JP2005354191A - アンテナ - Google Patents

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豊 吉田
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将之 川村
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Abstract

【課題】信号送受信の信頼性を高めることができるアンテナを提供する。
【解決手段】第1アンテナユニット22は、第1導線31aを螺旋状に巻いて構成した第1コイル31と、第2導線32aを螺旋状に巻いて構成した第2コイル32とを備え、第1コイル31と第2コイル32とを並列に接続した。さらに、第1アンテナユニット22は、第1導線31aと第2導線32aとを二条ねじの一対のネジ山のように配置した。
【選択図】 図2

Description

本発明はアンテナに係り、詳しくはコイル状のアンテナに関するものである。
近年、車両においては、セキュリティレベルの向上と利便性の向上を両立させることを目的として、電子キーシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この電子キーシステムは、通常送受信用回路を有する携帯機と、その通常送受信用回路と相互無線通信を行う車両側送受信装置とを備えている。携帯機は、ユーザが携帯するものであり、車両側送受信装置は車両に備え付けられている。
この電子キーシステムは、携帯機を携帯したユーザが車両に近づくと、車両側送受信装置と車両外にある携帯機との相互無線通信が確立することにより、ドア錠を解錠させる。ユーザは、この電子キーシステムにより自動的にドア錠が解錠されるため、ドアノブを引くだけで車両に乗り込むことができる。また、この電子キーシステムは、携帯機を携帯したユーザが車両に乗り込むと、車両側送受信装置と車両内にある携帯機との相互無線通信が確立することにより、エンジンを始動待機状態にさせる。車両側送受信装置は、この始動待機状態の際に、車両内のスイッチ等がユーザにより操作されることによってエンジンを始動するように構成されている。
ところで携帯機は、内蔵された電池の電力を用いて車両側送受信装置と相互無線通信を行っている。そのため、携帯機は、その電池の電圧が所定値以下まで低下した場合(以下、非常時という)には、車両側送受信装置との相互無線通信ができない。この結果、電子キーシステムを用いてドア錠を解錠できず、さらにはエンジンを始動待機状態にすることができなくなる。
この非常時を想定して、携帯機には、メカニカルキー及びトランスポンダが備えられている。トランスポンダは、磁場を受けると誘導起電力を発生させるコイル状の起電力発生部を備えている。この起電力発生部は、トランスポンダから信号を送信するアンテナとしても使用される。また、車両には、前記トランスポンダと無線通信をするトランスポンダ用通信装置が備えられている。
ユーザは、非常時には、メカニカルキーを用いてドア錠を解錠し、車両に乗り込む。そして、ユーザは、車両内に備え付けられたトランスポンダ用通信装置に携帯機のトランスポンダを近接させる。トランスポンダは、トランスポンダ用通信装置から発せられる磁場により誘導起電力を発生させ、その誘導起電力を用いて起電力発生部(アンテナ)から信号を送信してトランスポンダ用通信装置と無線通信する。トランスポンダ用通信装置は、トランスポンダとの無線通信が確立すると、エンジンを始動待機状態にさせる。この始動待機状態の際に、ユーザが車両内のスイッチ等を操作するとエンジンを始動することができる。
特開2001−311333号公報
ところで、上記携帯機は、通常送受信用回路とトランスポンダとが各別の回路としてそれぞれ形成されている。携帯機の回路構成を簡素化にする観点から、通常送受信用回路とトランスポンダと一体化することが検討されている。ちなみに、通常送受信用回路には、受信用アンテナ及び送信用アンテナを備えており、トランスポンダには、上述したようにアンテナとしても機能する起電力発生部を備えている。そのため、携帯機の回路構成の簡素化から、アンテナの共用化が挙げられるが、非常時にトランスポンダを好適に機能させなければならないことからアンテナの信号送受信の信頼性を向上させることが望まれている。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は信号送受信の信頼性を高めることができるアンテナを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、第1導線を螺旋状に巻いて構成した第1コイルと、第2導線を螺旋状に巻いて構成した第2コイルとを備え、前記第1コイルと前記第2コイルとを並列に接続した。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1コイルの巻数と、前記第2コイルの巻数とを同じになるように構成した。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第1導線を前記第2導線に沿うように配置した。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記第1導線と前記第2導線とを互いに接触させて配置した。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の発明において、前記第1導線の断面積と前記第2導線の断面積とを同じになるように構成した。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば以下に示す作用を得る。第1コイル及び第2コイルは、信号の送信及び信号の受信のうち少なくとも一方を行うものである。第1コイルが信号の送信を行う場合には、第2コイルも信号の送信を行う。第1コイルが信号の受信を行う場合には、第2コイルも信号の受信を行う。そのため、第1コイル及び第2コイルのうち何れか一方のコイルが断線などにより機能しなくとも、もう一方のコイルが機能するのであれば、信号の送信(信号の受信)を行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて以下に示す作用を得る。本発明のアンテナは、例えば、第1コイルの巻数と第2コイルの巻数とを異ならすようにして構成したアンテナに比して、第1コイルの自己インダクタンス値と第2コイルの自己インダクタンス値とを近づけることができる。両コイルの自己インダクタンス値を近づけるほど、両コイルが共に機能している場合のアンテナの総インダクタンス値と、両コイルのうち一方が断線などにより機能しなくなった場合のアンテナの総インダクタンス値との差を抑えることができる。よって、アンテナは、両コイルが共に機能していても、両コイルのうち一方のコイルのみが機能していても信号の送受信を好適に行うことが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて以下に示す作用を得る。第1導線を第2導線に沿うように配置したことにより、第1導線を第2導線に沿わないように配置した場合に比して、第1コイルと第2コイルとの結合係数を高めることができる。この結合係数が高まるほど、両コイルが共に機能している場合のアンテナの総インダクタンス値と、両コイルのうち一方が断線などにより機能しなくなった場合のアンテナの総インダクタンス値との差を抑えることができる。よって、アンテナは、両コイルが共に機能していても、両コイルのうち一方のコイルのみが機能していても信号の送受信を好適に行うことが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の作用に加えて以下に示す作用を得る。第1コイルと第2コイルとの結合係数をより一層高めることができるため、アンテナは、信号の送受信をより一層好適に行うことが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の発明の作用に加えて以下に示す作用を得る。本発明のアンテナは、例えば、第1導線の断面と第2導線の断面とを異ならすようにして構成したアンテナに比して、第1コイルの自己インダクタンス値と第2コイルの自己インダクタンス値とを近づけることができる。両コイルの自己インダクタンス値を近づけるほど、両コイルが共に機能している場合のアンテナの総インダクタンス値と、両コイルのうち一方が断線などにより機能しなくなった場合のアンテナの総インダクタンス値との差を抑えることができる。よって、アンテナは、両コイルが共に機能していても、両コイルのうち一方のコイルのみが機能していても信号の送受信を好適に行うことが可能となる。
本発明によれば、信号送受信の信頼性を高めることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明のアンテナを電子キーシステムの携帯機に採用した第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
なお、上記した背景技術の電子キーシステムでは、車両側送受信装置と車両外にある携帯機との相互無線通信と、車両側送受信装置と車両内にある携帯機との相互無線通信とについて述べていた。しかしながら、本実施形態の電子キーシステムでは、説明の便宜上、送受信装置と車両内にある携帯機との相互無線通信(エンジン始動を許可状態にするための通信)のみについて説明し、送受信装置と車両外にある携帯機との相互無線通信(ドア錠を施解錠するための通信)の説明については省略する。
図1に示すように、電子キーシステム11は、電池Bを内蔵した携帯機12と、車両13に搭載された送受信装置14とを備えている。携帯機12は、ユーザが携帯するものである。
まず、電子キーシステム11の概要について説明する。
送受信装置14は、リクエスト信号を間欠的に送信する。携帯機12は、内蔵した電池Bが携帯機12内の回路を駆動させるのに十分な電圧を備え、かつ自身が車両13外から車両13内へ移動すると、送受信装置14が送信しているリクエスト信号を受信可能となる。携帯機12は、リクエスト信号を受信すると、携帯機側IDコードを含むIDコード信号を送信する。送受信装置14は、携帯機12から送信されたIDコード信号を受信すると、そのIDコード信号に含まれる携帯機側IDコードと予め自身に記憶されている車両側IDコード信号とを照合(以下、ID照合という)する。送受信装置14は、ID照合が成立した場合には、車両13に備えられたエンジン制御装置15へエンジン始動許可信号を出力する。エンジン制御装置15は、上記エンジン始動許可信号を入力し、かつ車両13内に設けられたスタートスイッチ16がユーザによって操作されていることを示す操作信号を入力している場合に、図示しないエンジンを始動する。
次に、携帯機12の構成について説明する。
携帯機12は、前記電池B、受信部21、第1アンテナユニット22、第2アンテナユニット23、第3アンテナユニット24、マイクロコンピュータ(マイコン)25、送信回路26、及び送信用アンテナ27を備えている。第1アンテナユニット22は、本発明のアンテナに相当する。
電池Bは、受信部21、マイコン25、送信回路26へ電力を供給し、それらを駆動可能とさせるものである。受信部21には、第1〜第3アンテナユニット22〜24が接続されている。受信部21は、第1〜第3アンテナユニット22〜24を介して信号を受信可能に構成されている。第1〜第3アンテナユニット22〜24は、それぞれ異なる向きに配置されている。例えば、第1アンテナユニット22はX軸方向の信号を高感度で受信できるように配置され、第2アンテナユニット23はY軸方向の信号を高感度で受信できるように配置され、第3アンテナユニット24はY軸方向の信号を高感度で受信できるように配置されている。ちなみに、第2アンテナユニット23及び第3アンテナユニット24は、それぞれ公知技術のバーアンテナであり、第1アンテナユニット22の構成については後述する。
受信部21は、受信回路21a及び蓄電回路21bを備えている。受信回路21aは、送受信装置14からのリクエスト信号を、第1〜第3アンテナユニット22〜24を介して受信すると、そのリクエスト信号を復調し、その復調したリクエスト信号をマイコン25に出力する。
マイコン25は、図示しないCPU、ROM、RAM等からなるCPUユニットであり、携帯機12毎に個別に設定された携帯機側IDコードが記憶されている。マイコン25は、受信回路21aからリクエスト信号が入力されると、そのリクエスト信号に応答するために携帯機側IDコードを含むIDコード信号を送信回路26に出力する。送信回路26は、そのIDコード信号を所定周波数の電波に変調して送信用アンテナ27を介して送信する。
そして上述したように、送受信装置14がこのIDコード信号を受信し、かつスタートスイッチ16がユーザによって操作されることによってエンジンが始動する。
ところで、携帯機12の電池Bの電圧が所定値以下まで低下した場合(以下、電池切れの場合という)には、携帯機12は、リクエスト信号を受信することも、IDコード信号を送信することもできない。そのため、送受信装置14及び携帯機12には、電池Bの電池切れの場合を考慮した対策が施されている。
送受信装置14は、車両13内に設けられた電波送信用スイッチ28がユーザによって操作されると、蓄電用電波を送信(磁場を発生)する。携帯機12は、この蓄電用電波を第1アンテナユニット22にて受けると、電磁誘導により該第1アンテナユニット22に誘導起電力が生じる。ちなみに、携帯機12は、車両13内の例えばインストルメントパネル付近で、この蓄電用電波を受けることができる。前記蓄電回路21bは、この第1アンテナユニット22に生じる誘導起電力を蓄積する。受信回路21a、マイコン25、及び送信回路26は、電池Bが電池切れの場合に、この蓄電回路21bに蓄積された電力を用いて駆動する。よって、携帯機12は、蓄電回路21bに蓄積された電力を用いて受信回路21a、マイコン25、及び送信回路26が駆動することにより、リクエスト信号を受信したことに基づきIDコード信号を送信することができる。
次に、第1アンテナユニット22の構成について説明する。
図2に示すように、第1アンテナユニット22は、第1コイル31、第2コイル32、磁性体としてのフェライトコア33を備えている。図1に示すように、第1コイル31と第2コイル32は、並列に接続されている。第1コイル31と第2コイル32との結線部P1,P2は、受信部21外に形成されている。
図2及び図3に示すように、第1コイル31は、螺旋状の第1導線31aから構成されている。第2コイル32は、螺旋状の第2導線32aから構成されている。第1導線31aと第2導線32aは、二条ねじに形成された一対のネジ山の関係と同じような関係でフェライトコア33の外周に巻かれている。即ち、第1導線31aは、第2導線32aに沿うように配置されている。ちなみに、図1では、両コイル31,32の配置の関係を「二条ねじに形成された一対のネジ山の関係」で図示できなかったため、あえて両コイル31,32を別々に離して図示しているが、両コイル31,32の配置の関係は図2及び図3を参照願いたい。
また、本実施形態では、第1導線31aと第2導線32aとが、第1コイル31の軸心O1方向において互いに接触するように配置されている。第1導線31a及び第2導線32aは、共に透磁率が同じで、共に断面積が同じとなるように形成されている。第1コイル31及び第2コイル32は、共に巻数が同じで、共に直径が同じとなるように構成されている。
即ち、第1コイル31及び第2コイル32は、共に透磁率が同じで、共に導線(第1導線31a及び第2導線32a)の断面積が同じで、共に巻数が同じで、共に直径が同じため、自己インダクタンス値も共に同じとなっている。また、第1コイル31及び第2コイル32は、第1導線31aが第2導線32aに沿うように配置され、かつ第1導線31aと第2導線32aとが第1コイル31の軸心O1方向において互いに接触するように配置されているため、結合係数kが1に近い(例えば、0.8<k<1)値となっている。ちなみに、結合係数kが0のとき、両コイル31,32の電磁的結合が全くない状態であり、結合係数kが1のとき、両コイル31,32がこれ以上密に電磁的に結合することがないという状態である。
次に、この第1アンテナユニット22の作用を、比較例を用いて説明する。
なお、この作用の説明では、説明の便宜上、第1アンテナユニット22の第1コイル31と第2コイル32との結合係数kを1としている(k=1)。比較例は、その構成が第1アンテナユニット22と同じであり、第1アンテナユニット22との違いは結合係数kを0としていることである(k=0)。以下の説明では、比較例の第1アンテナユニットを第1アンテナユニット122とし、その第1アンテナユニット122を構成する第1コイル及び第2コイルは、それぞれ第1コイル131及び第2コイル132とする。
(a)まず、比較例における自己インダクタンス値、相互インダクタンス値、総インダクタンス値を図4に示す表を用いて説明する。
図4に示す表では、第1コイル131の自己インダクタンス値をL01と仮定し、第2コイル132の自己インダクタンス値をL02と仮定している。
第1コイル131と第2コイル132との結合係数kが0であるため、
第1コイル131の相互インダクタンス値M01は0となり(M01=0)、
第2コイル132の相互インダクタンス値M02は0となる(M02=0)。
従って、
第1コイル131の総インダクタンス値L1はL01となり(L1=L01)、
第2コイル132の総インダクタンス値L2はL02となる(L2=L02)。
第1アンテナユニット122の総インダクタンス値LLは、
LL=(L1×L2)/(L1+L2)
=(L01×L02)/(L01+L02)
ここで、第1コイル131と第2コイル132は共に自己インダクタンス値が同じため、L01=L02であるため、
LL=L01/2(LL=L02/2)
となる。
即ち、この比較例の第1アンテナユニット122は、両コイル131,132が共に機能している場合には、その総インダクタンス値LLが、
LL=L01/2(LL=L02/2)
となる一方、両コイル131,132のうち一方が機能しなくなってしまった場合には、その総インダクタンス値LLが、
LL=L01(LL=L02)
と、両コイル131,132が共に機能している場合の2倍の値となる。
(b)次に、第1アンテナユニット22における自己インダクタンス値、相互インダクタンス値、総インダクタンス値を図4に示す表を用いて説明する。
図4に示す表では、第1コイル31の自己インダクタンス値をL01と仮定し、第2コイル32の自己インダクタンス値をL02と仮定している。
第1コイル31と第2コイル32との結合係数kが1であり(k=1)、かつ両コイル31,32の自己インダクタンス値が共に同じため、
第1コイル31の相互インダクタンス値M01はL01と等しくなり(M01=L01=L02)、
第2コイル32の相互インダクタンス値M02はL02と等しくなり(M02=L01=L02)、
従って、両コイル31,32の総インダクタンス値L1,L2は、それぞれ
L1=L01+M01
L2=L02+M02
となる。
第1アンテナユニット22の総インダクタンス値LLは、
LL=(L1×L2)/(L1+L2)
=(L01+M01)×(L02+M02)/(L01+M01+L02+M02)
ここで、第1コイル31と第2コイル32は共に自己インダクタンス値が同じため、L01=L02(=M01=M02)であり、
LL=2L01×2L01/4L01
=4(L01)/4L01
=L01(=L02)
となる。
即ち、第1アンテナユニット22は、両コイル31,32が共に機能している場合には、その総インダクタンス値LLが、
LL=L01(LL=L02)
となり、両コイル31,32のうち一方が機能しなくなってしまった場合においても、その総インダクタンス値LLが、
LL=L01(LL=L02)
と変わらない。
従って、第1実施形態の第1アンテナユニット22は、以下に示す作用・効果を得ることができる。
(1)第1アンテナユニット22は、両コイル31,32を並列に接続した。第1コイル31が信号の受信を行う場合には、第2コイル32も信号の受信を行う。そのため、第1コイル31及び第2コイル32のうち何れか一方のコイルが断線などにより機能しなくとも、もう一方のコイルが機能するのであれば、信号の受信を行うことができる。従って、第1アンテナユニット22は、信号受信の信頼性を高めることができる。
(2)第1アンテナユニット22は、両コイル31,32を並列に接続し、両コイル31,32の自己インダクタンス値を共に同じに設定し、両コイル31,32の結合係数kをなるべく1に近づけるように構成した。そのため、第1アンテナユニット22は、両コイル31,32が共に機能していても、両コイル31,32のうち一方が断線などにより機能しなくなってしまっても、総インダクタンス値LLがほぼ同じ値となるため、信号の受信を好適に行うことができる。
(3)第1アンテナユニット22は、第1コイル31の巻数と、第2コイル32の巻数とを同じになるように構成した。第1アンテナユニット22は、例えば第1コイルの巻数と、第2コイルの巻数とを異なるようにして構成した第1アンテナユニットに比して、第1コイル31の自己インダクタンス値と第2コイル32の自己インダクタンス値とを近づけることができる。両コイルの自己インダクタンス値を近づけるほど、両コイル31,32が共に機能している場合の第1アンテナユニット22の総インダクタンス値と、両コイルのうち一方が断線などにより機能しなくなった場合の第1アンテナユニット22の総インダクタンス値との差を抑えることができる。従って、両コイル31,32の自己インダクタンス値を近づけるほど、両コイル31,32が共に機能している場合の第1アンテナユニット22の総インダクタンス値LLと、両コイル31,32のうち一方が断線などにより機能しなくなった場合の第1アンテナユニット22の総インダクタンス値との差を抑えることができる。よって、第1アンテナユニット22は、両コイル31,32が共に機能していても、両コイル31,32のうち一方のコイルのみが機能していても信号の受信を好適に行うことができる。
(4)第1アンテナユニット22は、第1導線31aを第2導線32aに沿うように配置したことにより、第1導線31aを第2導線32aに沿わないように配置した場合に比して、第1コイル31と第2コイル32との結合係数kを高めることができる。この結合係数kが高まるほど、両コイル31,32が共に機能している場合の第1アンテナユニット22の総インダクタンス値と、両コイル31,32のうち一方が断線などにより機能しなくなった場合の第1アンテナユニット22の総インダクタンス値との差を抑えることができる。
(5)第1アンテナユニット22は、第1導線31aと第2導線32aとを互いに接触させて配置した。従って、第1コイル31と第2コイル32との結合係数kをより一層高めることができるため、第1アンテナユニット22は、信号の受信をより一層好適に行うことができる。
(6)第1アンテナユニット22は、第1導線31aの断面積と第2導線32aの断面積とを同じになるように構成した。第1アンテナユニット22は、例えば、第1導線31aの断面と第2導線32aの断面とを異ならすようにして構成した第1アンテナユニットに比して、第1コイル31の自己インダクタンス値と第2コイル32の自己インダクタンス値とを近づけることができる。両コイル31,32の自己インダクタンス値を近づけるほど、両コイル31,32が共に機能している場合の第1アンテナユニット22の総インダクタンス値と、両コイル31,32のうち一方が断線などにより機能しなくなった場合の第1アンテナユニット22の総インダクタンス値との差を抑えることができる。
(7)第1アンテナユニット22は、第1コイル31及び第2コイル32に共に挿通するフェライトコア33を備えた。従って、第1アンテナユニット22は、信号の受信の感度を向上させることができる。
(第2実施形態)
以下、本発明のアンテナを電子キーシステムの携帯機に採用した第2実施形態を図5に従って説明する。なお、説明の便宜上、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を一部省略する。本実施形態では、第1実施形態の電子キーシステム11のうち第1アンテナユニット22のみを以下に示すように変更している。
図5に示すように、本実施形態の第1アンテナユニット40は、第1コイル41、第2コイル42、磁性体としてのフェライトコア43を備えている。第1アンテナユニット40は、本発明のアンテナに相当する。第1コイル41と第2コイル42は、第1実施形態の第1コイル31と第2コイル32と同様に並列に接続されている。
第1コイル41は、螺旋状の第1導線41aから構成されている。第1導線41aは、その軸心O2方向において隙間ができないような螺旋を描くようにフェライトコア43の外周に巻かれている。第2コイル42は、螺旋状の第2導線42aから構成されている。第2導線42aは、軸心O2方向において隙間ができないような螺旋を描くように第1コイル41の外周に巻かれている。第2導線42aは、第1導線41aに沿うように配置されている。また、本実施形態では、第1導線41aと第2導線42aとが、第1コイル41の径方向において互いに接触するように配置されている。第1導線41a及び第2導線42aは、共に透磁率が同じで、共に断面積が同じとなるように形成されている。第1コイル41及び第2コイル42は、共に巻数が同じとなるように構成されている。
即ち、第1コイル41及び第2コイル42は、共に透磁率が同じで、共に導線(第1導線41a及び第2導線42a)の断面積が同じで、共に巻数が同じため、自己インダクタンス値がほぼ同じとなっている。また、第1コイル41及び第2コイル42は、第1導線41aが第2導線42aに沿うように配置され、かつ第1導線41aと第2導線42aとが第1コイル41の径方向において互いに接触するように配置されているため、結合係数kが1に近い(例えば、0.8<k<1)値となっている。
従って、第2実施形態の第1アンテナユニット40は、前記第1実施形態における効果(1),(3)〜(7)とほぼ同様の作用・効果を得ると共に、以下に示す作用・効果を得ることができる。
(1)第1アンテナユニット40は、両コイル41,42を並列に接続し、両コイル41,42の自己インダクタンス値をほぼ同じに設定し、両コイル41,42の結合係数kをなるべく1に近づけるように構成した。そのため、第1アンテナユニット40は、両コイル41,42が共に機能していても、両コイル41,42のうち一方が断線などにより機能しなくなってしまっても、総インダクタンス値LLがほぼ同じとなるため、信号の受信を好適に行うことができる。
(2)第1アンテナユニット40は、第2コイル42の第2導線42aを、第1コイル41の第1導線41aの外周に巻くように構成した。そのため、第1アンテナユニット40は軸心O2方向において小型化することができる。
(第3実施形態)
以下、本発明のアンテナを電子キーシステムの携帯機に採用した第3実施形態を図6に従って説明する。なお、説明の便宜上、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を一部省略する。本実施形態では、第1実施形態の電子キーシステム11のうち第1アンテナユニット22のみを以下に示すように変更している。
図6に示すように、本実施形態の第1アンテナユニット50は、第1コイル51、第2コイル52、磁性体としてのフェライトコア53を備えている。第1アンテナユニット50は、本発明のアンテナに相当する。第1コイル51と第2コイル52は、第1実施形態の第1コイル31と第2コイル32と同様に並列に接続されている。
第1コイル51は、螺旋状の第1導線51aから構成されている。第1導線51aは、その軸心O3方向において隙間ができないような螺旋を描くようにフェライトコア53の外周に巻かれている。第2コイル52は、螺旋状の第2導線52aから構成されている。第2導線52aは、軸心O3方向において隙間ができないような螺旋を描くようにフェライトコア53の外周に巻かれている。第1コイル51及び第2コイル52は、軸心O3方向において、互いに向き合う端部同士が互いに接触するように配置されている。第1導線51a及び第2導線52aは、共に透磁率が同じで、共に断面積が同じとなるように形成されている。第1コイル51及び第2コイル52は、共に巻数が同じで、共に直径が同じとなるように構成されている。
即ち、第1コイル51及び第2コイル52は、共に透磁率が同じで、共に導線(第1導線51a及び第2導線52a)の断面積が同じで、共に巻数が同じで、共に直径が同じため、自己インダクタンス値も共に同じとなっている。また、第1コイル51及び第2コイル52は、フェライトコア53に巻かれており、軸心O3方向において互いに向き合う端部同士が互いに接触するように配置されているため、結合係数kが0よりも1に近い値となっている。
従って、第3実施形態の第1アンテナユニット50は、前記第1実施形態における効果(1),(3),(6),(7)とほぼ同様の作用・効果を得ると共に、以下に示す作用・効果を得ることができる。
(1)第1アンテナユニット50は、両コイル51,52を並列に接続し、両コイル51,52の自己インダクタンス値を共に同じに設定し、両コイル51,52の結合係数kを0よりも1に近い値となるように構成した。そのため、第1アンテナユニット50は、両コイル51,52が共に機能していても、両コイル51,52のうち一方が断線などにより機能しなくなってしまっても、総インダクタンス値LLがほぼ同じ値となるため、信号の受信を好適に行うことができる。
(2)第1アンテナユニット50は、第1コイル51と第2コイル52とを、軸心O3方向において互いに向き合う端部同士を互いに接触するように配置した。従って、第1アンテナユニット50は、第1コイル51と第2コイル52とを接触しないように配置した第1アンテナユニットに比して、結合係数kを高めることができ、信号の受信をより一層好適に行うことができる。
なお、前記各実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
・前記各実施形態では、第1コイル31(41,51)と第2コイル32(42,52)との結線部P1,P2を受信部21外に形成していた。これに限らず、これらの結線部を、受信部21を構成するプリント配線板60に形成してもよい。即ち、図7(a),(b)に示すように、プリント配線板60は、プリント配線61を備えている。プリント配線61は、第1コイル31(41,51)の第1端T1を接続する第1接続部61aと、第2コイル32(42,52)の第1端T2を接続する第2接続部61bと、第1コイル31(41,51)の第2端T3を接続する第3接続部61cと、第2コイル32(42,52)の第2端T4を接続する第4接続部61dとを備えている。また、プリント配線61は、第1接続部61aと第2接続部61bとを繋ぐ第1結線部61eと、第3接続部61cと第4接続部61dとを繋ぐ第2結線部61fとを備えている。第1〜第4端T1〜T4は、それぞれ対応する第1〜第4接続部61a〜61dに対してハンダSにより固定されている。このように構成しても、第1アンテナユニット22(40,50)は、第1コイル31(41,51)と第2コイル32(42,52)とを並列に接続することができる。また、このように構成すると、第1コイル31(41,51)とプリント配線61とをダイレクトに接続し、第2コイル32(42,52)とプリント配線61とをダイレクトに接続するため、接続箇所が減ることにより、接続不良が起こりにくい。この態様の変更では、このプリント配線板60を含めることで第1アンテナユニットが構成されている。
・前記各実施形態のフェライトコア33,43,53を、空心、樹脂心、磁性体としての鉄心等に変更してもよい。
・前記第1及び第2実施形態の第1アンテナユニット22,40は、以下に示す5つの特徴を全て満たしていた。第1特徴は、両コイル31,32(41,42)の巻数を同じにした。第2特徴は、第1導線31a(41a)を第2導線32a(42a)に沿うように配置した。第3特徴は、第1導線31a(41a)と第2導線32a(42a)とを互いに接触させて配置した。第4特徴は、第1導線31a(41a)と第2導線32a(42a)との断面積を同じにした。第5特徴は、フェライトコア33(43)を備えていた。これに限らず、第1アンテナユニット22,40は、上記5つの特徴のうち少なくとも一つを満たすように構成してもよいし、上記5つの特徴を全て満たさないように構成してもよい。要は、両コイル31,32(41,42)を、並列に接続してあればよい。
・前記第3実施形態の第1アンテナユニット50は、以下に示す4つの特徴を全て満たしていた。第1特徴は、両コイル51,52の巻数を同じにした。第2特徴は、第1コイル51と第2コイル52とを、軸心O3方向において互いに向き合う端部同士を互いに接触するように配置した。第3特徴は、第1導線51aと第2導線52aとの断面積を同じにした。第4特徴は、フェライトコア53を備えていた。これに限らず、第1アンテナユニット50は、上記4つの特徴のうち少なくとも一つを満たすように構成してもよいし、上記4つの特徴を全て満たさないように構成してもよい。要は、両コイル51,52を、並列に接続してあればよい。
・前記各実施形態では、第1コイル31(41,51)は、第1導線31a(41a,51a)をフェライトコア33(43,53)に対して一重巻きとなるように構成していたが、多重巻きに構成してもよい。また、第2コイル32(42,52)は、第2導線32a(42a,52a)をフェライトコア33(43,53)に対して一重巻きとなるように構成していたが、多重巻きに構成してもよい。
・前記各実施形態では、第1アンテナユニット22,40,50を受信用のアンテナとして用いていた。これに限らず、この第1アンテナユニット22,40,50を、種々の受信装置の受信用アンテナとして用いてもよいし、種々の送信装置の送信用アンテナとして用いてもよい。第1アンテナユニット22,40,50は、このように用いても、信号送信の信頼性を高めることができる。
次に、上記各実施形態及びその態様の変更から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記第1コイルの巻数と前記第2コイルの巻数とを同じになるように構成し、前記第1導線を前記第2導線に沿うように配置し、前記第1導線と前記第2導線とを二条ねじの一対のネジ山のように配置することにより、前記第1導線と前記第2導線とを互いに接触させた状態でかつ前記第1導線の断面積と前記第2導線の断面積とを同じになるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。このように構成すると、両コイルが共に機能している場合のアンテナの総インダクタンス値と、第1コイルが断線などにより機能しなくなった場合のアンテナの総インダクタンス値とがほぼ同じになる。また、両コイルが共に機能している場合のアンテナの総インダクタンス値と、第2コイルが断線などにより機能しなくなった場合のアンテナの総インダクタンス値とがほぼ同じになる。よって、アンテナは、両コイルが共に機能していても、両コイルのうち一方のコイルのみが機能していても、信号の送受信を好適に行うことが可能となる。
(ロ)前記第1コイル及び前記第2コイルを接続するプリント配線を有したプリント配線板を備え、前記プリント配線は、前記第1コイルの第1端を接続した第1接続部と、前記第2コイルの第1端を接続した第2接続部と、前記第1コイルの第2端を接続した第3接続部と、前記第2コイルの第2端を接続した第4接続部と、前記第1接続部と前記第2接続部とを繋ぐ第1結線部と、前記第3接続部と前記第4接続部とを繋ぐ第2結線部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5、技術的思想(イ)のうちいずれか1項に記載のアンテナ。このように構成すると、第1コイルとプリント配線とをダイレクトに接続し、第2コイルとプリント配線とをダイレクトに接続するため、接続箇所が減ることにより、接続不良が起こりにくい。
(ハ)前記第1コイル及び前記第2コイルに共に挿通する磁性体を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5、技術的思想(イ)、技術的思想(ロ)のうちいずれか1項に記載のアンテナ。このように構成すると、アンテナは、信号の送受信の感度を向上させることができる。
第1実施形態の電子キーシステムの回路構成を示すブロック図。 第1実施形態の第1アンテナユニットの正面図。 第1実施形態の第1アンテナユニットの断面図。 第1実施形態の第1コイル、第2コイル、第1アンテナユニットの自己インダクタンス値、相互インダクタンス値、総インダクタンス値を示す表。 第2実施形態の第1アンテナユニットの断面図。 第3実施形態の第1アンテナユニットの断面図。 (a)は、態様の変更におけるプリント配線板の一部破断正面図。(b)は、そのプリント配線板に第1及び第2コイルをハンダ付けした状態を示す一部破断正面図。
符号の説明
22,40,50…本発明のアンテナとしての第1アンテナユニット、31,41,51…第1コイル、31a,41a,51a…第1導線、32,42,52…第2コイル、32a,42a,52a…第2導線。

Claims (5)

  1. 第1導線を螺旋状に巻いて構成した第1コイルと、
    第2導線を螺旋状に巻いて構成した第2コイルとを備え、
    前記第1コイルと前記第2コイルとを並列に接続したことを特徴とするアンテナ。
  2. 前記第1コイルの巻数と、
    前記第2コイルの巻数とを同じになるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
  3. 前記第1導線を前記第2導線に沿うように配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンテナ。
  4. 前記第1導線と前記第2導線とを互いに接触させて配置したことを特徴とする請求項3に記載のアンテナ。
  5. 前記第1導線の断面積と前記第2導線の断面積とを同じになるように構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載のアンテナ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007228253A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Tdk Corp アンテナ装置及びこれを用いた無線受信装置
JP2010200314A (ja) * 2009-01-30 2010-09-09 Toda Kogyo Corp 磁性体アンテナ及びrfタグ並びに該rfタグを実装した基板
JP2018110419A (ja) * 2012-11-15 2018-07-12 Smk株式会社 非定常磁界放射体、及びシステム内でのその接続及びデータ変調方法

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