JP2007225848A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気光学装置において、互いに隣接するサブ画素間での光漏れを防止し、且つ表示の色づきを視覚的に補正する。
【解決手段】液晶層12を挟持する一対の基板7a及び8aと、一対の基板7a及び8a上に設けられた複数のサブ画素Dと、基板8a上に設けられた光反射膜32と、基板8a上であって、互いに隣接するサブ画素D同士の間の境界に沿って設けられた青色の画素間着色膜37とを有する電気光学装置である。光反射膜32で反射した光L2を画素間着色膜37によって青色光とすることができる。このような青色光L2は液晶表示装置の表示において黒に近い光に視認できるので、互いに隣接するサブ画素D間から光が漏れ出すことを防止でき、液晶表示装置の表示のコントラストが低下することを防止できる。
【選択図】図5

Description

本発明は、液晶表示装置等の電気光学装置に関する。また、本発明は、その電気光学装置を用いて構成する電子機器に関する。
現在、携帯電話機、携帯情報端末機等の各種の電子機器では、当該電子機器に関する各種の情報を視覚的に表示するための表示部として、電気光学装置が用いられている。この電気光学装置としては、例えば、電気光学物質である液晶によって光を変調することにより文字、数字、図形等の像を表示する液晶表示装置等が多く用いられている。
液晶表示装置は、一般に、それぞれが電極を有する一対の基板間にシール材によって囲まれた空間を形成し、その空間内に液晶を封止する構造を有する。それらの電極を平面的に重ねて見ると、電極が重なる領域が行方向及び列方向にマトリクス状に並び、各領域がサブ画素を構成する。これらのサブ画素が、表示が行われるときのその表示の最小単位である。そして、個々のサブ画素内に存在する液晶に印加する電圧を画素ごとに制御して液晶の配向を制御することにより表示が行われる。
この液晶表示装置には、光反射膜によって反射された反射光を用いて反射型の表示を行うものがある。また、個々のサブ画素には異なる色、例えば青色(B)、緑色(G)、赤色(R)のうちの1つの着色膜がそれぞれ設けられ、それらの着色膜によってカラー表示が行われるものもある。このような電気光学装置として、従来、互いに隣接するサブ画素同士の間に遮光部材を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−325528号公報(第8頁、図2)
ところで、特許文献1に開示された電気光学装置においては、サブ画素間の遮光部材を、例えば黒色樹脂や反射率が低い金属を用いて形成していた。しかしながら、これらの黒色樹脂や低反射率の金属は、遮光機能は有しているものの、表示される色を補正する機能は有していなかった。
また、特許文献1に開示された電気光学装置では、光反射膜の材料特性に起因して表示が色づく、例えば表示が黄色に色づくおそれがあった。また、電気光学装置を構成する基板上においては絶縁膜等の透明樹脂膜が用いられ、この透明樹脂膜の材料特性によっても表示が色づくおそれがあった。
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、電気光学装置において、互いに隣接するサブ画素間の光漏れを防止し、且つ表示の色づきを視覚的に補正することを目的とする。
本発明に係る電気光学装置は、電気光学物質を挟持して電気光学物質層を形成する一対の基板と、該一対の基板上に設けられた複数のサブ画素と、該一対の基板のうちの一方の基板上に設けられた光反射膜と、前記一方の基板上であって、互いに隣接する前記サブ画素同士の間の境界に沿って設けられた青色の画素間着色膜とを有することを特徴とする。
本発明に係る電気光学装置は、光反射膜によって反射する光を用いて行う表示、いわゆる反射型表示を行うことができる電気光学装置である。このような電気光学装置としては、例えば反射型表示のみを行う全反射型、又は反射表示領域と透過表示領域とを備え、反射型表示と透過型表示の両方を行う半透過反射型の構成がある。具体的には、(1)全反射型で着色膜を設けた構造がある。また、(2)全反射型で着色膜を設けない構造がある。また、(3)半透過反射型で透過表示領域に着色膜を設けて反射表示領域に着色膜を設けない構造がある。また、(4)半透過反射型で透過表示領域と反射表示領域の両方に同じ色の着色膜を設けた構造がある。また、(5)半透過反射型で色相が同じで濃度が異なる2種類の着色膜を透過表示領域と反射表示領域に1種類ずつ設けた構造がある。
本発明に係る電気光学装置では、互いに隣接するサブ画素同士の境界に沿って青色の画素間着色膜を設けた。これにより、互いに隣接するサブ画素の境界において光反射膜で反射した光を青色光とすることができる。このような青色光は電気光学装置の表示において赤色光や緑色光に比べて黒に近い光に視認でき、互いに隣接するサブ画素同士の境界に、例えば黒色樹脂や反射率が低い金属等を用いて遮光部材を設ける場合と同様の遮光効果を得ることができる。すなわち、互いに隣接するサブ画素間において光が漏れ出すことを防止できる。それ故、電気光学装置の表示のコントラストが低下することを防止できる。
また、光反射膜で反射する光はその光反射膜の材料である金属の色、例えば黄色に色づく傾向にある。そのため、反射光を用いて表示を行う反射型表示においては、その表示が不快感色、例えば黄色をおびることがある。本発明の電気光学装置では、互いに隣接するサブ画素の境界において光反射膜で反射した光を青色光とすることができ、この青色光は好感色であるので、反射型表示、特に視覚的に白い表示を行うときに光反射膜に起因して表示が不快感色に色づくこと、例えば表示が黄色に色づくことを補正できる。
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記一対の基板のうちの他方の基板と前記光反射膜との間の個々の前記サブ画素内には、異なる色の着色膜がそれぞれ設けられ、前記青色の画素間着色膜は異なる色のサブ画素間に設けられることが望ましい。サブ画素内に設けられる着色膜は、カラーフィルタを構成する着色膜である。個々のサブ画素がそれぞれ異なる色の着色膜を有する電気光学装置は、カラー表示を行うことができる。
本発明に係る電気光学装置において、個々のサブ画素内に設けられる着色膜としては、例えば青色(B)、緑色(G)、赤色(R)の着色膜を用いることができる。また、互いに隣接するサブ画素同士の境界に設けられる青色の画素間着色膜は、上記のサブ画素内に設けられる着色膜のうちの青色の着色膜を用いることができる。すなわち、サブ画素内の青色着色膜と青色の画素間着色膜とは同じ材料を用いて同時に形成することができる。それ故、例えば黒色樹脂や金属等から成る遮光部材を別途設ける必要がなくなる。
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記サブ画素内の着色膜と前記青色の画素間着色膜とは同一基板上に設けられ、前記サブ画素内の着色膜と当該着色膜に隣接する前記青色の画素間着色膜とは互いに隣接する端部が重なることなく接触していることが望ましい。こうすれば、青色の画素間着色膜の端部及びサブ画素内の着色膜の端部から反射光の漏れがなくなり、電気光学装置の表示のコントラストが低下することを防止できる。
また、青色の画素間着色膜に他の色の着色膜が重なると、重なった部分は透過光の光量が小さくなるように規制され、色相的には黒色に近い色となるように規制されるので、青色光を得られなくなる。これに対し本発明態様では、青色の画素間着色膜に他の着色膜、すなわちサブ画素内の着色膜が重ならないので、光反射膜で反射する光を確実に青色光とすることができる。また、青色の画素間着色膜とサブ画素内の着色膜とが重なると、重なった部分では着色膜の膜厚が厚くなり、電気光学物質層の層厚、すなわちセルギャップが薄くなる。これに対し本発明態様では、画素間着色膜にサブ画素内の着色膜が重ならないので、当該部分において着色膜が局所的に高くなることがなくなり、セルギャップを均一にすることができる。
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記青色の画素間着色膜は部分的に幅の広い部分を有することができる。そして、この幅が広い部分に対応する位置には、前記一対の基板間の間隔を保持するスペーサが設けられることが望ましい。このスペーサは、フォトスペーサであり、例えば透光性の樹脂をフォトリソグラフィ処理等によってパターニングすることにより設けることができる。このスペーサは、一般に表示を妨げない位置に設けられることが多い。
本発明態様においては、画素間着色膜に部分的に幅の広い部分を設けたので、当該部分にスペーサを設ければ、スペーサに強い光が入らなくなり、当該スペーサが電気光学装置の表示を妨げることがなくなる。また、スペーサを透過する光は青色の画素間着色膜を透過した青色光であるので、スペーサから強い光が抜けることによって生じるコントラストの低下を防止できる。また、画素間着色膜は青色の着色膜のみの1つの層によって形成することができる。このように画素間着色膜を1つの層によって形成すれば、画素間着色膜が設けられた部分の画素間着色膜の膜厚は基板上の他の領域に比べて調節が容易である。従って、スペーサを画素間着色膜に対応する位置に設ければ、一対の基板間の間隔、すなわち電気光学物質層の層厚を全域で一定に保持することを容易に実現できる。
次に、本発明に係る電気光学装置において、(1)前記一方の基板を挟んで前記電気光学物質層の反対には、当該電気光学物質層に光を供給する照明手段を有し、(2)前記サブ画素は、前記光反射膜によって反射した反射光を用いて表示を行う反射表示領域と、前記照明手段から発せられて前記光反射膜が無い領域を透過した光を用いて表示を行う透過表示領域とを有し、(3)前記青色の画素間着色膜は、互いに隣接する前記反射表示領域の間に設けられ、前記透過表示領域の間には設けられないことが望ましい。
本発明態様は、いわゆる半透過反射型の電気光学装置に本発明を適用するものである。半透過反射型の電気光学装置において反射表示領域に青色の画素間着色膜を設ければ、反射型表示の場合であって、特に視覚的に白い色を表示するときに光反射膜に起因して表示が色づくこと、例えば表示が黄色に色づくことを防止できる。他方、透過表示領域には青色の画素間着色膜を設けないので、透過表示領域内の着色膜と青色の画素間着色膜とが重なることがない。そのため、透過表示領域内において着色膜が局所的に高くなることがなくなり、セルギャップを均一にすることができる。
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記青色の画素間着色膜と前記照明手段との間には遮光膜が設けられることが望ましい。半透過反射型の電気光学装置において、照明手段は透過表示領域に光を供給するものであるが、照明手段からの光は透過表示領域に限らず、反射表示領域及びサブ画素間にも照射される。このサブ画素間に光を遮光するもの、例えば光反射膜等が無い場合には照明手段から照射された強い光がサブ画素間から抜けることになる。
本発明態様では、画素間着色膜と照明手段の間に遮光膜を設けた。この構成により、透過型表示を行うときに、互いに隣接する反射表示領域の間から照明手段からの光の漏れを防止できるので、表示のコントラストが低下を防止できる。
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記サブ画素内の着色膜は、前記透過表示領域内に設けられ、前記反射表示領域内には設けられないことが望ましい。本発明態様は、半透過反射型であって、反射型表示では視覚的に白色と黒色とを表示する白黒表示を行い、透過型表示ではカラー表示を行うことができる電気光学装置、いわゆる反射白黒透過カラー型の電気光学装置に本発明を適用するものである。従来の反射白黒透過カラー型の電気光学装置では、カラーフィルタを形成する着色膜が反射表示領域内に設けられていないので、反射型表示の場合に白い色を表示するとき、光反射膜に起因した表示の色づきが発生し易かった。この色づきは、一般に見る者に不快感を与える傾向にあった。本発明態様においては、好感色である青色の画素間着色膜を互いに隣接するサブ画素同士の境界に設けたので、反射型表示で白い色を表示する場合に光反射膜に起因して表示が不快感色に色づくことを補正できる。
次に、本発明に係る電気光学装置は、互いに隣接する前記サブ画素間に設けられた前記電気光学物質層の層厚が厚い部分を有する。電気光学物質層の層厚が厚い部分に対応する前記青色の画素間着色膜上には、他の色の着色膜が少なくとも1つ積層されることが望ましい。このように電気光学物質層の層厚が厚い部分としては、例えば配向膜の膜厚を表示領域の全域で均一に形成するために、配向膜の塗布の際に配向膜を流し入れる溝等がある。電気光学物質層の層厚が厚い部分の青色の画素間着色膜に他の色の着色膜を積層すれば、当該部分の電気光学物質層の層厚を薄くして他の部分の層厚に近づけることができる。従って、電気光学物質層の層厚を基板上の全域において均一に近づけることができ、電気光学装置の表示を鮮明にすることができる。
また、電気光学物質層の層厚が厚い部分では、光反射膜で反射した光が強く抜けることが考えられる。これは電気光学物質の層厚が厚い部分において基板上に積層された膜要素、例えば樹脂膜等を除去しているためと考えられる。この場合、青色の画素間着色膜だけでは電気光学物質層の層厚が厚い部分を抜ける光を十分に遮光することができないおそれがある。本発明態様では、電気光学物質層の層厚が厚い部分に設けられた青色の画素間着色膜に他の色の着色膜を積層するので、その積層部分を透過できる光の波長が狭く制限されることになり、そのため、透過光の光量が小さくなるように規制され、色相的には黒色に近い色となるように規制される。このように着色膜の積層部分において透過光の波長が狭く制限されることにより、光反射膜によって反射した光のうちの電気光学物質層の層厚が厚い部分を抜けようとする光を確実に遮光できる。
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記青色の画素間着色膜に積層される前記他色の着色膜は、赤色又は緑色の少なくともどちらか一方であることが望ましい。青色の画素間着色膜に赤色又は緑色の着色膜を積層すれば画素間着色膜を透過した光をより黒色に近くできるので、画素間着色膜を抜けようとする光を確実に遮光できる。また、赤色及び緑色は一般的にカラーフィルタに用いられる色なので、青色の画素間着色膜と赤色の着色膜又は青色の画素間着色膜と緑色の着色膜とは、サブ画素内に着色膜を形成する際に同時に積層でき、製造上有利である。
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記青色画素間着色膜の青色のCIE(Commission Internationale de l'Eclairage:国際照明委員会)色度図上における座標範囲は、
(x,y)=(0.130〜0.230,0.030〜0.250)
であることが望ましい。この範囲の青色を画素間着色膜に用いれば、反射型表示において、白表示が黄色に色づくことを補正できる。
次に、本発明に係る電子機器は、以上に記載した構成の電気光学装置を有することを特徴とする。本発明に係る電気光学装置は、互いに隣接するサブ画素同士の境界に沿って青色の画素間着色膜を設けたことにより、互いに隣接するサブ画素の境界において光反射膜で反射した光を青色光とすることができた。このような青色光は電気光学装置の表示において赤色光や緑色光に比べて黒に近い光として視認できるので、互いに隣接するサブ画素同士の境界に、例えば黒色樹脂や反射率が低い金属等で遮光部材を設ける場合と同様の遮光効果を得ることができる。それ故、電気光学装置の表示のコントラスト低下を防止できる。従って、本発明に係る電子機器においても、表示のコントラスト低下を防止できる。
また、本発明に係る電気光学装置は、互いに隣接するサブ画素の境界において光反射膜で反射した光を青色光とすることにより、反射型表示、特に白表示において光反射膜に起因して表示が色づくこと、例えば表示が黄色に色づくことを防止できる。従って、本発明に係る電子機器においても、その電子機器の表示が黄色に色づくことを防止できる。
(電気光学装置の第1実施形態)
以下、電気光学装置の一例である液晶表示装置を例示して本発明に係る電気光学装置の実施形態を説明する。本実施形態で例示する液晶表示装置は、TFD(Thin Film Diode)駆動方式であり、液晶モードとしてECB(Electrically Controlled Birefringence:電界制御複屈折)モードを採用した液晶表示装置である。また、本実施形態の液晶表示装置は、半透過反射型であり、特に、反射型表示において白黒表示を行い透過型表示においてカラー表示を行う液晶表示装置である。
なお、本発明がこの実施形態に限定されるものでないことは、もちろんである。また、これからの説明では必要に応じて図面を参照するが、この図面では、複数の構成要素から成る構造のうち重要な構成要素をわかり易く示すため、各要素を実際とは異なった相対的な寸法で示す場合がある。
図1は、本発明に係る液晶表示装置の全体の側面断面構造を示している。また、図2は、図1において矢印Z1で示す部分を拡大して示している。また、図3は、図2の矢印Aに従った平面構造を示している。また、図4は、図3の平面構造が完成する前の途中の段階であって基板上にカラーフィルタの着色膜を形成した段階の状態を示している。また、図5(a)は、図3のZ2−Z2線に従った断面図であり、図5(b)は、図3のZ3−Z3線に従った断面図である。
図1において、電気光学装置としての液晶表示装置1は、電気光学パネルである液晶パネル2と、この液晶パネル2に付設された照明手段としての照明装置3とを有する。この液晶表示装置1に関しては矢印Aが描かれた側が観察側であり、上記の照明装置3は液晶パネル2に関して観察側と反対側に配置されてバックライトとして機能する。
液晶パネル2は、矢印A方向から見て長方形又は正方形で環状のシール材6によって互いに貼り合わされた一対の基板7及び8を有する。一方の基板7はスイッチング素子が形成される素子基板である。また、他方の基板8はカラーフィルタが形成されるカラーフィルタ基板である。本実施形態では、観察側に素子基板7が配置され、観察側から見て背面にカラーフィルタ基板8が配置される。
シール材6は素子基板7とカラーフィルタ基板8との間に間隙(セルギャップ)Gを形成する。シール材6はその一部に液晶注入口(図示せず)を有し、液晶注入口を介して素子基板7とカラーフィルタ基板8との間に電気光学物質の液晶が注入される。注入された液晶はセルギャップG内で電気光学物質層としての液晶層12を形成する。液晶注入口は液晶の注入が完了した後に樹脂によって封止される。液晶の注入方法としては、上記のような液晶注入口を通して行う方法以外に、液晶注入口を持たない連続する環状のシール材6によって囲まれる領域内に液晶を滴下する方法も採用できる。なお、本実施形態では、ECB駆動を念頭において、正の誘電異方性を有するネマティック液晶を用いることができる。
次に、セルギャップGの間隔(液晶層12の層厚)は、セルギャップG内に設けられる複数のスペーサ9によって一定に維持される。このスペーサ9は、フォトリソグラフィ処理によって所定の位置に柱状に形成できる。また、このスペーサ9に代えて、複数の球状の樹脂部材を素子基板7又はカラーフィルタ基板8の表面上にランダム(無秩序)に置くこともできる。このスペーサ9に関しては後に詳しく説明する。
照明装置3は、光源としてのLED(Light Emitting Diode)13と、導光体14とを有する。光源には、LED等の点状光源以外に、冷陰極管等の線状光源を用いることもできる。導光体14は、例えば、透光性を有する樹脂を材料とする成形加工によって形成され、LED13に対向する側面が光入射面14aであり、液晶パネル2に対向する面が光出射面14bである。矢印Aで示す観察側から見て必要に応じて、導光体14の背面に、光反射層16、導光体14の光出射面14bに、光拡散層17が設けられる。
素子基板7は、第1の透光性基板7aを有する。この第1透光性基板7aは、例えば、透光性のガラスやプラスチック等によって形成される。この第1透光性基板7aの外側表面には偏光板18aが貼り付けられている。必要に応じて、偏光板18a以外の光学要素、例えば位相差板を付加的に設けることもできる。他方、第1透光性基板7aの内側表面には、矢印Z1で示す部分の拡大図である図2にも示すように、データ線19が列方向Yに延びて形成されている。そして、スイッチング素子として機能する非線形抵抗素子であるTFD(Thin Film Diode)素子21がデータ線19に接続して形成されている。データ線19は複数本が紙面垂直方向(行方向X)に間隔を空けて互いに平行に設けられている。また、TFD素子21は複数個が各データ線19に沿って等間隔に設けられている。
基板7a上にはTFD素子21に接続された画素電極22が形成されている。1つの画素電極22は矢印A方向から見てドット状に形成されており、さらに、複数の画素電極22が図1の矢印A方向から見て行方向X及び列方向Yにマトリクス状に並べられている。これらの画素電極22は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)等の金属酸化物をフォトエッチング処理によって所定のドット形状にパターニングして形成されている。
図2において、TFD素子21は、互いに電気的に直列につながれた一対のTFD要素23a及び23bで形成されている。第1のTFD要素23aは、第1素子電極24、絶縁膜25、第2素子電極26aをその順で重ねて形成されている。また、第2のTFD要素23bは、第1素子電極24、絶縁膜25、第2素子電極26bをその順で重ねて形成されている。第1素子電極24は、例えば、Ta(タンタル)又はTa合金で形成される。Ta合金としては、例えば、TaW(タンタル・タングステン)を用いることができる。絶縁膜25は、例えば、陽極酸化処理によって形成される。第2素子電極26a,26bは、例えばCr(クロム)、MoW(モリブデン・タングステン)合金で形成される。
第1TFD要素23a内の第2素子電極26aは図3に示すようにデータ線19から延びている。また、第2TFD要素23b内の第2素子電極26bは画素電極22に接続されている。データ線19から画素電極22へ信号が伝送されるとき、第1TFD要素23aと第2TFD要素23bは電気的に逆極性である2つのTFD要素が直列に接続される。この構造はバック・ツー・バック(Back-to-Back)構造と呼ばれる。本実施形態では、バック・ツー・バック構造のTFD素子を用いたが、単一のTFD要素によってTFD素子を形成しても良い。
図2において、データ線19、TFD素子21、及び画素電極22を覆うように第1透光性基板7aの上に配向膜27aが、例えば、ポリイミド等を印刷等によって塗布して形成される。この配向膜27aにラビング処理が施されて、素子基板7の近傍の液晶層12の配向が決まる。なお、本実施形態において液晶分子の配向は、ECB駆動を念頭において、液晶に電界を印加していない状態で水平配向になるように設定されている。
図1において、素子基板7に対向するカラーフィルタ基板8は、矢印A方向から見て長方形又は正方形の第2の透光性基板8aを有する。この第2透光性基板8aは、例えば、透光性のガラスやプラスチック等で形成される。第2透光性基板8aの外側表面には偏光板18bが貼り付けられている。必要に応じて、偏光板18b以外の光学要素、例えば位相差板を付加的に設けることもできる。なお、本実施形態においては、偏光板18aと18bとをクロスニコル配置としている。液晶表示装置の表示モードは、ノーマリホワイトモード、すなわち液晶に電界印加時には白表示になり、電界印加時には黒表示になる表示モードに設定されている。
第2透光性基板8aの内側表面には、図2にも示すように、樹脂膜31が形成され、その上に光反射膜32と着色膜33と青色の画素間着色膜37とが形成され、これら光反射膜32及び着色膜33の上に平坦化膜34が形成されている。そして平坦化膜34によって平坦化された表面に層厚調整膜35が形成され、その上に帯状電極36、配向膜27bの順に形成されている。この配向膜27bに配向処理、例えばラビング処理が施され、カラーフィルタ基板8の近傍における液晶分子の配向が決められる。
樹脂膜31、平坦化膜34及び層厚調整膜35は、透光性、感光性、絶縁性等を有する樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等をフォトリソグラフィ処理によってパターニングして形成している。また、光反射膜32は、例えば、Al(アルミニウム)、Al合金等の光反射性材料をフォトエッチング処理によってパターニングして形成している。
樹脂膜31の表面には複数の凹部及び凸部が上記のフォトリソグラフィ処理の際に形成され、凹部及び凸部によって凹凸パターンが形成されている。表面に凹凸パターンを備えた樹脂膜31の表面上に一定の膜厚の光反射膜32を設けることにより、光反射膜32に凹凸パターンを付与できる。こうして光反射膜32に凹凸パターンを付与することにより、光反射膜32で反射する光に散乱性、指向性等といった光学特性を付与できる。
着色膜33は、個々が矢印A方向から見て長方形又は正方形のドット状に形成され、さらに、複数個の着色膜33が矢印A方向から見て行方向X及び列方向Yにマトリクス状に並べられている。帯状電極36は、例えば、ITOをフォトエッチング処理によって所定の帯形状にパターニングして形成している。1本の帯状電極36は行方向X(図2の紙面垂直方向)に延びている。そして、複数の帯状電極36が列方向Y(図2の左右方向)に所定間隔をおいて互いに平行に並べられている。
液晶パネル2を矢印A方向から見た場合、素子基板7上において行方向Xに並ぶ複数のドット状の画素電極22と、カラーフィルタ基板8上において行方向Xへ延びる帯状電極36とは、平面的に重なっている。両電極が重なる領域は表示のための最小単位であるサブ画素Dを構成する。図1において、複数のサブ画素Dが平面内で行方向X及び列方向Yにマトリクス状に並ぶことにより、表示領域Vが形成される。この表示領域V内に文字、数字、図形等の像が表示され、矢印A方向から観察者によって視認される。
図2において、光反射膜32はサブ画素Dのうちの一部の領域Rに設けられており、残りの領域Tには設けられていない。領域Rは図3に示すようにサブ画素D内の一部の長方形状の領域であり、領域Tはサブ画素D内の残りの長方形状の領域である。光反射膜32が存在する領域Rが反射表示領域であり、光反射膜32が存在しない領域Tが透過表示領域である。反射表示領域Rはサブ画素Dの片側の領域であり、透過表示領域Tはサブ画素Dの残りの片側の領域である。矢印Aで示す観察側から入射した外部光L0は反射表示領域Rにおいて光反射膜32で反射する。こうして得られた反射光L0は光反射膜32の凹凸パターンに従って散乱性又は指向性を有する。一方、図1の照明装置3の導光体14から出射した図2の光L1は、透過表示領域Tを透過する。
層厚調整膜35は反射表示領域R内に設けられており、透過表示領域T内には設けられていない。このため、反射表示領域R内の液晶層12の層厚t0は、透過表示領域T内の液晶層12の層厚t1よりも薄くなっている。望ましくはt0=t1/2になっている。液晶層12の層厚の調整は、反射表示領域R内で光L0が液晶層12を2回通過する反射表示の場合と、透過表示領域T内で光L1が液晶層12を1回しか通過しない透過表示の場合とで、液晶層12のリタデーション(Δnd)を均一にして鮮明な表示を得るために行われるものである。但し、“Δn”は屈折率異方性、“d”は液晶層厚を示している。
また、層厚調整膜35には、図5(a)に示すように、互いに隣接するサブ画素D同士の境界に沿って列方向Y(図5(a)の紙面垂直方向)に延びる溝のスリット38が形成されている。このスリット38はサブ画素Dの全ての境界部分に設けられているのではなく、全ての境界部分のうちの必要となる一部分に設けられている。スリット38は、層厚調整膜35をフォトリソグラフィ処理によってパターニングする際に同時に形成できる。
スリット38は、図3に示すように、層厚調整膜35が設けられていない透過表示領域Tと繋がっている。すなわち、層厚調整膜35は、スリット38と透過表示領域Tに囲まれた島状に形成されている。図5(a)において、スリット38には、層厚調整膜35上に配向膜27bを形成する際に配向膜27bの材料が流れ込むことができる。このように配向膜27bの材料をスリット38に流し込むめば、表示領域V(図1参照)の全域で配向膜27bを均一の膜厚に形成することができる。なお、スリット38が形成された部分では、スリット38の所で配向膜27bが窪む分だけ液晶層12の層厚が厚くなっている。また、スリット38は、複数在るサブ画素D間の境界のうちの一部、図3において3個のサブ画素Dごと、すなわち1つの画素ごとに在る境界に沿って形成されている。
次に、図5(a)において青色の画素間着色膜37は、光反射膜32上の互いに行方向Xで隣接するサブ画素D同士の間に設けられている。この青色画素間着色膜37は、図3に示すように、行方向Xで隣接するサブ画素D同士の間に沿って列方向Yに不連続に延びる帯状に形成されている。また、スリット38が設けられた部分に対応して設けられた青色画素間着色膜37上には、図5(a)に示すように、青色以外の色の着色膜39が積層されている。青色画素間着色膜37については、後に詳しく説明する。
次に、図4において、個々の着色膜33は、1つのサブ画素Dのうちの透過表示領域Tに対応して配置され、さらに青色、緑色、赤色の1つを通過させる光学的特性に設定されている。図では青色の着色膜を33B、緑色の着色膜を33G、赤色の着色膜を33Rで示している。それら青色の着色膜33B、緑色の着色膜33G、及び赤色の着色膜33Rは所定の配列、例えばストライプ配列に並べられている。ストライプ配列とは、列方向YにB,G,Rの同色が並び、それと直交する行方向XにB,G,Rが交互に順番に並ぶ配列である。
なお、着色膜33の配列はストライプ配列以外の任意の配列とすることができ、例えば、モザイク配列、デルタ配列等とすることもできる。また、着色膜33の光学的特性はB,G,Rの3色に限られず、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3色を通過させる特性とすることもできる。
本実施形態のように、B,G,Rの3色の着色膜33を用いてカラー表示を行う場合は、B,G,Rの3色に対応する3つの着色膜33に対応する3つのサブ画素Dによって1つの画素が形成される。他方、白黒又は任意の2色でモノカラー表示を行う場合は、1つのサブ画素Dによって1つの画素が形成される。
次に、図1において、素子基板7を構成する第1透光性基板7aはカラーフィルタ基板8の外側へ張り出す張出し部41を有している。この張出し部41の表面には、配線42がフォトエッチング処理等によって形成されている。配線42は矢印A方向から見て複数本形成されており、紙面垂直方向に沿って互いに間隔を空けて並べられている。また、張出し部41の辺端には複数の外部接続用端子43が紙面垂直方向に沿って互いに間隔を空けて並ぶように形成されている。これらの外部接続用端子43が設けられた張出し部41の辺端に、例えば、FPC(Flexible Printed Circuit:可撓性プリント回路)基板(図示せず)が接続される。
複数の配線42は、シール材6に囲まれた領域内に向けて列方向Yに延びるように形成されている。配線42の一部は、シール材6で囲まれた領域内に向けて列方向Yに延びてデータ線19に繋がっている。また、複数の配線42の他の一部は、シール材6の中に含まれる導通材44を介してカラーフィルタ基板8上の各帯状電極36につながっている。
張出し部41の表面には、ACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)45を用いたCOG(Chip On Glass)技術によって、駆動用IC46が実装されている。駆動用IC46は、データ線19へデータ信号を伝送し、帯状電極36へ走査信号を伝送する。駆動用IC46は1つのICチップで形成しても良いし、必要に応じて複数のICチップで形成しても良い。駆動用IC46を複数のICチップによって構成する場合には、それらのICチップは張出し部41上で図1の紙面垂直方向に並べて実装される。
以上のように液晶表示装置1によれば、液晶表示装置1が明るい室外や室内に置かれる場合は、太陽光や室内光等の外部光を用いて反射型の表示が行われる。一方、液晶表示装置1が暗い室外や室内に置かれる場合は、照明装置3をバックライトとして用いて透過型の表示が行われる。なお、本実施形態において、反射型の表示が行われる場合には、図2の光反射膜32で反射する光L0は着色膜33を通過しないので、白色及び黒色の表示(以下、白黒表示という)が行われる。一方、透過型の表示が行われる場合には、透過表示領域Tを透過する光L1は着色膜33を通過するのでカラー表示が行われることになる。
上記の反射型表示を行う場合、図2において、観察側である矢印Aの方向から素子基板7を通して液晶パネル2内へ入射した外部光L0は、液晶層12を通過してカラーフィルタ基板8内へ入った後、反射表示領域Rにおいて光反射膜32で反射して再び液晶層12へ供給される。他方、上記の透過型表示を行う場合、図1の照明装置3の光源13が点灯し、光が導光体14の光入射面14aから導光体14へ導入され、さらに、光出射面14bから面状の光として出射する。この出射光は、図2の符号L1で示すように透過表示領域T(光反射膜32が存在しない領域)を通って液晶層12へ供給される。
以上のように、液晶層12へ光が供給される間、素子基板7側の画素電極22とカラーフィルタ基板8側の帯状電極36との間には、走査信号およびデータ信号によって規定される所定の電圧が印加され、液晶層12内の液晶分子の配向がサブ画素Dごとに制御される。この結果、液晶層12に供給された光がサブ画素Dごとに変調される。この変調された光が、素子基板7側の偏光板18a(図1参照)を通過するとき、偏光板18aの偏光特性に従ってサブ画素Dごとに通過を規制され、素子基板7の表面に文字、数字、図形等の像が表示され、矢印A方向から視認される。
以下、図2及び図5(a)に示す画素間着色膜37及びスペーサ9について詳しく説明する。まず、図5(a)において、光反射膜32上の互いに隣接するサブ画素D同士の間に青色の画素間着色膜37が設けられている。この青色画素間着色膜37は、図4に示すように、隣接するサブ画素D間に沿って列方向Yに不連続に延びる帯状に形成されている。なお、帯状に形成された青色画素間着色膜37の行方向Xの幅aは5μm〜15μmであることが望ましい。
この青色画素間着色膜37は、行方向Xで互いに隣接する反射表示領域R同士の間に設けられている。他方、青色画素間着色膜37は、互いに隣接する透過表示領域T同士の間には設けられていない。なお、互いに隣接する透過表示領域Tに設けられた着色膜33同士は、それらの境界において隙間を空けずに接触している。
また、本実施形態の液晶表示装置において、光反射膜32は、図5(a)に示すように複数のサブ画素Dにわたって行方向Xに連続して設けられている。すなわち、互いに隣接する反射表示領域Dの間には光反射膜32が設けられている。従って、隣接する反射表示領域R間においては照明装置3(図1参照)からの光L3が光反射膜32によって遮光される。こうして、透過型表示の際に照明装置3からの光が青色画素間着色膜37を通って反射表示領域Rに漏れ出ることを防止できるので、表示コントラストが低下がなくなる。
また、図4に示すように、各画素間着色膜37には、部分的に幅が広く形成された幅広部分37’が設けられている。そして図3に示すように、これらの幅広部分37’の一部のものに平面的に重なる状態でスペーサ9が設けられている。本実施形態において幅広部分37’は、図4に示すように、帯状に形成された青色画素間着色膜37の列方向Yの略中央に、平面的に見て略円形状に形成されている。この幅広部分37’は、青色画素間着色膜37の行方向Xの両側に隣接するサブ画素Dに円の一部分が突出した形状に形成されている。なお、この突出した部分の形状は、円の一部分の形状に限られることはなく、例えば楕円形状の一部分、長円形状の一部分、又はひし形の一部分とすることもできる。
また、図3において、スペーサ9は底面が正方形又はひし形の角柱形状に形成されている。青色画素間着色膜37の幅広部分37’の幅b(図4参照)は、平面的に見て、スペーサ9の底面が幅広部分37’の領域内に収まる広さに設定されている。幅広部分37’に対応する位置にスペーサ9を設ければ、スペーサ9が液晶表示装置1(図1参照)の表示品質を低下を防止できる。また、図5(a)において、光反射膜32で反射してスペーサ9から抜ける光L2を青色画素間着色膜37によって青色光にできるので(透過光量を下げることができるので)、スペーサ9から強い光が抜け出ることを防止できる。
また、青色画素間着色膜37は青色の着色膜のみの1つの層によって形成されているので、青色画素間着色膜37が設けられた部分の青色画素間着色膜37の膜厚は調節が容易である。従って、スペーサ9を青色画素間着色膜37に対応する位置に設ければ、スペーサ9の頂部までの高さの調節も容易にできるので、セルギャップGを全域で一定に保持することを容易に実現できる。
なお、図3において、スペーサ9は一部の画素間着色膜37上に設けられている。本実施形態では、3つのサブ画素D、すなわち1つの画素に対して1つのスペーサ9が設けられている。必要に応じて、スペーサ9の数を変えることもできる。例えば、2つのサブ画素Dに対して1個のスペーサ9を設けても良いし、全てのサブ画素Dに対してスペーサ9を設けても良い。また、青色画素間着色膜37の幅広部分37’は、スペーサ9を設ける設けないにかかわらず、全ての青色画素間着色膜37に設けられることが望ましい。各サブ画素Dに対する青色画素間着色膜37の面積を均一にできるので、表示領域V(図1参照)の全域において表示色を均一に補正できる。
図5(a)に示すように、複数の青色画素間着色膜37のうちの一部は、スリット38に対向して設けられている。このスリット38に対向して設けられた画素間着色膜37上には、青色以外の色の着色膜39が積層されている。着色膜39としては、赤色着色膜39R又は緑色着色膜39Gを用いることができる。これらの赤色着色膜39R又は緑色着色膜39Gを青色画素間着色膜37に積層することにより、サブ画素D間の遮光能力を高めることができ、サブ画素D間に設けられた着色膜の色が黒色に近くなっている。
また、青色画素間着色膜37及び着色膜39の上には平坦化膜34が設けられているが、互いに隣接するサブ画素D同士の境界では、それらの画素間着色膜37又は着色膜39の膜厚に応じて平坦化膜34の表面がわずかながら突出している。この平坦化膜34の突出部分の高さは、青色画素間着色膜37に赤色着色膜39R又は緑色着色膜39Gを積層した部分をh1とし、青色画素間着色膜37のみを設けた部分をh2としたとき、
h1>h2
である。
このように、互いに隣接するサブ画素D同士の境界のうちの青色画素間着色膜37に着色膜39を積層した部分、すなわちスリット38が設けられた部分では、平坦化膜34の突出部分の高さh1を高くできる。その結果、層厚調整膜35に設けられたスリット38の深さを浅くすることができる。こうすれば、スリット38における液晶層12の層厚t2を反射表示領域Rの液晶層12の層厚t0に近づけることができる。それ故、スリット38が設けられた部分と反射表示領域Rとの間で液晶層12のリタデーション(Δnd)が大きく異なることを防止でき、表示ムラが生じることを防止できる。
なお、本実施形態では、赤色着色膜39R又は緑色着色膜39Gのいずれか一方を画素間着色膜37に積層する構造としているが、赤色着色膜39R及び緑色着色膜39Gの両方を積層する構造としても良い。両方を積層すれば遮光をより確実に行うことができる。また、2層を積層すれば、膜厚がより厚くなるので液晶層12の層厚をスリット38と他の部分との間をより一定に近づけることができる。
青色画素間着色膜37は、サブ画素Dの透過表示領域T内に設けられてカラーフィルタを構成する着色膜33のうちの青色の着色膜33Bをパターニングする際に、青色着色膜33Bと同じ材料を用いて同時に形成することができる。また、スリット38に対向して設けられた青色画素間着色膜37に積層される着色膜39は、サブ画素D内の着色膜33のうちの赤色着色膜33R又は緑色着色膜33Gをパターニングする際に、それらの赤色着色膜33R又は緑色着色膜33Gと同じ材料を用いて同時に形成できる。
従来の液晶表示装置では、互いに隣接するサブ画素D間の遮光部材を、例えば黒色樹脂や反射率が低い金属を用いて形成していた。しかしながら、これらの黒色樹脂や低反射率の金属は、液晶表示装置を構成する他の要素には用いられていない材料である場合が多い。この場合には、液晶表示装置を製造する際に、遮光部材をパターニングする工程を1つ増やさなければならないという問題があった。
また、従来の液晶表示装置では、光反射膜の材料特性に起因して表示が色づく、例えば表示が黄色に色づくおそれがあり、平坦化膜や層厚調整膜等といった樹脂膜の材料特性によっても表示が色づくおそれがあった。従来は、これらの色づきを補償する方策が講じられていないという問題があった。
これらの問題に対し、本実施形態の液晶表示装置では、図5(a)に示すように、第2透光性基板8a上に設けられた光反射膜32上であって、互いに隣接するサブ画素D同士の境界に沿った部分に青色の画素間着色膜37を設けた。これにより、互いに隣接するサブ画素Dの境界において光反射膜32で反射した光L2を青色光とすることができる。青色光L2は液晶表示装置1(図1参照)の表示において赤色光や緑色光に比べて黒に近い光に視認でき、従来のように遮光部材を設けて互いに隣接するサブ画素D間を遮光する場合と同様の遮光効果を得ることができる。すなわち、互いに隣接するサブ画素D間からの光漏れを防止でき、液晶表示装置1の表示のコントラスト低下を防止できる。
また、互いに隣接するサブ画素Dの境界において光反射膜32で反射した光L2を好感色である青色光とすることができるので、反射型表示において光反射膜32に起因して表示が不快感色に色づくこと、例えば黄色に色づくことを補正できる。
(電気光学装置の第2実施形態)
次に、本発明に係る電気光学装置の他の実施形態を説明する。本実施形態においても、電気光学装置の実施形態として液晶表示装置を例示して説明する。本実施形態に係る液晶表示装置の外観形状は、概ね、図1と同じである。図6は、本発明に係る液晶表示装置の主要部を示しており、図1において矢印Z1で示す部分、すなわちサブ画素部分を拡大して示している。また、図7は、図6の矢印Aに従った平面構造を示している。また、図8は、図7の平面構造が完成する前の途中の段階であって基板上にカラーフィルタの着色膜を形成した段階の状態を示している。また、図9(a)は、図7のZ4−Z4線に従った断面図であり、図9(b)は、図7のZ5−Z5線に従った断面図である。
既述の第1実施形態では、図2に示したように、カラーフィルタを構成する着色膜33を透過表示領域T内に設け、反射表示領域Rには設けない構造の液晶表示装置、すなわち、反射型表示で白黒表示を行い、透過型表示でカラー表示を行う半透過反射型の液晶表示装置を例示している。これに対し、本実施形態では、図6に示すように、透過表示領域Tと反射表示領域Rの両方にわたって着色膜53を設けている。すなわち、本実施形態の液晶表示装置は、反射型表示と透過型表示の両方においてカラー表示を行う半透過反射型の液晶表示装置である。
なお、本実施形態において、着色膜53及び青色の画素間着色膜37以外の液晶表示装置1の構成要素は、図2、図3、図4及び図5で示した第1実施形態の場合と同じものを用いることにして、それらの説明は省略する。
図6において、個々の着色膜53は、1つのサブ画素Dの全域に設けられている。すなわち個々のサブ画素D内では、反射表示領域Rと透過表示領域Tとで同じ色の着色膜53が設けられている。個々の着色膜53は青色、緑色、赤色の1つを通過させる光学的特性に設定されている。図では青色、緑色、赤色の着色膜をそれぞれ53B、53G、53Rで示している。それらの着色膜53B、53G、53Rは矢印A方向から見て所定の配列、例えばストライプ配列に並べられている。
なお、着色膜53の配列はストライプ配列以外の任意の配列とすることができ、例えば、モザイク配列、デルタ配列等とすることもできる。また、着色膜53の光学的特性は青色、緑色、赤色の3原に限られず、シアン、マゼンタ、イエローの3色を通過させる特性とすることもできる。
個々の着色膜53に関して、光反射膜32に平面的に重なる領域内の一部には、着色膜53が設けられていない領域Qが設けられている。図8に示すように、この領域Qは平面的に見て円形状に形成されている。この領域Qは、必要に応じて円形状以外の任意の形状、例えば、楕円形状、長円形状、方形状等に形成することもできる。着色膜53が設けられていないこの領域Qでは光の波長選択は行われず、入射した光が強度を減衰させることなくこの領域Qを通過する。このため、本実施形態では、図6の光反射膜32において反射する光を用いた反射型表示時に明るい画像を表示できる。
図7において、行方向Xで互いに隣接するサブ画素D同士の境界であって互いに隣接する反射表示領域R同士の境界には、青色の画素間着色膜37が設けられている。一方、行方向Xで互いに隣接する透過表示領域Tの境界には、青色画素間着色膜37は設けられていない。透過表示領域の断面図である図9(b)に示すように、透過表示領域Tに設けられた各着色膜53は、図5(b)の実施形態における着色膜33と同じく、互いに隣接する透過表示領域Tに設けられた着色膜53同士が境界において隙間を空けずに接触する。
図8において、青色画素間着色膜37は、緑色着色膜53Gが設けられたサブ画素Dと赤色着色膜53Rが設けられたサブ画素Dとの間において、それらのサブ画素Dの境界に沿って独立した形状に設けられている。この独立した形状の青色画素間着色膜37は、図8の上下方向(列方向Y)に不連続に延びる帯状に設けられている。一方、青色着色膜53Bに隣接する画素間着色膜37は、当該青色着色膜53Bと一体に形成されている。すなわち、青色着色膜53Bは平面的な形状が緑色着色膜53G及び赤色着色膜53Rと異なり、青色着色膜53Bの両端部が当該青色着色膜53Bの両側に隣接するサブ画素Dに突出する形状に形成されている。
図9(a)に示すように、行方向Xで互いに隣接する反射表示領域Rの境界であってスリット38が設けられた部分を除く部分では、着色膜53とそれに隣接する画素間着色膜37とが重なることなく、それらの端部が互いに接触している。
なお、層厚調整膜35に設けられたスリット38に対向する部分では、画素間着色膜37に他の色の着色膜が積層されている。図9(a)では、スリット38に対向する青色の画素間着色膜37に、当該画素間着色膜37に隣接する赤色着色膜53Rが積層されている部分を示している。
本実施形態のように、画素間着色膜37と他の色の着色膜53とが重なる構成は、例えば画素間着色膜37と他の色の着色膜53とが重なるようにそれらをパターニングすることにより実現できる。または、画素間着色膜37と、当該画素間着色膜37と同一平面上に設けられた他の色の着色膜とが不可避的に重なる場合がある。具体的には、青色以外の色の着色膜53G,53Rをフォトリソグラフィ処理によってパターニングするときに、これらのフォトリソグラフィ処理の位置が所定の位置からずれた場合に、画素間着色膜37の一部と他の色の着色膜53G,53Rの一部とが重なる場合がある。
本実施形態の液晶表示装置では、図9(a)に示すように、第2透光性基板8a上に設けられた光反射膜32上であって、互いに隣接するサブ画素D同士の境界に沿った部分に青色の画素間着色膜37を設けた。これにより、互いに隣接するサブ画素Dの境界において光反射膜32で反射した光L2を青色光とすることができる。青色光L2は液晶表示装置1(図1参照)の表示において赤色光や緑色光に比べて黒に近い光に視認でき、従来の遮光部材を設けて互いに隣接するサブ画素D間を遮光する場合と同様の遮光効果を得ることができる。すなわち、互いに隣接するサブ画素D間からの光漏れを防止でき、液晶表示装置1の表示のコントラスト低下を防止できる。
また、本実施形態では、スリット38以外の部分で青色画素間着色膜37にサブ画素D内にある他の色の着色膜53G又は53Rが重ならないので、光反射膜32で反射する光L2を確実に青色光とすることができる。この青色光によって、従来のように遮光部材を設けて互いに隣接するサブ画素D間を遮光する場合と同様の遮光効果を得ることができ、且つ光反射膜32に起因して表示が不快感色に色づくこと、例えば表示が黄色に色づくことを補正できる。また、仮に青色画素間着色膜37とサブ画素D内の着色膜53とが重なった場合、その重なった部分では、着色膜の膜厚が厚くなり液晶層12の層厚が薄くなるおそれがあった。本実施形態の液晶表示装置では青色画素間着色膜37にサブ画素D内の着色膜53が重ならないので、表示領域V(図1参照)の全域で液晶層12の層厚を均一にすることができる。
(電気光学装置の第3実施形態)
次に、本発明に係る電気光学装置の第3の実施形態を説明する。本実施形態においても、電気光学装置の実施形態として液晶表示装置を例示して説明する。本実施形態に係る液晶表示装置の外観形状は、概ね、図1と同じである。図10は、本発明に係る液晶表示装置の主要部を示しており、図3のZ2−Z2線に従った部分に相当する部分、すなわち、反射表示領域の断面構造を示している。
既述の第1実施形態では、図1の照明装置3と図5(a)の青色の画素間着色膜37の間に光反射膜32が設けられている。そのため、互いに隣接するサブ画素Dの間においては、照明装置3からの光L3は光反射膜32によって遮光されるので、透過型表示において照明装置3からの透過光がサブ画素Dの間から漏れ出ることがない。しかしながら、液晶表示装置の中には互いに隣接するサブ画素D間に光反射膜が設けられない場合がある。本実施形態はそのような液晶表示装置を考えられ、この構成の液晶表示装置では、透過型表示において照明装置からの光がサブ画素間を透過し、その透過光が青色画素間着色膜によって青色光になり、その結果、透過型表示の青色が視覚的に強くなるおそれがある。
これに対し本実施形態では、図10に示すように、互いに隣接するサブ画素D同士の間であって、青色画素間着色膜37と照明装置3との間、具体的には第2透光性基板8aの表面に遮光膜61を設けている。この遮光膜61は、例えば、Al、Al合金、Cr、Cr合金等の金属をフォトエッチング処理によってパターニングして形成できる。この遮光膜61は、画素間着色膜37に平面視で重なる位置に設けられている。
このように、青色画素間着色膜37と照明装置3との間に遮光膜61を設ければ、透過型表示の際に反射表示領域Rに隣接するサブ画素D間からの光漏がなくなるので、透過型表示の色が青色に偏ることを防止できる。また、遮光膜61は光反射性を有した材料、例えばAl(アルミニウム)やAl合金等で形成することが望ましい。こうすれば、反射型表示において互いに隣接するサブ画素D間で光L2が反射して青色画素間着色膜37を透過することにより青色光が得られるので、光反射膜32に起因して表示が色づくこと、例えば表示が黄色に色づくことをその青色光によって補正できる。
(電気光学装置に関するその他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明に係る電気光学装置を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、上記の実施形態では、図2において光反射膜32と着色膜33とを同じ基板8a上に設けた構造の電気光学装置に本発明を適用したものであるが、本発明は、光反射膜32と着色膜33とをそれぞれ別の基板上に設ける構造の電気光学装置に適用することもできる。
また、上記の実施形態は、半透過反射型であって、透過表示領域にのみ着色膜を設けた構造(図4参照)、又は透過表示領域と反射表示領域の両方に同じ色で同じ濃度の着色膜を設けた構造(図8参照)の電気光学装置に本発明を適用したものである。しかしながら、本発明は、半透過反射型であって、色相が同じで濃度が異なる着色膜を透過表示領域と反射表示領域のそれぞれに設けた構造の電気光学装置に適用することもできる。また、本発明は、透過型表示を行うことなく反射型表示のみを行う全反射型の電気光学装置であって各サブ画素に対応して着色膜を設けた構造の電気光学装置に適用することもできる。また、本発明は、全反射型の電気光学装置であって各サブ画素に対応して着色膜を設けない構造の電気光学装置に適用することもできる。
また、上記の実施形態は、2端子型のスイッチング素子のTFD素子21(図2参照)を用いる電気光学装置に本発明を適用したものであるが、TFT(Thin Film Transistor)素子等といった3端子型のスイッチング素子を用いる電気光学装置にも適用できる。例えば、チャネルエッチ型あるいは、それ以外の構造のアモルファスシリコンTFT素子を用いる液晶表示装置にも適用できる。また、アモルファスシリコンTFT素子以外のTFT素子、例えば高温ポリシリコンTFT素子や、低温ポリシリコンTFT素子等をスイッチング素子として用いるアクティブマトリクス方式の液晶表示装置にも適用できる。
また、上記の各実施形態では、ECB方式の液晶モードを採用した液晶表示装置に本発明を適用したものであるが、例えばSTN(Super Twisted Nematic)モードや、VA(Vertically Aligned)モード等の液晶モードを採用した液晶表示装置にも適用できる。
(電子機器の第1実施形態)
以下、本発明に係る電子機器を実施形態を挙げて説明する。なお、この実施形態は本発明の一例を示すものであり、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図11は、本発明に係る電子機器の一実施形態を示している。ここに示す電子機器は、液晶表示装置101と、これを制御する制御回路102とを有する。制御回路102は、表示情報出力源105、表示情報処理回路106、電源回路107及びタイミングジェネレータ108によって構成される。そして、液晶表示装置101は液晶パネル103及び駆動回路104を有する。
表示情報出力源105は、RAM(Random Access Memory)等といったメモリや、各種ディスク等といったストレージユニットや、ディジタル画像信号を同調出力する同調回路等を備え、タイミングジェネレータ108により生成される各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等といった表示情報を表示情報処理回路106に供給する。
次に、表示情報処理回路106は、増幅・反転回路や、ローテーション回路や、ガンマ補正回路や、クランプ回路等といった周知の回路を多数備え、入力した表示情報の処理を実行して、画像信号をクロック信号CLKと共に駆動回路104へ供給する。ここで、駆動回路104は、走査線駆動回路やデータ線駆動回路と共に、検査回路等を総称したものである。また、電源回路107は、上記の各構成要素に所定の電源電圧を供給する。
液晶表示装置101は、例えば、図1に示した液晶表示装置1を用いて構成できる。図1の液晶表示装置1は、図3において、互いに隣接するサブ画素D同士の境界に沿って青色の画素間着色膜37を設けることにしたので、互いに隣接するサブ画素D間の光反射膜32で反射した光L2(図5(a)参照)を青色光とすることができる。このような青色光は液晶表示装置1の表示において赤色光や緑色光に比べて黒に近い光に視認でき、隣接するサブ画素D間に遮光部材を設けて当該部分を遮光する場合と同様の遮光効果を得ることができる。それ故、液晶表示装置の表示のコントラストが低下することを防止できる。従って、この液晶表示装置を用いた本実施形態の電子機器においても、その電子機器の表示のコントラストが低下することを防止できる。
また、図1の液晶表示装置1は、図5(a)に示すように、互いに隣接するサブ画素D間の光反射膜32で反射した光L2を青色光とすることにより、反射型表示、特に白表示において光反射膜32に起因して表示が色づくこと、例えば表示が黄色に色づくことを防止できる。従って、この液晶表示装置を用いた本実施形態の電子機器においても、その電子機器の表示が黄色に色づくことを防止できる。
(電子機器の第2実施形態)
図12は、本発明に係る電子機器の他の実施形態である携帯電話機を示している。ここに示す携帯電話機110は、本体部111と、開閉可能に設けられた表示体部112とを有する。液晶表示装置等の電気光学装置によって構成された表示装置113は、表示体部112の内部に配置され、電話通信に関する各種表示は、表示体部112において表示画面114によって視認できる。本体部111には操作ボタン115が配列されている。
表示体部112の一端部にはアンテナ116が伸縮自在に取付けられている。表示体部112の上部に設けられた受話部117の内部には、図示しないスピーカが配置される。また、本体部111の下端部に設けられた送話部118の内部には図示しないマイクが内蔵されている。表示装置113の動作を制御するための制御部は、携帯電話機の全体の制御を司る制御部の一部として、又はその制御部とは別に、本体部111又は表示体部112の内部に格納される。
表示装置113は、例えば、図1に示した液晶表示装置1を用いて構成できる。図1の液晶表示装置1は、図3において、互いに隣接するサブ画素D同士の境界に沿って青色の画素間着色膜37を設けることにしたので、互いに隣接するサブ画素D間の光反射膜32で反射した光L2(図5(a)参照)を青色光とすることができる。このような青色光は液晶表示装置1の表示において赤色光や緑色光に比べて黒に近い光に視認でき、隣接するサブ画素D間に遮光部材を設けて当該部分を遮光する場合と同様の遮光効果を得ることができる。それ故、液晶表示装置の表示のコントラストが低下することを防止できる。従って、この液晶表示装置を用いた本実施形態の電子機器においても、その電子機器の表示のコントラストが低下することを防止できる。
また、図1の液晶表示装置1は、図5(a)に示すように、互いに隣接するサブ画素D間の光反射膜32で反射した光L2を青色光とすることにより、反射型表示、特に白表示において光反射膜32に起因して表示が色づくこと、例えば表示が黄色に色づくことを防止できる。従って、この液晶表示装置を用いた電子機器においても、その電子機器の表示が黄色に色づくことを防止できる。
なお、電子機器としては、以上に説明した携帯電話機等の他にも、パーソナルコンピュータ、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、POS端末器等が挙げられる。
(比較例1)
従来装置、すなわち、図5(a)において青色の画素間着色膜37に代えて青色着色膜以外の遮光部材を用いる構成の液晶表示装置1を作製した。その液晶表示装置1によって反射型表示で白表示を行った。つまり、R,G,Bの全ての画素を点灯させる表示を行った。その結果、図13に示すCIE(Commission Internationale de l'Eclairage:国際照明委員会)色度図上において符号Yで示す表示が得られた。この符号Yの座標は、
(x,y)=(0.345,0.365)
である。この符号Yで示す表示は黄色味を帯びていた。
(実施例1)
図1に示す構成の液晶表示装置1を作製し、表示の評価を行った。その際、青色の画素間着色膜37に使用する材料の色特性は、図13に示すCIE色度図上において符号Cで示す範囲のものとした。この範囲Cの座標は、
(x,y)=(0.130〜0.230,0.030〜0.250)
である。また、照明装置3の光源13をCIEの昼光標準光源D65とした。このCIE昼光標準光源D65の座標は図12の色度座標上において
(x,y)=(0.3127,0.3290)
である。
以上の液晶表示装置1によって反射型表示で白表示を行った。つまり、R,G,Bの全ての画素を点灯させる表示を行った。その結果、表示の色は符号Yから矢印Zの方向へシフトした。すなわち、D65に近い白色の表示が得られた。この結果、CIE色度図上で符号Cの範囲の青色着色膜を用いて図1の液晶表示装置1を作製により、黄色味のない鮮明な表示が得られた。
本発明に係る電気光学装置の一実施形態を示す側面断面図である。 図1において矢印Z1で示す部分を拡大して示す断面図である。 図2の矢印Aに従って画素近傍の構造を示す平面図である。 図3のカラーフィルタ基板の内部構造を示す平面図である。 (a)は図3のZ2−Z2線に従った断面図であり、(b)は図3のZ3−Z3に従った断面図である。 本発明に係る電気光学装置の他の実施形態の要部を示す断面図である。 図6の矢印Aに従って画素近傍の構造を示す平面図である。 図7のカラーフィルタ基板の内部構造を示す平面図である。 (a)は図7のZ4−Z4線に従った断面図であり、(b)は図7のZ5−Z5に従った断面図である。 本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態の要部を示す断面図である。 本発明に係る電子機器の一実施形態を示すブロック図である。 本発明に係る電子機器の他の実施形態である携帯電話機を示す斜視図である。 本発明に係る電気光学装置で用いる着色膜の特性を示すCIE色度図である。
符号の説明
1.液晶表示装置(電気光学装置)、 2.液晶パネル(電気光学パネル)、
3.照明装置(照明手段)、 6.シール材、 7.素子基板、
7a.第1透光性基板、 8.カラーフィルタ基板、 8a.第2透光性基板、
9.スペーサ、 12.液晶層(電気光学物質層)、 13.LED、 14.導光体、
14a.光入射面、 14b.光出射面、 16.光反射層、 17.光拡散層、
18a,18b.偏光板、 19.データ線、 21.TFD素子、 22.画素電極、
23a.第1TFD要素、 23b.第2TFD要素、 24.第1素子電極、
25.絶縁膜、 26a,26b.第2素子電極、 27a,27b.配向膜、
31.樹脂膜、 32.光反射膜、 33,39,53.着色膜、
33B,53B.青色着色膜、 33G,39G,53G.緑色着色膜、
33R,39R,53R.赤色着色膜、 34.平坦化膜、 35.層厚調整膜、
36.帯状電極、 37.青色画素間着色膜、 37’.幅広部分、 38.スリット、
39.着色膜、 41.張出し部、 61.遮光膜、
101.液晶表示装置(電気光学装置)、 102.制御回路、 103.液晶パネル、
104.駆動回路、 110.携帯電話機(電子機器)、 111.本体部、
112.表示体部、 113.表示装置、 114.表示画面、 D.サブ画素、
G.セルギャップ、 L0,L1,L2,L3.光、 R.反射表示領域、
T.透過表示領域、 V.表示領域

Claims (12)

  1. 電気光学物質を挟持して電気光学物質層を形成する一対の基板と、該一対の基板上に設けられた複数のサブ画素と、該一対の基板のうちの一方の基板上に設けられた光反射膜と、前記一方の基板上であって、互いに隣接するサブ画素同士の間の境界に沿って設けられた青色の画素間着色膜とを有することを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1記載の電気光学装置において、前記一対の基板のうちの他方の基板と前記光反射膜との間であって個々の前記サブ画素内には、異なる色の着色膜がそれぞれ設けられ、前記青色の画素間着色膜は異なる色のサブ画素間に設けられることを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項2記載の電気光学装置において、前記サブ画素内の着色膜と前記青色の画素間着色膜とは同一基板上に設けられ、前記サブ画素内の着色膜と当該着色膜に隣接する前記青色の画素間着色膜とは互いに隣接する端部が重なることなく接触していることを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の電気光学装置において、前記青色の画素間着色膜は部分的に幅の広い部分を有することを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項4記載の電気光学装置において、前記青色の画素間着色膜のうちの幅が広い部分に対応する位置には、前記一対の基板間の間隔を保持するスペーサが設けられることを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の電気光学装置において、前記一方の基板を挟んで前記電気光学物質層の反対には、当該電気光学物質層に光を供給する照明手段を有し、前記サブ画素は、前記光反射膜によって反射した反射光を用いて表示を行う反射表示領域と、前記照明手段から発せられて前記光反射膜が無い領域を透過した光を用いて表示を行う透過表示領域とを有し、前記青色の画素間着色膜は、互いに隣接する前記反射表示領域の間に設けられ、前記透過表示領域の間には設けられていないことを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項6記載の電気光学装置において、前記青色の画素間着色膜と前記照明手段との間には遮光膜が設けられることを特徴とする電気光学装置。
  8. 請求項6又は請求項7記載の電気光学装置において、前記サブ画素内の着色膜は、前記透過表示領域内に設けられ、前記反射表示領域内には設けられないことを特徴とする電気光学装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の電気光学装置において、互いに隣接する前記サブ画素間に設けられた前記電気光学物質層の層厚が厚い部分を有し、該部分に対応する前記青色の画素間着色膜上には、他の色の着色膜が少なくとも1つ積層されることを特徴とする電気光学装置。
  10. 請求項9記載の電気光学装置において、前記青色の画素間着色膜に積層される前記他色の着色膜は、少なくとも赤色又は緑色のどちらか一方の着色膜であることを特徴とする電気光学装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の電気光学装置において、前記青色の画素間着色膜の青色のCIE色度図上における座標範囲は、
    (x,y)=(0.130〜0.230,0.030〜0.250)
    であることを特徴とする電気光学装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれかに記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。

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