JP2007225082A - 能動型防振支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 能動型防振支持装置の寸法を増加させることなく、そのアクチュエータの出力および電流応答性を確保する。
【解決手段】 外部から入力される荷重により容積が変化する液室の内圧を、固定コア33の外周に巻回したコイル39に通電して可動コア53を往復振動させるアクチュエータ31により制御するものにおいて、コイル39を電気的に並列に接続された第1〜第3コイル39A,39B,39Cで構成したので、単一のコイルを用いた場合に比べて自己インダクタンスを低減することができ、これによりコイル39の寸法を増加させることなく電流応答性を高めることができる。また第1〜第3コイル39A,39B,39Cを電気的に並列に接続したことで、単一のコイルを用いた場合に比べて抵抗を低減することができ、従ってその分だけコイル39の導線を細くして巻き数を増加させることで起磁力を増加させるとともに、コイル39の占積率を高めて起磁力を増加させることができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、固定コアの外周に円筒状に巻回したコイルへの通電により可動コアを軸線上で往復振動させるアクチュエータと、前記アクチュエータの軸線上に配置され、外部から入力される荷重により容積が変化するとともに可動コアに接続されて内圧が制御される液室とを備えた能動型防振支持装置に関する。
かかる能動型防振支持装置は下記特許文献1により公知である。この能動型防振支持装置のアクチュエータのコイルは、1本の導線を軸線を中心とする円筒状に巻回して構成されている。
特開2004−291737号公報
ところで能動型防振支持装置のアクチュエータのコイルは、入力される振動の周波数に応じて短い周期で励磁および消磁が繰り返されるため、コイルの自己インダクタンスの影響で電流の立ち上がりに遅れが生じ、能動型防振支持装置の作動応答性が低下する問題がある。コイルの自己インダクタンスを低減するにはコイルの軸線方向の寸法を増加させれば良いが、そのようにするとアクチュエータの軸線方向の寸法が増加してしまう問題がある。
またコイルの電流を増加させるにはコイルの抵抗を低減することが必要であるが、抵抗を低減するために断面積の大きい導線を使用すると、必要な巻き数を確保するためにコイルの寸法が大型化することが避けられず、しかも導線どうしの接触部に無駄空間が発生してコイルの占積率が低下してしまう問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、能動型防振支持装置の寸法を増加させることなく、そのアクチュエータの出力および電流応答性を確保することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、固定コアの外周に円筒状に巻回したコイルへの通電により可動コアを軸線上で往復振動させるアクチュエータと、前記アクチュエータの軸線上に配置され、外部から入力される荷重により容積が変化するとともに可動コアに接続されて内圧が制御される液室とを備えた能動型防振支持装置において、前記コイルを電気的に並列に接続された複数のコイルで構成したことを特徴とする能動型防振支持装置が提案される。
尚、実施の形態の第1、第2液室24,25は本発明の液室に対応する。
請求項1の構成によれば、外部から入力される荷重により容積が変化する液室の内圧を、固定コアの外周に円筒状に巻回したコイルに通電して可動コアを軸線上で往復振動させるアクチュエータにより制御するものにおいて、コイルを電気的に並列に接続された複数のコイルで構成したので、単一のコイルを用いた場合に比べて自己インダクタンスを低減することができ、これによりコイルの寸法を増加させることなく電流応答性を高めることができる。また複数のコイルを電気的に並列に接続したことで、単一のコイルを用いた場合に比べて抵抗を低減することができ、その抵抗の減少分だけコイルの導線を細くして巻き数を増加させることで起磁力を増加させるとともに、コイルの占積率を高めて起磁力を増加させることができる。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
図1〜図7は本発明の第1の実施の形態を示すもので、図1は能動型防振支持装置の縦断面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図1の3−3線断面図、図4は図1の4部拡大図、図5は第1〜第3コイルの結線図、図6は時間とコイルの電流との関係を示すグラフ、図7は時間とコイルの起磁力との関係を示すグラフである。
先ず、図1において、本発明の電磁式アクチュエータ31を備える能動型防振支持装置Mは、自動車においてエンジンEを車体フレームFに弾性的に支持すべく、それらの間に介装される。
能動型防振支持装置Mは、軸線Lに関して実質的に軸対称な構造を有するもので、エンジンEに結合される板状の取り付けブラケット11と、この取り付けブラケット11に溶接される内筒12と、この内筒12の外周に同軸に配置される外筒13と、これら内筒12および外筒13の相対向する円錐面に加硫接着される厚肉のゴム等からなる第1弾性体14とを備えており、この第1弾性体14の下方には、互いに上下に並んで一体化された第1オリフィス形成部材15、第2オリフィス形成部材16および第3オリフィス形成部材17が配置される。
第1オリフィス形成部材15は円板状をなしていて、その中央に開口部15bを有する。第2オリフィス形成部材16は、上面を開放した樋状断面を有して環状をなしていて、その開放上面が第1オリフィス形成部材15で閉鎖されるように、第1オリフィス形成部材15に一体に接合される。また第3オリフィス形成部材17も、上面を開放した樋状断面を有して環状をなしていて、その開放上面が第2オリフィス形成部材16で閉鎖されるように、第2オリフィス形成部材16に一体に接合される。第1および第2オリフィス形成部材15、16の外周部は互いに重ねられて一体化され、前記外筒13の下部に連設された環状のかしめ固定部13aに固定される。
第3オリフィス形成部材17の内周面には、ゴム等からなる環状の第2弾性体18の外周面が加硫接着され、この第2弾性体18の内周面に、軸線L上に配置されて下面を開放した第1キャップ部材19が加硫接着される。この第1キャップ部材19には、第2キャップ部材23および可動部材20が順次圧入により固着される。第2キャップ部材23は、その下端部を第1キャップ部材19の下方へ突出させており、この突出部の外周面に、第2弾性体18の下方に配置されるダイヤフラム22の内周端部が加硫接着される。このダイヤフラム22の外周にはリング部材21が加硫接着されており、このリング部材21は前記かしめ固定部13aに、前記第1および第2オリフィス形成部材15,16の外周部と共に固定される。上記第2弾性体18およびダイヤフラム22の撓みにより可動部材20は第1および第2キャップ部材19,23と共に上下動が可能である。
しかして、第1弾性体14および第2弾性体18間には、液体を封入される第1液室24が画成され、また第2弾性体18およびダイヤフラム22間には、同じく液体を封入される第2液室25が画成される。これら第1および第2液室24,25は、第1〜第3オリフィス形成部材15〜17により形成される上部オリフィス26および下部オリフィス27を介して相互に連通される。
上部オリフィス26は、第1および第2オリフィス形成部材15,16間にその一周弱に亘り画成されるもので(図2参照)、この上部オリフィス26の両端壁を構成する隔壁26aが第1および第2オリフィス形成部材15,16間に溶接される。そして上部オリフィス26は、隔壁26aの一側で第1オリフィス形成部材15の通孔15aを介して第1液室24に連通され、また隔壁26aの他側で第2オリフィス形成部材16の通孔16aを介して下部オリフィス27に連通される。
下部オリフィス27は、第2および第3オリフィス形成部材16,17間にその一周弱に亘り画成されるもので(図3参照)、この下部オリフィス27の両端壁を構成する隔壁27aが第1および第2オリフィス形成部材15,16間に溶接される。そして上部オリフィス26は、隔壁27aの一側で前記通孔16aを介して上部オリフィス26に連通され、また隔壁27aの他側で第3オリフィス形成部材17の通孔17aを介して第2液室25に連通される。以上により、第1および第2液室24,25間は、互いに直列に接続された上部および下部オリフィス26,27を介して連通される。
前記かしめ固定部13aには、さらに、筒状ブラケット28が固定され、これを車体フレームFに固着することにより、能動型防振支持装置Mは車体フレームFに取り付けられる。この筒状ブラケット28および前記外筒13により能動型防振支持装置Mの支持ケーシングCが構成される。
上記筒状ブラケット28にはアクチュエータ支持部材30が固着され、前記可動部材20を駆動する電磁式アクチュエータ31がこのアクチュエータ支持部材30により支持される。
図4において、アクチュエータ31は、上面を開放した磁性体からなる有底円筒状のハウジング32を備え、その上端に形成されたフランジ32aがアクチュエータ支持部材30に固着される。ハウジング32は磁性体であって、その内部内には、固定コア33、コイル組立体34およびヨーク35が順次取り付けられる。固定コア33は、その上部に吸引面33aを持ち、下面に位置決め軸33bを突出させ、また外周に段付き鍔状のフランジ36を形成しており、そのフランジ36をハウジング32の底壁32bに密着させて、位置決め軸33bが該底壁32bの位置決め孔37に圧入される。こうして固定コア33はハウジング32に固着される。
コイル組立体34は、固定コア33の外周に配置される合成樹脂製のボビン38と、このボビン38に巻装されるコイル39とを備える。ボビン38は上側に位置する上部フランジ38a,38bと下側に位置する下部フランジ38cと備えており、径方向外側に位置する上部外側フランジ38bと下部フランジ38cとは軸線Lに対して直交する方向に延びるのに対し、径方向内側に位置する上部内側フランジ38aは第1および第2液室24,25側に向かって斜め上向きに傾斜して延びている。
下部フランジ38cの外周には下方に突出する小支柱38eが突設され、この小支柱38eの成形時、これにカプラ端子40の基端部がインサート結合される。小支柱38eには、コイル39の引き出し線39aが巻き付けられ、その先端がカプラ端子40に半田付けや電気溶接等により接続される。
引き出し線39aのカプラ端子40への接続後、上記コイル39をボビン38に封止すべく、ボビン38の上下両端面からコイル39の外周面にかけて密着する円筒状のコイルカバー41が合成樹脂により射出成形される。その際、このコイルカバー41には、前記カプラ端子40を保持して該カバー41の半径方向外方に突出するカプラ42と、前記小支柱38e引き出し線39aを包んで該カバー41の下端面に突出する突出部42aとが一体に形成される。このカプラ42は、ハウジング32の底壁32bから周壁にかけて設けられた開口部43を通してハウジング32外に露出するように配置され、また前記突出部42aは、ハウジング32の底壁32bに隣接するように開口部43内に配置される。
コイル組立体34の上端面、特にコイルカバー41の上端面には環状のシール部材45が装着される。またコイル組立体34の下端面と前記フランジ36の薄肉外周部36aとの間にシール部材70が介装される。
前記ヨーク35は、コイル組立体34をフランジ36に向かって押圧、保持すべくハウジング32の内周面に圧入により固着される。これに伴ない前記シール部材45,70が圧縮されることで、コイル組立体34はヨーク35およびフランジ36間で弾性的にガタ無く支持される。これによりコイル39や可動コア53が収納される空間が密閉空間68となって防水性が向上する。
ヨーク35の、ボビン38内周に配置される円筒部35aの内周面には薄肉円筒状の軸受部材50が摺動可能に嵌合される。この軸受部材50の上端には半径方向内方に向く内向きフランジ50aが、またその下端には半径方向外方を向き外向き外向きフランジ50bがそれぞれ一体に形成されており、その外向きフランジ50bは、環状の弾性板51を介してフランジ36の厚肉内周部36bに重ねられ、この外向きフランジ50bおよび固定コア33との間に、コイルばねからなるセットばね52が縮設され、これによって軸受部材50はフランジ36上に弾性的に保持され、その防振が図られる。
また上記弾性板51は、可動コア53の固定コア33側への下降時、両コア33,53の衝合を回避すべく可動コア53の下端を緩衝的に受け止めて、その下降限を規定する、可動コア53の下降ストッパを兼ねている。
上記軸受部材50には、固定コア33の吸引面33aにエアギャップgを介して対向させる吸引面53aを持った可動コア53が摺動自在に嵌装されており、この可動コア53の中心部に開口する比較的大径の透孔54を緩く貫通する連結ボルト55の上端が前記可動部材20に螺着され、該連結ボルト55の下端部には、可動コア53の、透孔54周囲の下端面を支承する調節ナット56が螺合され、その際、可動コア53を該調節ナット56による支承位置に保持するセットばね57が可動部材20および可動コア53間に縮設される。こうして可動コア53は、可動部材20と一体化した連結ボルト55に螺合される調節ナット56と、セットばね57とで弾性的に挟持される。調節ナット56の、可動コア53に圧接する上端面には、前記透孔54に連通する半径方向の通気溝58が形成されていて、可動コア53の昇降時、その上下の空間での空気の流通をスムーズに行わせるようになっている。
しかして、連結ボルト55に対する調節ナット56の螺合位置を進退させれば、セットばね57との協働により、可動コア53の上下位置、即ち可動コア53および固定コア33の吸引面33a,53a間のエアギャップgを調節することができる。調節ナット56の調節位置は、調節ナット56に下方から螺合、緊締されてロックスクリュー59により固定される。
固定コア33の中心部には、調節ナット56の出入りを可能にする調節作業孔60が設けられ、この調節作業孔60に挿入される工具により上記ロックスクリュー59や調節ナット56を操作し得るようになっている。この調節作業孔60は、ねじ孔60aと、このねじ孔60aの下端に環状の肩部60bを介して連なる、ねじ孔60aより大径の嵌合孔60cとからなっている。一方、この調節作業孔60を閉鎖する栓体61は上端を開放した有底円筒形をなすもので、調節ナット56を受け入れながらねじ孔60aに螺合されるねじ筒61aと、嵌合孔60cに嵌合される鍔部61bと、底部61cとを有しており、その鍔部61bの外周に、嵌合孔60cの内周面に密接するシール部材64が装着される。底部61cの下面には多角形の工具係合用突起62が形成されている。
しかして、嵌合孔60cに嵌合した鍔部61bが肩部60bに当接するまで、ねじ筒61aをねじ孔60aに螺合、緊締することにより、栓体61により調節作業孔60を水密に閉鎖することができる。
この栓体61の底部61c上面には弾性板63が接合され、この弾性板63を介して該底部61cが調節ナット56の下端を緩衝的に受け止めて可動部材20の下降限を規定するようになっている。但し、調節ナット56が栓体61の底部61cに当接するときは、可動部材20の下降により可動コア53が前述の下降限に達した後、可動部材20がセットばね57を圧縮しながら更に下降した場合である。
前記軸受部材50内において、固定コア33および可動コア53の相対向する吸引面33a,53aは、その間に円錐筒状のエアギャップgを画成するように、何れも円錐面に形成されて、可動コア53の吸引面53aが固定コア33の吸引面33aを囲繞するように配置される。これによって軸受部材50内の比較的小径の固定コア33および可動コア53においても、比較的大なる吸引力と、可動コア53の比較的長いストロークを得ることができる。
しかも可動コア53の吸引面53aは、該コア53の内周面側に形成されることになるから、可動コア53の、軸受部材50による支持スパンを、その吸引面53aに関係なく充分長く確保し得、可動コア53の安定した昇降を保証することができる。この場合、可動コア53の外周面にテフロン(登録商標)等の低摩擦材層を形成することは、可動コア53のより安定したスムーズな昇降を得る上で有効である。
上記セットばね57はコイルばねからなるもので、連結ボルト55の基部の大径部55aに嵌合することで、連結ボルト55と同心に配置される。またこのセットばね57と可動コア53との間には、可動コア53の摩耗を防ぐべく鋼板製で環状のばね座65が介装される。このばね座65は、その内周縁部および外周縁部からセットばね57の内周面および外周面に沿って起立する内外同心の位置決め筒部66,67を有しており、外側の位置決め筒部67は、内側の位置決め筒部66より長く形成される。これら位置決め筒部66,67間へのセットばね57の挿入を容易にすべく、位置決め筒部66,67の上端部にファンネル部66a,67aが形成される。またこのばね座65および可動コア53の相対向する当接面の少なくとも一方には、テフロン等の低摩擦材層が形成され、ばね座65の可動コア53に対する摺動性が良好にしてある。
前記コイル39は、径方向内側に位置する第1コイル39Aと、径方向中央に位置する第2コイル39Bと、径方向外側に位置する第3コイル39Cとで構成されており、図5に示すように、第1〜第3コイル39A〜39Cは電気的に並列に接続される。
自己インダクタンスがそれぞれLa,Lb,Lc、抵抗がそれぞれRa,Rb,Rcの第1〜第3コイル39A〜39Cを電気的に並列に接続すると、そのトータルの自己インダクタンスLは、
L=1/(1/La+1/Lb+1/Lc)
により与えられ、第1〜第3コイル39A〜39Cを電気的に直列に接続した場合のトータルの自己インダクタンスであるLa+Lb+Lcよりも大幅に小さくすることができる。
また第1〜第3コイル39A〜39Cを電気的に並列に接続した場合のトータルの抵抗Rは、
R=1/(1/Ra+1/Rb+1/Rc)
により与えられ、第1〜第3コイル39A〜39Cを電気的に直列に接続した場合のトータルの抵抗であるRa+Rb+Rcよりも大幅に小さくすることができる。
再び図1において、アクチュエータ31のコイル39には、カプラ42を介して電子制御ユニットUが接続され、この電子制御ユニットUには、エンジン回転数を検出する回転数センサSa、能動型防振支持装置Mに入力される荷重を検出する荷重センサSb、並びにエンジンEに作用する加速度を検出する加速度センサScの各検出信号が入力される。
次に、この実施の形態の作用について説明する。
能動型防振支持装置Mのアクチュエータ31が非作動状態にあるときは、上部および下部オリフィス26,27を介して相互に連通する第1および第2液室24,25は同圧力に保たれるが、可動部材20に結合した第1キャップ部材19の第1液室24での受圧面積は、第2液室25での受圧面積より大であるから、その面積差に第1液室24の圧力を乗じた下向きの荷重が可動部材20に作用し、その荷重と、それに対する第2弾性体18の反発力とが釣り合ったところで、可動部材20が停止していて、固定コア33および可動コア53の吸着面33a,53a間に所定の初期エアギャップgを形成している。
しかして、自動車の走行中、エンジンEに低周波数のシェーク振動が発生したとき、エンジンEから入力される荷重で第1弾性体14が変形して第1液室24の容積が変化すると、上部および下部オリフィス26,27を介して相互に連通した第1および第2液室24,25間で液体の行き来が生ずる。第1液室24の容積が拡大、縮小すると、それに応じて第2液室25の容積が縮小、拡大するが、この第2液室25の容積変化はダイヤフラム22の弾性変形により吸収される。このとき、上部および下部オリフィス26,27の形状および寸法、並びに第1弾性体14のばね定数は、前記シェーク振動の周波数領域で高ばね定数および高減衰力を示すように設定されているため、エンジンEから車体フレームFに伝達される振動を効果的に低減することができる。
このようなエンジンEの低周波数のシェーク振動域では、アクチュエータ31は非作動状態に保たれる。
エンジンEが、上記シェーク振動よりも周波数の高い振動、即ちエンジンEのアイドリンク時に発生するアイドル振動やこもり音振動が発生した場合、第1および第2液室24,25間を接続する上部および下部オリフィス26,27内の液体スティック状態になって防振機能を発揮し得なくなり、このようなときに、アクチュエータ31を駆動して防振機能を発揮させるのである。
即ち、電子制御ユニットUが、エンジン回転数センサSa、荷重センサSbおよび加速度センサSc等から入力される検出信号に基づいてアクチュエータ31のコイル39への通電を制御する。具体的には、振動によってエンジンEが下方に偏倚し、第1弾性体14の下方への変形により第1液室24の容積が減少して、その液圧が上昇するときには、コイル39を励磁して、可動コア53を固定コア33側に吸引する。その結果、可動コア53は第2弾性体18を変形させつゝ下降して、第1液室24の容積を拡大させることで、該室24の圧力の上昇を抑制することができ、結局、能動型防振支持装置MはエンジンEから車体フレームFへの下向き荷重の伝達を防止する能動的な支持力を発生する。
上記と反対に、エンジンEが上方に偏倚して第1液室24の容積が拡大し、該室24の圧力が上昇するときには、コイル39を消磁して、可動コア53を解放する。その結果、可動コア53は第2弾性体18の反発力により上昇して、第1液室24の容積を縮小させることで、該室24の圧力の低下を抑制することができ、結局、能動型防振支持装置MはエンジンEから車体フレームFへの上向き荷重の伝達を防止する能動的な支持力を発生する。
このような作動中、エンジンEから第1弾性体14への下向き荷重の過度な増大に伴ない、第1液室24の圧力が急増し、可動部材20に過度な下向き荷重が加わった場合には、可動部材20は、先ず、可動コア53をその下降限まで、即ち、該コア53の下端面をフランジ36の厚肉内周部36b上の弾性板51に当接させるまで下降させ、その後は、セットばね57が圧縮変形して、調節ナット56が可動コア53の下面から離することにより、可動部材20の固定コア33側への更なる移動が許容される。したがって可動部材20の過大な荷重をセットばね57に吸収させて、固定コア33および可動コア53相互の接触と、可動コア53および弾性板51への過負荷の作用とを防ぎ、それらの耐久性を確保することができる。
そして、もし、可動コア53が下降限に達した後、可動部材20の下降が所定量に達すると、調節ナット56が固定コア33に固着された栓体61の底部61cに弾性板63を介して当接し、セットばね57の過度の荷重増加を抑え、固定コア33および可動コア53に対する過負荷の増加を防ぐことができる。
さて、本実施の形態によれば、図5に示すように、アクチュエータ31のコイル39を電気的に並列に接続された第1〜第3コイル39A〜39Cで構成したので、従来の単一のコイルを用いた場合に比べて自己インダクタンスを低減することができる。また第1〜第3コイル39A〜39Cを電気的に並列に接続したことで、単一のコイルを用いた場合に比べて抵抗を低減することができるので、その抵抗の減少分だけ第1〜第3コイル39A〜39Cの導線を細くして巻き数を増加させることで起磁力を増加させるとともに、コイル39の占積率を高めて起磁力を増加させることができる。しかして、コイル39の寸法を増加させることなく、図6のグラフに示すように電流応答性を高めることで、図7のグラフに示すように起磁力の応答性を高めることができる。
次に、図8に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。この第2の実施の形態において、第1の実施の形態の部材に対応する部材に第1の実施の形態と同じ符号を付すことで、重複する説明を省略する。
第1の実施の形態のコイル39は第1〜第3コイル39A〜39Cを径方向内側から径方向外側に向けて重ねられているが、第2の実施の形態のコイル39は第1〜第3コイル39A〜39Cを軸線L方向一端側から他端側に重ねている。このとき、第1〜第3コイル39A〜39Cの巻き崩れを防止するために、ボビン38に2枚の環状の仕切り壁38f,38gが形成される。
この第2の実施の形態によっても、上述した第1の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態ではコイル39を第1〜第3コイル39A〜39Cに3分割しているが、2分割あるいは4分割以上にしても良い。
また実施の形態のコイル39はボビン38を備えているが、本発明はボビンを持たないボビンレスコイルに対しても適用することができる。
第1の実施の形態に係る能動型防振支持装置の縦断面図 図1の2−2線断面図 図1の3−3線断面図 図1の4部拡大図 第1〜第3コイルの結線図 時間とコイルの電流との関係を示すグラフ 時間とコイルの起磁力との関係を示すグラフ 第2の実施の形態に係る、前記図4に対応する図
符号の説明
24 第1液室(液室)
25 第2液室(液室)
31 アクチュエータ
33 固定コア
38 ボビン
39 コイル
39A 第1コイル
39B 第2コイル
39C 第3コイル
53 可動コア
L 軸線

Claims (1)

  1. 固定コア(33)の外周に円筒状に巻回したコイル(39)への通電により可動コア(53)を軸線(L)上で往復振動させるアクチュエータ(31)と、前記アクチュエータ(31)の軸線(L)上に配置され、外部から入力される荷重により容積が変化するとともに可動コア(53)に接続されて内圧が制御される液室(24,25)とを備えた能動型防振支持装置において、
    前記コイル(39)を電気的に並列に接続された複数のコイル(39A,39B,39C)で構成したことを特徴とする能動型防振支持装置。
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