでの分解による精製の後に得る;m.p.151.9℃;FAB−MS:(M+H)=386;HPLC:tret(grad20/2)=10.14分、[α] 20=−36.3°[メタノール、c=1]。
実施例38:実施例1と同様にして、2−(トランス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン;FAB−MS:(M+H)=386;HPLC:tret(grad20/2)=8.47分および2−(シス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン;FAB−MS:(M+H)=386;HPLC:tret(grad20/2)=9.37分を、308mg(1.00mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および3.26g(28.6mmol)の1,4−ジアミノシクロヘキサン(シス/トランス混合物)から、25h、100℃およびカラムクロマトグラフィーでの精製の後に得る。
実施例39:実施例1と同様にして、2−(トランス−3−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン;FAB−MS:(M+H)=386;HPLC:tret(grad20/2)=9.32分および2−(シス−3−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン;FAB−MS:(M+H)=386;HPLC:tret(grad20/2)=9.19分を、308mg(1.00mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および3.26g(28.6mmol)の1,3−ジアミノ−シクロヘキサン(シス/トランス混合物)から、13h、100℃およびカラムクロマトグラフィーでの精製の後に得る。
実施例40:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[(S)−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル]−9H−プリンを、250mg(0.81mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および2.5mlのL−プロリノール[即ち、S(−)−プロリノール]から、5h、60℃およびカラムクロマトグラフィーおよびジイソプロピルエーテルでの分解による精製の後に得る;m.p.169℃;FAB−MS:(M+H)=373、HPLC:tret(grad20/2)=13.78分。
実施例41:実施例1と同様にして、2−(トランス−2−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、539mg(1.751mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および3.266gの(1S,2S)−(+)−1,2−ジアミノ−シクロヘキサンから、6h、150℃およびカラムクロマトグラフィーによる精製の後に得る;m.p.152.3℃;FAB−MS:(M+H)=386;HPLC:tret(grad20/2)=10.18分。
実施例42:実施例1と同様にして、2−[3−アミノ−フェニル−アミノ]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および324mgの1,3−フェニレンジアミンの10mlのn−ブタノール溶液から、72h、135℃、ガラス圧反応器中およびカラムクロマトグラフィーおよびジイソプロピルエーテルの分解による精製の後に得る;m.p.205℃;FAB−MS:(M+H)=380;HPLC:tret(grad20/2)=10.36分。
実施例43:実施例1と同様にして、2−(アダマント−1−イル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および2.27g(15mmol)の1−アミノアダマンタンの10mlのn−ブタノール溶液から、72h、150℃およびカラムクロマトグラフィー(MPLC)の後に、続いて1.14gの1−アミノ−アダマンタンを更に添加し、更に24h反応させることにより得る;FAB−MS:(M+H)=423;HPLC:tret(grad20/2)=18.56分。
実施例44:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−([N−メチル]−2−アミノ−エチル−アミノ)−9H−プリンを、616mg(2.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および8.6mlのN−メチルエチレンジアミンから、18h、45℃およびカラムクロマトグラフィーでの精製の後に得る;m.p.162.2℃;FAB−MS:(M+H)=346、HPLC:tret(grad20/2)=9.50分。
実施例45:実施例1と同様にして、2−[(R)−(−)−2−カルバモイル−ピロリジン−1−イル]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、616mg(2.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]、456mg(4.0mmol)のD−プロリンアミド[即ち、(R)−(−)−プロリンアミド]および0.328ml(2.2mmol)の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(1.5−5)(=DBU)の2.5mlのジメチルスルフオキシドの溶液から、23h、65℃後に得る;m.p.>230℃;FAB−MS:(M+H)=386;HPLC:tret(grad20/2)=11.59分;[α] 20=+4.7°[DMSO、c=0.51]。
実施例46:56mg(1.47mmol)のLiAlHの2mlのabs.THF中の懸濁液を、150mgの2−[(R)−(−)−2−カルバモイル−ピロリジン−1−イル]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン(実施例45参照)の10mlのabs.THF中の懸濁液に添加し、混合物を80℃で22h撹拌する。56mgのLiAlHの更なる添加後、混合物を更に18h反応させる。次いで5mlの水を、氷/水冷却しながら滴下し、次いで反応混合物を50mlの氷/水に注ぐ。混合物を3回、酢酸エチルで抽出する。合わせた有機抽出物を2回水および1回飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。濾過後、濾液を減圧下濃縮する。得られる粗生産物(油状物)をカラムクロマトグラフィーおよびジイソプロピルエーテルでの分解により精製する。2−[(R)−2−アミノメチル−ピロリジン−1−イル]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを得る;m.p.126−129℃;FAB−MS:(M+H)=372、HPLC:tret(grad20/2)=11.09分。
実施例47:実施例1と同様にして、2−(2−アミノ−プロピル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および2.44mlの1,2−ジアミノプロパンから、17h、60℃、続いて6h、120℃およびカラムクロマトグラフィーでの精製の後に得る;m.p.119−120℃;FAB−MS:(M+H)=346、HPLC:tret(grad20/2)=8.85分。
実施例48:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(3−ホルミル−アミノ−ピペリジン−1−イル)−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]、190mg(1.1mmolの3−アミノ−ピペリジン二塩酸塩および0.314ml(2.1mmol)の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(1.5−5)(=DBU)の7.5mlのジメチルホルムアミド溶液から、ガラス圧反応器中で40h、150℃およびカラムクロマトグラフィー(MPLC)での精製の後に得る;m.p.184.3℃;FAB−MS:(M+H)=400;HPLC:tret(grad20/2)=12.56分。
実施例49:実施例1と同様にして、2−[(S)−1−カルバモイル−エチル−アミノ]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]、137mg(1.1mmol)のL−アラニンアミド塩酸塩[即ち、(S)−(+)−2−アミノ−プロピオンアミド]および0.314ml(2.1mmol)の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(1.5−5)(=DBU)の3.0mlのジメチルスルフオキシド溶液から、ガラス圧反応器中、42h、140℃およびカラムクロマトグラフィー(MPLC)およびジイソプロピルエーテルでの分解による精製の後に得る;m.p.117−121℃;FAB−MS:(M+H)=360;HPLC:tret(grad20/2)=9.88分。
実施例50:実施例1と同様にして、2−(2−アミノ−2−メチル−プロピル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン塩酸塩を、462mg(1.5mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および4.45mlの1,2−ジアミノ−2−メチル−プロパンから、8h、120℃、続いて14h、60℃およびカラムクロマトグラフィーでの精製の後に得る;m.p.196℃;FAB−MS:(M+H)=360;HPLC:tret(grad20/2)=9.27分。
実施例51:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[イミダゾル−1−イル]−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および1.95gのイミダゾールから、ガラス圧反応器中、16h、140℃およびジイソプロピルエーテルでの分解による精製の後に得る;m.p.193.2℃;FAB−MS:(M+H)=339;HPLC:tret(grad20/2)=11.50分。
実施例52:実施例1と同様にして、2−[3−アミノ−ピロリジン−1−イル]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、462mg(1.5mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]、262mg(1.65mmol)の3−アミノピロリジン二塩酸塩および0.417ml(2.1mmol)の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(1.5−5)(=DBU)の3.0mlのジメチルスルフオキシド溶液から、ガラス圧反応器中、24h、140およびカラムクロマトグラフィー(MPLC)での精製の後に得る;FAB−MS:(M+H)=358;HPLC:tret(grad20/2)=9.10分。
実施例53:実施例1と同様にして、2−[カルバモイル−メチル−アミノ]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、462mg(1.5mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]、121.6mg(1.1mmol)のグリシンアミド塩酸塩および0.314ml(2.1mmol)の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(1.5−5)(=DBU)の3.0mlのジメチルスルフオキシド溶液から、ガラス圧反応器中、18h、150℃およびカラムクロマトグラフィーでの精製の後に得る;m.p.>220℃;FAB−MS:(M+H)=346;HPLC:tret(grad20/2)=8.99分。
実施例54:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−2−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デク−8−イル)−9−エチル−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および3.67ml(28.6mmol)の1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカンから、22h、RTおよび続いて数回のジエチルエーテルでの分解の後に得る;薄ベージュ色結晶として;m.p.159−161℃;FAB−MS:(M+H)=415;HPLC:tret(grad20/3)=12.23分。
実施例55:実施例1と同様にして、2−[3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロプ−1−イル−アミノ]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および2.58gの1,3−ジアミノ−2−プロパノールから、6h、150℃およびジイソプロピルエーテルでの分解の後に得る;FAB−MS:(M+H)=362;HPLC:tret(grad20/2)=7.68分。
実施例56:実施例1と同様にして、2−[4−アミノ−フェニル−アミノ]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]、324mg(3mmol)の1,4−フェニレンジアミンの10mlのn−ブタノール溶液から、ガラス圧反応器中、48h、150℃およびカラムクロマトグラフィーでの精製の後に得る;FAB−MS:(M+H)=380;HPLC:tret(grad20/2)=8.87分。
実施例57:実施例1と同様にして、2−[2−アミノ−ベンジル−アミノ]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および3.5gの2−アミノベンジルアミンから、5h、140℃およびカラムクロマトグラフィー(MPLC)およびジエチルエーテル/ヘキサンからの結晶化による精製の後に得る;m.p.166.5℃;FAB−MS:(M+H)=393;HPLC:tret(grad20/2)=11.13分。
実施例58:実施例1と同様にして、2−(2−アセチル−アミノ−エチル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および2.78mlの2−アセチル−アミノ−1−アミノ−エタンから、30h、60℃およびカラムクロマトグラフィーでの精製の後に得る;FAB−MS:(M+H)=374;HPLC:tret(grad20/2)=10.15分。
実施例59:実施例1と同様にして、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および324mg(3mmol)の1,2−フェニレンジアミンを、10mlのn−ブタノール中、ガラス圧反応器中で19h、140℃で反応させ、続いて486mg(4.5mmol)の1,2−フェニレンジアミンを添加し、更に135℃、17h反応させる。カラムクロマトグラフィーでの精製後、2−[2−アミノ−フェニル−アミノ]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ]−9−エチル−9H−プリンを得る;FAB−MS:(M+H)=380;HPLC:tret(grad20/2)=11.36分。
実施例60:実施例1と同様にして、2−(2−[2−アミノ−エチル−アミノ]−エチル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および5.43mlのジエチレントリアミン−トリアミンから、14h、75℃およびカラムクロマトグラフィーでの精製の後に得る;FAB−MS:(M+H)=375、HPLC:tret(grad20/2)=7.40分。
実施例61:実施例1と同様にして、2−([3−アミノメチル]−ベンジル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および6.48mlの1,3−ジ−(アミノメチル)ベンゼンから、24、75℃およびカラムクロマトグラフィーでの精製の後に得る;FAB−MS:(M+H)=408;HPLC:tret(grad20/2)=9.70分。
実施例62:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−2−[N−シクロヘキシル−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−9−エチル−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および358mg(2.5mmol)の2−シクロヘキシル−アミノエタノールの2mlのDMSO溶液から、22h、100℃、20h、135℃および3h、150℃、続いて数回のジエチルエーテルでの分解およびカラムクロマトグラフィーでの精製の後に得る;黄色固体として;m.p.125−128℃;FAB−MS:(M+H)=415;HPLC:tret(grad20/3)=12.93分。
実施例63:150mg(3.95mmol)のLiAlHを、400mg(0.79mmol)の6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[2−(4−メトキシ−フェニル−アミノカルボニル)ヘキサヒドロピリダジノ]−9H−プリン(実施例77参照)の7mlのabs.ジエチルエーテルの懸濁液に滴下し、混合物をガラス圧反応器中、アルゴン下、80℃、15h撹拌する。冷却後、0.66mlの水および0.16mlの水性15%NaOH溶液を滴下し、反応混合物を次いで減圧下濃縮する。得られる生産物混合物をカラムクロマトグラフィーおよびジイソプロピルエーテルでの分解により精製する。6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[2−{1−ヒドロキシ−1−(4−メトキシ−フェニル−アミノ)−メチル}−ヘキサヒドロピリダジノ]−9H−プリンを得る;m.p.163−166℃;FAB−MS:(M+H)=509、HPLC:tret(grad20/3)=9.89分。
実施例64:実施例1と同様にして、2−[(S)−2−カルバモイル−ピロリジン−1−イル]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、1.232g(4.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]、913mg(4.0mmolのL−プロリンアミド[即ち、(S)−(−)−プロリンアミド]の5mlのジメチルスルフオキシド溶液から、5日、80℃およびジイソプロピルエーテルでの分解による精製の後に得る;m.p.>240℃;FAB−MS:(M+H)=386;HPLC:tret(grad20/2)=11.70分;[α] 20=−8.0°[DMSO、c=0.5]。
実施例65:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(トランス−4−ヒドロキシ−シクロヘキシル−アミノ)−9H−プリンを、616mg(2.00mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]、607mg(4.0mmol)のトランス−4−アミノ−シクロヘキサノール塩酸塩および1.315ml(8.8mmol)の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(1.5−5)(=DBU)から、3日、100℃、3日、50℃およびカラムクロマトグラフィーでの精製の後に得る;m.p.116.5℃;FAB−MS:(M+H)=387;HPLC:tret(grad20/2)=11.64分。
実施例66:100mg(0.25mmol)の6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(3−[N−ホルミル]−アミノ−ピペリジン−1−イル)−9H−プリン(実施例48参照)を全9.3mlのメタノール性塩酸(0.5molar)に懸濁し、懸濁液を室温で1日および次いで60℃、4日撹拌する。反応混合物を50mlの飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注ぎ、3回酢酸エチルで抽出する。合わせた有機抽出物を水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去する。少量のジエチルエーテルでの分解後、2−(3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを得る;m.p.165℃;FAB−MS:(M+H)=372;HPLC:tret(grad20/2)=10.30分。
実施例67:230mg(6.07mmol)のLiAlHの5mlのabs.THF中の懸濁液を、600mg(1.6mmol)の6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−[(S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル]−9H−プリン(実施例64参照)の15mlのabs.THFの懸濁液に滴下し、混合物を80℃、24h撹拌する。その後、10mlの氷/水を注意深く滴下し、反応混合物を50mlの氷/水に注ぐ。混合物を3回酢酸エチル(各100ml)で抽出する。合わせた有機抽出物を水性炭酸水素ナトリウム溶液、水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。濾過後、濾液を減圧下濃縮する。得られる粗生産物(油状物)をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)、ジエチルエーテル/ヘキサンでの分解およびRP−MPLC(中間圧クロマトグラフィー、Lichroprep(登録商標)RP−18(イレギュラーシリカゲル支持体、Mersk、Darmstadt、Germany))で精製する。2−[(S)−2−アミノメチル−ピロリジン−1−イル]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9Hプリンを油状物として得る;FAB−MS:(M+H)=372、HPLC:tret(grad20/2)=11.25分;[α] 20=56.1°[DMSO、c=0.51]。
実施例68:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[4−ヒドロキシメチル(イミダゾリル)]−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]、148mg(1.1mmol)の4−(ヒドロキシメチル)−イミダゾール塩酸塩および0.314ml(2.1mmol)のDBUの2.5mlのジメチルスルフオキシド溶液から、ガラス圧反応器中48h、140℃、続いてMPLC(シリカゲル)の精製により得る;FAB−MS:(M+H)=370;HPLC:tret(grad20/2)=10.96分。
実施例69:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−2−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]、166.8mg(1.1mmol)のトランス−2−アミノシクロヘキサノール塩酸塩および0.314ml(2.1mmol)のDBUの2mlのジメチルスルフオキシド溶液から、24h、130℃およびMPLC(シリカゲル)での精製の後に得る;FAB−MS:(M+H)=387;HPLC:tret(grad20/2)=13.38分。
実施例70:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(1−ヒドロキシメチルシクロペント−1−イル−アミノ)−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および1.47g(12.8mmol)の1−アミノ−1−ヒドロキシメチル−シクロペンタンの1mlのジメチルスルフオキシド溶液から、ガラス圧反応器中、24h、130℃およびMPLC(シリカゲル)での精製の後に得る;FAB−MS:(M+H)=387;HPLC:tret(grad20/2)=13.43分。
実施例71:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−2−(2−シアノ−エチル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン−トリフルオロ酢酸を油状物として、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]、282mg(1.1mmol)の3−アミノプロピオニトリルフマレートおよび0.314ml(2.1mmol)のDBUの2.5mlのジメチルスルフオキシド溶液から、ガラス圧反応器中、30h、150℃、続いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)、ジイソプロピルエーテルでの分解およびRP−MPLCカラムクロマトグラフィー(中間圧クロマトグラフィー、Lichroprep RP−18)の後に得る;FAB−MS:(M+H)=342;HPLC:tret(grad20/2)=12.35分。
実施例72:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(4−ヒドロキシピペリジノ)−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および2.89g(28.6mmol)の4−ヒドロキシピペリジンから、ガラス圧反応器中、17h、130℃、続いてジイソプロピルエーテルでの分解の後に得る;m.p.198.7℃;FAB−MS:(M+H)=373;HPLC:tret(grad20/2)=12.63分。
実施例73:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(ヘキサヒドロピリダジノ)−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および431mg(4.64mmol)のヘキサヒドロピリダジンから、ガラス圧反応器中、20h、65℃、続いてジイソプロピルエーテルでの分解の後に得る;m.p.126℃;FAB−MS:(M+H)=358;HPLC:tret(grad20/2)=12.03分。
実施例74:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−2−[(2,6−ジメチル)−ピペラジノ]−9−エチル−9H−プリンを無色粉末として、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および3.26g(28.61mmol)の2,6−ジメチル−ピペラジンから、ガラス圧反応器中、16h、140℃、続いてジイソプロピルエーテルでの分解による精製の後に得る;m.p.183℃;FAB−MS:(M+H)=386;HPLC:tret(grad20/2)=10.49分。
実施例75:実施例1と同様にして、2−[4−アミノ−ピペラジン−1−イル]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]、191mg(1.1mmol)のピペラジン−1−イル−アミンおよび0.314ml(2.1mmol)のDBUの1.0mlのジメチルスルフオキシド溶液から、ガラス圧反応器中、20h、100℃、続いてカラムクロマトグラフィー、ジイソプロピルエーテルでの分解およびMPLC(シリカゲル)での精製の後に得る;FAB−MS:(M+H)=373;HPLC:tret(grad20/2)=9.65分。
実施例76:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(シス−2−ヒドロキシシクロヘキシ−1−イル−アミノ)−9H−プリンを、固体油状物として、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]、177mg(1.1mmol)のシス−2−アミノ−シクロヘキサノール塩酸塩および0.314ml(2.1mmol)のDBUの2.0mlのジメチルスルフオキシド溶液から、ガラス圧反応器中、17h、100℃および次いで5h、150℃、続いてカラムクロマトグラフィーの精製の後に得る;FAB−MS:(M+H)=387;HPLC:tret(grad20/2)=13.86分。
実施例77:0.126mlのp−トリルイソシアネートを、一度に358mg(1mmol)の6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(ヘキサヒドロピリダジノ)−9H−プリン(実施例73参照)の2mlの塩化メチレン溶液に、氷/水で冷却しながら添加する。形成された白色懸濁液をRTで20h撹拌し、100mlの塩化メチレンに溶解し、溶液を飽和水性NaHCO溶液、水および食塩水で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。濾過後、濾液を減圧下濃縮する。得られる粗生産物をジエチルエーテルでの分解により精製する。6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[2−(p−トリル−アミノ−カルボニル)ヘキサヒドロピリダジノ]−9H−プリンを無色結晶として得る;m.p.224℃;FAB−MS:(M+H)=491;HPLC:tret(grad20/2)=17.67分。
実施例78:73.1mgのメチルイソチオシアネートを、一度に358mg(1mmol)の6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(ヘキサヒドロピリダジノ)−9H−プリン(実施例73参照)の2mlの塩化メチレン溶液に、氷/水で冷却しながら添加する。形成された白色懸濁液をRTで20h撹拌し、100mlの塩化メチレンに溶解し、溶液を飽和水性NaHCO溶液、水および食塩水で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。濾過後、濾液を減圧下濃縮する。得られる粗生産物をジエチルエーテルでの分解により精製する。6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[2−(N−メチル−チオカルバモイル)−ヘキサヒドロピリダジノ]−9H−プリンを無色結晶として得る;m.p.119℃;FAB−MS:(M+H)=431;HPLC:tret(grad20/2)=16.21分。
実施例79:0.074mlのtert−ブチルイソシアネートを、一度に230mg(0.64mmol)の6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(ヘキサヒドロピリダジノ)−9H−プリン(実施例73参照)の1mlの塩化メチレン溶液に、氷/水で冷却しながら滴下し、混合物をRTで17h撹拌する。更に0.034mlのtert−ブチルイソシアネートを添加し、混合物をRTで4h撹拌する。反応混合物を次いで100mlの塩化メチレンに溶解し、溶液を飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液、水および食塩水で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。濾過後、濾液を減圧下濃縮する。得られる粗生産物を少量のヘキサン/塩化メチレンでの分解により精製させる。2−[2−(tert−ブチル−アミノカルボニル)−ヘキサヒドロピリダジノ]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを得る;FAB−MS:(M+H)=457;HPLC:tret(grad20/2)=17.96分。
実施例80:0.082mlのシクロヘキシルイソシアネートを、一度に230mg(0.64mmol)の6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−2−(ヘキサヒドロピリダジノ)−9−エチル−9H−プリン(実施例73参照)の1mlの塩化メチレン溶液に、氷/水で冷却しながら滴下し、混合物をRTで17h撹拌する。更に0.027mlのシクロヘキシルイソシアネートを添加し、混合物をRTで2h撹拌する。反応混合物を次いで100mlの塩化メチレンに溶解し、溶液を飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液、水および食塩水で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。濾過後、濾液を減圧下濃縮する。得られる粗生産物を少量のヘキサン/塩化メチレンでの分解により精製する。6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−2−[2−(シクロヘキシル−アミノ−カルボニル)−ヘキサヒドロピリダジノ]−9−エチル−9H−プリンを得る;FAB−MS:(M+H)=483;HPLC:tret(grad20/2)=18.82分。
実施例81:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(3−ヒドロキシ−2−メチル−プロプ−2−イル−アミノ)−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および2.74ml(28.6mmol)の2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールから、ガラス圧反応器中、アルゴン下、17h、100℃および次いで6h、150℃、続いて数回の分解による精製の後に得る;FAB−MS:(M+H)=361;HPLC:tret(grad20/2)=12.23分。
実施例82:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−ピペリジノ−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および2.83mlのピペリジンから、ガラス圧反応器中、アルゴン下17h、100℃、続いて少量のヘキサン/塩化メチレンでの分解の後に得る;m.p.126℃;FAB−MS:(M+H)=357;HPLC:tret(grad20/2)=18.23分。
実施例83:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[(S)−1−ヒドロキシブト−2−イル−アミノ]−9H−プリンを無色結晶として、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および2.7ml(28.6mmol)のS−(+)−2−アミノ−1−ブタノールから、ガラス圧反応器中、アルゴン下、18h、150℃、続いてジエチルエーテル中の分解による精製の後に得る;m.p.203℃;FAB−MS:(M+H)=361;HPLC:tret(grad20/2)=12.20分、[α] 20=−23.0°[メタノール、c=1]。
実施例84:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[(R)−1−ヒドロキシブト−2−イル−アミノ)−9H−プリンを無色結晶として、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および2.7ml(28.6mmol)のR−(+)−2−アミノ−1−ブタノール(R:S>90:10)から、ガラス圧反応器中、アルゴン下、18h、150℃、続いてジエチルエーテルでの分解による精製の後に得る;m.p.200℃;FAB−MS:(M+H)=361;HPLC:tret(grad20/2)=12.22分、[α] 20=+19.2°[メタノール、c=1]。
実施例85:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−2−シクロヘキシル−アミノ−9−エチル−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および3.27ml(28.6mmol)のシクロヘキシルアミンから、20h、100℃、続いてジイソプロピルエーテルによる分解の後に得る;無色結晶として;m.p.143℃;FAB−MS:(M+H)=371;HPLC:tret(grad20/3)=12.94分。
実施例86:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(1,3−ジヒドロキシ−プロプ−2−イル−アミノ)−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および2.6g(28.6mmol)の2−アミノ−1,3−プロパンジオールから、23h、100℃、続いて数回のジエチルエーテルでの分解による精製の後に得る;FAB−MS:(M+H)=363;HPLC:tret(grad20/3)=7.06分。
実施例87:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(4−メチル−シクロヘキシル−アミノ)−9H−プリンを、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および3.8ml(28.6mmol)の4−メチル−シクロヘキシル−アミンから、17h、95℃、続いてMPLCカラムクロマトグラフィーによる精製の後に得る;FAB−MS:(M+H)=385;HPLCtret(grad20/3)=13.85分。
実施例88:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[(R)−2−ヒドロキシ−プロピル−アミノ]−9H−プリンを、薄赤色結晶として、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および2.25g(28.6mmol)のR−(−)−1−アミノ−2−プロパノールから、18h、100℃、続いてジエチルエーテルでの分解による精製の後に得る;m.p.161℃;FAB−MS:(M+H)=347;HPLC:tret(grad20/3)=8.39分;[α] 20=−20.8°[メタノール、c=1]。
実施例89:実施例1と同様にして、6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[(S)−2−ヒドロキシ−プロピル−アミノ]−9H−プリンを、薄ベージュ色結晶として、308mg(1.0mmol)の2−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン[段階1.2に記載]および2.25g(28.6mmol)のS−(+)−1−アミノ−2−プロパノールから、18h、100℃、続いてジエチルエーテルでの分解による精製の後に得る;m.p.161℃;FAB−MS:(M+H)=347;HPLCtret(grad20/3)=8.40分;[α] 20=+21.7°[メタノール、c=1]。
実施例90:0.2g(0.62mmol)の2−クロロ−9−エチル−6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−9H−プリンを、2.5mlのエチレンジアミン中、75℃で3h撹拌し、混合物を冷却させ、酢酸エチルで希釈する。有機相を水で洗浄し、分離させ、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の除去後、残渣をジオキサンに溶解し、4N HClのジオキサン溶液で処理する。2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−9−エチル−6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−9H−プリン塩酸塩を、この方法により沈殿する結晶として得る。この沈殿を濾取し、乾燥させる;m.p.>250℃;FAB−MS:(M+H)=315;R=0.6(酢酸エチル:イソプロパノール:水:22%水性水酸化アンモニウム溶液=40:60:15:18)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階90.1:2g(10.58mmol)の2,6−ジクロロ−プリンおよび5.9g(52.9mmol)の3−フルオロ−アニリン(Fluka、Buchs、Switzerland)を60mlのn−ブタノールおよび3mlのDMF中、80℃で5h撹拌する。冷却反応混合物をイソプロパノールで処理し、沈殿した結晶性マスを濾取し、乾燥させる。2−クロロ−6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−プリンを得る;m.p.>250℃;FAB−MS:(M+H)=264;R=0.3(CHCl:メタノール9:1)。
段階90.2:1g(3.47mmol)の2−クロロ−6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−プリン、1.8g(5.5mmol)の炭酸セシウムおよび2.3ml(27.8mmol)のヨードエタンを14mlのジオキサン/水混合物(4:3)および12mlのDMF中、RTで16h撹拌する。その後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の除去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル/ヘキサン=4:1)に付し、2−クロロ−9−エチル−6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−9H−プリンを単離する;m.p.136℃;FAB−MS:(M+H)=292;R=0.7(CHCl:メタノール=9:1)。
実施例91:0.2g(0.63mmol)の2−クロロ−9−イソプロピル−6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−9H−プリンを、2.5mlのエチレンジアミン中、75℃で5h撹拌する。混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈する。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の除去後、残渣をジオキサンに溶解し、4N HClのジオキサン溶液で処理する。2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−9−イソプロピル−9H−プリンがこの方法により結晶として沈殿する;m.p.>250℃;FAB−MS:(M+H)=329;R=0.1(CHCl:メタノール=9:1)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階91.1:段階90.2と同様にして、2−クロロ−9−イソプロピル−6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−9H−プリンを、1g(3.47mmol)の2−クロロ−6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−プリン(段階90.1により製造)、2.3gの炭酸セシウム(6.95mmol)および2.1ml(20.8mmol)のヨウ化イソプロピルの48mlのジオキサン/水/DMFを2:3:5の比率で含む混合物の溶液から、80℃で6h撹拌後に得る;m.p.130℃;FAB−MS:(M+H)=306;R=0.85(CHCl:メタノール=9:1)。
実施例92:0.2g(0.62mmol)の2−クロロ−9−エチル−6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−9H−プリン(段階90.2により製造)を1mlのエタノールアミン中で、150℃で3h撹拌し、混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈する。有機相を水で洗浄し、分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。濃縮により、2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを、結晶性沈殿物として得る。この沈殿を濾取し、乾燥させる;m.p.184℃;FAB−MS:(M+H)=317;R=0.5(CHCl:メタノール=9:1)。
実施例93:0.2g(0.63mmol)の2−クロロ−9−イソプロピル−6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−9H−プリン(段階91.1により製造)を1mlのエタノールアミン中で150℃で5h撹拌し、混合物を次いで冷却し、酢酸エチルで希釈する。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の濃縮により、6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−9−イソプロピル−9H−プリンを、結晶性マスとして得る。これを濾取し、乾燥させる;m.p.142℃;FAB−MS:(M+H)=330;R=0.6(CHCl:メタノール9:1)。
実施例94:0.2g(0.6mmol)の2−クロロ−9−エチル−6−(3−シアノ−フェニル−アミノ)−9H−プリンを、2.5mlのエチレンジアミン中75℃で3.5h撹拌し、混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈する。有機相を水で洗浄し、分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の除去後、残渣を3mlのジオキサンに溶解し、4N HClのジオキサン溶液で処理する。2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−6−(3−シアノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン塩酸塩を結晶性沈殿物として得る。これを濾取し、乾燥させる;m.p.200℃;FAB−MS:(M+H)=323;R=0.5(酢酸エチル:i−プロパノール:水:22%水性水酸化アンモニウム溶液=40:60:15:10)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階94.1:2g(10.6mmol)の2,6−ジクロロプリンおよび6.3g(52.9mmol)の3−アミノ−ベンゾニトリルを63mlのDMF:n−ブタノール混合物(1:30)中、80℃で18h撹拌する。冷却反応混合物を酢酸エチルで処理し、2−クロロ−6−(3−シアノ−フェニル−アミノ)−プリンが沈殿する。結晶性マスを濾取し、乾燥させる;m.p.>250℃;FAB−MS:(M+H)=271;R=0.45(CHCl:メタノール=9:1)。
段階94.2:1.5g(3.95mmol)の2−クロロ−6−(3−シアノ−フェニル−アミノ)−プリン、2.1g(6.3mmol)の炭酸セシウムおよび2.6ml(31.6mmol)のヨードエタンを66mlのジオキサン:水:DMFを1:2:3の比で含む混合物中、RTで19h撹拌する。その後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を水で洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル:ヘキサン=4:1)に付す。溶媒の除去後、2−クロロ−9−エチル−6−(3−シアノ−フェニル−アミノ)−9H−プリンを結晶性沈殿物として得る。この沈殿を濾取し、乾燥させる;m.p.189℃;FAB−MS:(M+H)=299;R=0.9(CHCl:メタノール9:1)。
実施例95:0.19g(0.55mmol)の2−クロロ−9−エチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリンを0.6mlのエチレンジアミン中140℃で2h撹拌し、混合物を次いで冷却し、酢酸エチルで希釈する。有機相を水で洗浄し、分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の除去後、残渣をイソプロパノールに溶解する。4N HClのジオキサン溶液添加後、2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−9−エチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリンが結晶として析出し、濾取し、乾燥させる;m.p.>250℃;FAB−MS:(M+H)=366;R=0.4(CHCl:メタノール:水=70:30:5)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階95.1:1.9g(10mmol)の2,6−ジクロロ−プリンを60mlのブタノールおよび3mlのDMF中、8.05g(50mmol)の3−アミノ−ベンゾトリフルオリドと、60℃で3h撹拌する。冷却により、2−クロロ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−プリンを結晶性マスとして得る。これを濾取し、真空乾燥する;m.p.248℃;FAB−MS:(M+H)=314;R=0.45(CHCl:メタノール=95:5)。
段階95.2:1g(3.2mmol)の2−クロロ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−プリン、1.7g(5.1mmol)の炭酸セシウムおよび2.1ml(25.6mmol)のヨウ化エチルを7mlのジオキサン、水およびDMFを8:2:2の比で含む混合物中、RTで18h撹拌する。その後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を水で洗浄する。硫酸ナトリウムでの乾燥および溶媒の除去後、2−クロロ−9−エチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリンを結晶性化合物として得る。これを濾取し、乾燥させる;m.p.129℃;FAB−MS:(M+H)=342;R=0.6(CHCl:メタノール=9:1)。
実施例96:実施例92と同様にして、6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−9−イソプロピル−9H−プリンを結晶性化合物として、0.2g(0.52mmol)の2−クロロ−9−イソプロピル−6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−9H−プリンの1mlのエタノールアミン溶液から、150℃で48hで得る;m.p.139℃;FAB−MS;(M+H)=331;R=0.45(CHCl:メタノール=9:1)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階96.1:2g(10.6mmol)の2,6−ジクロロ−プリンを50mlのn−ブタノール中、5.1ml(52.9mmol)の4−フルオロ−アニリンと70℃で10h撹拌する。冷却により析出した結晶性マスは所望の2−クロロ−6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−プリンである。これを濾取し、真空乾燥する。m.p.>250℃;FAB−MS:(M+H)=264;R=0.5(CHCl:メタノール=9:1)。
段階96.2:1g(3.3mmol)の2−クロロ−6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−プリン、2.1g(6.6mmol)の炭酸セシウムおよび2mlのヨウ化イソプロピルを含む混合物を、32mlのジオキサン、水およびDMFを2:3:7の比で含む混合物中、100℃で20h撹拌する。その後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を水で洗浄する。硫酸ナトリウムでの乾燥および溶媒の除去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル:ヘキサン=4:1)に付す。濃縮により、2−クロロ−9−イソプロピル−6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−9H−プリンを結晶性化合物として得る。m.p.154℃;FAB−MS:(M+H)=306;R=0.2(酢酸エチル:ヘキサン=4:1)。
実施例97:実施例90と同様にして、2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−9−イソプロピル−9H−プリン塩酸塩を、0.2g(0.52mmol)の2−クロロ−9−イソプロピル−6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−9H−プリンの2.5mlのエチレンジアミン溶液から、48hで75℃の後に得る;m.p.>250℃;FAB−MS:(M+H)=330;R=0.7(酢酸エチル:イソプロパノール:水:22%水性水酸化アンモニウム溶液=40:60:15:10)。
実施例98:実施例91と同様にして、2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−9−エチル−6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−9H−プリン塩酸塩を結晶性形で、0.24g(0.68mmol)の2−クロロ−9−エチル−6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−9H−プリンの2.5mlのエチレンジアミン溶液から、48h、75℃の後に得る;m.p.>250℃;FAB−MS:(M+H)=316;R=0.6(酢酸エチル:イソプロパノール:水:22%水性水酸化アンモニウム溶液=40:60:15:10)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階98.1:段階96.2と同様にして、2−クロロ−9−エチル−6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−9H−プリンを結晶性形で、1g(3.3mmol)の2−クロロ−6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−プリン(段階96.1により製造)、1.7g(5.2mmol)の炭酸セシウムおよび2.1mlのヨウ化エチルから、得られる化合物の更なるシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル:ヘキサン=4:1)による精製により得る;m.p.184℃;FAB−MS:(M+H)=292;R=0.8(CHCl:メタノール=9:1)。
実施例99:実施例92と同様にして、9−エチル−6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−9H−プリンを、0.24g(0.68mmol)の2−クロロ−9−エチル−6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−9H−プリン(段階98.1により製造)および1mlのエタノールアミンから、48h、150℃の後に得、まだ更にシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、次いで結晶性マスとして得る;m.p.152℃;FAB−MS:(M+H)=317;R=0.3(CHCl:メタノール9:1)。
実施例100:実施例92と同様にして、9−エチル−2−(3−ヒドロキシ−プロピル−アミノ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリンを無色結晶として、0.2g(0.58mmol)の2−クロロ−9−エチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン(段階95.2に従って製造)の2mlの3−アミノ−1−プロパノール溶液から、2h、140℃の後に得る;m.p.136℃;FAB−MS:(M+H)=381;R=0.3(CHCl:メタノール95:5)。
実施例101:実施例90と同様にして、2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−9−イソプロピル−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−9H−プリンを結晶性形で、0.2g(0.63mmol)の2−クロロ−9−イソプロピル−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−9H−プリンの4mlのエチレンジアミン溶液から、16h、75℃の後に得る;m.p.181℃;FAB−MS:(M+H)=342;R=0.1(CHCl:メタノール=7:3)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階101.1:2g(7.25mmol)の2−クロロ−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−プリン(段階26.1により製造)、4.7g(14.5mmol)の炭酸セシウムおよび3.8ml(38.2mmol)のヨウ化イソプロピルを60mlのジオキサン:水:DMFを9:1:1の比で含む混合物中、60℃で6hで撹拌する。その後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の除去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:CHCl:メタノール=9:1)に付す。濃縮により得られた結晶性沈殿が2−クロロ−9−イソプロピル−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−9H−プリンである;m.p.101℃;FAB−MS:(M+H)=318;R=0.8(CHCl:メタノール=9:1)。
実施例102:0.15g(0.4mmol)の2−クロロ−9−イソプロピル−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−9H−プリン(段階101.1により製造)および23mg(0.44mmol)のヒドラジン一水和物を、1mlのn−ブタノール/ピリジン(4:1)中、70℃で6hで撹拌する。混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈する。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の除去後、残渣をジオキサンに溶解する。結晶性沈殿が、4N HClのジオキサン溶液の添加後に得られ、それは2−ヒドラジノ−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−9−イソプロピル−9H−プリン塩酸塩であり、濾取し、乾燥させる;m.p.250℃;FAB−MS:(M+H)=314;R=0.5(CHCl:メタノール=95:5)。
実施例103:実施例91と同様にして、2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−9−エチル−6−(3−ニトロ−フェニル−アミノ)−9H−プリン塩酸塩を結晶性化合物として、0.22g(0.7mmol)の2−クロロ−9−イソプロピル−6−(4−ニトロ−フェニル−アミノ)−9H−プリンの3mlのエチレンジアミン溶液から、2h、75℃の後に得る;m.p.>250℃;FAB−MS:(M+H)=357;R=0.1(CHCl:メタノール=9:1)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階103.1:1.9g(10mmol)の2,6−ジクロロ−プリンを40mlのDMF/n−ブタノール(1:3)中、4.1g(30mmol)の4−ニトロ−アニリンと、130℃で24h撹拌し、冷却して析出する結晶性マスを濾取し、真空乾燥する。2−クロロ−6−(4−ニトロ−フェニル−アミノ)−プリンを得る;m.p.>270℃;FAB−MS:(M+H)=291;R=0.6(CHCl:メタノール=9:1)。
段階103.2:0.87g(3mmol)の2−クロロ−6−(4−ニトロ−フェニル−アミノ)−プリン、0.15g(4.5mmol)の炭酸セシウムおよび1.8ml(18mmol)のヨウ化イソプロピルを含む混合物を、22mlのジオキサン:水:DMFを2:1:4の比で含む混合物中、100℃で48hで撹拌する。その後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の除去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:CHCl:メタノール=9:1)に付す。濃縮により得られる結晶性沈殿を濾取し、乾燥させる。2−クロロ−9−イソプロピル−6−(4ニトロ−フェニル−アミノ)−9H−プリンを得る;m.p.>260℃;FAB−MS:(M+H)=333;R=0.8(CHCl:メタノール=9:1)。
実施例104:25mg(0.1mmol)の2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−6−チオメチル−9−エチル−9H−プリンおよび38μl(0.3mmol)の4−アミノ−ベンゾ−トリフルオリドを2mlの塩化メチレンに溶解し、3mlの塩化メチレンに溶解した52mg(0.3mmol)の3−クロロ−過安息香酸を、RTで1hにわたり滴下する。反応混合物を、RTで3h撹拌し、酢酸エチルで希釈する。有機相を飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の除去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:塩化メチレン:メタノール=95:5)に付す。9−エチル−2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリンを結晶性化合物として得る;m.p.191−192℃;FAB−MS:(M+H)=367;R=0.5(塩化メチレン:メタノール=9:1)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階104.1:3g(15.9mmol)の2,6−ジクロロ−プリンを15mlのn−ブタノール中、2.4g(31.8mmol)のナトリウムメタンチオレートと、100℃で1h撹拌する。反応混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈する。所望の化合物である、2−クロロ−6−チオメチル−プリンが1N HClの滴下により結晶性化合物として沈殿し、それを濾取し、乾燥させる;m.p.289℃;FAB−MS:(M+H)=201;R=0.3(酢酸エチル:ヘキサン=4:1)。
段階104.2:0.6g(3mmol)の2−クロロ−6−チオメチル−プリン、1.5g(4.5mmol)の炭酸セシウムおよび1.5ml(18mmol)のヨウ化エチルを30mlのジオキサン:水:DMFを2:1:4の比で含む混合物中、RTで16h撹拌する。その後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄する。有機相を分離した後、これを硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。所望の化合物である、結晶性2−クロロ−9−エチル−6−チオメチル−9H−プリンを副生産物である2−クロロ−7−エチル−6−チオメチル−7H−プリンから、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相:塩化メチレン:メタノール=95:5)により分離する;m.p.119℃;FAB−MS:(M+H)=229;R=0.8(塩化メチレン:メタノール=9:1)。
段階104.3:0.2g(0.9mmol)の2−クロロ−9−エチル−6−チオメチル−9H−プリンを、1mlのエタノールアミン中、105℃で18h撹拌する。エタノールアミンの高真空下での除去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:塩化メチレン:メタノール=9:1)に付し、所望の化合物である、2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−6−チオメチル−9−エチル−9H−プリンを結晶性固体として単離する;m.p.115℃;FAB−MS:(M+H)=254;R=0.5(塩化メチレン:メタノール=9:1)。
二置換化合物である、2,6−ジ−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−9−エチル−9H−プリンを副生産物として単離できる。
実施例105:実施例92と同様にして、9−エチル−2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−6−(3,5−ジ−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリンを、360mg(0.6mmol)の2−(クロロ−9−エチル−6−(3,5−ジ−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリンの2.03ml(32mmol)のエタノールアミン溶液から、21h、100℃の後に得る。精製をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:アセトン:ヘキサン=1:1)により行う。物質は結晶性である;m.p.202℃;FAB−MS:(M+H)=435;R=0.11(酢酸エチル:ヘキサン=4:1)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階105.1:段階96.1と同様にして、2−クロロ−6−(3,5−ジ−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−プリンを、1.5g(7.7mmol)の2,6−ジクロロ−プリンおよび1.9g(7.78mmol)の45mlのn−ブタノール溶液から13h、100℃の後に得る。精製を酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶により行う。無色結晶を得る;m.p.265℃;FAB−MS:(M+H)=382;R=0.26(酢酸エチル:ヘキサン=4:1)。
段階105.2:段階96.2と同様にして、2−クロロ−9−エチル−6−(3,5−ジ−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリンを、1g(2.36mmol)の2−クロロ−6−(3,5−ジ−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−プリン、2.4g(7.54mmol)の炭酸セシウムおよび3ml(37.6mmol)のヨウ化エチルから、RTで21hの60mlのDMF/水(8:2)および15mlのジオキサン中での撹拌後に得る。精製をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル:ヘキサン=4:1)およびt−ブチルメチルエーテルからの再結晶により行う。無色結晶を得る;m.p.158℃;FAB−MS:(M+H)=410;R=0.47(酢酸エチル:ヘキサン=4:1)。
実施例106:実施例92と同様にして、6−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−9H−プリンを、340mg(0.68mmol)の2−クロロ−9−エチル−6−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリンの2.03mlのエタノールアミン溶液から21h、65℃の後に得る。精製をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:アセトン:ヘキサン=1:1)により行う;m.p.194℃;FAB−MS:(M+H)=401;R=0.04(酢酸エチル:ヘキサン=4:1)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階106.1:段階96.1と同様にして、2−クロロ−6−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−プリンを、1.5g(7.78mmol)の2,6−ジクロロ−プリンおよび1.6g(7.78mmol)の5−アミノ−2−クロロ−ベンゾ−トリフルオリドの45mlのn−ブタノール溶液から、13h、100℃の後に得る。精製を粗生産物をt−ブチルメチルエーテルによるトリチル化をして行う。無色結晶を得る;m.p.283℃;FAB−MS:(M+H)=348;R=0.1(酢酸エチル:ヘキサン=4:1)。
段階106.2:段階96.2と同様にして、2−クロロ−9−エチル−6−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリンを、400mg(1.03mmol)の2−クロロ−6−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−プリン、1.1g(3.3mmol)の炭酸セシウムおよび1.37ml(16.8mmol)のヨウ化エチルから25h、RTでの40mlのDMF/水(8:2)および10mlのジオキサン中の後に得る。精製をt−ブチルメチルエーテルからの再結晶により行う。無色結晶を得る;m.p.167℃;FAB−MS:(M+H)=376;R=0.2(酢酸エチル:ヘキサン=4:1)。
実施例107:実施例92と同様にして、6−(4−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−9H−プリンを、1g(2.36mmol)の2−クロロ−9−エチル−6−(4−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−フェニル−アミノ)−9H−プリンの10mlのエタノールアミン溶液から、2h、120℃の後に得る。精製をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:塩化メチレン:メタノール=9:1)により行う;m.p.148℃;FAB−MS:(M+H)=448;R=0.3(塩化メチレン:メタノール=9:1)。
出発物質を下記のようにして得る:
段階107.1:5.4g(50mmol)の1,4−フェニレンジアミンを100mlの酢酸エチルに溶解し、14.3g(50mmol)のジベンジルジカーボネートの20mlのジオキサン溶液を、RTで15minにわたり滴下する。混合物を、RTで3h撹拌した後、酢酸エチルで希釈し、4N NaOHおよび水で中性になるまで洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を除去する。所望の化合物である、4−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−アニリンがジエチルエーテル/ヘキサン(1:4)の添加により析出する;m.p.85℃;FAB−MS:(M+H)=243;R=0.3(塩化メチレン:メタノール=97:3)。
段階107.2:段階96.1と同様にして、所望の化合物である、2−クロロ−6−(4−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−フェニル−アミノ)−プリンを、2.7g(14mmol)の2,6−ジクロロプリンおよび4.4g(18mmol)の4−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−アニリンの42mlのn−ブタノール:DMF(20:1)溶液から18h、50℃の後に得る。化合物は結晶性である。m.p.>320℃;FAB−MS:(M+H)=395;R=0.3(塩化メチレン:メタノール=9:1)。
段階107.3:段階96.2と同様にして、2−クロロ−9−エチル−6−(4−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−フェニル−アミノ)−9H−プリンを、2.5g(6.3mmol)の2−クロロ−6−(4−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−フェニル−アミノ)−プリン、3.1g(9.45mmol)の炭酸セシウムおよび3.05ml(37.8mmol)のヨウ化エチル溶液から、16h、RTの40mlのDMF/水/ジオキサン(2:1:4)の後に得る。精製をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル:ヘキサン=4:1)により行う;m.p.202℃;FAB−MS:(M+H)=423;R=0.6(塩化メチレン:メタノール=9:1)。
実施例108:0.45g(1mmol)の2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−6−(4−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン(実施例107により製造)を0.1gの10%Pd/Cで8mlのメタノール中、RTで5h水素添加する。触媒を濾取し、フィルター上の残渣をジオキサン/水(95:5)ですすぎ、溶媒を真空で除去する。所望の化合物である、6−(4−アミノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−9H−プリンをこの方法により結晶性形で単離できる;m.p.210℃;FAB−MS:(M+H)=314;R=0.15(塩化メチレン:メタノール=9:1)。
実施例109:63mg(0.2mmol)の2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−6−(4−アミノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン(実施例108により製造)を1mlのピリジンに溶解し、139μl(1mmol)のトリフルオロ酢酸無水物で、RTで処理する。反応混合物を、RTで30分撹拌する。それを酢酸エチルで希釈し、水で洗浄する。濃縮により、所望の化合物である、9−エチル−2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−6−(4−トリフルオロアセチル−アミノ−フェニル−アミノ)−9H−プリンを結晶形で得る;m.p.185℃;FAB−MS:(M+H)=410;R=0.15(塩化メチレン:メタノール=9:1)。
実施例110:62mg(0.2mmol)の6−(4−アミノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−9H−プリン(実施例108により製造)、0.18g(0.4mmol)の(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−トリス−(ジメチル−アミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、54mg(0.4mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)および68μlのジイソプロピルアミンを6mlのジメチルアセトアミド中、RTで5min撹拌し、次いで63mg(0.4mmol)の3−クロロ安息香酸で処理する。混合物をRTで30min撹拌後、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄する。粗生産物をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:塩化メチレン:メタノール=9:1)により精製する。6−(4−[3−クロロ−ベンゾイル−アミノ]−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−9H−プリンを得る;FAB−MS:(M+H)=452;R=0.45(塩化メチレン:メタノール=9:1)。
実施例111:以下の化合物を、本明細書に記載の方法と同様にして得る:
a1)2−(シス−2−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−9−エチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
a2)9−エチル−2−[(R)−1−ヒドロキシ−ブト−2−イル−アミノ]−6−(3トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
a3)9−エチル−2−(トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル−アミノ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
a4)2−(トランス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−9−エチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
a5)2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−9−エチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
a6)2−(シス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−9−エチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
b1)2−(シス−2−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
b2)6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[(R)−1−ヒドロキシ−ブト−2−イル−アミノ]−9H−プリン
b3)6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(トランス−4−ヒドロキシ−シクロヘキシル−アミノ)−9H−プリン
b4)2−(トランス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
b5)2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
b6)2−(シス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
c1)2−(シス−2−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−9−エチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
c2)9−エチル−2−[(R)−1−ヒドロキシ−ブト−2−イル−アミノ]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
c3)9−エチル−2−(トランス−4−ヒドロキシ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
c4)2−(トランス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−9−エチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
c5)2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−9−エチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
c6)2−(シス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−9−エチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
d1)2−(シス−2−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
d2)6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[(R)−1−ヒドロキシ−ブト−2−イル−アミノ]−9H−プリン
d3)6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(トランス−4−ヒドロキシ−シクロヘキシル−アミノ)−9H−プリン
d4)2−(トランス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
d5)2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
d6)2−(シス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
e1)2−(シス−2−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−9−エチル−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−9H−プリン
e2)9−エチル−2−[(R)−1−ヒドロキシ−ブト−2−イル−アミノ]−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−9H−プリン
e3)9−エチル−2−(トランス−4−ヒドロキシ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−9H−プリン
e4)2−(トランス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−9−エチル−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−9H−プリン
e5)2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−9−エチル−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−9H−プリン
e6)2−(シス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−9−エチル−6−(3−メトキシ−フェニル−アミノ)−9H−プリン
f1)2−(シス−2−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3−シアノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
f2)6−(3−シアノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[(R)−1−ヒドロキシ−ブト−2−イル−アミノ]−9H−プリン
f3)6−(3−シアノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(トランス−4−ヒドロキシ−シクロヘキシル−アミノ)−9H−プリン
f4)2−(トランス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3−シアノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
f5)2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−6−(3−シアノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
f6)2−(シス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3−シアノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
g1)2−(シス−2−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(4−アミノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
g2)6−(4−アミノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[(R)−1−ヒドロキシ−ブト−2−イル−アミノ]−9H−プリン
g3)6−(4−アミノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(トランス−4−ヒドロキシ−シクロヘキシル−アミノ)−9H−プリン
g4)2−(トランス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(4−アミノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
g5)2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−6−(4−アミノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
g6)2−(シス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(4−アミノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
h1)2−(シス−2−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
h2)6-(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[(R)−1−ヒドロキシ−ブト−2−イル−アミノ]−9H−プリン
h3)6−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル−アミノ)−9H−プリン
h4)2−(トランス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
h5)2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−6−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
h6)2−(シス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
i1)2−(シス−2−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−9−エチル−6−(3,5−ジ−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
i2)9−エチル−2−[(R)−1−ヒドロキシ−ブト−2−イル−アミノ]−6−(3,5−ジ−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
i3)9−エチル−2−(トランス−4−ヒドロキシ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3,5−ジ−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
i4)2−(トランス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−9−エチル−6−(3,5−ジ−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
i5)2−(2−アミノ−エチル−アミノ)−9−エチル−6−(3,5−ジ−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
i6)2−(シス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−9−エチル−6−(3,5−ジ−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン
k)9−エチル−2−[2−(2−ヒドロキシ−エチル−ヘキサヒドロピリダジノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9H−プリン
l)9−エチル−2−[2−(2−シアノエチル−ヘキサヒドロピリダジノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9H−プリン
m)2−[2−(3−アミノプロピル−ヘキサヒドロピリダジノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン
n)9−エチル−2−[(R)−1−アミノ−ブト−2−イル−アミノ]−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9H−プリン
o)6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−[2−グアニジノ−エチル−アミノ]−9H−プリン
p)6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−グアニジノ−9H−プリンおよび
q)6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(シス−2−グアニジノ−シクロヘキシル−アミノ)−9H−プリン。

Claims (7)

  1. 抗腫瘍的に有効な量の式I
    Figure 2007231023
    式中、qは1−5であり、
    はハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシルまたは低級アルカノイルオキシ;非置換かまたはヒドロキシル、低級アルコキシまたはカルボキシルにより置換されている低級アルコキシ;tが2〜5でありRが水素または低級アルキルである式−O(−CH−CH−O)−Rの基;カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、ピペラジン−1−イル−カルボニルまたはカルバモイル;非置換かまたは低級アルキル部分でヒドロキシルまたはアミノにより置換されているN−低級アルキル−カルバモイル;N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、シアノ、ニトロ、アミノ、低級アルカノイルアミノ、低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、アミノスルホニルまたはトリフルオロメチルであり、ここで、基Rが1つ以上分子中に存在するならば、それらはお互いに同じであっても異なっていてもよく、
    は水素、カルバモイルまたはN−低級アルキルカルバモイルであり、
    mおよびnは、それぞれ0または1であり、nが1ならばmは0であり、nが0ならばmは1であり、
    は非置換かまたはヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノまたはN,N−ジ−低級アルキルアミノによりそれぞれが置換されている低級アルキルまたはフェニルであり、
    a)Rは水素、アミノ、フェニルアミノ、低級アルキルアミノ、ヒドロキシル、フェノキシ、低級アルコキシ、C原子を2〜30個有するアシル、C原子を多くても29個有する置換脂肪族炭化水素基、C原子を多くても29個有する炭素環式基またはC原子を多くても20個およびヘテロ原子を多くても9個有する複素環式基であり、
    は、Rと独立的に、上記Rに関して定義された基(ただし、水素を除く。)であるか、または
    b)RおよびRは共にそれぞれがC原子を多くても15個有する置換または非置換アルキレンまたはアルケニレン基であり、1〜3個のC原子は酸素、硫黄または窒素で置換されていてもよい、
    で示される、2−アミノ−6−アニリノ−プリン誘導体または医薬的に許容できるその塩を医薬的担体と共に含む、ヒトを含む温血動物の腫瘍の処置のための医薬組成物。
  2. 式中、
    qが1−5であり、
    がハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシルまたは低級アルカノイルオキシ;非置換かまたはヒドロキシル、低級アルコキシまたはカルボキシルにより置換されている低級アルコキシ;式−O(−CH−CH−O)−R、式中、tは2〜5であり、Rは水素または低級アルキルである、の基;カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、ピペラジン−1−イル−カルボニルまたはカルバモイル;非置換かまたは低級アルキル部分でヒドロキシルまたはアミノにより置換されているN−低級アルキル−カルバモイル;N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、シアノ、ニトロ、アミノ、低級アルカノイルアミノ、低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、アミノスルホニルまたはトリフルオロメチルであり、ここで、基Rが分子中に1つ以上存在する場合、それらは互いに同じであっても、また異なっていてもよく、
    が水素、カルバモイルまたはN−低級アルキル−カルバモイルであり、
    mおよびnがそれぞれ0または1であるが、nが1ならばmは0であり、nが0ならばmは1であり、
    が低級アルキルまたはフェニルであり、これらは非置換であるか、またはそれぞれヒドロキシル、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノまたはN,N−ジ−低級アルキルアミノにより置換されており、そして、
    a)Rが水素、アミノ、フェニルアミノ、低級アルキルアミノ、ヒドロキシル、フェノキシ、低級アルコキシ;式Z−C(=W)−のアシル基、式中、Wは酸素、硫黄またはイミノであり、Zは、ヒドロカルビル基であるR、ヒドロカルビルオキシ基であるR−O−または式R(R)N−であり、式中、RはそれぞれC−Cアルキル、ヒドロキシ−C−Cアルキル、シアノ−C−Cアルキル、カルボキシ−C−Cアルキル、C−Cアルコキシカルボニル−C−Cアルキル、C−Cアルケニルまたはフェニルであり、RおよびRはお互いに独立してそれぞれ水素、低級アルキル、ω−アミノ−低級アルキル、低級アルキルスルホニルまたはフェニルである;
    C原子を多くても29個有する置換脂肪族炭化水素基、ここで、該脂肪族炭化水素基は、ハロゲン、アミノ、低級アルキルアミノ、ω−アミノ−低級アルキルアミノ、低級アルカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ヒドロキシルアミノ、ヒドロキシルイミノ、低級アルコキシ−アミノ、フェニルオキシアミノ、アミノシクロヘキシル−アミノ−、アミノ−フェニル−アミノ−、カルバモイル−アミノ、(N−低級アルキル−カルバモイル)アミノ、(N−[ω−アミノ−低級アルキル]カルバモイル)−アミノ、(N−フェニル−カルバモイル)−アミノ、チオ、低級アルキルチオ、チオカルバモイル、チオウレイド、N−低級アルキル−チオウレイド、N−フェニル−チオウレイド、グアニジノ、N−低級アルキル−グアニジノ、カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、カルバモイル、アミジノ、シアノ、ヒドロキシル、低級アルコキシ、フェニルオキシ、アミノカルボニル−オキシ、オキソ、アミノスルホニル、低級アルキルスルホニル−アミノ、グリシルアミノ、アラニルアミノ、フェニルアラニルアミノ、プロリルアミノ、バリルアミノ、ロイシルアミノ、イソロイシルアミノ、セリルアミノ、トレオニルアミノ、システイニルアミノ、メチオニルアミノ、チロシルアミノ、トリプトファニルアミノ、アルギニルアミノ、ヒスチジニルアミノ、リジルアミノ、グルタミルアミノ、グルタミニルアミノ、アスパラギルアミノ、アスパラジニルアミノまたはフェニルグリシルアミノで置換されている;
    ベンジル、2−フェニル−エチル、3−アミノメチル−ベンジル、(1−ヒドロキシ−シクロヘキシ−1−イル)−メチル、(2−アミノ−3,5,5−トリメチル−シクロペンチル)−メチル、1−[N−(1−カルボキシ−2−フェニル−エチル)−カルバモイル]−2−カルバモイル−エト−1−イル、1−カルバモイル−1−フェニル−メチル、1−カルバモイル−2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−エト−1−イル、1−カルバモイル−2−フェニル−エト−1−イル、2−アミノ−1,2−ジフェニル−エト−1−イル、2−ベンジルオキシカルボニル−1−カルバモイル−エト−1−イル、3−ベンジルオキシカルボニル−1−カルバモイル−プロプ−1−イル、1−アダマンチル−2−アミノ−プロプ−1−イル、1−アダマンチル−1−アミノ−プロプ−2−イル、(2−フリル)−メチル、(2−テトラヒドロフリル)−メチル、2−ピリド−2−イル−エチル、2−ピペリジノ−エチル、2−(モルホリン−4−イル)−エチル、2−(3−インドリル)−エチル、2−(4−イミダゾリル)−エチル、1−カルバモイル−2−(β−インドリル)−エト−1−イル、1−カルバモイル−2−イミダゾル−4−イル−エト−1−イル、1−カルバモイル−2−インドル−3−イル−エト−1−イル、3−アミノメチル−オキセタン−3−イル−メチル、1−(アセトキシ−イミノ)−1−(4−アミノ−2−オキサ−1,3−ジアゾル−5−イル)−メチル、2−アミノ−シクロヘキシ−1−イル、3−アミノ−シクロヘキシ−1−イル、2−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロペント−1−イル、3−アミノ−アダマンタン−1−イル、2−カルバモイル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−3−イル、2−カルバモイル−シクロヘキシ−1−イル、9−アミノ−スピロ[4.4]ノン−1−イル、5−アミノ−2−オキサ−1,3−ジアゾル−4−イル、4−アミノ−チエン−3−イル、3−カルバモイル−5−(3−[2,4−ジクロロ−フェニル]−1−オキソ−プロプ−2−エン−1−イル)−1,2−チアゾル−4−イル、3−カルバモイル−5−(3−[4−トリフルオロ−フェニル]−1−オキソ−プロプ−2−エン−1−イル)−1,2−チアゾル−4−イル、4−アミノ−2−(4−カルボキシ−ブチル)−テトラヒドロチオフェン−3−イル、3−アミノ−2−(4−カルボキシ−ブチル)−テトラヒドロチオフェン−4−イル、[1,2,5]オキサジアゾロ[3,4−b](6−アミノ−ピラジン−5−イル)、2,5'−ジアセチル−3−アミノ−チエノ[2,3−b]チオフェン−4'−イルまたは3−アミノ−2,5'−ジピバロイル−チエノ[2,3−b]−チオフェン−4'−イルであり、
    がRとは独立して、水素を除いて上記Rのところで定義したとおりであるか、または、
    b)RおよびRが共に、1,2−エチレン、プロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル、3−(3−アミノ−プロピオニル)−3−アザ−ペンタン−1,5−ジイル、1−アミノメチル−ブタン−1,4−ジイル、1−ヒドロキシメチル−ブタン−1,4−ジイル、3−(2−アミノ−エチル)−ペンタン−1,5−ジイル、3−アザ−ペンタン−1,5−ジイルまたは3−(2−アミノ−エチル)−3−アザ−ペンタン−1,5−ジイルである
    請求項1記載の医薬組成物。
  3. 式中、
    qが1〜3であり、
    が水素である、
    請求項1または2記載の医薬組成物。
  4. 式中、
    qが1であり、
    が3位にある塩素であり、
    が水素であり、
    mが0であり、
    nが1であり、
    がエチルであり、そして
    a)Rが水素であり、
    がアミノ、フェニルアミノ、低級アルキルアミノ、ヒドロキシル、フェノキシまたは低級アルコキシ;式Z−C(=W)−のアシル基、式中、Wは酸素、硫黄またはイミノであり、Zは、ヒドロカルビル基であるR、ヒドロカルビルオキシ基であるR−O−または式R(R)N−であり、式中、RはそれぞれC−Cアルキル、ヒドロキシ−C−Cアルキル、シアノ−C−Cアルキル、カルボキシ−C−Cアルキル、C−Cアルコキシカルボニル−C−Cアルキル、C−Cアルケニルまたはフェニルであり、RおよびRはお互いに独立してそれぞれ水素、低級アルキル、ω−アミノ−低級アルキル、低級アルキルスルホニルまたはフェニルである;
    2−カルバモイル−1−カルボキシ−エト−1−イル、3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロプ−1−イル、3−アミノ−プロプ−1−イル、3−アミノ−2,2−ジメチル−プロプ−1−イル、3−アミノ−2−オキソ−プロプ−1−イル、3−アミノ−1−カルボキシ−プロプ−1−イル、3−アミノ−3−カルボキシ−プロプ−1−イル、1,1−ジカルバモイル−メチル、2−カルバモイル−エト−1−イル、3−アミノ−1,3−ジ−ヒドロキシルイミノ−プロプ−1−イル、2−カルバモイル−1−ヒドロキシルイミノ−エト−1−イル、1−ヒドロキシルイミノ−2−チオカルバモイル−エト−1−イル、3−アミノ−3−ヒドロキシルイミノ−1−チオ−プロプ−1−イル、3−アミノ−ペント−1−イル、1−アミノ−ペント−3−イル、1−アミジノ−1−カルバモイル−メチル、4−アミノ−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタフルオロ−ペント−2−イル、3−アミノ−1,3−ジカルボキシ−プロプ−1−イル、2−カルバモイル−1−エトキシカルボニル−エト−1−イル、2−アミノ−1,2−ジチオ−エト−1−イル、2−アミノ−1,2−ジオキソ−エト−1−イル、2−アミノ−2−メチル−プロプ−1−イル、1−アミノ−2−メチル−プロプ−2−イル、2−アミノ−プロプ−1−イル、1−アミノ−プロプ−2−イル、2−アミノ−エト−1−イル、2−アミノ−2−カルボキシ−エト−1−イル、2−アミノ−1−カルボキシ−エト−1−イル、カルバモイル−メチル、1−カルバモイル−3−メチル−ブト−1−イル、2−アミノ−1,2−ジカルボキシ−エト−1−イル、1−カルバモイル−3−メチルチオ−プロプ−1−イル、1−カルバモイル−2−メチルプロプ−1−イル、1−カルバモイル−エト−1−イル、1−カルバモイル−1−シアノ−メチル、1−カルバモイル−3−カルボキシ−3−フルオロ−プロプ−1−イル、1−カルバモイル−2−カルボキシ−エト−1−イル、2−アミノ−4−カルボキシブト−1−イル、1−アミノ−4−カルボキシ−ブト−2−イル、1−カルバモイル−4−グアニジノ−ブト−1−イル、1−カルバモイル−5−アミノ−ペント−1−イル、1−カルバモイル−2−ヒドロキシプロプ−1−イル、1−カルバモイル−2−メチル−ブト−1−イル、1−カルバモイル−2−ヒドロキシ−エト−1−イル、1,3−ジカルバモイルプロプ−1−イル、2−アミノ−ブト−1−イル、1−アミノ−ブト−2−イル、1−カルバモイル−ペント−1−イル、1−カルバモイル−ブト−1−イル;
    ベンジル、2−フェニル−エチル、3−アミノメチル−ベンジル、(1−ヒドロキシ−シクロヘキシ−1−イル)−メチル、(2−アミノ−3,5,5−トリメチル−シクロペンチル)−メチル、1−[N−(1−カルボキシ−2−フェニル−エチル)−カルバモイル]−2−カルバモイル−エト−1−イル、1−カルバモイル−1−フェニル−メチル、1−カルバモイル−2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−エト−1−イル、1−カルバモイル−2−フェニル−エト−1−イル、2−アミノ−1,2−ジフェニル−エト−1−イル、2−ベンジルオキシカルボニル−1−カルバモイル−エト−1−イル、3−ベンジルオキシカルボニル−1−カルバモイル−プロプ−1−イル、1−アダマンチル−2−アミノ−プロプ−1−イル、1−アダマンチル−1−アミノ−プロプ−2−イル、(2−フリル)−メチル、(2−テトラヒドロフリル)−メチル、2−ピリド−2−イル−エチル、2−ピペリジノ−エチル、2−(モルホリン−4−イル)−エチル、2−(3−インドリル)−エチル、2−(4−イミダゾリル)−エチル、1−カルバモイル−2−(β−インドリル)−エト−1−イル、1−カルバモイル−2−イミダゾル−4−イル−エト−1−イル、1−カルバモイル−2−インドル−3−イル−エト−1−イル、3−アミノメチル−オキセタン−3−イル−メチル、1−(アセトキシ−イミノ)−1−(4−アミノ−2−オキサ−1,3−ジアゾル−5−イル)−メチル、2−アミノシクロヘキシ−1−イル、3−アミノ−シクロヘキシ−1−イル、2−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロペント−1−イル、3−アミノ−アダマンタン−1−イル、2−カルバモイル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−3−イル、2−カルバモイル−シクロヘキシ−1−イル、9−アミノ−スピロ[4.4]ノン−1−イル、5−アミノ−2−オキサ−1,3−ジアゾル−4−イル、4−アミノチエン−3−イル、3−カルバモイル−5−(3−[2,4−ジクロロ−フェニル]−1−オキソ−プロプ−2−エン−1−イル)−1,2−チアゾル−4−イル、3−カルバモイル−5−(3−[4−トリフルオロ−フェニル]−1−オキソ−プロプ−2−エン−1−イル)−1,2−チアゾル−4−イル、4−アミノ−2−(4−カルボキシ−ブチル)−テトラヒドロチオフェン−3−イル、3−アミノ−2−(4−カルボキシ−ブチル)−テトラヒドロチオフェン−4−イル、[1,2,5]オキサジアゾロ[3,4−b](6−アミノ−ピラジン−5−イル)、2,5'−ジアセチル−3−アミノ−チエノ[2,3−b]チオフェン−4'−イルまたは3−アミノ−2,5'−ジピバロイル−チエノ[2,3−b]チオフェン−4'−イルであるかまたは、
    b)RおよびRは共に、1,2−エチレン、プロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル、3−(3−アミノ−プロピオニル)−3−アザ−ペンタン−1,5−ジイル、1−アミノメチル−ブタン−1,4−ジイル、1−ヒドロキシメチル−ブタン−1,4−ジイル、3−(2−アミノ−エチル)ペンタン−1,5−ジイル、3−アザ−ペンタン−1,5−ジイルまたは3−(2−アミノ−エチル)−3−アザ−ペンタン−1,5−ジイルである、
    請求項1記載の医薬組成物。
  5. 式中、
    qが1〜3であり、
    がハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、トリフルオロアセチル−アミノまたはベンジルオキシカルボニルアミノ;非置換か、またはフェニル部分で塩素により置換されているベンゾイルアミノ;非置換か、または低級アルキル部分でヒドロキシルにより置換されているN−低級アルキル−カルバモイル;またはトリフルオロメチルであり、ここで、基Rが1つ以上分子中に存在するならば、それらは互いに同じであっても、また異なっていてもよく、
    が水素であり、
    mおよびnがそれぞれ0または1であるが、nが1ならばmは0であり、nが0ならばmは1であり、
    が非置換か、またはヒドロキシルにより置換されている低級アルキルであり、そして
    a)Rが水素、低級アルキルまたはヒドロキシ−低級アルキルであり、
    がシクロヘキシル、低級アルキル−シクロヘキシル、ヒドロキシ−シクロヘキシル、アミノ−シクロヘキシル、アミノ−フェニル、ヒドロキシメチル−シクロペンチル、アダマンチルまたはアミノ;またはアミノ、低級アルカノイルアミノ、低級アルキルアミノ、ω−アミノ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシル、低級アルコキシ、フェニル、アミノ−フェニル、アミノメチル−フェニル、2−フリル、2−テトラヒドロフリル、2−ピリジル、ピペリジノ、モルホリン−4−イル、3−インドリル、メルカプト、1−ヒドロキシ−シクロヘキシ−1−イル、シアノ、カルバモイルまたは4−イミダゾリルにより置換されている低級アルキルであるか、または
    b)RおよびRが共に、アルキレンまたはアルケニレン部分に多くても10個のC原子を持ち、非置換かまたはシアノ、ヒドロキシル、シクロヘキシルアミノカルボニル、トリルアミノカルボニル、1−ヒドロキシ−1−(メトキシフェニルアミノ)メチル、低級アルキルアミノ−カルボニル、低級アルキルアミノ−チオカルボニル、カルバモイル、低級アルカノイルアミノまたはアミノにより置換されているアルキレンまたはアルケニレン基、ここで1個のC原子は窒素で置換されていてもよい、であるか、または式
    Figure 2007231023
    式中、アルキレン鎖の2つの末端結合は遊離原子価である、
    の基である、
    請求項1記載の医薬組成物。
  6. 式中、
    qが1〜3であり、
    がハロゲン、低級アルキルまたは低級アルコキシ;低級アルキル部分でヒドロキシルにより置換されているN−低級アルキル−カルバモイル;またはトリフルオロメチルであり、ここで基Rが1つ以上分子中に存在するならば、それらは互いに同じであっても、また異なっていてもよく、
    が水素であり、
    mおよびnがそれぞれ0または1であるが、nが1ならばmは0であり、nが0ならばmは1であり、
    が非置換か、またはヒドロキシルにより置換されている低級アルキルであり、そして
    a)Rが水素またはヒドロキシ−低級アルキルであり、
    が2−アミノ−シクロヘキシル;またはアミノ、低級アルキルアミノ、ω−アミノ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシル、低級アルコキシ、フェニル、3−アミノメチル−フェニル、2−フリル、2−テトラヒドロフリル、2−ピリジル、ピペリジノ、モルホリン−4−イル、3−インドリル、メルカプト、1−ヒドロキシ−シクロヘキシ−1−イルまたは4−イミダゾリルにより置換されている低級アルキルであるか、または、
    b)RおよびRが共に、多くても10個のC原子を持ち、非置換かまたはヒドロキシルまたはアミノにより置換されているアルキレン基、ここで1個のC原子は窒素で置換されていてもよい、である
    請求項1記載の医薬組成物。
  7. 式Iで示される2−アミノ−6−アニリノ−プリン誘導体が、下記の化合物:
    6−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−9H−プリン;
    6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(トランス−4−ヒドロキシ−シクロヘキシル−アミノ)−9H−プリン;
    9−エチル−2−(トランス−4−ヒドロキシ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン;
    2−(トランス−4−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−9−エチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル−アミノ)−9H−プリン;
    6−(3−フルオロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(トランス−4−ヒドロキシ−シクロヘキシル−アミノ)−9H−プリン;
    6−(3−シアノ−フェニル−アミノ)−9−エチル−2−(トランス−4−ヒドロキシ−シクロヘキシル−アミノ)−9H−プリン;
    2−(シス−3−アミノ−シクロヘキシル−アミノ)−6−(3−クロロ−フェニル−アミノ)−9−エチル−9H−プリン;および
    6−(4−フルオロ−フェニル−アミノ)−2−(2−ヒドロキシ−エチル−アミノ)−9−イソプロピル−9H−プリン;
    から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
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