JP2007228859A - 魚釣用リール - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、防水性能を確保しつつ調節体に付与される摩擦力のばらつきを解消することができ、しかも、弾性リングの耐久性が向上するとともに、製造コストを軽減できる魚釣用リールの提供を目的とする。
【解決手段】魚釣用リール1は、リール本体2に設けた調節体20を回動操作することで、スプール7の回転速度を調節可能としている。リール本体2は、調節体20と相対的に回動可能な円筒状の支持部30と、支持部30の外周に同軸状に固定された筒体40とを備えている。筒体40は、調節体20の内周面と向かい合う外周面40aに周方向に連続して形成された溝41を有し、この溝41に弾性リング42が装着されている。弾性リング42は調節体20の内周面に摺動可能に摩擦接触している。
【選択図】 図2
【解決手段】魚釣用リール1は、リール本体2に設けた調節体20を回動操作することで、スプール7の回転速度を調節可能としている。リール本体2は、調節体20と相対的に回動可能な円筒状の支持部30と、支持部30の外周に同軸状に固定された筒体40とを備えている。筒体40は、調節体20の内周面と向かい合う外周面40aに周方向に連続して形成された溝41を有し、この溝41に弾性リング42が装着されている。弾性リング42は調節体20の内周面に摺動可能に摩擦接触している。
【選択図】 図2
Description
本発明は、リール本体にスプールの回転速度を調節する調節体を設けた魚釣用リールに係り、特に釣人によって操作される調節体に節度感を付与するための構造に関する。
魚釣用の電動リールは、スプールを巻き取り方向に回転させるスプールモータと、このスプールモータの出力を調節するパワーレバーとを備えている。パワーレバーは、釣人が手の指先で容易に操作し得るように、スプールモータを内蔵するリール本体の側板に設置されている。
パワーレバーは、ポテンショメータの回転軸に固定されている。釣人が手の指先でパワーレバーを回動操作すると、パワーレバーの操作量がポテンショメータによって検出され、この検出結果に基づいてスプールモータに対する電流通電時間率が制御される。
この結果、スプールモータの出力がモータ停止状態から最大値まで連続的に変化し、釣糸を巻き取る方向へのスプールの回転速度が制御される。
ところで、従来の電動リールでは、リール本体の側板にレバー取り付け部が一体に形成されている。レバー取り付け部は、側板の外方に突出する円筒状をなしており、このレバー取り付け部をポテンショメータの回転軸が貫通している。
さらに、パワーレバーは、その一端に円筒状のボス部を有している。ボス部は、レバー取り付け部に同軸状に被さるとともに、ナットを介して上記回転軸の先端に固定されている。ボス部の先端は、レバー取り付け部の外周面上に位置する段差部と向かい合っている。ボス部の先端と段差部との間にOリングが圧縮状態で介在されている。Oリングは、パワーレバーとレバー取り付け部との間を水密にシールするとともに、パワーレバーのボス部に摺動可能に摩擦接触している。
この構造により、レバー取り付け部の防水性を確保しつつ、パワーレバーに摩擦力を付与することができる。そのため、パワーレバーを回動操作する時に節度感が生じ、手の指先に伝わる感触が良好となるとともに、パワーレバーを任意な回動位置に保持することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−176702号公報 図1、図2
特許文献1に開示された電動リールによると、Oリングは、パワーレバーのボス部とレバー取り付け部の段差部との間でポテンショメータの回転軸の軸方向に沿って圧縮されている。
この構成の場合、パワーレバーのボス部は、回転軸の先端にナットを介して固定されているので、ボス部および回転軸の寸法公差が回転軸の軸方向に沿って累積する傾向にある。そのため、回転軸の先端とパワーレバーのボス部との相対的な位置関係が不安定となって、ボス部の先端とレバー取り付け部の段差部との間の寸法管理を精度よく行うことが困難となり、Oリングを製品毎に均等な力で挟み込むことができなくなる。
したがって、パワーレバーに付与される摩擦力にばらつきが生じ易く、パワーレバーを回動操作する時の節度感が製品毎に異なるといった問題が生じてくる。
さらに、Oリングを挟み込む部分の寸法管理が困難となるので、Oリングのシール性能が不安定となり易い。この結果、レバー取り付け部からリール本体の内部に水分が漏洩する虞があり、スプールモータやポテンショメータのような電装部品の故障や作動不良を招く原因となる。
加えて、Oリングが過度に圧縮されてしまい、Oリングの耐久性に悪影響を及ぼすこともあり得る。
本発明の目的は、調節体の取り付け部分の防水性能を確保しつつ、調節体に付与される摩擦力のばらつきを解消することができ、しかも、弾性リングの耐久性が向上するとともに、製造コストを軽減できる魚釣用リールを得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る魚釣用リールは、
スプールを回転自在に支持するリール本体と、
上記リール本体に設けられ、人為的な回動操作により上記スプールの回転速度を調節する調節体と、を備えている。
上記リール本体は、上記調節体と相対的に回動可能な筒状の支持部と、この支持部の外周に同軸状に固定された筒体とを含み、この筒体は、上記調節体の内周面と向かい合う外周面と、この外周面に周方向に連続して形成された溝とを有し、上記筒体の溝に弾性リングを取り付けるとともに、この弾性リングを上記調節体の内周面に摺動可能に摩擦接触させたことを特徴としている。
スプールを回転自在に支持するリール本体と、
上記リール本体に設けられ、人為的な回動操作により上記スプールの回転速度を調節する調節体と、を備えている。
上記リール本体は、上記調節体と相対的に回動可能な筒状の支持部と、この支持部の外周に同軸状に固定された筒体とを含み、この筒体は、上記調節体の内周面と向かい合う外周面と、この外周面に周方向に連続して形成された溝とを有し、上記筒体の溝に弾性リングを取り付けるとともに、この弾性リングを上記調節体の内周面に摺動可能に摩擦接触させたことを特徴としている。
本発明によれば、弾性リングを取り付ける筒体とリール本体の支持部との同軸度を精度よく定めた上で、弾性リングを筒体と調節体との間で径方向に挟み込むことができる。このため、調節体の内周面と筒体の外周面との間の寸法管理が容易となり、弾性リングを製品毎に均等な力で挟み込むことができる。
よって、調節体とリール本体の間の防水性能を十分に確保しつつ、調節体に付与される摩擦力のばらつきを解消することができ、常に安定した節度感を得ることができる。
しかも、弾性リングに過大な挟持力が加わらずに済むとともに、調節体の内周面に対する弾性リングの接触状態が安定する。よって、調節体を回動操作した時に、弾性リングに無理な力が加わることはなく、弾性リングの耐久性が向上する。
さらに、弾性リングを支持する筒体は、リール本体とは別の部品であるので、この筒体を支持部の外周に例えば圧入等の手段により固定するだけの作業で、筒体と支持部との同軸度が定まる。したがって、例えば型成形や切削加工によりリール本体に直接溝を形成する場合との比較において、この溝を形成するための作業および設備を簡素化することができ、魚釣用リールの製造コストを低減できる。
以下本発明の第1の実施の形態を、図1ないし図3に基づいて説明する。
図1および図2は、魚釣用の電動リール1を開示している。電動リール1は、金属製のリール本体2を備えている。リール本体2は、リール脚3を介して図示しない釣竿のリールシートに固定される。
リール本体2は、フレーム4と、第1および第2の側板5,6とを有している。第1の側板5は、フレーム4の左端部にねじ止めされて、このフレーム4の左端部を覆っている。第2の側板6は、フレーム4の右端部にねじ止めされて、このフレーム4の右端部を覆っている。
釣糸を巻き取るスプール7は、スプール軸8を介して第1の側板5と第2の側板6との間に回転自在に支持されている。スプール軸8は、スプール7と一緒に回転するとともに、第1の側板5と第2の側板6との間に架け渡されている。
スプール軸8の右端部は、第1の歯車列9を介してハンドル軸10に連動している。ハンドル軸10は、第2の側板6を貫通してリール本体2の右側方に突出している。このハンドル軸10の突出端にハンドル11が取り付けられている。釣人がハンドル11を手で回すと、ハンドル軸10の回転が第1の歯車列9を介してスプール軸8に伝わり、スプール7が釣糸を巻き取る方向に回転する。
第1の歯車列9は、クラッチ12を有している。クラッチ12は、リール本体2の後端に位置するクラッチレバー13によって操作される。釣人がクラッチレバー13を操作すると、クラッチ12が接続状態から遮断状態に切り換わり、スプール7とハンドル軸10との間での動力伝達が遮断される。クラッチ12が遮断状態にある時に、ハンドル11を釣糸巻き取り方向に回転させると、図示しない復帰機構を介してクラッチ12が遮断状態から接続状態に復帰する。
図1に示すように、スプール軸8の左端部は、第2の歯車列15を介してスプールモータ16のモータ軸17に連動している。第2の歯車列15は、スプールモータ16からスプール軸8に向かう動力伝達のみを許容する一方向クラッチ18を有している。
スプールモータ16は、スプール7の前方に位置するとともに、フレーム4に一体成形したモータケース(図示せず)に収容されている。スプールモータ16が動作すると、モータ軸17の回転が第2の歯車列15を介してスプール軸8に伝わり、スプール7が釣糸を巻き取る方向に自動的に回転する。
図1および図2に示すように、第2の側板6の前端上部にパワーレバー20が配置されている。パワーレバー20は、釣人が手で操作する調節体の一例であり、上記ハンドル11と隣り合っている。釣人がパワーレバー20を操作すると、ポテンショメータ21を介してパワーレバー20の操作量が電気的に検出され、この検出信号が図示しないマイクロコンピュータに送られる。
マイクロコンピュータは、ポテンショメータ21からの検出信号に基づいてスプールモータ16に対する電流通電時間率を制御する。これにより、スプールモータ16の出力がモータ停止状態から最大値(0〜100%)まで連続的に変化し、釣糸を巻き取る方向へのスプール7の回転速度を無段階的に制御する。
図3に最も良く示されるように、ポテンショメータ21は、その一端から突出する軸受部22と、この軸受部22を貫通する回転軸23とを有している。ポテンショメータ21は、円筒状のメータケース24に収容されている。メータケース24は、第2の側板6に設けられている。
メータケース24は、第2の側板6の外方に突出する雄ねじ部25を有している。雄ねじ部25に外蓋26がねじ込まれている。外蓋26は、メータケース24の雄ねじ部25を第2の側板6との間で挟み込んでいる。そのため、外蓋26は、メータケース24を第2の側板6に固定するとともに、この第2の側板6に一体的に連結されて第2の側板6の一部として機能している。
ポテンショメータ21の軸受部22は、外蓋26の中央部を貫通してリール本体2の外に突出している。軸受部22は、外蓋26の外に露出する雄ねじ部27を有している。雄ねじ部27に第1の固定ナット28がねじ込まれている。
第1の固定ナット28は、ポテンショメータ21の一端に位置するフランジ部21aとの間で外蓋26を挟み込んでおり、これにより、ポテンショメータ21がメータケース24を介して第2の側板6に保持されている。
ポテンショメータ21の回転軸23は、軸受部22から同軸状に突出している。この回転軸22の突出部分に雄ねじ部29が形成されている。
さらに、外蓋26は、円筒状の支持部30を有している。支持部30は、ポテンショメータ21の軸受部22を同軸状に取り囲むように外蓋26に一体に形成されており、この外蓋26の外側方に向けて突出している。
支持部30の外周面に、支持部30の径方向内側に向けて凹む凹部31が形成されている。凹部31は、支持部30の周方向に連続するとともに、支持部30の突出端に開口している。凹部31の底面31aは、支持部30と同軸状をなして支持部30の軸方向に延びている。
一方、パワーレバー20は、ボス部33と指掛け部34とを備えている。ボス部33は、外蓋26に向けて開口するような円筒状であり、周壁35と端壁36とを有している。
周壁35は、ポテンショメータ21の軸受部22および外蓋26の支持部30を相対的に回動可能に取り囲んでいる。周壁35のうち支持部30の径方向外側に位置する一端部35aは、支持部30と同軸状をなしている。そのため、支持部30と周壁35の一端部35aとの間の間隔は、周壁35の周方向に沿って一定となっている。
端壁36は、外蓋26と向かい合うとともに、この端壁36の中央部を回転軸23の雄ねじ部27が貫通している。回転軸23の雄ねじ部27に第2の固定ナット37がねじ込まれている。第2の固定ナット37は、ボス部33の端壁36を回転軸23に固定している。
指掛け部34は、周壁35の外周面からボス部33の径方向に張り出している。そのため、指掛け部34に手の指先を引っ掛けて指掛け部34をボス部33の周方向に押圧すると、パワーレバー20と一緒にポテンショメータ21の回転軸23が回動し、パワーレバー20の回動角が電気的に検出される。
図3に示すように、外蓋26の支持部30の外周にスリーブ40が取り付けられている。スリーブ40は、筒体の一例であって、例えばアルミニウム合金のような金属材料で造られている。スリーブ40は、支持部30の凹部31に圧入等の手段により同軸状に固定されている。
スリーブ40の外周面40aに周方向に連続する溝41が形成されている。この溝41の内面を含むスリーブ40の外表面には、例えばメッキあるいはアルマイトのような表面処理を施すことが望ましい。
スリーブ40の溝41にゴム製のOリング42が嵌め込まれている。Oリング42は、弾性リングの一例であり、スリーブ40の外周面40aから径方向外側に張り出している。Oリング42は、スリーブ40と、その外側に位置する周壁35との間で挟み込まれて、ボス部33の径方向に圧縮されている。したがって、Oリング42は、周壁35の一端部35aの内周面に摺動可能に摩擦接触している。
この結果、Oリング42は、パワーレバー20のボス部33と外蓋26の支持部30との間を水密にシールし、ポテンショメータ21の周辺の防水性を確保している。それとともに、Oリング42は、パワーレバー20のボス部33に摩擦力を付与している。これによりパワーレバー20の回動操作時に適度な節度感が生じるとともに、パワーレバー21を任意な回動位置に保持し得るようになっている。
このような第1の実施の形態によると、パワーレバー20のボス部33に摩擦力を付与するOリング42は、スリーブ40の外周面40a上の溝41に嵌め込まれている。スリーブ40は、外蓋26の支持部30の外周に圧入等の手段により固定されているので、スリーブ40と支持部30との同軸度を精度よく定めた上で、Oリング42をボス部33の周壁35とスリーブ40との間で径方向に圧縮することができる。
このため、Oリングをボス部の軸方向に圧縮する従来との比較において、ボス部33の周壁35とスリーブ40との間の隙間が寸法公差の影響を受け難くなり、Oリング42を製品毎に均等な力で圧縮することができる。
よって、ポテンショメータ21の周辺の防水性能を十分に確保することができ、ポテンショメータ21を含む電装部品の故障や作動不良を確実に防止できる。それとともに、パワーレバー20のボス部33に付与される摩擦力のばらつきを解消することができ、パワーレバー20を回動操作する時に生じる節度感が常に安定したものとなる。
したがって、パワーレバー20を回動操作する時に釣人の指先に伝わる感触が製品毎に異なることはなく、電動リール1の信頼性を高める上で好都合となる。
さらに、上記構成によると、Oリング42が過度に圧縮されずに済むとともに、Oリング42がボス部33の周方向に沿って均等に圧縮されるので、ボス部33に対するOリング42の接触状態が安定する。よって、パワーレバー21を回動操作した時に、Oリング42に無理な力が加わることはなく、Oリング42の耐久性が向上する。
しかも、Oリング42を支持するスリーブ42は、リール本体2を構成する外蓋26とは別の部品であるから、スリーブ42を支持部30の外周に圧入するだけの作業で、スリーブ42と支持部30との同軸度が定まる。
そのため、例えば成形型を用いてリール本体に溝を一体に成形したり、あるいはリール本体に切削加工を施して溝を形成する場合との比較において、支持部30の外周に溝41を設ける作業や設備を簡素化することができる。
この結果、電動リール1の製造コストを低減することができ、安価な電動リール1を提供できるといった利点がある。
本発明に係る魚釣用リールは、上記第1の実施の形態に示す電動リールに限るものではなく、それ故、スプールの回転速度を調節する調節体もパワーレバーに特定されない。
例えば図4および図5は、本発明の第2の実施の形態に係る両軸受タイプの魚釣用リール50を開示している。魚釣用リール50は、金属製のリール本体51を備えている。リール本体51は、一対のフレーム52a,52bと、第1および第2の側板53a,53bとを有している。フレーム52a,52bは、魚釣用リール50の幅方向に互いに間隔を存して向かい合っている。
第1の側板53aは、左側のフレーム52aにねじ止めされてフレーム52aを左側方から覆っている。第2の側板53bは、右側のフレーム52bにねじ止めされてフレーム52bを右側方から覆っている。第2の側板53bは、フレーム52bとの間に動力伝達室54を形成している。
釣糸を巻き取るスプール55は、スプール軸56を介してフレーム52a,52bの間に支持されている。スプール55は、スプール軸56と一緒に回転するようにスプール軸56の外周に同軸状に固定されている。
スプール軸56の一端は、ボール軸受57を介して第1の側板53aに回転自在に支持されている。スプール軸56の他端は、他のボール軸受58を介してフレーム52bに回転自在に支持されている。
リール本体51の動力伝達室54は、ピニオン軸60、クラッチ機構61およびハンドル軸62を収容している。
ピニオン軸60は、スプール軸56と同軸状をなすとともに、このスプール軸56と一体化されている。ピニオン軸60の外周にピニオンギヤ63のボス部63aが同軸状に装着されている。ボス部63aの一端は、ボール軸受64を介してフレーム52bに回転自在に支持されている。
さらに、ピニオンギヤ63は、係合位置と係合解除位置との間でピニオン軸60の軸方向に移動可能となっている。係合位置では、ピニオンギヤ63のボス部63aの一端がスプール軸56に係合し、ピニオンギヤ63とスプール軸56とが一体的に回転する。係合解除位置では、ボス部63aの一端がスプール軸56から離脱し、ピニオンギヤ63とスプール軸56とが互いに切り離される。
クラッチ機構61は、ピニオンギヤ63のボス部63aの一端に係合するクラッチプレート67を有している。クラッチプレート67は、クラッチ機構61がONの時にピニオンギヤ63を係合位置に移動させるとともに、クラッチ機構61がOFFの時にピニオンギヤ63を係合解除位置に移動させる。
ハンドル軸62は、スプール55の右側方においてピニオン軸60と平行に配置されている。ハンドル軸62は、第2の側板53bに形成した円筒状の凸部68を貫通して、第2の側板53bの外方に突出している。このハンドル軸62の突出端にハンドル69が固定されている。
ハンドル軸62は、その突出端に隣接する部分がボール軸受70を介して凸部68の開口端に回転自在に支持されている。ハンドル軸62の突出端とは反対側の端部は、他のボール軸受71を介してフレーム52bに回転自在に支持されている。
本実施の形態では、ハンドル軸62と凸部68の内面との間に一方向クラッチ72が介在されている。一方向クラッチ72は、ハンドル軸62が釣糸を巻き取る方向にのみ回転するように、ハンドル軸62の回転方向を規定している。
さらに、ハンドル軸62の外周に駆動ギヤ73が回転自在に支持されている。駆動ギヤ73は、ドラグ機構74を介してハンドル軸62に連結されているとともに、常時ピニオンギヤ63と噛合っている。
釣人がハンドル69を手で回すと、ハンドル軸62が回転する。このハンドル軸62の回転は、ドラグ機構74を介して駆動ギヤ73に伝わり、この駆動ギヤ73と噛み合うピニオンギヤ63が回転する。
ピニオンギヤ63は、クラッチ機構61がONの状態では、クラッチプレート67によって係合位置に保持されている。そのため、ピニオンギヤ63の回転がスプール軸56に伝わり、スプール55が釣糸を巻き取る方向に回転する。クラッチ機構61がOFFの状態では、ピニオンギヤ63がスプール軸56から切り離されるので、スプール55がフリーとなる。
図4に示すように、ピニオン軸60およびピニオンギヤ63のボス部63aは、スプール軸56とは反対側の端部が第2の側板53bに開けた通孔75を通じてリール本体51の右側方に突出している。通孔75は、動力伝達室54に開口している。
ピニオン軸60およびボス部63aの突出端にメカニカルブレーキ80が装着されている。メカニカルブレーキ80は、スプール55のバックラッシュを防止したり、スプール55の軸方向のがたを調節するためのものであって、第2の側板53bの凸部68に隣接している。
図5に示すように、メカニカルブレーキ80は、円筒状のブレーキホルダ81を備えている。ブレーキホルダ81は、第2の側板53bの通孔75に嵌め込まれており、このブレーキホルダ81の内側にピニオンギヤ63のボス部63aの突出端が同軸状に挿入されている。ボス部63aの突出端は、ボール軸受82を介してブレーキホルダ81に回転自在に支持されている。
ブレーキホルダ81は、第2の側板53bの右側方に向けて突出する支持部83を有している。支持部83は、ブレーキホルダ81よりも小径な円筒状をなすとともに、このブレーキホルダ81と同軸状に配置されている。
支持部83の外周に円筒体85が取り付けられている。円筒体85は、例えばアルミニウムのような金属材料で造られている。円筒体85は、支持部83の外周に圧入等の手段により同軸状に固定され、その一端がブレーキホルダ81に突き当たっている。
図5に示すように、円筒体85の外周面85aに雄ねじ部86と溝87が形成されている。雄ねじ部86および溝87は、円筒体85の軸方向に並んでいるとともに、雄ねじ部86が円筒体85の他端側に位置している。溝87は、円筒体85の周方向に連続する溝底87aを有している。溝87の内面、雄ねじ部86および円筒体85の外表面には、例えばメッキあるいはアルマイトのような表面処理を施すことが望ましい。
円筒体85の雄ねじ部86にブレーキ調節摘み88がねじ込まれている。ブレーキ調節摘み88は、釣人が手で操作する調節体の一例であり、上記ハンドル69と隣り合っている。ブレーキ調節摘み88は、支持部83を取り囲む周壁90と、この周壁90の一端に位置する端壁91とを有している。ブレーキ調節摘み88の周壁90は、支持部83を相対的に回動可能に取り囲んでいる。
周壁90の内周面に雌ねじ部92と凹部93が形成されている。雌ねじ部92は雄ねじ部86にねじ込まれて、ブレーキ調節摘み88を支持部83に保持している。凹部93は、周壁90の他端に位置するとともに、この周壁90の周方向に連続している。凹部93の底面93aは、円筒体85の溝87の溝底87aと向かい合っている。この底面93aと溝底87aとの間の間隔は、円筒体85の周方向に沿って一定となっている。
ブレーキ調節摘み88の内側に押圧子95が収容されている。押圧子95は、軸部96と、この軸部96よりも大径な頭部97とを有している。軸部96は、上記ピニオンギヤ63のボス部63aの突出端に挿入されて、その端面96aがピニオン軸60の突出端に摺動可能に突き当たっている。頭部97は、複数のスペーサ98を介してブレーキ調節摘み88の端壁91に突き当たっている。
釣人が手でブレーキ調節摘み88を締め付け方向に回転させると、押圧子95がピニオン軸60の突出端に向けて押圧され、軸部96の端面96aがピニオン軸60の突出端に強く押し付けられる。これにより、ピニオン軸60に摩擦力が付与され、この摩擦力はスプール55の回転速度を低下させる制動力として機能する。
そのため、ブレーキ調節摘み88を締め付けたり、逆に弛めることで、スプール55から繰り出される釣糸の速度に対応するようにスプール55の回転速度を調節し得るようになっている。
円筒体85の溝87にゴム製のOリング100が嵌め込まれている。Oリング100は、弾性リングの一例であり、円筒体85の外周面85aから径方向外側に張り出している。Oリング100は、円筒体85とブレーキ調節摘み88の周壁90との間で挟み込まれて、円筒体85の径方向に圧縮されている。このため、Oリング100は、周壁90の凹部93の底面93aに摺動可能に摩擦接触している。
この結果、Oリング100は、ブレーキホルダ81とブレーキ調節摘み88との間を液密にシールし、動力伝達室54の防水性を確保している。それととともに、Oリング100は、メカニカルブレーキ80のブレーキ調節摘み88に摩擦力を付与している。これによりブレーキ調節摘み88の回動操作時に適度な節度感が生じるとともに、ブレーキ調節摘み88を所望の制動力が得られる任意な回動位置に保持し得るようになっている。
このような第2の実施の形態によると、ブレーキ調節摘み88に摩擦力を付与するOリング100は、円筒体85の外周面85a上の溝87に嵌め込まれている。円筒体85は、ブレーキホルダ81の支持部83の外周に圧入等の手段により固定されているので、円筒体85と支持部83との同軸度を精度よく定めた上で、Oリング100をブレーキ調節摘み88の周壁90と円筒体85との間で径方向に圧縮することができる。
このため、ブレーキ調節摘み88の周壁90と円筒体85との間の隙間が寸法公差の影響を受け難くなり、Oリング100を製品毎に均等な力で圧縮することができる。よって、ブレーキ調節摘み88に付与される摩擦力のばらつきを解消することができ、ブレーキ調節摘み88を回動操作する時に生じる節度感が常に安定したものとなる。したがって、ブレーキ調節摘み88を回動操作する時に釣人の指先に伝わる感触が製品毎に異なることはなく、魚釣用リール50の信頼性が向上する。
その上、Oリング100が過度に圧縮されずに済むとともに、このOリング100がブレーキ調節摘み88の周方向に均等に圧縮されるので、ブレーキ調節摘み88に対するOリング100の接触状態が安定する。よって、ブレーキ調節摘み88を回動操作した時に、Oリング100に無理な力が加わることはなく、Oリング100の耐久性が向上する。
しかも、Oリング100を支持する円筒体85は、ブレーキホルダ81あるいは第2の側板53bとは別の部品であるから、円筒体85を支持部83の外周上に圧入するだけの作業で、円筒体85と支持部83との同軸度が定まる。
そのため、例えば成形型を用いてブレーキホルダ81あるいは第2の側板53bに溝を一体に成形したり、ブレーキホルダ81や第2の側板53bに切削加工を施して溝を形成する場合との比較において、溝87を設ける作業や設備を簡素化することができる。
この結果、魚釣用リール50の製造コストを低減することができ、安価な魚釣用リール50を提供できる。
2,51…リール本体、7,55…スプール、20,88…調節体(パワーレバー、ブレーキ調節摘み)、30,83…支持部、40,85…筒体(スリーブ、円筒体)、40a,85a…外周面、41,87…溝、42,100…弾性リング(Oリング)。
Claims (5)
- スプールを回転自在に支持するリール本体と、
上記リール本体に設けられ、人為的な回動操作により上記スプールの回転速度を調節する調節体と、を具備し、
上記リール本体は、上記調節体と相対的に回動可能な筒状の支持部と、この支持部の外周に同軸状に固定された筒体とを含み、この筒体は、上記調節体の内周面と向かい合う外周面と、この外周面に周方向に連続して形成された溝とを有し、
上記筒体の溝に弾性リングを取り付けるとともに、この弾性リングを上記調節体の内周面に摺動可能に摩擦接触させたことを特徴とする魚釣用リール。 - 請求項1の記載において、上記筒体は、上記支持部の外側に圧入することで、この支持部に同軸状に固定されることを特徴とする魚釣用リール。
- 請求項1又は請求項2の記載において、上記調節体は、上記支持部の外側に同軸状に被さる円筒状の周壁を有し、上記弾性リングは、上記周壁と上記筒体との間に介在されて、上記支持部の径方向に挟み込まれることを特徴とする魚釣用リール。
- 請求項1の記載において、上記リール本体は、上記スプールを巻き取り方向に回転させるモータを有し、上記調節体は、上記モータの出力を可変制御するパワーレバーであることを特徴とする魚釣用リール。
- 請求項1の記載において、上記リール本体は、上記スプールと一緒に回転するスプール軸を有するとともに、上記調節体は、上記スプール軸を軸方向に押圧することで上記スプールに制動力を付与するブレーキ調節摘みであることを特徴とする魚釣用リール。
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