JP2007225741A - 光制御シート、面光源装置、透過型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】出射側に凸状に多数並べて単位レンズ141を形成する。この単位レンズ141の並ぶピッチをp、単位レンズ141の凸形状の頂点から谷底部までの高さをhとしたときに、0.4p≦h≦0.6pの関係を満足するような寸法とする。これにより、均一でムラがなく、かつ、輝度の高い照明を行える。
【選択図】図3
Description
例えば、直下型では、背面より並列の発光管、又は、略点光源のLED(Light Emitting Diode)を用いて光を導入するようになっており、発光管等とLCD(Liquid Crystal Display)パネル等との距離を適度に空け、その間に拡散板を用い、さらに、光を収束させるシートを複数組み合わせて使用していた。
しかし、このような従来の方式では、必要とする光学シートの枚数が多い割に収束特性が不十分であり、それを補う為にLCDパネルを改良して、斜め方向からの入射光に対しても画質を落とさない構造としていた。
特に、直下型では、発光管等に近接した部分であるか否か(発光管等に至近の位置であるか、並んだ発光管等の間隙部分に至近の位置であるか)によって光強度(輝度)にムラが発生し易い。これを抑えるために発光管等とLDCとの間隔を大きく取ってしまうとディスプレイの厚さが厚くなってしまうという問題があった。また、ムラを抑えるために拡散を強くしたり、透過量を制限したりすると、光の使用量が低減してしまうという問題があった。
また、両面にレンチキュラーレンズを設けたシートを使用する方式も例えば、特許文献3で報告されているが、これは、2方向の拡散制御を行うための構成で、光を収束する機能はない。従って、発光管等との位置関係によってLCDの場所毎に光軸がばらつくことにより、画面を観察する位置によって明るさのムラが発生したりするという問題もあった。
請求項1の発明は、直下型の面光源装置に設けられ、光源(13)から出射した光を制御する光制御シートであって、出射側に凸状に多数並べて形成された単位レンズ(141)を備え、前記単位レンズの並ぶピッチをp、前記単位レンズの凸形状の頂点から谷底部までの高さをhとしたときに、0.4p≦h≦0.6pの関係を満足する光制御シート(14)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の光制御シートにおいて、前記単位レンズ(141)は、長軸がシート面に対して直交して連続する楕円筒の一部、又は、長軸がシート面に対して直交する回転楕円体の一部であって、前記単位レンズの表面凸形状を形成する楕円形状の長半径の長さは、短半径の長さの略2.5倍であること、を特徴とする光制御シート(14)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光制御シートにおいて、前記単位レンズ(141)の表面凸形状に沿って形成され、光を散乱する散乱層(142)を備えること、を特徴とする光制御シート(14)である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の光制御シートにおいて、前記散乱層(142)の厚さをtとすると、p/10≦t≦p/2の関係を満足すること、を特徴とする光制御シート(14)である。
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載の光制御シートにおいて、前記散乱層(142)は、光拡散粒子が混合されることにより光を散乱すること、を特徴とする光制御シート(14)である。
請求項6の発明は、透過型表示部を背面から照明する面光源装置であって、光源(12,13)と、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の光制御シート(14)と、を備える面光源装置(12,13,14,15)である。
請求項7の発明は、請求項6に記載の面光源装置において、出射側に微細凹凸形状が形成された拡散シート(15)が前記光制御シート(14)よりも出射側に配置されていること、を特徴とする面光源装置(12,13,14,15)である。
請求項8の発明は、請求項6又は請求項7に記載の面光源装置において、前記光制御シート(14)が光を主に制御する方向と直交する方向で光を主に制御する第2の光制御シートを有すること、を特徴とする面光源装置である。
請求項9の発明は、請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載の面光源装置において、前記光制御シート(14)は、使用状態における前記透過型表示部(11)の画面の上下方向の光を主に制御すること、を特徴とする面光源装置(12,13,14,15)である。
請求項10の発明は、透過型表示部(11)と、請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載の面光源装置(12,13,14,15)と、を備える透過型表示装置(10)である。
(1)単位レンズの並ぶピッチをp、単位レンズの凸形状の頂点から谷底部までの高さをhとしたときに、0.4p≦h≦0.6pの関係を満足するので、光の収束性を高めることができ、正面輝度を向上できる。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
本実施例における透過型表示装置10は、LCDパネル11,反射板12,発光管13,光制御シート14,拡散シート15等を備え、LCDパネル11に形成される映像情報を背面から照明して表示する装置である。なお、LCDパネル11を背面から照明する面光源装置としては、反射板12,発光管13,光制御シート14,拡散シート15が該当している。
発光管13は、バックライトの光源部を形成する冷陰極管の線光源であり、本実施例では、略20mm間隔で等間隔に18本が並列に並べられている。
発光管13の背面には、反射板12を設けており、その設計により画面各部位への入射光照度を均一に近づけるようにしている。
また、発光管13とLCDパネル11との間には、光制御シート14が設けられており、光制御シート14とLCDパネル11との間には、拡散シート15が設けられている。
拡散シート15は、出射側に微細な凹凸が形成され、出射側の表面形状がいわゆるマット面となっていることにより、光を拡散出射するシートである。本実施例の拡散シート15のヘイズ値は、90である。
光制御シート14は、発光管13から出射した光を収束しながら適度に拡散して出射するシートであり、出射側に凸形状となっている単位レンズ141が多数並べられている。また、単位レンズ141の表面凸形状に沿った特定の範囲には、光を散乱させる作用を有した散乱層142が形成されている。なお、光制御シート14の入射側の面は、平面となっている。
本実施例における光制御シート14に形成された単位レンズ141は、連続する楕円筒の一部の形状となっており、この単位レンズ141が平行に多数並べて配置されることにより、レンチキュラーレンズを形成している。単位レンズ141の並ぶ方向は、発光管13の並ぶ方向と一致している(図1参照)。したがって、光制御シート14が光を制御する主な方向は、使用状態において、垂直方向となっている。
また、光制御シート14は、発光管13から20mmの間隔を空けて配置されている。
本実施例の単位レンズ141は、図3に示した断面において、長半径A=0.25mm、短半径B=0.1mmの楕円となっており、その長軸が光制御シート14のシート面に対して直交し、ピッチp=0.14mmとなるように配置されている。また、光制御シート14の厚さT=0.5mmであり、単位レンズ141の頂部から単位レンズ141の谷底部分までの高さh=0.07mmとなっている。
なお、シート面とは、光制御シート全体として見たときにおけるシートの平面方向として定義される面を指すものとし、特許請求の範囲、及び、明細書中において、入射角度、出射角度とは、シート面に対する角度であって、シート面における法線と光の進む方向とが成す角度を示すものとする。
本実施例の単位レンズ141は、長半径A=0.25mm、短半径B=0.1mmの楕円となっており、この条件を満たしている。
0.4p≦h≦0.6p・・・式(1)
この式(1)を満足することにより、光の収束性を高めることができ、正面輝度を向上できる。なお、hが0.4よりも小さくなると収束性が不十分となり、正面輝度の向上ができない。また、hが0.6よりも大きくなると単位レンズの斜面(谷底に近い位置)で全反射する成分が大きくなることから、収束性が不十分となり、正面輝度の向上ができない。
本実施例の光制御シート14は、p=0.14mm,h=0.07mmであるから、式(1)にこれらを代入して、
(0.4×0.14=0.056)≦0.07≦(0.6×0.14=0.084)
となり、式(1)を満足している。
曲線L0は、長半径の長さ及び高さhが上述した条件を満たしている場合の輝度分布を示す図である。曲線L1は、長半径の長さが長く、また、高さhが高い場合の輝度分布を示す図である。曲線L2は、長半径の長さが短く、また、高さhが低い場合の輝度分布を示す図である。
曲線L1では、正面輝度の低下が見られると共に、大きな角度部分において、不要な輝度の上昇が生じている。また、曲線L2では、正面輝度が大きく低下してしまっている。
これらに対して、曲線L0では、正面輝度が高く、また、輝度の変化も緩やかであり、不自然な輝度の上昇部分もない。
散乱層142の厚さtは、単位レンズ141の並ぶピッチpとの関係で、以下の式(2)を満たしていることが、単位レンズ141の斜面で全反射する光を効率的に拡散及び散乱させるために望ましい。
p/10≦t≦p/2・・・式(2)
tの範囲を規定する理由は、tが薄すぎる(tがp/10よりも薄い)と、単位レンズ141の斜面で全反射する光が散乱層142から外れた位置を通過してしまい、tが厚すぎる(tがp/2よりも厚い)と単位レンズ141の斜面で全反射する光以外の光を多く散乱してしまい、正面輝度が低下してしまうからである。上記式(2)を満たすことにより、単位レンズ141の斜面で全反射する光が選択的に散乱層142を通過するようになり、この光を拡散及び散乱させて減衰できる。
本実施例の光制御シート14は、p=0.14mm,t=0.03mmであるから、式(2)にこれらを代入して、
(0.14/10=0.014)≦0.03≦(0.14/2=0.07)
となり、式(2)を満たしている。
なお、光制御シート14を形成する材料は、アクリル樹脂に限らず、光透過性の有る他の熱可塑性樹脂を適宜選択して使用してもよい。また、光制御シート14は、紫外線硬化樹脂や電離放射線硬化樹脂等の光硬化樹脂を用いて作製してもよい。
なお、図5には、散乱層142の散乱作用については、反映させていない。
図5に示したように、大きな出射角度で出射する光の多くは、単位レンズ141の表面形状に沿って進んでいる。一方、小さな出射角度で出射する光については、単位レンズ141の表面形状に沿って進んでいる光は少ない。そこで、散乱層142を単位レンズ141の表面形状に沿って設けることにより、大きな出射角度で出射する光については、散乱層142を通過する距離が長くなり、多く散乱させられる。したがって、散乱層142がない場合に大きな出射角度で出射していた光の一部は、小さな出射角度に修正されて出射し、また他の光の一部は、光源側に戻されて再利用され、大きな出射角度で出射してしまう光は、ごくわずかとすることができる。
一方、散乱層142がない場合に小さな出射角度で出射する光については、散乱層142を通過する距離が短いので、散乱させられる割合が少なく、その大部分が小さい出射角度で出射する。
比較例1として、出射側に頂角90度のプリズム形状を多数配置した光収束効果を有する光学シートであるBEF(住友スリーエム株式会社製)を用意した。
光制御シート14の代わりに、比較例1のシートを使用した面光源装置では、垂直方向の半値角が35°であり、60°以上の出射角度で出射する無駄な光が確認された。
光制御シート14の代わりに、比較例2のシートを使用した面光源装置では、水平方向の半値角が50度、垂直方向の半値角が40°であり、本実施例の光制御シート14と比較して収束性が劣っていた。また、発光管13の真上で輝度が高くなっており、輝度ムラがはっきりと確認できた。
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)本実施例において、光制御シートを単独で使用する例を示したが、これに限らず、例えば、光制御シートが光を制御する主な方向と直交する方向において光を制御する第2の光制御シートを追加してもよい。これにより、垂直、水平の両方向において光を制御できるので、光をより有効に利用でき、輝度の高い照明光を得ることができる。
11 LCDパネル
12 反射板
13 発光管
14 光制御シート
141 単位レンズ
142 散乱層
15 拡散シート
Claims (10)
- 直下型の面光源装置に設けられ、光源から出射した光を制御する光制御シートであって、
出射側に凸状に多数並べて形成された単位レンズを備え、
前記単位レンズの並ぶピッチをp、前記単位レンズの凸形状の頂点から谷底部までの高さをhとしたときに、
0.4p≦h≦0.6p
の関係を満足する光制御シート。 - 請求項1に記載の光制御シートにおいて、
前記単位レンズは、長軸がシート面に対して直交して連続する楕円筒の一部、又は、長軸がシート面に対して直交する回転楕円体の一部であって、
前記単位レンズの表面凸形状を形成する楕円形状の長半径の長さは、短半径の長さの略2.5倍であること、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項1又は請求項2に記載の光制御シートにおいて、
前記単位レンズの表面凸形状に沿って形成され、光を散乱する散乱層を備えること、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項3に記載の光制御シートにおいて、
前記散乱層の厚さをtとすると、
p/10≦t≦p/2
の関係を満足すること、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項3又は請求項4に記載の光制御シートにおいて、
前記散乱層は、光拡散粒子が混合されることにより光を散乱すること、
を特徴とする光制御シート。 - 透過型表示部を背面から照明する面光源装置であって、
光源と、
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の光制御シートと、
を備える面光源装置。 - 請求項6に記載の面光源装置において、
出射側に微細凹凸形状が形成された拡散シートが前記光制御シートよりも出射側に配置されていること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項6又は請求項7に記載の面光源装置において、
前記光制御シートが光を主に制御する方向と直交する方向で光を主に制御する第2の光制御シートを有すること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
前記光制御シートは、使用状態における前記透過型表示部の画面の上下方向の光を主に制御すること、
を特徴とする面光源装置。 - 透過型表示部と、
請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載の面光源装置と、
を備える透過型表示装置。
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