JP2007228033A - サラウンド生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2チャンネルステレオ信号のセパレーションに応じて安定性のあるサラウンド信号を生成する「サラウンド生成装置」を提供する。
【解決手段】 サラウンド生成装置は、2チャンネルステレオ信号のチャンネルセパレーションを検出する検出手段と、2チャンネルステレオ信号を入力し、適応フィルタにより2チャンネルステレオ信号の非相関化処理を行い、サラウンド信号を生成する非相関化処理手段と、検出手段により検出されたステレオ信号のチャンネルセパレーションに応じて適応フィルタのフィルタ係数の導出に使用するステップサイズパラメータを可変する可変手段とを有する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、2チャンネルステレオ信号からマルチチャンネルのサラウンド信号を生成するサラウンド生成装置に関し、特に車載用オーディオ装置に搭載されるサラウンド生成装置に関する。
ホームシアターあるいは車内空間等において臨場感またはサラウンド効果のある音場を提供するために、複数のスピーカをリスナーの前後に配置した5chまたは5.1chのサラウンドシステムが普及している。こうしたシステムにおいて、2チャンネルのステレオ信号からマルチチャンネルのサラウンド信号を生成する変換技術が利用されている。例えば、車室空間内であれば、2チャンネル(LchとRch)のステレオ信号がフロントの左右のスピーカからそれぞれ出力され、ステレオ信号の差分から得られたサラウンド信号がリアの左右のスピーカからそれぞれ出力されるようになっている。
特許文献1は、2チャンネルステレオ信号の差分に基づいて4チャンネルサラウンド信号を生成する音場調整装置に関する。この文献では、FM電波受信時の電界強度変化やマルチパスノイズで入力される2チャンネルステレオ信号L、Rのセパレーションが変動した場合、(L−R)成分が減少し、サラウンド信号の音量が減少するという問題を解決するため、2チャンネルステレオ信号の一部を、サラウンド信号に加算している。
また、2チャンネルステレオ信号の差分からサラウンド信号を生成する場合、生成されたサラウンド信号は、互いに逆位相となり、受聴者(リスナー)に逆相感や違和感を与えてしまう欠点がある。この欠点を解決するために、適応フィルタを利用して2チャンネルステレオ信号を無相関化(または非相関化)し、無相関化された信号の差分からサラウンド信号を生成する技術が特許文献2に開示されている。
図17は、特許文献2のFIRフィルタによる適応無相関化器の構成例を示す図である。一方のチャンネルの入力信号Xを多段のディレイ処理器Z−1によって分割し、この出力のそれぞれに対して係数処理器W,W,・・・,Wにより所定の係数を重畳させ、これを加算器Σで加算することにより、一方のチャンネルの入力信号X中から、他方のチャンネルの入力信号Yと相関の高い信号成分を抽出する無相関化フィルタを設ける。無相関化フィルタの特性を、その出力信号RESと他方のチャンネルからの入力信号Yによって得られるエラー信号eと、一方のチャンネルの入力信号Xと、フィルタ係数の更新速度を制御するステップサイズパラメータとに基づいて、逐次と変化させる係数更新処理器5を備える。無相関化フィルタからの出力RESと他方のチャンネルの入力信号Yとの差分からサラウンド信号を得る。
特開2004−364240号 特開2003−333698号
車載用のFMチューナ等により受信された2チャンネルステレオ信号からマルチチャンネルのサラウンド信号を生成する場合、チューナの受信感度によって、ステレオ信号のチャンネルセパレーションが変動する。図18(a)〜(e)は、受信感度が変化したときのステレオ信号のチャンネルセパレーションの変化を示すリサージュ波形である。同図(a)は、ステレオ信号のLチャンネル(Lch)とRチャンネル(Rch)が等しく(モノラル信号)、入力電圧が25[dBμV]、チャンネルセパレーションが0[dB]である。同図(b)は、LchとRchとに僅かの差が生じた状態であり、入力電圧が35[dBμV]、チャンネルセパレーションが5[dB]である。同図(c)は、LchとRchにステレオ感が生じた状態であり、入力電圧が40[dBμV]、チャンネルセパレーションが10[dB]である。同図(d)は、入力電圧が45[dBμV]、チャンネルセパレーションが20[dB]、同図(e)は、RchとLchに広がり感を十分に体感できる状態であり、入力電圧が80[dBμV]チャンネルセパレーションが33[dB]である。
チャンネルセパレーションは、受信したステレオ信号の入力電圧または受信感度に比例し、すなわち、入力電力が小さくなると、ステレオからモノラルへと拡がりが小さくなっていることがわかる。従来よりあるLchとRchの差分を基本としたサラウンド変換の場合、チャンネルセパレーションが小さくなるにつれて、サラウンド信号の出力が極端に小さくなり、サラウンド(リア)スピーカから殆んど音声が出力されず、不安定になってしまうことがわかっている。特許文献2でも、LchとRchのステレオ信号の無相関化処理したものの差分からサラウンド信号を出力するため、チャンネルセパレーションが小さくなる(モノラルに近づく)につれて、サラウンド信号の出力が小さくなってしまうという課題を依然として抱えている。
一方、特許文献1は、2チャンネルステレオ信号の一部をサラウンド信号に加算することで上記した課題を解決しているが、この場合にも、生成されるサラウンド信号の逆相感や違和感を排除することができない。
本発明は、上記従来の課題を解決するために成されたものであり、2チャンネルステレオ信号のチャンネルセパレーションに応じて安定したマルチチャンネルサラウンド信号を生成することができるサラウンド生成装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、拡がり感や臨場感のあるサラウンド信号を生成することができるサラウンド生成装置およびこれを利用したオーディオ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る、2チャンネルステレオ信号からマルチチャンネルのサラウンド信号を生成するサラウンド生成装置は、2チャンネルステレオ信号のチャンネルセパレーションを検出する検出手段と、2チャンネルステレオ信号を入力し、適応フィルタにより2チャンネルステレオ信号の非相関化処理を行い、サラウンド信号を出力する非相関化処理手段と、前記検出手段により検出されたチャンネルセパレーションに応じて適応フィルタのフィルタ係数の導出に使用するステップサイズパラメータを可変する可変手段とを有する。適応フィルタの係数は、例えばLMSアルゴリズムにより算出される。
好ましくは検出手段は、受信した2チャンネルステレオ信号の受信感度からチャンネルセパレーションを検出する。可変手段は、チャンネルセパレーションに比例してステップサイズパラメータを可変し、チャンネルセパレーションが小さくなればそれに応答してステップサイズパラメータを小さくする。また、可変手段は、2チャンネルステレオ信号の受信感度が一定のしきい値以下のとき、ステップサイズパラメータを可変するようにしてもよく、ステレオ信号としての拡がり感を体感することができないレベル以下でステップサイズパラメータを小さくする。ステップサイズパラメータを可変することで適応フィルタの適応スピードが可変され、ステップサイズパラメータが小さくなれば、適応フィルタの収束が遅くなり、ステップサイズパラメータが大きくなれば、適応フィルタの収束が早くなる。すなわち、ステップサイズパラメータの増減によって、適応フィルタ(本構成でいう相関除去)の誤差(=サラウンド信号)をコントロールすることができる。
本発明に係る、2チャンネルステレオ信号からマルチチャンネルのサラウンド信号を生成するサラウンド生成装置は、2チャンネルステレオ信号のチャンネルセパレーションを検出する検出手段と、2チャンネルステレオ信号を入力し、適応フィルタにより2チャンネルステレオ信号の非相関化処理を行い、サラウンド信号を出力する非相関化処理手段と、前記検出手段により検出されたチャンネルセパレーションに応じて非相関化処理されたサラウンド信号に2チャンネルステレオ信号を加算する加算手段とを有する。
好ましくは加算手段は、チャンネルセパレーションに応じて2チャンネルステレオ信号の加算割合を可変し、チャンネルセパレーションが低くなるに従い2チャンネルステレオ信号の加算割合を増加させる。
本発明のサラウンド生成装置によれば、チャンネルセパレーションに応じて適応フィルタの更新量または収束スピードを決定するステップサイズパラメータを可変するようにしたので、チャンネルセパレーションが低い場合であっても、量感のあるサラウンド信号を安定的に生成することができる。同様に、チャンネルセパレーションに応じて非相関化処理されたサラウンド信号にステレオ信号を加算し、その割合を可変するようにしたので、チャンネルセパレーションが低い場合であっても、量感のあるサラウンド信号を安定的に得ることができる。
本発明の最良の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係る車載用オーディオ装置の構成を示すブロック図である。車載用オーディオ装置10は、ラジオ放送やテレビ放送で受信したオーディオ信号を再生したり、あるいはCD、DVD、ハードディスク等のメディアに格納されたオーディオ信号を再生する。以下では、FM放送を受信しこれを再生する例を説明する。
図1に示すように、車載用オーディオ装置10は、ラジオ放送を受信するアンテナ20、アンテナ20で受信されたRF信号を受け取る受信モジュール30、受信モジュール30からのオーディオ信号を入力し、サラウンド信号を生成するサラウンド生成部40、受信モジュール30における受信信号の受信感度を入力し、サラウンド生成部40を制御するコントローラ50を含んでいる。サラウンド生成部40は、2チャンネルステレオ信号L、Rを入力し、それからサラウンド信号SL、SRを生成する。5チャンネルのサラウンド信号を生成する場合には、さらにステレオ信号RとLの和の成分から信号CT(Center)を生成する。
図2は、車内空間におけるスピーカのレイアウトを示す図である。前部座席の両側の左右にフロントスピーカFL、FRが配置され、後部座席の両側の左右にリアスピーカRL、RRが配置されている。フロントスピーカFLからLchのステレオ信号(以下、ステレオ信号Lという)が出力され、フロントスピーカFRからRchのステレオ信号(以下、ステレオ信号Rという)が出力される。リアスピーカRLからLchのサラウンド信号(以下、サラウンド信号SLという)が出力され、リアスピーカRRからRchのサラウンド信号(以下、サラウンド信号SRという)が出力される。5チャンネルのサラウンド空間の場合には、座席のセンターにスピーカCTが配置され、そこから信号CTが出力される。
図3は、FM放送を受信する受信モジュールの一般的な内部構成を示すブロック図である。受信モジュール30は、アンテナ20からのRF信号を受け取りこれを増幅するRF増幅器100と、増幅されたRF信号から希望局の周波数信号を選択する同調回路110と、局部発信器120からの周波数信号とRF信号を混合し中間周波数(IF)信号を生成する混合器130と、IF信号からオーディオ信号を検波する検波器140と、ステレオ信号を左右の2チャンネルに分離するマルチプレクサ(MPX)復調器150と、検波器140のIF信号レベルから受信感度または電界強度を検出し、RF増幅器100を制御する制御回路160を備えている。なお、制御回路160において検出された受信感度(Sメータ)は、コントローラ50へも出力される。
図4は、2チャンネルのステレオ信号から4チャンネルのサラウンド信号を生成するサラウンド生成部40の構成を示すブロック図である。サラウンド生成部40は、受信モジュール30から出力されたステレオ信号L、Rを入力し、サラウンド信号SL生成部200とサラウンド信号SR生成部300によりサラウンド信号SLおよびサラウンド信号SRを生成する。
サラウンド信号SL生成部200は、ステレオ信号Lを入力し、ステレオ信号Lの遅延処理を行う遅延回路210、ステレオ信号Rを入力し、ステレオ信号Rからステレオ信号Lの相関成分を抽出し、ステレオ信号Rの非相関化処理を行う適応ディジタルフィルタ(ADF)220、ADF220のフィルタ係数の計算を行う係数算出部230、遅延回路210の出力とADF220の出力の差分を求める加算回路240を含み、加算回路240からサラウンド信号SLを出力する。
サラウンド信号SR生成部300は、一方のステレオ信号Rを入力し、ステレオ信号Rの遅延処理を行う遅延回路310、ステレオ信号Lを入力し、ステレオ信号Lからステレオ信号Rの相関成分を抽出し、ステレオ信号Lの非相関化処理を行う適応ディジタルフィルタ(ADF)320、ADF320のフィルタ係数の計算を行う係数算出部330、遅延回路310の出力とADF320の出力の差分を求める加算回路340を含み、加算回路340からサラウンド信号SRを出力する。
係数算出部230、330は、ADF220、320に対しフィルタ係数を供給し、係数算出の際にステップサイズパラメータSSPを利用する。ステップサイズパラメータは適応フィルタの適応スピードを決定し、ステップサイズパラメータが小さくなれば、適応フィルタの収束が遅くなり、ステップサイズパラメータが大きくなれば、適応フィルタの収束が早くなる。本実施例では、SSP供給部360から供給するステップサイズパラメータは、ステレオ信号LとRのチャンネルセパレーションに応じて可変される。チャンネルセパレーションは、上記したように、受信信号の受信強度(入力電圧)に応じて変動し、すなわち、受信強度が小さいほどチャンネルセパレーションが小さく、受信強度が大きいほどチャンネルセパレーションが大きいことがわかっている。
コントローラ50は、受信モジュール30で検出された受信信号の受信強度を示す信号に応じてステップサイズパラメータを可変する指示をSSP供給部360に与える。好ましくは図5に示すように、チャネルセパレーションに比例して、ADF220、320の導出に使用するステップサイズパラメータSSPの値を変化させるように可変する。本例では、チャンネルセパレーションが33[dB]のとき(図18(e)を参照)、ステップサイズパラメータが0.001であり、これよりもチャンネルセパレーションが小さくなると、それに応じてステップサイズパラメータが小さくなる。例えば、チャンネルセパレーションが15[dB]のとき、ステップサイズパラメータは0.0001である。チャンネルセパレーションが0[dB]のとき、ステップサイズパラメータは0.00001である。可変は、例えば図5に示すように線形とすることができる。
ステップサイズパラメータが小さくなると、適応フィルタの収束スピードが遅くなり、ステレオ信号Lとステレオ信号Rの間の非相関成分を抽出し難くなり、反対にステップサイズパラメータが大きくなると、適応フィルタの収束スピードが速くなり、非相関成分が取り出し易くなる。その結果、チャンネルセパレーションが小さくなっても(L/R間の相関が高くなっても)、量感のあるサラウンド信号を得ることができる。
次に、ステップサイズパラメータを可変したときのシミュレーション結果を説明する。図2に示す車内空間において、フロントスピーカFLとリアスピーカRR間のクロス方向の分離が大きい(相互相関係数が0に近い)程、リスナーに対して拡がり感、包まれ感を生み出す。また、分離の状態が安定して提供できていると、マルチチャネル再生における音像定位が安定する。そこで、フロントスピーカFLで再生されるステレオ信号LとリアスピーカRRで再生されるサラウンド信号SRの相関関係をチャンネルセパレーションのレベルに応じて図6ないし図9に示す。
図6は、チャンネルセパレーションが0[dB]のときのステレオ信号Lとサラウンド信号SRの相関係数分布を示しており、その中で、実線は、本実施例により可変されたステップサイズパラメータ(SSP=0.0001)のときの波形であり、点線は、ステップサイズパラメータ(SSP=0.001)のときの波形である。L/Rは、ステレオ信号Lとステレオ信号Rの相関を示している。さらに、リアの音量増加と拡がり感を示すためのリサージュ波形も示してある。X軸(横軸)は、サラウンド信号SL、Y軸(縦軸)は、サラウンド信号SRをプロットしたものである。同様に、図7は、チャンネルセパレーションが5[db]、図8はチャンネルセパレーションが10[dB]、図9はチャンネルセパレーションが20[dB]のときを示している。
チャンネルセパレーションが0[dB]のとき(図6)、ステップサイズパラメータが「0.001」であると、相関除去度が最大であるが、リアの音量はほとんど生じないのに対し、ステップサイズパラメータが「0.0001」であると、リアの量感が増加していることがわかる。サラウンド信号SRとSLの拡がり感も、本実施例の方が幾分だけ上回っている。チャンネルセパレーションが5[dB]のとき(図7)、本実施例により可変されたステップサイズパラメータは「0.0001」であり、ステップサイズパラメータが「0.001」のときよりもリアの量感が増し、拡がり感も増えていることがわかる。チャンネルセパレーションが10[dB]のとき(図8)、本実施例により可変されたステップサイズパラメータは「0.0001」であり、リアの量感および拡がり感が増している。チャンネルセパレーションが20[dB]のとき(図9)、本実施例により可変されたステップサイズパラメータは「0.0001」であり、リアの量感および拡がり感が増している。
このように、マルチパス等が原因で受信状況が悪化し、チャネルセパレーションが悪くなっても、ステップサイズパラメータを可変することで、安定したサラウンド信号が生成可能となり、車室内で拡がり感を演出するためのマルチチャンネルサウンドを実現することができる。また、ステレオ放送(音楽番組)の直後にニュースが入って、モノラル放送になるケースにも対応が可能である。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図10は、第2の実施例に係る車載用オーディオ装置の構成を示すブロック図である。第2の実施例は、サラウンド生成部40のステップサイズパラメータを固定し、その代わりに、サラウンドチャネルの高相関成分(=ステレオ信号L/R)と非相関成分の割合を可変する。加算処理部60は、サラウンド生成部40から出力されるステレオ信号L、R、サラウンド信号SL、SR、および信号CTを入力し、チャネルセパレーションが小さくなるに従いステレオ信号の割合を大きくし、非相関成分の割合を小さくなる処理を行う。コントローラ50は、受信モジュール30からの受信感度に基づき加算処理部60にける高相関成分と非相関成分の割合の変化を制御する。
図11は、チャンネルセパレーションに連動する高相関成分と非相関成分の割合の変化を示す例である。チャンネルセパレーションが小さくなるに従い、サラウンド生成部によって抽出された非相関成分の割合を減少させ、その一方で高相関成分を増加させ、チャンネルセパレーションが大きくなるに従い、非相関成分の割合を増加させ、その一方で高相関成分を減少させる処理を行う。これにより、チャンネルセパレーションが小さいとき、あるいは受信強度が良くないときでも、サラウンド信号を安定させることができる。
図12は、加算処理部の詳細を示すブロック図である。サラウンド生成部40により出力される5チャンネル信号L、R、SL、SR、CTが加算処理部60に供給される。サラウンド生成部40のステップサイズパラメータSSPは、チャンネルセパレーションを保証する係数を使用し、例えば、SSP=0.001とする。
サラウンド生成部40から出力される信号のうち、相対的に見ると、最も相関が高いものは信号CTであり、次に相関が高いものはステレオ信号L、Rであり、相関が低いものはサラウンド信号SL、SRである。ゲイン調整部440は、相関が高い信号Lのゲインを調整するLゲイン部GLと相関が低い信号SLのゲインを調整するSLゲイン部GSLと、Lゲイン部とSLゲイン部の出力を加算するSL加算器442と、相関が高い信号Rのゲインを調整するRゲイン部GRと相関が低い信号SRのゲインを調整するSRゲイン部GSRと、Rゲイン部とSRゲイン部の出力を加算するSR加算器444とを含んでいる。ゲイン調整部440は、SL加算器442とSR加算器444のそれぞれの出力が1となるようにゲイン配分を決定する。例えば、Lゲイン部GLの出力が0.2、SLゲイン部GSLの出力が0.8、Rゲイン部GRの出力が0.2、SRゲイン部GSRの出力が0.8となるように調整する。この調整は、上述した図11に示す割合に基づき決定される。
次に、第2の実施例のシミュレーション結果を図13ないし図16に示す。図13は、チャンネルセパレーションが0[dB]であり、ステップサイズパラメータを「0.001」に固定したときの加算割合を変更したときのステレオ信号Lとサラウンド信号SR(図12の最終出力SR)の相関係数分布を示す図である。ここでは、加算割合を3段階で変化させており、波形W1は、(0.5×R)+(0.5×SR)の加算割合を示し、波形W2は(0.2×R)+(0.8×SR)の加算割合を示し、波形W3は(0×R)+(1.0×SR)の加算割合を示している。また、第1の実施例のときと同様に、サラウンド信号SLとサラウンド信号SRのリサージュ波形を示している。図14は、チャンネルセパレーションが5[dB]、図15は、チャンネルセパレーションが10[dB]、図16は、チャンネルセパレーションが20[dB]であり、波形W1、W2、W3は、図13のときと同様である。
これらの結果からも明らかなように、加算処理を施すことによって同相の傾向となってリアの量感が増すことがわかる。また、フロント(ステレオ信号)の加算割合を増加すると、リサージュ波形に見られるように振幅が大きくなり、拡がり感が増すことがわかる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。上記実施例では、FM放送のステレオ信号からサラウンド信号を生成する例を示したが、勿論、これ以外のステレオ信号からサラウンド信号を生成し、再生するものであってもよい。
本発明は、ラジオ放送やテレビ放送で受信したオーディオ信号を再生するビデオ・オーディオ装置等において利用される。
本発明の第1の実施例に係る車載用オーディオ装置の構成を示すブロック図である。 車内空間におけるスピーカのレイアウトを示す図である。 図1の受信モジュールの構成を示すブロック図である。 図1のサラウンド生成部の構成を示すブロック図である。 本実施例により可変されるステップサイズパラメータとチャンネルセパレーションの関係を示す図である。 本実施例により可変されたステップサイズパラメータを用いたときの相関係数分布およびリサージュ波形を示す図である。 本実施例により可変されたステップサイズパラメータを用いたときの相関係数分布およびリサージュ波形を示す図である。 本実施例により可変されたステップサイズパラメータを用いたときの相関係数分布およびリサージュ波形を示す図である。 本実施例により可変されたステップサイズパラメータを用いたときの相関係数分布およびリサージュ波形を示す図である。 本発明の第2の実施例に係る車載用オーディオ装置の構成を示すブロック図である。 図10に示す加算処理部の動作の概要を示す図である。 図10に示す加算処理部の構成を示すブロック図である。 第2の実施例の加算割合を変化させたときの相関係数分布およびリサージュ波形を示す図である。 第2の実施例の加算割合を変化させたときの相関係数分布およびリサージュ波形を示す図である。 第2の実施例の加算割合を変化させたときの相関係数分布およびリサージュ波形を示す図である。 第2の実施例の加算割合を変化させたときの相関係数分布およびリサージュ波形を示す図である。 従来のサラウンド生成装置の無相関化フィルタを示す図である。 チャンネルセパレーションと入力電圧(受信感度)の関係を示すリサージュ波形である。
符号の説明
10:車載用オーディオ装置 20:アンテナ
30:受信モジュール 40:非相関化処理
50:コントローラ 60:加算処理部
200:SL信号生成部 210:遅延回路
220:適応ディジタルフィルタ 230:係数算出部
240:加算回路 300:SR信号生成部
310:遅延回路 320:適応ディジタルフィルタ
330:係数算出部 340:加算回路
360:SSP供給部

Claims (10)

  1. 2チャンネルステレオ信号からマルチチャンネルのサラウンド信号を生成するサラウンド生成装置であって、
    2チャンネルステレオ信号のチャンネルセパレーションを検出する検出手段と、
    2チャンネルステレオ信号を入力し、適応フィルタにより2チャンネルステレオ信号の非相関化処理を行い、サラウンド信号を出力する非相関化処理手段と、
    前記検出手段により検出されたチャンネルセパレーションに応じて適応フィルタのフィルタ係数の導出に使用するステップサイズパラメータを可変する可変手段と、
    を有するサラウンド生成装置。
  2. 前記検出手段は、受信した2チャンネルステレオ信号の受信感度からチャンネルセパレーションを検出する、請求項1に記載のサラウンド生成装置。
  3. 前記可変手段は、チャンネルセパレーションに比例してステップサイズパラメータを可変する、請求項1または2に記載のサラウンド生成装置。
  4. 前記可変手段は、2チャンネルステレオ信号の受信感度が一定のしきい値以下のとき、ステップサイズパラメータを可変する、請求項1ないし3いずれか1つ記載のサラウンド生成装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか1つに記載のサラウンド生成装置を備えたオーディオ装置。
  6. 2チャンネルステレオ信号からマルチチャンネルのサラウンド信号を生成するサラウンド生成装置であって、
    2チャンネルステレオ信号のチャンネルセパレーションを検出する検出手段と、
    2チャンネルステレオ信号を入力し、適応フィルタにより2チャンネルステレオ信号の非相関化処理を行い、サラウンド信号を出力する非相関化処理手段と、
    前記検出手段により検出されたチャンネルセパレーションに応じて非相関化処理されたサラウンド信号に2チャンネルステレオ信号を加算する加算手段と、
    を有するサラウンド生成装置。
  7. 前記加算手段は、チャンネルセパレーションに応じて2チャンネルステレオ信号の加算割合を可変する、請求項6に記載のサラウンド生成装置。
  8. 前記加算手段は、チャンネルセパレーションが低くなるに従い2チャンネルステレオ信号の加算割合を増加させる、請求項7に記載のサラウンド生成装置。
  9. 前記検出手段は、受信した2チャンネルステレオ信号の受信感度からチャンネルセパレーションを検出する、請求項6に記載のサラウンド生成装置。
  10. 請求項6ないし9いずれか1つに記載のサラウンド生成装置を備えたオーディオ装置。
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