JP2007224329A - 電鋳部品の製造方法、電鋳部品、および時計 - Google Patents

電鋳部品の製造方法、電鋳部品、および時計 Download PDF

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Abstract

【課題】基材からの電鋳部品の脱離を防ぐとともに、生産効率を向上させることができる電鋳部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】基板4上にレジスト部5を形成した後、電鋳部品1Aを形成するための治具である治具電鋳部6を、電鋳により基板4上に形成する。そして、基板4上に形成されている治具電鋳部6を覆って電鋳を施し、治具電鋳部6上に電鋳部品1Aを形成した後、電鋳部品1Aを治具電鋳部6から剥離させる。これにより、凹状部3を備えた電鋳部品1Aが形成され、その窪み部分には粘着剤を充填できるため、電鋳部品1Aの貼設力を高めることができ、電鋳部品1Aの基材からの脱離を防ぐことができる。また、電鋳部品1Aの肉厚寸法t2を大きくすることなく部品厚寸法t1を大きくすることができるため、電鋳加工時間を短くすることができ、生産効率を向上させることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、電鋳部品の製造方法、これにより製造された電鋳部品、およびこの電鋳部品を備えた時計に関する。
時計の文字板などに貼設される文字や数字、模様などの装飾部品は、電鋳で製造されることがある(例えば特許文献1)。電鋳で製造した装飾部品は、ある程度の厚みを有するため立体感を持ったものとなる。また、装飾部品を金属で形成することができるため、高級感を演出することもできる。
特開平10−25591号公報(第3〜5頁)
ところで、近年の時計などの被装飾物におけるデザインの多様化に伴い、電鋳で製造した装飾部品についても、さらなる立体感や、さらなるデザインの多様化が求められている。そして、装飾部品の立体化には、部品厚の増加やこれによる部品重量の増加を伴うことが多い。
しかしながら、従来の電鋳部品の製造方法では、部品厚の増加にともなって電鋳加工時間が長くなるため、生産効率の低下を招いてしまうという問題がある。また、部品重量が増加した場合、特に200μm程度の部品厚を有する厚物電鋳部品のように、部品厚が50μm程度の通常品に比べて部品自体の自重が4〜5倍となる場合には、部品の脱落や貼設位置がずれる可能性が高くなるが、部品の貼設力を高めるために粘着剤の厚みを厚くすると、粘着剤部分にゴミ等が付着し易くなったり粘着剤層が目立つようになったりするため、外観上好ましくない。
本発明の目的は、基材からの電鋳部品の脱離を防ぐとともに、生産効率を向上させることができる電鋳部品の製造方法、これにより製造された電鋳部品、およびこの電鋳部品を備えた時計を提供することにある。
本発明の電鋳部品の製造方法は、基板上にレジスト部を形成するレジスト部形成工程と、電鋳部品を形成するための治具である治具電鋳部を電鋳により前記レジスト部を用いて前記基板上に形成する治具電鋳部形成工程と、前記基板上に形成されている前記治具電鋳部を覆って電鋳を施し前記治具電鋳部上に電鋳部品を形成する電鋳部品形成工程と、形成された当該電鋳部品を前記治具電鋳部から剥離させる剥離工程とを備えたことを特徴とする。
このような本発明によると、基板上に形成されている治具電鋳部を覆って電鋳を施すことで、治具電鋳部のレジスト部より上側の高さ寸法を窪み部分の深さ寸法とする凹状部を備えた電鋳部品が形成される。この窪み部分には粘着剤を充填できるため、接着層が目立つようになったりすることなく電鋳部品の貼設力を高めることができ、電鋳部品の基材からの脱離を防ぐことができる。
また、凹状部を備えているため、電鋳部品の肉厚寸法を大きくすることなく部品厚寸法を大きくすることができる。これにより、同じ部品厚寸法の従来品に比べ電鋳部品の電鋳加工時間を短くすることができ、生産効率を向上させることができる。
さらに、この凹状部により、同じ部品厚寸法の従来品に比べ部品自体の自重を低減することができるため、この点からも、落下時の衝撃等による電鋳部品の基材からの脱落や貼設位置のずれ等、電鋳部品の基材からの脱離を防ぐことができる。
さらに本発明では、前記治具電鋳部の前記レジスト部より上側の高さ寸法は、形成される電鋳部品の肉厚寸法が一定となるように電鋳部品の部品厚寸法に応じて調整されることが好ましい。このようにして、求められる電鋳部品の部品厚寸法に対応した高さ寸法の治具電鋳部を一旦形成してしまえば、どの部品厚寸法の電鋳部品に対しても肉厚寸法を一定にすることができるので、電鋳部品の部品厚寸法の大きさにかかわらず電鋳加工時間をほぼ同じにすることができる。従って、この点からも、従来の製造方法に比べ電鋳部品の生産効率を向上させることができる。
そして、本発明の電鋳部品は、前述した本発明の電鋳部品の製造方法にて製造されたことを特徴とする。
加えて、本発明の時計は、前述した本発明の電鋳部品を備えたことを特徴とする。
このような本発明によれば、電鋳部品が前述した本発明の電鋳部品の製造方法によって製造され、時計が前述した本発明の電鋳部品を備えているので、時計の基材からの電鋳部品の脱離を防ぐとともに、電鋳部品および時計の生産効率を向上させることができる。
本発明の電鋳部品の製造方法によれば、被貼設部品からの電鋳部品の脱離を防止することができるとともに、生産効率を向上させることが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1には本発明の一実施形態に係る時計100が示されている。この図1において、目盛部品1は、時計100の文字板(基材)100Aに貼設されて時計100を装飾するものである。文字板100Aに設けられる目盛部品1のうち12時以外の位置に配置される目盛部品1Aは、本発明に係る電鋳部品であり、文字板100A上の目盛の部分に複数個接着されている。
目盛部品1Aは、図2に示されるように、表面を視認可能な装飾面2と、装飾面2とは反対側に設けられ、その中央部分が窪んだ断面凹状に形成された凹状部3とを備えている。この目盛部品1Aの部品厚寸法t1は約150μm、肉厚寸法t2は約30μmであり、凹状部3の窪み部分の深さ寸法dが約120μmとなっている。また、目盛部品1Aは、形成後の残留応力が小さくなるように、例えばニッケル (Ni)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)などの任意の金属材料で構成されている。
このような目盛部品1Aは、次のように製造される。
図3には、目盛部品1Aが完成するまでの製造方法のフロー図が示されている。目盛部品1Aの製造方法は、図6にも示されるように、基板4上に、治具となる治具電鋳部6用のレジスト部5を形成するレジスト部形成工程(ステップS1からステップS4)と、レジスト部5を用いて電鋳により治具電鋳部6を形成する治具電鋳部形成工程(ステップS5)と、電鋳により目盛部品1Aを治具電鋳部6上に形成する電鋳部品形成工程(ステップS6およびステップS7)とを備えている。また、電鋳部品形成工程の後に、形成された目盛部品1Aを基板4および治具電鋳部6から剥離させて転写シートに転写する剥離工程としての転写工程(ステップS8ないしステップS10)と、目盛部品1Aの凹状部3に粘着剤を塗布する粘着剤塗布工程(ステップS11)と、目盛部品1Aを文字板100Aに貼設する貼設工程(ステップS12)とが設けられている。
レジスト部形成工程では、まずステップS1において、図4(A)に示されるように基板4上にレジスト剤を塗布することでレジスト部5を形成する。
基板4は、治具電鋳部6の厚み寸法が均一になるように表面仕上げが均一な平板状部材である。基板4の材料は、導電性を有するものであればよく、例えば洋白(NS)、銅(Cu)、鋼材などが採用できる。あるいは、基板4は、非導電性の材料の表面に導電性皮膜処理を施したものでもよい。
また、レジスト剤は、非導電性材料で構成され、露光現像タイプ(ポジティブタイプ液状レジスト;紫外線劣化型)のものが採用されており、例えば東京応化製P−RM300PM等が採用できる。
そして、レジスト部5は、レジスト剤の印刷や、塗装、塗布、バーコーター、ロールコーター等の方法により基板4の表面に形成される。このレジスト部5により、基板4の表面に耐酸性、耐アルカリ性、非導電性の層が形成される。なお、レジスト部5の厚さは、治具電鋳部の厚みなどを勘案して適宜決定される。
ステップS2では、図4(B)に示されるように、レジスト部5をマスク10で覆い、紫外線で露光する。マスク10には、治具電鋳部6の形状とほぼ同様の形状の透明パターン101が形成されており、マスク10を通して光源90により紫外線露光することによってレジスト部5のパターン101部分のみに紫外線が照射されるパターン露光が行われる。このパターン露光によって、レジスト部5において紫外線が照射された部分にはパターン101の形状が転写され、当該部分が劣化する。ここで、基板4上に治具電鋳部6が形成される場合、レジスト部5からはみ出して肉盛されるため、治具電鋳部6の実際の寸法はパターン101の形状よりも大きくなる。
ステップS3では、露光が行われた基板4およびレジスト部5を一般的なアルカリ現像あるいは溶剤方式などの方法によって現像し、洗浄する。ここで、現像液は、例えばNaOHの2%水溶液を使用する。現像液は、35℃±5℃の温度管理下で使用することが望ましく、また、ディベロッパーは、シャワー式、攪拌機などを使用できる。これにより、基板4上には、図4(C)に示されるように、パターン101に相当する部分のレジスト部5が除去されて、パターン101の形状の電鋳形成部51が形成される。この電鋳形成部51内部の領域では、基板4が露出している。
ステップS4では、レジスト部5を基板4ごと加熱処理することによりレジスト部5をアフターベークする。このアフターベーク工程により、レジスト部5が安定して基板4との密着性が良好となり、レジスト部5の基板4からの剥離が防止される。
治具電鋳部形成工程では、ステップS5において、電鋳を施すことにより、図5に示されるように治具電鋳部6を基板4上に形成する。その際、基板4に対する硫化ナトリウムを用いた不動態化処理は行わない。これにより、基板4と治具電鋳部6とを密着させて、基板4から治具電鋳部6が剥離するのを防止する。
電鋳は、一般的な電鋳の条件で行われる。電鋳液の材料としては、例えば硫酸ニッケル(粉末)300±20g/リットル、塩化ニッケル(粉末)50±5g/リットル、ホウ酸(粉末)45±5g/リットル、治具電鋳部6の表面張力を低減して治具電鋳部6の電鋳応力を低減するための光沢剤♯61(液体)6±1ミリリットル/リットル、および治具電鋳部6の表面張力を増加させて治具電鋳部6をきのこ状に盛り上げて形成するための光沢剤♯63(液体)18±3ミリリットル/リットルを使用し、これらの材料を250リットルの純水に溶解して電鋳液を製造する。電鋳液は、55℃で管理されることが望ましい。
そして、この治具電鋳部形成工程により、基板4上の電鋳形成部51内部の領域には、電鋳液が充填され、電鋳形成部51外周のレジスト部5上面にはみ出して、肉盛り状に形成される。その際、治具電鋳部6のレジスト部5より上側の高さ寸法hが120μmとなるように調整する。そして、この高さ寸法hの値が、目盛部品1Aの凹状部3の深さ寸法dの値になるため、ここでの調整により凹状部3の深さ寸法dが決定される。ここで、所定厚さ寸法の治具電鋳部6を形成する場合、低電位、長時間で電鋳を形成することが好ましい。これは、高電位、短時間で治具電鋳部6を形成すると、治具電鋳部6の周縁部と中央部とでは電流密度のバラツキが生じ、周縁部が盛り上がった形状に形成されたり、形状崩れを起こしたりするおそれがあるためである。
電鋳部品形成工程では、電鋳により目盛部品1Aを形成する電鋳工程を行う前に、ステップS6において、治具電鋳部6に脱脂、アルカリ洗浄、酸中和の活性化処理、および硫化ナトリウム水溶液へ浸漬することにより不動態被膜を形成する不動態化処理を行う。この不動態化処理を行うことで、電鋳によって形成された目盛部品1Aが治具電鋳部6から剥離し易くなる。
そして、ステップS7において、図6に示されるように、基板4上に形成されている治具電鋳部6を覆って電鋳を施すことにより、治具電鋳部6上に目盛部品1Aを形成する。その際、目盛部品1Aの部品厚寸法t1を約150μmにするため、目盛部品1Aの肉厚寸法t2が30μmとなるように調整する。なお、本実施形態では、目盛部品1Aの肉厚寸法t2を30μmとするために、3Aの電流値で90分間の電鋳を行う。電鋳に際してのその他の条件は、治具電鋳部6の形成の場合と同様である。
以上の製造工程により、基板4および治具電鋳部6上に目盛部品1Aが形成製造される。そして、ここで作成された基板4および治具電鋳部6を繰り返し使用する事により、厚物の目盛部品1Aを短時間で効率的に生産することができる。
なお、部品厚寸法t1が約200μmとさらに厚物の目盛部品1Aを形成する場合には、ステップS5において、レジスト部5の上側の高さ寸法hが170μmとなるように治具電鋳部6を形成し、ステップS7において、肉厚寸法t2が30μmとなるように目盛部品1Aを形成する。つまり、求められる電鋳部品の部品厚寸法t1の寸法にかかわらず、電鋳部品の肉厚寸法t2の値がほほ一定となるような高さ寸法hを有する治具電鋳部6を形成すればよい。
転写工程では、ステップS8において、図7(A)に示されるように、目盛部品1Aおよび基板4に転写シート7を貼付する。転写シート7には、目盛部品1Aと密着する側の面に図示しない接着剤が塗布されており、適度な接着力で目盛部品1Aに接着される。なお、転写シート7の材料としては、目盛部品1Aに対して剥離が容易でかつ密着しやすい材料であればよく、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどの軟質のフィルムなどが採用でき、例えば(株)日東電工製 SPVフィルム J−300などが採用できる。このような転写シート7によれば、基板4から目盛部品1Aを剥離する際に、適当な粘着力で目盛部品1Aをホールドする。また例えば複数の目盛部品1Aを1つの転写シート7で転写する場合には、目盛部品1Aの剥離後に複数の目盛部品1A同士のレイアウトをそのまま維持できる。また、転写シート7の材料としては、転写シート7を通して目盛部品1Aが視認可能となるように、透明フィルム状の材料を用いてもよいし、転写シート7の接着剤の乾燥を防ぐために非通気性の材料を用いてもよい。
転写シート7を目盛部品1Aおよび基板4に貼付後、ステップS9においてローラーテンションを行うことにより、目盛部品1Aと基板4の剥離、および目盛部品1Aと治具電鋳部6の剥離を容易にする。そして、ステップS10において、図7(B)に示されるように、基板4および治具電鋳部6を目盛部品1Aから剥離させ、目盛部品1Aを転写シート7に転写する。この時、転写シート7に転写された目盛部品1Aには、転写シート7と反対側に凹状部3が形成されている。このとき、基板4および治具電鋳部6と目盛部品1Aとの固着力は、不動態化処理により目盛部品1Aと転写シート7との接着力より弱くなるように設定されていることが望ましい。このような設定によれば、目盛部品1Aは、転写シート7を剥離するにしたがって、基板4および治具電鋳部6から転写シート7に転写される。なお、この転写シート7は、目盛部品1Aを基板4および治具電鋳部6から剥離させる役割の他、目盛部品1Aの装飾面2を保護する役割も果たす。
粘着剤塗布工程では、ステップS11において、図8に示されるように、目盛部品1Aの凹状部3、および転写シート7の目盛部品1Aが配置されない部分に文字板100Aへの接着手段として、粘着剤8が塗布されて接着層が形成される。この場合において、粘着剤8は、例えば水性感圧接着剤(例えば(株)テスク製 F−1040B アクリルエラストマー樹脂、消泡剤、イオン交換水、メタノール、およびポリビニルメチルエーテル(増粘剤)を所定配合比で配合)が使用でき、スクリーン印刷機で塗布するなどすればよい。また、粘着剤8を塗布した後の目盛部品1Aの接着層の厚さは、従来、約10μmであったが、凹状部3はその中央部分が窪んでいるためその分厚くなり、約120μmとなる。
ここで、電鋳部品の接着層の厚さと剥離強度との関係は、本実施形態の場合、下記の表1に表される。
Figure 2007224329
また、接着層の厚さをxとし、90度剥離強度をyとした場合、その関係は下記の式(1)に示される。
[式1]
y=8x+30 ・・・(1)
これら表1および式(1)から、電鋳部品の剥離強度は接着層の厚さに正比例しており、接着層の厚さが厚くなるにつれて剥離強度が上がることが判る。従って、式(1)により、本実施形態の目盛部品1Aは、接着層の厚さが従来の10μmの場合に比べ、剥離強度が110N/mから990N/mに向上、つまり従来の9倍の剥離強度が確保されることになる。
なお、目盛部品1Aをすぐに文字板100Aに貼設しない場合には、粘着剤8が塗布された面に剥離シートを貼り付けてシート状シールを構成し、このシート状シールの状態で保存してもよい。ここで、剥離シートの材料は、非通気性で粘着剤8との剥離性が良好な、例えばフッ素系樹脂を表面に処理した紙や、樹脂製のフィルムなどで構成されていることが望ましく、例えば(株)リンテック製 SP−8Eアイボリー 厚みt=0.11が採用できる。この剥離シートにより、粘着剤8が保護され、粘着剤8へのゴミの付着や粘着剤8の溶剤や水分の蒸発が防止される。なお、剥離シートは、剥離能力が弱いと剥離シートに目盛部品1Aが貼り付いてしまうため、適度の剥離性能が要求される。
貼設工程では、ステップS12において、目盛部品1Aを文字板100Aの所定の位置に貼設する。まず、文字板100Aと目盛部品1Aとの密着性をよくするために、文字板100Aの汚れを予め洗浄(超音波洗浄や酸洗浄等)などによって除去する。
次に、文字板100Aと目盛部品1Aとの位置決めを行う。これらの位置決めは、例えば文字板100Aを固定する治具と、目盛部品1A側に形成された位置決め用の電鋳部によって行えばよい。つまり、まず適宜な治具に文字板100Aを固定しておく。この治具には、文字板100Aに対して目盛部品1Aを位置決めする位置決めピンが設けられている。一方、目盛部品1A側には、目盛部品1Aの形成工程と同時に目盛部品1Aの周囲に位置決め用の電鋳部を形成しておき、この位置決め用の電鋳部を目盛部品1Aとともに転写シート7に転写しておく。文字板(基材)100Aが固定された治具の位置決めピンに、位置決め用の電鋳部を係合させることにより、目盛部品1Aを文字板100Aに対して位置決めする。
目盛部品1Aを文字板100A上の所定位置に配置した後、図9(A)に示されるように、目盛部品1Aを文字板100Aに貼付する。そして、目盛部品1Aを文字板100Aに確実に密着させるために転写シート7の上からローラ等によって加圧する。
そして、図9(B)に示されるように、転写シート7を剥がす。この際、目盛部品1Aは加圧されて文字板100Aに密着しているので、目盛部品1Aを押さえながら転写シート7を剥がすと、目盛部品1Aは文字板100Aに接着されて残る。一方、目盛部品1Aのない部分の粘着剤81は転写シート7に接着して一緒に剥がれる。つまり、この際には、転写シート7と粘着剤8との接着力は、粘着剤8と文字板100Aとの接着力よりも強く設定されることが望ましい。また、粘着剤8と文字板100Aとの接着力は、目盛部品1Aと転写シート7との接着力よりも強く設定されることが望ましい。このような条件下では、目盛部品1Aが配置されていない部分の粘着剤81が転写シート7とともに良好に剥がれる。なお、このような条件を満たすことが難しい場合でも、目盛部品1Aを押さえながら転写シート7を剥がすことにより、目盛部品1Aを文字板100Aに残し、他の粘着剤8を転写シート7とともに容易に剥がすことができる。
以上のような工程により、目盛部品1Aは、図2に示されるように、文字板100A上の所定の位置に貼設される。
このような実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1)目盛部品1Aは、その凹状部3の中央部分が窪んだ断面凹状であるため、肉厚寸法t2を大きくすることなく部品厚寸法t1を厚くすることができる。これにより、同じ部品厚の従来品に比べ目盛部品1Aの電鋳加工時間を短くすることができる。これに加え、治具電鋳部6が形成された基板4を繰り返し使用する事により、目盛部品1Aの生産効率を大幅に向上させることができる。また、部品自体の自重を低減することができるため、落下時の衝撃等による目盛部品1Aの文字板100Aからの脱落や貼設位置のずれ等、目盛部品1Aの文字板100Aからの脱離を防ぐことができる。
(2)目盛部品1Aは、その凹状部3の中央部分が窪んだ断面凹状であるため、この窪み部分に粘着剤8を充填できる。従って、接着層が目立つようになったりすることなく目盛部品1Aの貼設力を高めることができ、目盛部品1Aの文字板100Aからの脱離を防ぐことができる。
(3)治具電鋳部形成工程において、形成される目盛部品1Aの肉厚寸法t2が一定となるように治具電鋳部6のレジスト部5より上側の高さ寸法hが調整されるため、求められる電鋳部品の部品厚寸法t1に対応した高さ寸法hの治具電鋳部6を一旦形成してしまえば、どの部品厚寸法t1の目盛部品1Aに対しても肉厚寸法t2を一定にすることができる。これにより、目盛部品1Aの部品厚寸法t1の大きさにかかわらず電鋳加工時間をほぼ同じにすることができるため、従来の製造方法に比べ、目盛部品1Aの生産効率を向上させることができる。特に、部品厚寸法t1が約200μmの目盛部品1Aを形成する場合には、従来の方法に比べ生産効率を大幅に向上させることができる。
なお、本発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
すなわち、上記実施の形態では、時計100の文字板100Aに本発明の電鋳部品としての目盛部品1Aを固定する例を示したがこれに限られない。例えば、アクセサリーや工芸品、インテリアなどの被装飾部品に取り付けられる電鋳部品として利用してもよい。
また、上述した例ではいずれも簡易な表面形状の目盛部品1Aについて説明したが、これに限られず、例えば文字型や模様を模った形状の目盛部品1Aに適用してもよい。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の一実施形態に係る時計を示す図。 本実施形態に係る目盛部品を示す断面図。 目盛部品の製造方法を示すフロー図。 目盛部品のレジスト形成工程を示す図。 目盛部品の治具電鋳部形成工程を示す図。 目盛部品の形成工程を示す図。 目盛部品の転写工程を示す図。 目盛部品の粘着剤塗布工程を示す図。 目盛部品の貼設工程を示す図。
符号の説明
1A…電鋳部品としての目盛部品、3…凹状部、4…基板、5…レジスト部、6…治具電鋳部、100…時計、100A…文字板、t1…部品厚寸法、t2…肉厚寸法。

Claims (4)

  1. 電鋳部品の製造方法であって、
    基板上にレジスト部を形成するレジスト部形成工程と、
    電鋳部品を形成するための治具である治具電鋳部を電鋳により前記レジスト部を用いて前記基板上に形成する治具電鋳部形成工程と、
    前記基板上に形成されている前記治具電鋳部を覆って電鋳を施し前記治具電鋳部上に電鋳部品を形成する電鋳部品形成工程と、
    形成された当該電鋳部品を前記治具電鋳部から剥離させる剥離工程と、
    を備えたことを特徴とする電鋳部品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の電鋳部品の製造方法において、
    前記治具電鋳部の前記レジスト部より上側の高さ寸法は、形成される電鋳部品の肉厚寸法が一定となるように電鋳部品の部品厚寸法に応じて調整される
    ことを特徴とする電鋳部品の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電鋳部品の製造方法にて製造されたことを特徴とする電鋳部品。
  4. 請求項3に記載の電鋳部品を備えたことを特徴とする時計。
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