JP2007229852A - 帯鋸刃によるワークの切断方法及び帯鋸盤 - Google Patents

帯鋸刃によるワークの切断方法及び帯鋸盤 Download PDF

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Abstract

【課題】ビビリ振動を抑制してワークの切断を行う方法及び帯鋸盤を提供する。
【解決手段】駆動ホイール29と従動ホイール31とに掛回した帯鋸刃13に、ワークWに対する前記帯鋸刃13の切込み方向の振動を付与してワークWの切断を行うとき、前記駆動ホイール29及び従動ホイール31を回転自在に支承した鋸刃ハウジング15に対して、前記帯鋸刃13の背部を支持したバックアップ部材39に、振動付与手段によって前記切込み方向の振動を直接付与する際、前記バックアップ部材39によって前記帯鋸刃13の背部を支持した通常の背部支持位置から前記ワークWに対して離反する方向へ瞬間的な移動を許容して振動を付与する。
【選択図】図1

Description

本発明は、帯鋸刃によるワークの切断方法及び同方法に使用する帯鋸盤に係り、さらに詳細には、帯鋸刃によるワークの切断加工時に、ワークに対する帯鋸刃の切込み方向の振動を帯鋸刃に付与してワークの切断を行う切断方法及び前記振動を付与するための振動付与手段を備えた帯鋸盤に関する。
帯鋸盤に使用される帯鋸刃は、スチール製の帯であるからワークの切断加工時に非常に振動を起こし易いものである。帯鋸刃の振動はワークの切削に悪影響を与えるので、前記振動を抑制するために、例えば帯鋸刃における鋸歯のピッチを不等ピッチに構成するなど、種々の改善が行われている。
ところで、帯鋸刃によってワークの切断(切削)を行うとき、帯鋸刃における鋸歯の先端部が帯鋸刃の走行方向(長手方向)に、約12000Hzの振動を行うことが知られている。そして、鋸歯の先端部に摩耗を生じると、いわゆる摩擦形びびり振動(約1250Hz)が生じ、極めて不快な騒音を生じるものである。
また、帯鋸刃は多数の鋸歯を備えた切削工具であり、製造誤差によって鋸歯における歯先の高さに多少のバラツキがあるので、ワークの切断加工時には、ワークの切削に寄与する鋸歯と、ワークを単に擦る鋸歯も存在する。したがって、ワークの切断加工時に加工硬化を起こし易く、かつ鋸歯の歯先の摩耗を促進することがある。そして、加工硬化を生じると前記騒音がより大きくなるものである。
そこで、帯鋸刃によってワークを切断するときのびびり振動による騒音を抑制低減するために、ワークに対する帯鋸刃の切込み方向の振動を帯鋸盤の鋸刃ハウジングに付与する構成が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開昭57−127620号公報
前記特許文献1に記載の構成においては、帯鋸刃を掛回した駆動ホイール,従動ホイールを回転自在に支承した鋸刃ハウジングに切込み方向の振動を付与する構成である。鋸刃ハウジングに切込み方向の振動を付与する構成においてもびびり振動による騒音を抑制することができるものの、鋸刃ハウジングから帯鋸刃に振動を伝達するときに振動が吸収される傾向にあり、帯鋸刃を切込み方向に有効に振動するにはさらなる改善が望まれていた。
また、鋸刃ハウジングは、駆動ホイール及び従動ホイールを支承した構成であって大きく重量大である。したがって、鋸刃ハウジングを切込み方向に振動するための振動付与手段の構成が大掛かりな構成になり易いという問題がある。
ところで、従来の横型帯鋸盤には、帯鋸刃を案内する左右の帯鋸刃案内装置部分に偏心ローラ又は揺動部材を設け、帯鋸刃の左右両側を交互に上下動して、上記帯鋸刃のワーク切断領域がシーソー運動を行う構成の帯鋸盤も開発されている。
この種の帯鋸盤は、ワークの切削長が短くなるように帯鋸刃を揺動するものであるから、切削抵抗を小さくすることはできる。しかし、ワークに対する帯鋸刃の切込み方向の振動を帯鋸刃に付与するものではないので、前述したびびり振動を低減する効果は殆ど期待することはできないのである。
本発明は、前述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、駆動ホイールと従動ホイールとに掛回した帯鋸刃によってワークの切断を行うとき、ワークに対する帯鋸刃の歯先の切込みを続けながら、ワークから前記歯先を瞬間的に逃すように僅かに移動した後、瞬間的に元の状態に戻してワークに対する歯先の切込みを行うことを繰り返すことを特徴とするものである。
また、駆動ホイールと従動ホイールとに掛回した帯鋸刃に、ワークに対する前記帯鋸刃の切込み方向の振動を付与してワークの切断を行うとき、前記駆動ホイール及び従動ホイールを回転自在に支承した鋸刃ハウジングに対して、前記帯鋸刃の背部を支持したバックアップ部材に、振動付与手段によって前記切り込み方向の振動を直接付与する際、前記バックアップ部材によって前記帯鋸刃の背部を支持した通常の背部支持位置から前記ワークに対して離反する方向へ瞬間的に移動した後、瞬間的に元に戻すことを繰り返して振動を付与することを特徴とするものである。
また、前記帯鋸刃によるワークの切断方法において、前記帯鋸刃の切込み方向への振動は、振幅が0.03mm〜2.0mmであり、周波数が数Hz〜150Hzであることを特徴とするものである。
また、切断すべきワークに対して相対的に接近離反する方向へ移動自在に備えた帯鋸刃ハウジングに、駆動ホイールと従動ホイールとを回転自在に備えると共に、前記駆動ホイール及び従動ホイールに掛回した帯鋸刃を備え、かつ前記帯鋸刃に備えた鋸歯の歯先を前記ワークに対する切込み方向を指向するように帯鋸刃を案内保持する帯鋸刃案内装置を備えた帯鋸盤であって、前記帯鋸刃案内装置において前記帯鋸刃の背部を支持したバックアップ部材に対して前記帯鋸刃の切込み方向の振動を直接付与するための振動付与手段を備え、この振動付与手段は、前記バックアップ部材に前記振動を付与するためのカム部材を往復動自在に備え、上記カム部材には前記振動の振幅を変更可能な振幅変更機構を備えていることを特徴とするものである。
また、前記帯鋸盤において、前記バックアップ部材は、前記帯鋸刃案内装置に切込み方向へ揺動自在に備えられた揺動部材に備えられており、前記カム部材による切込み方向への振動は前記揺動部材の先端部付近に付与されていることを特徴とするものである。
また、前記帯鋸盤において、前記振動付与手段は、往復回動自在な前記カム部材と、上記カム部材に接触して回転自在なカムフォロアを備え、かつ前記カム部材には、前記カムフォロアの一部が瞬間的に入り込み可能なように入り込み部を急峻に形成した凹部が形成してあることを特徴とするものである。
本発明によれば、ワークに対する帯鋸刃の切込み方向の振動を帯鋸刃に直接付与するものであるから、帯鋸刃を同方向に効果的に振動することができ、びびり振動による騒音を防止することができると共に帯鋸刃の長寿命化を図ることができるものである。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明するに、理解を容易にするために、先ず帯鋸盤の全体的構成について説明する。
帯鋸盤には竪型帯鋸盤と横型帯鋸盤とがあるが、横型帯鋸盤を例示して全体的構成について概略的に説明すると、図6に概念的、概略的に示すように、横型帯鋸盤1は、ベース3を備えており、このベース3上には切断すべきワークWを固定自在のバイス装置5が装着してある。このバイス装置5は、ワークWを支持するバイスベッド7上に固定バイスジョー9Aと可動バイスジョー9Bとを対向して備えた構成であって、前記可動バイスジョー9Bを作動するための油圧シリンダ11を備えている。そして、前記ベース3上には、前記ワークWを切断するための帯鋸刃13を備えた鋸刃ハウジング15が前記ワークWに対して相対的に接近離反する方向、すなわち図示例では上下方向に移動自在に設けられている。
すなわち、この例においては、前記ベース3上に立設したガイドポスト17に、前記鋸刃ハウジング15に一体的に備えた昇降部材19が上下動自在に案内されている。そして、前記鋸刃ハウジング15をワークWに対して接近離反する方向、すなわち上下方向に移動するために、切込み作動装置の一例として昇降用油圧シリンダ21が設けられている。さらに、横型帯鋸盤1には、ワークWに対する帯鋸刃13の切込み位置を検出するために、前記鋸刃ハウジング15の上下動位置を検出してワークWに対する帯鋸刃13の切込み位置を検出するための切込み位置検出装置23が設けられている。
上記切込み位置検出装置23は、例えばガイドポスト17に設けた上下方向のリニアスケールと検出ヘッドの構成や、ラックに噛合したピニオンによってロータリーエンコーダを回転する構成等とすることができ、鋸刃ハウジング15が上下方向に揺動する形式においては鋸刃ハウジングのヒンジ部にロータリーエンコーダを設ける構成とすることができるものであり、種々の構成が採用されている。
前記鋸刃ハウジング15は左右方向に長いビーム部材25の左右両側部にホイールハウジング27A,27Bを備えた構成であって、一方のホイールハウジング27A内には駆動ホイール29を回転自在に備え、他方のホイールハウジング27B内には従動ホイール31を回転自在に備えた構成である。そして、前記駆動ホイール29と従動ホイール31とに前記帯鋸刃13を掛回した構成であって、前記両ホイールハウジング27A,27Bの間には、帯鋸刃13における歯先をワークWの方向に指向して帯鋸刃13を案内保持する帯鋸刃案内装置33が設けられている。
上述したごとき横型帯鋸盤1の構成は公知であるので、前記構成による作用の説明は省略する。
前記構成において、CNCなどのごとき制御装置35の制御の下に、ホイールハウジング27Aに装着したモータ37を回転駆動して駆動ホイール29を回転し、帯鋸刃13を回転走行した状態において鋸刃ハウジング15を、ワークWに対して相対的に接近動作を行うこと、すなわち下降動作を行うことにより、帯鋸刃13によってワークWの切断加工が行われる。前記帯鋸刃13は、当該帯鋸刃13の幅方向の一側に多数の鋸歯を適宜間隔に備えた構成であって、各鋸歯でもってワークWの切削を行うことによりワークの切断加工が行われるものである。
ところで、前記帯鋸刃13は、前記駆動ホイール29,従動ホイール31に掛回して張力を付与された状態にあり、常態においては、前記帯鋸刃案内装置33の間の部分は直線状態に保持されている。そして、ワークWを切断するときには、ワークWに対する帯鋸刃13の切込み方向の切削抵抗の反力によって、帯鋸刃13は、左右の帯鋸刃案内装置33の間において上方向(ワークWから離反する方向)に湾曲する。上記帯鋸刃13の湾曲時の撓み量は、前記帯鋸刃案内装置33の間隔寸法及び帯鋸刃13の材質,形状,寸法や重切削などの切削条件に関係するが、約2.0mm以下であることが一般的である。
帯鋸刃13の前記撓み量は、駆動ホイール29,従動ホイール31との間において帯鋸刃13に必要な張力が付与され、かつ左右の帯鋸刃案内装置33の間の部分が直線状に保持されている通常の状態(帯鋸刃13によってワークWの切断を行なっていない無負荷の状態)を基準とする撓み量である。そして、前記帯鋸刃13の前記撓み量は、ワークWに対する帯鋸刃13の切込み速度を小さくして、切込み方向の切削抵抗を小さくすることによって抑制することができる。
しかし、ワークWに対する帯鋸刃13の切込み速度を小さくすると、切削能率が低下するので望ましいものではない。逆に、切削能率を向上するために、ワークWに対する帯鋸刃13の切込み速度を大きくすると、切込み方向の切削抵抗が大きくなり、その反力による帯鋸刃13の撓み量が大きくなって、切曲りを生じ易くなるので、切込み速度を必要以上に大きくすることは望ましいものではない。
前述のごとく、帯鋸刃13によってワークWの切断(切削)を行うとき、帯鋸刃13は切込み方向の切削抵抗の反力によって撓みを生じるものである。また、帯鋸刃13に備えた多数の鋸歯における歯先の高さは、製造誤差によって0.03mm程度のばらつきがあるものである。したがって、前記帯鋸刃13によってワークWの切断を行うとき、ワークWの切削に寄与することなくワークWを擦る鋸歯が存在し、ワークWに加工硬化を生じることがある。ワークWに加工硬化を生じると、帯鋸刃13の鋸歯における歯先の摩耗が促進され、びびり振動を生じる傾向にある。
そこで、前記びびり振動を防止するために、左右の前記帯鋸刃案内装置33には、帯鋸刃13に切込み方向の振動を直接付与するための振動付与手段が設けられている。なお、左右の帯鋸刃案内装置33に備えられた振動付与手段の構成は同一又は左右対称形の構成であるから、一方の振動付与装置について説明する。
図1を参照するに、前記帯鋸刃案内装置33には、帯鋸刃13における鋸歯の歯先がワークWの方向を指向するように、帯鋸刃13を両側から挟持して案内する一対の挟持案内部材37が設けられていると共に、前記帯鋸刃13の背部を支持するバックアップ部材39が備えられている。このバックアップ部材39は、前記帯鋸刃案内装置33に枢軸41を介して切込み方向(図1において上下方向)へ揺動自在に備えられた揺動部材43に備えられている。
そして、前記揺動部材43を切込み方向に振動するために、サーボモータ等のごとき適宜の制御モータMが適宜位置に備えられており、かつこの制御モータMによって往復回動されるカム部材45が備えられている。そして、前記カム部材45のカム面に沿って転動するカムフォロア47が、前記揺動部材43の先端側に回転自在に備えられている。
上記構成により、帯鋸刃13によってワークWの切断を行うとき、帯鋸刃13は一対の挟持案内部材37によって両側から挟持され案内されると共に、帯鋸刃13の背部はバックアップ部材39によって支持されるものである。そして、帯鋸刃13は、左右の帯鋸刃案内装置33の間において、ワークWに対する帯鋸刃13の切込み方向の切削抵抗の反力によってワークWから離反する方向、すなわち上方向へ撓み(湾曲)を生じるものである。
上述のように、ワークWに対する帯鋸刃13の歯先の切込みを続けながらのワークWの切断加工時に、制御モータMによってカム部材45を回動することにより、カムフォロア47は前記カム部材45のカム面に沿って相対的に転動することになる。したがって、揺動部材43はワークWに対する帯鋸刃13の切込み方向(図1においては上下方向)に揺動されることとなり、バックアップ部材39を介して帯鋸刃13を切込み方向に振動することになる。
図2は第2の実施形態を示すもので、制御モータMによって往復回動されるカム部材45Aと揺動部材43との間に、カムフォロアとしてのロッド部材48を介在した構成である。この構成においても、カム部材45Aを回動することにより、ロッド部材48を介して揺動部材43を切込み方向に振動することができ、前述の実施形態と同様の効果を奏し得るものである。
前記カム部材45は、前記バックアップ部材39に切込み方向の振動を直接付与するための振動付与手段を構成するものであって、カム部材45の展開図を図3に示すように、カム部材45のカム面には開口部寸法の異なる複数の四角形状の切欠部49(49A,49B,…,49N)が備えられている。前記切欠部49A,49B,…の開口部寸法は前記カムフォロア47の直径より小さな寸法であって、各切欠部49A,49B,…の開口部の寸法がそれぞれ異なることにより、カム平面51から各切欠部49A,49B,…に対するカムフォロア47の入り込み量が異なるものである。
カム部材45における前記カム平面51に前記カムフォロア47が接触した状態にあるときは、前記駆動ホイール29と従動ホイール31との間に張られた前記帯鋸刃13の直線状の背部に前記バックアップ部材39が接触した状態の基準位置にある。したがって、カム部材45を回動して揺動部材43を切込み方向に振動したとき、直線状に張られた帯鋸刃13を、上記直線状態の基準位置から帯鋸刃13がワークW側へ突出するように押圧するようなことはないものである。
上記構成において、ワークWに対する帯鋸刃13の歯先の切込みを続けながら、帯鋸刃13によってワークWの切断を継続して行うと、ワークWに対する帯鋸刃13の切込み方向の切削抵抗の反力が帯鋸刃13に作用し、帯鋸刃13は左右両側の帯鋸刃案内装置33におけるバックアップ部材39によって背部を支持された状態でもって撓みを生じる。そして、帯鋸刃13によるワークWの切断加工時に、制御モータMを駆動して、カム部材45を、範囲Aで往復回動すると、揺動部材43に備えたカムフォロア47は、切欠部49Aを間にして当該切欠部49Aの両側のカム平面51間を相対的に転動することになる。
したがって、カムフォロア47が前記切欠部49Aに対応すると、カムフォロア47は前記切欠部49Aに瞬間的に入り込むことになる。すなわち、揺動部材43は、図1において、基準位置から反時計回り方向に瞬間的に回動し、バックアップ部材39が帯鋸刃13の背部から瞬間的に離れるように移動するので、切込み方向の切削抵抗の反力によって帯鋸刃13は撓み量(湾曲量)がより大きくなるように瞬間的に移動する。したがって、帯鋸刃13における鋸歯はワークWから離れるように(逃げるように)瞬間的に移動するものである。
そして、前記カムフォロア47が切欠部49Aからカム平面51の位置へ相対的に移動すると、帯鋸刃13は元の撓み量になるように戻され、帯鋸刃13の鋸歯はワークWに対して喰い込むように瞬間的に移動するものである。この際の鋸歯の挙動軌跡を示すと、図3(B)に示すごとく、立上り及び立下りが急峻な軌跡として表わされるものである。
以上のごとき説明より理解されるように、カム部材45を範囲Aで往復回動すると、カムフォロア47が切欠部49Aに出入することを繰り返し、帯鋸刃13に切込み方向の振動を直接付与することになるものである。すなわち、前記切込み方向の振動は、ワークWから帯鋸刃13が逃げる方向へ移動することと、帯鋸刃13が常態において直線状態にある基準位置へ戻すことを繰り返すことによって、帯鋸刃13に直接付与されるものである。そして、前記振動の付与は、カムフォロア47がカム平面51の部分に位置して、帯鋸刃13が直線状の基準位置にあるときにバックアップ部材39が帯鋸刃13の背部を支持した通常の背部支持位置(基準位置)から、カムフォロア47が切欠部49Aへ瞬間的に入り込むことにより、バックアップ部材39が帯鋸刃13の背部から逃げる方向に瞬間的に移動し、鋸歯の、ワークWに対して離反する方向(ワークWから逃げる方向)への瞬間的な移動を許容して行うものであるから、バックアップ部材39が元の基準位置に戻ったときに、バックアップ部材39が帯鋸刃13を基準位置からワークW側へ押し出すようなことはない。したがって、ワークWに対して鋸歯が大きく喰い込むようなことがなく、過負荷によるチッピングを防止できるものである。
そして、前記切欠部49Aからカムフォロア47がカム平面51の部分へ移動することによって、前記バックアップ部材39を基準位置に戻して、鋸歯をワークWに対して食い込むように移動するときは、揺動部材43に備えたバックアップ部材39よりもカムフォロア47が揺動部材43の先端側に備えられていることにより、レバー比の関係でワークWに対する鋸歯の喰い込みを容易に行い得るものである。
ところで、前記カム部材45には開口部寸法の異なる複数の切欠部49A,49B,…が備えられているので、前記カムフォロア47に対応する切欠部を変更することにより、切欠部に対するカムフォロア47の入り込み量を変更することができるものである。すなわち、複数の切欠部49A,49B,…は、切込み方向の振動の振幅を変更するための振幅変更機構を構成するものであって、帯鋸刃13に対して切込み方向の振動を付与するときの振幅を変更することができるものである。そして、前記回動範囲Aでのカム部材45の往復回動速度を変更することにより、切込み方向の振動の周波数を変更することができるものである。
なお、上記説明においては、カム部材45の回動範囲A内に1つの切欠部を対応した場合について説明したが、前記回動範囲A内に複数の切欠部を備えた構成とすることも可能である。そして、前記回動範囲A内に複数の切欠部を備えた場合、各切欠部の開口部寸法を同一寸法とすることや、異なる形状,寸法とすることも可能である。
既に理解されるように、帯鋸刃13に対して切込み方向の振動を直接付与するとき、ワークWの材質や切削条件等によって、上記振動の振幅及び周波数を変更可能である。ところで、前述したように、帯鋸刃13に備えられた多数の鋸歯の歯先の高さには約0.03mm程度の誤差が有るので、全ての鋸歯がワークWの切削に寄与するようにするには、約0.03mm以上の振幅を付与することが望ましい。
そして、帯鋸刃13によるワークWの切断加工時には帯鋸刃13に撓みを生じるものであり、この際の撓み量以上に帯鋸刃13を切込み方向に振動すると、帯鋸刃13における多くの鋸歯がワークWから離れる瞬間を生じる傾向にあり、また、戻るときのワークWに対する鋸歯の食い込み量が大きくなって歯欠を生じ易くなるので、能率向上を図る上においては望ましいものではない。
したがって、帯鋸刃13の切込み方向の振動の最大振幅は、帯鋸刃13の撓み量より小さいことが望ましいものである。よって、通常の切断加工時における帯鋸刃13の最大撓み量である約2.0mm以下であることが望ましいものである。すなわち、帯鋸刃13を切込み方向に振動する場合の振幅は約0.03mm〜約2.0mm程度とすることが望ましいものである。
そして、帯鋸刃13に切込み方向の振動を付与するときの周波数については、数Hz(5Hz)でもって実験を行ったところ、びびり振動を低減できることが検証できたので、周波数は数Hz(5Hz)以上であることが望ましい。そして、周波数を約150Hz以上にすると、カム部材45の切欠部に対するカムフォロア47の出入時の騒音が大きくなる傾向にあるので、周波数の上限は150Hzであることが望ましい。
すなわち、帯鋸刃13に切込み方向の振動を付与する場合の周波数は、数Hz(5Hz)〜約150Hzであることが望ましいものである。
図4はカム部材の第2実施例を示すもので、カム部材45における切欠部49Aの一側に適宜傾斜の傾斜部53を形成し、この傾斜部53と切欠部49Aとの間に往復回動範囲Aを設定した場合の構成である。そして、図5は、切欠部49Aの両側に傾斜部53を形成した場合を例示するものである。
上記図4、図5に示す構成においては、傾斜部53が形成してあることにより、切欠部に対してカムフォロア47が出入するときの挙動が異なり、鋸歯の挙動軌跡が異なるものの、前述と同様の効果を奏し得るものである。すなわち、カム部材45に備えた切欠部の形状を種々の形状,寸法とすることが可能なものである。
既に理解されるように、帯鋸刃13によってワークWの切断を行うとき、ワークWに対する帯鋸刃13の切込み方向の振動を、帯鋸刃13に直接付与するものであるから、前述したごとき騒音を防止することができる。また、上記切込み方向の振動は、ワークWに対する切込み面から逃げるように離反し、元に戻すことを繰り返す振動であるから、ワークWの切削部への切削液が入り易く、鋸歯の冷却効果が向上するので、長寿命化を図ることができる。さらに、切粉の細分化が行われることとなり、ワークの切断部からの切粉の排出性が向上するものである。さらに、帯鋸刃13に切込み方向の振動を直接付与することにより、ワークに対する鋸歯の食い込み性が向上し、加工硬化が生じにくくなるものである。
本発明の実施形態に係る帯鋸盤の帯鋸刃案内装置の第1例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る帯鋸盤の帯鋸刃案内装置の第2例を示す説明図である。 第1の実施形態に係るカム部材の説明図である。 第2の実施形態に係るカム部材の説明図である。 第3の実施形態に係るカム部材の説明図である。 帯鋸盤の説明図である。
符号の説明
13 帯鋸刃
15 鋸刃ハウジング
29 駆動ホイール
31 従動ホイール
33 帯鋸刃案内装置
39 バックアップ部材
43 揺動部材
45 カム部材
47 カムフォロア
49,49A,49B,…,49N 切欠部
51 カム平面

Claims (6)

  1. 駆動ホイールと従動ホイールとに掛回した帯鋸刃によってワークの切断を行うとき、ワークに対する帯鋸刃の歯先の切込みを続けながら、ワークから前記歯先を瞬間的に逃すように僅かに移動した後、瞬間的に元の状態に戻してワークに対する歯先の切込みを行うことを繰り返すことを特徴とする帯鋸刃によるワークの切断方法。
  2. 駆動ホイールと従動ホイールとに掛回した帯鋸刃に、ワークに対する前記帯鋸刃の切込み方向の振動を付与してワークの切断を行うとき、前記駆動ホイール及び従動ホイールを回転自在に支承した鋸刃ハウジングに対して、前記帯鋸刃の背部を支持したバックアップ部材に、振動付与手段によって前記切込み方向の振動を直接付与する際、前記バックアップ部材によって前記帯鋸刃の背部を支持した通常の背部支持位置から前記ワークに対して離反する方向へ瞬間的に移動した後、瞬間的に元に戻すことを繰り返して振動を付与することを特徴とする帯鋸刃によるワークの切断方法。
  3. 請求項1又は2に記載の帯鋸刃によるワークの切断方法において、前記帯鋸刃の切込み方向への振動は、振幅が0.03mm〜2.0mmであり、周波数が数Hz〜150Hzであることを特徴とする帯鋸刃によるワークの切断方法。
  4. 切断すべきワークに対して相対的に接近離反する方向へ移動自在に備えた帯鋸刃ハウジングに、駆動ホイールと従動ホイールとを回転自在に備えると共に、前記駆動ホイール及び従動ホイールに掛回した帯鋸刃を備え、かつ前記帯鋸刃に備えた鋸歯の歯先を前記ワークに対する切込み方向を指向するように帯鋸刃を案内保持する帯鋸刃案内装置を備えた帯鋸盤であって、前記帯鋸刃案内装置において前記帯鋸刃の背部を支持したバックアップ部材に対して前記帯鋸刃の切込み方向の振動を直接付与するための振動付与手段を備え、この振動付与手段は、前記バックアップ部材に前記振動を付与するためのカム部材を往復動自在に備え、上記カム部材には前記振動の振幅を変更可能な振幅変更機構を備えていることを特徴とする帯鋸盤。
  5. 請求項4に記載の帯鋸盤において、前記バックアップ部材は、前記帯鋸刃案内装置に切込み方向へ揺動自在に備えられた揺動部材に備えられており、前記カム部材による切込み方向への振動は前記揺動部材の先端部付近に付与されていることを特徴とする帯鋸盤。
  6. 請求項4又は5に記載の帯鋸盤において、前記振動付与手段は、往復回動自在な前記カム部材と、上記カム部材に接触して回転自在なカムフォロアを備え、かつ前記カム部材には、前記カムフォロアの一部が瞬間的に入り込み可能なように入り込み部を急峻に形成した凹部が形成してあることを特徴とする帯鋸盤。
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