JP2006269638A - 回路基板の製造方法、回路基板およびプリント回路基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストを増加させることなく、配線密度が高く、屈曲性に優れた回路基板の製造方法、回路基板およびプリント回路基板を提供すること。
【解決手段】基材101の両面に金属層102を有する基板100の両面側に、第一の樹脂層106と第二の樹脂層107とを有する被覆層104を積層して積層体を得る積層工程と、前記積層体に貫通孔103を形成する貫通工程と、前記第一の樹脂層106の表面および前記貫通孔103の内壁を導電処理をする導電処理工程と、前記第一の樹脂層106を除去する除去工程と、前記第一の樹脂層106を除去した後の貫通孔103の内壁に電解めっき105を形成するめっき工程と、前記第二の樹脂層107を除去する工程とを有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、回路基板の製造方法、回路基板およびプリント回路基板に関する。
近年における電子機器の高機能化に伴い、プリント配線板の配線密度や実装密度の向上が求められている。このような中で、単位面積当りの配線密度や実装密度を向上するために、片面プリント配線板よりも両面プリント配線板が多用されるようになっている。また、さらなる機能の向上のために、微細配線化による配線密度の向上や、フレキシブルプリント配線板では両面フレキシブルプリント配線板の屈曲用途への対応が求められている。
従来の両面プリント配線板の製造方法を図6を用いて説明すると、基材601の両面に金属箔602を有する基板600にドリルにより貫通孔603を形成し、貫通孔内壁の導通処理を行った後、電解めっきにより貫通孔内壁にめっき605を施し、その後エッチングにより回路形成を行っていた。
しかし、前記製造方法で得られるプリント配線板では、導通処理を行っている貫通孔内壁のみに選択的にめっきを付けることが出来ず、基材両面側にある金属箔表面にも電解めっきが形成される。そのため、基材の両面の金属層の厚みが厚くなり、微細配線を形成する場合、サブトラクティブ法による回路幅精度の点から回路形成時の導体回路幅及び導体回路間の間隔には限界がある。
さらに、めっき厚のばらつきの影響により導体回路形成後の仕上がり幅がばらつくという問題もあった。また、金属層が厚くなることに加えて、伸び率の小さい電解めっきが金属箔表面に形成されているため、金属層の屈曲性が大幅に低下してしまい、高屈曲性を要求される用途に用いることができないなどの問題があった。
このような問題を解決するため、片面めっき法と呼ばれる片方の金属層のみに電解めっきを形成する製法(図2)及び、部分めっき法と呼ばれる貫通孔周囲のみにめっきを施す製法(図3)が用いられている。
図2に示す片面めっき法は、貫通孔203形成後に、貫通孔内壁の導通処理を行い、その後基板の一方の面に被覆層204を形成し、電解めっきにより貫通孔内壁及び被覆層が形成された面の他方の面にめっき205を施し、その後、被覆層を除去して得られる。そして、エッチングにより回路形成を行っていた(特許文献1)。
片面めっき法の利点は、基板の一方にのみめっきが施されていることにより、めっきを施さない他方の面の金属層を薄くでき、微細配線化が可能である。しかし、片面めっき法では、めっきが施されている面の微細配線化ができず、片面のみにしか微細配線化ができないという問題があり、両面の配線密度の向上はできない。また、基材の両面の金属層の厚さが違うために、片面ずつ回路形成を行わなければならず、工程数増加による製造コストが増加するという問題があった。
他方、部分めっき法は、図3に示すように、貫通孔303形成後に、貫通孔内壁の導通処理を行い、その後基板の両面に被覆層304を形成し、貫通孔周囲の被覆層を除去(図3(c))した後、電解めっきにより貫通孔内壁及び貫通孔周囲のみにめっき405を施し(図3(d))、被覆層を除去し(図3(e))、その後エッチングによる回路形成を行う方法となっている(特許文献2)。
部分めっき法の利点は、貫通孔近傍以外はめっきを施さないため、両面の金属層が薄く、基板両面に微細配線化が可能となるほか、フレキシブルプリント配線板の場合には、高屈曲性を有することが可能となる。しかし、部分めっき法では電解めっきにより貫通孔周囲に析出させた第1のランドよりも大きな第2のランドを回路形成時に設けなければならず、ランド径を大きくせざるを得ないという問題があり、貫通孔が密に配置されている場合には、配線密度を向上させることが困難であった。また、貫通孔周囲の被覆層のみを除去する工程が増えるため、片面メッキ法と同様、工程数増加による製造コストが増加するという問題があった。
特開2004−253761号公報 特開平11−346039号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、製造コストを増加させることなく、配線密度が高く、屈曲性に優れた回路基板の製造方法、回路基板およびプリント回路基板を提供することを目的とする。
本発明によれば、基材の両面に金属層を有する基板の両面側に、第一の樹脂層と第二の樹脂層とを有する被覆層を積層して積層体を得る積層工程と、
前記積層体に貫通孔を形成する貫通工程と、
前記第一の樹脂層の表面および前記貫通孔の内壁を導電処理をする導電処理工程と、
前記第一の樹脂層を除去する除去工程と、
前記第一の樹脂層を除去した後の貫通孔の内壁に電解めっきを形成するめっき工程と、
前記第二の樹脂層を除去する工程とを有することを特徴とする回路基板の製造方法を提供するものである。
本発明に係る回路基板の製造方法は、選択的にあけた貫通孔内に電解めっきを施し、金属層表面には電解めっきを施さないので、薄い金属層のままで、回路作成時細線加工が可能で、屈曲性に優れたプリント回路基板とすることが出来る。
また、本発明において前記第二の樹脂層は、感光性を有するものとしてもよい。そうすることにより、剥離工程において薬液により容易に剥離することができ、オレ、シワを防止することが出来る。
また、前記貫通工程の後、前記貫通孔の内壁をエッチバックするエッチバック工程を含んでもよい。そうすることにより、金属層と電解めっき層の界面への応力が緩和され層間の接続信頼性を向上することができる。
さらには、これらの方法により製造された回路基板としてもよい。また、この回路基板を用いて、回路作成を行ったプリント回路基板としてもよい。
本発明によれば、製造コストを増加させることなく、配線密度が高く、屈曲性に優れた回路基板の製造方法、回路基板およびプリント回路基板を提供することが出来る。
以下本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、共通する構成要素には同一符号を付し、以下の説明において詳細な説明を適宜省略する。
図1は、本発明の回路基板の製造方法によって得られた回路基板120の断面図を示したものである。この回路基板120は、基材101と、基材101の両面側に金属層102を有する回路基板120からなっている。回路基板120には貫通孔103が形成され、貫通孔103内壁にめっき層105が形成されている。
以下、本実施形態に係る回路基板120の製造方法について説明する。
まず、図4(a)に示す基板100を用意する。基材101を構成する材料としては、例えば樹脂フィルム基材等が挙げられる。樹脂フィルム基材としては、弾性率と耐熱性を向上させる点から、特にポリイミド樹脂系フィルムが好ましい。
基材101の厚さは特に限定されないが、5μm以上50μm以下が好ましく、
屈曲性を向上させる点から特に12.5μm以上25μm以下がより好ましい。
金属層102は、例えば銅、鉄、アルミニウム等により構成され特に銅が好ましく用いられる。金属層102の厚みは、1μm以上50μm以下が好ましく、回路形成時のサブトラクティブ法による回路幅精度及び取り扱いの点から特に5μm以上12μm以下がより好ましい。
次に図4(b)に示すように、金属層102の表面全体に少なくとも第一の樹脂層106と第二の樹脂層107で構成される被覆層104を形成する。被覆層104の形成方法としては、熱圧ロール等を用いることが出来る。また、第一の樹脂層106の素材としては例えば、第一の樹脂層106をポリエステル系、ポリエチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリプロピレン系、ポリオレフィン系等の離型フィルムを用いることが出来る。第二の樹脂層107の素材としてはポリエステル系、ポリエチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリプロピレン系、ポリオレフィン系、感光性樹脂材料等により構成されるフィルムを用いることが出来き、特に溶剤又はアルカリ水溶液により除去可能な感光性樹脂材料が好ましい。また、電解めっき工程における貫通孔内の第二の樹脂層側面に析出するめっき量を軽減するという点から、第二の樹脂層の厚みは1μm以上50μm以下が好ましく、特に1μm以上20μm以下がより好ましい。
次に被覆層104と基板100を貫通する孔103を形成する(図4(c))。この際、ドリルまたはUVレーザーを用いると貫通孔103を容易に形成できる。ただし、UVレーザーを用いる場合、層間の接続信頼性を向上させるために過マンガン酸カリウム水溶液によるウェットデスミアまたはプラズマによるデスミアなどの方法により貫通孔103内壁に残存している樹脂を除去することが好ましい。
次に貫通孔103の内壁に導電処理を行い導電処理層108を形成する(図4(d))。この際に、無電解めっき、ダイレクトめっきまたはスパッタリングを用いると容易に導電性を付与することができる。
次に被覆層104の最表層の導電処理層を除去するために第一の樹脂層106を除去する(図4(e))。除去方法としては、物理的に剥離する方法で行うことが好ましい。
次に電解めっき法を用い、貫通孔103内において基材101の両面の金属層102が接触するまでめっきを成長させめっき層105を形成する(図4(f))。
次に被覆層104の除去を行う(図4(g))。ここで、被覆層104が感光性樹脂を有する場合は薬液で除去する。また、被覆層104を除去した後にめっき層105で形成される貫通孔周辺の突出部を除去し、基板表面を平坦化することが好ましい(図4(h))。この際、ブラシ研磨、バフ研磨、やすり等の機械的研磨で前記突出部を除去する。
また、貫通孔形成工程(図5(a))後にエッチングにより金属層を貫通孔内壁側から後退させるエッチバック工程を加える(図5(b))ことにより、金属層と電解めっき層の界面への応力が緩和され層間の接続信頼性を向上することができる。前記エッチバック工程の際、貫通孔内壁側から金属層を2μm以上15μm以下後退させることが好ましく、特に5μm以上10μm以下がより好ましい。
エッチバック工程後、導電処理工程(図5(c))、第一の樹脂層を除去する工程(図5(d))、電解めっき工程(図5(e))、被覆層を除去する工程(図5(f))を行う。この際も、被覆層を除去する工程後に機械的研磨により基板表面を平坦化することが好ましい(図5(g))。
次に両面の金属層表面に感光性レジストを熱圧ロール等でラミネートし、感光性レジスト層を形成する。その後、回路配線用のマスクフィルムを用いて紫外線を照射する露光工程、紫外線の照射されない部分を除去する現像工程、現像により露出した金属層をエッチング液により除去するエッチング工程、残存する感光性レジストを除去する剥離工程を行うことにより、プリント回路基板が得られる(図4(i))。
本発明の製造方法により得られる両面プリント配線板。 片面メッキ法による両面プリント配線板の製造方法。 部分メッキ法による両面プリント配線板の製造方法。 本発明による両面プリント配線板の製造方法。 エッチバック工程を含む本発明による両面プリント配線板の製造方法。 従来の両面プリント配線板の製造方法。
符号の説明
100、200,300,400:両面金属張積層板
101,201,301,401:絶縁層
102,202,302,402:金属層
103、203、303、403:貫通孔
204、304、404:被覆層
105、205、305、405:めっき層
406:離形層
407:絶縁層
408:導電化層
106:第一の樹脂層
107:第二の樹脂層
120:回路基板

Claims (5)

  1. 基材の両面に金属層を有する基板の両面側に、第一の樹脂層と第二の樹脂層とを有する被覆層を積層して積層体を得る積層工程と、
    前記積層体に貫通孔を形成する貫通工程と、
    前記第一の樹脂層の表面および前記貫通孔の内壁を導電処理をする導電処理工程と、
    前記第一の樹脂層を除去する除去工程と、
    前記第一の樹脂層を除去した後の貫通孔の内壁に電解めっきを形成するめっき工程と、
    前記第二の樹脂層を除去する工程とを有することを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. 前記第二の樹脂層は、感光性を有するものである請求項1に記載の回路基板の製造方法。
  3. 前記貫通工程の後、前記貫通孔の内壁をエッチバックするエッチバック工程を含む請求項1または2に記載の回路基板の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の方法により製造された回路基板。
  5. 請求項4に記載の回路基板を回路作成してなるプリント回路基板。



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