JP2008246710A - 化粧シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷の施された印刷基材上に、塗面ムラがなく、物性に優れた2層のコート層を有し、意匠性や機能性に優れた化粧シートおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】印刷が施された印刷基材4と、印刷基材4上に、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂を含有する水性液からなる第一のコート剤を用いて形成された第一のコート層2と、第一のコート層2上に、活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する第二のコート剤を用いて形成された第二のコート層1とを具備することを特徴とする化粧シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、化粧シートおよびその製造方法に関する。
建装材の分野においては、古くから、意匠性が重要な付加価値とされており、たとえば木目や抽象柄等を中心とする任意の意匠が施された化粧シートが、建築の内外装および家具、調度品等に接着して使用されている。
従来、化粧シートへの意匠性の付与は、基材表面に、単純な柄から柄の同調、ハイグロス、ハイマット、盛り上げ、絞りといった加工を施すことにより行われており、かかる加工にはコート剤(塗料、インキ等)が一般的に用いられている。これらの加工は、同時に行うことが難しく、各々の加工工程を別々に行って付与されることが多い。
従来、このような加工に用いられる方法の1つとして、コート剤(例えば塗料、インク、粘着剤)を化粧シート表面の一部または全部に塗工する方法がある。
一方、従来、コート剤としては、塗工性に優れることから、樹脂を有機溶剤で希釈する溶剤型が主流であった。しかし、近年、環境、安全性等への配慮から、コート剤のノンソルベント化あるいは水系化への要求が高まっており、種々のノンソルベント型コート剤や水系コート剤が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
特開2001−38849号公報
近年、建装材の分野では、意匠性に加えて、様々な新機能を付与したり、機能をさらに高めることが求められるようになっている。たとえば耐久性の向上という点では、防汚性、耐擦傷性、耐溶剤性、耐候性等の機能を高めることが求められる。
しかし、コート剤を用いて化粧シートに新機能を付与しようとした場合、その他の機能や意匠性が損なわれ、所望の意匠性や機能性を充分に具備した化粧シートが得られないという問題がある。
たとえば、コート剤を用いて印刷基材(たとえば印刷を施した紙)上にコート層を形成しようとすると、原紙の紙の目やインキの濃淡による滲み込み差が生じ、当該コート層の塗面の平滑性が悪かったり、所望の機能性(たとえば意匠性や物性、光沢、表面硬度などの)が得られないことがある。当該コート層の塗面の平滑性が悪いと、さらにその上に別のコート層を設けて別の意匠性や機能性を付与しようとした場合に、この二層目にも上記と同様の問題が生じてしまい、所望の意匠性や機能性が得られない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、印刷の施された印刷基材上に、塗面ムラがなく、物性に優れた2層のコート層を有し、意匠性や機能性に優れた化粧シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]印刷が施された印刷基材と、前記印刷基材上に、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂を含有する水性液からなる第一のコート剤を用いて形成された第一のコート層と、前記第一のコート層上に、活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する第二のコート剤を用いて形成された第二のコート層とを具備することを特徴とする化粧シート。
[2]前記水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂が、活性エネルギー線硬化型樹脂である[1]に記載の化粧シート。
[3]前記水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂の平均粒子径が15nm以上500nm以下である[1]または[2]に記載の化粧シート。
[4]前記第二のコート層が、前記第一のコート層上の一部に形成され、前記第一のコート層の一部が当該化粧シートの最表面に露出している[1]〜[3]のいずれか一項に記載の化粧シート。
[5][1]〜[4]のいずれか一項に記載の化粧シートの製造方法であって、
印刷が施された印刷基材上に、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂を含有する水性液からなる第一のコート剤を塗工し、乾燥して塗膜を形成する工程と、前記塗膜上に、活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する第二のコート剤を塗工し、活性エネルギー線を照射する工程とを有することを特徴とする化粧シートの製造方法。
本発明の化粧シートは、印刷の施された印刷基材上に、塗面ムラがなく、物性に優れた2層のコート層を有し、意匠性や機能性に優れたものである。
また、本発明の化粧シートの製造方法によれば、印刷の施された印刷基材上に、塗面ムラがなく物性の良好な第一のコート層を形成でき、そのため、さらにその上に設ける第二のコート層も、塗面ムラがなく、物性に優れたものとすることができる。そのため、それら2層のコート層により付与される意匠性や機能性が充分に発揮され、優れた意匠性や機能性を有する化粧シートを製造できる。
本発明の化粧シートは、印刷(たとえば絵柄)が施された印刷基材と、前記印刷基材上に、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂を含有する水性液からなる第一のコート剤を用いて形成された第一のコート層と、前記第一のコート層上に、活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する第二のコート剤を用いて形成された第二のコート層とを具備する。
<印刷基材>
印刷基材において、印刷が施される基材としては、印刷が可能であれば特に限定されず、当該化粧シートの用途に応じ、その材質、厚み、表面処理等を適宜選択すればよい。
基材の材質としては、たとえば紙、プラスチック基材、不織布、ガラス、金属、木材等が挙げられる。本発明が効果的であることから、印刷基材上に塗布される第一のコート剤が滲み込み易いものほど好ましく、特に紙が好ましい。
紙として、単層のもの、晒し、未晒し、樹脂含浸紙、有機および/または無機質含有紙、プラスチック基材等のコアを持つ多層のものなど、こだわりはなく、坪量、印刷インキとの密着性、色相、紙間強度、コスト、使用部位等、適宜必要に応じ選択するとよい。
樹脂含浸の場合に用いられる樹脂としては、たとえば下記プラスチック基材の材質として挙げる樹脂と同様のものが挙げられる。
プラスチック基材の材質としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、金属アイオノマー、酸変性ポリオレフィン樹脂、エチレン−メタクリル共重合体(EMAA)、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル系樹脂、ウレア系樹脂、メラミン系樹脂、共重合系樹脂、アセテート系樹脂、シリカ系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリカーボネート(PC)などのエンジニアリングプラスチック又はスーパーエンジニアリングプラスチックが挙げられる。また、それ以外にも、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、湿気硬化型樹脂等の硬化性樹脂も挙げることができる。これらの樹脂は、いずれか単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
基材は表面処理が施されていてもよく、表面処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理、放射線処理等が挙げられる。
基材の厚みは限定されるものではなく、用途等を考慮して適宜選定するとよい。
印刷基材は、従来公知の方法により得ることができ、たとえば基材上にインキを塗工してインキ層(印刷層)を形成することによって得られる。
インキの種類は、特に限定されず、市販のインキのなかから、使用する基材の材質、当該化粧シートの用途等を考慮して適宜選択すればよい。インキとしては、通常、バインダー樹脂と着色料とを含むものが用いられる。本発明においては、熱、活性エネルギー線等により硬化する硬化型インキが好ましい。硬化型インキには、通常、バインダー樹脂および着色料に加えてさらに硬化剤が添加される。
また、場合によっては、上層(第一のコート層)との密着性も考慮し、インキのバインダー樹脂や硬化剤の選定を行うとよい。第一のコート層との密着の観点からは、インキのバインダー樹脂としては、2液硬化型のウレタン系樹脂、塩素化ポリプロピレン(PP)系樹脂、硝化綿系樹脂、場合によっては水系樹脂を用いることが好ましい。
2液硬化型ウレタン樹脂は、ポリオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂である。例えば、2液硬化型のウレタン樹脂におけるポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサントリオール、トリメリロールプロパン、ポリテトラメチレングリコール、アジピン酸とエチレングリコールとの縮重合物等が挙げられる。また、ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
印刷基材においては、必要に応じて、基材とインキ層との間に、密着性向上、インキ層硬化性向上等のために、シーラー層を設けてもよい。シーラー層としては、選定した基材とインキ層とを密着させることが最大の効果である。但し、基材とインキ層との密着や諸物性などが十分であれば、必ずしも設ける必要はない。そのため、基材への濡れや塗膜の柔軟性等を考慮して、適宜選択するとよい。シーラー層は、表面が平滑であるほど好ましく、また、透明性が高いほど好ましい。
シーラー層は、たとえばバインダー樹脂を含むシーラーを塗工することにより形成できる。該バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、(シクロ)オレフィン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、エンジニアリングプラスチック類、スーパーエンジニアリングプラスチック類、ウレア系樹脂、メラミン系樹脂、共重合系樹脂、アセテート系樹脂、シリコン系樹脂、シリカ系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられ、透明性の高いものが好ましい。
バインダー樹脂としては、基材とインキ層との密着の観点からは、前記インキのバインダー樹脂と同様、2液硬化型のウレタン系樹脂、塩素化PP系樹脂、硝化綿系樹脂、場合によっては水系樹脂を用いることが好ましい。
さらに、前記シーラーが、上記バインダー樹脂に加えてさらに硬化剤を含有するものであると、その硬化剤の効果でシーラー層の強度が向上し、密着性も向上する場合があることから好ましい。
シーラーは、無溶剤系であってもよく、また、バインダー樹脂を溶剤で希釈した溶剤系のものであってもよく、バインダー樹脂を水等の水性媒体で希釈した水系のものであってもよく、基材への濡れ性等を考慮し、適宜選択すればよい。
インキおよびシーラーの塗工方法としては、それぞれ、バーコーティング、ブレードコーティング、スピンコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、マイクログラビア、リップコーティング、エアーナイフコーティング、ディッピング法等の方法を用いることができる。塗工方法および塗工量は、使用するインキやシーラーの種類、形成しようとするインキ層またはシーラー層の厚さ、塗工速度、乾燥能力等に合わせて適宜選択するとよい。
<第一のコート剤>
第一のコート剤は、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂を含有する水性液からなるものである。
本発明においては、印刷基材上の一層目のコート層に、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂を用いることにより上記効果が得られる。これは、第一のコート層が、塗面ムラがなく、表面平滑性に優れ、目止め作用も有するものとなるため、当該層の諸物性が向上し、同時に、その上層に形成される第二のコート層も均一性が高く意匠性に優れ、物性にも優れたものとなるためと考えられる。
水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂は、水等の水性液中において、粒子として分散した状態で存在する。そのため、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂は、高分子量ものを用いても、低粘度の水性液(コート剤)とすることができるという利点を有する。
本発明において、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂が後述するように活性エネルギー線硬化型樹脂である場合、その製造方法として、第一のコート層を硬化させた後、第二のコート層を設ける場合と、第一のコート剤を塗布し、乾燥させて塗膜(未硬化)を形成した後、その上に第二のコート剤を塗工し、活性エネルギー線を照射して第一のコートと第二のコート層とを同時に硬化させる場合とが考えられ、通常は後者が選択される。そして、未硬化の塗膜上にインラインで第二のコート層を形成する場合と考慮すると、未硬化の塗膜が、タックフリーであることが好ましい。この点からも、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂を用いることが効果的である。
本発明においては、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂の平均粒子径が、500nm以下であることが好ましく、400nm以下がより好ましく、300nm以下がさらに好ましく、200nm以下がさらに好ましい。また、該平均粒子径は、15nm以上であることが好ましく、30nm以上がより好ましく、50nm以上がさらに好ましい。平均粒子径が500nm以下であると、本発明の効果に優れる。また、第一のコート剤中において凝集や沈降が生じにくく、粘度も安定であり、保存安定性に優れる。また、粒子径が15nm以上であると、粒子の安定性が良好で、コート剤の粘度が安定である。また、形成される第一のコート層の物性(耐溶剤性等)も向上する。たとえば粒子径が小さすぎると、第一のコート剤の増膜性が悪かったり、粘度が低すぎたりなどで、良好な膜を形成できないおそれがある。すなわち、印刷基材上への塗布時に、樹脂粒子が印刷基材表面の隙間(紙間あるいはインク層の隙間)から抜けて、コート層が、隙間があったり膜厚が不均一なものとなってしまい、たとえば溶剤が接触した際に該溶剤がその隙間から滲み込み、印刷基材の印刷を侵食するおそれがある。
水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂を構成する樹脂としては、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、エンジニアリングプラスチック類、スーパーエンジニアリングプラスチック類、ウレア系樹脂、メラミン系樹脂、共重合系樹脂、アセテート系樹脂、シリコン系樹脂、シリカ系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられ、透明性の高いものが好ましい。
本発明において、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂は、活性エネルギー線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂等の硬化型樹脂であることが好ましく、特に活性エネルギー線硬化型樹脂であることが好ましい。また、硬化型樹脂と非硬化型樹脂とを併用してもよい。
ここで活性エネルギー線とは、分子の重合反応ないし架橋反応を生じさせ得るエネルギーを有する放射線を意味し、紫外線、電子線等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化型樹脂としては、紫外線硬化型樹脂または電子線硬化型が好ましく、紫外線硬化型樹脂がより好ましい。
活性エネルギー線硬化型樹脂としては、たとえば、重合して樹脂となる重合性化合物(プレポリマー)と重合開始剤とを含有する重合性組成物が挙げられる。
プレポリマーとしては、分子中に、(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性不飽和基を有するラジカル重合性化合物、エポキシ基等のカチオン重合性官能基を有するカチオン重合性化合物等が挙げられ、特にラジカル重合性化合物が好ましい。
ラジカル重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリレート類が挙げられる。(メタ)アクリレート類としては、ポリウレタン(メタ)アクリレートやエポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート、その他の多官能(メタ)アクリレート類を好適に使用することができる。特に、3官能以上、好ましくは6官能以上のアクリル官能基を有することが好ましい。
エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ樹脂のエポキシ基を(メタ)アクリル酸でエステル化し官能基を(メタ)アクリロイル基としたものであり、ビスフェノールA型(F型)エポキシ樹脂への(メタ)アクリル酸付加物、ノボラック型エポキシ樹脂への(メタ)アクリル酸付加物等がある。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとをイソシアネート基過剰の条件下に反応させてなるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを、水酸基を有する(メタ)アクリレート類と反応させて得ることができる。あるいは、ポリオールとポリイソシアネートとを水酸基過剰の条件下に反応させてなる水酸基含有ウレタンプレポリマーを、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート類と反応させて得ることもできる。
ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサントリオール、トリメリロールプロパン、ポリテトラメチレングリコール、アジピン酸とエチレングリコールとの縮重合物等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
水酸基をもつ(メタ)アクリレート類としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリテート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。
イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート類としては、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート等が挙げられる。
その他の多官能の(メタ)アクリレート類は、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するものであり、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。さらには、6個以上(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。
具体的にはトリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロイルキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロイルキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及びこれら2種以上の混合物が挙げられる。
重合開始剤としては、特に限定されず、使用する活性エネルギー線の種類等に応じて適宜決定すればよい。たとえば紫外線硬化型樹脂である場合には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ゲンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド、ミヒラーズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等の光重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は2種以上を適宜併用することもできる。
熱硬化型樹脂としては、たとえば、前記で挙げた2液硬化型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂は、水系エマルジョン、水系ディスパージョンとして種々のものが市販されており、本発明においてはこれらを適宜選択して使用できる。
前記水系エマルジョンおよび/または水系ディスパージョンは、必要に応じて希釈して用いられる。この場合、希釈媒体としては主に水が用いられる。塗布や増膜、乾燥の関係上場合によって、極少量の水可溶な有機溶剤を用いる場合もあるが(例えば、アルコール類、グリコール類、ケトン類など)、エマルジョンあるいはディスパージョン中の系の安定を欠くような希釈媒体(たとえばトルエンや石油系溶剤)の使用は避けることが好ましい。希釈媒体としては、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
第一のコート剤には、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂の他に、耐摩耗性向上、表面硬度、耐溶剤性等向上のため、コロイド状金属酸化物、シリカゾル、後述する無機系または有機系フィラー、スリップ剤等を含有してもよい。
第一のコート剤には、塗料自体に光沢制御のマット性や乾燥後のタック感を減少させるため、あるいは塗膜硬度をあげるために、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、炭化ケイ素等の無機フィラーや、アクリル、ウレタン、スチレン、メラミン等共重合の架橋樹脂からなる、いわゆる樹脂フィラーと言った有機フィラーを単一あるいは複数組み合わせて使用することも可能である。
但し、フィラーを配合する場合、第一のコート剤の粘度が上昇したり、長期保存の安定性が悪くなったり、マット化のために混合すると条件によってはフィラー粒子が塗膜の表面に出て耐汚染性、耐溶剤性、耐表面硬度性を落とすこともあり、塗布の際には注意が必要である。
また、フィラーを混合する場合、第一のコート剤中に分散している水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂の安定を考慮して混合する必要がある。たとえばフィラー等を混合する場合、該フィラーが核となったり、pHの変化が生じることにより、第一のコート剤の安定性を欠くおそれがあるため注意が必要である。
第一のコート剤には、第一のコート層に帯電防止機能を付与するために、帯電防止剤を配合することもできる。
帯電防止剤としては、特に限定されず、たとえば五酸化アンチモン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムなどの導電性の金属化合物や、アンチモン含有複合酸化物やIn−Sn複合酸化物、リン系化合物などの導電性の複合金属化合物、第四級アンモニウム塩、アミンオサイド等のアミン誘導体、ポリアニリン等の導電性ポリマー等が挙げられる。
第一のコート剤には、第一のコート層に防汚機能を付与するために、防汚性材料を配合することもできる。防汚性材料としては、たとえば、フッ素系化合物、珪素系化合物、フッ素含有珪素化合物などが挙げられる。
また、前述の防汚機能と類似するが、第一のコート層に表面スリップ性を付与するために、第一のコート剤に、フッ素系化合物、シリコン系(珪素系化合物)、シリコン変性されたポリアクリルやアクリル系共重合物などを配合してもよい。
これらの化合物は、単独あるいは組み合わせて使用してもよい。
第一のコート剤には、第一のコート層に紫外線吸収機能を付与するために、紫外線吸収剤を配合することもできる。
ここで、紫外線吸収剤としては、400nm以下の波長の紫外線を効率よく吸収するものが好ましく、350nmの波長を80%以上吸収できるものがより好ましい。
紫外線吸収剤としては、無機系あるいは有機系のいずれも使用できるが、有機系の紫外線吸収剤が実用的である。有機系の紫外線吸収剤としては、300〜400nmの間に極大吸収を有し、その領域の光を効率よく吸収ものが好ましく、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、アクリレート系紫外線吸収剤、オギザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいが、数種類組み合わせて用いることがより好ましい。
また、紫外線吸収剤と、ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤および/または酸化防止剤とを併用してもよい。これにより、紫外線吸収剤の安定性が向上する。
<第二のコート剤>
第二のコート剤は、活性エネルギー線硬化型樹脂を含有するものである。
第二のコート剤において、活性エネルギー線硬化型樹脂としては、前記第一のコート剤で挙げた活性エネルギー線硬化型樹脂と同様のもの(たとえばプレポリマーと重合開始剤とを含有する重合性組成物)が挙げられる。
ただし、第二のコート剤に用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂は、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂には限定されず、溶剤型、水溶性型、無溶剤型等の任意のものを用いてもよい。
樹脂の具体例としては、例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、エンジニアリングプラスチック類、スーパーエンジニアリングプラスチック類、ウレア系樹脂、メラミン系樹脂、共重合系樹脂、アセテート系樹脂、シリコン系樹脂、シリカ系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂は、できれば、透明性の高いものが好ましいが、意匠性など、必要に応じて着色してもよい。
活性エネルギー線硬化型樹脂は、必要に応じて希釈して用いられる。希釈する場合の溶剤としては、水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸−iso−プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸−iso−ブチル等のエステル類、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンシクロヘキサノン等のケトン類、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキエタノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル等のエーテル類、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のエーテルエステル類が挙げられ、さらには、水系が可能であればなおよく、またこれらの単独あるいは2種以上を混合して使用することもできる。
但し、希釈溶剤があると、塗工後に乾燥工程を要するため、第二のコート層の表面光沢、および第二のコート層を第一のコート層上の一部に設けて第一のコート層の一部を露出させる場合は当該露出させる部分の第一のコート層の表面光沢が、シャープに維持しにくい可能性もあり、無溶剤型の樹脂を用いることが好ましい。
また、第二のコート剤においては、前記活性エネルギー線硬化型樹脂と、活性エネルギー線硬化型樹脂以外の樹脂(たとえば前記2液硬化型ウレタン樹脂等の熱硬化型樹脂および/または非硬化型樹脂)とを併用してもよい。
第二のコート剤には、上記成分の他に、耐摩耗性向上、表面硬度、耐溶剤性等向上のため、コロイド状金属酸化物、有機溶剤を分散媒としたシリカゾル、後述する無機系または有機系フィラー、スリップ剤等を含有してもよい。
さらに、第二のコート層をより光沢的にマットにしたい場合、第二のコート剤に、マット剤、例えば、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、炭化ケイ素、のような無機フィラーや、アクリル、ウレタン、スチレン、メラミン等共重合の架橋樹脂からなる、いわゆる樹脂フィラーと言った有機フィラーを単一あるいは複数組み合わせて配合することも可能である。
但し、この場合、第二のコート剤の粘度が上昇したり、長期保存安定性に劣ったり、フィラーによってはマット化することを考えて塗膜表面にフィラー粒子が出るようにするとフィラーに起因して耐汚染性、耐溶剤性が劣化するおそれがあり、塗布に際には、注意が必要である。
第二のコート剤には、前記第一のコート剤と同様、第二のコート層に帯電防止機能を付与するための帯電防止剤、防汚機能を付与するための防汚性材料、表面スリップ性を付与するためのスリップ剤、紫外線吸収機能を付与するための紫外線吸収剤を配合することもできる。また、紫外線吸収剤と、ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤および/または酸化防止剤とを併用してもよい。
本発明の化粧シートは、たとえば、印刷が施された印刷基材上に、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂を含有する水性液からなる第一のコート剤を塗工し、乾燥して塗膜を形成する工程と、前記塗膜上に、活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する第二のコート剤を塗工し、活性エネルギー線を照射する工程とを有する製造方法により製造できる。
第一のコート剤の塗工方法としては、公知の方法、たとえばバーコーティング、ブレードコーティング、スピンコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、マイクログラビアコーティング、リップコーティング、エアーナイフコーティング、ディッピング法等の方法を用いることができる。
乾燥方法としては、温(熱)風乾燥、IRヒーター、熱ロール等の方法を用いることができる。
第一のコート層は、塗工量が1〜20g/mであることが好ましく、3〜10g/mであることがより好ましい。
塗膜の形成後、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂が硬化型樹脂である場合は、塗膜の硬化反応を促進するために、活性エネルギー線の照射、加熱等の硬化処理を行ってもよい。ただし、本発明においては、前記塗膜の形成後、硬化処理を行わず、そのままインラインで該塗膜上に第二のコート剤を塗工し、その後、後述するように、第二のコート層の硬化と同時に第一のコート層の硬化処理を行うことが好ましい。たとえば第二のコート剤の塗工後、活性エネルギー線を照射するか、または活性エネルギー線を照射とともに加熱処理を行うことにより、第一のコート層と第二のコート層とを同時に硬化させることができる。
水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂が熱硬化型樹脂の場合は、硬化反応が起こるまでに熱量と時間が必要であるが、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂が紫外線、電子線等の活性エネルギー線硬化型樹脂であれば、瞬時に活性エネルギー線を照射することにより硬化させることができる。この点からも、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂は活性エネルギー線硬化型樹脂であることが好ましい。
本発明において、第二のコート層は、第一のコート層上の全体を覆うように設けられていてもよく、また、第一のコート層上の一部に形成されていてもよい。特に、本発明においては、第一のコート層上の一部に形成され、第一のコート層の一部が当該化粧シートの最表面に露出していることが好ましい。第二のコート層を部分的に、たとえば印刷基材の絵柄等に合わせた意匠の層(意匠層)として形成し、第一のコート層の一部(ベタ部)を化粧シートの最表面に露出させることにより、意匠性の高い化粧シートを得ることができる。
図1に本発明の化粧シートの一例を示す。本例の化粧シートにおいては、印刷基材上4上に、フィラー3を含有する第一のコート層2が設けられている。
また、第一のコート層2上には、第一のコート層2上の一部を被覆する第二のコート層1が複数形成されており、第一のコート層2表面の一部が、化粧シートの最表層に露出している。
第二のコート層は、第二のコート剤を塗工した後、当該コート剤が希釈成分を含有する場合はそれを乾燥させ、第二のコート剤を硬化せしめることによって形成される。
第二のコート剤の塗工方法としては、建装材で用いられる、いわゆる木目や抽象柄等の意匠性のある柄を塗工するのに適していることから、グラビアコーティング、スクリーンコート、フレキソコート、スプレーコート等の方法を好ましく用いることができる。
第一のコート剤の塗工から連続して出来ること、第一のコート層および第二のコート層の光硬化を同時に実施できること、また、ベタ部の光沢コントロール付与の観点からも、グラビアコートでの塗布が好ましい。
第二のコート層の厚みは、特に限定されないが、乾燥状態(dry)において、通常1〜50μmの範囲内が好ましく、3〜20μmがより好ましい。
第二のコート剤の硬化は活性エネルギー線の照射により行われる。また、活性エネルギー線硬化と熱硬化型との併用する場合、つまり第一のコート剤が熱硬化型樹脂を含む場合や、第二のコート剤がさらに熱硬化型樹脂を含む場合は、さらに、加熱処理を施される。
活性エネルギー線としては、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる紫外線あるいは、通常20〜2000KeVの電子線加速器から取り出される電子線、α線、β線、γ線等を用いることができる。
また、活性エネルギー線硬化と熱硬化型との併用型の場合は、活性エネルギー線照射ののちに、熱硬化させることが好ましい。それは、たとえば第二のコート層を第一のコート層上の一部に形成した場合に、まず、活性エネルギー線の照射により第二のコート層を硬化させることにより、その賦形された形状を維持しつつ最終硬化させることができるからである。
本発明の化粧シートを製造する際の一連の流れとしては、印刷基材に対し、第一のコート剤を塗布、乾燥後、そのままインラインで第二のコート剤を柄様に塗布し、活性エネルギー線、好ましくは電子線を照射することにより、第一のコート層と第二のコート層(意匠層)とを一回で硬化させることが好ましい。
その際、第一のコート層と第二のコート層の光沢に差を出すことにより、意匠性がより向上する。特に、第一のコート層をマット調に、柄様に塗布する第二のコート層を、グロス調にすることが好ましい。これにより、第二のコート層の柄様がより強調され、意匠性のある化粧紙が得られる。
このときの、第一のコート層と第二のコート層との光沢の差は、特に規定するものではないが、60°反射グロス値で30以上の差があることが好ましく、50以上の差があることがより好ましい。
第一のコート層のマット調の程度は、60°角度グロス値で、10以下であることが好ましく、1以下であることが好ましい。また、第二のコート層のグロス調の程度は、60°角度グロス値で、51以上であることが好ましい。
第一のコート層および第二のコート層の光沢(マット調、グロス調)は公知の光沢制御方法により調整できる。たとえばマット調の制御は、前述したフィラーの添加量や、樹脂の相溶性の違いによるうみしま状態による表面の荒れ、版面形状の転写、賦形シートをラミネート後に剥離しての表面賦形等、層の内部および/または表面等を適宜選択するとよい。たとえば、フィラーの添加量を、当該コート層の総固形分の10質量%以上とすることにより、60°角度グロス値を1以下にすることができる。
グロス調(光沢面)に関しても同様で、光沢のロール面に抱かせたり、光沢のある賦形シートを利用したり、フィラーの添加量を少なくするかまたは添加しない等によっても、ある程度の光沢値を得ることもできる。
第二のコート層の柄様は、特に規定するものではなく、印刷基材の柄を考慮し、適宜選択するとよい。たとえば印刷の柄様に同調させたり、また別の意匠性を持たせたりすることもできる。
[実施例1]
固形分濃度40質量%の多官能ウレタンディスパージョン(UCECOAT:ダイセル・サイテック製;電子線硬化型樹脂;平均粒子径200nm)100質量部に、無機フィラー(サイリシア430;富士シリシア社製)15質量部、分散剤(DisperBYK187;ビックケミージャパン社製)0.5質量部、沈降防止剤(Additol6387;伊藤製油社製)1.0質量部、表面調整剤(BYK333;ビックケミージャパン社製)0.5質量部を添加して塗料1を調製した。
別途、坪量30g/mの原紙に木目柄の印刷を施して印刷基材とし、その上に、一層目として、グラビアコート方式にて、前記塗料1を、塗工量が5g/m(dry)となるように塗布し、乾燥させて塗膜を形成した。
該塗膜の上に、インラインで、ノンソルベントタイプのクリアの電子線硬化型樹脂(EB104:東洋インキ製造(株)製)を、印刷基材の木目柄に同調させた版にて塗布し、該木目柄と同調した柄の二層目を形成した。該二層目の厚みは、約10μm(dry)とした。そして、前記の版で塗布した直後に二層目側から、30KGyの電子線を照射し、一層目および二層目を硬化させ、化粧紙を得た。
[実施例2]
多官能ウレタンディスパージョン(UCECOAT;ダイセル・サイテック製;電子線硬化型樹脂;平均粒子径200nm)の代わりに、ウレタン系アクリルエマルジョンジョン(ビームセットEM90;荒川化学工業製;電子線硬化型樹脂)を用いた以外は実施例1と同様にして化粧紙を得た。
[比較例1]
多官能ウレタンディスパージョン(UCECOAT;ダイセル・サイテック製;電子線硬化型樹脂;平均粒子径200nm)の代わりに、固形分濃度40質量%の水溶性樹脂(NKオリゴ:A−GLY−9E;新中村化学工業製;電子線硬化型樹脂)を用いた以外は実施例1と同様にして化粧紙を得た。
[比較例2]
多官能ウレタンディスパージョン(UCECOAT;ダイセル・サイテック製;電子線硬化型樹脂;平均粒子径200nm)の代わりに、固形分濃度30質量%の溶剤系樹脂(バイロンUR1400;東洋紡績社製;ポリエステルウレタン樹脂)を用いた以外は実施例1と同様にして化粧紙を得た。
[評価]
上記実施例1〜2および比較例1〜2で得られた化粧紙について、また、各実施例および比較例で一層目として形成した塗膜、用いた塗料について、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
(1)耐溶剤性:得られた化粧紙(二層目までを硬化させた化粧紙)に対し、メチルエチルケトン(MEK)を浸漬させた綿布で、表面をハンドラビングし、100回毎に新しいものに交換して実施した。印刷基材の印刷柄に目視で変化が見られた時のラビング回数を表1に示す。この回数が多いほど、耐溶剤性に優れることを示す。
(2)塗面ムラ:一層目の塗膜表面の平滑性(塗面のムラ)を、目視にて、下記の基準で評価した。
○:塗面ムラなし。
△:一部ムラあり。
×:全面的に塗面ムラあり。
(3)膜厚均一性:一層目の塗膜を形成した後、印刷基材を1cm角にカットし、その切片10個について、塗膜の塗工量(1cm角の重量)を測定し、各切片の塗工量のばらつき(m換算)を求め、下記の基準で評価した。
○:±0.3g/m未満。
×:±0.3g/m以上。
(4)塗料安定性:調製した塗料を一斗缶で常温保管し、3ヶ月後の塗料中の凝集状態を目視で確認し、下記の基準で評価した。
○:凝集は見られない。
×:一部凝集様のものが見られる。
Figure 2008246710
本発明の化粧シートの構成の一例を示す概略図である。
符号の説明
1…第二のコート層、2…第一のコート層、3…フィラー、4…印刷基材

Claims (5)

  1. 印刷が施された印刷基材と、前記印刷基材上に、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂を含有する水性液からなる第一のコート剤を用いて形成された第一の樹脂層と、前記第一の樹脂層上に、活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する第二のコート剤を用いて形成された第二のコート層とを具備することを特徴とする化粧シート。
  2. 前記水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂が、活性エネルギー線硬化型樹脂である請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂の平均粒子径が15nm以上500nm以下である請求項1または2に記載の化粧シート。
  4. 前記第二のコート層が、前記第一のコート層上の一部に形成され、前記第一のコート層の一部が当該化粧シートの最表面に露出している請求項1〜3のいずれか一項に記載の化粧シート。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の化粧シートの製造方法であって、
    印刷が施された印刷基材上に、水系エマルジョン樹脂および/または水系ディスパージョン樹脂を含有する水性液からなる第一のコート剤を塗工し、乾燥して塗膜を形成する工程と、前記塗膜上に、活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する第二のコート剤を塗工し、活性エネルギー線を照射する工程とを有することを特徴とする化粧シートの製造方法。
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