JP2007228253A - アンテナ装置及びこれを用いた無線受信装置 - Google Patents

アンテナ装置及びこれを用いた無線受信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】同一のコアに複数のコイルが巻回された構造を有するアンテナ装置の特性を向上させる。
【解決手段】同じコアに巻回された第1のコイルL1及び第2のコイルL2と、一対の端子113a,113bと、制御信号P1,P2が第1の状態を表している場合には、一対の端子113a,113bに対して第1及び第2のコイルL1,L2を直列接続し、制御信号P1,P2が第2の状態を表している場合には、一対の端子113a,113bに対して第1及び第2のコイルL1,L2を並列接続する切り替え回路112とを備える。これにより、第1及び第2のコイルL1,L2がオープン状態となることがないことから、コイルの自己共振に基づく特性の劣化を防止することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明はアンテナ装置及びこれを用いた無線受信装置に関し、特に、同一のコアに複数のコイルが巻回された構造を有するアンテナ装置及びこれを用いた無線受信装置に関する。
従来より、フェライトなどの磁性体からなるコアにコイルを巻回した構造を有するアンテナコイルが知られている。このようなアンテナコイルを用いた無線受信装置は、通常単一の周波数帯域の電波しか受信することができないが、特許文献1に記載されているように、同一のコアに複数のコイルを巻回し、これらコイルと受信回路(検波IC)との接続関係を切り替えて使用すれば、複数帯域の電波を受信することが可能となる。
特許文献1に記載された無線受信装置は、同一のコアに巻回された2つのコイルを有しており、これらの一方のみを受信回路に接続するか、或いは、これら2つのコイルを受信回路に直列接続するかを切り替え回路によって選択可能に構成されている。これにより、一方のコイルのみを選択した場合には、得られるインダクダンス値が小さくなるため、相対的に高い周波数帯域の電波を受信することが可能となる。これに対し、両方のコイルを選択した場合には、得られるインダクダンス値が大きくなるため、相対的に低い周波数帯域の電波を受信することが可能となる。これにより、複数のコアを用いることなく複数帯域の電波を受信することができる。
特開2003−60520号公報
しかしながら、特許文献1に記載された無線受信装置では、一方のコイルのみを選択した場合に所望の特性が得られないケースがあった。
したがって、本発明は、同一のコアに複数のコイルが巻回された構造を有するアンテナ装置及びこれを用いた無線受信装置の特性を向上させることを目的とする。
本発明者は、上述した問題が発生する原因について鋭意研究を重ねた結果、一方のコイルのみを選択した場合、選択されていない他方のコイルが自己共振を起こし、これが上記一方のコイルの特性を劣化させていることを突き止めた。
本発明は、上述した技術的知見に基づきなされたものであって、本発明の一側面によるアンテナ装置は、コアと、いずれも前記コアに巻回され、第1のコイル及び前記第1のコイルよりも自己共振点の低い第2のコイルを少なくとも含む複数のコイルと、一対の端子と、前記一対の端子と前記複数のコイルとの接続関係を切り替える切り替え回路とを備え、前記切り替え回路は、前記第1のコイルの両端を前記一対の端子にそれぞれ接続する場合、前記第2のコイルを前記第1のコイルに対して並列接続することを特徴とする。
本発明によれば、切り替え回路によって第1のコイルと第2のコイルを並列接続していることから、合成されたコイルの自己共振点は、少なくとも第2のコイルの自己共振点よりも十分に高い帯域に移動する。このため、第2のコイルの自己共振点が第1のコイルの動作周波数帯域に含まれている場合であっても、これが第1のコイルの動作周波数帯域に影響を及ぼすことがなくなり、所望の特性を得ることが可能となる。
第2のコイルの動作周波数帯域を選択する場合は、上記切り替え回路を用いて、一対の端子に対して第1及び第2のコイルを直列接続しても構わないし、第2のコイルの両端を一対の端子にそれぞれ接続しても構わない。前者によれば、より大きなインダクタンス値及びQ値を得ることが可能となるし、後者によれば、切り替え回路の構成を簡素化することが可能となる。
本発明の他の側面によるアンテナ装置は、コアと、いずれも前記コアに巻回された複数のコイルと、一対の端子と、制御信号が第1の状態を表している場合には、前記一対の端子に対して前記複数のコイルを直列接続し、前記制御信号が第2の状態を表している場合には、前記一対の端子に対して前記複数のコイルを並列接続する切り替え回路とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、これら複数のコイルがオープン状態となることがないことから、例えば、これら複数のコイルの自己共振点が互いに異なっている場合であっても、コイルの自己共振に基づく特性の劣化を防止することが可能となる。
また、本発明による無線受信装置は、上述したアンテナ装置と、前記一対の端子に接続された受信回路とを備えることを特徴とする。これによれば、受信感度の優れた無線受信装置を提供することが可能となる。
このように、本発明によれば、選択されていないコイルが選択されているコイルの特性に影響を与えることがなくなることから、所望の特性を有するアンテナ装置を提供することが可能となる。また、本発明によるアンテナ装置を無線受信装置に利用すれば、小型で且つ高性能な無線受信装置を提供することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい第1の実施形態による無線受信装置の構成を示す回路図である。
図1に示すように、本実施形態による無線受信装置100は、アンテナ装置110と、受信回路120と、制御回路130とを備えて構成されている。
アンテナ装置110は、第1のコイルL1及び第2のコイルL2を有するバーアンテナ部111と、切り替え回路112と、一対の端子113a,113bとを有している。バーアンテナ部111に含まれる第1のコイルL1及び第2のコイルL2は同一のコアに巻回されており、このため両者は互いに磁気結合している。コアとしては、Ni−Zn系フェライトコア、Mn−Zn系フェライトコア、珪素鋼板等の金属コア、アモルファス金属コア、積層金属コア、金属圧粉コアなどを好ましく用いることができる。
また、図1に示すように、第1のコイルL1よりも第2のコイルL2の方が巻き数が多く設定されており、このため、自己共振点は、第1のコイルL1よりも第2のコイルL2の方が低い。自己共振点とは、コイルの特性が誘導性から容量性に変化する周波数を指し、インダクダンス素子として使用する場合には、当然ながら、自己共振点よりも低い周波数帯域を動作周波数として設定する必要がある。尚、「動作周波数」とは、受信回路120によって受信すべき周波数帯域を意味する。
切り替え回路112は、一対の端子113a,113bと第1及び第2のコイルL1,L2との接続関係を切り替えるための回路であり、図1に示すように、第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を有している。第1のスイッチSW1は、3つのノードA,B,Cを有しており、ノードA及びノードBのいずれか一方をノードCに接続するスイッチである。ここで、ノードAとは第1のコイルL1の一端L1aに接続されたノードであり、ノードBとは第1のコイルL1の他端L1bに接続されたノードである。また、ノードCとは、第2のコイルL2の一端L2aに接続されたノードである。このような構成を有する第1のスイッチSW1は、制御回路130より供給される制御信号P1によって切り替えられる。
一方、第2のスイッチSW2は、2つのノードD,Eを有しており、これらノードDとノードEとを接続するか否かを選択するスイッチである。ここで、ノードDとは第1のコイルL1の一端L1aに接続されたノードであり、ノードEとは第2のコイルL2の他端L2bに接続されたノードである。このような構成を有する第2のスイッチSW2は、制御回路130より供給される制御信号P2によって切り替えられる。
第1及び第2のスイッチSW1,SW2としては、メカニカルリレースイッチ、バイポーラトランジスタ、接合型電界効果トランジスタ、酸化金属皮膜型電界効果トランジスタ、PINダイオード、GaAsに代表される化合物半導体素子等によって構成することができる。
また、図1に示すように、第1のコイルL1の他端L1bは端子113aに接続されており、この端子113aを介して受信回路120に接続されている。同様に、第2のコイルL2の他端L2bは端子113bに接続されており、この端子113bを介して受信回路120に接続されている。受信回路120は、これら一対の端子113a,113bより供給される信号を検波および増幅する回路である。
次に、本実施形態による無線受信装置100の動作について、切り替え回路112の動作を中心として説明する。
図2は、スイッチの切り替えによるコイルの接続状態を説明するための表であり、(a)は第1の切り替え方法、(b)は第2の切り替え方法を示している。
まず、図2(a)に示す第1の切り替え方法について説明する。
第1の切り替え方法では、動作周波数を「低域」に設定する場合、第1のスイッチSW1をノードA側に切り替え、第2のスイッチSW2をオフさせる(図1に示す状態がこれに該当する)。これにより、第1及び第2のコイルL1,L2は、一対の端子113a,113bに対して直列接続された状態となる。このため、一対の端子113a,113b間に接続されるインダクダンスは、実質的に第1のコイルL1のインダクダンスと第2のコイルL2のインダクダンスの和となり、相対的に低周波帯域を動作周波数とすることが可能となる。
ここで、第2のコイルL2は、第1のコイルL1よりも巻き数が十分に多いため、得られるインダクタンス値としては第2のコイルL2が支配的である。したがって、動作周波数としては、第2のコイルL2を単独で用いた場合とほぼ同じ周波数帯を利用することが可能である。
一方、動作周波数を「高域」に設定する場合、第1のスイッチSW1をノードB側に切り替え、第2のスイッチSW2をオンさせる。これにより、第1及び第2のコイルL1,L2は、一対の端子113a,113bに対して並列接続された状態となる。このため、一対の端子113a,113b間に接続されるインダクダンスは、実質的に第1のコイルL1のインダクダンスの逆数と第2のコイルL2のインダクダンスの逆数の和の逆数となり、相対的に高周波側を動作周波数とすることが可能となる。
この場合、得られるインダクタンス値としては巻き数の少ない第1のコイルL1が支配的となり、したがって、動作周波数としては第1のコイルL1を単独で用いた場合とほぼ同じ周波数帯を利用することが可能である。つまり、第2のコイルL2の寄与は僅かであり、この観点からは、第2のコイルL2をオープン状態としても問題ないように見える。しかしながら、第1のコイルL1を一対の端子113a,113b間に接続した状態で、第2のコイルL2をオープン状態とすると、第2のコイルL2が持つ自己共振特性が影響を及ぼし、特性が劣化してしまう。
図3は、動作周波数である2つの帯域(低域及び高域)と、第1及び第2のコイルL1,L2の自己共振点との関係を示す模式図である。
図3に示すように、主として第1のコイルL1のインダクダンスを利用する帯域B1(第1の帯域)は、当然ながら、第1のコイルL1の自己共振点fよりも低い帯域に設定されている。同様に、主として第2のコイルL2のインダクダンスを利用する帯域B2(第2の帯域)、当然ながら、第2のコイルL2の自己共振点fよりも低い帯域に設定されている。しかしながら、第1の帯域B1の内部又はその近傍に第2のコイルL2の自己共振点fが存在すると、第2のコイルL2をオープン状態とすると自己共振を起こし、第1の帯域B1の特性に大きな影響が生じてしまう。
このような自己共振の影響は、図2(a)を用いて説明したように、第1及び第2のコイルL1,L2を並列接続することにより解消される。つまり、第1及び第2のコイルL1,L2を並列接続すると、合成された自己共振点f1+2は第1のコイルL1の自己共振点fとほぼ同程度の周波数、若しくは、その近傍まで移動する。これにより、第2のコイルL2が持つ自己共振特性が第1の帯域B1に悪影響を与えることがなくなり、良好な特性を得ることが可能となる。
これとは逆に、第1のコイルL1をオープン状態とした場合は、第1のコイルL1が持つ自己共振特性が第2の帯域B2に悪影響を与えることはほとんどない。この点を考慮したのが、図2(b)に示す第2の切り替え方法である。
第2の切り替え方法では、動作周波数を「低域」に設定する場合、第1のスイッチSW1をノードB側に切り替え、第2のスイッチSW2をオフさせる。これにより、一対の端子113a,113b間には、第2のコイルL2のみが接続された状態となり、第1のコイルL1はオープン状態となる。しかしながら、第1のコイルL1は第2のコイルL2よりも巻き数が少ないため、図3に示すように、第2の帯域B2の内部又はその近傍に第1のコイルL1の自己共振点fが存在することはなく、このため、第1のコイルL1が持つ自己共振特性が第2の帯域B2に悪影響を与えることはほとんどない。
尚、第2の切り替え方法において、動作周波数を「高域」に設定する場合の制御は、第1の切り替え方法と同じである。
第2の切り替え方法を採用する場合、図2(b)から明らかなように、第1のスイッチSW1はノードB側に固定したままで構わない。したがって、第2の切り替え方法を採用する場合には、第1のスイッチSW1を省略することができ、部品点数を削減することが可能となる。これに対し、第1の切り替え方法を採用する場合には、第1のスイッチSW1を省略することはできないが、より大きなインダクタンス値及びQ値を得ることができることから、第2の帯域を動作周波数に設定する場合の受信感度を高めることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態では、高域側である第1の帯域B1を動作周波数として選択する場合、第1及び第2のコイルL1,L2を並列接続していることから、第1の帯域B1の内部又はその近傍に第2のコイルL2の自己共振点fが存在する場合であっても、これによる悪影響を回避することが可能となる。
次に、本発明の好ましい第2の実施形態について説明する。
図4は、本発明の好ましい第2の実施形態による無線受信装置の構成を示す回路図である。
図4に示すように、本実施形態による無線受信装置200は、主としてアンテナ装置210の構成が上述した第1の実施形態による無線受信装置100と相違している。本実施形態においては、アンテナ装置210を構成するバーアンテナ部211に3つのコイルL11,L12,L13が含まれており、切り替え回路212は、一対の端子213a,213bとこれら3つのコイルL11,L12,L13との接続関係を切り替え可能に構成されている。
より具体的に説明すると、バーアンテナ部211に含まれるコイルL11,L12,L13はいずれも同一のコアに巻回されており、その巻き数は、
L11<L12<L13
に設定されている。このため、コイルL11,L12,L13の自己共振点f11,f12,f13は、
11>f12>f13
である。
切り替え回路212は、図4に示すように、4つのスイッチSW11〜SW14を有している。スイッチSW11は、3つのノードF,G,Hを有しており、ノードF及びノードGのいずれか一方をノードHに接続するスイッチである。ここで、ノードFとはコイルL11の一端L11aに接続されたノードであり、ノードGとはコイルL11の他端L11bに接続されたノードである。また、ノードHとは、コイルL12の一端L12aに接続されたノードである。このような構成を有するスイッチSW11は、制御回路230より供給される制御信号P11によって切り替えられる。
また、スイッチSW12は、3つのノードI,J,Kを有しており、ノードJ及びノードKのいずれか一方をノードIに接続するスイッチである。ここで、ノードIとはコイルL12の他端L12bに接続されたノードであり、ノードJとはコイルL13の一端L13aに接続されたノードである。また、ノードKとは、コイルL13の他端L13bに接続されたノードである。このような構成を有するスイッチSW12は、制御回路230より供給される制御信号P12によって切り替えられる。
さらに、スイッチSW13は、2つのノードL,Mを有しており、これらノードLとノードMとを接続するか否かを選択するスイッチである。ここで、ノードLとはコイルL11の他端L11bに接続されたノードであり、ノードMとはコイルL13の一端L13aに接続されたノードである。このような構成を有するスイッチSW13は、制御回路230より供給される制御信号P13によって切り替えられる。
そして、スイッチSW14は、2つのノードN,Oを有しており、これらノードNとノードOとを接続するか否かを選択するスイッチである。ここで、ノードNとはコイルL11の一端L11aに接続されたノードであり、ノードOとはコイルL13の他端L13bに接続されたノードである。このような構成を有するスイッチSW14は、制御回路230より供給される制御信号P14によって切り替えられる。
また、図4に示すように、コイルL11の他端L11bは端子213aに接続されており、この端子213aを介して受信回路220に接続されている。同様に、コイルL13の他端L13bは端子213bに接続されており、この端子213bを介して受信回路220に接続されている。受信回路220は、これら一対の端子213a,213bより供給される信号を検波および増幅する回路である。
次に、本実施形態による無線受信装置200の動作について、切り替え回路212の動作を中心として説明する。
図5は、スイッチの切り替えによるコイルの接続状態を説明するための表であり、好ましい切り替え方法の一例を示している。
まず、動作周波数を「低域」に設定する場合、スイッチSW11,SW12をそれぞれノードF,J側に切り替え、スイッチSW13,SW14をいずれもオフさせる。これにより、3つのコイルL11,L12,L13は、一対の端子213a,213bに対して直列接続された状態となる。ここで、コイルL13は、コイルL11,L12よりも巻き数が多いため、得られるインダクタンス値としてはコイルL13が支配的である。したがって、動作周波数としては、コイルL13を単独で用いた場合とほぼ同じ周波数帯を利用することが可能である。
一方、動作周波数を「高域」に設定する場合、スイッチSW11,SW12をそれぞれノードG,K側に切り替え、スイッチSW13,SW14をいずれもオンさせる(図4に示す状態がこれに該当する)。これにより、3つのコイルL11,L12,L13は、一対の端子213a,213bに対して並列接続された状態となる。この場合、得られるインダクタンス値としては巻き数の少ないコイルL11が支配的となり、したがって、動作周波数としてはコイルL11を単独で用いた場合とほぼ同じ周波数帯を利用することが可能である。換言すれば、コイルL12,L13の一方又は両方をオープン状態としても、帯域としてはそれほど変化しない。
しかしながら、帯域の内部又はその近傍にコイルL12,L13の自己共振点が存在すると、コイルL12,L13が自己共振を起こし、帯域内の特性に大きな影響が生じてしまう。これに対し、本実施形態のように、自己共振点の低いコイルL12,L13をコイルL11に対して並列接続すれば、自己共振点がより高域側に移動するため、このような問題を解消することが可能となる。
さらに、動作周波数を「中域」に設定する場合、スイッチSW11,SW12をそれぞれノードG,K側に切り替え、スイッチSW13,SW14をそれぞれオン,オフさせる。これにより、コイルL12,L13は、一対の端子213a,213bに対して並列接続された状態となり、コイルL11はオープン状態となる。この場合、得られるインダクタンス値としては巻き数の少ないコイルL12が支配的となり、したがって、動作周波数としてはコイルL12を単独で用いた場合とほぼ同じ周波数帯を利用することが可能である。換言すれば、L13をオープン状態としても、帯域としてはそれほど変化しない。
しかしながら、帯域の内部又はその近傍にコイルL13の自己共振点が存在すると、コイルL13が自己共振を起こし、帯域内の特性に大きな影響が生じてしまう。これに対し、自己共振点の低いコイルL13をコイルL12に対して並列接続すれば、自己共振点がより高域側に移動するため、このような問題を解消することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記の実施形態では、同一のコアに2つ又は3つのコイルが巻回された例を挙げたが、本発明がこれに限定されるものではなく、同一のコアに2つ以上のコイルが巻回されている全てのケースに適用することが可能である。しかも、これら複数のコイルの巻き数や自己共振点が互いに全て異なっていることは必須でなく、いずれか2つ又はそれ以上のコイルの巻き数や自己共振点が同一であっても構わない。
さらに、上記実施形態では、コイルの選択により切り替えられる動作周波数が互いに重複していないが(図3参照)、これら複数の動作周波数が一部重複していても構わない。
尚、本発明によるアンテナ装置は、可変インダクダンス機能を有しているため、アンテナ以外の他の用途も応用可能であると考えられるが、アンテナ装置は、その性質上、コアのサイズをあまり小型化することができず、このため同一のコアを複数の動作周波数に対して共用するメリットが大きい点、並びに、アンテナ装置では他のコイルの自己共振に起因する悪影響が顕著に現れる点などを考慮すれば、本発明の対象がアンテナ装置である点は極めて重要である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
[サンプルの作製]
まず、6mm×6mm×40mmのサイズを有する棒状のフェライトコアを用意し、このフェライトコアの周りに短波帯(3MHz〜30MHz)用コイル(L1)として、直径0.12mmのポリウレタン絶縁被覆銅線2本を平行に束ねて14ターン巻回した。さらに、中波帯(530kHz〜1700kHz)用コイル(L2)として、同様の銅線を2本平行に75ターン巻回した。これにより、L1とL2の合計巻き数は89ターンとなる。両コイル全体は、上記フェライトコアの略中央に配置した。尚、フェライトコアは、上記の周波数帯域において初期透磁率が80程度のものを使用した。これにより、サンプル1によるバーアンテナが完成した。
さらに、比較のため、上記サンプル1から短波帯用コイルL1を削除し、中波帯用コイルL2のみを巻回したサンプル2、並びに、上記サンプル1から中波帯用コイルL2を削除し、短波帯用コイルL1のみを巻回したサンプル3を作製した。
[特性の評価]
次に、作製したサンプル1〜3について、インダクタンス値とQ値を測定した。サンプル1の測定は、コイルL1,L2を並列接続した状態、コイルL1,L2を直列接続した状態、コイルL1のみを接続した状態(コイルL2はオープン状態)、並びに、コイルL2のみを接続した状態(コイルL1はオープン状態)の4状態について測定した。
測定の結果を図6及び図7に示す。
図6には、サンプル1においてコイルL1,L2を直列接続した状態(「直列」と表記)、サンプル1においてコイルL2のみを接続した状態(「L2(L1開放)」と表記)、並びに、サンプル2の測定結果が示されている。これらは、主としてコイルL2を用いることによって動作周波数を中波帯に切り替えた場合の特性を示すデータである。
図6に示すように、いずれの測定結果も動作周波数である中波帯(530kHz〜1700kHz)において高いQ値及び安定したインダクタンス値が得られた。特に、サンプル1においてコイルL1,L2を直列接続した状態では、動作周波数において最も高いQ値が得られた。
尚、22〜23MHz近辺にコイルL2の自己共振に起因するインダクタンス値の急激な変動が観察されたが、この帯域は動作周波数から大きく離れているため、実使用上の問題は皆無である。
一方、図7には、サンプル1においてコイルL1,L2を並列接続した状態(「並列」と表記)、サンプル1においてコイルL1のみを接続した状態(「L1(L2開放)」と表記)、並びに、サンプル3の測定結果が示されている。これらは、主としてコイルL1を用いることによって動作周波数を短波帯に切り替えた場合の特性を示すデータである。
図7に示すように、サンプル1においてコイルL1,L2を並列接続した状態及びサンプル3では、動作周波数である短波帯(3MHz〜30MHz)において高いQ値及び安定したインダクタンス値が得られた。これに対し、サンプル1においてコイルL1のみを接続した状態では、コイルL2の自己共振に起因して12〜13MHz近辺にインダクタンス値の急激な変動やQ値の大幅な低下が観察された。これは、動作周波数内で生じている変動であり、実使用上大きな問題となる。
このように、コイルL1を用いることによって動作周波数を短波帯に切り替える場合、コイルL1,L2を並列接続することにより、コイルL2の自己共振に起因する帯域内のインダクタンス値の急激な変動やQ値の大幅な低下を防止できることが確認された。
本発明の好ましい第1の実施形態による無線受信装置の構成を示す回路図である。 図1に示す切り替え回路に含まれるスイッチの切り替えによるコイルの接続状態を説明するための表であり、(a)は第1の切り替え方法、(b)は第2の切り替え方法を示している。 動作周波数である2つの帯域と第1及び第2のコイルL1,L2の自己共振点との関係を示す模式図である。 本発明の好ましい第2の実施形態による無線受信装置の構成を示す回路図である。 図4に示す切り替え回路に含まれるスイッチの切り替えによるコイルの接続状態を説明するための表であり、好ましい切り替え方法の一例を示している。 実施例において、主としてコイルL2を用いることにより動作周波数を中波帯に切り替えた場合の特性を示すデータである。 実施例において、主としてコイルL1を用いることにより動作周波数を短波帯に切り替えた場合の特性を示すデータである。
符号の説明
100,200 無線受信装置
110,210 アンテナ装置
111,211 バーアンテナ部
112,212 切り替え回路
113a,113b,213a,213b 端子
120,220 受信回路
130,230 制御回路
L1,L2,L11〜L13 コイル
L1a,L2a,L11a〜L13a コイルの一端
L1b,L2b,L11b〜L13b コイルの他端
SW1,SW2,SW11〜SW14 スイッチ
A〜O ノード
P1,P2,P11〜P14 制御信号

Claims (7)

  1. コアと、いずれも前記コアに巻回され、第1のコイル及び前記第1のコイルよりも自己共振点の低い第2のコイルを少なくとも含む複数のコイルと、一対の端子と、前記一対の端子と前記複数のコイルとの接続関係を切り替える切り替え回路とを備え、
    前記切り替え回路は、前記第1のコイルの両端を前記一対の端子にそれぞれ接続する場合、前記第2のコイルを前記第1のコイルに対して並列接続することを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記第2のコイルの自己共振点は、前記第1のコイルの動作周波数帯域に含まれていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記第2のコイルの動作周波数帯域を選択する場合、前記切り替え回路は、前記一対の端子に対して前記第1及び第2のコイルを直列接続することを特徴とする請求項1又2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記第2のコイルの動作周波数帯域を選択する場合、前記切り替え回路は、前記第2のコイルの両端を前記一対の端子にそれぞれ接続することを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
  5. コアと、いずれも前記コアに巻回された複数のコイルと、一対の端子と、制御信号が第1の状態を表している場合には、前記一対の端子に対して前記複数のコイルを直列接続し、前記制御信号が第2の状態を表している場合には、前記一対の端子に対して前記複数のコイルを並列接続する切り替え回路とを備えることを特徴とするアンテナ装置。
  6. 前記複数のコイルの自己共振点が互いに異なることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアンテナ装置と、前記一対の端子に接続された受信回路とを備えることを特徴とする無線受信装置。
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