JP2007224136A - ベースコート用塗料組成物 - Google Patents

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【課題】1液乾燥型の塗料組成物として使用でき、かつ、耐ガソホール性などの耐性に優れた塗膜を形成することのできるベースコート用塗料組成物を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル系樹脂と繊維素系樹脂との共重合体、好ましくは繊維素系樹脂に(メタ)アクリル系樹脂がグラフトしたグラフト重合体を1質量%以上含有する樹脂成分を含むベースコート用塗料組成物である。グラフト重合体は、繊維素系樹脂0.1〜50質量%と、(メタ)アクリル系樹脂99.9〜50質量%からなることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば自動車の外装材などに対して、多層塗装を施す際のベースコートに好適に使用されるベースコート用塗料組成物に関する。
例えば自動車の外装材の表面には、意匠性の付与や向上、保護などを目的として、塗装が施される場合が多い。また、より高い意匠性を付与することなどを目的として、異なる種類の塗料を多層に塗ることもある。
このような多層塗装の1つとして、金属粉末を含むベースコート用塗料組成物を塗装してメタリック調の塗膜を形成し(下塗り)、その上に、透明性のあるトップコートを施す方法がある。例えば、自動車の外装材であるラジエーターグリル、ホイールキャップなどにはABS樹脂などが使用され、サイドプロテクターモール、バンパープロテクトモール、マットガードなどにはポリプロピレンなどが使用されていて、その表面にこのような塗装が施される。
こうして形成される塗膜には、メタリック調の良好な質感とともに、ガソリンや、今後燃料としての使用拡大が期待されるガソホール(アルコールが添加されたガソリン)に対する耐性が優れていることも求められる。
例えば、特許文献1には、耐薬品性などに優れた塗膜を形成できるベースコート用塗料組成物として、金属粉末を含み、熱硬化性樹脂を樹脂成分として含有する2液硬化型のものが開示されている。また、特許文献2には、耐ガソリン性などに優れた塗膜を形成できるベースコート用塗料組成物として、金属粉末を含み、水酸基含有樹脂とセルロース誘導体とを樹脂成分として含有するものが開示されている。
特開昭61−93870号公報 特開平9−323062号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたベースコート用塗料組成物は、2液硬化型であるため、塗料組成物を調製した後、短時間のうちにこれを対象物に塗装する必要があり、ポットライフが短いという問題があった。ポットライフが短いと、作業性、取扱性が低下し好ましくない。また、十分な硬化のためには、ある程度の温度と時間が必要となる。
一方、特許文献2に記載されたベースコート用塗料組成物は、1液乾燥型であるため、2液硬化型の塗料に起因する上述の問題がないとともに、塗膜の耐ガソリン性にも優れているとされている。ところが、耐ガソリン性よりも厳しい試験で評価される耐ガソホール性については記載されておらず、耐ガソホール性が不十分な可能性があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、1液乾燥型の塗料組成物として使用でき、かつ、耐ガソホール性などの耐性に優れた塗膜を形成することのできるベースコート用塗料組成物を提供することを課題とする。
本発明のベースコート用塗料組成物は、(メタ)アクリル系樹脂と繊維素系樹脂との共重合体を1質量%以上含有する樹脂成分を含むことを特徴とする。
前記共重合体は、前記繊維素系樹脂0.1〜50質量%と、前記(メタ)アクリル系樹脂99.9〜50質量%とからなることが好ましい。
前記共重合体は、繊維素系樹脂に(メタ)アクリル系樹脂がグラフトしたグラフト重合体であることが好ましい。
前記(メタ)アクリル系樹脂は、水酸基および/またはカルボキシル基を含有する脂肪族系(メタ)アクリル系単量体を少なくとも含む単量体成分が重合したものであることが好ましい。
前記繊維素系樹脂は、酢酸セルロース系樹脂であることが好ましい。
本発明によれば、1液乾燥型の塗料組成物として使用でき、かつ、耐ガソホール性などの耐性に優れた塗膜を形成することのできるベースコート用塗料組成物を提供できる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のベースコート用塗料組成物(以下、塗料組成物という。)は、多層塗装の際に、トップコートの下塗りとして形成されるベースコートを形成するために使用されるものであって、樹脂成分を含有する。
そして、この樹脂成分は、(メタ)アクリル系樹脂と繊維素系樹脂との共重合体を1質量%以上含有するものである。
繊維素系樹脂としては、酢酸セルロース系樹脂、硝化綿、カルボキシメチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カチオン化セルロース樹脂などが挙げられる。繊維素系樹脂としては、これらを1種単独で使用しても2種以上を併用してもよいが、特に、セルロース・アセテート樹脂、セルロース・アセテート・ブチレート樹脂、セルロース・アセテート・プロピオネート樹脂などの酢酸セルロース系樹脂は、耐熱性や(メタ)アクリル系樹脂との相溶性がよいため好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系単量体を含む単量体成分から製造されるものであって、(メタ)アクリル系単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの脂肪族系(メタ)アクリル系単量体などが挙げられる。
このような(メタ)アクリル系単量体は、(メタ)アクリル系樹脂を製造するための使用される単量体成分中、50質量%以上含まれることが好ましく、80質量%以上含まれることがより好ましい。さらには、100質量%含まれることが好ましい。このような範囲であると、得られた塗料組成物から形成された塗膜の耐候性などの耐性が優れる。なお、(メタ)アクリル系単量体以外とともに使用可能な他の単量体としては、酢酸ビニル、スチレン、無水マレイン酸などのビニル系単量体が挙げられる。
(メタ)アクリル系単量体は、1種単独で使用しても2種以上を併用してもよいが、特に、脂肪族系(メタ)アクリル系単量体のみを使用することが好ましい。さらに、脂肪族系(メタ)アクリル系単量体のなかでも、水酸基および/またはカルボキシル基を含有する脂肪族系(メタ)アクリル系単量体を少なくとも使用することが好ましい。このようなものを使用すると、得られた塗料組成物から形成された塗膜の耐性がより向上し、高い耐ガソホール性が発現する。より好ましい単量体成分は、メチルメタクリレート50〜80質量%と、n−ブチルアクリレート10〜40質量%と、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1〜10質量%と、メタクリル酸0.1〜5質量%からなるものである。
さらに単量体成分を重合させて得られた(メタ)アクリル系樹脂の水酸基価は20〜60であることが好ましく、ガラス転移温度(Tg)は20〜60℃であることが好ましい。例えば、メチルメタクリレートと、n−ブチルアクリレートと、2−ヒドロキシエチルアクリレートと、メタクリル酸が上述の比率で使用された単量体成分を重合すると、このような水酸基価とガラス転移温度の(メタ)アクリル系樹脂を得ることができる。
また、(メタ)アクリル系樹脂の好ましい質量平均分子量、数平均分子量は、それぞれ 5000〜100000、3000〜50000の範囲である。
(メタ)アクリル系樹脂と繊維素系樹脂との共重合体としては、これらの樹脂がランダムに共重合体した共重合体でもよいが、繊維素系樹脂に(メタ)アクリル系樹脂がグラフトしたグラフト重合体が特に好ましく、これを使用すると、耐ガソホール性などの高い耐性を特に備えた塗膜を形成可能な塗料組成物を提供できる。ここで、単なる(メタ)アクリル系樹脂を樹脂成分として使用すると、塗膜の耐ガソホール性が不十分となるとともに、形成された塗膜上にトップコートを設けた際に、塗膜が滲むなどの問題も生じやすい。また、単なる繊維素系樹脂を樹脂成分として使用した場合には、上述の滲みの問題は生じにくいものの、やはり塗膜の耐ガソホール性は不十分となる。
繊維素系樹脂に(メタ)アクリル系樹脂がグラフトしたグラフト重合体の製造方法としては、例えば、繊維素系樹脂の存在下に、(メタ)アクリル系単量体を有機過酸化物を用いて重合する方法がある。この方法によれば、繊維素系樹脂の水素が引き抜かれてラジカルが発生し、そこから(メタ)アクリル系単量体がグラフト重合する。
この際、共重合体、好ましくはグラフト重合体における繊維素系樹脂と(メタ)アクリル系樹脂との比率は、繊維素系樹脂が0.1〜50質量%、(メタ)アクリル系樹脂が99.9〜50質量%であると(合計を100質量%とする。)、得られた塗料組成物から形成された塗膜の耐性がより向上し、高い耐ガソホール性が発現する傾向にある。より好ましくは、繊維素系樹脂が0.5〜30質量%、(メタ)アクリル系樹脂が99.5〜70質量%、さらに好ましくは、繊維素系樹脂が0.5〜10質量%、(メタ)アクリル系樹脂が99.5〜90質量%である。
このような共重合体は、樹脂成分中に少なくとも1質量%含まれると、形成される塗膜に高い耐ガソホール性を付与でき、耐ガソリン性、耐水性などの他の耐性も十分なものとなる。よって、塗膜に要求される他の目的などに応じて、樹脂成分中における共重合体の含有量を1〜100質量%の範囲で適宜設定できる。
例えば、塗料組成物をABS樹脂からなる対象物に塗装する場合には、樹脂成分としてこのような共重合体とともにアクリルポリオールを併用して、形成される塗膜とABS樹脂からなる対象物との密着性が向上するようにしてもよい。また、塗料組成物をポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂からなる対象物に塗装する場合には、樹脂成分としてこのような共重合体とともに(メタ)アクリル樹脂グラフト塩素化ポリオレフィン樹脂(アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂)など、(メタ)アクリル樹脂で変性したポリオレフィン樹脂などを併用することが、塗料組成物の安定性、対象物との密着性の点で好適である。さらに、塗膜の乾燥速度をより高めたい場合には、樹脂成分として、溶剤離れがよい繊維素系樹脂を共重合体と併用してもよい。
樹脂成分として共重合体とともに併用され得る他の樹脂としては、上述したアクリルポリオールなどの(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル樹脂などで変性したポリオレフィン樹脂、繊維素系樹脂の他、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂などが挙げられる。これら他の樹脂は、必要に応じて1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
さらに、塗料組成物には、上述した樹脂成分を溶解または分散させるための溶剤を適宜使用できる。溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶剤が挙げられ、これらを1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
また、塗料組成物には、任意成分として、着色のための顔料やメタリック調の意匠性を付与するための金属粉末が用途に応じて適宜含まれてもよいし、各種添加剤が含まれてもよい。
顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、クロム酸鉛などの無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッドなどの有機顔料、カオリン、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの体質顔料が挙げられ、これらを1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
金属粉末としては、アルミニウム、酸化鉄、ステンレスなどの金属からなる粉末が使用できる。また、金属粉末としては、薄片状のものも使用できるし、あらかじめ各種溶剤で練られたペースト状のものを使用してもよい。
添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤、可塑剤、顔料沈降防止剤など、通常の塗料に用いられる添加剤が適宜使用できる。
塗料組成物における樹脂成分の比率には特に制限はないが、例えばスプレー塗装用途である場合には、塗料組成物中、固形分として10〜60質量%が好ましく、より好ましくは20〜50質量%である。10質量%未満では形成される塗膜の厚さが薄くなり、塗装される対象物に対して十分な意匠性、保護効果などを付与できない場合があり、60質量%を超えると レベリング性が低下して外観が低下する場合がある。
また、任意成分の塗料組成物における固形分の比率には特に制限はないが、使用される場合には、塗料組成物中、顔料は通常50質量%以下の範囲で使用され、金属粉末は通常20質量%以下の範囲で使用される。また、これらが併用される場合には、これらの総使用量が40質量%以下の範囲であることが好ましい。
塗料組成物は、上述した共重合体を1質量%以上含む樹脂成分と、必要に応じて使用される任意成分とをロールミルなどで混合することにより調製できる。こうして調製された塗料組成物は1液乾燥型のものであって、乾燥塗膜厚さが通常5〜50μmとなるように各種対象物に塗装され、例えば室温下で乾燥されることでベースコートを形成できる。
対象物の材質には制限はなく、樹脂、金属などが挙げられ、樹脂としては、例えばABS樹脂、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂が挙げられる。
塗装方法としては、スプレー塗装法、刷毛塗り法、ローラ塗装法、カーテンコート法、フローコート法、浸漬塗り法などが挙げられ、特に制限はないが、スプレー塗装法が作業性などの点から好適である。
このように形成されたベースコート上にはトップコート用塗料が塗装され、通常厚みが 10〜50μm程度のトップコートが形成される。
トップコート用塗料としては、特に制限はないが、2液硬化型の熱硬化型塗料や、活性エネルギー線硬化型塗料などが使用でき、本発明の塗料組成物からなるベースコートは、これらからなるトップコートと良好に密着する。
熱硬化型塗料としては、例えば藤倉化成製レクラックシリーズや、フジソフトシリーズなどが挙げられる。
活性エネルギー線硬化型塗料としては、特に制限はなく、紫外線により硬化するUV塗料などが使用できる。UV塗料は、通常モノマー、オリゴマー、ポリマー、光重合開始剤、溶剤が組み合わされて構成される。モノマーとしては単官能モノマーと2官能以上の多官能モノマーとが挙げられ、単官能モノマーは主に反応性希釈剤として使用され、多官能モノマーは架橋成分として用いられる。オリゴマーは塗料の主成分であって付着性などの物性を支配するものである。ポリマーは硬化時の収縮応力を緩和させて付着性を向上させるなどの目的で使用される。溶剤はオリゴマーやポリマーの添加で増粘した塗料の塗装性を高めるとともに、対象物に対するアンカー効果や拡散効果で付着性を高める作用を奏する。光重合開始剤は紫外線を吸収して開裂し、ラジカルを発生させてモノマー、オリゴマーの重合を開始させるものである。
また、活性エネルギー線硬化型塗料は、環境面から溶剤を含まない無溶剤型であってもよい。
好適な活性エネルギー線硬化型塗料としては、藤倉化成製フジハードシリーズなどが挙げられる。
このように(メタ)アクリル系樹脂と繊維素系樹脂との共重合体を樹脂成分として含む塗料組成物によれば、耐水性や耐ガソリン性はもちろん、耐ガソホール性も十分に備えた塗膜を形成でき、自動車の外装材への塗装などに適している。
また、このような塗料組成物は1液乾燥型のものとして使用できるため、ポットライフが短いという問題もなく、作業性、取扱性に優れる。
以下本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。
[実施例1]
セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(CAB)に(メタ)アクリル系樹脂がグラフトしたグラフト重合体(1)として、ハリマ化成社製のハリアクロンAP−3690(商品名)を使用した(固形分含有量50質量%)。これは、CABの存在下に、(メタ)アクリル系単量体を有機過酸化物を用いて重合したものであって、このグラフト重合体中(1)の(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル酸1.5質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレート8.3質量%、n−ブチルアクリレート23.4質量%、メチルメタクリレート66.8質量%からなる単量体成分より製造され、(メタ)アクリル系樹脂の水酸基価は40、ガラス転移温度は40℃であった。グラフト重合体(1)中におけるセルロース・アセテート・ブチレート樹脂と(メタ)アクリル系樹脂との質量比は、1.8/98.2であった。
このグラフト重合体(1)と、アルミニウム粉末を含むアルミニウムペースト(商品名:FM7680K、東洋アルミニウム工業社製)と、溶剤である酢酸ブチルとを混合し、グラフト重合体(1)を40質量%(固形分換算)含有し、アルミニウム粉末を4質量%含有する1液乾燥型の塗料組成物を調製した。
この塗料組成物を、乾燥塗膜厚さが15μmになるように、3つのABS基材(対象物)にスプレーガンでそれぞれスプレー塗装し、室温で5分間程度放置し、ベースコートを形成した。
次に、形成されたベースコートの上に藤倉化成(株)製の塗料3種(レクラック3000クリヤー、レクラック3300クリヤー、レクラック4800クリヤー(いずれも商品名))を乾燥塗膜厚さが20μmとなるようにそれぞれ塗布した後、乾燥、硬化させ、3種のトップコートがそれぞれ形成された3種の基材を得た。なお、乾燥、硬化条件は、レクラック3000クリヤーを用いたものについては60℃×30分間、レクラック3300クリヤーを用いたものについては80℃×30分間、レクラック4800クリヤーを用いたものについては80℃×90分間の条件とした。
このようにベースコートおよびトップコートからなる塗膜が形成された3種の基材に対して、以下に示すように、耐水性、耐ガソリン性、耐ガソホール性を評価した。塗料組成物(1)の組成と評価結果を表に示す。
[耐水性]
塗膜が形成された基材を40℃の温水に240時間浸漬した後、塗膜に1mm幅で10×10の碁盤目状にカッターで切れ目を入れ、碁盤目状の部分にテープを貼着し剥がす操作を実施した。テープに塗膜が全く付着しない場合を〇、碁盤目が1つでも付着して剥離した場合には×として表中に示す。テープとしては、セロハンテープを使用した。
[耐ガソリン性]
塗膜が形成された基材を室温のガソリンに1時間浸漬した後、塗膜に1mm幅で10×10の碁盤目状にカッターで切れ目を入れ、碁盤目状の部分にテープを貼着し剥がす操作を実施した。テープに塗膜が全く付着しない場合を〇、碁盤目が1つでも付着して剥離した場合には×として表中に示す。テープとしては、セロハンテープを使用した。
[耐ガソホール性]
塗膜が形成された基材を室温のガソホール(エタノールを10質量%含有するガソリンを使用)1時間浸漬した後、塗膜の状態を目視で評価した。浸漬前と全く変化がない場合を〇、塗膜に浮き、シワなどの変化が認められた場合には×として表中に示す。
[実施例2〜6、比較例1〜6]
表に示す組成とした以外は実施例1と同様にして1液乾燥型の塗料組成物を調製し、これを用いて3つのABS基材の上にベースコートをそれぞれ形成した。ついで、形成されたベースコートの上に実施例1と同様の塗料3種をそれぞれに塗布、乾燥し、異なるトップコートが形成された3種の基材を得た。そして、これらについて、実施例1と同様の評価を行った。各塗料組成物の組成と評価結果を表に示す。
[実施例7]
グラフト重合体(1)の代わりに、グラフト重合体(2)を使用した。このグラフト重合体(2)は、セルロース・アセテート・ブチレート樹脂と(メタ)アクリル系樹脂との質量比が10/90である点でグラフト重合体(1)と異なっている。そして、表に示す組成とした以外は実施例1と同様にして1液乾燥型の塗料組成物を調製し、これを用いて3つのABS基材の上にベースコートをそれぞれ形成し、形成されたベースコートの上に実施例1と同様の塗料3種をそれぞれに塗布、乾燥し、異なるトップコートが形成された3種の基材を得た。そして、これらについて、実施例1と同様の評価を行った。各塗料組成物の組成と評価結果を表に示す。
[実施例8〜9、比較例7]
表に示す組成とした以外は実施例1と同様にして1液乾燥型の塗料組成物を調製し、これを用いてポリプロピレン基材の上にベースコートを形成した。ついで、形成されたベースコートの上に藤倉化成(株)製の塗料(レクラック3000クリヤー(商品名))を乾燥塗膜厚さが20μmとなるようにそれぞれ塗布した後、乾燥、硬化させ、トップコートが形成された基材を得た。なお、乾燥、硬化条件は、60℃×30分間とした。そして、これについて、実施例1と同様の評価を行った。各塗料組成物の組成と評価結果を表に示す。
なお、表中の各成分の内容は以下の通りである。
(1)アクリルポリオールA:日立化成社製、ヒタロイド3001(商品名)、水酸基価30、ガラス転移温度30℃、固形分含有量50質量%
(2)アクリルポリオールB:東レファインケミカル社製、コータックスLH649(商品名)、水酸基価30、ガラス転移温度50℃、固形分含有量55質量%
(3)CAB−A:イーストマンケミカル社製、CAB551−0.2(商品名)、セルロース・アセテート・ブチレート樹脂、固形分含有量100質量%
(4)CAB―B:イーストマンケミカル社製、CAB551−0.01(商品名)、セルロース・アセテート・ブチレート樹脂、固形分含有量100質量%
(5)アクリルスチレンポリオール:大日本インキ工業社製、アクリデックA−801P(商品名)、水酸基価50、ガラス転移温度50℃、固形分含有量50質量%
(6)塩素化ポリオレフィン:日本製紙社製、スーパークロン892L(商品名)、固形分含有量20質量%、塩素含有率22%、ガラス転移温度80〜90℃
(7)アクリル変性塩素化ポリオレフィン:藤倉化成社製(塩素含有率21%の塩素化ポリプロピレン分13質量%とアクリル樹脂分87質量%)
Figure 2007224136
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表から明らかなように、樹脂成分として、セルロース・アセテート・ブチレート樹脂に(メタ)アクリル系樹脂がグラフトしたグラフト重合体を少なくとも使用した各実施例の塗料組成物からは、ABSやPPからなる基材に対して、耐ガソホール性が優れ、高い耐性を備えた塗膜を形成できることが示された。また、実施例2〜9では、アクリルポリオールやセルロース・アセテート・ブチレート樹脂、塩素化ポリオレフィン、アクリル変性塩素化ポリオレフィンを樹脂成分として併用していて、グラフト重合体の樹脂成分に占める割合は低くなっているが、それでも高い耐性が発現した。
一方、各比較例のものでは、耐水性のみ、あるいは耐水性と耐ガソリン性を備えた塗膜は形成できたが、耐ガソホール性は悪い結果となった。

Claims (5)

  1. (メタ)アクリル系樹脂と繊維素系樹脂との共重合体を1質量%以上含有する樹脂成分を含むことを特徴とするベースコート用塗料組成物。
  2. 前記共重合体は、前記繊維素系樹脂0.1〜50質量%と、前記(メタ)アクリル系樹脂99.9〜50質量%とからなることを特徴とする請求項1に記載のベースコート用塗料組成物。
  3. 前記共重合体は、繊維素系樹脂に(メタ)アクリル系樹脂がグラフトしたグラフト重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載のベースコート用塗料組成物。
  4. 前記(メタ)アクリル系樹脂は、水酸基および/またはカルボキシル基を含有する脂肪族系(メタ)アクリル系単量体を少なくとも含む単量体成分が重合したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のベースコート用塗料組成物。
  5. 前記繊維素系樹脂は、酢酸セルロース系樹脂であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のベースコート用塗料組成物。

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