JP2007226208A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】中間転写ベルトの表面状態が、汚れや傷等によって変化や劣化しても適切な画像形成を維持し、かつ中間転写ベルトの長寿命化を図る。
【解決手段】プリンタ100は、電子写真方式により各々感光体ドラム51上にトナー像を形成する画像形成部5Y、5C、5M、5Bと、感光体ドラム51のトナー像が多重転写される中間転写ベルト11と、中間転写ベルト11が懸架され、懸架状態で中間転写ベルト11を駆動する駆動ローラ41及び従動ローラ42と、前記中間転写ベルト11の表面状態を検知する光学的検知部材10と、光学的検知部材10から得られた出力に基づいて、感光体ドラム51の表面速度及び/又は中間転写ベルト11の送り速度を制御する制御部とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】プリンタ100は、電子写真方式により各々感光体ドラム51上にトナー像を形成する画像形成部5Y、5C、5M、5Bと、感光体ドラム51のトナー像が多重転写される中間転写ベルト11と、中間転写ベルト11が懸架され、懸架状態で中間転写ベルト11を駆動する駆動ローラ41及び従動ローラ42と、前記中間転写ベルト11の表面状態を検知する光学的検知部材10と、光学的検知部材10から得られた出力に基づいて、感光体ドラム51の表面速度及び/又は中間転写ベルト11の送り速度を制御する制御部とを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ等に代表される画像形成装置に関するものである。
複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置においては、像担持体として感光体ドラムが広く用いられている。感光体ドラムを用いた一般的な画像形成プロセスは以下のようである。感光体ドラムの表面は、帯電装置により所定電位で一様に帯電され、そこに露光装置のLED光等を照射することにより部分的に電位が減衰して原稿画像の静電潜像が形成される。この静電潜像を現像装置で現像することによってトナー像が現像される。
例えば、カラー画像を形成するタンデム型カラー画像形成装置においては、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に対応した画像形成部が具備される。各々の画像形成部の感光体ドラムに形成されたトナー画像が順次、無端ベルトとしての中間転写ベルトに多重転写され、中間転写ベルト上にカラー画像が形成される。その後、2次転写機構により、用紙等のシート材に前記カラー画像が転写される。
このような画像形成工程において、形成される画像の高画質化を図るために、各種の改良がなされている。これらの中で、転写されるトナーの濃度補正や、色ずれの発生を抑えてカラーレジストレーション性能の向上が、高画質化の重要な技術課題として挙げられる。
こうした技術課題を改善するために、各画像形成部により所定のパターン画像を中間転写ベルト上に形成し、該パターン画像を光学的検知部材で検知・測定し、その測定結果に基づいて、画像形成工程において各種フィードバック・補正を施すことによって、前記トナーの濃度補正や、カラーレジストレーション性能の向上を図る方法が、考案され、実践されている。
一方、中間転写ベルトは、画像形成工程を繰り返し行うことにより、ベルト表面が汚れたり、磨耗等により劣化したりして、新品である初期の状態から、次第に形成される画像の画質が低下し、文字中抜け、細線の再現性の低下等を招来するようになってくる。
このような場合、画像の劣化を防ぐために、画質劣化の原因が表面の汚れ等によるときは、クリーニング等の回復動作等を行い、劣化によるときは、中間転写ベルトを交換するのが一般的である。
こうした中間転写ベルトのクリーニング時期や交換時期については、外部からでは確認することは困難である。そこで、前記トナー濃度補正等に用いられる光学的検知部材を利用して、中間転写ベルトの表面の傷や汚れ等を検知し、中間転写ベルトのクリーニングや交換時期を決定し、表示パネル等にメッセージ表示するものや、表面の回復動作を行うものが知られている。(例えば特許文献1、2)。
特開2003−241472号公報
特開2003−302878号公報
しかしながら、中間転写ベルトの表面状態の汚れや劣化等は、初期状態から徐々に進行し、これに伴い形成される画像の画質も次第に低下していくものである。したがって、適当な中間転写ベルトの劣化条件を設定して、検出部材で得られた結果から、前記中間転写ベルトの劣化条件を満たしたときに、中間転写ベルトの交換やクリーニング等を行うようにしても、これに至るまでに、画質の低下はすでに現れてしまっていることになる。
本来であれば、中間転写ベルトのクリーニング時期、交換時期までは、安定して劣化のない画像形成を行えることが望ましい。また、消耗品である中間転写ベルトを、より長く使用できれば、経済的にも有利である。
本発明の目的は、中間転写ベルトの表面状態が、汚れや傷等によって変化や劣化しても適切な画像形成を維持し、かつ中間転写ベルトの長寿命化を図って経済性を高めることができる画像形成装置を提供することにある。
この目的を達成する本発明の一局面に係る画像形成装置は、電子写真方式により、複数の像担持体上にトナー像を形成する画像形成部と、前記画像形成部に近接し、前記複数の像担持体のトナー像が多重転写される無端ベルトと、前記無端ベルトが懸架され、懸架状態の無端ベルトを駆動する駆動ローラと、前記無端ベルトが懸架される従動ローラと、前記無端ベルトの表面状態を検知する検知部材と、前記検知部材から得られた出力に基づいて、前記像担持体の表面速度及び/又は前記無端ベルトの送り速度を制御する制御部と、を含むことを特徴とする(請求項1)。
この構成によれば、無端ベルトの表面の劣化等により、無端ベルトの表面状態が変化し、例えば、無端ベルト表面の摩擦係数が低下して、像担持体表面に形成されたトナー像の無端ベルト表面への転写性能が低下した場合でも、制御部によって、検知部材による出力に基づいて像担持体表面の速度と無端ベルトの送り速度の差を適切に制御することにより、像担持体のトナー像の無端ベルト表面への転写性能を向上せしめることができる。従って、無端ベルトの表面状態に拘わらず、文字抜けを防止し、細線再現性に優れた高画質画像を安定して形成することができる。また、無端ベルトが劣化しても適切な画質が維持できるので、無端ベルトの長寿命化を図ることができ、経済的にも有利である。
上記構成において、前記制御部は、前記無端ベルトの送り速度を維持したまま、前記像担持体の回転速度を制御することが望ましい(請求項2)。
この構成によれば、無端ベルトの送り速度を維持したまま、像担持体の回転速度のみを制御して、像担持体表面の速度と無端ベルトの送り速度の差を生じせしめるので、像担持体の回転速度の変化に拘わらず、画像形成工程における転写画像の等倍度等が維持される。よって、前記無端ベルトの表面状態を検知する検知部材から得られた出力に基づいて、像担持体の回転速度が変更されても、画像形成工程における他の工程に影響を与えることがないので、非常に簡便に速度差の調整を行うことができる。
上記いずれかの構成において、前記検知部材から得られる出力は、前記無端ベルト表面の摩擦係数に対応付けられたものであって、前記摩擦係数が低下したとき、前記制御部により、前記像担持体の表面速度と前記無端ベルトの送り速度との差が大きくされることが望ましい(請求項3)。
この構成によれば、無端ベルト表面の汚れや劣化によって、像担持体のトナー像が転写される無端ベルト表面である転写面の摩擦係数が低下し、トナー転写性能が下がったときに、像担持体の表面速度と前記無端ベルトの送り速度の差を大きくすることで、転写性能の低下を補い、適正なトナーの転写を行うことができる。すなわち、無端ベルトの表面状態に拘わらず、文字抜けを防止し、細線再現性に優れた高画質画像を安定して形成することができる。また、これにより、中間転写ベルトが劣化しても適切な画質が維持できるので、無端ベルトの長寿命化を図ることができ、経済的にも有利である。
上記いずれかの構成において、前記検知部材は、光学的な検知部材であることが望ましい(請求項4)。
この構成によれば、無端ベルトの表面状態を、光学的検知部材により非接触で検知することができる。光学的検知部材は、無端ベルトの動作や劣化等に関与せず、影響を全く与えることなく、検知することができ、かつ無端ベルトから離れた場所に設けることができるので、設置の自由度が高まる。
この場合、前記制御部による速度制御は、前記光学的検知部材から得られた出力から算出される前記無端ベルトの耐久度に基づいて行われることが望ましい(請求項5)。
無端ベルトの表面粗さ等に基づく耐久度は、無端ベルト表面の摩擦係数と相関性の高い指標である。耐久度に基づいて、像担持体表面の速度と無端ベルトの送り速度の差を決定することによって、無端ベルト表面の摩擦係数に応じた速度差の設定を行うことと同様の効果がある。
例えば、新品の無端ベルト表面の摩擦係数が高いので、得られる耐久度は大きくなり、このときは、トナー転写性が高いため、速度差を小さく設定する。そして、無端ベルト表面の汚れ、劣化等により摩擦係数が低下したときには、耐久度は小さくなり、このときは、トナー転写性が低下するため、速度差が大きくなるように制御して、トナー転写性能を向上せしめる。これによって、無端ベルトの表面状態に拘わらず、文字抜けを防止し、細線再現性に優れた高画質画像を安定して形成することができる。また、無端ベルトが劣化しても適切な画質が維持できるので、無端ベルトの長寿命化を図ることができ、経済的にも有利である。
また、前記光学的検知部材は、前記像担持体によって前記無端ベルト上に形成された所定のパターン画像を検知し、前記所定のパターン画像の測定結果に基づき、前記無端ベルトに付着したトナー濃度測定が行われることが望ましい(請求項6)。
この構成によれば、通常、トナーの濃度補正、カラーレジストレーション性能の維持・向上等の形成画像の高画質化を目的とし、光学的検知部材を用いて、無端ベルトの表面状態を検知して、無端ベルトの交換時期や、無端ベルト表面の回復動作を行う時期の決定・表示等を行う。この他、光学的検知部材を用いて、無端ベルトの表面状態を検知し、この出力に基づいて、制御部によって像担持体表面の速度と無端ベルトの送り速度の差を適切に制御することにより、無端ベルトの表面状態に拘わらず、文字抜けを防止し、細線再現性に優れた高画質画像を安定して形成等を行うことができる。すなわち、従来の構成で用いられていた光学的検出部材を利用するので、別途専用部品を追加することなく、低廉かつ容易に高画質の維持や無端ベルトの長寿命化を図ることができる。
上記いずれかの構成において、前記駆動ローラにより駆動される前記無端ベルトの送り速度は、前記像担持体の表面速度よりも速いことが望ましい(請求項7)。
この構成によれば、像担持体の表面と無端ベルトは表面の接触部においては、無端ベルト表面が像担持体の表面に対して送り方向に滑ることになる。よって、無端ベルトは、遅行する像担持体により、その接触面で無端ベルトの送り方向と反対の引張力を受ける。つまり、無端ベルトは、各画像形成機構の像担持体により引張力を受けて、動作中は常に張力が掛かった状態となって、その表面にたわみ等を生じない。従って、たわみに起因する位置ずれ等を抑えて、各画像形成機構のトナー像を精度良く転写でき、カラーレジストレーション性能を向上せしめ、高画質化することができる。
上記構成において、前記制御部は、前記検知部材から取得された出力に基づいて、無端ベルトの表面状態に相関性のあるパラメータを算出する第1演算部と、前記パラメータの値に基づいて、前記像担持体の回転速度及び/又は前記無端ベルトの送り速度を制御するための演算を行う第2演算部と、を含むことが望ましい(請求項8)。
この場合、前記制御部は、前記検知部材から取得された出力に基づいて、無端ベルト上のトナー濃度を求め、このトナー濃度に基づき所定の画像形成条件に対する補正量を求める演算を行う第3演算部をさらに備えることが望ましい(請求項9)。
本発明の画像形成装置によれば、中間転写ベルトの表面状態が、汚れや傷等によって変化や劣化しても適切な画像形成を維持し、かつ中間転写ベルトの長寿命化を図って経済性を高めることができる。
以下、本発明に係る画像形成装置について、図1〜図7を参照して説明する。本発明に係る画像形成装置として、タンデム型カラー画像形成装置を一例に挙げる。最初に、これについて、図1を参照して、その構造の概略を説明しつつ、画像形成工程を説明する。図1は、タンデム型カラー画像形成装置としてのプリンタ100の概略構造を示す模式的な垂直断面図である。
プリンタ100は、給紙部材1、垂直搬送路2、レジストローラ対3、ベルト搬送部4、画像形成部50、2次転写部6、定着部7、排出搬送路8、排出トレイ9、光学的検知部材10及び制御部18(図2)を含んで構成されている。画像形成部50には、第1の画像形成機構5B、第2の画像形成機構5M、第3の画像形成機構5C及び第4の画像形成機構5Yの、4つの画像形成機構が備えられている。
プリンタ100は、次のような画像形成工程を行う。用紙Pは、給紙部1の給紙カセット1aより、ピックアップローラ1bにて、垂直搬送路2に搬送され、レジストローラ対3を介して2次転写部6へ搬送される。
画像形成部50では、無端ベルトとしての中間転写ベルト11が、駆動ローラ41により、矢印の方向に送られる。中間転写ベルト11上には、画像形成機構5Y、5C、5M、5Bにおいて、像担持体としての各々の感光体ドラム51に形成されたイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナー画像が順次多重転写され、カラー画像が形成される。
ここで形成されたカラー画像は、2次転写部6によって、中間転写ベルト11から、給紙カセット1aより搬送されてきた用紙Pに、2次転写される。用紙P上には、カラー画像が形成される。
この後、未定着のカラー画像を転写された用紙Pは、中間転写ベルト11から分離され、定着部7に搬送される。そして、定着ローラ7aと加圧ローラ7bの圧接により形成されるニップ部にて、用紙Pに定着に必要な熱量が供給され、カラー画像の定着処理がされる。定着部7で定着処理がなされた後、用紙Pは、排出搬送路8を経て排出トレイ9に排出される。なお、定着ローラ7aには、ヒータ(不図示)が内蔵され、このヒータは定着に必要な所定の温度を発生するように制御されている。
次に、プリンタ100の主要な構成要素である画像形成部50の構成について、詳細に説明をする。画像形成部50は、ベルト搬送部4と、現像装置56を含む第1〜第4の画像形成機構5B、5M、5C、5Yと、中間転写クリーニングユニット45とからなる。
図1に示すように、ベルト搬送部4は、駆動ローラ41と、従動ローラ42と、この2つのローラに亘って掛け渡された無端状の中間転写ベルト11とからなる。中間転写ベルト11は、テンションローラ44により、適度なテンションに保たれている。この状態で、駆動ローラ41は、駆動モータ41M(図2)から駆動力を伝達され、各画像形成機構の感光体ドラム51のドラム外周の表面速度と、ベルト搬送部4の中間転写ベルト11の送り速度とが、等速に近い一定速度になるように駆動されるようになっている。
第1〜第4の画像形成機構5B、5M、5C、5Yは、ベルト搬送部4の下方に並んで配置されている。各画像形成機構の配置は、用紙搬送方向上流より順に、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(B)用となっており、全て略同じ構成の画像形成装ユニットからなる。よって、第1〜第4の画像形成機構5B、5M、5C、5Yにおいて、同一構成である部分については同一符号を付している。なお、以下の第1〜第4の画像形成機構5B、5M、5C、5Yの説明においては、特に限定する必要がある場合を除き、「B」「M」「C」「Y」の識別記号は省略し、単に画像形成機構5と表記して説明する。
画像形成機構5は、感光体ドラム51、主帯電装置52、露光装置53、1次転写部材(転写ローラ)54、クリーニング装置55、現像装置56を含み、樹脂等からなる筐体に組み付けることにより1つのユニットとなり、装置本体に取り付けられている。
感光体ドラム51は、アモルファス・シリコンドラムを用いており、現像位置での暗電位が所定の電位になるよう主帯電装置52により帯電される。この帯電した感光体ドラム51の表面に露光装置53が画像情報に応じた光を照射することにより感光体ドラム51の表面に静電潜像が形成される。なお、本実施形態では、露光装置53として、LPH(LED PRINT HEAD)を用いている。これに代えて、LSU(レーザスキャニングユニット)を用いることもできる。
また、感光体ドラム51は、回転駆動機構51M(図2)により回転させられ、その回転速度は、マイコン等の制御部18により制御されている。すなわち、感光体ドラム51は、中間転写ベルト11の表面状態を検知する光学的検知部材10の出力に基づく演算により得られた結果から、適切な回転速度が算出され、該回転速度になるように制御される。
現像装置56は、トナータンク(不図示)により供給されるトナー粒子を現像ローラ57の表面に塗布し、現像ローラ57から、感光体ドラム51の表面に形成された静電潜像に、前記トナー粒子を供給することにより、感光体ドラム51にトナー像を現像する。
例えば、感光体ドラム51の暗電位が+300V、現像バイアスが+200V、露光後電位が+20Vとなるように設定することができる。この現像バイアスと露光後電位の差がいわゆるコントラスト電位である。例えば、ブラックのトナー画像の形成においては、暗電位は画像白部に相当し、露光後電位は画像黒部に相当する。上記のように形成された静電潜像が現像されたトナー像は、1次転写部材54との転写ニップにおいてベルト搬送部4の中間転写ベルト11表面に転写される。1次転写部材54は転写ローラである。この転写ローラ54には、感光体ドラム51に形成されたトナー像を中間転写ベルトに転写させるために、感光体ドラム51の表面電位とは逆極性の転写バイアスが−100〜−1000Vの範囲に設定され、印加されるようになっている。
感光体ドラム51上の転写されなかったトナーは、クリーニング装置55において除去される。続いて、感光体ドラム51表面の残留電位を下げて均一にすべく、除電ランプ58により感光体ドラム51が除電され、次の一連のプロセスに備えられる。なお画像形成における電位設定は、感光体ドラム51の特性、トナーの特性、環境等に応じて、最適な値が選択できるものである。プリンタ100は、上述の画像形成機構5の方法に基づいて、第1〜第4の画像形成機構5B、5M、5C、5Yで、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローに対応する画像を、感光体ドラム51上に現像し、中間転写ベルト11上に順次繰り返し、ずれなく多重転写することで、1つのカラー画像の形成を行う。
中間転写クリーニングユニット45は、中間転写クリーニングローラ45aと、中間転写クリーニングブレード45bとを備えている。中間転写クリーニングローラ45aは、中間転写ベルト11に対して圧接されていて、中間転写ベルト11の回転方向と同方向に回転されている。中間転写クリーニングブレード45bは、中間転写ベルト11の移動方向における中間転写クリーニングローラ45aの位置から下流側にて、中間転写ベルト11に対して当接することにより、中間転写ベルト11上の転写残トナーを掻き落とす。
光学的検知部材10は、反射型センサが採用されている。光学的検知部材10は、感光体ドラム51の回転速度補正に用いると同時に、中間転写ベルト11に転写されるトナー濃度を測定し、画像濃度補正をする用途に用いられる。
図1に示すように、光学的検知部材10は、中間転写ベルト11の下側の各画像形成機構5のベルト搬送方向最下流で、中間転写ベルト11の駆動ローラ41の手前近傍に設けられている。光学的検知部材10は、各画像形成機構5から中間転写ベルト11に転写されたトナーの付着状態や中間転写ベルト11の表面状態を非接触で検知している。
続いて、光学的検知部材10及び制御部18の電気的構成を、図2のブロック図に基づいて説明する。光学的検知部材10は、中間転写ベルト11の表面に測定光を投光する発光素子(例えば、LED)12と、中間転写ベルト11から反射した反射光を受光する第1受光素子14及び第2の受光素子13と、これら受光素子14、13の出力をアナログ/デジタル変換するA/D変換部17とを有する。
制御部18は、機能的に、センサ制御部181、耐久度算出部182、画像濃度補正部183、速度制御部184を備えている。
センサ制御部181は、光学的検知部材10の発光素子12を所定のタイミングで点灯させ、同じタイミングで第1、第2受光素子14、13の出力信号をA/D変換部17を介して取得する制御を行う。
耐久度算出部182(第1演算部)は、光学的検知部材10から取得された測定出力値に基づいて、中間転写ベルト11の表面状態に相関性のあるパラメータ(後述する「耐久度X」)を算出する演算を行う。
画像濃度補正部183(第3演算部)は、光学的検知部材10から取得された測定出力値から中間転写ベルト11上のトナー濃度を求め、得られたトナー濃度に基づいて、所定の画像形成条件に対する補正量を求める演算を行う。トナー濃度を求めるに際し、画像濃度補正部183は、予め規定しておいた数の画像形成を行う毎に、中間転写ベルト11上に所定のパターン画像としての測定用トナー像(トナーパッチ)を各色、濃度毎に形成させる制御を行う。
速度制御部184(第2演算部)は、耐久度算出部182で得られた、中間転写ベルト11の表面状態に相関性のあるパラメータの値に基づいて、駆動ローラ41の駆動モータ41M及び回転駆動機構51Mの駆動状態を制御し、中間転写ベルト11の送り速度及び/又は感光体ドラム51の回転速度を制御する。
次に、中間転写ベルト11の表面状態を検知する光学的検知部材10の構成及び動作について、図3〜図7を参照して詳しく説明する。図3は、光学的検知部材10の構成と、中間転写ベルト11上に適正量のトナーが付着した状態における光学的検知部材10による検知状態を示す模式図である。図4は、中間転写ベルト11上にトナーが付着していない状態における光学的検知部材10による検知状態を示す模式図である。図5は、中間転写ベルト11上にトナーが付着している状態における光学的検知部材10による検知状態を示す模式図である。図6は、光学的検知部材10により算出される被覆率と実際のトナー濃度との関係を示すグラフである。図7は、耐久度に基づき補正した補正被覆率と実際のトナー濃度との関係を示すグラフである。
画像濃度補正は、上述のように、予め規定しておいた数の画像形成を行う毎に中間転写ベルト11上にトナーパッチを形成し、該トナーパッチのトナー濃度を測定し、このトナー濃度に応じて現像バイアス等の画像形成条件を補正制御することによって行われる。
この際、光学的検知部材10を用いて中間転写ベルト11上のトナーパッチの濃度を測定する。図3に示すように、光学的検知部材10は、発光素子12と、第1及び第2の受光素子14及び13とに加え、偏光フィルタ15及び偏光分離プリズム16を備えている。偏光フィルタ15は、発光素子12と中間転写ベルト11との間に配置され、この偏光フィルタ15はP偏光の光のみを透過する。
一方、第1の受光素子14と中間転写ベルト11との間には、偏光分離プリズム16が配置されている。この偏光分離プリズム16は、P偏光の光を透過して、第1の受光素子14に与え、S偏光の光を反射して、第2の受光素子13に与える。なお、発光素子12は中間転写ベルト11の表面に対して所定の角度に傾けて配置される。
適正量のトナーが、中間転写ベルト11上に転写されたとき、発光素子12から中間転写ベルト11に測定光を投光すると、P偏光の光P1とS偏光の光S1とを含んだ測定光は、P偏光フィルタ15によって光S1がカットされる。P偏光フィルタ15から中間転写ベルト11に投光されるP偏光の光P1は、全てトナーで反射される。つまり、適正量のトナーが中間転写ベルト11上に転写されると、光P1はトナーを透過して中間転写ベルト11の表面に達することがなく、光P1はトナーのみで反射されることになる。
このとき、トナーで反射された反射光が有するP偏光の光をP3、S偏光の光をS3とする。投光光によって反射する光が正反射する光の光路上(中間転写ベルト11の法線方向に対して投光光と反対側となる正反射光路上)には偏光分離プリズム16が配置され、P偏光とS偏光の光に分離する。前述したように、反射光は偏光分離プリズム16で分離されて、P偏光の光P3が第1の受光素子14に与えられ、S偏光の光S3が第2の受光素子13に与えられる。
そして、第1及び第2の受光素子14及び13は、受光した光を光電変換して第1及び第2の出力信号を出力する。これら第1及び第2の出力信号は、A/D変換部17でA/D変換された後、制御部18へ入力される。
制御部18では、中間転写ベルト11に十分な量のトナーが付着している状態において、第1及び第2の出力信号のレベルが等しくなるように、第1、第2の受光素子14、13の出力レベル(ゲイン)が調整されている。つまり、中間転写ベルト11に適正トナー量(ベタ載せ状態)があれば、第1及び第2の出力信号のレベルが等しくなる。ここで、第1及び第2の受光素子14及び13の出力レベルが調整された後の、各出力暗電圧をそれぞれPo及びSoとする。
図4に示すように、中間転写ベルト11にトナー像が形成されていない(転写されていない状態)で、発光素子12から中間転写ベルト11に測定光を投光すると、P偏光の光P1とS偏光の光S1とを含んだ測定光は、P偏光フィルタ15によって光S1がカットされ、光P1のみが中間転写ベルト11の表面に投光され、中間転写ベルト11の表面粗さ等の表面形状に応じて、中間転写ベルト11の表面で反射した反射光は、P偏光の光とS偏光の光とを有するようになる。
このとき、中間転写ベルト11の表面で反射された反射光が有するP偏光の光をP2、S偏光の光をS2とする。この反射光は、偏光分離プリズム16でP偏光の光P2とS偏光の光S2とに分離される。そして、S偏光の光S2を第2の受光素子13で受光し、P偏光の光P2を第1の受光素子14で受光する。
第1及び第2の受光素子14及び13は、受光した光(P2、S2)を光電変換して第1及び第2の出力信号を出力する。これら第1及び第2の出力信号は、A/D変換部17でA/D変換された後、制御部18へ入力される。制御部18では、トナーが付着していない状態において、第1及び第2の出力信号をそれぞれ第1及び第2のバックグラウンド電圧Pg及びSgとし、(Pg−Po)−(Sg−So)を基準値として設定する。上述のようにして、第1及び第2の受光素子14及び13の出力レベルを調整するとともに、基準値を設定した後、中間転写ベルト11上のトナー濃度の測定が行われる。
さらに、図5に示すように、中間転写ベルト11上に適正トナー量に満たないトナーパッチが形成された場合、P偏光の光P1とS偏光の光S1とを含んだ測定光は、P偏光フィルタ15によって光S1がカットされ、光P1のみがトナーに投光されるが、トナー量が十分でないから、トナーへの入射光P1は、トナーの表面でその一部が反射し、残りはトナーを透過する。トナーを透過した光は、中間転写ベルト11の表面で反射することになる。
つまり、中間転写ベルト11の表面に投光された光(光P1)は、P偏光の光P2とS偏光の光S2とになって反射することになる。そして、この光P2及びS2は偏光分離プリズム16で分離されて、P偏光の光P2が第1の受光素子14によって受光され、S偏光の光S2が第2の受光素子13によって受光される。
同様にして、トナーで反射された反射光は偏光分離プリズム16で分離されて、P偏光の光P3が第1の受光素子14に与えられ、S偏光の光S3が第2の受光素子13に与えられる。
前述のように、第1及び第2の受光素子14及び13は、受光した光を光電変換して第1及び第2の出力信号を出力し、これら第1及び第2の出力信号は、第1及び第2の測定信号としてA/D変換部17でA/D変換された後、制御部18へ入力される。第1及び第2の測定信号をそれぞれS及びPで表すと、制御部18の画像濃度補正部183は、(P−Po)−(S−So)を測定出力値として求めて、測定出力値を前述の基準値に基づいて補正する。
つまり、画像濃度補正部183は、
補正値=((P−Po)−(S−So))/((Pg−Po)−(Sg−So))
を求めた後、次式に示す補正出力値を被覆率として得る。
被覆率=1−((P−Po)−(S−So))/((Pg−Po)−(Sg−So))
補正値=((P−Po)−(S−So))/((Pg−Po)−(Sg−So))
を求めた後、次式に示す補正出力値を被覆率として得る。
被覆率=1−((P−Po)−(S−So))/((Pg−Po)−(Sg−So))
ところで、この被覆率と実際のトナー濃度との関係を示す図6において、曲線R1は、中間転写ベルト11が新品の際の被覆率とトナー濃度との関係を表す曲線、曲線R2は中間転写ベルト11を使用した後の被覆率とトナー濃度との関係を示す曲線、そして、曲線R3は中間転写ベルト11をさらに使用した後の被覆率とトナー濃度との関係を示す曲線である。これらの3つの曲線より、中間転写ベルト11を使用するにつれて、被覆率と実際のトナー濃度との関係が変化していることが分かる。
このような被覆率を用いて画像濃度制御を行うと、中間転写ベルト11を使用するにつれて、ベルト表面の白化、磨耗、傷等の劣化や汚れが進行し、表面状態が変化し、被覆率とトナー濃度との関係が変化し、精度よく画像濃度制御を行えなくなってしまう。
そこで、中間転写ベルト11の上記ベルト表面状態の変化に相関性のある耐久度Xを以下のように定義した。図6から、耐久度Xと曲線R1〜R2の変化は相関性があることが分かる(なお、図6において、曲線R1では耐久度X=0.223、曲線R2では耐久度X=0.192、曲線R3では耐久度X=0.149であり、中間転写ベルト11を使用するにつれて耐久度Xは低くなる)。
X=A×(1−(Sg−So)/(Pg−Po))
X=A×(1−(Sg−So)/(Pg−Po))
なお、Aは定数であり、(Pg−Po)がAの時の(Pg−Po)−(Sg−So)によって決まる(実施例中の中間転写ベルト11(表面抵抗値1010Ω/□、表層:PTF
E、中間層:NBRゴム、下層:PI)では、A=0.3である)。上記耐久度算出部182は、このような演算式に基づき、中間転写ベルト11の表面状態に相関性のあるパラメータである耐久度Xを求めるものである。
E、中間層:NBRゴム、下層:PI)では、A=0.3である)。上記耐久度算出部182は、このような演算式に基づき、中間転写ベルト11の表面状態に相関性のあるパラメータである耐久度Xを求めるものである。
この耐久度Xを用いて、被覆率を補正した補正被覆率が次式である。
補正被覆率=B×(1−((P−Po)−(S−So))/((Pg−Po)−(Sg−So)))
なお、Bは、Xをパラメータとした補正量である。
補正被覆率=B×(1−((P−Po)−(S−So))/((Pg−Po)−(Sg−So)))
なお、Bは、Xをパラメータとした補正量である。
こうして求められた補正被覆率と実際のトナー濃度との関係は、図7に示す通りである。図7に示すように、補正被覆率を用いることによって、耐久度Xが変化しても、補正被覆率と実際のトナー濃度の関係は略変化しない。よって、補正被覆率やこれを基にさらに補正を加えた値等を用いることによって、精度よくトナー濃度が検出され、画像形成の補正制御を行うことができる。画像濃度補正部183はかかる補正被覆率を利用して、例えば現像バイアスを制御する。
次に、本発明の特徴部分である、中間転写ベルト11表面状態を光学的検知部材10によって検知し、この出力に基づき、感光体ドラム51の回転駆動速度を変化せしめて(感光体ドラム51の回転速度補正)、中間転写ベルト11にトナーを転写させる工程、及びその作用・効果について説明する。
感光体ドラム51に現像されたトナー像は、感光体ドラム51と転写ローラ54の圧接部に形成される転写ニップ部において、中間転写ベルト11の表面に転写されるようになっている。
まず、中間転写ベルト11の表面の磨耗劣化、汚れ等の付着(劣化等)による画像欠陥の発生要因について、簡単にそのメカニズムについて説明する。
中間転写ベルト11は、交換後等、新品に近い初期状態においては、表面の摩擦係数が高い状態(高摩擦係数状態)にある。トナー粒子の転写を繰り返し行うにつれ、ベルト表面の劣化等が進行し、ベルト表面の摩擦係数が低下(低摩擦係数状態)していく傾向にある。
したがって、当初、中間転写ベルト11の表面が高摩擦係数状態であるときは、感光体ドラム51と中間転写ベルト11が形成する転写ニップ部における両者の線速度が同一であっても、十分に高い転写性能を得ることができる。すなわち、感光体ドラム51の表面に付着している正電荷を有するトナー粒子は、転写ニップ部において、これと逆極性を有する転写ローラ54の転写バイアス電位による吸引作用と中間転写ベルト表面の強い摩擦力により、感光体ドラム51から、中間転写ベルト11に転写されるので、高い転写性能を得ることができる。
一方、ベルト表面の劣化等により中間転写ベルトの表面の摩擦係数が低下してきた場合、感光体ドラム51と中間転写ベルト11間にトナー粒子の転写に必要な摩擦力が得られず、トナー粒子が感光体ドラム51から剥離されないために、中間転写ベルト11へ必要なトナー粒子が転写されない状態になってくる。
このとき、中間転写ベルト11表面の摩擦係数等の表面状態に応じて、転写ニップ部において、感光体ドラム51の表面速度と中間転写ベルト11の送り速度に適切な速度差を設けることが望ましい。かかる速度差により、転写ニップ部での感光体ドラム51表面と中間転写ベルト11表面の速度差による僅かな摺擦が生じ、これにより感光体ドラム51上のトナーの剥離が促進され、吸着力が低下せしめられるので、表面の摩擦係数が低下した中間転写ベルト11においても、必要な転写性能を得ることができるようになる。
また、中間転写ベルト11の表面の摩擦係数等の表面状態によって、転写ニップ部での感光体ドラム51表面と中間転写ベルト11表面の速度差の適正値は異なる。例えば、中間転写ベルト11の表面が、高摩擦係数状態のときにおいて、感光体ドラム51と中間転写ベルト11の転写ニップ部における速度差が大きい場合、感光体ドラム51と中間転写ベルト11間でスティックスリップが発生し、感光体ドラム51と中間転写ベルト11の転写位置が適正に保たれず、カラーレジスト性能が低下してしまうことになる。
逆に、中間転写ベルト11の表面が、低摩擦係数状態のときにおいて、感光体ドラム51と中間転写ベルト11の転写ニップ部における速度差が小さい場合、感光体ドラム51に付着しているトナー粒子は、剥離されないまま、中間転写ベルト11を介して転写ローラ54によって、応力を付加される。このためトナー粒子は、さらに感光体ドラム51表面に吸着してしまい、当該部分のトナー粒子が転写されずに、文字中抜けや細線の再現性の低下といった画像欠陥が生じてしまうことになる。
したがって、適正な転写性能を得るためには、中間転写ベルト11の表面の摩擦係数等の表面状態に応じて、転写ニップ部での感光体ドラム51表面と中間転写ベルト11表面の速度差を適切に適宜調整することが重要である。
ところで、前述のように、光学的検知部材10を用いて算出される前記耐久度Xは、中間転写ベルト11の表面粗さ等の表面状態に基づいて求められる指標であり、中間転写ベルト11を使用するにつれて耐久度Xは低くなる傾向がある。中間転写ベルト11の表面粗さは、摩擦係数と相関性が高いので、耐久度Xは、中間転写ベルト11の表面の摩擦係数と相関性の高い指標であるといえる。
したがって、耐久度Xに基づいて、感光体ドラム51の回転駆動速度を適宜変化させることにより、中間転写ベルト11の摩擦係数の状態に応じて、転写ニップ部における感光体ドラム51表面と中間転写ベルト11表面の速度差を適宜変更する場合と同様の効果を得ることができる。このような知見に基づいて速度制御部184は、耐久度算出部182で得られた耐久度Xに従って、感光体ドラム51の回転駆動速度(或いは中間転写ベルト11の送り速度)を制御する。
表1に、実験の結果得られた、耐久度Xに基づく感光体ドラム51表面の速度Vdと中間転写ベルト11表面の送り速度Vbの速度差に基づく速比Va(=(Vb−Vd)/Vd×100)の設定値(適正なトナー転写性能が得られるもの)の一例を示す。
速度制御部184は、例えば、画像形成工程において、プリンタ100の起動時や画像形成前後、ウォームアップ時等の所定のタイミングやその他定期的に、中間転写ベルト11にトナーが転写されていない状態で、センサ制御部181を介しての中間転写ベルト11の表面を光学的検知部材10によって読み取らせる。ここで得られた値から、耐久度算出部182が耐久度Xを算出する。そして、速度制御部184は、転写ニップ部における感光体ドラム51と中間転写ベルト11の速比を表1の数値に基づいて決定し、回転駆動機構51Mの駆動量を調整して、感光体ドラム51の回転駆動速度を制御する。
上述のように、摩擦係数と相関性の高い耐久度Xは、中間転写ベルト11が新品の状態(高摩擦係数状態)で最も大きく、使用に従い(低摩擦係数状態)、低下していく。表1によると、耐久度Xに基づく、速比の適正値は、耐久度Xの低下に伴い、大きくなっている。
なお、感光体ドラム51と中間転写ベルト11の速度差を設けるに当たっては、中間転写ベルト11の張力を維持し、緩みが発生しないように、常に中間転写ベルト11の送り速度が、感光体ドラム51の表面速度よりも速くなるように設定される。よって、中間転写ベルト11表面にたわみ等を生じず、ムラ無く正確に送られるので、これに起因する位置ずれ等を抑えて、各画像形成機構のトナー像を精度良く転写でき、カラーレジストレーション性能を向上せしめ、高画質化することができる。
表1に基づいて感光体ドラム51の回転速度を制御する場合、中間転写ベルト11が新品で、ベルト表面が高摩擦係数状態の時には、光学的検知部材10の出力に基づいて算出された耐久度Xは、0.25以上となって、転写ニップ部における感光体ドラム51の回転速度は、中間転写ベルト11の送り速度よりも0.1%速い速度になるように、速度制御部184により制御される。
その後、中間転写ベルト11を継続的に使用するにつれ、次第にベルト表面の劣化等が進行し、徐々にベルト表面の摩擦係数が低下していく。感光体ドラム51の回転速度補正は、例えばプリンタ100の起動毎等に行われ、このとき、プリンタ100の起動時における中間転写ベルト11の表面状態が検知され、この出力に基づいて感光体ドラム51の回転速度補正がなされる。
したがって、徐々に劣化する中間転写ベルト11の表面状態に対して、比較的短期間毎に感光体ドラム51の回転速度補正が適用されるために、ほぼ常に中間転写ベルト11の表面状態に適合した感光体ドラム51の回転速度が維持される。よって、中間転写ベルト11表面の劣化等に拘わらず、感光体ドラム51から中間転写ベルト11へのトナー転写性能を適正に保つことができる。従って、中間転写ベルト11の交換時期に至るまで、文字抜けを防止し、細線再現性に優れた高画質画像を安定して形成することができる。また、中間転写ベルト11が劣化しても適切な画質が維持できるので、中間転写ベルト11の長寿命化を図ることができ、経済的にも有利である。
また、耐久度Xに基づく転写ニップ部における感光体ドラム51と中間転写ベルト11の速度差は、中間転写ベルト11の送り速度は一定のまま、感光体ドラム51の回転速度を変化させることにより行っているので、形成される画像の等倍度を維持することができる。
本実施形態に係る、感光体ドラム51の回転速度補正は、先に説明したように、中間転写ベルト11に塗布されるトナー濃度測定に用いられる光学的検出部材10を用いることができる。従って、予めトナー濃度測定のために光学的検知部材を設けている場合は、新たに部品等を追加する必要が無いので、低コストかつ省スペースで搭載することができる。また、光学的検知部材10による中間転写ベルト11の表面状態の検知は、非接触でなされるので、配置の自由度が高まるとともに、ベルト面を損傷する虞がないので、中間転写ベルト11の長寿命化に寄与する。
10 光学的検知部材(検知部材)
11 中間転写ベルト(無端ベルト)
12 発光素子
13、14 受光素子
15 偏光フィルタ
16 偏光分離プリズム
18 制御部
182 耐久度算出部(第1演算部)
183 画像濃度補正部(第3演算部)
184 速度制御部(第2演算部)
41 駆動ローラ
42 従動ローラ
50、5Y、5C、5M、5B 画像形成部
51 感光体ドラム(像担持体)
100 プリンタ(画像形成装置)
11 中間転写ベルト(無端ベルト)
12 発光素子
13、14 受光素子
15 偏光フィルタ
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182 耐久度算出部(第1演算部)
183 画像濃度補正部(第3演算部)
184 速度制御部(第2演算部)
41 駆動ローラ
42 従動ローラ
50、5Y、5C、5M、5B 画像形成部
51 感光体ドラム(像担持体)
100 プリンタ(画像形成装置)
Claims (9)
- 電子写真方式により、複数の像担持体上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に近接し、前記複数の像担持体のトナー像が多重転写される無端ベルトと、
前記無端ベルトが懸架され、懸架状態の無端ベルトを駆動する駆動ローラと、
前記無端ベルトが懸架される従動ローラと、
前記無端ベルトの表面状態を検知する検知部材と、
前記検知部材から得られた出力に基づいて、前記像担持体の表面速度及び/又は前記無端ベルトの送り速度を制御する制御部と、
を含むことを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、前記無端ベルトの送り速度を維持したまま、前記像担持体の表面速度を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記検知部材から得られる出力は、前記無端ベルト表面の摩擦係数に対応付けられたものであって、
前記摩擦係数が低下したとき、前記制御部により、前記像担持体の表面速度と前記無端ベルトの送り速度との差が大きくされることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記検知部材は、光学的な検知部材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記制御部による速度制御は、前記光学的検知部材から得られた出力から算出される前記無端ベルトの耐久度に基づいて行われることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記光学的検知部材は、前記像担持体によって前記無端ベルト上に形成された所定のパターン画像を検知し、前記所定のパターン画像の測定結果に基づき、前記無端ベルトに付着したトナー濃度測定が行われることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。
- 前記駆動ローラにより駆動される前記無端ベルトの送り速度は、前記像担持体の表面速度よりも速いことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、
前記検知部材から取得された出力に基づいて、無端ベルトの表面状態に相関性のあるパラメータを算出する第1演算部と、
前記パラメータの値に基づいて、前記像担持体の表面速度及び/又は前記無端ベルトの送り速度を制御するための演算を行う第2演算部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記検知部材から取得された出力に基づいて、無端ベルト上のトナー濃度を求め、このトナー濃度に基づき所定の画像形成条件に対する補正量を求める演算を行う第3演算部をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007011341A JP2007226208A (ja) | 2006-01-26 | 2007-01-22 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006017622 | 2006-01-26 | ||
JP2007011341A JP2007226208A (ja) | 2006-01-26 | 2007-01-22 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=38548043
Family Applications (1)
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JP2007011341A Pending JP2007226208A (ja) | 2006-01-26 | 2007-01-22 | 画像形成装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009086440A (ja) * | 2007-10-01 | 2009-04-23 | Canon Inc | 画像形成装置 |
JP2009265201A (ja) * | 2008-04-23 | 2009-11-12 | Oki Data Corp | 画像形成装置 |
-
2007
- 2007-01-22 JP JP2007011341A patent/JP2007226208A/ja active Pending
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