JP2007227520A - フレキシブル配線板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】折り曲げ用の溝加工の際に絶縁フィルム層の劣化や折り曲げ耐性の低下が無いフレキシブル配線板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】主として絶縁フィルム層11および金属配線層14から構成されるフレキシブル配線板10において、絶縁フィルム層11の片面又は両面に折り曲げ用の溝15を、レーザにより形成する。これにより、絶縁フィルム層11のエッチングのために強アルカリ性の薬液を使用する必要が無く、絶縁フィルム層11の劣化や折り曲げ耐性の低下が無いフレキシブル配線板10を製造することが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、筐体組み込み時の作業性等を鑑み、容易に折り曲げることが可能なフレキシブル配線板及びその製造方法に関する。
近年の電子機器は小型化・軽量化が進み、これに伴い搭載されるプリント配線板においても小型化・高密度実装化が要求されている。これらの要求に応えるプリント配線板として、フレキシブル配線板(FPC)が広く用いられている。
従来の技術では、フレキシブル配線板の基材となる絶縁フィルム層にポリイミドを使用し、これをハーフエッチングすることにより折り曲げ用の溝加工を施すことが知られている(特許文献1参照)。図7は、この従来の技術による折り曲げ用の溝加工の方法を工程順に示す断面図である。
この図に示すように、ポリイミド層51の両面に銅箔52、52を有する両面CCL53(図7(a)参照)を出発材料とし、溝加工を施す側の銅箔を利用して折り曲げ箇所にスリット59aを有する銅マスク59(図7(b)参照)を形成したのち、ハーフエッチングにより折り曲げ箇所に適度な深さの溝加工を行いポリイミド層51の厚みを低減させる(図7(c)参照)。銅マスク59を剥離(図7(d)参照)したのち、フィルム57の片面に接着剤層58を有するカバーレイ56(CL)を回路55上にラミネートすることにより、折り曲げ用の溝54が形成された箇所で容易に折り曲げることが可能なフレキシブル配線板50(図7(e)参照)が得られる。
特開2004−014880号公報
しかしながら、従来の技術では、ポリイミドをエッチングするため強アルカリ性の薬液によって化学的に溶解させるため、ポリイミドが著しく劣化し、この結果ポリイミドをハーフエッチングした箇所で裂けや破れ等の不良が発生しやすいという問題点があった。さらに、従来の技術では両面CCLを出発材料とし、そのうち片面の銅箔をポリイミドエッチングの銅マスクとして使用する必要があるため、銅箔のエッチングを2段階で行う必要があり、コスト増になるという問題点があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、折り曲げ用の溝加工の際に絶縁フィルム層の劣化や折り曲げ耐性の低下が無いフレキシブル配線板及びその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、主として絶縁フィルム層および金属配線層から構成されるフレキシブル配線板において、絶縁フィルム層の片面又は両面にレーザにより形成された折り曲げ用の溝を有することを特徴とするフレキシブル配線板を提供する。
また本発明は、主として絶縁フィルム層および金属配線層から構成されるフレキシブル配線板の製造方法において、絶縁フィルム層の片面又は両面に折り曲げ用の溝をレーザにより形成することを特徴とするフレキシブル配線板の製造方法を提供する。
本発明によれば、絶縁フィルム層に折り曲げ用の溝をレーザにより形成するので、絶縁フィルム層のエッチングのために強アルカリ性の薬液を使用する必要が無く、絶縁フィルム層の劣化や折り曲げ耐性の低下が無いフレキシブル配線板を製造することが可能になる。また、絶縁フィルム層のエッチングのための銅マスクが不要となり、折り曲げ用の溝加工を容易に行うことが可能になる上、金属配線層(例えば銅回路)のエッチングが1段階で済み、製造コストを抑制することができる。
本発明の発明者は、ポリイミド等の絶縁フィルム層を化学的に溶解することなく、折り曲げ用の溝加工を行うことが重要と考え、本発明に到達したものであり、本発明は、フレキシブル配線板(FPC)の基材を構成する絶縁フィルム層に対して、折り曲げ用の溝をレーザによって形成することを特徴とするものである。
これにより、絶縁フィルム層の劣化や折り曲げ耐性の低下を無くすことができる上、絶縁フィルム層のエッチングのための銅マスクが不要となり、導体層のエッチングは回路形成時の1回のみとすることができる。特に、片面FPCを製造する場合には、出発材料として両面CCLを必要とせず、より安価な片面CCLを出発材料とすることができるという長所がある。
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1(a)〜(d)は、本発明により折り曲げ用の溝を有する片面FPCを製造する方法を工程順に示す断面図である。図2(a)〜(d)は、本発明により折り曲げ用の溝を有する両面FPCを製造する方法を工程順に示す断面図である。
折り曲げ用の溝を有する片面FPCを製造する方法としては、図1に示す方法が例示される。この形態例では、図1(a)に示すように絶縁フィルム層11の片面に導体層として銅箔12を有する片面CCL13を出発材料とし、図1(b)に示すように回路14を形成した後、図1(c)に示すようにレーザを用いて折り曲げ用の溝15を形成する。
この図1(c)に示す例は、折り曲げ用の溝15を回路14を有する面(回路形成面)の反対面に形成した場合である。本発明ではこれに限定されるものではなく、折り曲げ用の溝15を形成する箇所に回路14が存在しない(絶縁フィルム層11が露出している)場合には、回路形成面に折り曲げ用の溝15を形成することも可能である。
折り曲げ用の溝15は、絶縁フィルム層11の片面だけに設けても良く、また、両面に設けても良い。また折り曲げ用の溝15を絶縁フィルム層11の一箇所のみに設けても良く、必要に応じて複数箇所に設けてもよい。
図1(d)に示す片面FPC10は、フィルム17の片面に接着剤層18を有するカバーレイ16(CL)を回路14上にラミネートしたものである。
折り曲げ用の溝を有する両面FPCを製造する方法としては、図2に示す方法が例示される。この形態例では、図2(a)に示すように絶縁フィルム層21の両面に導体層として銅箔22、22を有する両面CCL23を出発材料とし、図2(b)に示すように回路24を形成した後、図2(c)に示すようにレーザを用いて折り曲げ用の溝25を形成する。
折り曲げ用の溝25は、絶縁フィルム層21の片面だけに設けても良く、また、両面に設けても良い。また折り曲げ用の溝25を絶縁フィルム層21の一箇所のみに設けても良く、必要に応じて複数箇所に設けてもよい。
図2(d)に示す両面FPC20は、フィルム27の片面に接着剤層28を有するカバーレイ26(CL)を回路24上にラミネートしたものである。
本発明において、絶縁フィルム層11、21の材料としては、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、液晶ポリマー、アラミド樹脂等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではなく、フレキシブル配線板の基材として使用できる材料であれば、これら以外の材料を用いて良い。
絶縁フィルム層の溝加工に使用するレーザの種類としては、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ、ヘリウム・ネオンレーザ、X線レーザ等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではなく、絶縁フィルム層に溝が形成できる方法であれば、これら以外の種類のレーザを使用しても良い。
レーザによる溝加工は、フレキシブル配線板の製造工程における任意の工程で行うことが可能であり、特に規定されない。また、レーザによる溝加工と同時に、層間導通用の貫通穴、開口穴、外形加工等をレーザで行ってもよい。
実施例1;片面FPC
折り曲げ性評価用サンプルとして、図3の模式図に示す片面FPCを作製した。
○設計値
・外形サイズ(A×B);120×10mm
・ライン幅;100μm
・ライン間幅;100μm
・ライン長さ(C);100mm
・ライン本数;10本
・ライン端部から50mm(D)の位置にレーザで溝加工を行う。
○使用材料
・CCL;片面銅箔18μm厚、ポリイミド25μm厚
・CL;ポリイミド25μm厚、接着剤25μm厚
○レーザ溝加工
・装置;LC−2G(炭酸ガスレーザ、日立ビアメカニクス製)
・レーザ照射条件
パルス幅;10μs、エネルギ;9.0mJ、ショット数;1回、2回、3回
50μm間隔で1列にレーザを照射。
○実施例(溝加工方法;レーザ)の配線板の作製手順
(1)片面CCLを回路形成する。
(2)レーザでポリイミドに溝加工を行う。
(3)回路形成面にCLをラミネート後、所定の条件で加熱・加圧する。
○比較例(溝加工方法;ポリイミドエッチング)の配線板の作製手順
(1)両面CCL(両面銅箔18μm、ポリイミド25μm)の銅箔をエッチングし、ポリイミドエッチング用銅マスクを形成する(ポリイミド露出幅;100μm)
(2)70℃に加熱したポリイミドエッチング液TPE3000(東レエンジニアリング製)に(1)の両面CCLを浸漬処理する(処理時間は3分間、5分間、8分間の3種類)。
(3)(2)の両面CCLの銅箔をエッチングし、溝加工された面の銅箔を全面除去するとともに反対面を回路形成する。
(4)回路形成面にCLをラミネート後、所定の条件で加熱・加圧する。
○比較例(溝加工無し)の配線板の作製手順
(1)片面CCLを回路形成する。
(2)回路形成面にCLをラミネート後、所定の条件で加熱・加圧する。
以下の方法で配線板サンプルの評価を行った。
○折り曲げ強度(図4参照)
(1)折り曲げ性評価用片面FPC10をSUS製固定ブロック31に固定する。このとき配線板10の溝加工面を上向きにし、かつ配線板10の溝15の中心が固定ブロック31の角に当たるように固定する。
(2)SUS製押し込みブロック32に万能引張試験機(STM−20、東洋ボールウィン製)を取り付け、固定ブロック31と押し込みブロック32の隙間Sを1.0mmとする。図4の矢印に示すように押し込み速度5mm/minで下方に押し込み、そのときの最大荷重を測定してその結果を折り曲げ強度とする。検出器にはプッシュプル測定器(愛甲エンジニアリング製)を用いた。
○折り曲げ耐性(回路の表面露出の有無による方法)
(1)配線板の表面に0.49N/mm2の荷重が掛かるよう、ゴムローラで折り曲げ部を加圧移動させる。
(2)[折り曲げ⇒ローラ加圧⇒元に伸ばす⇒ローラ加圧]を1サイクルとして100サイクル行う。サンプルの折り曲げ方法は、溝加工面が折り曲げの外側になる180°折り曲げとする。
(3)100サイクル後のサンプルの外観を観察し、溝加工部の内層にある回路銅箔の表面露出の有無で折り曲げ耐性を評価する(表面露出無し;○、表面露出有り;×)。
○実施結果
以上の実施結果を表1に示す。
Figure 2007227520
溝幅及び溝深さは、サンプル数10個(n=10)の平均値である。折り曲げ強度は、折り曲げ強度の最大荷重測定値(n=10)の平均値である。折り曲げ耐性は、折り曲げ試験(100サイクル)後のサンプルの外観を観察し、溝加工部15の内層(絶縁フィルム層11の反対側)にある回路銅箔の表面露出の有無で評価した。
溝加工を行ったサンプルでは、溝加工方法(レーザ又はポリイミドエッチング)に係わらず、折り曲げ強度が16〜38%低減した。これは溝加工により折り曲げ箇所のサンプル厚が薄くなり、容易に折り曲げできるようになったためと考えられる。また溝加工方法に関わらず、溝深さが大きいサンプルほど折り曲げ強度が低減する傾向が見られた。
ポリイミドエッチングで溝加工を行ったサンプルのみで、折り曲げ耐性試験後に溝加工部のポリイミド層の裂けが発生し、回路銅箔が表面に露出していた。これに対してレーザで溝加工を行ったサンプルでは、ポリイミドエッチングで溝加工を行ったサンプルより溝深さが大きい場合でも、折り曲げ耐性試験後に異常は見られなかった。
したがって、レーザで溝加工を施すことにより、ポリイミドエッチングの場合と比較して、折り曲げ耐性はより向上していると言える。この理由としては、ポリイミドエッチングではポリイミドを強アルカリ性の薬液によって化学的に溶解させるため、ポリイミドが著しく劣化することが考えられる。レーザで溝加工を行った場合、ポリイミドを化学的に溶解させることなく折り曲げ用の溝を形成できるため、ポリイミド(基材である絶縁フィルム層)の劣化がより少なくなり、折り曲げ耐性が大幅に向上する。
なお、上記の片面FPCの実施結果によれば、絶縁フィルム層の厚さが25μmであるときに溝深さが10.5〜21.2μmである(絶縁フィルム層の厚さに対して溝深さが42〜85%である、又は溝加工部にある薄肉部の厚さが14.5〜3.8μmである)とき、折り曲げ強度が2.39〜1.83N(溝加工無しのサンプルの折り曲げ強度に対して81〜62%)となり、折り曲げ耐性が○であるいずれの比較例(ポリイミドエッチング3分間、または溝加工無し)よりも折り曲げ強度が小さく、よって折り曲げ容易性が優れているということができる。
さらに、絶縁フィルム層の厚さが25μmであるときに溝深さが16.0〜21.2μmである(絶縁フィルム層の厚さに対して溝深さが64〜85%である、又は溝加工部にある薄肉部の厚さが9.0〜3.8μmである)ときには、折り曲げ強度が2.11〜1.83N(溝加工無しのサンプルの折り曲げ強度に対して72〜62%)となり、一層折り曲げが容易になり、好ましい。
実施例2;両面FPC
折り曲げ性評価用サンプルとして、図5の模式図に示す両面FPCを作製した。
○設計値
・外形サイズ(A×B);120×10mm
・ライン幅;100μm
・ライン間幅;100μm
《溝加工無し面》
・ライン長さ(C);100mm
・ライン本数;10本
《溝加工面》
・ライン長さ(E);40mm(溝の左右2箇所)
・ライン本数;10本
《溝加工》
・溝加工無し面のライン端部から50mm(D)の位置にレーザで溝加工を行う。
○使用材料
・CCL;両面銅箔18μm厚、ポリイミド25μm厚
・CL;ポリイミド25μm厚、接着剤25μm厚
○レーザ溝加工
・装置;LC−2G(炭酸ガスレーザ、日立ビアメカニクス製)
・レーザ照射条件
パルス幅;10μs、エネルギ;9.0mJ、ショット数;1回、2回、3回
50μm間隔で1列にレーザを照射。
○実施例(溝加工方法;レーザ)の配線板の作製手順
(1)両面CCLを回路形成する(両面とも)。
(2)片面にレーザでポリイミドに溝加工を行う。
(3)両面にCLをラミネート後、所定の条件で加熱・加圧する。
○比較例(溝加工方法;ポリイミドエッチング)の配線板の作製手順
(1)両面CCL(両面銅箔18μm、ポリイミド25μm)の銅箔をエッチングし、ポリイミドエッチング用銅マスクを形成する(ポリイミド露出幅;100μm)
(2)70℃に加熱したポリイミドエッチング液TPE3000(東レエンジニアリング製)に(1)の両面CCLを浸漬処理する(処理時間は3分間、5分間、8分間の3種類)。
(3)(2)の両面CCLの銅箔をエッチングし、両面を回路形成する。
(4)両面にCLをラミネート後、所定の条件で加熱・加圧する。
○比較例(溝加工無し)の配線板の作製手順
(1)両面CCLを回路形成する。
(2)両面にCLをラミネート後、所定の条件で加熱・加圧する。
以下の方法で配線板サンプルの評価を行った。
○折り曲げ強度(図6参照)
(1)折り曲げ性評価用両面FPC20をSUS製固定ブロック31に固定する。このとき配線板20の溝加工面を上向きにし、かつ配線板20の溝25の中心が固定ブロック31の角に当たるように固定する。
(2)SUS製押し込みブロック32に万能引張試験機(STM−20、東洋ボールウィン製)を取り付け、固定ブロック31と押し込みブロック32の隙間Sを1.0mmとする。図6の矢印に示すように押し込み速度5mm/minで下方に押し込み、そのときの最大荷重を測定してその結果を折り曲げ強度とする。検出器にはプッシュプル測定器(愛甲エンジニアリング製)を用いた。
○折り曲げ耐性(導通抵抗値による方法)
(1)配線板の表面に0.49N/mm2の荷重が掛かるよう、ゴムローラで折り曲げ部を加圧移動させる。
(2)[折り曲げ⇒ローラ加圧⇒元に伸ばす⇒ローラ加圧]を1サイクルとして300サイクル行う。サンプルの折り曲げ方法は、溝加工面が折り曲げの外側になる180°折り曲げとする。
(3)300サイクル後のサンプルにおける、溝加工無し面の回路両端の導通抵抗値を測定する。
○実施結果
以上の実施結果を表2に示す。
Figure 2007227520
溝幅及び溝深さは、サンプル数10個(n=10)の平均値である。折り曲げ強度は、折り曲げ強度の最大荷重測定値(n=10)の平均値である。導通抵抗値は、折り曲げ試験(300サイクル)後のサンプルにおける溝加工無し面の回路両端の導通抵抗値(n=10)の平均値である。
溝加工を行ったサンプルでは、溝加工方法(レーザ又はポリイミドエッチング)に係わらず、折り曲げ強度が14〜34%低減した。これは溝加工により折り曲げ箇所のサンプル厚が薄くなり、容易に折り曲げできるようになったためと考えられる。また溝加工方法に関わらず、溝深さが大きいサンプルほど折り曲げ強度が低減する傾向が見られた。
ポリイミドエッチングで溝加工を行ったサンプルのみで、折り曲げ耐性試験後に溝加工部のポリイミド層の裂けが発生し、回路銅箔が表面に露出していた。これに対してレーザで溝加工を行ったサンプルでは、ポリイミドエッチングで溝加工を行ったサンプルより溝深さが大きい場合でも、折り曲げ耐性試験後に異常は見られなかった。
したがって、レーザで溝加工を施すことにより、ポリイミドエッチングの場合と比較して、折り曲げ耐性はより向上していると言える。この理由としては、ポリイミドエッチングではポリイミドを強アルカリ性の薬液によって化学的に溶解させるため、ポリイミドが著しく劣化することが考えられる。レーザで溝加工を行った場合、ポリイミドを化学的に溶解させることなく折り曲げ用の溝を形成できるため、ポリイミド(基材である絶縁フィルム層)の劣化がより少なくなり、折り曲げ耐性が大幅に向上する。
なお、上記の両面FPCの実施結果によれば、絶縁フィルム層の厚さが25μmであるときに溝深さが10.3〜21.0μmである(絶縁フィルム層の厚さに対して溝深さが41〜84%である、又は溝加工部にある薄肉部の厚さが14.7〜4.0μmである)とき、折り曲げ強度が4.42〜3.48N(溝加工無しのサンプルの折り曲げ強度に対して84〜66%)かつ導通抵抗値が3.10×10-1Ω〜4.17×10-1Ω(溝加工無しのサンプルの導通抵抗値に対して95〜128%)となり、折り曲げ後に導通抵抗値が著しく増加した例を除く比較例(ポリイミドエッチング3分間、または溝加工無し)よりも折り曲げ強度が小さく、よって折り曲げ容易性が優れているということができる。
さらに、絶縁フィルム層の厚さが25μmであるときに溝深さが16.4〜21.0μmである(絶縁フィルム層の厚さに対して溝深さが65〜84%である、又は溝加工部にある薄肉部の厚さが8.6〜4.0μmである)ときには、折り曲げ強度が3.81〜3.48N(溝加工無しのサンプルの折り曲げ強度に対して72〜66%)かつ導通抵抗値が3.10×10-1Ω〜4.17×10-1Ω(溝加工無しのサンプルの導通抵抗値に対して95〜128%)となり、一層折り曲げが容易になり、好ましい。
本発明により製造されたフレキシブル配線板は、折り曲げが容易であり、かつ耐折り曲げ性が良好であることから、フレキシブル配線板として優れている。特に、筐体組み込みのフレキシブル配線板として、好適に利用することができる。
(a)〜(d)は、本発明により折り曲げ用の溝を有する片面FPCを製造する方法を工程順に示す断面図である。 (a)〜(d)は、本発明により折り曲げ用の溝を有する両面FPCを製造する方法を工程順に示す断面図である。 試験例に用いた折り曲げ用の溝を有する片面FPCを示す図面であり、(a)は回路を示す図、(b)は断面図である。 折り曲げ用の溝を有する片面FPCの折り曲げ強度の試験方法を示す説明図である。 試験例に用いた折り曲げ用の溝を有する両面FPCを示す図面であり、(a)は溝加工無し面の回路を示す図、(b)は溝加工面の回路を示す図、(c)は断面図である。 折り曲げ用の溝を有する両面FPCの折り曲げ強度の試験方法を示す説明図である。 (a)〜(d)は、従来の方法により折り曲げ用の溝を有するFPCを製造する方法を工程順に示す断面図である。
符号の説明
10…片面FPC(フレキシブル配線板)、11…絶縁フィルム層、12…金属層(銅箔)、13…片面CCL(銅張積層板)、14…金属配線層(回路)、15…折り曲げ用の溝、16…カバーレイ(CL)、20…両面FPC(フレキシブル配線板)、21…絶縁フィルム層、22…金属層(銅箔)、23…両面CCL(銅張積層板)、24…金属配線層(回路)、25…折り曲げ用の溝、26…カバーレイ(CL)。

Claims (2)

  1. 主として絶縁フィルム層および金属配線層から構成されるフレキシブル配線板において、絶縁フィルム層の片面又は両面にレーザにより形成された折り曲げ用の溝を有することを特徴とするフレキシブル配線板。
  2. 主として絶縁フィルム層および金属配線層から構成されるフレキシブル配線板の製造方法において、絶縁フィルム層の片面又は両面に折り曲げ用の溝をレーザにより形成することを特徴とするフレキシブル配線板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009069610A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Bridgestone Corp 情報表示用パネル
EP2794380B1 (de) * 2011-12-24 2020-04-29 Valeo Schalter und Sensoren GmbH Optischer sensor mit einem integrierten feuchtsensor

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